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※この項目の情報は公開日時点(2002年9月18日)のものです。
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課題
解決手段
請求項1
請求項2
該機能性無機化合物が抗菌性セラミックス、炭パウダー、トルマリンパウダー、アルミナセラミックスパウダーから選ばれた群からなるものものである、請求項1記載の機能性熱可塑性繊維。
請求項3
樹脂Aにおける機能性無機化合物の含有率が10〜30重量%である請求項1又は2記載の機能性熱可塑性繊維。
請求項4
樹脂Aと樹脂Bのブレンド比率(重量%)が樹脂A/樹脂B=2/98〜40/60である請求項1乃至3いずれかひとつに記載の機能性熱可塑性繊維。
請求項5
該機能性無機化合物の平均粒子径が0.5〜3μmである請求項1乃至4いずれかひとつに記載の熱可塑性繊維。
請求項6
機能性無機化合物が練りこまれた熱可塑性繊維を製造するに際して、予め繊維形成性樹脂(B)とこれより粘度が低い熱可塑性樹脂(A’)を用意し、該熱可塑性樹脂(A’)に機能性無機化合物を添加して樹脂(B)との相対粘度の差が0.2以下となるように機能性無機化合物を含有する樹脂(A)を調製し、該樹脂(A)と樹脂(B)を混合した後、溶融紡糸する事を特徴とする機能性繊維の製造方法。
請求項7
該機能性無機化合物が抗菌性セラミックス、炭パウダー、トルマリンパウダー、アルミナセラミックスパウダーから選ばれた群からなるものである、請求項6記載の機能性熱可塑性繊維の製造方法。
請求項8
樹脂Aにおける機能性無機化合物の含有率が10〜30重量%である請求項6又は7記載の機能性熱可塑性繊維の製造方法。
請求項9
樹脂Aと樹脂Bのブレンド比率(重量%)が樹脂A/樹脂B=2/98〜40/60である請求項6乃至8いずれかひとつに記載の機能性熱可塑性繊維の製造方法。
請求項10
該機能性無機化合物の平均粒子径が0.5〜3μmである請求項6乃至9いずれかひとつに記載の熱可塑性繊維の製造方法。
技術分野
背景技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0006
〔発明の詳細な説明〕本発明に用いる機能性無機化合物を含有した樹脂(A)は、機能性粒子を熱可塑性樹脂に添加して溶融ペレット化する事により得られる。該機能性無機化合物を含有した樹脂は溶融ペレット化する際に機能性粒子を10〜30重量%含有したマスターバッチとして用いる。
0007
この樹脂Aと繊維形成性樹脂(B)との混合比率は機能性無機化合物の効果作用の十分な発現と得られる繊維の実用的な物性を得るということから樹脂組成物中の樹脂Aの比率が2〜40重量%であることが好ましい。
0008
このような、マスターチップに他の樹脂を混合して繊維を得る方法は公知であるが、機能性無機化合物を含有した樹脂は機能性粒子を練り込み溶融ペレット化する際に、重合度が上昇し、機能性粒子添加前の熱可塑性樹脂の粘度より大きくなる。この結果、繊維形成性樹脂との粘度差が大きくなり過ぎて紡糸操業性、繊維物性の著しい低下を招いていた。
0009
そこで本願発明は、用いる2種の樹脂の相対粘度差をなるべく小さくする、具体的にはその差を0.2以下とする事で、紡糸操業性と繊維物性に優れる機能性繊維を得るものである。0.2を超えると、紡糸操業性が著しく低下するばかりでなく、機能性粒子が繊維中に偏在し易くなり結果として繊維物性も著しく劣るものとなる。
0011
前記機能性無機化合物を含有する樹脂中に練り込まれた機能性粒子は繊維化する上でその平均粒子径は0.5〜3μmが望ましく、溶融ペレット化する際には繊維形成性樹脂に比べ低粘度である樹脂と溶融、混練し、十分な濾過が必要である。
発明を実施するための最良の形態
0012
本発明は上述したように、機能性無機化合物を含有する樹脂を繊維形成性樹脂である熱可塑性樹脂中に分散させ繊維化するものである。
0013
前記機能性粒子とは、熱可塑性樹脂に添加する事により、樹脂自体には無い機能を樹脂に付与しうる粒子を指し、一般に無機系機能性粒子である。具体的には抗菌剤、消臭剤、脱臭剤、吸放湿性剤、遠赤外線放射剤、マイナスイオン発生剤、熱伝導率改良剤(接触冷温評価良好)といわれているものがある。
0014
特に無機系の抗菌剤には、銀イオン、亜鉛イオン、銅イオン等の抗菌性金属イオンを担持したガラス、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト等があり、消臭剤には、トリポリリン酸ナトリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等がある。
0015
遠赤外線放射剤にはアルミナセラミックス、ジルコニウム、シリカ、チタン等の遠赤外線を放射するものがあり、マイナスイオン発生としては木材炭化物粉の備長炭や松果炭、トルマリン等があげられる。これらの剤はパウダーで使用する。粒径は分散性不良、繊維化する際の生産性不良、2次凝集防止という観点から、0.5〜3μmが好ましい。
0018
以上、本発明に利用出来る機能性無機化合物の一例を示したが、本発明がこれらに限定されるものではない。又、本発明では2種類以上の機能性無機化合物を組み合わせて用いることも可能である。
0020
本発明において樹脂Aのマトリックスポリマーと樹脂Bの組成の組み合わせは任意である。例えば、樹脂Aのマトリックスポリマーとして6ナイロン、樹脂Bとして12ナイロンを選択する事が出来る。しかしながら、紡糸操業性や繊維物性を考慮すると樹脂Aのマトリックスポリマーと樹脂Bは同一・類似の組成の物か、互いに相溶性があるものどうしの組み合わせが好ましい。又、樹脂Aのマトリックスポリマーや樹脂Bが複数のポリマーの混合物であってもよい。
0021
本発明の熱可塑性繊維の紡糸方法は、従来公知の溶融紡糸法が適宜利用出来る。樹脂Aと樹脂Bを予め適当な組成で混合し、任意の温度で溶融紡糸する。紡速は600〜5000m/min程度まで設定可能である。
