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技術 光記録媒体、その記録再生方法及び光記録装置

出願人 株式会社リコー
発明者 笹登
出願日 2001年2月14日 (20年0ヶ月経過) 出願番号 2001-037394
公開日 2002年8月30日 (18年5ヶ月経過) 公開番号 2002-245666
状態 特許登録済
技術分野 光学的記録担体およびその製造 光学的記録再生1
主要キーワード 凹変形 凹凸変形 変形層 干渉構造 干渉長 ペロー干渉 膨張変形 長波長端
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図面 (20)

課題

従来から適用されている有機材料からなる光記録媒体層構成、及び記録再生方法を用いず、記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する有機材料でなくてもROMとの互換性が高く、再生特性に優れた光記録媒体が得られるような新規な層構成とその記録再生方法を提供する。

解決手段

少なくとも、熱によって体積変化を示す第一基板上に、記録光を熱に変換する記録層、第一基板の体積変化による変形に同調する第一反射層、第一反射層の変形を吸収する干渉層、第一反射層の変形には同調しない第二反射層が順次設けられたことを特徴とする光記録媒体。

概要

背景

従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体基本構成は、図19に示すようなものであり、少なくとも基板上に記録層反射層を積層した構造からなる。この構造に対して、記録と再生は基板側から行われ(図20)、基板変形、記録層分解、反射層変形等による位相差変化によって記録部が再生される。したがって、大きな変調度コントラスト)を得るためには、記録層の屈折率が大きいことが必要となる。

また、有機材料を用いた追記型光記録媒体の特徴は、高反射率を有し、ROMとの互換性が高いことにあった。この高反射率化を図るために、記録層に用いられる有機材料に必要とされる条件は、高屈折率nを有し、かつ小さな吸収係数kを有することである。つまり、従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体の基本構成では、高反射率化と高変調度化を達成させるために、記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有することが必要である(図21参照)。したがって、図21からもわかるように、記録再生波長に対し、適合できる有機材料というのは、非常に制限される。しかしながら、文書電子化やインターネット発達によって、著作権保護セキュリティーなどの問題が非常にクローズアップされており、非改竄性という特徴を有し、記録の証拠性が確保される追記型光記録媒体は今後も必要となる光記録媒体と考えられる。

従来の追記型光記録媒体では、CDやDVDプレーヤーあるいはドライブ再生可能とするために、ROMとの互換性、すなわち高反射率であることが重要であったが、現在は多くのプレーヤーあるいはドライブが低反射率メディアサポートしていることから、今後記録再生波長が400nm近傍となる追記型光記録媒体においては、必ずしも高反射率を有する必要がないと考えられる。この場合、記録再生波長が400nm近傍となる追記型光記録媒体において重要なことは、十分な変調度が得られ、ジッタ良好な記録が行えることである。しかしながら、従来の有機材料からなる追記型光記録媒体では、高反射率化という制限を取り去っても、十分な変調度が得られ、ジッタ良好な記録を行うためには、やはり高い屈折率nを有する有機材料を用いる必要がある。したがって、高い屈折率nを得るためには、やはり記録再生波長が大きな吸収帯長波長端に位置するような材料(記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する)を選択しなければならなくなる(図21)。

これは、従来の有機材料からなる追記型光記録媒体では、記録が記録前後の位相変化で行われるため、記録前後での屈折率変化が変調度に大きく寄与するためである。

ところで、高密度化のために短波長レーザが年々開発され、現在では400nm近傍という半導体レーザが登場している。この400nm近傍という波長域は、有機材料による光記録媒体の可能性を大きく阻んでいる。なぜなら、有機材料の屈折率は、大きな吸収帯に基づく異常分散によって得られるが(図21)、有機材料の分子吸光係数分子骨格の大きさ(共役系の大きさ)に比例しているため、分子が小さくなる400nm近傍対応の有機材料では大きな屈折率が得られにくいためである。ポルフィリン誘導体では、比較的大きな分子骨格を持ちながら400nm近傍にも対応できる数少ない有機材料の1つである。しかし、記録再生波長が400nm近傍である従来型の光記録媒体(CD−RやDVD−R)を作ろうとすると、記録再生波長を吸収帯の長波長端に位置させることは、ポルフィリン誘導体であっても非常に困難であることがわかった。

記録再生波長において、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する有機材料を用いることが非常に困難となる短波長領域では、従来の有機材料からなる光記録媒体と同様な層構成では、高反射率で高コントラスト(高変調度)の光記録媒体を得ることは非常に困難になる。

従来の有機材料からなる光記録媒体と同様な層構成では、高反射率化と高変調度化には全く同じ条件、すなわち記録層の高屈折率化が要求されるため、反射率の制限を緩和したとしても、高変調度が得られにくくなる。また、プレーヤーやドライブが低反射率や低変調度の光記録媒体まで対応したとしても、反射率や変調度は高ければ高いほど、良好な記録再生特性が得られ、またプレーヤーやドライブの回路への負担も低減できるため、できる限り高反射率化と高変調度化を狙うべきである。

