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技術 インゲンマメ黄斑モザイクウイルスの弱毒ウイルス、インゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除法及びインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物

出願人 埼玉県
発明者 宇賀博之
出願日 2001年3月22日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 2001-082011
公開日 2002年9月24日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2002-272456
状態 未査定
技術分野 植物の育種及び培養による繁殖 微生物、その培養処理
主要キーワード わい性 なすりつけ 飛来防止 リンドウ科植物 栄養繁殖性 モザイク症状 幼苗期 人工気象器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年9月24日)のものです。
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課題

マメ科リンドウ科などの感染植物に多大な被害を及ぼすインゲンマメ黄斑モザイクウイルス防除方法及びインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物を提供する。

解決手段

ウイルス症状軽微で、しかも継代接種及び栄養繁殖性植物の後世代においてもウイルス症状が安定して軽微な、インゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスをあらかじめ植物に接種しておくことで、インゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除が可能となる。また、この弱毒ウイルスの感染した植物はインゲンマメ黄斑モザイクウイルスに対して抵抗性を有する。

概要

背景

BYMVは、リンドウ科マメ科アヤメ科などの植物に感染して多大な被害を及ぼして、収穫量の減少や品質低下を招いている。このBYMVの防除に関しては、多種植物での抵抗性品種及び野生種はなく、また、ウイルス病に効果のある薬剤等はないため、ウイルス媒介昆虫であるアブラムシ農薬による駆除物理的な飛来防止等によっているが、安全で効率的なウイルス病の防除は困難であった。

特に、わい性リンドウは種子を介さずに栽培する栄養繁殖性植物であるため、組織培養等を利用したウイルスフリー株を作出して栽培に供しても、ひとたびウイルスに感染すると後世代にわたってウイルスが受け継がれて被害は年ごとに増大する。現状では、ウイルスフリー苗を毎年のように種苗更新する必要性があるため、高価な種苗代により生産コストが高くなる。また、ウイルスフリー苗の供給量不足しているため、親株としてウイルス罹病も数多く使用されており、これもウイルス病の汚染源となっている。

概要

マメ科やリンドウ科などの感染植物に多大な被害を及ぼすインゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除方法及びインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物を提供する。

ウイルス症状軽微で、しかも継代接種及び栄養繁殖性植物の後世代においてもウイルス症状が安定して軽微な、インゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスをあらかじめ植物に接種しておくことで、インゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除が可能となる。また、この弱毒ウイルスの感染した植物はインゲンマメ黄斑モザイクウイルスに対して抵抗性を有する。

目的

本発明は、マメ科植物であるインゲンマメ、ソラマメエンドウマメ及びリンドウ科植物であるリンドウやトルコギキョウなどのBYMVが感染する植物に接種した場合、ウイルス症状が極めて軽微であり、また、継代接種及び栄養繁殖性植物の後世代においても強毒ウイルスに変異しない弱毒ウイルス、この弱毒ウイルスを利用したインゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除方法及びインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

請求項2

請求項1記載のインゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスを植物に接種することを特徴とするインゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除方法

請求項3

請求項1記載のインゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスを接種して得られるインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物

請求項4

請求項3記載のインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物の一部を組織培養して得られるインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物。

請求項5

請求項3記載のインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物の一部を栄養繁殖することによって得られるインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物。

請求項6

植物がリンドウである請求項3〜5のいずれかに記載のインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物。

請求項7

植物がソラマメである請求項3記載のインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物。

請求項8

植物がエンドウである請求項3記載のインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物。

--

0001

本発明は、インゲンマメ黄斑モザイクウイルス(以下BYMVと省略することがある)に対する弱毒ウイルス、この弱毒ウイルスを用いるインゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除方法及びインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物に関する。

背景技術

0002

BYMVは、リンドウ科マメ科アヤメ科などの植物に感染して多大な被害を及ぼして、収穫量の減少や品質低下を招いている。このBYMVの防除に関しては、多種植物での抵抗性品種及び野生種はなく、また、ウイルス病に効果のある薬剤等はないため、ウイルスの媒介昆虫であるアブラムシ農薬による駆除物理的な飛来防止等によっているが、安全で効率的なウイルス病の防除は困難であった。

