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課題

内燃機関電磁駆動弁設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる内燃機関の電磁駆動弁制御装置の提供。

解決手段

閉弁位置にある吸排気弁始動時開弁駆動(S346,S347)はピストン下死点近傍のタイミング(S342,S343で「YES」)であるので吸排気ポート側の大気圧燃焼室内の負圧との差圧開弁力に加わる。又、開弁位置あるいは中立位置にある吸排気弁の始動閉弁駆動(S348,S349)は、ピストンが下死点から上死点に移動しているタイミング(S344,S345で「YES」)であるので、ピストンの突き上げ時の風圧あるいは燃焼室から吸排気ポート側に流れる気体流動摩擦力閉弁力に加わる。このことにより、逆スクィーズ力異物噛み込みに対抗して弁駆動することができるようになる。このようにして課題を達成できる。

概要

背景

電磁駆動弁吸気弁排気弁に用いた内燃機関においては、内燃機関停止時には電磁駆動弁が開弁位置閉弁位置との中間である中立位置となる。このように電磁駆動弁が中立位置で停止していると、機関始動時においては特別に初期駆動処理を実行して電磁駆動弁を閉弁位置あるいは開弁位置に移動させなくてはならず、消費電力等の不利益が生じる。これを防止するために、特開2000−154737では、内燃機関停止時において電磁駆動弁を閉弁位置又は開弁位置に、磁気的に固定したり、バネ定数係止機構により機械的に固定しておく手法が提案されている。

そして内燃機関始動操作時においては、排気弁については閉弁固定状態から開弁状態へと駆動し、吸気弁については吸気行程移行した気筒から順次、閉弁固定状態から開弁状態へ駆動していた。そして、以後、内燃機関の行程に同期して吸排気弁開閉駆動する通常の制御に移行していた。

概要

内燃機関の電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる内燃機関の電磁駆動弁制御装置の提供。

閉弁位置にある吸排気弁の始動時開弁駆動(S346,S347)はピストン下死点近傍のタイミング(S342,S343で「YES」)であるので吸排気ポート側の大気圧燃焼室内の負圧との差圧開弁力に加わる。又、開弁位置あるいは中立位置にある吸排気弁の始動閉弁駆動(S348,S349)は、ピストンが下死点から上死点に移動しているタイミング(S344,S345で「YES」)であるので、ピストンの突き上げ時の風圧あるいは燃焼室から吸排気ポート側に流れる気体流動摩擦力が閉弁力に加わる。このことにより、逆スクィーズ力異物噛み込みに対抗して弁駆動することができるようになる。このようにして課題を達成できる。

目的

本発明は、電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる内燃機関の電磁駆動弁制御装置の提供を目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

内燃機関吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とし内燃機関の停止時には前記電磁駆動弁を閉弁位置に固定する電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストン下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する始動時開弁駆動手段を備えたことを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項2

内燃機関の吸排気弁の一方又は両方に、非通電状態で閉弁位置に固定することができる電磁駆動弁を用いた内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する始動時開弁駆動手段を備えたことを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項3

請求項1又は2記載の構成に対して、前記電磁駆動弁の弁位置を検出する弁位置検出手段を設けると共に、前記始動時開弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて前記電磁駆動弁が閉弁位置に存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項4

内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とし内燃機関の停止時には前記電磁駆動弁を開弁位置に固定する電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する始動時閉弁駆動手段を備えたことを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項5

内燃機関の吸排気弁の一方又は両方に、非通電状態で開弁位置に固定することができる電磁駆動弁を用いた内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する始動時閉弁駆動手段を備えたことを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項6

請求項4又は5記載の構成に対して、前記電磁駆動弁の弁位置を検出する弁位置検出手段を設けると共に、前記始動時閉弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて前記電磁駆動弁が開弁位置に存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項7

内燃機関の吸排気弁の一方又は両方に、非通電状態で開弁位置と閉弁位置とのいずれにおいても固定することができる電磁駆動弁を用いた内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する始動時閉弁駆動手段と、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する始動時開弁駆動手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項8

請求項7記載の構成において、前記始動時開弁駆動手段は、前記始動時閉弁駆動手段による前記電磁駆動弁の閉弁駆動が実行された後に、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項9

請求項7又は8記載の構成に対して、前記電磁駆動弁の弁位置を検出する弁位置検出手段を設けると共に、前記始動時閉弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて開弁位置にある電磁駆動弁が存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して該電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、該電磁駆動弁の閉弁駆動を実行し、前記始動時開弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて閉弁位置にある電磁駆動弁が存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して該電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、該電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項10

請求項9記載の構成において、前記始動時閉弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて開弁位置にある電磁駆動弁、又は開弁位置と閉弁位置との中間の中立位置にある電磁駆動弁が存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して該電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、該電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項11

内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、前記電磁駆動弁の固着異常を検出する固着異常検出手段と、前記固着異常検出手段にて固着異常状態であると検出されると、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する異常時開弁駆動手段を備えたことを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項12

請求項11記載の構成において、前記異常時開弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が閉弁位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項13

請求項12記載の構成において、前記異常時開弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が閉弁位置、又は開弁位置と閉弁位置との中間の中立位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項14

内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、前記電磁駆動弁の固着異常を検出する固着異常検出手段と、前記固着異常検出手段にて固着異常状態であると検出されると、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する異常時閉弁駆動手段を備えたことを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項15

請求項14記載の構成において、前記異常時閉弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が開弁位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

請求項16

請求項15記載の構成において、前記異常時閉弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が開弁位置、又は開弁位置と閉弁位置との中間の中立位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置。

技術分野

・前記各実施の形態において、吸排気弁永久磁石によりコイル通電することなく弁体を開位置あるいは閉位置に固定できるように構成されていた。これ以外に、スプリング係合装置により機械的に弁体を開位置あるいは閉位置に固定できる構成でも良い。

背景技術

0001

本発明は、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置に関する。

0002

電磁駆動弁を吸気弁排気弁に用いた内燃機関においては、内燃機関停止時には電磁駆動弁が開弁位置閉弁位置との中間である中立位置となる。このように電磁駆動弁が中立位置で停止していると、機関始動時においては特別に初期駆動処理を実行して電磁駆動弁を閉弁位置あるいは開弁位置に移動させなくてはならず、消費電力等の不利益が生じる。これを防止するために、特開2000−154737では、内燃機関停止時において電磁駆動弁を閉弁位置又は開弁位置に、磁気的に固定したり、バネ定数係止機構により機械的に固定しておく手法が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0003

そして内燃機関始動操作時においては、排気弁については閉弁固定状態から開弁状態へと駆動し、吸気弁については吸気行程移行した気筒から順次、閉弁固定状態から開弁状態へ駆動していた。そして、以後、内燃機関の行程に同期して吸排気弁を開閉駆動する通常の制御に移行していた。

0004

しかし、内燃機関の停止時に電磁駆動弁を長期にわたって閉弁位置又は開弁位置に固定しておくと、例えば潤滑油アーマチャディスクコアとの接触部分に滲入して逆スクィーズ力が発生することがある。そして、この逆スクィーズ力により、始動時における電磁駆動弁の作動タイミングにばらつきが生じたり、最悪の場合、電磁駆動が開始されても初期の作動が実行されないおそれがある。このような逆スクィーズ力による作動不良の問題は、内燃機関停止が短期間であっても停止後に急速に温度が低下した場合等にも発生する。

0005

このように閉弁位置又は開弁位置に固定したことにより生じる問題点を解決するためには、潤滑油がアーマチャディスクとコアとの接触部分等に滲入しないようにシール機構を設けることが考えられる。しかし電磁駆動弁の機構が複雑化かつ大型化したり、磁束通路面積などを低下させるおそれがある。又、アーマチャディスクとコアとの接触面積を小さくすることも考えられるが、磁気力の低下や消費電力の増加を招くおそれがある。

0006

電磁駆動弁における作動不良は上述した内燃機関停止時の潤滑油滲入による逆スクィーズ力ばかりでなく、他の原因、例えば摺動部での異物の噛み込みにより生じる場合もある。このため更に電磁駆動弁の設計上の対策を考慮しなくてはならず、電磁駆動弁の構成が更に複雑化したり大型化したりするおそれがある。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる内燃機関の電磁駆動弁制御装置の提供を目的とするものである。

0008

以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。請求項1記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置は、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とし内燃機関の停止時には前記電磁駆動弁を閉弁位置に固定する電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストン下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する始動時開弁駆動手段を備えたことを特徴とする。

0009

このように始動時にクランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ている状態では、電磁駆動弁が閉弁位置にあると燃焼室内の気圧は高い負圧状態となっている。このため、吸気ポート側あるいは排気ポート側大気圧と燃焼室内の負圧との差圧が、電磁駆動弁を開く方向に作用する。

0010

そして、このタイミングで始動時開弁駆動手段が電磁駆動弁の開弁駆動を実行することにより、電磁駆動弁の開弁電磁駆動力に更に前記差圧が加わることになる。このことにより、より大きな開弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって、大きな逆スクィーズ力が作用していても、あるいは異物噛み込みが生じていても、電磁駆動力よりも大きな開弁力により電磁駆動弁を開弁できるようになる。こうして一度開弁すれば、以後、電磁駆動弁は通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができる。このようにして電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる。

0011

請求項2記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方に、非通電状態で閉弁位置に固定することができる電磁駆動弁を用いた内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する始動時開弁駆動手段を備えたことを特徴とする。

0012

電磁駆動弁としては、このような非通電状態で閉弁位置に固定することができるものを挙げることができる。このような電磁駆動弁において、ピストンが下死点近傍に来ているタイミングで始動時開弁駆動手段が電磁駆動弁の開弁駆動を実行することにより、電磁駆動弁の開弁電磁駆動力に前記差圧が加わることになる。このことにより、より大きな開弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって、前述したごとく電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる。

0013

請求項3記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項1又は2記載の構成に対して、前記電磁駆動弁の弁位置を検出する弁位置検出手段を設けると共に、前記始動時開弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて前記電磁駆動弁が閉弁位置に存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする。

0014

尚、弁位置検出手段を設けることにより、電磁駆動弁が閉弁位置に存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、電磁駆動弁の開弁駆動を実行することとしても良い。このことにより、電磁駆動弁が閉弁位置に存在しない場合には、不必要に電磁駆動弁の開弁駆動を実行することが無くなるので、駆動エネルギーが節約でき、かつ迅速に内燃機関の行程に同期する通常の電磁駆動弁の制御に移行できる。

0015

請求項4記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とし内燃機関の停止時には前記電磁駆動弁を開弁位置に固定する電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する始動時閉弁駆動手段を備えたことを特徴とする。

0016

このように始動時にクランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動している状態では、燃焼室内の気体はピストンにより突き上げられている。したがって、この突き上げ時の風圧あるいは燃焼室から吸気ポート排気ポートに流れる気体による流動摩擦力が電磁駆動弁に対して閉じる方向に作用する。

0017

そして、このタイミングで始動時閉弁駆動手段が電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することにより、電磁駆動弁の閉弁電磁駆動力に更に前記風圧や前記流動摩擦力が加わることになる。このことにより、より大きな閉弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって、大きな逆スクィーズ力が作用していても、あるいは異物噛み込みが生じていても、電磁駆動力よりも大きな閉弁力により電磁駆動弁を閉弁できるようになる。こうして一度閉弁すれば、以後、電磁駆動弁は通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができる。このようにして電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる。

0018

請求項5記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方に、非通電状態で開弁位置に固定することができる電磁駆動弁を用いた内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する始動時閉弁駆動手段を備えたことを特徴とする。

0019

電磁駆動弁としては、このような非通電状態で開弁位置に固定することができるものを挙げることができる。このような電磁駆動弁においても、ピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングで始動時閉弁駆動手段が電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することにより、電磁駆動弁の閉弁電磁駆動力に前記風圧や前記流動摩擦力が加わることになる。このことにより、より大きな閉弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって、前述したごとく電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる。

0020

請求項6記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項4又は5記載の構成に対して、前記電磁駆動弁の弁位置を検出する弁位置検出手段を設けると共に、前記始動時閉弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて前記電磁駆動弁が開弁位置に存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする。

0021

尚、弁位置検出手段を設けることにより、電磁駆動弁が開弁位置に存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することとしても良い。このことにより、電磁駆動弁が開弁位置に存在しない場合には、不必要に電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することが無くなるので、駆動エネルギーが節約でき、かつ迅速に内燃機関の行程に同期する通常の電磁駆動弁の制御に移行できる。

0022

請求項7記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方に、非通電状態で開弁位置と閉弁位置とのいずれにおいても固定することができる電磁駆動弁を用いた内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する始動時閉弁駆動手段と、内燃機関始動時に、内燃機関の行程に同期して前記電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する始動時開弁駆動手段とを備えたことを特徴とする。

