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技術 香料劣化防止剤

出願人 高砂香料工業株式会社
発明者 平本忠浩濟木健次坂本和雅桝村聡清水達山下智也谷中史弘濟間俊昇
出願日 2001年3月19日 (19年9ヶ月経過) 出願番号 2001-079210
公開日 2002年9月25日 (18年3ヶ月経過) 公開番号 2002-275496
状態 特許登録済
技術分野 調味料 脂肪類、香料
主要キーワード 蒸留残滓 多段抽出法 固形入浴剤 虐待試験 ゲル状芳香 カプセルタイプ 発泡入浴剤 精製植物油
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この項目の情報は公開日時点(2002年9月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

優れた劣化防止性能を有し、しかも環境やヒトに優しい香料劣化防止剤を提供する。

解決手段

サツマイモ類の葉及び/又は原料として抽出処理して得られたもの香料劣化防止剤の有効成分とする。

概要

背景

古くから油脂などの有機物酸化や熱により変質され、本来有する性質が低下したり、あるいは失われてしまうことが知られていた。その点を解決するため、数多くの抗酸化剤が開発され、報告されている。例えば、BHTアスコルビン酸トコフェロール化合物などが優れた抗酸化能を有するものとして広く使用されている。それらの中では例えばトコフェロール系化合物などの抗酸化剤は環境やヒトに優しいものであり、その点では優れているということができるが、安定化性能という点ではいまだ十分といえるものではない。一方、最近の消費者嗜好性満足させるべく食品中に香料を添加・配合する場合が多いが、食品の製造・加工時あるいは保存時に、食品内の食品香料劣化し、食品の風味が低下してしまうという問題点が指摘されている。食品香料もその殆どが有機物であるから、該食品香料の劣化防止のために、例えば、上記周知の抗酸化剤であるBHTやアルファ−トコフェロールやアスコルビン酸を使用する試みがなされた。しかしながら、BHTやアルファ−トコフェロールでは食品香料の劣化を十分に防止することができず、またアスコルビン酸では、食品によっては褐変を引き起こす場合もある。さらに、食品香料の劣化防止剤として、クロロゲン酸を利用する技術(ビバレッジジャパン、No.179, P.57 - , 1996)や特定のエステルを利用する技術(特開平9-227456号公報)がすでに報告されている。しかし、前者はクロロゲン酸を比較的多量に使用しなければならないだけでなく、香りオフ成分の増え方が多いという問題点、さらに熱により分解されて食品にある種の異味を与える場合があり、後者は劣化防止能を達成するためには比較的多量の劣化防止剤を使用しなければならない、という問題点が残されていた。

つまり、環境やヒトに優しく、しかも劣化防止性能に優れた香料劣化防止剤が求められていた。また、とくに食品香料の劣化を防止することができ、食品の外観を損なわないような食品香料の劣化防止剤も求められていた。

概要

優れた劣化防止性能を有し、しかも環境やヒトに優しい香料劣化防止剤を提供する。

サツマイモ類の葉及び/又は原料として抽出処理して得られたもの香料劣化防止剤の有効成分とする。

目的

そこで、環境やヒトに優しく、しかも劣化防止性能に優れた香料劣化防止剤を提供することが本発明の課題である。また、食品中に存在する食品香料の劣化防止能に優れた抽出物であって、該香料劣化防止剤が食品中に混ざりやすく、分離されることがないうえに、食品の風味や外観を害することがない香料劣化防止剤を提供することも本発明の課題である。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

