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技術 ウォータマーキングした画像を生成するための方法、ウォータマーキング平面を形成するための方法、およびウォータマークを検出するための方法

出願人 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
発明者 ゴードン・ウェズリー・ブラウダウェイフレデリック・コール・ミンツァー
出願日 1997年10月24日 (22年11ヶ月経過) 出願番号 2001-377437
公開日 2002年9月6日 (18年1ヶ月経過) 公開番号 2002-252753
状態 特許登録済
技術分野 記憶装置の機密保護 画像処理 テレビジョン方式 FAX原画の編集 TV信号の圧縮,符号化方式 暗号化・復号化装置及び秘密通信
主要キーワード 増分方式 フーリエ数 オフセット変位 オーバラップ位置 可視マーキング 最終位相 再生成後 正方形平面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年9月6日)のものです。
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図面 (17)

課題

輝度を有する複数の元要素を含むディジタル画像上にウォータマークを付与してウォータマーキングした画像を生成するための方法を提供する。

解決手段

本発明によれば、元要素と1対1の対応関係を有する複数のウォータマーキング要素であって、各々が前記ディジタル画像の元要素の輝度に掛け合わされるべきウォータマーク倍率を有するウォータマーキング要素を含むウォータマーキング平面が用意され、次に、元要素のそれぞれの輝度に前記ウォータマーキング要素のうちの対応する要素の前記ウォータマーク倍率を掛けることによりウォータマーキングした画像が生成される。このとき、ウォータマーク倍率は、0.9〜1.1の範囲であるように、選ばれる。

概要

背景

画像上に可視または不可視識別マークを付けるための改良された技法を見つけるために、絶え間ない努力が行われている。これは、一般に、所有者出所、認証を得るために、また、その作品を盗むかまたは濫用しようと考えている人を思いとどまらせるためにも有用である。また、識別マークは、無許可の変更または開示の形跡を示すためにも有用である。

可視マークは、ここでは、可視強耐性(Visible Robust)または可視弱耐性(Visible Fragile)のいずれかとして分類する。肉眼で見ることができ、隠しようのない証拠を残さずに被加工物から容易に除去することができない場合、そのマークは可視強耐性として分類する。また、その被加工物またはそのカバーを変更しようという試みによってマーク自体が目に見えるように変更される場合、そのマークは可視弱耐性として分類する。

不可視マークは、ここでは、通常の視力を備えた人間にとってそのマークがどのように見えるかという外観に関して分類する。マーキングが付いていない画像がマーキングが付いている画像コピーとともに表示されたときに、どちらも同じように見える場合、画像上のマークは、検出不能不可視という不可視分類レベルを有するものとして分類する。人間が認識できないマークを、検出不能不可視マークと分類し、人間が注意を払って見ないと認識できないマークを、無意識不可視として分類する。マーキングした画像がそのマークのためにその有用性または価値を失わない場合、画像マーキングは限界不可視であるとして分類する。そのマーキングによって画像の有用性または価値あるいはその両方が低下する場合、画像マーキングは不完全不可視であると分類する。

現在、所有者や認証を得るための一般に信頼できる方法としては、物理的に存在する文書ハードコピー)への可視マーキング不可視マーキングの両方を使用する方法がある。このような方法は、物理的な物として存在しないディジタル画像ソフトコピー)へのマーキング方法にも有用である。ディジタル画像は、その画像の(1つまたは複数の)カラー平面に対応する数値からなる矩形アレイとしてコンピュータメモリ走査され格納された物理画像抽象化したものである。物理画像の非常に小さい領域に対応する各アレイ要素は、画素またはピクセルと呼ぶ。モノクロ画像用の各ピクセルに関連する数値は、その単一カラー(黒および白)平面上のその平均輝度の大きさを表す。カラー画像の場合、各ピクセルは、その3つのカラー平面を表す、3つのカラー成分の大きさまたは平均輝度に関連する値を有する。その他の画像表現として各ピクセルごとに3つ以上のカラー成分を有する表現方法もある。画像のカラー平面の各平面ごとに、異なる値が関連付けられている。

以下の説明でカラー平面という場合、ピクセルのカラー特性を定義するために特定の画像ディジタル化技法が使用する任意の数のカラー平面を含むものと理解されたい。これは、モノクロ画像を定義する単一平面しかない場合も含む。

概要

輝度を有する複数の元要素を含むディジタル画像上にウォータマークを付与してウォータマーキングした画像を生成するための方法を提供する。

本発明によれば、元要素と1対1の対応関係を有する複数のウォータマーキング要素であって、各々が前記ディジタル画像の元要素の輝度に掛け合わされるべきウォータマーク倍率を有するウォータマーキング要素を含むウォータマーキング平面が用意され、次に、元要素のそれぞれの輝度に前記ウォータマーキング要素のうちの対応する要素の前記ウォータマーク倍率を掛けることによりウォータマーキングした画像が生成される。このとき、ウォータマーク倍率は、0.9〜1.1の範囲であるように、選ばれる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

輝度を有する複数の元要素を含むディジタル画像上にウォータマークを付与してウォータマーキングした画像を生成するための方法であって、前記元要素と1対1の対応関係を有する複数のウォータマーキング要素であって、各々が前記ディジタル画像の元要素の輝度に掛け合わされるべきウォータマーク倍率を有するウォータマーキング要素を含むウォータマーキング平面を用意するステップと、前記元要素のそれぞれの輝度に前記ウォータマーキング要素のうちの対応する要素の前記ウォータマーク倍率を掛けることによりウォータマーキングした画像を生成するステップとを含み、前記ウォータマーク倍率が0.9〜1.1の範囲であることを特徴とする方法。

請求項2

前記元要素を含む画像が元平面を形成し、前記ウォータマーキング要素が前記元平面より小さいウォータマーキング平面を形成し、前記方法が、前記ウォータマーキング平面が少なくとも前記元平面を覆うようにタイル張りすることにより前記ウォータマーキング平面を拡張するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記ウォータマーキング平面が前記元平面を越えて延びると判断したときに、前記ウォータマーキング平面が前記元平面を覆うように前記ウォータマーキング平面を切り詰めるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。

請求項4

ウォータマーキング平面が離散逆フーリエ変換を用いて形成されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。

請求項5

前記元要素のそれぞれが、赤、緑、青の各カラー成分に対応する複数の輝度値を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項6

元輝度を有する複数の元要素を含むディジタル画像の元要素の輝度に掛け合わされるべき輝度乗算値をそれぞれが有する複数の要素を含むウォータマーキング平面を形成するための方法であって、第1の複数のビットを有する整数ランダム数値列を生成するステップと、所望の変調強度を提供するための輝度倍率再マッピング済み数値列を形成するために前記ランダム数値列を線形再マッピングするステップと、周波数座標を有するフーリエ数値列を形成するために前記再マッピング済み数値列の離散フーリエ変換を計算するステップと、拡張数値列を形成するために前記周波数座標を拡張するステップと、複数の値からなるウォータマーキング数値列を入手するために前記拡張数値列の逆フーリエ変換を計算するステップと、前記複数の値を有するウォータマーキング数値列に基づいて前記ウォータマーキング平面の前記要素の前記輝度乗算値を導き出すステップとを含むことを特徴とする方法。

請求項7

前記拡張ステップがゼロ埋込みによって達成されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記ウォータマーキング要素が32×128のアレイ・サイズを有するアレイを形成することを特徴とする、請求項6に記載の方法。

請求項9

前記第1の複数のビットが16ビットに等しく、8ビット整数隣接対を選択することにより前記8ビット整数の第2の数値列から形成されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。

請求項10

前記変調強度が1パーセントであり、前記倍率が0.98〜1の範囲内であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。

請求項11

1と前記変調強度との差に等しい平均および中央値を有し、1という最大値を有する値からなる線形再マッピング済み数値列を形成するために前記ウォータマーキング数値列を調整するステップと、前記要素のそれぞれについて前記乗算値を提供するために前記線形再マッピング済み数値列を使用するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。

請求項12

前記ピクセルのそれぞれが少なくとも1つの輝度を有する複数の元のピクセルを有し、前記元のピクセルの数の方が前記複数の要素の数より大きい、マーキングしていない元の画像を提供するステップと、前記ピクセルのそれぞれの1つが前記要素のうちの対応する1つの要素を有するように前記マーキングしていない元の画像を覆うようにタイル張りすることにより前記ウォータマーキング平面を拡張するステップと、前記ピクセルのそれぞれの少なくとも1つの輝度規模に前記対応する要素の前記乗算値を掛けるステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。

請求項13

マーキングした画像内のウォータマークを検出するための方法であって、マーキングされる元画像が複数の画像ピクセルを含む少なくとも1つのカラー平面を有し、ウォータマーキング平面が前記画像ピクセルに対応する複数のウォータマーキング要素を有し、前記ウォータマーキング要素のそれぞれが輝度倍率を有し、前記マーキングした画像の前記画像ピクセルのそれぞれがその元画像の画像ピクセルを前記輝度倍率で乗じた少なくとも1つの輝度値を有し、前記方法が、(a)前記ウォータマーキング平面を再構築するステップと、(b)各ウォータマーキング要素が対応する画像ピクセルを有するように、前記ウォータマーキング平面を前記マーキングした画像に位置合せするステップと、(c)複数のセレクタ要素を有するセレクタ・アレイを用意するステップであって、前記セレクタ要素の各々が少なくとも1つのカウンタを有するステップと、(d)前記少なくとも1つのカウンタを0にリセットするステップと、(e)前記セレクタ要素を複数の対応画像ピクセルと複数の対応ウォータマーキング要素に位置合せすることにより、前記セレクタを初期位置に配置するステップと、(f)セレクタ要素を選択し、対応するウォータマーキング要素を識別するステップと、(g)前記対応するウォータマーキング要素に隣接する第1の複数のウォータマーキング要素を識別するステップと、(h)前記第1の複数のウォータマーキング要素の輝度倍率の平均を表す第1の平均を生成するステップと、(i)前記マーキングした画像のカラー平面を選択し、対応する画像ピクセルを検出するステップと、(j)前記対応する画像ピクセルに隣接する第1の複数の近隣ピクセルを識別するステップと、(k)前記第1の複数の近隣ピクセルの輝度値の平均を表す第2の平均を生成するステップと、(l)前記第1の平均を前記対応するウォータマーキング要素の前記輝度倍率と比較する第1の比較操作、および前記第2の平均を前記対応するピクセルの前記輝度値と比較する第2の比較操作に基づいて前記少なくとも1つのカウンタを更新するステップと、(m)すべてのカラー平面についてステップ(i)〜(l)を繰り返すステップと、(n)すべてのセレクタ要素についてステップ(f)〜(m)を繰り返すステップと、(o)前のセレクタ位置オーバラップしない新しいセレクタ位置を選択するステップと、(p)すべての非オーバラップ・セレクタ位置についてステップ(f)〜(o)を繰り返すステップと、(q)前記セレクタ・アレイの前記少なくとも1つのカウンタを使用して、前記マーキングした画像内の前記ウォータマークの検出を示すステップとを含むことを特徴とする方法。