概要

従来から適用されている有機材料からなる光記録媒体の層構成、及び記録再生方法を用いず、記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する有機材料でなくてもROMとの互換性が高く、再生特性に優れた光記録媒体が得られるような新規な層構成とその記録再生方法を提供する。

少なくとも、熱によって体積変化を示す第一基板上に、記録光を熱に変換する記録層、第一基板の体積変化による変形に同調する第一反射層、第一反射層の変形を吸収する干渉層、第一反射層の変形には同調しない第二反射層が順次設けられたことを特徴とする光記録媒体。

目的

そこで、本発明は、従来から適用されている有機材料からなる光記録媒体の層構成、及び記録再生方法を用いず、記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する有機材料でなくてもROMとの互換性が高く、再生特性に優れた光記録媒体が得られるような新規な層構成とその記録再生方法を提供することをその課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも、熱によって体積変化を示す第一基板上に、記録光を熱に変換する記録層、第一基板の体積変化による変形に同調する第一反射層、第一反射層の変形を吸収する干渉層、第一反射層の変形には同調しない第二反射層が順次設けられたことを特徴とする光記録媒体

請求項2

第二反射層上に、第二基板がさらに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。

請求項3

第一基板側から記録を行い、第二反射層側あるいは第二基板側から再生を行う構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。

請求項4

干渉層が記録によって反射率が高い状態から低い状態へ変化するような膜厚に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒体。

請求項5

記録による第一基板の体積変化が、膨張であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体。

請求項6

レーザ光吸収によって熱を発生させる記録層、前記記録層の熱によって体積変化を生じる第一基板、及び前記第一反射層と第二反射層が第一反射層の変形を吸収する干渉層を介して形成されたファブリペロー干渉構造で構成され、かつ前記のファブリ・ペローの干渉構造の干渉長を第一反射層の変形によって変えることで記録が行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の光記録媒体。

請求項7

請求項1〜6のいずれかの項に記載の光記録媒体に対し、第一基板側から記録を行い、第二反射層側あるいは第二基板側から再生を行うことを特徴する光記録媒体の記録再生方法

請求項8

請求項1〜6のいずれかの項に記載の光記録媒体を、ファブリ・ペローの干渉構造の干渉長を第一反射層の変形によって変えることで記録を行うことを特徴とする光記録媒体の記録再生方法。

請求項9

請求項1〜6のいずれかの項に記載の光記録媒体、及び該光記録媒体の記録手段ならびに再生手段を有する光記録装置

請求項10

光記録媒体の記録手段が記録を第一基板側から行い、かつ光記録媒体の再生手段が再生を第二反射層側から行う構成であることを特徴とする請求項9載の光記録装置。

技術分野

0001

本発明は、任意の記録再生波長を採用しても、記録部が高反射率、あるいは高コントラスト再生できることが可能な光記録媒体光記録装置及びその記録再生方法を提供する。また、本発明は記録再生波長が400nm近傍となった場合であっても有機材料からなる追記型光記録媒体を実現できる光記録媒体の構造、光記録装置及びその記録再生方法に関する。

背景技術

0002

従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体の基本構成は、図19に示すようなものであり、少なくとも基板上に記録層反射層を積層した構造からなる。この構造に対して、記録と再生は基板側から行われ(図20)、基板変形、記録層分解、反射層変形等による位相差変化によって記録部が再生される。したがって、大きな変調度コントラスト)を得るためには、記録層の屈折率が大きいことが必要となる。

0003

また、有機材料を用いた追記型光記録媒体の特徴は、高反射率を有し、ROMとの互換性が高いことにあった。この高反射率化を図るために、記録層に用いられる有機材料に必要とされる条件は、高屈折率nを有し、かつ小さな吸収係数kを有することである。つまり、従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体の基本構成では、高反射率化と高変調度化を達成させるために、記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有することが必要である(図21参照)。したがって、図21からもわかるように、記録再生波長に対し、適合できる有機材料というのは、非常に制限される。しかしながら、文書電子化やインターネット発達によって、著作権保護セキュリティーなどの問題が非常にクローズアップされており、非改竄性という特徴を有し、記録の証拠性が確保される追記型光記録媒体は今後も必要となる光記録媒体と考えられる。

