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技術 非水系二次電池

出願人 大阪瓦斯株式会社
発明者 栗山和哉岡野夕紀子矢田静邦菊田治夫
出願日 2001年3月14日 (17年8ヶ月経過) 出願番号 2001-072394
公開日 2002年9月20日 (16年2ヶ月経過) 公開番号 2002-270247
状態 未査定
技術分野 電池の電槽・外装及び封口 二次電池(その他の蓄電池) 電池の電極及び活物質
主要キーワード 頭部直径 混入不純物 選択配向性 トータルシステム 仮止め用ボルト 乾式レーザー 材料粉体 可採埋蔵量
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

30Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の高体積エネルギー密度を有し、その厚さが12mm未満であり、高容量で、サイクル寿命および安全性に優れた扁平形状の非水系二次電池を提供することを目的とする。

解決手段

非水系二次電池において、前記正極が、組成式LixMn2-yMAyO4+zで表されるリチウムマンガン複合酸化物と組成式LiaNibMBcO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物とからなる混合物正極活物質とし、前記負極が、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.34nm以下である黒鉛粒子の表面を面間隔0.34nmを超える非晶質炭素層被覆した二重構造黒鉛粒子黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとからなる混合物を負極活物質とすることを特徴とする非水系二次電池。

概要

背景

近年、省資源を目指したエネルギーの有効利用および地球環境保全の観点から、深夜電力貯蔵および太陽光発電電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄電システム電気自動車のための蓄電システムなどが注目を集めている。例えば、特開平6-86463号公報は、エネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシステムとして、発電所から供給される電気ガスコージェネレーション燃料電池蓄電池などを組み合わせたトータルシステムを提案している。このような蓄電システムに用いられる二次電池は、エネルギー容量が10Wh以下の携帯機器用小型二次電池と異なり、容量が大きい大型のものが必要とされる。このため、上記の蓄電システムでは、通常、複数の二次電池を直列に接続し、電圧50〜400V程度の組電池として用いており、殆どのシステムにおいて鉛電池を用いている。

一方、携帯機器用小型二次電池の分野では、小型化および高容量化という相反するニーズ応えるべく、ニッケル水素電池リチウム二次電池などの開発が急速に進んでおり、180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有する電池が市販されている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度を達成する可能性を有すること、および、金属リチウムを負極に用いるリチウム二次電池に比べて、安全性、サイクル特性などの信頼性に優れることから、その市場飛躍的に拡大しつつある。この様なリチウムイオン電池の正極活物質としては、リチウムコバルト複合酸化物リチウムニッケル複合酸化物リチウムマンガン複合酸化物などの4Vを超える起電力を有する材料が用いられている。これらの中でも、電池特性に優れ、かつ合成も容易なリチウムコバルト複合酸化物が、現在最も多量に用いられている。しかしながら、原材料であるコバルトは、可採埋蔵量が少なく、かつ高価であるため、従来から、その代替物質としてリチウムニッケル複合酸化物の使用が検討されてきた。リチウムニッケル複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物と同様に層状岩塩構造を有し、200mAh/gを超える高容量材料である。しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物は、充電時に生成するNi4+が化学的に不安定であること、リチウムが構造中から多量に引き抜かれた高充電状態でのリチウムニッケル複合酸化物の構造が不安定であることなどに起因して、結晶格子からの酸素脱離開始温度が低いという問題点を有している。また、Solid State Ionics,69,No.3/4,265(1994)には、“充電状態のリチウムニッケル複合酸化物の酸素脱離開始温度は、従来のリチウムコバルト酸化物に比べて低い”ことが報告されている。この様な理由により、リチウムニッケル複合酸化物を単独で正極活物質に用いた電池は、高容量が得られるにも関わらず、高充電状態での熱安定性に問題があり、電池としての安全性が十分に確保できないので、現在まで実用化されていない。

一方、スピネル型結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩構造を有するリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物などとは、構造的に異なっている。この構造の相違に起因して、リチウムマンガン複合酸化物の高充電状態での酸素脱離開始温度は、リチウムコバルト複合酸化物およびリチウムニッケル複合酸化物に比べて、高いので、リチウムマンガン複合酸化物は、安全性の高い正極材料である。

しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物を正極に用いたリチウム二次電池は、充放電を繰り返すことによって徐々に容量が低下していく“容量劣化”を避けることはできないので、その実用化は困難であった。

この様な小型電池負極活物質として、特開昭57-208079号公報および特開昭63-24555号公報は、可撓性に優れ、かつ充放電サイクル時にリチウムが樹枝状析出する恐れのない材料として、黒鉛を提案している。現在、天然黒鉛人造黒鉛酸処理により不純物を低減した黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化炭素繊維などの黒鉛系材料が、独特層構造に基づいて層間化合物を形成するという性質を有するので、この性質を利用した二次電池用電極材料として、実用化されている。さらに、結晶性の低い材料の使用も、提案されている。例えば、特開昭63-24555号公報は、電解液の分解を抑制するために、炭化水素気相熱分解して得られる乱層構造選択配向性とを有する種々の炭素材料を提案している。

しかしながら、これらの高結晶性材料および低結晶性材料は、それぞれ長所と短所とを持ち合わせている。

黒鉛を代表とする結晶性の高い炭素材料を負極材料として使用する場合には、理論的にはリチウムの吸蔵・放出に伴う電位の変化が小さくなり、電池として利用できる容量が大きくなることが知られている。しかしながら、炭素材料の結晶性が高くなるとともに、電解液の分解に伴うものと思われる充放電効率の低下が生じ、さらに充放電の繰り返しに伴う結晶膨張収縮により、炭素材料が破壊されるに至る。

これに対し、結晶性の低い炭素材料を負極として使用する場合には、充放電に関連する問題点はあまり生じないが、リチウムイオンの吸蔵/放出に伴う電位の変化が大きくなるので、電池として利用できる容量が小さくなり、高容量電池の作製が困難となる。

特開平4-368778号公報は、結晶性の高い炭素粒子に結晶性の低い炭素被覆した二重構造を形成させることにより、充放電の繰り返しによる炭素材料の破壊を防止できることを示している。すなわち、この方法で調製した二重構造の炭素材料を活物質として用いる場合には、理論的には電解液の分解を防止して、電位の平滑性に優れた高容量の電極を得ることができる。また、この炭素材料は、安価であるという利点をも有している。しかしながら、この二重構造活物質粒子を負極材料として用いる電池は、高容量ではあるが、サイクル経過による劣化が大きい。また、この材料粉体は、非常に嵩高いので、集電体である銅箔との接着性を高めるためには、負極構成材料中に占めるバインダーを多量に(10重量%以上)使用する必要がある。