請求項14

前記少なくとも1つのカウンタが一致カウンタ不一致カウンタとを含み、前記更新ステップが、前記対応するウォータマーキング要素の前記輝度倍率から前記第1の平均を減算することにより、第1の差値を生成するステップと、前記対応するピクセルの前記輝度値から前記第2の平均を減算することにより、第2の差値を生成するステップと、前記第1および第2の差値がともに正である場合に前記一致カウンタを増分し、前記第1および第2の差値がともに負である場合に前記一致カウンタを増分し、それ以外の場合に前記不一致カウンタを増分するステップとを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記配置ステップが、ランダムな垂直および水平オフセットを使用して行われることを特徴とする、請求項13に記載の方法。

請求項16

前記オフセットが確実なランダム順序から得られることを特徴とする、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記第1の複数が120に等しい数であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。

請求項18

前記ステップ(c)が、前記セレクタ・アレイと等しいサイズのビジュアライザ画像を用意するステップを含み、前記ビジュアライザ画像が、それぞれが少なくとも1つの輝度値を有する複数のビジュアライザ・ピクセルを有し、該ビジュアライザ・ピクセルが、表示されたときに認識可能なパターンを表すものであることと、前記ステップ(q)が、前記ビジュアライザ・ピクセルと前記セレクタ・アレイの前記要素との1対1の対応関係を有する複数の一致ピクセルを有するビジュアライザ一致画像構築するステップを含み、所与の各一致ピクセルごとに、前記所与の一致ピクセルに対応する前記セレクタ・アレイの第1の要素を識別するステップと、前記セレクタ・アレイの前記第1の要素に関連する前記少なくとも1つのカウンタに格納された値に基づいて一致値を生成するステップと、前記所与の一致ピクセルに対応する前記ビジュアライザ画像の第1のピクセルを識別するステップと、前記一致値と、前記ビジュアライザ画像の前記第1のピクセルの少なくとも1つの輝度値とに基づいて前記所与の一致ピクセルの少なくとも1つの輝度値を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。

請求項19

前記ビジュアライザ・ピクセルによってコード化された前記パターンが認識可能であるかどうかについてユーザが判定を行えるように、前記ビジュアライザ一致画像を表示するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記少なくとも1つのカウンタが一致カウンタと不一致カウンタとを含み、前記更新ステップが、前記対応するウォータマーキング要素の前記輝度倍率から前記第1の平均を減算することにより、第1の差値を生成するステップと、前記対応する画像ピクセルの前記輝度値から前記第2の平均を減算することにより、第2の差値を生成するステップと、前記第1および第2の差値がともに正である場合に前記一致カウンタを増分し、前記第1および第2の差値がともに負である場合に前記一致カウンタを増分し、それ以外の場合に前記不一致カウンタを増分するステップとを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。

請求項21

前記一致値を生成するステップが、前記一致カウンタから前記不一致カウンタを減算することにより第3の差値を生成し、前記第3の差値が負である場合に前記第1のビジュアライザ・ピクセルの前記少なくとも1つの輝度値を変更し、それ以外の場合に前記ビジュアライザ画像の前記第1のピクセルの前記輝度値をコピーすることにより前記所与の一致ピクセルの前記少なくとも1つの輝度値を生成するステップを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。

請求項22

各ビジュアライザ・ピクセルがモノクロ輝度値を有し、前記変更ステップが前記ビジュアライザ画像の前記第1のピクセルに関連する前記モノクロ輝度値を反転するステップを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。

請求項23

各ビジュアライザ・ピクセルがバイナリ・モノクロ輝度値を有し、前記バイナリ・モノクロ輝度値が黒の輝度を表す第1の値と白の輝度を表す第2の値のうちの1つであり、前記一致値を生成する前記ステップが割合Rを生成するステップを含み、Rが前記一致カウンタと前記不一致カウンタとの合計で割った前記一致カウンタを表し、前記所与の一致ピクセルの前記少なくとも1つの輝度値を生成する前記ステップが、前記第1のピクセルの前記バイナリ・モノクロ輝度値が前記第1の値に設定された場合に前記所与の一致ピクセルの前記少なくとも1つの輝度値を値(1−R)に割り当てるステップと、前記第1のピクセルの前記バイナリ・モノクロ輝度値が前記第2の値に設定された場合に前記所与の一致ピクセルの前記少なくとも1つの輝度値を前記割合Rに割り当てるステップとを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。

請求項24

前記ウォータマークが検出されたかどうかについてユーザが判定を行えるように、前記ビジュアライザ一致画像を表示するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。

請求項25

前記ビジュアライザ画像の各ピクセルが複数の輝度値を有することを特徴とする、請求項13に記載の方法。

請求項26

前記ビジュアライザ画像の各ピクセルが赤、緑、青の各輝度値を有することを特徴とする、請求項25に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、ディジタル画像処理の分野に関する。より具体的には、被加工物上識別マークの挿入および検出に関する。

背景技術

0002

画像上に可視または不可視識別マークを付けるための改良された技法を見つけるために、絶え間ない努力が行われている。これは、一般に、所有者出所、認証を得るために、また、その作品を盗むかまたは濫用しようと考えている人を思いとどまらせるためにも有用である。また、識別マークは、無許可の変更または開示の形跡を示すためにも有用である。

0003

可視マークは、ここでは、可視強耐性(Visible Robust)または可視弱耐性(Visible Fragile)のいずれかとして分類する。肉眼で見ることができ、隠しようのない証拠を残さずに被加工物から容易に除去することができない場合、そのマークは可視強耐性として分類する。また、その被加工物またはそのカバーを変更しようという試みによってマーク自体が目に見えるように変更される場合、そのマークは可視弱耐性として分類する。

0004

不可視マークは、ここでは、通常の視力を備えた人間にとってそのマークがどのように見えるかという外観に関して分類する。マーキングが付いていない画像がマーキングが付いている画像コピーとともに表示されたときに、どちらも同じように見える場合、画像上のマークは、検出不能不可視という不可視分類レベルを有するものとして分類する。人間が認識できないマークを、検出不能不可視マークと分類し、人間が注意を払って見ないと認識できないマークを、無意識不可視として分類する。マーキングした画像がそのマークのためにその有用性または価値を失わない場合、画像マーキングは限界不可視であるとして分類する。そのマーキングによって画像の有用性または価値あるいはその両方が低下する場合、画像マーキングは不完全不可視であると分類する。

0005

現在、所有者や認証を得るための一般に信頼できる方法としては、物理的に存在する文書ハードコピー)への可視マーキング不可視マーキングの両方を使用する方法がある。このような方法は、物理的な物として存在しないディジタル画像ソフトコピー)へのマーキング方法にも有用である。ディジタル画像は、その画像の(1つまたは複数の)カラー平面に対応する数値からなる矩形アレイとしてコンピュータメモリ走査され格納された物理画像抽象化したものである。物理画像の非常に小さい領域に対応する各アレイ要素は、画素またはピクセルと呼ぶ。モノクロ画像用の各ピクセルに関連する数値は、その単一カラー(黒および白)平面上のその平均輝度の大きさを表す。カラー画像の場合、各ピクセルは、その3つのカラー平面を表す、3つのカラー成分の大きさまたは平均輝度に関連する値を有する。その他の画像表現として各ピクセルごとに3つ以上のカラー成分を有する表現方法もある。画像のカラー平面の各平面ごとに、異なる値が関連付けられている。

0006

以下の説明でカラー平面という場合、ピクセルのカラー特性を定義するために特定の画像ディジタル化技法が使用する任意の数のカラー平面を含むものと理解されたい。これは、モノクロ画像を定義する単一平面しかない場合も含む。

発明が解決しようとする課題

0007

ディジタル化画像は、個々のピクセルがディスプレイ上に白またはカラー・ライトドットとしてあるいはハードコピー上に黒またはカラー・インクまたはダイ(dye)のドットとして表示される場合のみ、見る人にとって画像として認識可能である。通常、ピクセルは、人間の視覚系統によって分解不能なほど密接な間隔になっている。人間の視覚系統では1ピクセルまで分解して見ているわけではなく、近隣ピクセルが融合されて視覚化されている。したがって元画像は近隣ピクセルが融合された画像融合で視覚化される。このような人間の視覚特性を利用することで、画像の不可視マーキングまたは比較的不可視なマーキングが可能になる。ここに記載する方法では、所望の不可視分類に応じてディジタル化画像に不可視ウォータマークを付与し、その存在を示すために、この特性を活用する。強固な(耐性のある)不可視マーキングをディジタル画像上に付与し、その検出を示すことは、ここでは不可視ウォータマーキングというが、本発明の主な態様の1つである。

0008

占有ディジタル化画像に不可視ウォータマークを付与する適当な不可視ウォータマーキング技法は、いくつかの特性を満足しなければならない。付与されたウォータマークは、所望の不可視分類レベルに応じて、通常の視覚能力を有する人にとって不可視に見えなければならない。マーキングの程度が二分法であることは明らかである。画像を無許可使用から保護することと、ウォータマークによって画像の外観が不快なほど変更されないことについて、比較検討を行う必要がある。一般に、これは、均一なカラー平面にウォータマークを付与したときに認識可能なパターンがマークを付けた画像に現れてはならないことを意味する。この要件は、そのピクセルの色相を変化させることによって画像にマーキングすることを防止するものである。というのは、人間の視覚系統は輝度より色相の変化に対する方がかなり敏感であるからである。この要件は、適当な方法で実現されたピクセル輝度の変動に基づく技法によって満足することができる。また、ピクセル輝度の変動に基づく技法により、カラー画像に適用される同じマーキング技法をモノクロ画像にも同じように適用することができる。

0009

適当な不可視ウォータマーキング技法のもう1つの特性は、マークを検出するときに、何もマークを埋め込んでいないにも拘わらず、これをマーク有りと判定してしまう誤った検出(フォルスポジティブ検出)の確率が消えそうなほど小さくなるような検出方式を備えてなければならないことである。本発明では、1つも存在しないときの画像内のウォータマークの検出の確率は、100万分の1未満でなければならない。一般に、技法の基礎がしっかりしている場合、この要件を満足するのはあまり難しいことではない。