0022
本発明の繊維の断面形状は特に規定されない。用途、使用目的に合わせて適宜選定すればよい。又、単糸繊度についても特に規定はしないが、通常1〜5dtex程度のものである。
0023
なお、本発明の繊維、及び製造方法は単独成分の繊維に限るものではなく、所謂複合繊維及びその製造方法も含まれる。例えば、樹脂Aと樹脂Bからなる成分を芯成分とし、樹脂Bのみからなる成分を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を例として挙げる事が出来る。この複合繊維を製造するには、樹脂Aと樹脂Bの混合チップを溶融押し出し機に入れ、樹脂Bのみを別の溶融押し出し機に入れて定法に従って複合紡糸を行えばよい。
0025
(機能性粒子の製造例)表1に示した相対粘度の6ナイロンを溶融し、これに表1に示した機能性無機粒子を添加した。得られた機能性無機粒子を含む樹脂(A)の相対粘度を測定した。結果を表1に示す。
0026
0027
(実施例1)樹脂PAS1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.7のナイロン6とのブレンド比率10,20,30重量%で溶融紡糸し、紡糸速度4000m/minで78dtex/24fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0028
2週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中に炭パウダー粒子が均一に分散されており、実用に適した強伸度を有していた。毛羽の発生も無かった。また、機能性として遠赤外線の効果による温かさが確認できた。抗菌性においても十分な効果が確認された。
0029
(比較例1)樹脂PAC1と相対粘度2.7繊維形成性樹脂であるナイロン6とのブレンド比率10,20,30重量%で溶融紡糸し、紡糸速度4000m/minで78dtex/24fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0030
2週間紡糸したが糸切れが多く、紡糸口金パックの濾過圧上昇し、紡糸口金パックの交換が必要であった。得られた半延伸ナイロンマルチフィラメントは繊維中に炭パウダーが均一に分散されておらず、糸物性で強伸度が低く、毛羽、単糸切れの発生が見られた。
0031
(実施例2)樹脂PAS2と相対粘度2.8の繊維形成性樹脂であるナイロン6とのブレンド比率10,20,30重量%で溶融紡糸し、紡糸速度700m/minで巻取り後、冷延伸して78dtex/24fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0032
2週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中に炭パウダーが均一に分散されており、糸物性では実用にてきした強伸度を有しており、毛羽・単糸切れの発生はなかった。
0033
(比較例2)樹脂PAC2と相対粘度2.5の繊維形成性樹脂であるナイロン6とのブレンド比率10,20,30重量%で溶融紡糸し、紡糸速度700m/minで巻取り後、冷延伸して78dtex/24fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0034
2週間紡糸したが糸切れが多く、紡糸口金パックの濾過圧上昇し、紡糸口金パックの交換が必要であった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中に炭パウダーが均一に分散されておらず、糸物性では強伸度が低く、毛羽の発生があった。
0035
(実施例3)樹脂PBS1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率2,4,6重量%で溶融紡糸し、紡糸速度4000m/minで40dtex/12fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0036
3週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られた半延伸ナイロンマルチフィラメントは繊維中に抗菌性セラミックスが均一に分散されており、糸物性では実用に適した強伸度を有しており、毛羽の発生も見られなかった。得られた繊維は十分な抗菌性能を持っていた。また、得られた半延伸ナイロンマルチフィラメントは十分な抗菌性能を示していた。
0037
(比較例3)樹脂PBC1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.7のナイロン6とブレンド比率2,4,6重量%で溶融紡糸し、紡糸速度4000m/minで40dtex/12fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0038
3週間紡糸したが糸切れが多く、紡糸口金パックの濾過圧上昇により紡糸口金パックの交換が必要で連続1週間以上の紡糸は不可能であった。得られた半延伸ナイロンマルチフィラメントは繊維中にに抗菌性セラミックスが均一に分散されておらず、糸物性では強伸度が低く、毛羽の発生が見られた。
0039
(実施例4)樹脂PBS2と繊維形成性樹脂である相対粘度2.7のナイロン6とブレンド比率2,4,6重量%で溶融紡糸し、紡糸速度700m/minで巻き取り後、冷延伸して40dtex/12fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0040
3週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中に抗菌性セラミックスが均一に分散されており、糸物性では実用に適した強伸度を有し、毛羽の発生もなかった。
0041