これらの材料を正極に用いる蓄電システム用大型電池の分野においても、高エネルギー密度電池の一つの有力な選択肢として、リチウムイオン電池の開発が、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIEBES)などにより精力的に進められている。

この様な大型リチウムイオン電池のエネルギー容量は、100〜400Wh程度であり、体積エネルギー密度は、200〜400Wh/lと携帯機器用小型二次電池と同等のレベルに達している。その寸法および形状は、直径50〜70mm×長さ250〜450mm程度の円筒形、厚さ35〜50mm程度の角形或いは長円角形などの扁平角柱形が代表的なものである。

しかしながら、これらの大型リチウムイオン電池においては、高エネルギー密度は得られるものの、その電池設計が携帯機器用小型電池の延長線上にあることから、直径或いは厚さが携帯機器用小型電池の3倍以上である円筒型或いは角型等の電池形状に形成されている。この場合には、充放電時の電池の内部抵抗によるジュール発熱、或いはリチウムイオンの出入りに伴って活物質のエントロピーが変化することによる電池の内部発熱により、電池内部に熱が蓄積されやすい。このため、電池内部の温度と電池表面付近の温度差が大きくなり、これに伴って内部抵抗が異なってくるので、充電量、電圧などのバラツキを生じ易い。また、この種の電池は、複数個を組電池にして用いるため、システム内での電池の設置箇所によっても、蓄熱されやすさが異なって各電池間のバラツキを生じて、組電池全体の正確な制御が困難になる。更には、高率充放電時等に際して放熱が不十分であるため、電池温度が上昇し、電池にとって好ましくない状態におかれることから、電解液の分解などによる寿命の低下、さらには電池の熱暴走などの点で、信頼性、特に安全性が十分に確保されているとは、言い難い。

上記の問題を解決するために、WO99/60652号、公開2000-251940号、2000-251941号、2000-260478号、2000-260477号などの公報類には、正極、負極、セパレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質電池容器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されている。これらの公報類に記載された技術は、電池を独特の形状(扁平形状)とすることにより、上記蓄熱に起因する信頼性および安全性に関わる問題点を解決し、実用化への障害を解消しようとしている。

一般に、蓄電システム用電池などの大型電池には、高い安全性と1000サイクル以上の優れたサイクル寿命が求められている。しかしながら、正極材料にリチウムニッケル複合酸化物を用いる電池は、高充電時の熱的安定性欠けるので、安全性が低いという問題点がある。また、リチウムマンガン複合酸化物を用いる電池では、安全性は高いものの、(1)高エネルギー密度(高充放電容量)の実現と高サイクル寿命の両立が困難であること、および(2)自己放電により保存容量が減少するという2つの問題点がある。

まず、リチウムマンガン複合酸化物を用いる電池において、高容量が実現できない原因としては、複合酸化物合成時の反応の不均一、混入不純物の影響などが考えられる。また、充放電サイクルに伴う容量の劣化原因としては、Liの出入りに伴う電荷補償としてMnイオン平均価数が3価と4価との間で変化して、そのためにJahn-Teller歪みが結晶中に生じること、リチウムマンガン複合酸化物からのMnが溶出すること、溶出したMnが負極活物質上またはセパレータ上に析出することに起因してインピーダンスが上昇すること、さらには、不純物の影響、活物質粒子の遊離による不活性化含水水分により電解液中に生成した酸の影響、リチウムマンガン複合酸化物からの酸素放出による電解液の劣化などが考えられる。

スピネル単一相が形成されている場合には、Mnの溶出原因は、スピネル構造中の3価のMnが、4価と2価に一部不均化することにより電解液中に溶解し易い形になってしまうこと、Liイオンの相対的な不足から溶出してしまうことなどが考えられる。その結果、充放電の繰り返しにより不可逆な容量分の発生および結晶中の原子配列乱れが促進されるとともに、溶出したMnイオンが負極或いはセパレータに析出して、Liイオンの移動を妨げるものと推測される。また、リチウムマンガン複合酸化物はLiイオンを出し入れすることにより、結晶はJahn-Teller効果により歪み、単位格子長の数%の膨張収縮を伴う。したがって、充放電サイクルを繰り返すことにより、粒子の一部電気的な孤立により活物質として機能しなくなることも推測される。

さらに、Mn溶出とともにリチウムマンガン複合酸化物からの酸素の放出も容易になってくるものと考えられる。酸素の放出量が多くなってくると、電解液の分解を促進するものと推測され、電解液の劣化による充放電サイクル劣化も生じるものと推測される。

この様なMn溶出の抑制、格子歪みの低減、酸素欠損の低減などを実現することが、リチウム電池のサイクル特性を改善する上で重要である。そこで、特開平2-270268号公報は、Liの組成化学量論比に対し十分過剰とすることにより、サイクル特性を向上させることを提案している。さらに、リチウムマンガン複合酸化物のMn元素の一部をCo、Ni、Fe、Cr、Alなどの添加ないしドープにより置換して、サイクル特性を改善する提案もされている(特開平4-141954号公報、特開平4-160758号公報、特開平4-169076号公報、特開平4-237970号公報、特開平4-282560号公報、特開平4-289662号公報など)。これらのLi過剰組成、金属元素の添加などの手法は、サイクル特性の向上には、効果を発揮するものの、逆に充放電容量の低減を伴うので、高サイクル寿命と高容量との両方を満足させるには至っていない。

特開平10-112318号公報は、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との混合物を用いることを提案している。この公報によれば、初回充放電における不可逆容量補填され、大きな充放電容量が得られるとされている。また、特開平7-235291号公報も、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物とLiCo0.5Ni0.5O2とを混合して用いる技術を提案している。

しかしながら、本発明者の研究によれば、正極活物質として単にリチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との混合物を用いるだけでは、充放電特性、サイクル特性などの改善は未だ不十分であり、特に大型電池の安全性に関しては、到底満足できる成果は得られないことが明らかとなった。

また、電池の形状に関しては、従来の小型電池の設計思想引き継ぐ角形、円筒型などの大型電池においては、内部蓄熱などのために、安全性の改善は望み得ない。

概要

30Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の高体積エネルギー密度を有し、その厚さが12mm未満であり、高容量で、サイクル寿命および安全性に優れた扁平形状の非水系二次電池を提供することを目的とする。

非水系二次電池において、前記正極が、組成式LixMn2-yMAyO4+zで表されるリチウムマンガン複合酸化物と組成式LiaNibMBcO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物とからなる混合物を正極活物質とし、前記負極が、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.34nm以下である黒鉛系粒子の表面を面間隔0.34nmを超える非晶質炭素層で被覆した二重構造黒鉛粒子黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとからなる混合物を負極活物質とすることを特徴とする非水系二次電池。