0023

このように、電磁駆動弁が非通電状態で開弁位置と閉弁位置とのいずれにおいても固定することができる場合には、前記始動時閉弁駆動手段と前記始動時開弁駆動手段とを設けた構成としても良い。

0024

始動時閉弁駆動手段が電磁駆動弁の閉弁駆動を実行するタイミングでは、ピストンの突き上げ時の風圧あるいは燃焼室から吸気ポートや排気ポートに流れる気体による流動摩擦力が電磁駆動弁に対して閉じる方向に作用する。このことにより、開弁固定されている電磁駆動弁が存在する場合には、より大きな閉弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって大きな逆スクィーズ力が作用していても、あるいは異物噛み込みが生じていても、電磁駆動弁を閉弁できるようになる。

0025

更に、始動時開弁駆動手段が電磁駆動弁の開弁駆動を実行するタイミングでは、電磁駆動弁の開弁電磁駆動力に吸気ポート側あるいは排気ポート側の大気圧と燃焼室内の負圧との差圧が加わる。このことにより、閉弁固定されている電磁駆動弁が存在する場合には、より大きな開弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって大きな逆スクィーズ力が作用していても、あるいは異物噛み込みが生じていても、電磁駆動弁を開弁できるようになる。

0026

このようにして、内燃機関の停止時に電磁駆動弁が閉弁固定されていても開弁固定されていても容易に駆動を開始させることができる。そして一度開弁あるいは閉弁すれば、以後、電磁駆動弁は通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができる。このようにして電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる。

0027

請求項8記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項7記載の構成において、前記始動時開弁駆動手段は、前記始動時閉弁駆動手段による前記電磁駆動弁の閉弁駆動が実行された後に、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする。

0028

内燃機関の始動時に、燃焼室が密閉状態に近ければ近いほど、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングでは、吸気ポート側あるいは排気ポート側の大気圧と燃焼室内の負圧との差圧が大きくなる。

0029

したがって、開弁固定状態と閉弁固定状態との両方の電磁駆動弁が存在する場合を考慮すると、先に始動時閉弁駆動手段による電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することにより燃焼室の密閉性を高めた後に、始動時開弁駆動手段による電磁駆動弁の開弁駆動を実行することにより、より強力に開弁力を電磁駆動弁に作用させることができる。したがって電磁駆動弁が、より確実に駆動されることになる。

0030

このようにして電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良をより確実に防止できる。請求項9記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項7又は8記載の構成に対して、前記電磁駆動弁の弁位置を検出する弁位置検出手段を設けると共に、前記始動時閉弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて開弁位置にある電磁駆動弁が存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して該電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、該電磁駆動弁の閉弁駆動を実行し、前記始動時開弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて閉弁位置にある電磁駆動弁が存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して該電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、該電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする。

0031

尚、弁位置検出手段を設けることにより、電磁駆動弁が開弁位置に存在すると検出された場合に、始動時閉弁駆動手段を機能させ、電磁駆動弁が閉弁位置に存在すると検出された場合に、始動時開弁駆動手段を機能させることとしても良い。このことにより、電磁駆動弁が開弁位置に存在しない場合には不必要に電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することが無くなり、電磁駆動弁が閉弁位置に存在しない場合には不必要に電磁駆動弁の開弁駆動を実行することが無くなる。このため、駆動エネルギーが節約でき、かつ迅速に内燃機関の行程に同期する通常の電磁駆動弁の制御に移行できる。

0032

請求項10記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項9記載の構成において、前記始動時閉弁駆動手段は、内燃機関始動時に、前記弁位置検出手段にて開弁位置にある電磁駆動弁、又は開弁位置と閉弁位置との中間の中立位置にある電磁駆動弁が存在すると検出された場合に、内燃機関の行程に同期して該電磁駆動弁を駆動するに先だって、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、該電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする。

0033

このように電磁駆動弁が中立位置に存在する場合には、開弁位置にある場合と同様に始動時閉弁駆動手段により、クランキングにより内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて閉弁駆動を実行するようにしても良い。

0034

このことにより、ピストンの突き上げ時の風圧あるいは燃焼室から吸気ポートや排気ポートに流れる気体による流動摩擦力が中立位置にある電磁駆動弁に対して閉じる方向に作用する。このことにより、より大きな閉弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって異物噛み込みが生じていても電磁駆動弁を閉弁できるようになる。

0035

請求項11記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、前記電磁駆動弁の固着異常を検出する固着異常検出手段と、前記固着異常検出手段にて固着異常状態であると検出されると、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行する異常時開弁駆動手段を備えたことを特徴とする。

0036

このような固着異常検出手段と異常時開弁駆動手段とを設けることにより、内燃機関の運転中においても、電磁駆動弁が固着異常を生じた場合に対処することができる。すなわち、固着異常検出手段により電磁駆動弁の固着異常が検出されると、異常時開弁駆動手段が内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて電磁駆動弁の開弁駆動を実行する。

0037

この電磁駆動弁の開弁駆動を実行するタイミングでは、電磁駆動弁が閉弁位置で固着していた場合には、電磁駆動力に吸気ポート側あるいは排気ポート側の大気圧と燃焼室内の負圧との差圧が加わる。電磁駆動弁が中立位置で固着していた場合には電磁駆動力に吸気ポート側あるいは排気ポート側から燃焼室内に流れ込む吸気の風圧と流動摩擦力による開弁方向の力が加わる。

0038

このことにより、固着した電磁駆動弁が存在する場合には、より大きな開弁力が電磁駆動弁に作用する。したがっ異物噛み込み等にて電磁駆動弁が固着しても電磁駆動弁を開弁することができるようになる。こうして一度開弁すれば、電磁駆動弁は固着が解除されるので、通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができるようになる。このようにして電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる。

0039

請求項12記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項11記載の構成において、前記異常時開弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が閉弁位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする。

0040

このように異常時開弁駆動手段は、閉弁位置にて固着異常状態となっている電磁駆動弁に対して、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて開弁駆動を実行する。このことにより、開弁位置にある電磁駆動弁に対して、不必要に電磁駆動弁の開弁駆動を実行することが無くなるので、駆動エネルギーが節約でき、かつ迅速に内燃機関の行程に同期する通常の電磁駆動弁の制御に戻すことができる。

0041

請求項13記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項12記載の構成において、前記異常時開弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が閉弁位置、又は開弁位置と閉弁位置との中間の中立位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて、前記電磁駆動弁の開弁駆動を実行することを特徴とする。

0042

このように異常時開弁駆動手段は、閉弁位置又は中立位置にて固着異常状態となっている電磁駆動弁に対して、内燃機関のピストンが下死点近傍に来ているタイミングにて開弁駆動を実行する。このことにより、開弁位置にある電磁駆動弁に対して、不必要に電磁駆動弁の開弁駆動を実行することが無くなるので、駆動エネルギーが節約でき、かつ迅速に内燃機関の行程に同期する通常の電磁駆動弁の制御に戻すことができる。

0043

請求項14記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、内燃機関の吸排気弁の一方又は両方を電磁駆動弁とする内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、前記電磁駆動弁の固着異常を検出する固着異常検出手段と、前記固着異常検出手段にて固着異常状態であると検出されると、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する異常時閉弁駆動手段を備えたことを特徴とする。

0044

このような固着異常検出手段と異常時閉弁駆動手段とを設けることにより、内燃機関の運転中においても、電磁駆動弁が固着異常を生じた場合に対処することができる。すなわち、固着異常検出手段により電磁駆動弁の固着異常が検出されると、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて電磁駆動弁の閉弁駆動を実行する。

0045

この電磁駆動弁の閉弁駆動を実行するタイミングでは、電磁駆動弁が開弁位置あるいは中立位置で固着していた場合には電磁駆動力に燃焼室内から吸気ポート側あるいは排気ポート側へ流れ込む吸気の風圧と流動摩擦力による閉弁方向の力が加わる。

0046

このことにより、固着した電磁駆動弁が存在する場合には、より大きな閉弁力が電磁駆動弁に作用する。したがって異物噛み込み等にて電磁駆動弁が固着しても電磁駆動弁を閉弁することができるようになる。こうして一度閉弁すれば、電磁駆動弁は固着が解除されるので、通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができるようになる。このようにして電磁駆動弁の設計変更に依らずに電磁駆動弁の作動不良を防止できる。

0047

請求項15記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項14記載の構成において、前記異常時閉弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が開弁位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする。

0048

このように異常時閉弁駆動手段は、開弁位置にて固着異常状態となっている電磁駆動弁に対して、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて閉弁駆動を実行する。このことにより、閉弁位置にある電磁駆動弁に対して、不必要に電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することが無くなるので、駆動エネルギーが節約でき、かつ迅速に内燃機関の行程に同期する通常の電磁駆動弁の制御に戻すことができる。

0049

請求項16記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置では、請求項15記載の構成において、前記異常時閉弁駆動手段は、前記固着異常検出手段にて前記電磁駆動弁が開弁位置、又は開弁位置と閉弁位置との中間の中立位置にて固着異常状態となっていると検出されると、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて、前記電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することを特徴とする。

0050

このように異常時閉弁駆動手段は、開弁位置又は中立位置にて固着異常状態となっている電磁駆動弁に対して、内燃機関のピストンが下死点から上死点へ移動しているタイミングにて閉弁駆動を実行する。このことにより、閉弁位置にある電磁駆動弁に対して、不必要に電磁駆動弁の閉弁駆動を実行することが無くなるので、駆動エネルギーが節約でき、かつ迅速に内燃機関の行程に同期する通常の電磁駆動弁の制御に戻すことができる。

0051

[実施の形態1]図1は、上述した発明が適用された内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2及びその制御系統概略構成を表すブロック図である。図2はエンジン2の部分縦断面図を示している。

0052

エンジン2は、車両駆動用として車両に搭載されているものである。このエンジン2は4つの気筒2a,2b,2c,2dを有している。各気筒2a〜2dには、シリンダブロック4、シリンダブロック4内で往復動するピストン6、シリンダブロック4上に取り付けられたシリンダヘッド8、及びシリンダヘッド8にて区画された燃焼室10がそれぞれ形成されている。尚、以下、第1番気筒2aを「#1気筒」、第2番気筒2bを「#2気筒」、第3番気筒2cを「#3気筒」、第4番気筒2dを「#4気筒」で表す。

0053

そして各燃焼室10には、それぞれ第1吸気弁12a、第2吸気弁12b、第1排気弁16a及び第2排気弁16bの4弁が設けられている。これらの各弁12a,12b,16a,16bは電磁駆動弁として構成されている。この内、第1吸気弁12aは第1吸気ポート14aを開閉し、第2吸気弁12bは第2吸気ポート14bを開閉し、第1排気弁16aは第1排気ポート18aを開閉し、第2排気弁16bは第2排気ポート18bを開閉するように配置されている。

0054

図1に示したごとく、各気筒2a〜2dの第1吸気ポート14a及び第2吸気ポート14bは、吸気マニホールド30内に形成された吸気通路30aを介してサージタンク32に接続されている。各吸気通路30aにはそれぞれ燃料噴射弁34が配置されて、第1吸気ポート14a及び第2吸気ポート14bに対して必要な量の燃料噴射可能としている。

0055

又、サージタンク32は吸気ダクト40を介してエアクリーナ42に連結されている。吸気ダクト40内にはモータ44によって駆動されるスロットル弁46が配置されている。このスロットル弁46の開度スロットル開度TA)はスロットル開度センサ46aにより検出される。スロットル弁46はエンジン2の運転状態アクセルペダル74の操作に応じて開度制御される。

0056

又、各気筒2a〜2dの第1排気ポート18a及び第2排気ポート18bは排気マニホルド48に連結されている。このことにより排気触媒コンバータ50を介して外部に排出している。

0057

電子制御ユニット(以下、ECUと称する)60は、デジタルコンピュータを中心として構成され、内部には双方向性バスを介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)、入力ポート及び出力ポート等を備えている。尚、ROM内には後述する各種制御処理プログラムが記憶され、これらのプログラムはCPUによりRAMを作業領域として実行されている。

0058

スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ46aはスロットル弁46の開度に比例した出力電圧をECU60に入力している。アクセルペダル74にはアクセル開度センサ76が取り付けられ、アクセルペダル74の踏み込み量(以下、アクセル開度ACCPと称する)に比例した出力電圧をECU60に入力している。上死点センサ80は特定のクランク角、例えば#1気筒の上死点等にて特徴的な出力パルスを発生し、この出力パルスがECU60に入力される。回転数センサ82はクランク軸に設けられて、クランク軸が10°回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスがECU60に入力される。ECU60では上死点センサ80の出力パルスと回転数センサ82の出力パルスから現在のクランク角(あるいはクランク角に対応する値)が計算され、回転数センサ82の出力パルスの頻度からエンジン回転数が計算される。