0010

適当な不可視ウォータマーキング技法のさらにもう1つの特性は、画像に付与させるマーキングの程度を変更することが可能でなければならないことである。このため、ウォータマークは、特定の応用例が必要とする程度に検出可能なのものにすることができる。この特性は、その検出の見込みを高めるためにマークの強さを増すことがしばしば必要になるような高度テキスチャ画像では重要なことである。これは、ウォータマーク自体の不要な可視人工物を減らすためにマーキングの強さを低減することが有利であるような低コントラストを有する画像とは矛盾する。

0011

また、検出されたときに示されたウォータマークの存在が、高い明度比を備えた比較的きわだった特徴を有する認識可能な可視画像に変換可能でなければならないことも非常に望ましいことである。比較的きわだっていない可視画像の特徴は、本来なら、その保護を無効にしようとしてウォータマークを攻撃したかどうかを示しにくい可能性がある。

0012

最後に、付与されたウォータマークは、除去したり検出不能にするのが非常に困難になるように、強耐性でなければならない。また、このウォータマークは、本質的に使用可能度を上回るほど画像を損傷するような画像操作に耐えられるものでなければならない。これは、JPEGの「損失のある」圧縮画像回転線形または非線形サイズ変更明度強化、鮮明化、「スペックル除去」、ピクセル編集、画像上の相関または非相関雑音フィールドの重ね合わせなどを含むが、これらに限定されない。ウォータマークを無効にするかまたは除去しようという試みは、一般に、その画像を使用する権利購入するより面倒で費用がかかるものでなければならない。画像が希少価値のものである場合、ウォータマークはその隠しようのない痕跡をほとんどいつも回復できるほど除去しにくいものであることが望ましい。

課題を解決するための手段

0013

本発明の1つの態様は、ディジタル化画像上にウォータマークを付与するための方法であって、ディジタル化画像を用意するステップと、画像ピクセルのうちの少なくとも1つに関連する輝度データに所定の輝度倍率掛けるステップとを含む方法を提供することである。画像は複数のピクセルを含み、それぞれのピクセルは、画像がモノクロの場合は1つの輝度値を表し、画像が複数のカラーを有する場合は複数の輝度データ値を表す輝度データを含む。一実施例の輝度倍率は0.9〜1.1の範囲である。輝度倍率は乱数列から取った数値との関係を有し、その関係は所望の変調強度を提供するための線形再マッピングである。

0014

一実施例では、それぞれのピクセルは、ディジタル化画像を表すアレイ内の行および列位置を有し、輝度倍率は、その行および列位置との順次対応関係にある強耐性な乱数列からの数値からなる別の順次組合せを使用する。

0015

本発明の他の態様は、ウォータマーキングした画像を生成するための方法であって、元の輝度を有する複数の元の要素を有するディジタル画像上にウォータマークを付与する方法を提供することである。この方法は、ウォータマーク輝度倍率を有し、元の要素との1対1の対応関係を有する、複数のウォータマーキング要素を含むディジタル化ウォータマーキング平面を用意するステップを含む。また、この方法は、元の要素のそれぞれの元の輝度にウォータマーク要素のうちの対応する1つの輝度倍率を掛けることによりウォータマーキングした画像を生成するステップも含み、そのウォータマークは不可視である。一実施例では、元の画像は元の平面を形成し、ウォータマーキング画像は元の平面より小さいウォータマーキング平面を形成し、この方法は、ウォータマーキング平面が元の平面を覆うようにタイル張りすることによりウォータマーキング平面を拡張するステップをさらに含むか、またはウォータマーキング平面が元の平面を越えて延びると判断したときにウォータマーキング平面が元の平面を覆うようにウォータマーキング平面を切り詰めるステップをさらに含むか、あるいはその両方のステップをさらに含む。

0016

本発明の他の態様は、それぞれが乗算値を有する複数の要素を含むウォータマーキング平面を形成するための方法を提供することである。この方法は、第1の複数のビットを有する整数からなる確実なランダム順序を生成するステップと、所望の変調強度を提供するための輝度倍率からなる再マッピング済み順序を形成するためにランダム順序を線形再マッピングするステップと、周波数座標を有するフーリエ順序を形成するために再マッピング済み順序の離散フーリエ変換を計算するステップと、拡張順序を形成するために周波数座標を拡張するステップと、複数の値からなるウォータマーキング順序を入手するために拡張順序の逆フーリエ変換を計算するステップとを含む。

0017

一実施例は、以下のものをさらに1つまたは複数含む。すなわち、拡張ステップはゼロ埋込みによって達成され、この方法はそれぞれの要素について乗算値を提供するためにウォータマーキング順序を使用するステップをさらに含み、この方法は順序メンバーを有するハードクリッピング済み順序を形成するためにウォータマーキング順序をハードクリッピングするステップと、それぞれの要素について乗算値を提供するために順序メンバーのうちの他の1つを使用するステップとをさらに含み、この方法は1と変調強度との差に等しい平均および中央値を有し、1という最大値を有する値からなる正規化順序を順序を形成するためにウォータマーキング順序を調整するステップと、それぞれの要素について乗算値を提供するために正規化順序を使用するステップとをさらに含み、この方法はそれぞれのピクセルが少なくとも1つの輝度規模を有する複数の元のピクセルを有するマーキングしていない元の画像を提供するステップであって、元のピクセルのうちの第1の数値の方が複数の要素のうちの第2の数値より大きいステップと、それぞれのピクセルの1つが全要素のうちの対応する1つの要素を有するようにマーキングしていない元の画像を覆うようにタイル張りすることによりウォータマーキング平面を拡張するステップと、それぞれのピクセルの少なくとも1つの輝度規模に対応する要素の乗算値を掛けるステップとをさらに含む。

0018

本発明のさらに他の態様は、マーキングした画像内のウォータマークを検出するための方法を提供することである。マーキングした画像は、複数のウォータマーキング要素を有するウォータマーキング平面によってマーキングされる。それぞれの画像ピクセルは少なくとも1つの輝度値を有し、それぞれのウォータマーキング要素は輝度倍率を有する。この方法は、セレクタと、ビジュアライザと、複数のセレクタ要素および位置のそれぞれに関する画像ピクセルの統計輝度と近隣要素/ピクセルの統計輝度を備えたウォータマーキング平面要素との比較から得られる比較データを格納するための少なくとも1つのカウンタとを使用する。この方法は、ビジュアライザ・ピクセルによってコード化されたパターンが認識可能であり、ウォータマークが検出されたかどうかに関する判断をユーザが行えるように、ビジュアライザ一致画像を表示するステップをさらに含む。

0019

添付図面に関連して以下に示す本発明の詳細な説明をさらに検討すると、本発明の上記その他の目的、特徴、利点は明らかになるだろう。

発明を実施するための最良の形態

0020

本発明は、ピクセル輝度乗数からなる非常にランダムな順序によってディジタル化画像にウォータマーキングする強耐性な手段を提供するものである。このランダム順序は、マーカーまたはマーキング・エンティティあるいはその両方のみによって選択され把握された4つの「強耐性ウォータマーキング・パラメータ」から形成される。マーキング中のディジタル画像のその要素アレイ(複数も可)との1対1の対応関係を備えた1つの要素アレイを有するウォータマーキング平面が生成される。ウォータマーキング平面の各要素には、強耐性なランダム順序と指定の輝度変調強度とに依存するランダム値割り当てられる。このように生成されたウォータマーキング平面は、各ピクセルの輝度値(複数も可)にウォータマーキング平面内のそれに対応する要素値を掛けることにより、ディジタル画像上に付与される。その結果の変更済み輝度値により、ディジタル画像上にランダムで比較的不可視のウォータマークが付与される。付与されたウォータマークを検出するには、それによってウォータマークが付与されたウォータマーキング平面を把握する必要がある。ウォータマーキング平面を再生成するには、その公式化で使用する強耐性マーキング・パラメータを知っていることが必要である。一般にこれは、マーカーまたはマーキング・エンティティあるいはその両方のみが把握していることである。再生成後にウォータマーキング平面を「ビジュアライザ」内に位置する検証画像とともに使用して、ウォータマークの存在を示す。

0021

輝度変更は、本発明によるウォータマーク付与の本質である。ここで使用するピクセル輝度は、3つの原刺激マッチング合物に対応するCIE1931の測色標準観測者および座標系の3刺激成分輝度X、Y、Zの点から視覚刺激の輝度を表す。ピクセル輝度の詳細説明については、G.ウィシェスキ(Wyszecki)およびW. S.スタイルズ(Styles)による"Color Science: Concepts and Methods,Quantitative Data and Formulae"(John Wiley & Sons, Inc.(第2版)、ニューヨーク、1982年、164〜169ページ)などに記載されている。CIE1931標準では、3つの特定の原刺激を指定している。この刺激は、放射測定数量であり、そのため、ワットなどの放射測定単位で表される。現代比色分析のほぼすべてが基礎とするグラスマンの法則では、3つの特定の原刺激の使用またはそれらの別個線形組合せであるその他の3つの刺激の使用が必要である。これについては、D. B.ジャッド(Judd)およびG.ウィシェスキによる「Colorin Business, Science, and Industry」(第3版)(John Wiley & Sons, Inc.、ニューヨーク、1975年、45〜47ページ)で論じられている。1つのピクセルの輝度のみを変更しても、その色相および彩度によって表されるそのカラーは変更されない。これは、Yの大きさを変更しながら、X:YおよびZ:Yという比率を保持することによって達成される。カラー印刷で使用するシアンマジェンタイエローブラック(CMYK)という減法染料の色空間などの非線形色空間で表されるピクセルは、そのピクセルの輝度が変更される前にX、Y、Zの色空間(またはそれに対して線形の関係にある色空間)に変換される。