目的

従って、本発明は、30Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の高体積エネルギー密度を有し、その厚さが12mm未満であり、高容量で、サイクル寿命および安全性に優れた扁平形状の非水系二次電池を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
3件

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請求項1

正極、負極、セパレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電池において、前記正極が、組成式LixMn2-yMAyO4+z(MAは、Mg、Al、Cr、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1<x≦1.2、0<y≦0.1、-0.3≦z≦0.3である)で表されるリチウムマンガン複合酸化物と組成式LiaNibMBcO2(MBは、Co、AlおよびMnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.5<b<1、0<c<0.5、b+c=1)で表されるリチウムニッケル複合酸化物とからなる混合物正極活物質とし、前記負極が、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.34nm以下である黒鉛粒子の表面を面間隔0.34nmを超える非晶質炭素層被覆した二重構造黒鉛粒子黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとからなる混合物を負極活物質とすることを特徴とする非水系二次電池。

請求項2

前記正極用混合物におけるリチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との重量混合比が、リチウムマンガン複合酸化物:リチウムニッケル複合酸化物=95:5〜70:30である請求項1に記載の非水系二次電池。

請求項3

前記リチウムマンガン複合酸化物およびリチウムニッケル複合酸化物のBET比表面積が、それぞれ1m2/g以下である請求項1または2に記載の非水系二次電池。

請求項4

前記負極活物質用混合物における二重構造黒鉛粒子と黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとの重量混合比が、二重構造黒鉛粒子:黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ=95:5〜50:50である請求項1に記載の非水系二次電池。

請求項5

前記扁平形状の表裏面の形状が、矩形である請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池。

請求項6

前記電池容器板厚が、0.2〜1mmである請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池。

技術分野

0001

本発明は、非水系二次電池に関し、より詳しくは、特にサイクル寿命および安全性に優れた蓄電システム用非水系二次電池に関する。

背景技術

0002

近年、省資源を目指したエネルギーの有効利用および地球環境保全の観点から、深夜電力貯蔵および太陽光発電電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システムなどが注目を集めている。例えば、特開平6-86463号公報は、エネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシステムとして、発電所から供給される電気ガスコージェネレーション燃料電池蓄電池などを組み合わせたトータルシステムを提案している。このような蓄電システムに用いられる二次電池は、エネルギー容量が10Wh以下の携帯機器用小型二次電池と異なり、容量が大きい大型のものが必要とされる。このため、上記の蓄電システムでは、通常、複数の二次電池を直列に接続し、電圧50〜400V程度の組電池として用いており、殆どのシステムにおいて鉛電池を用いている。

0003

一方、携帯機器用小型二次電池の分野では、小型化および高容量化という相反するニーズ応えるべく、ニッケル水素電池リチウム二次電池などの開発が急速に進んでおり、180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有する電池が市販されている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度を達成する可能性を有すること、および、金属リチウムを負極に用いるリチウム二次電池に比べて、安全性、サイクル特性などの信頼性に優れることから、その市場飛躍的に拡大しつつある。この様なリチウムイオン電池の正極活物質としては、リチウムコバルト複合酸化物リチウムニッケル複合酸化物リチウムマンガン複合酸化物などの4Vを超える起電力を有する材料が用いられている。これらの中でも、電池特性に優れ、かつ合成も容易なリチウムコバルト複合酸化物が、現在最も多量に用いられている。しかしながら、原材料であるコバルトは、可採埋蔵量が少なく、かつ高価であるため、従来から、その代替物質としてリチウムニッケル複合酸化物の使用が検討されてきた。リチウムニッケル複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物と同様に層状岩塩構造を有し、200mAh/gを超える高容量材料である。しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物は、充電時に生成するNi4+が化学的に不安定であること、リチウムが構造中から多量に引き抜かれた高充電状態でのリチウムニッケル複合酸化物の構造が不安定であることなどに起因して、結晶格子からの酸素脱離開始温度が低いという問題点を有している。また、Solid State Ionics,69,No.3/4,265(1994)には、“充電状態のリチウムニッケル複合酸化物の酸素脱離開始温度は、従来のリチウムコバルト酸化物に比べて低い”ことが報告されている。この様な理由により、リチウムニッケル複合酸化物を単独で正極活物質に用いた電池は、高容量が得られるにも関わらず、高充電状態での熱安定性に問題があり、電池としての安全性が十分に確保できないので、現在まで実用化されていない。

0004

一方、スピネル型結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩構造を有するリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物などとは、構造的に異なっている。この構造の相違に起因して、リチウムマンガン複合酸化物の高充電状態での酸素脱離開始温度は、リチウムコバルト複合酸化物およびリチウムニッケル複合酸化物に比べて、高いので、リチウムマンガン複合酸化物は、安全性の高い正極材料である。

0005

しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物を正極に用いたリチウム二次電池は、充放電を繰り返すことによって徐々に容量が低下していく“容量劣化”を避けることはできないので、その実用化は困難であった。

0006

この様な小型電池負極活物質として、特開昭57-208079号公報および特開昭63-24555号公報は、可撓性に優れ、かつ充放電サイクル時にリチウムが樹枝状析出する恐れのない材料として、黒鉛を提案している。現在、天然黒鉛人造黒鉛酸処理により不純物を低減した黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化炭素繊維などの黒鉛系材料が、独特層構造に基づいて層間化合物を形成するという性質を有するので、この性質を利用した二次電池用電極材料として、実用化されている。さらに、結晶性の低い材料の使用も、提案されている。例えば、特開昭63-24555号公報は、電解液の分解を抑制するために、炭化水素気相熱分解して得られる乱層構造選択配向性とを有する種々の炭素材料を提案している。

0007

しかしながら、これらの高結晶性材料および低結晶性材料は、それぞれ長所と短所とを持ち合わせている。

0008

黒鉛を代表とする結晶性の高い炭素材料を負極材料として使用する場合には、理論的にはリチウムの吸蔵・放出に伴う電位の変化が小さくなり、電池として利用できる容量が大きくなることが知られている。しかしながら、炭素材料の結晶性が高くなるとともに、電解液の分解に伴うものと思われる充放電効率の低下が生じ、さらに充放電の繰り返しに伴う結晶膨張収縮により、炭素材料が破壊されるに至る。

0009

これに対し、結晶性の低い炭素材料を負極として使用する場合には、充放電に関連する問題点はあまり生じないが、リチウムイオンの吸蔵/放出に伴う電位の変化が大きくなるので、電池として利用できる容量が小さくなり、高容量電池の作製が困難となる。