0059

吸気ダクト40には、吸入空気量センサ84が設けられ、吸気ダクト40を流れる吸入空気量GAに対応した出力電圧をECU60に入力している。又、エンジン2のシリンダブロック4には水温センサ86が設けられ、エンジン2の冷却水温度THWを検出し冷却水温度THWに応じた出力電圧をECU60に入力している。更に排気マニホルド48には空燃比センサ88が設けられ、空燃比に応じた出力電圧をECU60に入力している。又、イグニッションスイッチ90からのイグニッション信号もECU60に入力されている。

0060

なお、これ以外にECU60には、各種の信号が入力されているが、本実施の形態1では説明上重要でないので図示省略している。又、ECU60は、内蔵する駆動回路部を介して各燃料噴射弁34に信号を出力し、運転状態に応じて各燃料噴射弁34の開弁制御を行うことで、燃料噴射時期制御や燃料噴射量制御を実行している。又、ECU60は、内蔵する駆動回路部を介して各吸排気弁12a,12b,16a,16bに信号を出力し、運転状態に応じて各吸排気弁12a,12b,16a,16bの駆動制御を行っている。又、ECU60は、内蔵する駆動回路部を介してモータ44に接続され、エンジン2の運転状態やアクセル開度ACCPに応じてスロットル弁46の開度制御を実行している。

0061

ここで、電磁駆動弁として構成されている吸気弁12a,12b及び排気弁16a,16bの構造について説明する。これらの電磁駆動弁は基本的構成は同じなので、第1吸気弁12aを代表として説明する。図3に第1吸気弁12aの内部構成を示す。

0062

第1吸気弁12aは、弁体100、この弁体100とは一端にて一体化して形成されている弁軸100a及び電磁駆動部102を備えている。弁体100は、エンジン2の燃焼室10内に露出するようにロアヘッド8aに配設されている。ロアヘッド8aには吸気ポート14aが形成されている。吸気ポート14aには弁体100に対する弁座101が形成されている。

0063

弁体100に連続して形成されている弁軸100aは、バルブガイド100bにより軸方向に摺動可能に保持されている。バルブガイド100bはロアヘッド8aに保持されている。ロアヘッド8aにおいて、バルブガイド100bの上部周辺には円筒空間100cが形成されている。又、弁軸100aの上端部にはロアリテーナ105が固定されている。ロアリテーナ105と円筒空間100cの底面との間には、両者を離間させる向きの付勢力を発生するロアスプリング106が配設されている。このことによりロアスプリング106はロアリテーナ105を介して弁軸100a及び弁体100を上向き、すなわち閉弁方向に付勢している。

0064

弁軸100aの上端には、アーマチャシャフト108の下端が当接している。アーマチャシャフト108はロッド状に形成された非磁性部材である。又、アーマチャシャフト108の上端には、アッパリテーナ110が固定されている。アッパリテーナ110の上部には、アッパスプリング112の下端が当接している。アッパスプリング112の周囲には、円筒状のアッパキャップ114が配設されている。アッパキャップ114の上部にはアジャスタボルト116が螺着されている。アッパスプリング112の上端はスプリング座部114bを介してアジャスタボルト116に当接している。アッパスプリング112はアッパリテーナ110を介してアーマチャシャフト108を下向きに付勢している。従って、アッパスプリング112は、アーマチャシャフト108を介して弁軸100a及び弁体100を下向き、すなわち開弁方向に付勢している。

0065

アーマチャシャフト108の軸方向中間部分の全周には、径方向外向きに突起するアーマチャ保持部108aが形成されている。このアーマチャ保持部108aの外周縁部には、アーマチャ118が接合されている。アーマチャ118は軟磁性材料から構成された円盤状の部材である。アーマチャ118の上方にはアッパコア120が配設されている。又、アーマチャ118の下方にはロアコア122が配設されている。アーマチャシャフト108は、アッパコア120及びロアコア122の中心貫通孔120a,122aを貫通し、その中心貫通孔120a,122aに設けられたブッシュ120b,122bにより軸方向に摺動可能に保持されている。

0066

アッパコア120は上端にフランジ部120cを有する略円筒状磁性部材であり、ロアコア122は下端にフランジ部122cを有する略円筒状の磁性部材である。アッパコア120及びロアコア122は、それらのフランジ部120c,122cがアッパヘッド8bを上下から挟むように、アッパヘッド8bに形成された円筒空間8cに嵌着されている。アッパコア120及びロアコア122において、アーマチャ118と対向する面には、それぞれ、環状溝120d,122dが設けられている。アッパコア120の環状溝120dにはアッパコイル124が、ロアコア122の環状溝122dにはロアコイル126が収容されている。

0067

前記図1に示したごとくアッパコイル124及びロアコイル126は、ECU60の駆動回路部に接続されている。駆動回路部には、ECU60内部の処理により、電磁駆動部102の作動を許可禁止するイネーブル信号及び弁体100開閉を指令する制御信号が供給される。駆動回路部は、イネーブル信号がオン状態である場合に、制御信号に応じて、アッパコイル124あるいはロアコイル126に指令電流を供給する。尚、駆動回路部への電源供給は、図示していない電源リレーによりオンオフされる。電源リレーのオン/オフはECU60により制御される。

0068

アッパコア120は、その上面から環状溝120dの底面へ至る環状スリット120eを備えている。同様にロアコア122は、その下面から環状溝122dの底面へ至る環状スリット122eを備えている。アッパコア120の環状スリット120eにはアッパ磁石128が収容され、ロアコア122の環状スリット122eにはロア磁石130が収容されている。アッパ磁石128及びロア磁石130は環状に形成された永久磁石であり径方向に分極されている。例えば、内径側がS極、外径側がN極となるように分極されている。

0069

前述したアッパキャップ114はその下端にフランジ部114aを備えている。フランジ部114aは、アッパコア120のフランジ部120cを上方から覆うように配置されている。そして固定ボルト132が、ロアコア122のフランジ部122c、アッパヘッド8b、アッパコア120のフランジ部120c及びアッパキャップ114のフランジ部114aを貫通して締着されることにより、アッパコア120とロアコア122とが規定された間隔を隔てるようにアッパヘッド8bの内部に固定される。

0070

このように構成された第1吸気弁12aの動作について説明する。第1吸気弁12aにおいて、アーマチャ118がアッパコア120に当接した状態では、アッパ磁石128が発する磁束がアッパコア120とアーマチャ118との間を循環することで、アーマチャ118とアッパコア120との間に磁気吸引力が作用する。アッパ磁石128は、この磁気吸引力が、アッパスプリング112の付勢力に抗してアーマチャ118とアッパコア120とが当接した状態を維持するのに十分な大きさとなるように構成されている。このためアッパコイル124に通電されることなく、アーマチャ118がアッパコア120に当接した状態(図3に示した状態)が維持される。この状態では、弁体100は弁座101に着座する。このようにアーマチャ118がアッパコア120に当接した位置を閉弁位置と称する。

0071

アーマチャ118が閉弁位置に維持されている状態で、アッパ磁石128が発する磁束とは逆方向の磁束を生じさせる方向の指令電流(開放電流)がアッパコイル124に一時的に供給されると、アーマチャ118とアッパコア120との間に作用していた磁気吸引力がアッパスプリング112の付勢力より小さくなる。このため、アーマチャ118は、アッパスプリング112に付勢されることにより図3における下方へ向けて変位する。例えば図4に示すごとくの状態となる。アーマチャ118の変位量規定値に達した時点で、ロア磁石130が発する磁束と同方向の磁束を生じさせる方向の指令電流(吸引電流)がロアコイル126に供給されると、今度はアーマチャ118をロアコア122側へ吸引する吸引力、すなわち弁体100を図4において更に下方へ変位させる吸引力が発生する。

0072

アーマチャ118に対して上記吸引力が作用すると、アーマチャ118は、弁体100と共に、ロアスプリング106の付勢力に抗して図4における下方へ向けて変位する。この際、上述したごとくロアコイル126が発する磁束とロア磁石130が発する磁束とが同方向とされていることで、アーマチャ118がロアコア122の近傍に達すると、ロア磁石130が発する磁束の分だけ、アーマチャ118を下方に変位させる吸引力が増加する。弁体100の変位は、図5に示すごとくアーマチャ118がロアコア122と当接するまで継続する。以下、図5に示したごとくアーマチャ118がロアコア122に当接した位置を開弁位置と称する。

0073

アーマチャ118が開弁位置に達した時点で、ロアコイル126への通電が停止されると、ロアコイル126による吸引力は消滅し、ロア磁石130が発する磁束による磁気吸引力のみがアーマチャ118とロアコア122との間に作用する。ロア磁石130は、この磁気吸引力が、ロアスプリング106の付勢力に抗してアーマチャ118とロアコア122とが当接した状態を維持するのに十分な大きさとなるように構成されている。このため、ロアコイル126への通電が停止された後も、弁体100は開弁位置に維持される。

0074

弁体100が開弁位置に維持されている状態で、ロア磁石130の磁束を打ち消す方向の磁束を生じさせる方向の指令電流(開放電流)がロアコイル126に一時的に供給されると、アーマチャ118とロアコア122との間に作用する吸引力は、ロアスプリング106の付勢力より小さくなる。このためアーマチャ118はロアスプリング106に付勢されることにより、図5における上方へ向けて変位する。このことにより例えば前記図4に示した状態となる。アーマチャ118の変位量が所定値に達した時点で、アッパ磁石128が発する磁束と同方向の磁束を生じさせる方向の指令電流(吸引電流)がアッパコイル124に供給されると、今度はアーマチャ118をアッパコア120側へ吸引する吸引力、すなわち、弁体100を図4において上方へ変位させる吸引力が発生する。

0075

アーマチャ118に対して上記吸引力が作用すると、アーマチャ118は、弁体100と共に、アッパスプリング112の付勢力に抗して図4における上方へ向けて変位する。この際、アッパコイル124が発する磁束とアッパ磁石128が発する磁束とが同方向とされていることで、アーマチャ118がアッパコア120の近傍に達すると、アッパ磁石128が発する磁束の分だけ、アーマチャ118を上方に変位させる吸引力が増加する。弁体100の変位は、アーマチャ118がアッパコア120と当接するまで、すなわち、図3に示したごとく閉弁位置に達するまで継続する。そして、アッパコイル124への通電が停止されると、弁体100は閉弁位置に保持される。

0076

このような弁駆動処理が、ECU60により実行されることにより吸気弁12a,12b及び排気弁16a,16bの開閉制御がなされる。尚、ECU60はエンジン2の停止時においては、全気筒2a〜2dの全ての吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計16弁)について、アーマチャ118をアッパコア120と当接させた後に、開閉制御を停止している。したがって、エンジン2の停止中は全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bの弁体100は閉弁位置に保持されている。

0077

次に、ECU60により実行されるエンジン始動時の電磁駆動弁制御処理を図6フローチャートに示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。本電磁駆動弁制御処理が開始されると、まず現在始動中か否かが判定される(S100)。始動中である場合、すなわちスタータによりエンジン2が回転されておりエンジン2が自立的に回転していない期間にある場合には(S100で「YES」)、次にクランク角が決定されているか否かが判定される(S110)。ここでクランク角は、図7に示すごとく#1気筒が圧縮上死点にある状態を0°として表されるものである。クランク角は始動当初は不明であるが、スタータによるクランキングによりクランク軸が或る程度回転すると、上死点センサ80及び回転数センサ82から出力されるパルス列にクランク角を決定できる特徴的なパターンが現れる。ECU60にて行われるクランク角決定処理では、この特徴的なパターンを判別して現在のクランク角が決定される。そして以後、クランク角決定処理では、上死点センサ80及び回転数センサ82から出力されるパルスにより継続的にクランク角を決定する。尚、本実施の形態では図7に示したごとく、クランク角は、回転数センサ82からのパルスに基づいて、クランク軸が30°回転する毎にカウントアップされるクランクカウンタCCRNKの値として表される。

0078

このクランクカウンタCCRNKの値が決定されていない間は(S110で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。クランク角決定処理にてクランク角が決定されることでクランクカウンタCCRNKの算出が開始されると(S110で「YES」)、次に始動時弁駆動制御処理が実行される(S120)。本始動時弁駆動制御処理の詳細を図8のフローチャートに示す。

0079

まず、始動時弁駆動が未完了の気筒が存在するか否かが判定される(S121)。最初は、始動時弁駆動は全くなされていないので(S121で「YES」)、次にクランクカウンタCCRNKが、「5,6,17,18」のいずれかであるか否かが判定される(S122)。クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれでもなければ(S122で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが、「0,11,12,23」のいずれかであるか否かが判定される(S123)。クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれでもなければ(S123で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。