サツマイモ類の葉及び/又は由来植物抽出液を含有することを特徴とする香料劣化防止剤

請求項2

サツマイモ類の葉及び/又は茎由来の植物抽出液を含有することを特徴とする食品香料香料劣化防止剤。

技術分野

0001

本発明は天然素材、そのなかでもサツマイモ類の葉及び/又はから得られた香料劣化防止剤に関する。また、とくに食品香料劣化防止に有効な香料劣化防止剤に関する。

背景技術

0002

古くから油脂などの有機物酸化や熱により変質され、本来有する性質が低下したり、あるいは失われてしまうことが知られていた。その点を解決するため、数多くの抗酸化剤が開発され、報告されている。例えば、BHTアスコルビン酸トコフェロール化合物などが優れた抗酸化能を有するものとして広く使用されている。それらの中では例えばトコフェロール系化合物などの抗酸化剤は環境やヒトに優しいものであり、その点では優れているということができるが、安定化性能という点ではいまだ十分といえるものではない。一方、最近の消費者嗜好性満足させるべく食品中に香料を添加・配合する場合が多いが、食品の製造・加工時あるいは保存時に、食品内の食品香料が劣化し、食品の風味が低下してしまうという問題点が指摘されている。食品香料もその殆どが有機物であるから、該食品香料の劣化防止のために、例えば、上記周知の抗酸化剤であるBHTやアルファ−トコフェロールやアスコルビン酸を使用する試みがなされた。しかしながら、BHTやアルファ−トコフェロールでは食品香料の劣化を十分に防止することができず、またアスコルビン酸では、食品によっては褐変を引き起こす場合もある。さらに、食品香料の劣化防止剤として、クロロゲン酸を利用する技術(ビバレッジジャパン、No.179, P.57 - , 1996)や特定のエステルを利用する技術(特開平9-227456号公報)がすでに報告されている。しかし、前者はクロロゲン酸を比較的多量に使用しなければならないだけでなく、香りオフ成分の増え方が多いという問題点、さらに熱により分解されて食品にある種の異味を与える場合があり、後者は劣化防止能を達成するためには比較的多量の劣化防止剤を使用しなければならない、という問題点が残されていた。

0003

つまり、環境やヒトに優しく、しかも劣化防止性能に優れた香料劣化防止剤が求められていた。また、とくに食品香料の劣化を防止することができ、食品の外観を損なわないような食品香料の劣化防止剤も求められていた。

発明が解決しようとする課題

0004

そこで、環境やヒトに優しく、しかも劣化防止性能に優れた香料劣化防止剤を提供することが本発明の課題である。また、食品中に存在する食品香料の劣化防止能に優れた抽出物であって、該香料劣化防止剤が食品中に混ざりやすく、分離されることがないうえに、食品の風味や外観を害することがない香料劣化防止剤を提供することも本発明の課題である。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、天然に存在する化合物が環境やヒトに優しいことを念頭におき、劣化防止性能に優れた劣化防止剤を得るべく、研究を重ねた結果、サツマイモ類の葉及び/又は茎を原料として抽出処理して得られたものが上記課題に対し十分満足できることを見出した。その抽出処理して得られたものはとくに食品香料の劣化防止能に優れているうえ、食品中に混ざりやすく、分離されることがないこと、しかも、食品の風味や外観を害することがないことを見いだし、本発明を完成させた。

0006

即ち、本発明は、
1)サツマイモ類の葉及び/又は茎由来植物抽出液を含有する香料劣化防止剤、
2)サツマイモ類の葉及び/又は茎由来の植物抽出液を含有する食品香料香料劣化防止剤、である。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下に本発明を詳しく説明する。本発明の香料劣化防止剤を得るための原料としては、サツマイモ類の葉及び/又は茎が最も重要であるが、サツマイモ類の根茎を併用してもよい。これら植物原料を直接溶媒に接触させ抽出処理してもよいが、通常は前処理を施す。例えば、植物を乾燥し、適宜の大きさに裁断するなどの前処理を施す。これら植物原料を溶媒に一定条件下で浸し、溶媒中から植物原料を濾過、除去し、香料劣化防止剤を得ることができる。なお、必要に応じ濃縮したり、精製処理してもよい。

0008

上記植物原料から上記化合物を抽出する際には、水、低級アルコール含水低級アルコールおよびポリオール系有機溶媒石油エーテル酢酸エチル酢酸メチルクロロホルム並びに炭化水素の中から選ばれる1種若しくは2種以上の溶媒を用いることが好ましい。ここで低級アルコールとは、炭素数が1ないし4のアルコールをいい、とくにメタノールエタノール等が好ましい。また、含水低級アルコールとしては、水含量が10〜75重量%のものを使用可能である。また、ポリオール系有機溶媒の具体例としてエチレングリコールプロピレングリコール等を挙げることが出来る。石油エーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、クロロホルムなどは、通常、市販されたものを用いる。炭化水素溶媒としては、常温で液状の脂肪族炭化水素脂環式炭化水素芳香族炭化水素が挙げられるが、とくに常温で液状の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、その中でもとくにn−ヘキサントルエンなどの炭化水素が好ましい。

0009

抽出操作はとくに限定されるものではなく、上記植物や用いる溶媒により異なるが、通常、上記溶媒に植物を室温乃至80℃の温度で浸漬または穏やかに撹拌して抽出する事により行う。さらに本出願前周知のソックスレー抽出器などの装置を用いると効率よく抽出物を得ることができる。抽出に要する時間は、通常30分〜12時間程度である。なお、本出願前から知られている多段抽出法を採用してもよい。