0010

特開平4-368778号公報は、結晶性の高い炭素粒子に結晶性の低い炭素被覆した二重構造を形成させることにより、充放電の繰り返しによる炭素材料の破壊を防止できることを示している。すなわち、この方法で調製した二重構造の炭素材料を活物質として用いる場合には、理論的には電解液の分解を防止して、電位の平滑性に優れた高容量の電極を得ることができる。また、この炭素材料は、安価であるという利点をも有している。しかしながら、この二重構造活物質粒子を負極材料として用いる電池は、高容量ではあるが、サイクル経過による劣化が大きい。また、この材料粉体は、非常に嵩高いので、集電体である銅箔との接着性を高めるためには、負極構成材料中に占めるバインダーを多量に(10重量%以上)使用する必要がある。

0011

これらの材料を正極に用いる蓄電システム用大型電池の分野においても、高エネルギー密度電池の一つの有力な選択肢として、リチウムイオン電池の開発が、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIEBES)などにより精力的に進められている。

0012

この様な大型リチウムイオン電池のエネルギー容量は、100〜400Wh程度であり、体積エネルギー密度は、200〜400Wh/lと携帯機器用小型二次電池と同等のレベルに達している。その寸法および形状は、直径50〜70mm×長さ250〜450mm程度の円筒形、厚さ35〜50mm程度の角形或いは長円角形などの扁平角柱形が代表的なものである。

0013

しかしながら、これらの大型リチウムイオン電池においては、高エネルギー密度は得られるものの、その電池設計が携帯機器用小型電池の延長線上にあることから、直径或いは厚さが携帯機器用小型電池の3倍以上である円筒型或いは角型等の電池形状に形成されている。この場合には、充放電時の電池の内部抵抗によるジュール発熱、或いはリチウムイオンの出入りに伴って活物質のエントロピーが変化することによる電池の内部発熱により、電池内部に熱が蓄積されやすい。このため、電池内部の温度と電池表面付近の温度差が大きくなり、これに伴って内部抵抗が異なってくるので、充電量、電圧などのバラツキを生じ易い。また、この種の電池は、複数個を組電池にして用いるため、システム内での電池の設置箇所によっても、蓄熱されやすさが異なって各電池間のバラツキを生じて、組電池全体の正確な制御が困難になる。更には、高率充放電時等に際して放熱が不十分であるため、電池温度が上昇し、電池にとって好ましくない状態におかれることから、電解液の分解などによる寿命の低下、さらには電池の熱暴走などの点で、信頼性、特に安全性が十分に確保されているとは、言い難い。

0014

上記の問題を解決するために、WO99/60652号、公開2000-251940号、2000-251941号、2000-260478号、2000-260477号などの公報類には、正極、負極、セパレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質電池容器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されている。これらの公報類に記載された技術は、電池を独特の形状(扁平形状)とすることにより、上記蓄熱に起因する信頼性および安全性に関わる問題点を解決し、実用化への障害を解消しようとしている。

0015

一般に、蓄電システム用電池などの大型電池には、高い安全性と1000サイクル以上の優れたサイクル寿命が求められている。しかしながら、正極材料にリチウムニッケル複合酸化物を用いる電池は、高充電時の熱的安定性欠けるので、安全性が低いという問題点がある。また、リチウムマンガン複合酸化物を用いる電池では、安全性は高いものの、(1)高エネルギー密度(高充放電容量)の実現と高サイクル寿命の両立が困難であること、および(2)自己放電により保存容量が減少するという2つの問題点がある。

0016

まず、リチウムマンガン複合酸化物を用いる電池において、高容量が実現できない原因としては、複合酸化物合成時の反応の不均一、混入不純物の影響などが考えられる。また、充放電サイクルに伴う容量の劣化原因としては、Liの出入りに伴う電荷補償としてMnイオン平均価数が3価と4価との間で変化して、そのためにJahn-Teller歪みが結晶中に生じること、リチウムマンガン複合酸化物からのMnが溶出すること、溶出したMnが負極活物質上またはセパレータ上に析出することに起因してインピーダンスが上昇すること、さらには、不純物の影響、活物質粒子の遊離による不活性化含水水分により電解液中に生成した酸の影響、リチウムマンガン複合酸化物からの酸素放出による電解液の劣化などが考えられる。

0017

スピネル単一相が形成されている場合には、Mnの溶出原因は、スピネル構造中の3価のMnが、4価と2価に一部不均化することにより電解液中に溶解し易い形になってしまうこと、Liイオンの相対的な不足から溶出してしまうことなどが考えられる。その結果、充放電の繰り返しにより不可逆な容量分の発生および結晶中の原子配列乱れが促進されるとともに、溶出したMnイオンが負極或いはセパレータに析出して、Liイオンの移動を妨げるものと推測される。また、リチウムマンガン複合酸化物はLiイオンを出し入れすることにより、結晶はJahn-Teller効果により歪み、単位格子長の数%の膨張収縮を伴う。したがって、充放電サイクルを繰り返すことにより、粒子の一部電気的な孤立により活物質として機能しなくなることも推測される。

0018

さらに、Mn溶出とともにリチウムマンガン複合酸化物からの酸素の放出も容易になってくるものと考えられる。酸素の放出量が多くなってくると、電解液の分解を促進するものと推測され、電解液の劣化による充放電サイクル劣化も生じるものと推測される。

0019

この様なMn溶出の抑制、格子歪みの低減、酸素欠損の低減などを実現することが、リチウム電池のサイクル特性を改善する上で重要である。そこで、特開平2-270268号公報は、Liの組成化学量論比に対し十分過剰とすることにより、サイクル特性を向上させることを提案している。さらに、リチウムマンガン複合酸化物のMn元素の一部をCo、Ni、Fe、Cr、Alなどの添加ないしドープにより置換して、サイクル特性を改善する提案もされている(特開平4-141954号公報、特開平4-160758号公報、特開平4-169076号公報、特開平4-237970号公報、特開平4-282560号公報、特開平4-289662号公報など)。これらのLi過剰組成、金属元素の添加などの手法は、サイクル特性の向上には、効果を発揮するものの、逆に充放電容量の低減を伴うので、高サイクル寿命と高容量との両方を満足させるには至っていない。

0020

特開平10-112318号公報は、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との混合物を用いることを提案している。この公報によれば、初回充放電における不可逆容量補填され、大きな充放電容量が得られるとされている。また、特開平7-235291号公報も、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物とLiCo0.5Ni0.5O2とを混合して用いる技術を提案している。

0021

しかしながら、本発明者の研究によれば、正極活物質として単にリチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との混合物を用いるだけでは、充放電特性、サイクル特性などの改善は未だ不十分であり、特に大型電池の安全性に関しては、到底満足できる成果は得られないことが明らかとなった。