0022

図1は、本発明によりディジタル化画像上に比較的不可視のウォータマークを付与するためのシステム実施例のブロック図を示している。図1は、本発明の一実施例による使用に適した画像取込み配布システム150を示している。スキャナ100は、物理ソース102から画像データ101を取り込む。物理ソース102は通常、絵画または写真である。画像はディジタル・コンピュータ104にデータ101を送る。コンピュータ104は、通常はコンピュータのランダム・アクセス・メモリで実現される作業記憶域106と、多くの場合、従来のハード・ディスクドライブである画像記憶システム108と、テープまたはディスク記憶装置にすることができる画像アーカイブ110とを含む。コンピュータ104はいくつかのソフトウェアモジュールも含む。これらは、スキャナ100によって提供される画像データのスケーリングおよび拡張などの画像処理を実行するフロントエンド画像処理ソフトウェア112を含む。また、これは、本発明の原理により動作するカラー保持ウォータマーキング・ソフトウェア114と、ウォータマーキングした画像上の圧縮などのその他の処理機能を実行するバックエンド画像処理ソフトウェア116も含む。多くの場合、未処理またはフロントエンドでディジタル化した元の画像101は、ウォータマーキングしていない形式で保存するために画像アーカイブ110に送られる。

0023

代替実施例は、スキャナ100を必要とせずにディジタル化形式101ですでに入手可能な元の画像を有する。ウォータマーキング・ソフトウェア114は、本発明の原理によりディジタル化画像101に比較的不可視のウォータマークを付与させる。ウォータマーキング・プロセスは、コンピュータの作業記憶域106内に全部または一部がすでにロードされている、アーカイブした画像のコピーまたはスキャンし処理したその他の画像データについて実行することもできる。

0024

処理し、ウォータマーキングし、圧縮し、ソフトウェア・モジュール112〜116の組合せによって生成した画像は、作業記憶域106または画像記憶域108から、ディジタル・ネットワーク120に接続された画像サーバ118に送られる。該当する場合、ディジタル・ネットワークは、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)、インターネットなどの広域ネットワークWAN)、またはその両方と相互接続される。ディジタル・ネットワーク120に接続されたその他のシステム122は、ディジタル・ネットワーク120を介して画像サーバ118上に格納された画像を要求し、受け取ることができる。場合によっては、システムは、受け取った画像を表示装置124上に表示するか、またはグラフィックス対応プリンタ126で画像を印刷するか、あるいはその両方を行うことができる。当業者であれば、本発明を使用可能なその他のシステム構成が数多く存在することが分かるだろう。図1のシステムは、一般に、後述するような方法でウォータマークの存在を検出してみせるためにも有用である。

0025

強耐性なウォータマークによる画像のマーキング
一実施例では、ディジタル化画像上に付与したウォータマークは、ディジタル化画像に重なるモノクロ・パターンであり、ここでは「ウォータマーキング平面」と呼ぶ。このパターンは、1群の強耐性順序生成パラメータから形成される強耐性なランダム順序からその要素値を選択することによって実現される。このパラメータは、当業者にとって周知の方法で一般に強力に暗号化されたランダム順序を生成するために使用する。このパラメータは、ここでは「強耐性ウォータマーキング・パラメータ」という。好ましい実施例では、このようなパラメータとしては、暗号キー、線形乱数発生器の2つの係数、乱数発生器の初期値を含む。

0026

強耐性なランダム順序の各値または各群の値はディジタル化画像のピクセルの1つに関連付けられている。多くの場合、ランダム順序の値は、特定の基準を満たすように線形に再マッピングされる。各ピクセルの複数のカラー平面のすべての輝度値には、その輝度倍率または倍率という、その関連線形再マッピング強耐性ランダム順序値が掛けられる。要素輝度値を10パーセント未満変更する輝度倍率は、ここでは、比較的不可視なウォータマークを生成する輝度倍率という。ただし、ウォータマーキングする画像のテキスチャに応じて、輝度値は一般に平均で0.3〜4パーセント程度、まれに6パーセントまでのパーセント係数分だけ変更されることに留意されたい。これは、マーキングの可視性を低くするためのものである。このパーセント係数は、ここでは変調強度という。使用する実際の変調強度は、特定の用途が必要とする不可視分類レベルに依存する。ただし、1を上回る輝度倍率の使用は賢明ではない。この結果、一部のピクセル輝度値が1を上回る可能性があるからである。使用した場合は、1を上回るすべての輝度値を1という値にクリッピングすることをお薦めする。これにより、ピクセルのカラーが変更され、画像の外観が変更される可能性がある。

0027

倍率によって各ピクセルの輝度を変更することによってディジタル化画像上にウォータマークを付与すると、グラスマンの法則を満足することによって各ピクセルのカラーが維持される。一般に、変調強度を選択する際に兼ね合いが図られる。パーセントを小さくすると、ウォータマークの可視性が低下するが、検出しにくくなる。パーセントを大きくすると、ウォータマークを検出し、その存在を示すことが容易になるが、ウォータマークの可視性が高くなる。高度テキスチャ画像では、比較的高い変調強度の使用が必要になる場合がある。付与されたウォータマークは、変調強度が0.5%未満であれば、マーキングしていないディジタル化画像が均一な中間グレイであっても、あらゆる場合に検出できないほど不可視であると見なされる。より実用的で貴重な特徴を有するディジタル化画像の場合、一般に無意識不可視ウォータマークは、画像自体のテキスチャ変化の程度に応じて、1%〜3%の変調強度を有する。

0028

本発明におけるウォータマークはその埋め込みレベルを調整できる。その埋め込みレベルを通常の視覚能力を有する人にとっては比較的不可視になるように選択する。ウォータマークが存在しないときに画像内にウォータマークがフォルスポジティブ検出される確率は、100万分の1未満になる。必要な不可視分類と一致して必要な程度にウォータマークを検出可能にすることができるように、画像上に付与されたウォータマーキングの程度を変更することは可能である。検出されたウォータマークは、比較的きわだった特徴を有し、非常に高い明度比を備えた、認識可能な可視画像に変換可能である。付与後のウォータマークは、ディジタル化画像の有用性または価値あるいはその両方を低減せずに除去したり検出不能にすることが非常に困難である。

0029

本発明の一実施例では、不可視ウォータマークでディジタル化画像にマーキングするには、ウォータマーキング用の平面を形成することが必要である。この不可視ウォータマークは、ここでは、I個の行とJ個の列を有する数値要素からなる矩形アレイとして表され、以下、ウォータマーキング平面という。このI個の行とJ個の列は、それが適用される元のディジタル化画像全体またはその一部分の寸法に対応する。

0030

元のディジタル化画像が非常に大きい場合、生成済みウォータマーキング平面が元の画像全体を覆うのに十分なほど大きくなければ、画像全体を覆うために必要な方向に複写をタイル張りすることによって拡張される。このようにタイル張りされたウォータマーキング平面が元の画像のエッジを越えて拡張された場合、その平面は切り詰めるべきであると想定される。このような規則をこの実施例に採用すると、元の画像のすべてのピクセルの輝度を変更させ、マーキングした画像のサイズが元の画像と等しいことを確認することができる。これにより、ウォータマーキング平面内の要素位置と元の画像のカラー平面内のピクセルとの間に1対1の対応関係が形成される。代替実施例では画像全体にウォータマーキングする必要がないとしても、これは一般に望ましい実施態様である。

0031

好ましい実施例では、ウォータマーキング平面を定義するアレイ内の各要素の値は、以下の範囲の乱数になるように線形に再マッピングされる。
1≧w(i,j)≧(1−2β) (1)
式中
1≦i≦I および (2)
1≦j≦J (3)
これはアレイの行および列インデックスであり、βは以下の関係になるようなウォータマークの変調強度である。
0.1≧β≧0 (4)
さらに、生成済みウォータマーキング平面内のすべての要素は、集合として扱われ、1−βという平均および中央値を有するように調整される。

0032

画像上のウォータマークの付与は、このウォータマーキング平面の生成から始まる。ウォータマークは、元の画像の各ピクセルのカラー平面に関連するすべての付与輝度値にウォータマーキング平面内のそれに対応する要素内の値を掛けることにより、元の画像上に付与される。

0033

ウォータマーキング平面の構築
ウォータマーキング平面の構築は、付与されたウォータマークの強耐性さとそれが確定した攻撃にすら耐えられる能力との保証にとって基本的なものである。このため、ウォータマーキング平面要素の値を選択する手順は、暗号および2次元信号処理理論の技法に基づくものになる。これらは、ウォータマーキング平面の特定の必須特性を満足するために使用する。

0034

予測不能なランダム性という特性
次に、予測不能なランダム性という特性を満たすためのウォータマーキング平面要素の値について検討する。予測不能なランダム性では、各要素の値がその近隣の値からランダムに変化しなければならず、要素値からなる順序は本質的に予測不能でなければならない。ウォータマークが比較的不可視になるためには、諸要素のランダム変化が必要である。パターン認識は人間の視覚系統の最も顕著な特徴の1つなので、ウォータマーキング平面の諸要素間に何らかのパターンが存在すると、それが目に見えるようになるはずである。ウォータマークを強耐性にし、攻撃に対してあまり脆弱ではないようにするには、値の順序が予測不能である必要がある。ウォータマーキング平面内のすべての値を予測できる場合、ウォータマーキング・プロセスは容易に見破られ、マークも除去できることが分かっている。そのため、これは、マーキングした画像をマーキングしていない元の画像のほぼ完全なコピーに本質的に復元するために使用できるはずである。したがって、非常に予測不能な乱数列を生成する手段が好ましい。

0035

ほぼすべての一般的な擬似乱数生成アルゴリズムを代表する合同方法によるランダム値の生成は、ここでは妥当なレベルの予測不能性をもたらすものと見なさない。このような乱数列は、控えめな暗号強度のみを有し、暗号分析技法によって比較的容易に識別可能である。これについては、J. HastadおよびA. Shamirによる"The Cryptographic Security of Truncated Linearly Related Variables"(Proceedings of the 17th AnnualACMSymposium on the Theory of Computing、1985年、356〜362ページ)に記載されている。

0036

本発明のため、National Standard Data Encryption Algorithmなどの強力な暗号方法を使用することによって順序を生成する。これについては、"AmericanNational Standard Data Encryption Algorithm"(ANSIX3.92-.1981, AmericanNational StandardsInstitute、ニューヨーク)およびA. G. Konheim他による"The IPS Cryptographic Programs"(IBM System Journal、Vol. 19、No. 2、1980年、253〜283ページ)に記載されている。

0037

暗号化すべき8ビットの値からなるデータ・シーケンスは、マーカーによって選択され合同アルゴリズムによって生成される。強耐性で確実なシーケンスは、そのデータに対する強力な暗号化アルゴリズムの作用によって生成される。この手法を使用すると、非常に予測不能なウォータマーキング平面を生成することができる。しかも、その4つの「強耐性ウォータマーキング・パラメータ」のみを把握することにより、それを正確に複製することができる。このようなパラメータは、合同アルゴリズムの初期状態と2つの係数、および暗号化アルゴリズムが使用する暗号キーである。一般にこのようなアルゴリズムは8ビットを有する値からなる順序を生成する。α(i,j)という16ビット値は、暗号化アルゴリズムによって生成される順次8ビット値のうちの2つを連結することによって生成される。このように生成された各16ビット値は、以下のようにウォータマーキング平面を定義するアレイの1つの要素になるように線形再マッピングされる。