0080

一方、クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれかであれば(S122で「YES」)、エンジンの停止中に閉弁されていた#1気筒及び#4気筒の全ての吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)について、これらの弁が未駆動の場合に開弁駆動を実行する(S124)。こうして一旦本処理を終了する。

0081

クランクカウンタCCRNKが、「5,6,17,18」のいずれかである状態は、図7から判るように#1気筒及び#4気筒については、クランキングによりピストン6が下死点近傍に移動した状態を示している。最初は、#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bについては、未だ弁駆動はなされておらず閉弁のままである。したがって、#1気筒及び#4気筒の燃焼室10内は密閉状態にあるため、燃焼室10内の負圧が高まる。このため、#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bの各弁体100は、燃焼室10内に吸引される力を最も強く受ける。したがって、このタイミングにてECU60が電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、アーマチャ118にはアッパコア120から離れる方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン停止中にアーマチャ118とアッパコア120との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して開弁することができるようになる。

0082

このようにして、#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bについて始動時の開弁駆動(S120)が行われると、電磁駆動弁制御処理を一旦終了する。以後、始動中にステップS122にて「YES」と判定されてもステップS124は実行されない。

0083

又、クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれかになれば(S123で「YES」)、エンジンの停止中に閉弁されていた#2気筒及び#3気筒の全ての吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)について、これらの弁が未駆動の場合に開弁駆動を実行する(S125)。こうして一旦始動時弁駆動制御処理を終了する。

0084

クランクカウンタCCRNKが、「0,11,12,23」のいずれかである状態は、図7から判るように#2気筒及び#3気筒については、クランキングによりピストン6が下死点近傍に移動した状態を示している。したがってステップS124にて説明したと同様に、密閉状態の#2気筒及び#3気筒の燃焼室10内の負圧が高まり、各弁体100は燃焼室10内に吸引される力を最も強く受ける。したがって、このタイミングにて電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、アーマチャ118にはアッパコア120から離れる方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン停止中にアーマチャ118とアッパコア120との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して開弁することができるようになる。

0085

このようにして、#2気筒及び#3気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bについて始動時の開弁駆動(S120)が行われると、電磁駆動弁制御処理を一旦終了する。以後、始動中にステップS123にて「YES」と判定されてもステップS125は実行されない。

0086

そして、ステップS124及びステップS125の処理が、始動時に一度実行されると、#1気筒〜#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bの全てについて始動時の開弁駆動が完了したことから(S121で「NO」)、以後は、始動中であってもステップS122〜S125はなされず、図9,10に示す通常時の弁駆動制御処理が行われる。この図9,10の制御は、始動後においても継続される。

0087

次に図9に示す通常時吸気弁駆動制御処理について説明する。本処理は、一定のクランク角毎、ここでは180°毎に繰り返し実行される処理である。本処理が開始されると、まず、エンジン2の運転状態に応じた吸気弁12a,12bのバルブタイミングを算出する(S131)。このことにより吸気弁12a,12bの開閉タイミングが設定される。

0088

次に、直前のステップS131にて設定されたバルブタイミングに基づいて、吸気弁12a,12bが今回駆動対象となる気筒について、吸排気弁12a,12b,16a,16bの4弁について始動時弁駆動が完了しているか否かが判定される(S132)。

0089

該当気筒の4弁について始動時弁駆動が完了していれば(S132で「YES」)、今回のステップS131にて設定されたバルブタイミングに基づいて該当気筒の吸気弁12a,12bが開閉駆動されるように設定される(S133)。そして一旦本処理を終了する。

0090

該当気筒の4弁について始動時弁駆動が完了していなければ(S132で「NO」)、吸気弁12a,12bを通常のバルブタイミングで開閉させることはできないので、このまま、一旦本処理を終了する。

0091

次に図10に示す通常時排気弁駆動制御処理について説明する。本処理は、一定のクランク角毎、ここでは180°毎に繰り返し実行される処理である。本処理が開始されると、まず、エンジン2の運転状態に応じた排気弁16a,16bのバルブタイミングを算出する(S141)。このことにより排気弁16a,16bの開閉タイミングが設定される。

0092

次に、直前のステップS141にて設定されたバルブタイミングに基づいて、排気弁16a,16bが今回駆動対象となる気筒について、吸排気弁12a,12b,16a,16bの4弁について始動時弁駆動が完了しているか否かが判定される(S142)。

0093

該当気筒の4弁について始動時弁駆動が完了していれば(S142で「YES」)、今回のステップS141にて設定されたバルブタイミングに基づいて該当気筒の排気弁16a,16bが開閉駆動されるように設定される(S143)。そして一旦本処理を終了する。

0094

該当気筒の4弁について始動時弁駆動が完了していなければ(S142で「NO」)、排気弁16a,16bを通常のバルブタイミングで開閉させることはできないので、このまま、一旦本処理を終了する。

0095

このようにして図9,10の通常時弁駆動制御処理により、始動時弁駆動が完了した気筒から通常の弁駆動制御が開始される。上述した実施の形態1の構成において、図8の始動時弁駆動制御処理が始動時開弁駆動手段としての処理に相当する。

0096

以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).始動時において各気筒2a〜2dの吸排気弁12a,12b,16a,16bは全て閉弁位置にあるため、クランキングによりエンジン2のピストン6が下死点近傍に来ている状態では、燃焼室10内の気圧は高い負圧状態となっている。このため、吸排気ポート14a,14b,18a,18b側の大気圧と燃焼室10内の負圧との差圧が弁体100に働いて、吸排気弁12a,12b,16a,16bを開く方向に作用する。

0097

そして、このようにピストン6が下死点近傍に来ているタイミングで(S122,S123で「YES」)、開弁駆動を実行する(S124,S125)ことにより、電磁吸引力よりも大きな開弁力が吸排気弁12a,12b,16a,16bに作用する。したがって、エンジン停止中に逆スクィーズ力が大きい状態となっていても、あるいは異物噛み込みが生じていても、これに対抗して吸排気弁12a,12b,16a,16bを開弁することができるようになる。

0098

こうして一度開弁すれば、以後、吸排気弁12a,12b,16a,16bは通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができる。このようにして吸排気弁12a,12b,16a,16bの設計変更に依らずに吸排気弁12a,12b,16a,16bの作動不良を防止できる。

0099

[実施の形態2]本実施の形態2では、前記実施の形態1の図8に示した始動時弁駆動制御処理の代わりに、図11のフローチャートに示す始動時弁駆動制御処理が実行される点が異なる。更に、ECU60はエンジン2の停止時においては、全気筒2a〜2dの全ての弁12a,12b,16a,16b(合計16弁)について、アーマチャ118をロアコア122と当接させた後に開閉制御を停止している。したがって、エンジン停止中は全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bの弁体100は開弁位置に保持されている。他の構成については、特に説明しない限り前記実施の形態1と同じである。

0100

図11の始動時弁駆動制御処理について説明する。本処理が開始されると、まず始動時弁駆動が未完了の気筒が存在するか否かが判定される(S221)。最初は、始動時弁駆動は全くなされていないので(S221で「YES」)、次にクランクカウンタCCRNKが、「10,22」のいずれかであるか否かが判定される(S222)。クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれでもなければ(S222で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが、「4,16」のいずれかであるか否かが判定される(S223)。クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれでもなければ(S223で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。

0101

一方、クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかであれば(S222で「YES」)、エンジン停止中に開弁されていた#1気筒及び#4気筒の全ての吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)について、これらの弁が未駆動の場合に閉弁駆動を実行する(S224)。こうして一旦本処理を終了する。

0102

クランクカウンタCCRNKが、「10,22」のいずれかである状態は、前記図7から判るように#1気筒及び#4気筒については、クランキングによりピストン6が上死点前60°〜30°にて下死点から上死点へ移動している状態を示している。この時には#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bについては、未だ閉駆動はなされていない。したがって、#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bの弁体100は燃焼室10内に突出した状態となっている。このため、弁体100の下端面には、急速なピストン6の上昇により生じた気流衝突することにより閉弁方向に風圧を受けている。更に、弁体100の周囲では燃焼室10内の気体が吸排気ポート14a,14b,18a,18b側へ流れ、その気体の流動摩擦力を閉弁方向に受けている。このようにクランクカウンタCCRNKが「10,22」であるタイミングでは、吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁方向に押される力を最も強く受ける。

0103

したがって、このタイミングにて電磁駆動部102を閉弁駆動させることにより、アーマチャ118にはロアコア122から離れる方向に、他のタイミングにて閉弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン停止中にアーマチャ118とロアコア122との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して閉弁することができるようになる。

0104

このようにして、#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bについて閉弁が行われれば、前述した通常時弁駆動制御処理(図9,10)にて通常時の弁駆動制御が行われるようになる。以後、始動中にステップS222にて「YES」と判定されても、ステップS224は実行されない。

0105

又、クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかであれば(S223で「YES」)、エンジン停止中に開弁されていた#2気筒及び#3気筒の全ての吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)について、これらの弁が未駆動の場合に閉弁駆動を実行する(S225)。こうして一旦始動時弁駆動制御処理を終了する。

0106

クランクカウンタCCRNKが、「4,16」のいずれかである状態は、前記図7から判るように#2気筒及び#3気筒については、クランキングによりピストン6が上死点前60°〜30°にて下死点から上死点へ移動している状態を示している。したがってステップS224にて説明したと同様に、クランクカウンタCCRNKが「4,16」であるタイミングでは、#2気筒及び#3気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁方向に押される力を最も強く受ける。したがって、このタイミングにて電磁駆動部102を閉弁駆動させることにより、アーマチャ118にはロアコア122から離れる方向に、他のタイミングにて閉弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン2の停止中にアーマチャ118とロアコア122との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して閉弁することができるようになる。

0107

このようにして、#2気筒及び#3気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bについて閉弁が行われれば、前述した通常時弁駆動制御処理(図9,10)にて通常時の弁駆動制御が行われるようになる。以後、始動中にステップS223にて「YES」と判定されても、ステップS225は実行されない。

0108

そして、ステップS224及びステップS225の処理が、始動時に一度実行されると、#1気筒〜#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bの全てについて始動時の閉弁駆動が完了したことから(S221で「NO」)、以後は、始動中であってもステップS222〜S225はなされず、前述した図9,10に示した通常時の弁駆動制御処理が行われる。この図9,10の制御は、始動後においても継続される。

0109

上述した実施の形態2の構成において、図11の始動時弁駆動制御処理が始動時閉弁駆動手段としての処理に相当する。以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。

0110

(イ).始動時において各気筒2a〜2dの吸排気弁12a,12b,16a,16bは全て開弁位置にあるため、クランキングによりエンジン2のピストン6が下死点から上死点へ移動している状態では、燃焼室10内の気体はピストン6により突き上げられている。したがって、この突き上げ時の風圧あるいは燃焼室10から吸排気ポート14a,14b,18a,18b側に流れる気体の流動摩擦力が吸排気弁12a,12b,16a,16bに対して閉じる方向に作用する。そして、このタイミングで(S222,S223で「YES」)、吸排気弁12a,12b,16a,16bの閉弁駆動を実行する(S224,S225)ことにより、電磁吸引力よりも大きな閉弁力が吸排気弁12a,12b,16a,16bに作用する。

0111

したがって、エンジン停止中に逆スクィーズ力が大きい状態となっていても、あるいは異物噛み込みが生じていても、これに対抗して吸排気弁12a,12b,16a,16bを閉弁することができるようになる。

0112

こうして一度閉弁すれば、以後、吸排気弁12a,12b,16a,16bは通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができる。このようにして吸排気弁12a,12b,16a,16bの設計変更に依らずに吸排気弁12a,12b,16a,16bの作動不良を防止できる。

0113

[実施の形態3]本実施の形態3では、前記実施の形態1における図6の電磁駆動弁制御処理の代わりに図12に示す電磁駆動弁制御処理が、図8の始動時弁駆動制御処理の代わりに図13に示す始動時弁駆動制御処理が実行される点が異なる。更に、ECU60はエンジン2の停止時においては、吸排気弁12a,12b,16a,16bについては特定の開閉位置にて駆動を停止させる処理は実行していないものとする。又、図14に示すごとく、各吸排気弁12a,12b,16a,16bのアッパキャップ114部分にはストロークセンサ104が設けられており、アーマチャシャフト108に接続されているロッド104aを介して弁体100のリフト量を検出し、ECU60に出力している。他の構成については、特に説明しない限り前記実施の形態1と同じである。