0022

また、電池の形状に関しては、従来の小型電池の設計思想引き継ぐ角形、円筒型などの大型電池においては、内部蓄熱などのために、安全性の改善は望み得ない。

発明が解決しようとする課題

0023

従って、本発明は、30Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の高体積エネルギー密度を有し、その厚さが12mm未満であり、高容量で、サイクル寿命および安全性に優れた扁平形状の非水系二次電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0024

本発明者は、上記の様な技術の現状に留意しつつ研究を進めた結果、特定の構成を備えた非水系二次電池により、上記目的を達成することに成功した。すなわち本発明は、下記の非水系二次電池を提供する。
1.正極、負極、セパレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電池において、前記正極が、組成式LixMn2-yMAyO4+z(MAは、Mg、Al、Cr、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1<x≦1.2、0<y≦0.1、-0.3≦z≦0.3である)で表されるリチウムマンガン複合酸化物と組成式LiaNibMBcO2(MBは、Co、AlおよびMnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.5<b<1、0<c<0.5、b+c=1)で表されるリチウムニッケル複合酸化物とからなる混合物を正極活物質とし、前記負極が、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.34nm以下である黒鉛系粒子の表面を面間隔0.34nmを超える非晶質炭素層で被覆した二重構造黒鉛粒子黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとからなる混合物を負極活物質とすることを特徴とする非水系二次電池。
2.前記正極用混合物におけるリチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との重量混合比が、リチウムマンガン複合酸化物:リチウムニッケル複合酸化物=95:5〜70:30である上記項1に記載の非水系二次電池。
3.前記リチウムマンガン複合酸化物およびリチウムニッケル複合酸化物のBET比表面積が、それぞれ1m2/g以下である上記項1または2に記載の非水系二次電池。
4.前記負極活物質用混合物における二重構造黒鉛粒子と黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとの重量混合比が、二重構造黒鉛粒子:黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ=95:5〜50:50である上記項1に記載の非水系二次電池。
5.前記扁平形状の表裏面の形状が、矩形である上記項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池。
6.前記電池容器板厚が、0.2〜1mmである上記項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池。

発明を実施するための最良の形態

0025

本発明における非水系二次電池は、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である。その形状の具体的な例は、WO99/60652号、特開2000-251940号公報、特開2000-251941公報、特開2000-260478号公報、特開2000-260477号公報などに記載されている。

0026

以下、図面に示す本発明の一実施形態による非水系二次電池を参照しつつ、本発明についてさらに詳細に説明する。

0027

図1は、本発明の一実施形態の扁平な矩形(ノート型)の蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図を示す図であり、図2は、図1に示す電池の内部に収納される電極積層体の構成を示す側面図である。

0028

図1および図2に示す様に、本実施形態による非水系二次電池は、上蓋1および底容器2からなる電池容器と、該電池容器の中に収納されている複数の正極101a、負極101b、101c、およびセパレータ104からなる電極積層体とを備えている。本実施形態の様な扁平型非水系二次電池においては、正極101a、負極101b(または積層体の両外側に配置された負極101c)は、例えば、図2に示す様に、セパレータ104を介して交互に配置されて積層されているが、本発明による非水系二次電池は、この様な特定の配置に限定されるものではなく、積層数などは、必要とされる容量などに応じて、種々の変更が可能である。また、図1および図2に示す非水系二次電池の形状は、例えば縦300mm×横210mm×厚さ6mmであり、例えば、正極101aとして後述する正極材料を使用し、負極101b、101cとして炭素材料を使用するリチウム二次電池の場合には、蓄電システムにおいて使用することができる。

0029

各正極101aの正極集電体105aは、正極端子3に電気的に接続され、同様に、各負極101b、101cの負極集電体105bは、負極端子4に電気的に接続されている。正極端子3及び負極端子4は、電池容器、すなわち上蓋1と絶縁された状態で取り付けられている。

0030

上蓋1および底容器2は、図1中の拡大図に示したA点で全周にわたり上蓋を溶かし込み溶接されている。上蓋1には、電解液の注液口5が開けられており、電解液を注液した後、例えば、アルミニウム-変成ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を用いて封口される。最終封口工程は、少なくとも1回の充電操作実施後に行うことが好ましい。封口フィルム6による最終封口工程後の電池容器内の圧力は、大気圧未満であることが好ましく、8.66×104Pa(650Torr)以下であることがより好ましく、7.33×104Pa (550Torr)以下であることが特に好ましい。電池容器内の圧力は、使用するセパレータ、電解液の種類、電池容器の材質および厚み、電池の形状などを総合的に考慮して決定される。内圧が大気圧以上である場合には、電池が設計厚みより大きくなり易く、或いは電池の厚みのバラツキが大きくなり易いので、電池の内部抵抗および容量がばらつきやすい。

0031

正極101aに用いられる正極活物質として、LixMn2-yMAyO4+z(MAは、Mg、Al、Cr、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1<x≦1.2、0<y≦0.1、-0.3≦z≦0.3である)で表されるリチウムマンガン複合酸化物(以下「組成式(1)複合酸化物」と言うことがある)と組成式LiaNibMBcO2(MBは、Co、Al、およびMnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.5<b<1、0<c<0.5、b+c=1)で表されるリチウムニッケル複合酸化物(以下「組成式(2)複合酸化物」と言うことがある)とからなる混合物を使用することにより、電解液中に溶出するMnイオン量が著しく減少し、電解液の劣化、変色および酸の生成も抑制され、負極上に析出するMnが減少することが明らかになった。

0032

従来の非水系電池において、電解液へのMnイオンの溶出が大きい理由として、正極/負極と電解液の残存水分溶質との反応により水素イオンが生成して、これがリチウムマンガン複合酸化物の一部と反応してMnが溶出すると考えられる。特に、電解質としてLiPF6およびLiBF4を使用する場合には、Mnイオンの溶出が大きい。本発明においては、Mnイオンの溶出が著しく減少して、電池の充放電特性、サイクル特性、安全性などにおいて顕著な改善が達成されるが、その理由は、未だ十分には解明されていない。

0033

本発明においては、正極活物質の主成分として、特定組成のリチウムマンガン複合酸化物(組成式(1)複合酸化物)を用いることにより、スピネル単一相のリチウムマンガン複合酸化物を使用する場合に比して、電池の充放電を繰り返しても、Mnの不均化が起こりにくくなり、Mnイオン溶出量を低減させるともに、酸素の脱離をも減少させることができる。その結果、リチウムマンガン複合酸化物(組成式(1)複合酸化物)の構造劣化、電解液の分解などを効果的に抑制することができるので、サイクル特性を改善することができる。