0038

低周波内容という特性
もう1つ考慮すべき重要な点は、低周波内容という特性を利用する実施例に関するものである。すべての要素に固有のランダム値を入れることによってウォータマーキング平面を作成すると、その結果、相当な高周波内容が得られる。高周波内容はウォータマークの可視性を低下させる際に有益であるが、それによってウォータマークの損傷または消滅になるような攻撃に対して脆弱になる。これは、以下の検討から明らかである。ディジタル画像で達成可能な最高パターン周波数は、反対の極値を有する1対の隣接ピクセルを複製することによって得られる。画像のサイズを低減する場合、画像縮小フィルタを使用すると、隣接ピクセルの値が加重平均で結合され、縮小画像ピクセル値を形成する。画像デシメーションを使用すると、ピクセルは選択的に廃棄される。いずれの場合も、縮小画像では元の画像の高周波内容が失われる。縮小画像では、付与されたウォータマーキング平面内の相当な高周波内容は抹消された状態になる。サイズ低減前に付与されたウォータマークを後で検出することは、不可能ではないとしても、非常に困難である。低周波内容を意図的に追加すると、ウォータマークはこのタイプの攻撃に対してあまり脆弱ではなくなる。しかし、ウォータマーキング平面内に相当な低周波内容を故意に含めることは、相反する2つの点を考慮しなければならない。それを含めることによって、ウォータマークは通常の画像操作に対してあまり脆弱ではなくなり、したがって、より容易に検出可能になる。しかし、一般にこれは、ウォータマーキング平面内により大きい特徴を備えたパターンを生成することにより、ウォータマークの可視性を高める。一般に、制御した量の低周波内容のみを追加することが好ましい。

0039

元のウォータマーキング平面に低周波内容を故意に追加することは、離散次元フーリエ変換を使用することによって一実施例で実施される。第1に、前述の確実なシーケンスによりその要素が均一に分散されたランダム値になるような、サイズを低減したウォータマーキング平面を形成する。説明のため、0≦μ≦L−1行と0≦v≦L−1列とを有する正方形平面w(μ,v)を使用する。この正方形平面の離散フーリエ変換を計算する。w(μ,v)のすべての値が実数なので、その複素共役対称から利点が得られる。完全なフーリエ変換は、0≦σ≦L−1と0≦τ≦L/2という寸法を有する複素数W(σ,τ)からなるアレイとして指定することができ、以下のように表される。
W(σ,τ)=F[w(μ,v)] (5)
周波数定義域アレイW(σ,τ)空間は拡張アレイW(s,t)に再マッピングされる。式中:
0≦s≦LK−1、0≦t≦LK/2、およびLK=2ρL (6)
したがって、(s,t)空間を形成する各寸法の係数2ρ分だけ(σ,τ)を拡大する。W(0,0)が定数または「ゼロ周波数」の項の係数になるようにW(σ,τ)が定義された場合、以下のようになる。
W(LK−s,t)=W(L−σ,τ) (7)
および
W(s,t)=W(σ,τ) (8)
ただし、以下の場合である。
0≦s=σ≦L/2 および 0≦t=τ≦L/2 (9)
また、
W(s,t)=0 (10)
これは、sおよびtが他のすべての値の場合である。この技法は、ここでは「ゼロ埋込み」という。

0040

W(s,t)の逆フーリエ変換では、0≦m≦L−1行と0≦n≦L−1列とを有する変更済みウォータマーキング平面w(m,n)が得られる。たとえば、ρ=2かつL=512である場合、w(m,n)は2048個の行と列とを有する正方形のアレイである。しかし、より重要なことに、w(m,n)は、20482の画像平面内で可能な最小期間より4倍長い最小期間(2ρ=22=4)を備えた確実な低周波コンテンツを有する。その生成カーネルw(μ,v)は確実なシーケンスから取った262144個のランダム値を含むので、粗暴な強制複写による攻撃に対するその脆弱性は比較的小さい。このようにマーキングした画像が脆弱に見える場合、そのカーネルは容易に拡大することができる。

0041

ρ=3を使用して、最高周波数が元の最高周波数の1/8になるようにすることによって、さらに低い周波数内容印象づけることができる。好ましい実施例では、ウォータマークを不必要に可視状態にすることができる低周波内容を過度に使用しないようにρ=2を使用する。

0042

これまでに生成された生成済みウォータマーキング平面の一部の要素の値は1を上回る場合がある。各値はピクセル輝度の乗数として使用されるので、物理的に表示不可能な輝度である1より大きい乗算済みピクセル輝度を生成することは可能である。この場合、1より大きい乗算済みピクセル輝度は、表示可能な最大値までクリッピングしなければならないはずである。しかし、好ましい実施例では、クリッピングが必要になる可能性を回避するために追加のプロセス・ステップを使用する。生成された変更済みウォータマーキング平面を使用する前に、集合を形成するその要素は、その平均および中央値が1−βになり、最大値が1になるように調整される。このような調整の場合、以下の要件が満足される。
1≧w(i,j)≧(1−2β) (11)
これは、すべてのiおよびjの場合である。この時点で、諸要素を「ハード・クリップ」すると有利である場合がある。このような状況では、1−βより大きいかこれと等しい値を有する要素は1に設定され、1−β未満の値を有する要素は1−2βに設定される。通常、ハード・クリッピングによりウォータマークを検出する確率が高くなるが、残念ながら、マーキングした画像内でウォータマーキング人工物がより見やすくなる傾向もある。

0043

タイル張りによる平面拡張という特性
逆離散フーリエ変換の結果としてウォータマーキング平面w(m,n)が生成されるということは、非常に有用なことである。ウォータマーキング平面がマーキングしていない画像全体を覆うのに十分な大きさではない場合、L<IまたはL<Jであれば、ウォータマーキング平面を画像全体を覆うように所望の大きさに拡張するために下方向にまたは右側に、元平面をタイル状に敷き詰めることによって、シームレスに拡張することでき、4194304個までの要素を敷き詰めることができる。ここで使用する寸法例の場合、複写のタイル張りは以下のようになる。
w(m',n')=w(m,n) (12)
式中
m'=(2048p)+m (13)
n'=(2048q)+n (14)
また、pおよびqは負でない整数である。

0044

一実施例のウォータマーキング平面は、図2に示すステップ202〜216により形成される。これらのステップは、ここでは「理想的補間ウォータマーキング平面生成方法」という。第1に、202で8ビットの擬似乱数列を生成する。204では、得られる乱数列を暗号化して、8ビット値からなる確実な順序を形成する。206では、この確実な順序からの2つの隣接値を連結することによって、16ビット整数サンプルを形成する。208では、以下の関係になるように、16ビット整数サンプルを線形再マッピングし、w(μ,v)アレイに形成する。
1≧w(μ,v)≧(1−2β) (15)
210では、w(μ,v)からフーリエ変換周波数定義域アレイW(σ,τ)を計算する。212では、ゼロ埋込みによりW(σ,τ)を拡張し、拡張周波数定義域アレイW(s,t)を形成する。214では、W(s,t)の逆離散フーリエ変換を取ることにより、予備ウォータマーキング平面アレイw(m,n)を計算する。216aでは、まとめて(1−β)という平均および中央値と1という最大値とを有するように、予備アレイw(m,n)の諸要素を調整する。あるいは、216bで、1または1−2βという値と、1−βという中央値のみを有するように、諸要素w(m,n)をハード・クリップする。その結果得られる調整済みアレイw(m,n)は、ウォータマーキング中の画像の対応するピクセルを調整するために使用する輝度倍率である要素を備えたウォータマーキング平面になる。

0045

ここで提示する方法は、ウォータマーキング平面を生成するために前方および逆離散フーリエ変換を使用し、確実な低周波内容を備えた「理想的補間」である。当業者にとって既知の他の方法も使用可能である。このような方法としては、受け入れられる結果を生成するために同様に使用可能な2次元補間フィルタを使用する方法がある。

0046

次に、マーキングしていない元のディジタル画像上に、生成したウォータマーキング平面を付与する方法を示す。図3はウォータマークを付与するための諸ステップフローチャートである。第1に、302では、ウォータマーキング中の画像を完全に覆うようにタイル張りすることにより、ウォータマーキング平面を拡張する。これにより、拡張ウォータマーキング平面内の要素と元の画像内のピクセルとの1対1の対応関係が形成される。304では、元のディジタル画像の各ピクセルの輝度値に拡張ウォータマーキング平面内の対応する要素の値を掛ける。この値が最終的にマークを埋め込まれた画像の輝度値である。すなわち元のディジタル画像の各ピクセルの輝度値とウォータマーキング平面内の対応する要素の値を掛けた値によりウォータマーキングした画像が形成される。そして所望の可視性分類レベルのマーキングに関して、画像内のウォータマークの相対可視性を観察する。マーキングの可視性が指定より高い場合は、より低い変調強度で図2および図3の諸ステップを繰り返す。一般に、より低い変調強度で作成されたウォータマークは検出し、存在を示すのがより難しくなる。逆に結果として得られるウォータマークの可視性が指定より低い場合、より高い変調強度でウォータマークを付与するよう、図2および図3の諸ステップを繰り返す。一般に、より高い変調強度で作成されたウォータマークは、検出し、その存在を示すのがより容易になる。不可視ウォータマークは検出し、存在を示すことができて初めてその目的を達成する。

0047

マーキングした画像に隠された不可視ウォータマークの検出
ウォータマークの存在を、特徴のある可視画像によって示すことが最も望ましい。これは、ここでは、「ビジュアライザ」と呼ばれる画像アレイを使用して行われる。本発明により付与されたウォータマークの存在を示すには、それによってマーキングされたウォータマーキング平面の再生成が必要である。これは、一般に、本出願の「強耐性ウォータマーキング・パラメータ」を構成する4つのパラメータを単独で把握しているマーカーまたはマーキング・エンティティあるいはその両方によってのみ実行することができる。このようなパラメータは、ウォータマーキング平面を形成する際に使用する強耐性なランダム順序を生成するために必要である。この4つのパラメータから、強耐性なランダム順序が再形成される。この順序の値は、諸要素の値を定義するために使用する。ウォータマーキング平面の生成時に線形再マッピング・プロセスを使用した場合、拡張ウォータマーキング平面を再定義するために同じプロセスを使用し、要素値を線形再マッピングする。このように再形成した拡張ウォータマーキング平面は、画像内の拡張ウォータマーキング平面の存在を示すためにビジュアライザとともに使用する。これは、ウォータマーク検出の考慮事項概要に続いて後述するように実施する。