(比較例4)樹脂PBC2と繊維形成性樹脂である相対粘度2.7のナイロン6とブレンド比率2,4,6重量%で溶融紡糸し、紡糸速度700m/minで巻き取り後、冷延伸して40dtex/12fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0042
2週間紡糸したが糸切れ多く、冷延伸時も糸切れが多発した。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維化中に抗菌性セラミックスが均一に分散されておらず、糸物性では強伸度が低く、毛羽の発生が見られた。
0043
(実施例5)樹脂PCS1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度750m/minで巻取り後、冷延伸して85dtex/24fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0044
2週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維化中にトルマリンパウダーが均一に分散されており、糸物性では実用に適した強伸度を有し、毛羽の発生も無かった。
0045
(比較例5)樹脂PCC1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度750m/minで巻取り後、冷延伸して85dtex/24fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0046
2週間紡糸したが糸切れ多く、紡糸口金パックの濾過圧上昇し、紡糸口金パックの交換が必要であった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中にトルマリンパウダーが均一に分散されておらず、糸物性では強伸度が低く、毛羽の発生が見られた。
0047
(実施例6)樹脂PCS1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度4000m/minで85dtex/24fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0048
2週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られた半延伸ナイロンマルチフィラメントは繊維中にトルマリンパウダーが均一に分散されており、糸物性では実用に適した強伸度を有し、毛羽の発生も無かった。
0049
(比較例6)樹脂PCC1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度4000m/minで85dtex/24fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0050
2週間紡糸したが糸切れ発生しく、紡糸口金パックの濾過圧上昇にり紡糸口金パックの交換が必要で連続1週間以上の紡糸は不可能であった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中にトルマリンパウダーが均一に分散されておらず、糸物性では強伸度が低く、毛羽の発生も見られた。
0051
(実施例7)樹脂PDS1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度750m/minで巻取り後、冷延伸して78dtex/24fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0052
2週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中にアルミナセラミックスパウダーが均一に分散されており、糸物性では実用に適した強伸度を有し、毛羽の発生も無かった。得られたナイロンマルチフィラメントは遠赤外線効果で保温効果が実感できた。
0053
(比較例7)樹脂PDC1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度750m/minで巻取り後、冷延伸して78dtex/24fのナイロンマルチフィラメントを得た。
0054
2週間紡糸したが糸切れ多く、紡糸口金パックの濾過圧上昇し、紡糸口金パックの交換が必要であった。得られたナイロンマルチフィラメントは繊維中にアルミナセラミックスパウダーが均一に分散されておらず、糸物性では強伸度が低く、毛羽の発生が見られた。
0055
(実施例8)樹脂PDS1と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度4000m/minで78dtex/24fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0056
2週間紡糸したが糸切れは無く、紡糸口金パックの濾過圧上昇も無く、紡糸口金パックの交換の必要も無かった。得られた半延伸ナイロンマルチフィラメントは繊維中にアルミナセラミックスパウダーが均一に分散されており、糸物性では実用に適した強伸度を有し、毛羽の発生もなかった。
0057
(比較例8)樹脂PDC2と繊維形成性樹脂である相対粘度2.8のナイロン6とブレンド比率10,20,30重量%でブレンドしたもので溶融紡糸を行った。紡糸速度750m/minで78dtex/24fの半延伸ナイロンマルチフィラメントを得た。
0058
2週間紡糸したが糸切れが多発、紡糸口金パックの濾過圧上昇により紡糸口金パックの交換が必要であり、連続1週間以上の紡糸は不可能であった。得られた半延伸ナイロンマルチフィラメントは繊維中にアルミナセラミックスパウダーが均一に分散されておらず、糸物性では強伸度が低く、毛羽の発生が見られた。
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