0034

前記組成式(1) LixMn2-yMAyO4+zにおいて、Li比は1<x≦1.2の範囲内にある。xが1以下の場合には、サイクル特性が十分に改善されないのに対し、1.2を超える場合には、活物質の容量低下が大きくなる。MA比は0<y≦0.1の範囲内にある。yが0.1を超える場合には、活物質の容量低下が大きくなる。組成式(1)中のMnと置換する元素MAとしては、サイクル特性を改善させるMg、Al、Cr、Fe、CoおよびNiが挙げられ、これらの中では、AlおよびCrがより好ましい。

0035

本発明においては、正極活物質として、組成式(1)で示されるリチウムマンガン複合酸化物と前記組成式(2) LiaNibMBcO2で示される特定のリチウムニッケル複合酸化物とを併用することにより、サイクル特性のより一層の改善を達成しうる。サイクル特性改善の理由は、未だ解明されていないが、組成式(2)で表される特定組成のリチウムニッケル複合酸化物を配合することにより、Mnイオンの溶出および酸素の脱離が、より一層抑制されるものと考えられる。また、組成式(2)で表される特定組成のリチウムニッケル複合酸化物の容量は、リチウムマンガン複合酸化物の容量に比べて大きいので、高容量化も達成される。

0036

前記組成式(2) LiaNibMBcO2において、容量を減少させないために、Li比は、1≦a≦1.1の範囲内とする。Ni比は、0.5<b<1の範囲内とする。bが0.5未満の場合には、容量が小さくなり過ぎるのに対し、1の場合には、活物質のサイクル特性が著しく低下する。組成式(2) 中のNiと置換する元素MBとしては、サイクル特性および安全性の観点から、Co、AlおよびMnからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用する。置換元素比は、0<c<0.5の範囲内とする。cが0である場合(すなわち、Niを置換しない場合)には、活物質のサイクル特性が改善されないのに対し、0.5以上である場合には、容量が小さくなり過ぎる。

0037

さらに、本発明で正極活物質として使用する混合物において、リチウムマンガン複合酸化物(1)とリチウムニッケル複合酸化物(2)との混合比(重量%比)は、(1):(2)=95:5〜70:30とすることが好ましい。リチウムニッケル複合酸化物が5%未満の場合には、容量向上及びサイクル特性改善の効果が少ないのに対し、30%を超える場合には、リチウムニッケル複合酸化物の熱不安定性により、電池の安全性が確保できないことがある。

0038

正極活物質の平均粒径は、従来の活物質の粒径と同様であり、通常1〜60μm程度、好ましくは5〜40μm程度、より好ましくは10〜30μm程度である。なお、本明細書において、「平均粒径」とは、乾式レーザー回折測定法により得られた体積粒度分布における中心粒径を意味する。

0039

正極活物質の比表面積は、リチウムマンガン複合酸化物では通常1m2/g以下であり、より好ましくは0.2〜0.7m2/g程度である。リチウムニッケル複合酸化物では通常1m2/g以下であり、より好ましくは0.2〜0.7m2/g程度である。なお、本明細書において、「比表面積」とは、窒素ガスを使用するBET法による測定値を示す。

0040

負極101b、101cに用いられる負極活物質は、黒鉛粒子からなるコア部表面を非晶質炭素により被覆した二重構造黒鉛粒子(以下、簡略化のために「第一成分」ということがある)と黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ(以下、簡略化のために「第二成分」ということがある)との混合物である。

0041

本発明においては、負極活物質の第一成分として、二重構造黒鉛粒子を用いることにより、電池容量が向上するとともに、電解液の分解によるものと推測される充放電効率の低下が実質的に抑制され、黒鉛構造の破壊も防止される。

0042

二重構造黒鉛粒子のコア部である黒鉛粒子は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.34nm未満であり、より好ましくは0.3354〜0.3380nm程度、さらに好ましくは0.3354〜0.3360nm程度である。この値が0.34nmを超える場合には、コア部の結晶性が低くなるので、リチウムイオンの放出に伴う電位の変化が大きくなり、電池として利用できる有効容量が低くなる。黒鉛系粒子コア部を被覆している非晶質炭素層の面間隔は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.34nm以上であり、より好ましくは0.34〜0.38nm程度であり、さらに好ましくは0.34〜0.36nm程度である。被覆層におけるこの値が0.34nm未満である場合には、結晶性が高すぎて、電解液の分解によるものと推測される充放電効率の低下が生じるとともに、充放電の繰り返しに伴う結晶の面間隔の膨張/収縮により、炭素材料が破壊される危険性が増大する。一方、(002)面の面間隔(d002)が0.38nmを上回る場合には、リチウムイオンが移動し難くなり、電池として利用できる容量が小さくなる。なお、この様な二重構造黒鉛粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、WO97/18160号に記載されている。

0043

負極活物質の第二成分として使用する黒鉛化メソカーボンマイクロビーズは、容量は第一成分である二重構造黒鉛粒子に比べて小さいものの、比表面積が小さいので、少量のバインダーにより電極を製造することができる。黒鉛化メソカーボンマイクロビーズは、X線広角回折法による(002)面の両面間隔(d002)が0.34nm未満であり、より好ましくは0.3354〜0.3380nm程度であり、さらに好ましくは0.3354〜0.3360nm程度である。なお、この様な黒鉛化メソカーボンマイクロビーズの製造方法も、特に限定されるものではないが、例えば、特開平9-151382号公報に記載されている。

0044

また、本発明における負極活物質を構成する混合物は、第一成分である二重構造黒鉛粒子と第二成分である黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとの混合比(重量%比)が、第一成分:第二成分=95:5〜50:50であることを必須とする。混合物中の第二成分が、5重量%未満である場合には、集電体であるCu箔に対する良好な接着性を得るために、多量のバインダーを使用する必要があり、その結果、電池の容量を低下させる。これに対し、第二成分が50重量%を上回る場合には、黒鉛化メソカーボンマイクロビーズの容量が、二重構造黒鉛粒子に比べて低いために、やはり電池容量を低下させる。

0045

これら第一成分と第二成分との混合物を用いて負極を作製する場合には、バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料を使用する。バインダーとしては、PVDF構造中に-COOH基などを導入した変性PVDFがより好ましい。

0046

セパレータ104の構成は、特に限定されるものではないが、単層又は複層のセパレータを用いることができ、少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましく、この場合、サイクル特性が向上する。また、セパレータ104の材質も、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンポリアミドクラフト紙、ガラスセルロース系材料などが挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に応じて、適宜決定される。