0048

マーキングしたディジタル化画像に隠された不可視ウォータマークの検出は比較的難しい問題であり、行われた可能性のあるマーキング済み画像の操作によってさらに難しくなる。ウォータマークは、それ自体では使用可能性を上回るほど画像を損傷しないような画像操作に耐えられ、そのために検出可能である。本発明の検出方法は、このようなほぼすべての場合に高度の確実性を持って付与されたウォータマークを検出することができる。本方法の重要な利点は、ウォータマークを検出するために元の画像全体のコピーへアクセスする必要がないことである。ほとんどの場合、必要なものは、画像上にウォータマークを付与するために使用したウォータマーキング平面のみである。ウォータマーキング平面の完全なコピーは、その4つの定義パラメータから再構成される。元の画像のコピーまたはその一部分のみが使用可能な場合、検出の確率はいくらか高くなる可能性がある。

0049

ウォータマーキング平面の再方向付けおよびサイズ変更
ウォータマーク検出時の第1の考慮事項は、マーキングした画像をどのようにまたどの程度まで操作した可能性があるかを判定することである。画像はサイズが低減されている(つまり画像が縮小されている)可能性がある。サイズ低減は、その水平寸法垂直寸法が異なる係数分だけ低減されるように非線形に実行された可能性もありえる。また、画像は、明らかな90度ではなく、小さい角度分だけ、回転されたかもしれない。この判定を容易にするものは、未操作のマーキング済み画像内のピクセル値と、ウォータマーキング平面内の対応要素を比較することである。元画像の重要な部分が使用可能である場合、未操作のマーキング済み画像の一部分を再構築することができるので、再構成したウォータマーキング平面またはマーキングした画像の再構築部分のいずれかを、適当な「相関基準面」にする。

0050

操作したウォータマーキング済み画像を再構築するための諸ステップの概要を図4に示す。第1に、402では、一般にマーカーまたはマーキング・エンティティあるいはその両方にとってのみ既知の4つの「強耐性ウォータマーキング・パラメータ」から、画像上にウォータマークを付与するために使用するウォータマーキング平面を再生成する。第2に、404では、その既知の元の寸法に応じてマーキングした画像をサイズ変更し、回転させる。第3に、406では、それぞれの諸要素と他の諸要素との1対1の対応関係を提供するように、サイズ変更し回転させた画像を拡張し再生成したウォータマーキング平面と位置合せする。

0051

実際の実施態様では、マーキングした画像の再方向付けおよびサイズ変更の諸ステップを粗配置とそれに続く精密位置合せとに分解することができる。粗配置は、対応する部分または完全な相関基準面の上に重なる一部分または完全なマーキング済み画像の表示コピーの目視検査によって実行される。相関基準面は、軸の縮小または拡大、変換、回転、あるいはこれらの組合せによって、マーキング済み画像のサイズおよび向きに応じて再方向付けおよびサイズ変更が行われる。これは、当業者にとって周知の技法を使用して実施される。一般に粗配置により、相関基準面は操作したマーキング済み画像のサイズの4パーセントの範囲内に入り、その向きから4度の範囲内に入る。

0052

図5は、粗配置を実行するための実施例に関する諸ステップを示す。502では、マーキング済み画像と相関基準面の両方を共通ディスプレイ上に表示する。504では、表示した相関基準面が表示した操作済みマーキング済み画像の対応部分の上に厳密に重なるようにするため、相関基準面表示垂直軸および水平軸の拡大、オフセット角回転を変化させる。506では、拡大/縮小係数、水平および垂直オフセット回転角の値を書き留め、格納する。508では、それが視覚的に相関基準面と一致するように、マーキング済み画像全体を書き留めた値の逆数分だけ再スケーリングし、変換し、回転させる。このように粗操作を行った再構成済みマーキング済み画像は、精密位置合せを行うためにさらに操作される。

0053

フーリエのシフト定理、回転定理、スケーリング定理によれば、変換、回転、およびスケーリングの特徴は、画像のフーリエ変換を経た後、w(m,n)内に存在する場合、それぞれの特徴はW(s,t)内にも存在することになる(スケーリングの場合は、その逆数が存在することになる)。これは、マーキング済み画像に対する相関基準面のより精密な回転角、水平および垂直スケールファクタ、変換オフセットを決定するために有用である。これは、まず3次元の「位相相関最大値のアレイ」を構築することによって実施される。このアレイの3本の軸は、マーキング済み画像に対する相関基準面の水平スケール・ファクタ、垂直スケール・ファクタ、回転角に対応する。位相相関は以下のように定義される。W(s,t)を相関基準面の離散フーリエ変換とし、U(s,t)をマーキング済み画像u(m,n)のフーリエ変換とし、U*(s,t)をU(s,t)の複素共役(complex conjugate)とする。位相相関平面p(m,n)は以下の関係を使用して計算する。

0054

各アレイ点の値は、対応する位相相関平面の最大規模である。これは、増分方式で再スケーリングし回転させた相関基準面を使用して計算される。マーキング済み画像のカラー平面のいずれか1つでも必要なアレイu(m,n)として十分である。3次元アレイの値間の補間により、最大位相相関最大値のうちの最大値の座標が得られる。これらの座標からは、マーキング済み画像に対する相関基準面の水平および垂直スケール・ファクタと回転角の値が直接読み取られる。次に、より精密にそれを操作済みマーキング済み画像に位置合せするために、相関基準面を再スケーリングし、回転させる。操作済みマーキング済み画像に対する変更済み相関基準面の水平および垂直相対オフセットを決定するために、最終位相相関評価を行う。最後に、その元のサイズおよび向きに応じてそれを復元するために、測定に応じてマーキング済み画像全体を再スケーリングし、変換し、回転させる。このように変更したマーキング済み画像は、操作済みマーキング済み画像内のウォータマークの存在を示すために検出および表示プロセスで使用できる状態になっている。

0055

一実施例では、マーキング済み画像に対する相関基準面の精密位置合せは、位相相関最大値からなる3次元アレイを評価し、次にそのアレイ内で補間してこれらの最大値のうちの最大値の位置を見つけることによって行われる。アレイの軸は、相関基準面に対して系統的に適用される水平拡大、垂直拡大、角回転である。以下の増分ステップの組合せは、いずれもアレイの座標の値を定義するものである。w(m,n)の垂直軸は、2%ずつの増分でその元のサイズの96%から104%まで拡大/縮小される。同様に、w(m,n)の水平軸は、2%ずつの増分でその元のサイズの96%から104%まで拡大/縮小される。また、同様に、w(m,n)は、−5度から+5度まで2度ずつ、その元の向きに対して回転される。相関基準面の垂直拡大と水平拡大と角回転との組合せごとに、位相相関平面p(m,n)が上記のように再計算される。その平面内のポイント値p(m*,n*)の最大値は、垂直拡大、水平拡大、角回転の増分調整値のそれぞれに対応する座標における位相相関最大値からなる3次元アレイに格納される。

0056

この実施例の流れ図は図6に示す。当業者であれば、ディジタル化画像を拡大/縮小して回転するために使用可能な十分なアルゴリズムが数多く存在することが分かっている。このようなアルゴリズムのいずれも、以下の説明に示す相関基準面の操作に使用することができる。上記のように、602では、マーキング済み画像の離散フーリエ変換U(s,t)を形成する。604では、垂直拡大Vm=0.96、水平拡大Hm=0.96、角回転Ar=−5゜という変数を段階的にするために初期値を設定する。606では、相関基準面をVmに応じて垂直に拡大/縮小する。次に608では、このように調整した面をHmに応じて水平に拡大/縮小する。次に609では、このように調整した面をArに応じて角回転させる。610では、このように調整した面の離散フーリエ変換W(s,t)を形成する。611では、等式(16)の関係を使用して、位相相関平面p(m,n)を計算する。612では、その最大値の座標(m*,n*)を見つけるためにp(m,n)平面を検査する。これらの座標(m*,n*)およびp(m*,n*)を形成中の3次元アレイに格納する。613では、この3次元アレイにVm、Hm、Arでインデックスを付ける。614では、Arの値を検査する。それが+5度未満である場合、615で+2度ずつ増分し、ステップ614でArが+5度であると判明するまで、ステップ609〜614を繰り返す。ステップ614でArが+5度であると判明すると、616でHmの値を検査する。Hmが1.04未満である場合、617でそれを0.02ずつ増分し、Arを−5度に再初期設定する。ステップ616でHmが1.04であると判明するまで、ステップ608〜616を繰り返す。Hmが1.04であると判明すると、618でVmを検査する。Vmが1.04未満であると判明した場合、619でそれを0.02ずつ増分し、Arを−5度に初期設定し、Hmを0.96に初期設定する。ステップ618でVmが1.04という値を有すると判明するまで、ステップ606〜618を繰り返す。Vmが1.04であると判明すると、620で最大ピークのうちの最大値を見つけるために3次元アレイの値を補間する。その結果得られる最大ピークの最大値の座標は、相関基準面に対して操作済みマーキング済み画像を最適に位置合せするための垂直乗数、水平乗数、回転角の最終値を示す。これに対応する最大値のうちの最大値のm*およびn*の結果値は、相関基準面に対する操作済みマーキング済み画像のオフセット変位を示す。次に、見つかった垂直乗数および水平乗数の逆数分だけ、操作済みマーキング済み画像を再スケーリングする。622でこれは、見つかった角回転の逆数(マイナス)分だけ回転し、m*およびn*のマイナス値分だけオフセットする。これで、再方向付けおよびサイズ変更の精密設定プロセスが完了する。

0057

相関基準面または操作済みマーキング済み画像の一方に対してサイズ変更および再方向付けを行って、一方をもう一方に位置合せすることができることは、当業者には明らかになるだろう。好ましい実施例では、操作済みマーキング済み画像に対してサイズ変更および再方向付けを行って、それを相関基準面に位置合せし、その結果、ウォータマーキング平面との要素間位置合せを行う。