0114

図12の電磁駆動弁制御処理について説明する。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。本電磁駆動弁制御処理が開始されると、まず現在始動中か否かが判定される(S300)。始動中である場合には(S300で「YES」)、次に、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計16弁)について、弁開閉状態が決定されているか否かが判定される(S310)。最初は、弁開閉状態は検出されていないので(S310で「NO」)、次に全吸排気弁開閉状態決定処理が実行される(S320)。この全吸排気弁開閉状態決定処理では、ストロークセンサ104の検出値に基づいて、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bの開閉状態が直ちにECU60のRAMに読み込まれる。尚、開閉状態としては、閉弁位置(図3弁体位置)、開弁位置(図5の弁体位置)及び中立位置(図14)のいずれかである。したがって、ステップS320では、吸排気弁12a,12b,16a,16bの個々について、ストロークセンサ104の出力から閉弁位置、開弁位置あるいは中立位置のいずれであるかを決定してRAMに記憶する。

0115

こうして一旦本処理を終了する。そして次の制御周期では、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計16弁)について、開閉状態が決定されているので(S310で「YES」)、次にクランク角が決定されているか否かが判定される(S330)。この処理は前記実施の形態1にて説明したステップS110と同じ処理である。したがってクランクカウンタCCRNKの値が決定されていない間は(S330で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。

0116

クランク角決定処理にてクランク角が決定されることでクランクカウンタCCRNKの算出が開始されると(S330で「YES」)、次に始動時弁駆動制御処理が実行される(S340)。本始動時弁駆動制御処理の詳細を図13のフローチャートに示す。

0117

まず始動時弁駆動が全て完了したか否かが判定される(S341)。最初は、始動時弁駆動は全くなされていないので(S341で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが、「5,6,17,18」のいずれかであるか否かが判定される(S342)。クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれでもなければ(S342で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが、「0,11,12,23」のいずれかであるか否かが判定される(S343)。クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれでもなければ(S343で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかであるか否かが判定される(S344)。クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれでもなければ(S344で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかであるか否かが判定される(S345)。クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれでもなければ(S345で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。

0118

クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれかであれば(S342で「YES」)、#1気筒及び#4気筒において、未だ駆動されていない吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)の内で、ステップS320にて閉位置であると検出された弁について開弁駆動を実行する(S346)。こうして一旦本処理を終了する。

0119

クランクカウンタCCRNKが、「5,6,17,18」のいずれかである状態は、前述したごとく#1気筒及び#4気筒についてはピストン6が下死点近傍に移動して来ている状態を示している。この時、#1,#4気筒において、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bが閉じている気筒では燃焼室10内に高い負圧が発生しており、閉弁位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bの各弁体100には、燃焼室10内に吸引される力を最も強く受ける。又、#1気筒及び#4気筒において、一部の吸排気弁12a,12b,16a,16bが中立あるいは開位置である場合でも、直前に急速にピストン6が下降しているため、流動抵抗により燃焼室10内の負圧は通常よりも高まっている。このため、閉弁位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bの弁体100は、燃焼室10内に吸引される力を受ける。

0120

したがって、このタイミングにて電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、アーマチャ118にはアッパコア120から離れる方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い開弁力が作用する。このことからエンジン2の停止中にアーマチャ118とアッパコア120との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して開弁することができるようになる。

0121

このようにして、未だ駆動されいてない#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bの内で閉弁しているものについて開弁駆動が行われる。そしてこのことにより、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bについて始動時弁駆動がなされた気筒となれば、前述した図9,10に示した通常時の弁駆動制御処理が実行される。始動時の弁駆動が未だ一部しか行われていない気筒に対しては通常時の弁駆動制御はなされない。

0122

又、クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれかであれば(S343で「YES」)、#2気筒及び#3気筒において、未だ駆動されていない吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)の内で、ステップS320にて閉位置であると検出された弁について開弁駆動を実行する(S347)。こうして一旦本処理を終了する。

0123

クランクカウンタCCRNKが、「0,11,12,23」のいずれかである状態は、前述したごとく#2気筒及び#3気筒についてはピストン6が下死点近傍に移動した状態を示している。したがって、ステップS346にて述べたごとく、このタイミングにて電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、アーマチャ118にはアッパコア120から離れる方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン2の停止中にアーマチャ118とアッパコア120との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して開弁することができるようになる。

0124

このようにして、未だ駆動されていない#2気筒及び#3気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bの内で閉弁しているものについて開弁駆動が行われる。そしてこのことにより、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bについて始動時弁駆動がなされた気筒となれば、前述した図9,10に示した通常時の弁駆動制御処理が実行される。

0125

又、クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかであれば(S344で「YES」)、未だ駆動されていない#1気筒及び#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)の内で、ステップS320にて開位置又は中立位置であると検出された弁について閉弁駆動を実行する(S348)。こうして一旦本処理を終了する。

0126

クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかである状態は、前述した図7から判るように#1気筒及び#4気筒については、クランキングによりピストン6が上死点前60°〜30°にて下死点から上死点へ移動している状態を示している。開位置あるいは中立位置にある弁体100は燃焼室10内に突出した状態となっているため、この弁体100の下端面には、ピストン6の下死点から上死点への移動により生じた気流が衝突することにより閉弁方向に風圧を受けている。更に、この弁体100の周囲では燃焼室10内の気体が吸排気ポート14a,14b,18a,18b側へ流れ、その気体の流動摩擦力を閉弁方向に受けている。このようにクランクカウンタCCRNKが「10,22」であるタイミングでは、開位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁方向に押される力を最も強く受ける。

0127

したがって、このタイミングにて電磁駆動部102を閉弁駆動させることにより、アーマチャ118にはロアコア122から離れる方向に、他のタイミングにて閉弁駆動させるよりも強い閉弁力が作用する。このことからエンジン2の停止中にアーマチャ118とロアコア122との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して閉弁することができるようになる。

0128

このようにして、#1気筒及び#4気筒において未だ駆動されていない開位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bについて閉弁駆動が行われる。そしてこのことにより、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bについて始動時弁駆動がなされた気筒となれば、前述した図9,10に示した通常時の弁駆動制御処理が実行される。

0129

又、クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかであれば(S345で「YES」)、未だ駆動されていない#2気筒及び#3気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16b(合計8弁)の内で、ステップS320にて開位置又は中立位置であると検出された弁について閉弁駆動を実行する(S349)。こうして一旦本処理を終了する。

0130

クランクカウンタCCRNKが、「4,16」のいずれかである状態は、#2気筒及び#3気筒については、クランキングによりピストン6が上死点前60°〜30°にて下死点から上死点へ移動している状態を示している。したがってステップS348にて述べたごとく#2気筒及び#3気筒においては、開位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁方向に押される力を最も強く受ける。このためエンジン2の停止中にアーマチャ118とロアコア122との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して閉弁することができるようになる。

0131

このようにして、#2気筒及び#3気筒において未だ駆動されていない開位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bについて閉弁駆動が行われることにより、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bについて始動時弁駆動がなされた気筒となれば、前述した図9,10に示した通常時の弁駆動制御処理が実行される。

0132

上述した実施の形態3の構成において、図13の始動時弁駆動制御処理の内でステップS342,S343,S346,S347が始動時開弁駆動手段としての処理に、ステップS344,S345,S348,S349が始動時閉弁駆動手段としての処理に相当する。

0133

以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).始動時弁駆動制御処理により、未だ駆動されていない開弁位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bの閉弁駆動を実行するタイミングでは、ピストン6の突き上げ時の風圧あるいは燃焼室10から吸排気ポート14a,14b,18a,18b側に流れる気体の流動摩擦力が開弁位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bに対して閉じる方向に作用する。このことにより、より大きな閉弁力が作用して、吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁しやすくなる。

0134

更に、閉弁位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bの開弁駆動を実行するタイミングでは、吸排気ポート14a,14b,18a,18b側の大気圧と燃焼室10内の負圧との差圧が加わる。このことにより、より大きな開弁力が作用して、吸排気弁12a,12b,16a,16bは開弁しやすくなる。

0135

このようにして、エンジン2の停止時に吸排気弁12a,12b,16a,16bが閉弁位置にあっても開弁位置にあっても、あるいは中立位置にて異物噛み込みがなされていても、容易に駆動を開始させることができる。

0136

こうして一度開弁すれば、以後、吸排気弁12a,12b,16a,16bは通常の電磁駆動力にて正常に駆動することができる。このようにして吸排気弁12a,12b,16a,16bの設計変更に依らずに吸排気弁12a,12b,16a,16bの作動不良を防止できる。

0137

(ロ).始動時の弁駆動(S346,S347,S348,S349)においては、全ての弁を無条件で駆動するのではなく、閉弁位置にある弁に限って(S346,S347)、あるいは開弁位置・中立位置にある弁に限って(S348,S349)、弁駆動している。このため迅速に始動時の駆動を完了させることができるようになり、エンジン2の行程に同期する通常時弁駆動制御処理(図9,10)に迅速に移行できる。又、無駄な弁駆動を行わないので省エネルギーとなる。

0138

[実施の形態4]本実施の形態4では、前記実施の形態3の図12に示した電磁駆動弁制御処理の全吸排気弁開閉状態決定処理(S320)においては図15に示す処理が行われ、更に図13の始動時弁駆動制御処理の代わりに、図16,17に示す始動時弁駆動制御処理が実行される点が異なる。他の構成については、特に説明しない限り前記実施の形態3と同じである。

0139

図15の全吸排気弁開閉状態決定処理について説明する。処理が開始されると、まずECU60のRAM内に設定された変数iを「1」に設定する(S410)。次に#i気筒について吸排気弁12a,12b,16a,16bに設けられた各ストロークセンサ104の検出値をRAMの作業領域に読み込む(S420)。最初は、i=1であるので、#1気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bに設けられた4つのストロークセンサ104の検出値が読み込まれる。

0140

次に4つのストロークセンサ104の検出値に基づいて、全ての吸排気弁12a,12b,16a,16bが閉弁位置にあるか否かを判定する(S430)。4弁全てが閉弁位置であれば(S430で「YES」)、RAM内に設けられている#i気筒の弁状態を表す判定値Xvs(i)に「1」を設定する(S440)。尚、判定値Xvs(i)は、イグニッションスイッチ90をオンした際に「0」に初期設定されている。

0141

又、#i気筒の4弁に一つでも閉弁位置でないものがあれば(S430で「NO」)、次に#i気筒の4弁全てが開弁位置あるいは中立位置にあるか否かが判定される(S450)。すなわち閉弁位置のものが1弁もないか否かが判定される。4弁が開弁位置あるいは中立位置であれば(S450で「YES」)、判定値Xvs(i)に「2」を設定する(S460)。

0142

又、#i気筒の4弁の一部が閉弁位置となっていれば(S450で「NO」)、すなわち#i気筒の4弁において、閉弁位置の弁と、開弁位置又は中立位置の弁とが混在している場合には、判定値Xvs(i)に「3」を設定する(S470)。

0143

このようにして#i気筒の4弁状態を3つの状態に区分する。そしてステップS440,S460,S470のいずれかの処理が終了すると、次に変数iがインクリメントされる(S480)。そして変数iが「4」より大きいか否かが判定される(S490)。直前のインクリメントにて変数iが「2」となっていれば、i≦4であることから(S490で「NO」)、#2気筒に対して、前述した処理が実行される。

0144

このことにより、#2気筒における吸排気弁12a,12b,16a,16bの状態が判定値Xvs(2)に設定される。以後、同様にして#3気筒における4弁状態が判定値Xvs(3)に、#4気筒における4弁状態が判定値Xvs(4)に設定される。

0145

そして、i=4の状態でインクリメントされると(S480)、i=5となることからi>4となり(S490で「YES」)、全吸排気弁開閉状態決定処理が終了する。

0146

次にこのようにして決定された各気筒2a〜2dの吸排気弁12a,12b,16a,16bの開閉状態に基づいて、クランク角決定後に実行される始動時弁駆動制御処理(図16,17)について説明する。

0147

始動時弁駆動制御処理(図16,17)が開始されると、まず判定値Xvs(1)〜Xvs(4)が全て「0」か否かが判定される(S510)。当初は、判定値Xvs(1)〜Xvs(4)は全て「1」〜「3」のいずれかの値が設定されているので(S510で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが、「5,6,17,18」のいずれかであるか否かが判定される(S520)。クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれでもなければ(S520で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかであるか否かが判定される(S530)。クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれでもなければ(S530で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれかであるか否かが判定される(S540)。クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれでもなければ(S540で「NO」)、次にクランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかであるか否かが判定される(S550)。クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれでもなければ(S550で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。

0148

ここで、クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれかであれば(S520で「YES」)、#1気筒における判定値Xvs(1)が「1」か否か、すなわち#1気筒の4弁が全て閉弁位置であるか否かが判定される(S560)。判定値Xvs(1)=「1」であれば(S560で「YES」)、#1気筒において未だ駆動されていない弁を開弁駆動する(S570)。後述するステップS630にて開弁位置あるいは中立位置から一旦閉弁駆動したものは、閉じていても既に駆動されているので開弁駆動しない。最初から#1気筒の4弁が全て閉弁位置にある場合には4弁全てについて開弁駆動する。