0003

特に、わい性リンドウは種子を介さずに栽培する栄養繁殖性植物であるため、組織培養等を利用したウイルスフリー株を作出して栽培に供しても、ひとたびウイルスに感染すると後世代にわたってウイルスが受け継がれて被害は年ごとに増大する。現状では、ウイルスフリー苗を毎年のように種苗更新する必要性があるため、高価な種苗代により生産コストが高くなる。また、ウイルスフリー苗の供給量不足しているため、親株としてウイルス罹病も数多く使用されており、これもウイルス病の汚染源となっている。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、マメ科植物であるインゲンマメ、ソラマメエンドウマメ及びリンドウ科植物であるリンドウやトルコギキョウなどのBYMVが感染する植物に接種した場合、ウイルス症状が極めて軽微であり、また、継代接種及び栄養繁殖性植物の後世代においても強毒ウイルスに変異しない弱毒ウイルス、この弱毒ウイルスを利用したインゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除方法及びインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は、ウイルス症状が軽微で、しかも継代接種及び栄養繁殖性植物における後世代においてもウイルス症状が安定して軽微な、インゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスを自然界より得ることに成功し、この弱毒ウイルスを利用することにより、インゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除が可能となることを見いだすとともに、この弱毒ウイルスの感染した植物はインゲンマメ黄斑モザイクウイルスに対して抵抗性を有することを発見し、本発明を完成した。

0006

すなわち、(1)本発明は、リンドウから単離されたウイルス症状が軽微なことを特徴とするインゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスであり、(2)また本発明は、上記インゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスを植物に接種することを特徴とするインゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除方法であり、(3)また本発明は、上記インゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスを接種して得られるインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物であり、(4)また本発明は、上記インゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物の一部を組織培養して得られるインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物であり、(5)また本発明は、上記インゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物の一部を栄養繁殖して得られるインゲンマメ黄斑モザイクウイルス抵抗性植物である。以下、本発明を詳細に説明する。

0007

1998年、埼玉県のわい性リンドウ生産地において、約8500株のリンドウを観察してウイルス症状のない300葉を採取し、エライザ検定によりBYMVに感染している18検体を1次選抜し、それぞれについてChenopodium quinoaを使用して単一病斑分離を4回繰り返し行って18分離株を得た。これら分離株から早生ソラマメにおいて強毒ウイルスに対して干渉効果を有する9株を2次選抜した後、リンドウに感染してもきわめて病原性の少ないインゲンマメ黄斑モザイクウイルス弱毒ウイルスB−33を得た。

0008

弱毒ウイルスB−33の増殖に最適な植物を決定するために、数種植物に接種して感染葉を採取し、間接エライザ法によって植物体内のウイルスの増殖量を検定した。その結果を表1に示すが、弱毒ウイルスの増殖量が多い植物部位は、N.benthamiana、ソラマメ及びリンドウの全身葉とツルナの接種葉であった。植物への接種の容易さ、播種から接種までの生育期間及び増殖量等から増殖植物にはソラマメが適していた。

0009

表1弱毒ウイルス(B−33)の感染した数種植物葉の間接エライザ法による検定結果
増殖植物検定部位吸光値
C.quinoa接種葉 0.31
N.benthamiana 接種葉 0.78
N.benthamiana全身感染葉 2.09
Brite Yellow 接種葉 0.16
XanthiNC接種葉 0.15
ツルナ 接種葉 1.66
ツルナ 全身感染葉 0.39
ソラマメ全身感染葉 1.62
リンドウ全身感染葉 1.61
接種源:弱毒ウイルス(B−33)のソラマメ感染葉を10倍容リン酸緩衝液中で磨砕した粗汁
接種方法対象植物カーボランダム(600メッシュ)を少量ふりかけ、上記接種源を浸した綿棒なすりつけ接種によった。
検定方法:採取はウイルス症状を呈しないわい性リンドウは接種2ヶ月後に、その他植物は病徴が明瞭となったときに行い、採取後直ちに−80℃で保存した。エライザ検定は同一プレート上で行い、1サンプルにつき2ウエルを使用した。

0010

わい性リンドウへ接種する場合の弱毒ウイルス(B−33)の接種源には、以下の方法で調整したものを使用した。ソラマメ全身感染葉に0.5M尿素、1%亜硝酸ナトリウム、50mMEDTA及び0.5%メルカプトエタノールを含む0.5Mリン酸緩衝液(pH 7.4)を2倍容加えてホモジナイザーで磨砕し、ガーゼ濾過した。この濾液を9,600g、30分間遠心して得られた上清最終濃度が2%となるようにTritonX-100を加えて室温で30分間撹拌した後、199,000g、90分間遠心した。得られた沈殿に0.3Mホウ酸緩衝液を上記磨砕液の1/5倍容加えて撹拌後、9,600g、30分間遠心した。得られた上清を199,000g、90分間遠心して得られた沈殿に、当初使用したソラマメ感染葉の1/10倍容の50mMリン酸緩衝液を加えてけん濁し、弱毒ウイルスの接種源とした(100倍濃縮液)。

0011

わい性リンドウ以外の植物へ接種する場合の弱毒ウイルス(B−33)の接種源は、ソラマメ全身感染葉に10倍容の0.1Mリン酸緩衝液を加えて磨砕した粗汁液を使用する。

0012

弱毒ウイルス(B−33)の接種方法は、一例として、目的とする植物葉にカーボランダム(600メッシュ)を少量ふりかけ、上記接種源を綿棒又はガラスベらを使用してなすりつけ接種する。