0058

マーキング済み画像内のウォータマークの検出
ウォータマーク検出のプロセスは、その最終製品として視覚的に認識可能な小さい画像を生成するように設計されている。この認識可能な最終製品は、確実なランダム順序に基づくウォータマークの存在および把握に依存する手順で得られる。このプロセスでは、非常に精巧であるがまだ完全には理解されていない人間の視覚系統のパターン認識能力を活用する。この活用により、付与されたウォータマークを無効にすることが非常に困難になっている。検出プロセスを実施するためにセレクタという小さい矩形アレイが考えられている。このセレクタ・アレイ・サイズは、それが適用されるマーキング済み画像のピクセル・アレイよりかなり小さくなければならない。これは、オーバラップせずに画像上にセレクタを何百倍も乗せられるようにするためである。セレクタ・アレイは、同じ寸法を有するピクセル・アレイが認識可能なバイナリ画像を含むことができるように十分な大きさになっていなければならない。もっと複雑な実施例では、基準としてバイナリ画像ではなくカラーを使用する。ここに記載する実施例では、32行と128列を有するセレクタを使用する。これは、100万個以上のピクセルを有するマーキング済み画像に適用される。

0059

セレクタは、マーキング済み画像内のピクセルの矩形クラスタとそれに対応する再構成済みウォータマーキング平面内の要素のクラスタとを突き止めるために使用する。クラスタは、ランダムに分散した非オーバラップ位置である。クラスタのランダム分散は、ウォータマーク保護を無効にしようという試みをさらに阻止するために行われる。セレクタの各要素は、ウォータマーク検出方式の部分結果を格納するために機能する変数に関連する1つまたは複数のデバイスを含む。一実施例では2つのセレクタ・デバイスを使用するが、一方は「一致カウンタ」、もう一方は「不一致カウンタ」という。

0060

1つの要素の属性をその近隣要素の属性に十分関連付けるような変数が定義される。マーキング済み画像内の各ピクセルごとに、そのピクセルについて第1の変数が計算され、再構成済みウォータマーキング平面内のそのピクセルの対応要素について第2の変数が計算される。計算した第1の変数が計算した第2の変数と同じ結果あるいはほぼまたは十分同等と思われる結果を有する場合、正のテスト結果が得られる。結果同士が互いに異なると思われる場合、テスト結果は負になると思われる。第1の変数は、そのピクセルのカラー平面のそれぞれについて再計算され、第2の変数と比較される。そのセレクタ要素に関連する一致カウンタは、正の結果を生成する各カラー平面ごとに1ずつ増分され、不一致カウンタは、負の結果を生成する各カラー平面ごとに1ずつ増分される。各要素の一致カウンタおよび不一致カウンタの目的は、マーカーまたはマーキング・エンティティあるいはその両方にとってのみ既知のランダム順序を備えたウォータマークの識別確信度レベルをその要素に関連付けることである。

0061

三刺激カラー画像の場合ならびに各ピクセル・クラスタの場合、各一致カウンタ値の範囲は0から+3までである。3つのカラー平面すべてについてテスト結果が負になった場合に0が得られる。3つの平面すべてについてテスト結果が正になった場合に+3が得られる。各不一致カウンタの範囲も0から+3までであるが、逆に3つの平面すべてについてテスト結果が正になった場合に0が得られ、3つの平面すべてについてテスト結果が負になった場合に+3が得られる。各一致カウンタのカウントは、各クラスタ位置対応ピクセルに関する正の結果のカウントの累積和であり、各不一致カウンタのカウントは、各クラスタ位置の対応ピクセルに関する負の結果のカウントの累積和である。一致カウンタ値がそれに対応する不一致カウンタの値より大きい場合、その一致カウンタ値は部分ウォータマーク検出に関連する。セレクタの過半数の要素に関して複数の一致カウンタ値がそれに対応する不一致カウンタ値より大きいということは、検出されたウォータマークによる結果であり、そのウォータマークに対応する。

0062

一実施例では、テスト結果または比較あるいはその両方は減算操作によって行われる。特定の実施例で使用する属性はそのピクセルの輝度値である。統計的関係は、近隣ピクセルの平均輝度値に関するものである。この場合、ウォータマーク検出は図7図8に示す諸ステップを続行する。702では、セレクタ・アレイ・サイズを選択する。この例のセレクタ・アレイ・サイズは32×128要素である。704では、0を示すように設定することによって、すべての一致カウンタと不一致カウンタを初期設定する。706では、セレクタの指定の特定の要素を拡張ウォータマーキング平面の初期位置に置く。この特定の第1の要素は、その左上隅にあるセレクタ要素である場合が多い。この特定の要素は、マーキング済み画像が拡張ウォータマーキング平面と位置合せされているときに、マーキング済み画像のすべてのカラー平面内の対応ピクセルとその成分も突き止める。

0063

すべてのセレクタ要素について、各ピクセルのすべてのカラー平面について、また選択したすべてのクラスタについて、検出方式の以下の部分を反復して繰り返す。708では、再生成した確実なランダム順序から、次の2つの8ビット整数を選択する。第1のセレクタ要素についてこの方式を開始した場合、このステップ708で選択した次の2つの8ビット整数は、実際には確実なランダム順序の最初の2つの8ビット整数である。710では、この2つの8ビット整数をスケーリングして、初期のまたは前のセレクタ位置からのランダムな水平および垂直オフセットを形成し、セレクタをその位置まで移動する。711では、セレクタ要素順序を初期の特定のセレクタ要素の座標にリセットする。712では、このセレクタ要素を使用して、ウォータマーキング平面内の対応する特定の要素を突き止める。713では、ウォータマーキング平面内のその近隣要素の平均値を計算する。この例では、これは、正方形の中心に特定の要素が位置する11×11要素の正方形内に存在する特定要素の近隣要素の値の平均である。セレクタ要素がウォータマーキング平面のエッジに近すぎてその近隣の中心にすることができない場合、特定の要素の最も近い120個の既存の近隣要素を包含するように近隣正方形を移動する。

0064

714では、次のカラー平面を選択する。この反復方式の開始時には、このような次のカラー平面は実際には第1のカラー平面である。モノクロ画像の場合、これは唯一のカラー平面である。715では、特定のセレクタ要素の座標を使用して、このような次のカラー平面内の対応するピクセル・カラー要素を突き止める。716では、ウォータマーキング平面要素に関して前述したものと同じ方法で、近隣の120個のピクセル・カラー要素の平均輝度を計算する。特定のウォータマーキング平面要素および対応するピクセル・カラー要素の値をそれぞれの近隣平均と比較する。717で両方の値がそれぞれの近隣平均と等しいかまたはそれより大きい場合、あるいは718で両方の値がそれぞれの近隣平均より小さい場合、719aでその特定のセレクタ要素の一致カウンタを増分する。一方の値がそれぞれの近隣平均より小さく、もう一方の値がそれぞれの近隣平均と等しいかまたはそれより大きい場合、719bでその特定のセレクタ要素の不一致カウンタを増分する。その対応不一致カウンタ内の値の大きさに対する各一致カウンタ内の値の大きさは、ウォータマーク順序妥当性検査の確率に関連する。

0065

720では、その対応輝度をその近隣平均に関してテストするためにすべてのカラー平面を選択したかどうかの判定を行う。すべてを選択したわけではない場合、プロセスは、次のカラー平面を選択するためにステップ714に戻る。このカラー平面についてステップ715〜720を繰り返す。これは、すべてのカラー平面がテストされたことをステップ720が示すまで続けられる。最後(または唯一)のカラー平面をテストすると、724でそのセレクタ用のすべての要素を選択したかどうかの判定を行う。すべてを選択したわけではない場合、726で次のセレクタ要素を選択する。一般に、次の要素はその行における右側の隣接要素である。その行において隣接要素が一切ない場合、次の要素は次のセレクタ行内の左端の要素である。このような次のセレクタ要素は次の特定の要素になる。すべてのセレクタ要素を選択しテストするまで、ステップ712〜724を繰り返す。すべての要素を選択したとステップ724で判定すると、728ですべての非オーバラップ・セレクタ位置を選択したかどうかの判定を行う。すべてを選択したわけではない場合、すべてのセレクタ要素およびマーキング済み画像のカラー平面について、ステップ708〜728を繰り返す。すべてのセレクタ位置をテストしたとステップ728で判定すると、すべての一致カウンタはそのテスト結果値を有する。

0066

図9は、図7図8のプロセスの実施によるセレクタ平面802内のセレクタ810の位置のランダムな全体を示す。図9は、マーキング済み画像の1つのウォータマーキング平面804と3つのカラー平面806〜808を示している。操作する第1のセレクタ要素は、それぞれのセレクタ位置のセレクタの一番上の左端の要素812である場合が多い。各セレクタ位置は前に選択した位置からランダムにオフセットされているが、位置同士が互いにオーバラップしないことに留意されたい。

0067

各一致カウンタおよび不一致カウンタ内に含まれる値は、マーカーまたはマーキング・エンティティあるいはその両方にとってのみ既知のランダム順序を備えたウォータマークの識別の確信度レベルをそれぞれの対応セレクタの要素に関連付けるものである。一致カウンタ値からそれぞれの不一致カウンタ値を引いた差の多数が負以外である場合、ウォータマークは検出されたと見なされる。したがって、このような負以外の差の全体を検査すれば、明らかにウォータマークが検出済みかまたは未検出かを宣言するのに十分である。実際に、これは、ウォータマーク検出技法の終了と見なすことができる。

0068

しかし、差の過半数が負以外であることは、いくらよくても不正確な基準であることが分かる。差の単純な大多数のみが負以外である場合、ウォータマークが検出されたかどうかは、せいぜい主観的な判断に過ぎないことは明らかである。最も可能性が高いのは、それが検出ではなかったと容認されることである。この判断を支援するため、本発明では、雑然としたフィールド内のパターンを認識するための人間の視覚系統の能力を利用する。これは、ビジュアライザというバイナリ画像を形成することによって達成する。ビジュアライザは、セレクタと同じ寸法(たとえば、32×128ピクセル)を有するように形成されている。明らかに認識可能なパターンがビジュアライザ内に置かれる。典型的なビジュアライザ・パターンを図10の900として示す。このビジュアライザを取り囲む黒い枠は、ビジュアライザ・パターンの一部とは見なさない。このパターンは、容易に認識可能なパターンを形成する黒と白のピクセル・ブロックの配置である。典型的なピクセル902は、Cという画像の下端に位置する。ビジュアライザ画像は、IBMという文字904と、著作権ロゴ906と、ビジュアライザ・フレーム908とを形成するピクセルを除き、完全に白である。