0149

クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」である場合は、#1気筒においてはクランキングによりピストン6が下死点近傍となっている。この時、判定値Xvs(1)=「1」であれば#1気筒の4弁は全て閉弁位置にあるため燃焼室10内に特に高い負圧が発生している。このため閉弁位置にある弁体100は、燃焼室10内に吸引される力を最も強く受ける。したがって、このタイミングにて駆動対象となる弁の電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、アーマチャ118にはアッパコア120から離れる方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン停止中にアーマチャ118とアッパコア120との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して開弁することができる。

0150

そして次に#1気筒の4弁が全て駆動されたことを表すために判定値Xvs(1)に「0」を設定する(S580)。ステップS560にて「NO」と判定された場合、あるいはステップS580の次には、#4気筒の判定値Xvs(4)が「1」か否か、すなわち#4気筒の4弁が全て閉弁位置であるか否かが判定される(S590)。判定値Xvs(4)=「1」で無ければ(S590で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0151

判定値Xvs(4)=「1」であれば(S590で「YES」)、#4気筒において、未だ駆動されていない弁を開弁駆動する(S600)。後述するステップS660にて開弁位置あるいは中立位置から一旦閉弁駆動したものは、閉じていても既に駆動されているので開弁駆動しない。最初から#4気筒の4弁が全て閉弁位置にある場合には4弁全てについて開弁駆動する。

0152

クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」である場合は、#4気筒においても判定値Xvs(4)=「1」であれば、ステップS570で述べたごとく特に強い開弁力が作用する。したがって、駆動対象となっている弁の電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、アーマチャ118にはアッパコア120から離れる方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン停止中にアーマチャ118とアッパコア120との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して開弁することができる。

0153

そして次に#4気筒の4弁が全て駆動されたことを表すために判定値Xvs(4)に「0」を設定する(S610)。こうして一旦本処理を終了する。又、クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかであれば(S530で「YES」)、#1気筒の判定値Xvs(1)が「2」又は「3」であるか否か、すなわち#1気筒の4弁の内で開弁あるいは中立位置の弁が1つでも存在するか否かが判定される(S620)。判定値Xvs(1)=「2」又は「3」であれば(S620で「YES」)、#1気筒における4弁の内で開弁位置及び中立位置にある弁を閉弁駆動する(S630)。このことにより、#1気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bは全て閉弁位置にされる。

0154

クランクカウンタCCRNKが「10,22」にある場合は#1気筒においてはクランキングによりピストン6が上死点前60°〜30°にあって下死点から上死点へ移動している。この時、開位置あるいは中立位置にある弁体100は燃焼室10内に突出した状態となっているため、この弁体100の下端面には、急速なピストン6の下死点から上死点へ移動により生じた気流が衝突することにより閉弁方向に風圧を受けている。更に、この弁体100の周囲では燃焼室10内の気体が吸排気ポート14a,14b,18a,18b側へ流れ、その気体の流動摩擦力を閉弁方向に受けている。このように、#1気筒では開位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁方向に押される力を最も強く受ける。

0155

したがって、このタイミングにて電磁駆動部102を閉弁駆動させることにより、アーマチャ118にはロアコア122から離れる方向に、他のタイミングにて閉弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン停止中にアーマチャ118とロアコア122との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して閉弁することができるようになる。

0156

そして次に判定値Xvs(1)の値から「2」を減算して得られた値を、新たに判定値Xvs(1)に設定する(S640)。このことにより最初、判定値Xvs(1)=2であった場合には、判定値Xvs(1)=0となる。すなわち、最初、判定値Xvs(1)=2である状態は、4弁全てが開弁位置か中立位置にあるため、ステップS630にて4弁全てが閉弁駆動の対象となっている。このため、4弁全てが始動時弁駆動を完了したため、判定値Xvs(1)=0に設定される。

0157

又、最初、判定値Xvs(1)=3である状態は、4弁の内、一部が開弁位置か中立位置にあり、他は閉弁位置にある。このため、ステップS630にては一部の開弁位置か中立位置にある弁が閉弁駆動の対象となるに留まり、他は最初から閉弁位置であるため駆動はなされない。このため、全弁に対する弁駆動が未完のまま4弁全てが閉弁位置となったため、判定値Xvs(1)=3−2=1に設定される。

0158

そして、ステップS620にて「NO」と判定された場合、あるいはステップS640の次には、#4気筒の判定値Xvs(4)が「2」又は「3」であるか否か、すなわち#4気筒の4弁の内で開弁あるいは中立位置の弁が1つでも存在するか否かが判定される(S650)。判定値Xvs(4)=「2」又は「3」であれば(S650で「YES」)、#4気筒における4弁の内で開弁位置及び中立位置にある弁を閉弁駆動する(S660)。このことにより、#4気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bは全て閉弁位置にされる。

0159

クランクカウンタCCRNKが「10,22」にある場合は#4気筒においてはクランキングによりピストン6が上死点前60°〜30°において下死点から上死点へ移動している。この時、前述した#1気筒の場合と同様に#4気筒においても開位置あるいは中立位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁方向に押される力を最も強く受ける。

0160

したがって、このタイミングにて電磁駆動部102を閉弁駆動させることにより、アーマチャ118にはロアコア122から離れる方向に、他のタイミングにて閉弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことからエンジン停止中にアーマチャ118とロアコア122との間に滲入した潤滑油による逆スクィーズ力や異物噛み込みに対抗して閉弁することができるようになる。

0161

そして次に判定値Xvs(4)の値から「2」を減算して得られた値を、新たに判定値Xvs(4)に設定する(S670)。このことにより最初、判定値Xvs(4)=2であった場合には、判定値Xvs(4)=0となる。又、最初、判定値Xvs(4)=3であった場合には、判定値Xvs(4)=1となる。このような判定値Xvs(4)の変化の意味は、#1気筒にて説明したごとくである。こうして一旦本処理を終了する。

0162

尚、ステップS640又はステップS670にて、判定値Xvs(1)=1あるいは判定値Xvs(4)=1に設定された場合は、以後、クランクカウンタCCRNK=「5,6,17,18」となった場合(S520で「YES」)に、ステップS560又はステップS590にて「YES」と判定されて、前述したごとく、閉弁位置にある4弁の内で、ステップS630又はステップS660にて駆動されていない弁について開弁駆動がなされる。そしてこの開弁駆動が完了すれば、4弁全てが弁駆動されたことになることから、判定値Xvs(1)=0あるいは判定値Xvs(4)=0に設定される(S580,S610)。

0163

このようにして、#1気筒及び#4気筒について、吸排気弁12a,12b,16a,16bがいかなる状態にあろうとも、負圧や気体の流れにアシストされて増幅された駆動力にて、4弁全てが各一度、始動時の弁駆動がなされる。

0164

次に、クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれかであれば(S540で「YES」)、まず#2気筒の判定値Xvs(2)に基づいて、ステップS680〜S700の処理が実行される。ステップS680〜S700の処理は、駆動制御対象が#2気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bに代わったのみであり前述した前記ステップS560〜S580と同様な処理が行われる。

0165

そして次に#3気筒の判定値Xvs(3)に基づいて、ステップS710〜S730の処理が実行される。ステップS710〜S730の処理は、駆動制御対象が#3気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bに代わったのみであり前述した前記ステップS590〜S610と同様な処理が行われる。

0166

クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかであれば(S550で「YES」)、まず#2気筒の判定値Xvs(2)に基づいて、ステップS740〜S760の処理が実行される。ステップS740〜S760の処理は、駆動制御対象が#2気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bに代わったのみであり前述した前記ステップS620〜S640と同様な処理が行われる。

0167

そして次に#3気筒の判定値Xvs(3)に基づいて、ステップS770〜S790の処理が実行される。ステップS770〜S790の処理は、駆動制御対象が#3気筒の吸排気弁12a,12b,16a,16bに代わったのみであり前述した前記ステップS650〜S670と同様な処理が行われる。

0168

このようにして、#2気筒及び#3気筒についても、吸排気弁12a,12b,16a,16bがいかなる状態にあろうとも、負圧や気体の流れにアシストされて増幅された駆動力にて、4弁全てが各一度、始動時の弁駆動がなされる。

0169

このようにして、判定値Xvs(1)〜Xvs(4)の全てが「0」となれば(S510で「YES」)、今回の始動時における始動時弁駆動制御処理(図16)での実質的な処理は終了する。

0170

上述した実施の形態4の構成において、図16,17の始動時弁駆動制御処理の内でステップS520,S560〜S610,S540,S680〜S730が始動時開弁駆動手段としての処理に、ステップS530,S620〜S670,S550,S740〜S790が始動時閉弁駆動手段としての処理に相当する。

0171

以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態3の(イ)及び(ロ)の効果が得られる。
(ロ).エンジン2の始動時に、燃焼室10が密閉状態に近ければ近いほど、クランキングによりピストン6が下死点近傍に来ているタイミングでは、吸排気ポート14a,14b,18a,18b側の大気圧と燃焼室10内の負圧との差圧が大きくなる。本実施の形態4では、開弁位置又は中立位置の弁が存在する気筒では、ステップS620〜S670,S740〜S790により、先に開弁位置又は中立位置にある弁の閉弁駆動を実行している。このことにより燃焼室10の密閉性を高めることができるので、この後に、ステップS560〜S610,S680〜S730により、一度も始動時の駆動をさせていない弁に対して開弁駆動を実行することにより、より強力に開弁力を弁体100に作用させることができる。

0172

したがって一層、吸排気弁12a,12b,16a,16bが開弁しやすくなるため、吸排気弁12a,12b,16a,16bの設計変更に依らずに吸排気弁12a,12b,16a,16bの作動不良を防止することが、より確実にできる。

0173

[実施の形態5]本実施の形態5は、前記実施の形態1〜4とは異なり、吸排気弁12a,12b,16a,16bの通常の駆動制御を実行している際に吸排気弁12a,12b,16a,16bに固着異常を生じた場合に行われる処理を、図18〜23のごとく実行するものである。他の構成は特に説明しない限り前記実施の形態4と同じである。

0174

吸気弁開排気弁閉時弁固着異常検出処理(図18)について説明する。本処理は、通常時の弁駆動制御処理において、各気筒2a〜2dの吸気弁12a,12bが確実に開弁位置となり、排気弁16a,16bが確実に閉弁位置となっているタイミングで、かつピストン6が上死点近くにある状態、例えば、吸気行程の初期近くに設定された特定のクランク角タイミングにて繰り返し実行される処理である。ここでは4気筒であるので180°毎に繰り返し実行される。尚、本処理は後述する固着異常状態が記憶されている気筒及び固着異常が決定された気筒については実行されない。

0175

本処理が開始されると、まず、今回、吸気弁12a,12bが開位置、かつ排気弁16a,16bが閉位置に駆動制御されている気筒に属する2つの吸気弁12a,12bのストロークセンサ104から得られているリフト量を、RAMの作業領域に読み込む(S810)。次に、このリフト量に基づいて、2つの吸気弁12a,12bが実際に開弁位置にあるか否かが判定される(S820)。

0176

2つの吸気弁12a,12bが開弁位置にあれば(S820で「YES」)、制御通りに開いていることから、次に同一気筒における2つの排気弁16a,16bのストロークセンサ104から得られているリフト量を、RAMの作業領域に読み込む(S840)。そして、このリフト量に基づいて、2つの排気弁16a,16bが実際に閉弁位置にあるか否かが判定される(S850)。

0177

2つの排気弁16a,16bが閉弁位置にあれば(S850で「YES」)、制御通りに閉じているので、一旦本処理を終了する。2つの吸気弁12a,12bが開弁位置にない場合(S820で「NO」)、すなわち吸気弁12a,12bの両者がそれぞれ閉弁あるいは中立位置のいずれかである場合、あるいは吸気弁12a,12bの内、一方が開弁位置であるが、他方が閉弁あるいは中立位置である場合には、この内、開弁位置となっていない吸気弁12a,12bは固着異常であると判断できる。したがって、次に、吸気弁12a,12bの内で、固着異常にある弁に対して後述する固着異常時弁駆動が行われた後か否かが判定される(S870)。

0178

未だ固着異常時弁駆動が行われていなければ(S870で「NO」)、該当する弁について固着異常状態がRAM内に記憶される(S880)。すなわち、いずれの吸気弁12a,12bが閉弁位置か中立位置かのいずれの状態で固着異常となっているかを記憶する。そして、次に、該当気筒の排気弁16a,16bを含めた正常な弁を閉じるように駆動制御が行われる(S890)。そして、ステップS840に移る。

0179

又、既に固着異常時弁駆動が行われていれば(S870で「YES」)、固着異常時弁駆動によっても正常状態復帰しなかったことが判るので、該当する弁について固着異常状態が決定されたことがRAM内に記憶される(S910)。そして、該当気筒の排気弁16a,16bを含めた正常な弁を閉じるように駆動制御が行われる(S890)。そして、ステップS840に移る。