0010

本発明の抽出物には、上記方法により得られる抽出物以外に、該抽出物に何らかの処理を施して得られた抽出物、例えば抽出物からさらに溶媒を除去した濃縮物、所謂エキストラクトや抽出物からさらに特定の化合物を除去したものなども含まれる。また本発明の抽出物には、上記植物原料を破砕した後、水蒸気蒸留し、その蒸留残滓から抽出したものも含まれる。

0011

上記方法により得られた植物抽出液を本発明の香料劣化防止剤として使用できる。また、さらに公知の安定化剤を併用してもよい。

0012

かくして調製された香料劣化防止剤を、劣化されやすい化合物を含む対象物内に添加・配合し、対象物自体が有する劣化されやすい化合物の劣化防止を可能とすることができる。上記対象物としては、例えば食品、フレグランス製品基礎化粧品頭髪化粧品トイレタリー製品浴用剤ボディケア製品洗剤仕上げ剤芳香消臭剤医薬品などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0013

上記食品としては、例えば無果汁飲料果汁入り飲料乳酸菌飲料粉末飲料などの飲料類アイスクリームシャーベッド氷菓などの冷菓類、プリンゼリー、ババロアヨーグルトなどのデザート類ガムキャンディなどの製菓類、水産練り製品などを挙げることができる。上記フレグランス製品としては、香水オードトワレオーデコロンシャワーコロンなどを挙げることができる。上記基礎化粧品としては、スキンクリームクレンジングクリーム化粧水アフターシェイブローションファンデーション口紅タルカムパウダーなどを挙げることができる。

0014

上記頭髪化粧品としては、シャンプーリンスコンディショナーリンスインシャンプートリートメントなどの洗髪剤ポマードヘアトニックヘアリキッドヘアジェルなどの整髪剤育毛剤染毛剤コールドウエーブ剤などを挙げることができる。上記トイレタリー製品としては、化粧石鹸浴用石鹸、透明石鹸などを挙げることができる。上記浴用剤としては、粉末入浴剤固形入浴剤固形発泡入浴剤バスオイルバブルバスなどを挙げることができる。

0015

上記洗剤としては、衣類用粉末洗剤、衣類用液体洗剤、柔軟仕上げ剤、台所用洗剤トイレ用洗浄剤浴室用洗浄剤ガラスクリーナーカビ取り剤などを挙げることができる。上記芳香消臭剤としては、ゲル状芳香消臭剤液体芳香消臭剤含浸エアゾール芳香消臭剤、ミストタイプ芳香消臭剤などを挙げることができる。上記医薬品としては、錠剤、液状の薬、カプセルタイプの薬、顆粒状の薬などを挙げることができる。

0016

それら対象物中に添加・配合される香料劣化防止剤の配合量は、対象物の種類などにより大幅に異なるものであるが、通常、対象物に対して1ppmないし10重量%であり、さらに多量に配合してもよい。

0017

上記香料劣化防止剤を上記対象物内に直接添加・配合してもよいが、通常香料劣化防止剤を含有する溶液あるいは分散液を予め調製しておき、この溶液あるいは分散液を対象物内に添加・配合する方法を用いる。この溶液あるいは分散液には、増粘剤界面活性剤、抗酸化剤あるいは公知の劣化防止剤などの各種添加剤をあらかじめ共存させておいてもよい。上記溶液あるいは分散液を得るために用いられる媒体としては、水、エタノール、グリセリンなどの中鎖脂肪酸エステルヤシ油コーンサラダ油などの精製植物油食用油を例示できる。この溶媒に添加する香料劣化防止剤の量は添加・配合する対象物などにより、大幅に変わるものであるが、例えば10ppmないし50重量%である。

0018

その劣化を防止される一例としての食品香料は、食品の香りと味とを再現することを意図するものであって周知のものであり、例えば、精油、エキストラクト、オレオレジン回収フレーバー、単離香料などの天然香料素材やアルコール、エステル、アルデヒドアセタールラクトン類などの合成香料素材の中から選ばれた一種のもの、あるいは二種以上を混合したものからなる。また、食品香料の代表的な分類法に基づいて説明すると、食品香料の中でもより好ましいものは、レモングレーフルーツ、オレンジなどのシトラス系香料アップル、メロン、グレープ、ピーチ、パイナップルなどのソフトフルーツ系香料紅茶緑茶ウーロン茶コーヒーなどの嗜好飲料系香料、乳製品系香料、バニラ系香料、ミント系香料スパイス系香料ナッツ系香料、ミートシーフード系香料などが挙げられる。なお、本発明の食品香料劣化防止剤はレモンコールドプレスオイルやオレンジコールドプレスオイルなどの劣化防止にも有効であり、また、食品自体が本来有する香味成分の劣化防止にも有効である。