0069

ビジュアライザ・パターンは、一致カウンタの「多数」が負以外である実際の程度を示す可視画像を提供するために使用する。図11に示す方法ステップは、ビジュアライザ・パターンに関してウォータマーク・シグナチャを提供するために使用する。ウォータマーク・シグナチャは、一致カウンタの差データとともにビジュアライザ・パターンを使用して、ここで「ビジュアライザ一致画像」と呼ぶものを形成することによって得られる。

0070

一実施例では、図11に示すステップによってビジュアライザ一致画像が形成される。1002では、サイズがセレクタの要素アレイに等しいピクセル・アレイを有するビジュアライザ・パターンを形成する。ビジュアライザ・アレイは白と黒のピクセルから構成され、白には値1が、黒には値0が与えられる。ビジュアライザ一致画像のピクセル内容を判定するために、セレクタ・アレイのすべての要素が検査される。これを行うため、1004では、セレクタ要素順序をリセットし、その順序のうちの第1の要素を選択する。1006では、選択したセレクタ要素について、その対応する不一致カウンタ内のカウントをその対応する一致カウンタ内のカウントから減算して、差を形成する。1008では、その差の符号をテストし、それが負であれば、1010bでビジュアライザの対応ピクセルを反転して(白を黒に変更し、黒を白に変更する)、ビジュアライザ一致画像の対応ピクセル内に入れる。符号が正であれば、1010aでビジュアライザの対応ピクセルを未変更のまま、ビジュアライザ一致画像の対応ピクセル内に入れる。1012では、セレクタ要素順序をテストして、すべての要素を選択したかどうかを確認し、すべてを選択したわけではない場合、1014で次の要素を選択し、ステップ1006〜1012を繰り返す。すべてのセレクタ要素を選択した場合、1016でビジュアライザ一致画像を表示する。1018では、ビジュアライザ一致画像内のパターンをビジュアライザ・パターンの複写として認識するかどうかについて、判断を行う。そのように認識した場合、1020aでウォータマークを明確に検出する。そのように認識しない場合、1020bでウォータマークを検出しない。

0071

ビジュアライザ一致画像を構築する際に一致カウンタ内のカウントからその対応不一致内のカウントを引いた差の符号のみを使用する場合、各セレクタ要素ごとに1つのカウンタだけが必要だったことは、当業者にとって明らかである。その場合、図8のステップ719aは「セレクタの要素のカウンタを増分する」という表現になり、ステップ719bは「セレクタの要素のカウンタを減分する」という表現になるはずである。

0072

図12は、1%の変調強度で付与したウォータマークについて図9のビジュアライザから得られる検出結果1102を示す。すべての場合について前述したように、黒い枠はビジュアライザ一致画像の一部ではない。2%の変調強度で付与したウォータマークについて得られるビジュアライザのより強力な複写1202は図13に示す。4%の変調強度で付与したウォータマークについて得られるビジュアライザのさらに強力な複写1302は図14に示す。

0073

1つも含まない画像内またはそれに関するウォータマーキング平面を再構成できない画像内でウォータマークを検出しようという試みにより、認識不能なランダム混乱であるビジュアライザ・パターンが生成される。図15は、ウォータマークが検出されないときの典型的なビジュアライザ一致画像1402を示す。これは、多くのビジュアライザ要素が反転されたときの結果である。多数の要素が反転を必要としない場合、それはウォータマークの検出を示す。実際にこの方法は、フォルスポジティブ検出の確率が極めて低い。高度テキスチャ・マーキング済み画像でも、ビジュアライザ・パターンは、非常に高い信頼性のウォータマーク検出を意味するように明らかに認識可能なものでなければならない。

0074

その差の代数符号のみを使用した場合、上記で利用した一致カウンタ値および不一致カウンタ値にはより多くの情報が存在することは明らかである。ビジュアライザ画像をビジュアライザ一致画像に変換するための代替方法では、各一致カウンタ値の大きさとそれに対応する不一致カウンタの値の大きさとを使用する。C(i',j')がセレクタ要素i',j'に関連する一致カウンタの値であり、C'(i',j')が対応する不一致カウンタの値である場合、その差e(i',j')の正規化した大きさは以下の通りである。

0075

この場合、ビジュアライザ画像は、ビジュアライザ画像内の各ピクセルをビジュアライザ・ピクセル値が1のときに対応するe(i',j')の値で置き換え、ビジュアライザ・ピクセル値が0のときに1−e(i',j')の値で置き換えることによって、ビジュアライザ一致画像に変換される。ただし、ビジュアライザ一致画像はもはやバイナリ画像ではないが、黒から白までの範囲のグレイの陰影を含むことに留意されたい。ビジュアライザ内に置かれたパターンがビジュアライザ一致画像で認識可能であるかどうかに関する判断は前と同じなので、1つも含まない画像内または1つを含むがそれに関するウォータマーキング平面を精密に再構成できない画像内の既知のウォータマークの存在を検出しようという試みにより、ビジュアライザ一致画像内に認識不能なランダム混乱が依然として発生する。

0076

したがって、この方式では、一致カウンタと不一致カウンタ内の実際の値の方を利用する。また、各要素が黒か白(0または1)のいずれかである、黒白要素のビジュアライザ画像パターンを依然として使用する。しかし、結果として得られるビジュアライザ一致画像の要素は、表示されたときに様々なレベルのグレイの陰影を有するように、0〜1の範囲の値を有する。

0077

この代替方式の実施例については図16に示す。1502では、サイズがセレクタの要素アレイに等しいピクセル・アレイを有するビジュアライザ・パターンを形成する。ビジュアライザ・アレイは白と黒のピクセルから構成され、白には値1が、黒には値0が与えられる。ビジュアライザ一致画像のピクセル内容を判定するために、セレクタ・アレイのすべての要素が検査される。これを行うため、1504では、セレクタ要素順序をリセットし、その順序のうちの第1の要素を選択する。1506では、選択したセレクタ要素について、その対応する一致カウンタ内のカウントと不一致カウンタ内のカウントとの合計に対するその対応する一致カウンタ内のカウントの割合を計算する。1508では、対応するビジュアライザ・ピクセルのカラーをテストし、それが黒であれば、1510aでその割合を1から引いた数をビジュアライザ一致画像の対応ピクセル内に入れる。ビジュアライザ・ピクセルが白であれば、1510bでその割合を未変更のまま、ビジュアライザ一致画像の対応ピクセル内に入れる。1512では、セレクタ要素順序をテストして、すべての要素を選択したかどうかを確認し、すべてを選択したわけではない場合、1514で次の要素を選択し、ステップ1506〜1512を繰り返す。すべてのセレクタ要素を選択した場合、1516でビジュアライザ一致画像をコントラストの高いモノクロ画像として表示する。1518では、ビジュアライザ一致画像内のパターンをビジュアライザ・パターンの複写として認識するかどうかについて、判断を行う。そのように認識した場合、1520aでウォータマークを明確に検出する。そのように認識しない場合、1520bでウォータマークを検出しない。

0078

この説明は特定の実施例、技法、配置に関するものであるが、本発明の意図および概念は他の実施例、技法、配置にも適している。たとえば、操作済みマーキング済み画像内のウォータマークの存在を示す際の明らかな選択および最後の手段の選択は、マーキングしていない元のディジタル化画像のコピーにもう一度ウォータマークを付与することと、再構成したマーキング済み画像のカラー平面をウォータマーキング平面の理想的な代用品として使用することである。この代替方法の欠点は、マーキングしていない元の画像のコピーへのアクセスが必要である点である。ビジュアライザは、複数のカラー平面を有することもできる。ビジュアライザは、ビジュアライザの各ピクセルに関連する少なくとも1つの統計値を有することにより、セレクタなしで使用することができる。また、再構成したウォータマーキング平面上のセレクタの順次再位置決めは、非オーバラップである必要はない。好ましい実施例の非オーバラップ・セレクタ位置は、計算上の単純化のみを表す。また、マーカーまたはマーキング・エンティティあるいはその両方にとってのみ既知の位置で、ランダムであるがコヒーレント(coherent)な小さい画像をウォータマーキング平面に含めることもできる。このように構成したウォータマーキング平面を強力な変調強度で均一なカラー平面上に付与した場合、コヒーレントな画像はビジュアライザを使用しなくても目に見えるはずである。ウォータマーク検出または表示あるいはその両方のための他の方法も使用することができる。このような方法では、たとえば、要素とその近隣または非近隣との間の多くの統計的関係のいずれかを使用することができる。ここに提示する強耐性な技法は、可視ウォータマーキング技法ならびに脆弱不可視技法と組み合わせて使用することができる。本発明の精神および範囲を逸脱せずに、開示した実施例に対するその他の変更態様も可能であることは、当業者には明らかになるだろう。

図面の簡単な説明

0079

図1本発明の一実施例による、使用に適した画像取込み配布システムのブロック図である。
図2本発明によりウォータマーキング平面を形成するための実施例を示す図である。
図3ウォータマークを付与するための諸ステップの実施例を示す図である。
図4画像位置合せのための諸ステップの概要を示す図である。
図5マーキングした画像と相関基準平面との粗位置合せのための諸ステップを示す図である。
図6マーキングした画像と相関基準平面との精密位置合せのための諸ステップを示す図である。
図7マーキングした画像内のウォータマークを検出するための諸ステップを示す図である。
図8マーキングした画像内のウォータマークを検出するための諸ステップを示す図である。
図9ウォータマーキング平面と画像平面上のセレクタ・アレイのランダム位置決めを示す図である。
図10典型的なビジュアライザ・パターンを示す図である。
図11ウォータマークの存在の検証方法を示す図である。
図121%の変調強度で行ったウォータマーキングについて図10のビジュアライザから得られる検出結果を示す図である。
図132%の変調強度で行ったウォータマーキングについて図10のビジュアライザから得られる検出結果を示す図である。
図144%の変調強度で行ったウォータマーキングについて図10のビジュアライザから得られる検出結果を示す図である。
図15画像がウォータマークを一切含まないときの検出結果を示す図である。
図16マーキングした画像内のウォータマークを検出するための代替方法の諸ステップを示す図である。

--

0080

100スキャナ
101 画像データ
102物理ソース
104ディジタル・コンピュータ
106作業記憶域
108画像記憶システム
110画像アーカイブ
112フロント・エンド画像処理ソフトウェア
114カラー保持ウォータマーキング・ソフトウェア
116バックエンド画像処理ソフトウェア
118画像サーバ
120 ディジタル・ネットワーク
122 その他のシステム
124表示装置
126グラフィックス対応プリンタ
150画像取込み配布システム

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