0013

弱毒ウイルス(B−33)の接種時期は、わい性リンドウでは、ウイルスフリー株の生育中であればいつでもよいが、植物全体に弱毒ウイルスがいきわたるのに、固体によっては2ヶ月程度必要であった。しかし、栄養繁殖性であるため使用する前年に接種しておけば、次世代以降は休眠後に萌芽した苗を挿し木して株を育成することにより、弱毒ウイルス感染株が容易に得られる。

0014

その他の栄養繁殖性植物についてもウイルスフリー株に弱毒ウイルスを接種し、隔離温室等で株分けや挿し木などにより弱毒ウイルス感染株の増殖が可能であり、しかも後世代にわたって接種する必要性がない。

0015

また、種子繁殖性植物では、接種時期は生育期間中であればいつでもよいが、好ましくは幼苗期に接種する。

0016

また、組織培養による増殖が有効である植物では、弱毒ウイルス感染株の一部を次亜塩素酸ナトリウムなどにより滅菌した後にMS培地等に置床し、人工気象器等で培養することにより強毒ウイルスやその他のウイルスに感染することなく維持、増殖が可能であり、培養植物順化することによって接種することなくいつでも弱毒ウイルス感染株が容易に得られる。

発明を実施するための最良の形態

0017

わい性リンドウは前記したように栄養繁殖性植物であり、ウイルスフリー株の維持、増殖には隔離温室等での栽培や組織培養が用いられている。このため、弱毒ウイルスの接種源の調整や接種にかかる労力を省略するために、弱毒ウイルス(B−33)感染リンドウを3カ年にわたって隔離温室で栽培して経時的に観察した結果、明瞭なウイルス症状は認められず、本発明の弱毒ウイルス(B−33)は安定していることが確認された。

0018

本発明の弱毒ウイルス(B−33)のソラマメ(品種:早生ソラマメ)、インゲンマメ(品種:本金時)及びトルコギキョウ(品種:あすかの)に及ぼす影響を調べるため弱毒ウイルス(B−33)及び強毒ウイルス(35-1)を幼苗にそれぞれ単独接種し、隔離温室等で栽培した。対象として無処理株も供試した。ソラマメ及びインゲンマメにおいて弱毒ウイルス(B−33)感染株は軽いウイルス症状がみられたが収穫量及び品質は無処理株(ウイルスフリー株)とほぼ同等であったのに対し、強毒ウイルス(35-1)感染株は収穫量が低下し、品質も劣った。トルコギキョウにおいて弱毒ウイルス(B−33)感染株はウイルス症状はみられず、草丈や花などについても無処理株(ウイルスフリー株)とほぼ同等であったのに対し、強毒ウイルス(35-1)感染株は葉に明瞭なえそ斑点が生じ、商品価値が著しく低下した。

0019

わい性リンドウ及びソラマメにおいて強毒ウイルスをチャレンジ接種することにより干渉効果を検討した結果、ウイルスフリー株では明瞭なウイルス症状が認められたが、あらかじめ弱毒ウイルス(B−33)を感染させた株ではウイルス症状はほとんど見られず、弱毒ウイルスの感染した植物はBYMVに対する抵抗性を有していた。

0020

以上のように、対象となる植物にほとんど悪影響を及ぼさない弱毒ウイルス(B−33)をあらかじめ接種しておくことによって、インゲンマメ黄斑モザイクウイルスの防除を行うとともに、弱毒ウイルス(B−33)感染株はインゲンマメ黄斑モザイクウイルスの抵抗性を有する。

0022

0023

0024

次に本発明の弱毒ウイルス(B−33)のソラマメ(早生ソラマメ)、エンドウマメ(豌豆)における防除効果試験を行った。弱毒ウイルス(B−33)、強毒ウイルス(35-1)を幼苗にそれぞれ単独接種し、無処理株も併せて栽培した。その結果、いずれの作物も強毒ウイルス接種株は生育初期より激しいウイルス症状がみられて枯死する個体もあった。無処理株においても生育中期から収穫期まで激しいえそなどのウイルス症状が認められるようになり、収穫量は減少し品質も悪くなった。しかし、弱毒ウイルス(B−33)感染株は、ソラマメでは軽微なモザイク症状が認められたものの、両作物とも収穫量及び品質において問題はなく、この技術はソラマメ、エンドウマメにおいてもインゲンマメ黄斑モザイクウイルス病の防除に効果的であることが実証された。

0025

本発明の弱毒ウイルス(B−33)は多種作物への影響が少ない自然界からの選抜株であり、しかも、継代接種及び栄養繁殖性植物体内で継代してもウイルス症状は極めて軽微で安定しており、安全な弱毒ウイルスである。また、一般圃場での2か年にわたっての防除効果があることが確認されたことから直ちに実用化が可能であり、農薬や資材、種苗費などの経費削減及び環境汚染の低減につながる。

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