0180

尚、ステップS880あるいはステップS910により固着異常状態が記憶され、あるいは決定された場合には、図示していない燃料噴射制御処理にて該当する気筒への燃料噴射は停止されるとともに、図示していない点火時期制御処理にて該当する気筒に対する点火は停止される。

0181

次に、2つの排気弁16a,16bが閉弁位置になければ(S850で「NO」)、すなわち排気弁16a,16bの両者が、それぞれ開弁あるいは中立位置のいずれかである場合、あるいは排気弁16a,16bの内、一方が閉弁位置であるが、他方が開弁あるいは中立位置である場合には、閉弁位置でない排気弁16a,16bは固着異常であると判断できる。したがって、次に、排気弁16a,16bの内で、固着異常にある弁に対して後述する固着異常時弁駆動が行われた後か否かが判定される(S920)。

0182

未だ固着異常時弁駆動が行われていなければ(S920で「NO」)、該当する弁の固着異常状態がRAM内に記憶される(S930)。すなわち、いずれの排気弁16a,16bが開弁位置か中立位置かのいずれの状態で固着異常となっているかを記憶する。そして、次に、該当気筒の吸気弁12a,12bを含めた正常な弁を閉じる(S940)。そして、一旦本処理を終了する。

0183

又、既に固着異常時弁駆動が行われていれば(S920で「YES」)、固着異常時弁駆動によっても正常状態に復帰しなかったことが判るので、固着異常状態が決定されたことがRAM内に記憶される(S960)。そして、該当気筒の吸気弁12a,12bを含めた正常な弁を閉じ(S940)、一旦本処理を終了する。

0184

尚、ステップS930あるいはステップS960により固着異常状態が記憶され、あるいは決定された場合には、図示していない燃料噴射制御処理にて該当する気筒への燃料噴射は停止されるとともに、図示していない点火時期制御処理にて該当する気筒に対する点火は停止される。

0185

吸気弁閉排気弁開時弁固着異常検出処理(図19)について説明する。本処理は、通常時の弁駆動制御処理において各気筒2a〜2dの吸気弁12a,12bが確実に閉弁位置となり、排気弁16a,16bが確実に開弁位置となっているタイミングで、かつピストン6が上死点近くになった状態、例えば、排気行程終期近くに設定された特定のクランク角タイミングにて繰り返し実行される処理である。ここでは4気筒であるので180°毎に繰り返し実行される。尚、本処理は固着異常状態が記憶されている気筒及び固着異常が決定された気筒については実行されない。

0186

本処理が開始されると、まず、今回、吸気弁12a,12bが閉位置、かつ排気弁16a,16bが開位置に駆動制御されている気筒に属する2つの吸気弁12a,12bのストロークセンサ104から得られているリフト量を、RAMの作業領域に読み込む(S1010)。次に、このリフト量に基づいて、2つの吸気弁12a,12bが実際に閉弁位置にあるか否かが判定される(S1020)。

0187

2つの吸気弁12a,12bが閉弁位置にあれば(S1020で「YES」)、制御通りに閉じていることから、次に同一気筒における2つの排気弁16a,16bのストロークセンサ104から得られているリフト量を、RAMの作業領域に読み込む(S1040)。そして、このリフト量に基づいて、2つの排気弁16a,16bが実際に開弁位置にあるか否かが判定される(S1050)。

0188

2つの排気弁16a,16bが開弁位置にあれば(S1050で「YES」)、制御通りに開いているので、一旦本処理を終了する。2つの吸気弁12a,12bが閉弁位置にない場合(S1020で「NO」)、すなわち吸気弁12a,12bの両者がそれぞれ開弁あるいは中立位置のいずれかである場合、あるいは吸気弁12a,12bの内、一方が閉弁位置であるが、他方が開弁あるいは中立位置である場合には、この内、閉弁位置となっていない吸気弁12a,12bは固着異常であると判断できる。したがって、次に、吸気弁12a,12bの内で、固着異常にある弁に対して後述する固着異常時弁駆動が行われた後か否かが判定される(S1070)。

0189

未だ固着異常時弁駆動が行われていなければ(S1070で「NO」)、該当する弁について固着異常状態がRAM内に記憶される(S1080)。すなわち、いずれの吸気弁12a,12bが開弁位置か中立位置かのいずれの状態で固着異常となっているかを記憶する。そして、次に、該当気筒の排気弁16a,16bを含めた正常な弁を閉じるように駆動制御が行われる(S1090)。そして、ステップS1040に移る。

0190

又、既に固着異常時弁駆動が行われていれば(S1070で「YES」)、固着異常時弁駆動によっても正常状態に復帰しなかったことが判るので、該当する弁について固着異常状態が決定されたことがRAM内に記憶される(S1110)。そして、該当気筒の排気弁16a,16bを含めた正常な弁を閉じるように駆動制御が行われる(S1090)。そして、ステップS1040に移る。

0191

尚、ステップS1080あるいはステップS1110により固着異常状態が記憶され、あるいは決定された場合には、図示していない燃料噴射制御処理にて該当する気筒への燃料噴射は停止されるとともに、図示していない点火時期制御処理にて該当する気筒に対する点火は停止される。

0192

次に、2つの排気弁16a,16bが開弁位置になければ(S1050で「NO」)、すなわち排気弁16a,16bの両者が、それぞれ閉弁あるいは中立位置のいずれかである場合、あるいは排気弁16a,16bの内、一方が開弁位置であるが、他方が閉弁あるいは中立位置である場合には、開弁位置でない排気弁16a,16bは固着異常であると判断できる。したがって、次に、排気弁16a,16bの内で、固着異常にある弁に対して後述する固着異常時弁駆動が行われた後か否かが判定される(S1120)。

0193

未だ固着異常時弁駆動が行われていなければ(S1120で「NO」)、該当する弁の固着異常状態がRAM内に記憶される(S1130)。すなわち、いずれの排気弁16a,16bが閉弁位置か中立位置かのいずれの状態で固着異常となっているかを記憶する。そして、次に、該当気筒の吸気弁12a,12bを含めた正常な弁を閉じる(S1140)。そして、一旦本処理を終了する。

0194

又、既に固着異常時弁駆動が行われていれば(S1120で「YES」)、固着異常時弁駆動によっても正常状態に復帰しなかったことが判るので、固着異常状態が決定されたことがRAM内に記憶される(S1160)。そして、該当気筒の吸気弁12a,12bを含めた正常な弁を閉じ(S1140)、一旦本処理を終了する。

0195

尚、ステップS1130あるいはステップS1160により固着異常状態が記憶され、あるいは決定された場合には、図示していない燃料噴射制御処理にて該当する気筒への燃料噴射は停止されるとともに、図示していない点火時期制御処理にて該当する気筒に対する点火は停止される。

0196

ここで、ステップS880,S930,S1080,S1130により固着異常状態が記憶された場合に実質的な処理が実行される固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)について説明する。本処理は一定のクランク角毎に、ここではCCRNKのカウントアップ(30°)毎に繰り返し実行される。

0197

固着異常時弁駆動制御処理が開始されると、まず、RAMの記憶内容に基づいて、#1気筒又は#4気筒において閉固着異常弁が存在するか否かが判定される(S1210)。#1気筒又は#4気筒において閉固着異常弁が存在しない場合(S1210で「NO」)には、次に#2気筒又は#3気筒において閉固着異常弁が存在するか否かが判定される(S1220)。#2気筒又は#3気筒において閉固着異常弁が存在しない場合(S1220で「NO」)には、次に#1気筒又は#4気筒において開固着又は中立固着異常弁が存在するか否かが判定される(S1230)。#1気筒又は#4気筒において開固着又は中立固着異常弁が存在しない場合(S1230で「NO」)には、次に#2気筒又は#3気筒において開固着又は中立固着異常弁が存在するか否かが判定される(S1240)。#2気筒又は#3気筒において開固着又は中立固着異常弁が存在しない場合(S1240で「NO」)には、一旦本処理を終了する。

0198

#1気筒又は#4気筒において閉固着異常弁が存在した場合(S1210で「YES」)には、クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれかであるか否かが判定される(S1250)。クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれかでなければ(S1250で「NO」)、前述したステップS1220の処理に移る。

0199

クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」のいずれかであれば(S1250で「YES」)、次に#1気筒又は#4気筒において閉固着異常弁に該当する弁を開弁駆動する(S1260)。

0200

#1気筒及び#4気筒においては、前述したごとく、クランクカウンタCCRNKが「5,6,17,18」である場合は、ピストン6が下死点近傍となっている。そして#1気筒及び#4気筒に閉固着異常弁が存在する場合には、吸気行程初期近く、あるいは排気行程終期近くにて、既に他の正常な弁も閉じられて燃焼室10は密閉されている(S890,S1140)。このため、燃焼が停止されている#1気筒及び#4の燃焼室10内には高い負圧が発生している。したがって閉弁位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bの各弁体100は、燃焼室10内に吸引される力を最も強く受ける。

0201

このタイミングにて固着異常となっている弁の電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、弁体100が開弁する方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことから異物噛み込み等による固着に対抗して開弁することができるようになる。

0202

そして、こうして弁駆動されると該当弁に対するRAM内の固着異常記憶値クリアされる(S1270)。そして、このことにより該当気筒における燃料噴射及び点火も復帰される。

0203

#2気筒又は#3気筒において閉固着異常弁が存在した場合(S1220で「YES」)には、クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれかであるか否かが判定される(S1280)。クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれかでなければ(S1280で「NO」)、前述したステップS1230の処理に移る。

0204

クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」のいずれかであれば(S1280で「YES」)、次に#2気筒又は#3気筒において閉固着異常弁に該当する弁を開弁駆動する(S1260)。

0205

#2気筒及び#3気筒においては、前述したごとく、クランクカウンタCCRNKが「0,11,12,23」である場合は、ピストン6が下死点近傍となっている。そして#2気筒及び#3気筒に閉固着異常弁が存在する場合には、吸気行程初期近く、あるいは排気行程終期近くにて、既に他の正常な弁も閉じられ、燃焼室10は密閉されている(S890,S1140)。このため、燃焼が停止されている#2気筒及び#3気筒の燃焼室10内に高い負圧が発生している。このため閉弁位置にある吸排気弁12a,12b,16a,16bの各弁体100は、燃焼室10内に吸引される力を最も強く受ける。

0206

このタイミングにて固着異常となっている弁の電磁駆動部102を開弁駆動させることにより、弁体100が開弁する方向に、他のタイミングにて開弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことから異物噛み込み等による固着に対抗して開弁することができるようになる。

0207

そして、こうして弁駆動されると該当弁に対するRAM内の固着異常記憶値がクリアされる(S1270)。そして、このことにより該当気筒における燃料噴射及び点火も復帰する。

0208

#1気筒又は#4気筒において開又は中立固着異常弁が存在した場合(S1230で「YES」)には、クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかであるか否かが判定される(S1290)。クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかでなければ(S1290で「NO」)、前述したステップS1240の処理に移る。

0209

クランクカウンタCCRNKが「10,22」のいずれかであれば(S1290で「YES」)、次に#1気筒又は#4気筒において開又は中立固着異常弁に該当する弁を閉弁駆動する(S1300)。

0210

#1気筒及び#4気筒においては、前述したごとく、クランクカウンタCCRNKが「10,22」である場合は、ピストン6が上死点前60°〜30°にて下死点から上死点へ移動している。そして#1気筒及び#4気筒に開又は中立固着異常弁が存在する場合には、既に他の正常な弁は閉じられている(S890,S940,S1090,S1140)。このため燃焼が停止されている#1気筒及び#4気筒においては開固着状態あるいは中立固着状態にある吸排気弁12a,12b,16a,16bは、その弁体100の下端面にて、ピストン6の下死点から上死点への急速な移動により生じた気流が衝突することで閉弁方向に風圧を受けている。更に、この弁体100の周囲では燃焼室10内の気体が吸排気ポート14a,14b,18a,18b側へ流れ、その気体の流動摩擦力を閉弁方向に受けている。このように開固着状態あるいは中立固着状態にある吸排気弁12a,12b,16a,16bは、閉弁方向に押される力を最も強く受ける。

0211

このタイミングにて固着異常となっている電磁駆動部102を閉弁駆動させることにより、弁体100が閉じる方向に、他のタイミングにて閉弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことから異物噛み込み等による固着に対抗して閉弁することができるようになる。

0212

そして、こうして弁駆動されると該当弁に対するRAM内の固着異常記憶値がクリアされる(S1310)。そして、このことにより該当気筒における燃料噴射及び点火も復帰する。