0047

本実施形態で使用する非水系二次電池の電解質としては、公知のリチウム塩などの電解質材料を公知の溶媒に溶解させた非水系電解質を挙げることができる。電解質は、正極材料、負極材料などの種類、充電電圧などの使用条件などを総合的に考慮して、常法に従って適宜決定することができる。より具体的には、LiPF6、LiBF4、LiClO4などのリチウム塩を、プロピレンカーボネートエチレンカーボネートジエチルカーボネートジメチルカーボネートメチルエチルカーボネートジメトキシエタンγ-ブチロラクトン酢酸メチル蟻酸メチルなどの1種または2種以上からなる有機溶媒に溶解させた溶液が例示される。電解質材料の濃度は、特に限定されるものではないが、一般的に0.5〜2mol/l程度である。電解質は、当然のことながら、水分含有量ができるだけ低いもの、具体的には水分含有量100ppm以下のものが好ましい。なお、本明細書で使用する「非水系電解液」という用語は、非水系電解液および有機電解液を含む概念包含するものであり、さらにはゲル状ないし固体の電解質も含む概念をも包含する。

0048

上記のように構成された非水系二次電池は、大容量且つ高エネルギー密度を有するので、家庭用蓄電システム(夜間電力貯蔵、コージェネレーション、太陽光発電など)、電気自動車などの蓄電システムなどに用いることができる。この様な蓄電システムにおいては、エネルギー容量は、好ましくは30Wh以上、より好ましくは50Wh以上であり、且つエネルギー密度は、好ましくは180Wh/l以上、より好ましくは200Wh/l以上である。エネルギー容量が30Wh未満である場合或いは体積エネルギー密度が180Wh/l未満である場合には、容量が小さいので、充分なシステム容量を得るために電池の直並列数を増やす必要があること、また、コンパクトな設計が困難となることなどの理由により、蓄電システム用としては好ましくない。

0049

本実施形態の非水系二次電池は、扁平形状をしており、その厚さは12mm未満、より好ましくは10mm未満である。厚さの下限については、電極の充填率電池サイズ(薄くなれば同容量を得るためには面積が大きくなる)などを考慮して、2mm以上とすることが実用的である。電池の厚さが12mm以上となる場合には、電池内部の発熱を充分に外部に放熱することが難しくなること、電池内部と電池表面付近とでの温度差が大きくなり、内部抵抗が異なるので、電池内での充電量および電圧のバラツキが大きくなると言う大きな問題を生じる。なお、具体的な電池の厚さは、電池容量、エネルギー密度などに応じて、適宜決定されるが、特に期待する放熱特性が得られる最大厚さで設計することが好ましい。

0050

また、本実施形態の非水系二次電池は、例えば、扁平形状の表裏面が角形、円形長円形などの種々の形状とすることができる。形状が角形である場合には、一般には矩形であるが、用途に応じて、三角形六角形などの多角形とすることもできる。さらに、肉厚の薄い円筒などの筒形とすることもできる。形状が筒形の場合には、筒の肉厚がここでいう厚さとなる。また、製造の容易性の観点からは、図1に示す様に、電池の扁平形状の表裏面が矩形である「ノート型」形状が好ましい。

0051

電池容器となる上蓋1及び底容器2に用いられる材質は、電池の用途、形状により適宜選択され、特に限定されるものではなく、鉄、ステンレス鋼、アルミニウムなどが一般的であり、かつ実用的である。また、電池容器自体の厚さも、電池の用途、形状或いは電池ケースの材質により適宜決定され、特に限定されるものではない。電池の製造に必要な強度を確保するためには、その電池全表面積80%以上の部分の厚さ(電池容器を構成する一番面積が広い部分の厚さ)を0.2mm以上とすることが好ましく、0.3mm以上とすることがより好ましい。また、同時に同部分の厚さは、1mm以下であることが好ましく、0.7mm以下とすることがより好ましい。この厚さが1mmを超えると、電極面を押さえ込む力は大きくなるものの、電池の内容積が減少して、充分な容量が得られないこと、また重量が増大することなどの理由から、望ましくない。

発明の効果

0052

上記の様に、非水系二次電池の厚さを12mm未満に設計することにより、例えば、30Wh以上の大容量と180Wh/l以上の高エネルギー密度とを有する電池の高率充放電時等においても、電池温度の上昇は小さく、優れた放熱特性を示す。従って、内部発熱による電池の蓄熱が低減され、その結果、電池の熱暴走も抑止することが可能となり、信頼性および安全性に優れた非水系二次電池を得ることができる。

0053

以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、これら実施例の記載により限定されるものではない。

0054

実施例1
(1)まず、リチウムマンガン複合酸化物としてのLi1.1Mn1.8Al0.1O4とリチウムニッケル複合酸化物としてのLiNi1.8Co0.2O2と導電材であるアセチレンブラックとを乾式混合し、得られた混合物をバインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に均一に分散させて、スラリー-1を調製した。次いで、スラリー-1を集電体となるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、正極を得た。

0055

正極中の固形分比率(重量比)を、リチウムマンガン酸リチウム:リチウムニッケル酸リチウム:アセチレンブラック:PVDF=0.92(100-α):0.92α:3:5と表したときに、α=0、5、10、20、30、40、50の7種の正極を調製した。

0056

図3-(a)は、正極の説明図である。本実施例において、正極101aの塗布面積(W1×W2)は、262.5×192mm2である。また、電極の短辺側には、電極が塗布されていない集電部106aが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。

0057

(2)一方、二重構造黒鉛粒子(商品名“OPCG-K”、大阪ガスケミカル製;黒鉛粒子コアの(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満、被覆層の(002)面の面間隔(d002)=0.34nm以上)、黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪ガスケミカル製、品番“25-28”;(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満)および導電材であるアセチレンブラックを乾式混合した後、バインダーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散させ、スラリー-2を調製した。次いで、スラリー-2を集電体となる銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、負極を得た。

0058

負極中の固形分比率(重量比)は、二重構造黒鉛粒子:黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ:アセチレンブラック:PVDF=0.92(100-β):0.92β:2:6と表したときに、β=0、5、10、20、30、40、50、100の8種の負極を作製した。

0059

図3-(b)は、負極の説明図である。負極101bの塗布面積(W1×W2)は、267×195mm2である。また、電極の短辺側には、電極が塗布されていない集電部106bが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。

0060

さらに、上記と同様の手法により片面だけにスラリー-2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極は、後述の(3)項の電極積層体において外側に配置される(図2中101c)。

0061

(3)図3に示すように、上記(1)項で得られた正極8枚と上記(2)項で得られた負極9枚(内片面2枚)とを、セパレータ材A(レーヨン系不織布、目付12.6g/m2)とセパレータ材B(ポリエチレン製微孔膜;目付13.3g/m2)とを合わせたセパレータ104を介して交互に積層し、さらに、電池容器との絶縁のために外側の負極101cのさらに外側にセパレータ材Bを配置して、電極積層体を作成した。なお、セパレータ104は、セパレータ材Aが正極側に位置し、セパレータ材Bが負極側に位置するように配置した。