0019

以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。

0020

実施例1の香料劣化防止剤を含むチューインガム劣化抑制効果を下記の方法にて調べた。
チューインガム処方:ガムベース21 %
水飴195g
レモンフレーバー1%
クエン酸1%
サツマイモの葉抽出物表1に記載された量
粉糖適量
合計 100 %

0021

調製法:ガムベース、粉糖、水飴をニーダーにて十分に混練する。クエン酸を添加し、混練を続け、さらに、レモンフレーバー、サツマイモの葉抽出物を添加し、混練を続け十分に混ぜ合わせる(50℃、30分)。この混練物を押し出し処理して、幅、長さ、厚さがそれぞれ10mm、50mm、2mmのチューインガムを得た。
虐待条件:40℃・6000lx/hrのインキュベーター中にて72時間保存

0022

官能評価の方法:上記虐待試験を行ったチューインガムの味と香りを専門パネラー10名により官能評価した。
官能評価 ◎ 味も香りもほとんど変化なし
○ 味が多少変化している
△ 味や香りにはっきり変化が認められる
X 味や香りが著しく変化している
結果を表1に示す。

0023

アルファ−トコフェロール
市販のアルファ−トコフェロールを表1記載の量だけ添加・配合したチューインガムを作製した。このチューインガムを試験例1の条件で虐待試験を行い、官能評価した。得られた結果を表1に示す。

0024

コントロール

0025

表1
ID=000002HE=055 WI=082 LX=0640 LY=1600

0026

レモン炭酸飲料中のフレーバーに対する熱・光劣化抑制効果
下記のような処方で実施例1の香料劣化防止剤を含有するレモン炭酸飲料(Brix:10.0、ガス圧:2.5 kg/m2) を調製した。
レモン炭酸飲料果糖ぶどう糖液糖127 g
クエン酸1.24 g
水 200 ml
レモンフレーバー0.12 g
サツマイモ葉抽出物表2(表3)に記載された量
炭酸水適量
合計 1,000 ml

0027

調製法;果糖ぶどう糖液糖とクエン酸とを水に溶解し、シロップを得る。このシロップに、レモンフレーバーとサツマイモ葉抽出物を加え、攪拌した。ついで、炭酸水を加え、1,000 mlにした。このレモン炭酸飲料を以下の条件で該炭酸飲料の光虐待試験を行った。
ID=000005HE=015 WI=070 LX=0250 LY=0300
この試験を行ったレモン炭酸飲料の味と香りを専門パネラー10名により官能評価した。
官能評価 ◎ 味も香りもほとんど変化なし
○ 味が多少変化している
△ 味や香りにはっきり変化が認められる
X 味や香りが著しく変化している
結果を表2に示す。

0028

また、上記レモン炭酸飲料を以下の条件で熱虐待試験を行った。
熱虐待試験条件暗黒下、37℃で7日間
この試験を行ったレモン炭酸飲料の味と香りを専門パネラー10名により官能評価した。
官能評価 ◎ 味も香りもほとんど変化なし
○ 味が多少変化している
△ 味や香りにはっきり変化が認められる
X 味や香りが著しく変化している
結果を表3に示す。

0029

市販のクロロゲン酸を表2あるいは3記載の量だけ添加・配合したレモン炭酸飲料を調製した。このレモン炭酸飲料を上記試験例2と同様な条件で虐待試験を行い、官能評価した。得られた結果を表2および3に示す。

0030

市販のアスコルビン酸を表2あるいは3記載の量だけ添加・配合したレモン炭酸飲料を調製した。このレモン炭酸飲料を上記試験例2と同様な条件で虐待試験を行い、官能評価した。得られた結果を表2および3に示す。

0031

香料劣化防止剤を含まないレモン炭酸飲料を調製した。このレモン炭酸飲料を上記試験例2と同様な条件で虐待試験を行い、官能評価した。得られた結果を表2および3に示す。

0032

表2
ID=000003HE=065 WI=082 LX=0640 LY=1550

0033

表3
ID=000004HE=055 WI=082 LX=0640 LY=2250

発明の効果

0034

本発明の香料劣化防止剤は天然素材から得られたものであり、人や地球環境に優しいものであり、しかも劣化防止性能にすぐれたものである。この香料劣化防止剤を配合した食品は香料の劣化の程度が少なく、食品の風味が長い間維持され、極めて好ましい結果をもたらす。

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