0213

#2気筒又は#3気筒において開又は中立固着異常弁が存在した場合(S1240で「YES」)には、クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかであるか否かが判定される(S1320)。クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかでなければ(S1320で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。

0214

クランクカウンタCCRNKが「4,16」のいずれかであれば(S1320で「YES」)、次に#2気筒又は#3気筒において開又は中立固着異常弁に該当する弁を閉弁駆動する(S1300)。

0215

#2気筒及び#3気筒においては、前述したごとく、クランクカウンタCCRNKが「4,16」である場合は、ピストン6が上死点前60°〜30°にて下死点から上死点へ移動している。したがって、上述したごとく#2気筒及び#3気筒においては開固着状態あるいは中立固着状態にある吸排気弁12a,12b,16a,16bは閉弁方向に押される力を最も強く受ける。

0216

このタイミングにて固着異常となっている電磁駆動部102を閉弁駆動させることにより、弁体100が閉じる方向に、他のタイミングにて閉弁駆動させるよりも強い力が作用する。このことから異物噛み込み等による固着に対抗して閉弁することができるようになる。

0217

そして、こうして弁駆動されると該当弁に対するRAM内の固着異常記憶値がクリアされる(S1310)。そして、このことにより該当気筒における燃料噴射及び点火も復帰する。

0218

通常時吸気弁駆動制御処理(図22)について説明する。本処理は特定のクランク角タイミング、ここでは4気筒であるので180°毎に繰り返し実行される処理である。

0219

通常時吸気弁駆動制御処理(図22)が開始されると、まずエンジン2の運転状態に応じた吸気弁12a,12bのバルブタイミングを算出する(S1431)。このことにより吸気弁12a,12bの開閉タイミングが設定される。

0220

次に今回、バルブタイミングが設定される気筒について吸排気弁12a,12b,16a,16bについて4弁とも正常であるか否かが、前述したステップS880,S910,S930,S960,S1080,S1110,S1130,S1160にて記憶・決定されている固着異常状態に基づいて判定される(S1432)。該当気筒について固着異常状態が記憶・決定されていなければ4弁は全て正常であるとして(S1432で「YES」)、ステップS1431にて算出されたバルブタイミングにて該当気筒の吸気弁12a,12bが駆動されるように設定される(S1433)。このように4弁共に正常であれば通常のバルブタイミングにて吸気弁12a,12bが開閉駆動される。

0221

該当気筒について固着異常状態が記憶・決定されていれば4弁中には正常でない弁が存在するとして(S1432で「NO」)、次にステップS910,S960,S1110,S1160にて固着異常が決定されているか否かが判定される(S1434)。固着異常が決定されていなければ(S1434で「NO」)、すなわちステップS880,S930,S1080,S1130にて固着異常状態が記憶された状態であれば、このまま一旦本処理を終了する。

0222

したがって、固着異常が生じている気筒においては、通常の弁駆動はなされず、固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)の処理により、該当する弁に対して固着異常時開弁駆動(S1260)あるいは固着異常時閉弁駆動(S1300)が実行される。

0223

固着異常が決定されていれば(S1434で「YES」)、すなわち固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)の処理によっても正常に復帰しなかった場合には、リンプホーム処理に移行し(S1435)、一旦本処理を終了する。このリンプホーム処理により、警告ランプ等により運転者に警告がなされて、修理工場までの車両運転が可能なエンジン制御に移行する。

0224

通常時排気弁駆動制御処理(図23)について説明する。本処理は特定のクランク角タイミング、ここでは4気筒であるので180°毎に繰り返し実行される処理である。

0225

通常時排気弁駆動制御処理(図23)の処理が開始されると、まずエンジン2の運転状態に応じた排気弁16a,16bのバルブタイミングを算出する(S1441)。

0226

次に今回、バルブタイミングが設定される気筒について吸排気弁12a,12b,16a,16bについて4弁とも正常であるか否かが、前述したステップS880,S910,S930,S960,S1080,S1110,S1130,S1160にて記憶・決定されている固着異常状態に基づいて判定される(S1442)。該当気筒について固着異常状態が記憶・決定されていなければ4弁は全て正常であるとして(S1442で「YES」)、ステップS1441にて算出されたバルブタイミングにて該当気筒の排気弁16a,16bが駆動されるように設定される(S1443)。このように4弁共に正常であれば通常のバルブタイミングにて排気弁16a,16bが開閉駆動される。

0227

該当気筒について固着異常状態が記憶・決定されていれば4弁中には正常でない弁が存在するとして(S1442で「NO」)、次にステップS910,S960,S1110,S1160にて固着異常が決定されているか否かが判定される(S1444)。固着異常が決定されていなければ(S1444で「NO」)、すなわちステップS880,S930,S1080,S1130にて固着異常状態が記憶された状態であれば、このまま一旦本処理を終了する。

0228

したがって、固着異常が生じている気筒においては、通常の弁駆動はなされず、固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)の処理により、該当する弁に対して開弁駆動(S1260)あるいは閉弁駆動(S1300)が実行される。

0229

固着異常が決定されていれば(S1444で「YES」)、すなわち固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)の処理によっても正常に復帰しなかった場合には、リンプホーム処理に移行し(S1445)。一旦本処理を終了する。このリンプホーム処理は前記ステップS1435にて説明したごとくである。

0230

上述した実施の形態5の構成において、吸気弁開・排気弁閉時弁固着異常検出処理(図18)及び吸気弁閉・排気弁開時弁固着異常検出処理(図19)が固着異常検出手段としての処理に、固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)のステップS1210,S1220,S1250,S1260,S1280が異常時開弁駆動手段としての処理に、ステップS1230,S1240,S1290,S1300,S1320が異常時閉弁駆動手段としての処理に相当する。

0231

以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).本実施の形態5では、吸気弁開・排気弁閉時弁固着異常検出処理(図18)、吸気弁閉・排気弁開時弁固着異常検出処理(図19)及び固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)を実行することにより、エンジン2の運転中においても、吸排気弁12a,12b,16a,16bが固着異常を生じた場合に対処することができる。すなわち、吸気弁開・排気弁閉時弁固着異常検出処理(図18)及び吸気弁閉・排気弁開時弁固着異常検出処理(図19)により4弁の内1弁でも固着異常が検出されると、固着異常時弁駆動制御処理(図20,21)により閉弁固着している弁についてはピストン6が下死点近傍に来ているタイミングにて開弁駆動を実行し、開弁固着あるいは中立固着している弁についてはピストン6が下死点から上死点へ移動しているタイミングにて閉弁駆動を実行する。

0232

このことにより固着した吸排気弁12a,12b,16a,16bが存在する場合には、通常よりも大きな閉弁力あるいは開弁力が作用する。したがって固着した吸排気弁12a,12b,16a,16bの復帰が可能となる。

0233

このようにして吸排気弁12a,12b,16a,16bの設計変更に依らずに吸排気弁12a,12b,16a,16bの作動不良を防止できる。このため、リンプホームの可能性をより少なくすることが可能となる。

0234

[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1では、エンジン停止時に吸排気弁は全て閉弁位置に固定されることを前提としていたが、エンジン停止時に吸排気弁の開閉位置が不定であっても、始動時弁駆動制御処理(図8)を実行することにより、閉位置固定されている弁に対して同様な効果を生じさせることができる。又、図14に示したストロークセンサを設けて、実際に閉位置にある弁のみ始動時に開弁駆動を行っても良く、このことにより、省エネルギーとなり、迅速に通常の弁駆動処理に移行できる。これらのことは、前記実施の形態2において開位置固定されている弁に対して始動時弁駆動制御処理(図11)を実行する場合にも適用できる。更に、エンジン停止時における吸排気弁の固定あるいは不定にかかわらず、実施の形態1に示した始動時弁駆動制御処理(図8)と実施の形態2に示した始動時弁駆動制御処理(図11)とを共に実行するようにしても良い。

0235

・前記実施の形態3では、エンジン停止時に吸排気弁の開閉位置は不定であったが、吸排気弁の開閉位置を特定してエンジン停止させても良い。例えば吸気弁を閉弁位置とし、排気弁を開弁位置とする。このような場合においても、実施の形態3の制御を適用することにより、エンジン停止中に何らかの原因で吸排気弁の開閉位置が変動しても初期弁駆動が正しく行われる。

0236

・前記各実施の形態において、エンジンはスロットル弁を備えていたが、電磁駆動弁である吸気弁に吸入空気量制御を実行させることによりスロットル弁が存在しない構成としても良い。

0237

・前記各実施の形態では、始動時弁駆動はクランク角30°毎にカウントアップされるクランクカウンタCCRNKの値に依ったが、更に細かくクランク角の変化を求めて、その値に基づいて始動時弁駆動を実行しても良い。

0238

・前記実施の形態3〜5においては、中立位置で固定した場合には、開位置で固定した場合と同一の処理を実行していたが、閉位置で固定した場合と同一の処理を実行しても良い。又、中立位置で固定した場合は、開位置で固定した場合の処理と閉位置で固定した場合の処理の両方を実行しても良い。

0239

・前記各実施の形態において、吸排気弁はアッパ磁石とロア磁石とを備えることで、開位置でも閉位置でもコイルに通電することなく弁体を固定できるように構成されていた。これ以外に、アッパ磁石とロア磁石との一方を備えることで、開位置と閉位置とのいずれかの状態で、コイルに通電することなく弁体を固定できるように構成したものでも良い。

図面の簡単な説明

0240

・前記各実施の形態において、吸排気弁は共に電磁駆動弁として構成したが、吸気弁のみを電磁駆動弁としても良く、排気弁のみを電磁駆動弁としても良い。

--

0241

図1実施の形態1としてのエンジン及びその制御系統の概略構成を表すブロック図。
図2前記エンジンの部分縦断面図。
図3前記エンジンの吸気弁の縦断面図。
図4前記吸気弁の作動状態説明図。
図5前記吸気弁の作動状態説明図。
図6実施の形態1のECUが実行する電磁駆動弁制御処理のフローチャート。
図7実施の形態1における行程状態、クランク角(°CA)及びクランクカウンタCCRNKの関係を示すグラフ
図8実施の形態1のECUが実行する始動時弁駆動制御処理のフローチャート。
図9同じく通常時吸気弁駆動制御処理のフローチャート。
図10同じく通常時排気弁駆動制御処理のフローチャート。
図11実施の形態2にてECUが実行する始動時弁駆動制御処理のフローチャート。
図12実施の形態3にてECUが実行する電磁駆動弁制御処理のフローチャート。
図13同じく始動時弁駆動制御処理のフローチャート。
図14実施の形態3にて用いられる吸排気弁の構成説明図。
図15実施の形態4にてECUが実行する全吸排気弁開閉状態決定処理のフローチャート。
図16同じく始動時弁駆動制御処理のフローチャート。
図17同じく始動時弁駆動制御処理のフローチャート。
図18実施の形態5にてECUが実行する吸気弁開・排気弁閉時弁固着異常検出処理のフローチャート。
図19同じく吸気弁閉・排気弁開時弁固着異常検出処理のフローチャート。
図20同じく固着異常時弁駆動制御処理のフローチャート。
図21同じく固着異常時弁駆動制御処理のフローチャート。
図22同じく通常時吸気弁駆動制御処理のフローチャート。
図23同じく通常時排気弁駆動制御処理のフローチャート。

0242

2…エンジン、2a,2b,2c,2d…気筒、4…シリンダブロック、6…ピストン、8…シリンダヘッド、8a…ロアヘッド、8b…アッパヘッド、8c…円筒空間、10…燃焼室、12a,12b…吸気弁、16a,16b…排気弁、14a,14b…吸気ポート、18a,18b…排気ポート、30…吸気マニホールド、30a…吸気通路、32…サージタンク、34…燃料噴射弁、40…吸気ダクト、42…エアクリーナ、44…モータ、46…スロットル弁、46a…スロットル開度センサ、48…排気マニホルド、50…触媒コンバータ、60…ECU、74…アクセルペダル、76…アクセル開度センサ、80…上死点センサ、82…回転数センサ、84…吸入空気量センサ、86…水温センサ、88…空燃比センサ、90…イグニッションスイッチ、100…弁体、100a…弁軸、100b…バルブガイド、100c…円筒空間、101…弁座、102…電磁駆動部、104…ストロークセンサ、104a…ロッド、105…ロアリテーナ、106…ロアスプリング、108…アーマチャシャフト、108a…アーマチャ保持部、110…アッパリテーナ、112…アッパスプリング、114…アッパキャップ、114a…フランジ部、114b…スプリング座部、116…アジャスタボルト、118…アーマチャ、120…アッパコア、120a,122a…中心貫通孔、120b,122b…ブッシュ、120c,122c…フランジ部、120d,122d…環状溝、120e,122e…環状スリット、122…ロアコア、124…アッパコイル、126…ロアコイル、128…アッパ磁石、130…ロア磁石、132…固定ボルト。

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