0062

(4)図4に示す様に、厚さ0.5mmのSUS304製薄板を深さ5mmに絞り、底容器2を作成し、上蓋1も厚さ0.5mmのSUS304製薄板により作製した。次いで、上蓋1にアルミニウム製の正極端子3および銅製の負極端子4(頭部直径6mm、先端M3のねじ部)を取り付けた。正極および負極端子3、4は、ポリプロピレン製ガスケットにより上蓋1と絶縁した。

0063

(5)上記(3)項で作成した電極積層体の各正極集電部106aの穴を正極端子3に、また各負極集電部106bの穴を負極端子4に入れ、それぞれアルミニウム製および銅製のボルトで接続した後、接続された電極積層体を絶縁テープで固定し、図1の角部Aを全周に亘りレーザー溶接した。次いで、注液口5(直径6mm)から、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液)を注液した。次いで、大気圧下で仮止め用のボルトを用いて注液口5を一旦封口した。

0064

(6)この電池を5Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて5Aの定電流で2.5Vまで放電した。

0065

(7)次に、電池の仮止め用ボルトを取り外した後、4×104Pa(300Torr)の減圧下に、直径12mmに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウム箔-変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm2、加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液口5を最終封口して、幅210mm×高さ300mm×厚さ6mmの扁平形状のノート型電池を得た。

0066

(8)これらの電池を「5Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて5Aの定電流で2.5Vまで放電する充放電サイクル」を100回行った。また、サイクル特性を評価するために、1サイクルおよび100サイクル時点の放電容量から容量維持率を算出した。結果を表1および表2に示す。

0067

表1および表2は、安全性評価試験として、これらの扁平形状のノート型電池を用いて、UL-1642に準じて、釘刺し試験を行った結果を併せて示す。釘刺し試験は、電池に刺すことにより強制的に内部ショートを起こさせる試験であり、4mmの釘を用いて行った。電池は、上記と同様のサイクル試験において同様の充放電を3回繰り返した後、充電して、釘刺し試験に供した。

0068

0069

0070

表1に示す結果から明らかな様に、正極活物質にリチウムニッケル複合酸化物を加えないα=0の場合(リチウムマンガン複合酸化物単独を使用する場合)には、サイクル試験での容量劣化が大きい。また、釘刺し試験では、リチウムニッケル複合酸化物の配合比が高いα=40および50の混合物を使用する場合に、発煙が生じている。従って、サイクル特性および安全性を考慮すると、リチウムマンガン複合酸化物に対するリチウムニッケル複合酸化物の混合範囲は、5≦α≦30とすることが適切である。

0071

また、表2に示す結果から、負極活物質として黒鉛化メソカーボンマイクロビーズを添加しないβ=0の場合(二重構造黒鉛粒子を単独で使用する場合)には、サイクル試験での容量劣化が大きい。これに対し、β=100である場合(黒鉛化メソカーボンマイクロビーズを単独で使用する場合)には、サイクル特性は良好ではあるが、電池容量が小さい。従って、サイクル特性および電池容量を考慮すると、負極活物質において、二重構造黒鉛粒子に対する黒鉛化メソカーボンマイクロビーズの混合範囲は、5≦β≦50とすることが適切である。

0072

また、実施例1で使用した組成式(1) LixMn2-yMAyO4+zにおいて、MAとしてMg、Cr、Fe、Co或いはNiを構成成分とする他のリチウムマンガン複合酸化物を使用する場合にも、上記と同様な顕著な効果が達成される。

0073

また、同様に実施例1で使用した組成式(2) LiaNibMBcO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物MBとしてAl或いはMnを構成成分とする他のリチウムニッケル複合酸化物を使用する場合にも、上記と同様な顕著な効果が達成される。

0074

さらに、リチウムマンガン複合酸化物に対するリチウムニッケル複合酸化物の混合割合が5≦α≦30の範囲内にあり、かつ二重構造黒鉛粒子に対する黒鉛化メソカーボンマイクロビーズの混合割合が5≦β≦50の範囲内にある場合にも、上記と同様の結果が得られる。
実施例2
実施例1におけると同様の手法により、正極中の固形分比率(重量比)をLi1.1Mn1.8Al0.1O4:LiNi1.8Co0.2O2:アセチレンブラック:PVDF=0.92(100-α):0.92α:3:5と表したときに、α=20として正極を作製し、かつ負極中の固形分比率(重量比)を二重構造黒鉛粒子:黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ:アセチレンブラック:PVDF=0.92(100-β):0.92β:2:6と表したときに、β=30として負極を作製した。これらの正極および負極を使用し、セパレータ、電解液などは実施例1と同様の材料を使用して、電池A(扁平形状のノート型、幅210mm×高さ300mm×厚さ6mm)と、形状の異なる比較電池B(角形、幅84mm×高さ150mm×厚さ30mm)および比較電池C(円筒型、直径60mm×高さ135mm)を作製した。

0075

これらの電池を用いて、実施例1と同様の手法により、サイクル特性と容量維持率を測定するとともに、釘刺し試験により安全性を評価した。結果を表3に示す。

0076

0077

表3に示す結果から明らかな様に、構成材料が本発明と全く同じであっても、電池形状が異なる比較電池BおよびCは、安全性に劣っているので、実用化し得ない。これに対し、本発明によるノート型電池Aは、釘刺し試験での発火が起こらず、安全性に極めて優れていることが明らかである。

0078

なお、実施例2において、リチウムマンガン複合酸化物およびリチウムニッケル複合酸化物として他の元素による置換材料をそれぞれ使用する場合にも、或いはリチウムマンガン複合酸化物に対するリチウムニッケル複合酸化物の混合割合が5≦α≦30の範囲内にあり、かつ二重構造黒鉛粒子に対する黒鉛化メソカーボンマイクロビーズの混合割合が5≦β≦50の範囲内にある場合にも、上記と同様の結果が得られる。

図面の簡単な説明

0079

図1本発明の一実施形態による蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図を示す図である。
図2図1に示す電池の内部に収納される電極積層体の構成を示す側面図である。
図3本発明実施例による非水系二次電池において用いた正極、負極およびセパレータの説明図である。
図4本発明実施例による非水系二次電池における上蓋および底容器の説明図である。

--

0080

1上蓋
2底容器
3正極端子
4負極端子
5注液口
6 封口フィルム
101a 正極(両面)
101b 負極(両面)
101c 負極(片面)
104セパレータ
105a正極集電体
105b負極集電体
106a 正極集電部
106b 負極集電部

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