0004

従来の追記型光記録媒体では、CDやDVDプレーヤーあるいはドライブ再生可能とするために、ROMとの互換性、すなわち高反射率であることが重要であったが、現在は多くのプレーヤーあるいはドライブが低反射率メディアサポートしていることから、今後記録再生波長が400nm近傍となる追記型光記録媒体においては、必ずしも高反射率を有する必要がないと考えられる。この場合、記録再生波長が400nm近傍となる追記型光記録媒体において重要なことは、十分な変調度が得られ、ジッタ良好な記録が行えることである。しかしながら、従来の有機材料からなる追記型光記録媒体では、高反射率化という制限を取り去っても、十分な変調度が得られ、ジッタ良好な記録を行うためには、やはり高い屈折率nを有する有機材料を用いる必要がある。したがって、高い屈折率nを得るためには、やはり記録再生波長が大きな吸収帯長波長端に位置するような材料(記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する)を選択しなければならなくなる(図21)。

0005

これは、従来の有機材料からなる追記型光記録媒体では、記録が記録前後の位相変化で行われるため、記録前後での屈折率変化が変調度に大きく寄与するためである。

0006

ところで、高密度化のために短波長レーザが年々開発され、現在では400nm近傍という半導体レーザが登場している。この400nm近傍という波長域は、有機材料による光記録媒体の可能性を大きく阻んでいる。なぜなら、有機材料の屈折率は、大きな吸収帯に基づく異常分散によって得られるが(図21)、有機材料の分子吸光係数分子骨格の大きさ(共役系の大きさ)に比例しているため、分子が小さくなる400nm近傍対応の有機材料では大きな屈折率が得られにくいためである。ポルフィリン誘導体では、比較的大きな分子骨格を持ちながら400nm近傍にも対応できる数少ない有機材料の1つである。しかし、記録再生波長が400nm近傍である従来型の光記録媒体(CD−RやDVD−R)を作ろうとすると、記録再生波長を吸収帯の長波長端に位置させることは、ポルフィリン誘導体であっても非常に困難であることがわかった。

0007

記録再生波長において、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する有機材料を用いることが非常に困難となる短波長領域では、従来の有機材料からなる光記録媒体と同様な層構成では、高反射率で高コントラスト(高変調度)の光記録媒体を得ることは非常に困難になる。

0008

従来の有機材料からなる光記録媒体と同様な層構成では、高反射率化と高変調度化には全く同じ条件、すなわち記録層の高屈折率化が要求されるため、反射率の制限を緩和したとしても、高変調度が得られにくくなる。また、プレーヤーやドライブが低反射率や低変調度の光記録媒体まで対応したとしても、反射率や変調度は高ければ高いほど、良好な記録再生特性が得られ、またプレーヤーやドライブの回路への負担も低減できるため、できる限り高反射率化と高変調度化を狙うべきである。

発明が解決しようとする課題

0009

そこで、本発明は、従来から適用されている有機材料からなる光記録媒体の層構成、及び記録再生方法を用いず、記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する有機材料でなくてもROMとの互換性が高く、再生特性に優れた光記録媒体が得られるような新規な層構成とその記録再生方法を提供することをその課題とする。

課題を解決するための手段

0010

記録を行うためには、適度な(ある程度以上の)吸収係数を有する記録層が必要であるが、この記録層を再生光光路中に配置すると高反射率化は非常に困難になる。また、従来構造のように再生光の光路中に記録層が配置される場合、再生光の光路中に配置された記録層の吸収係数を低く押さえても、高変調度を得るためには高屈折率が必要であり(またある程度以上の膜厚も必要となる)、結局記録層材料として、記録再生波長で高屈折率nと低い吸収係数kが要求される。しかし、400nm近傍というような短波長では、従来のように記録再生波長で高屈折率nと低い吸収係数kを持つ有機材料はいくつかの例外を除いてほとんど存在しないと言ってよい。したがって、400nm近傍に適度な(一般的な)屈折率nと吸収係数kを有する現状の短波長対応の有機材料では、高反射率と高変調度を達成させることが非常に困難である。

0011

そのため本発明では、少なくとも再生時に高反射率と高変調度を得る構造を確保するため、記録層を再生光の光路中から排除する。つまり、記録と再生を異なる方向から行う。そして記録層は、再生時に高反射率と高変調度を得る構造を外部から制御する構造とする。すなわち、再生時に高反射率と高変調度を得る構造として、干渉層を介した2つの反射層によるファブリペロー構造を構成し、記録はこの干渉層構造の干渉長を外部から変化させることにより行う。

0012

本発明では、再生時に高反射率と高変調度を得る構造として干渉層を介した2つの反射層によるファブリ・ペロー構造を用い、再生光入射側から遠いほうの反射層を記録層によって変形させることに特徴があり、この反射層の変形は、基板の体積変化トリガーにして行うことに大きな特徴がある。

0013

すなわち、本発明は以下に示すような手段を採用することにより、前記課題を解決することができた。本発明の第1は、少なくとも、熱によって体積変化を示す第一基板上に、記録光を熱に変換する記録層、第一基板の体積変化による変形に同調する第一反射層、第一反射層の変形を吸収する干渉層、第一反射層の変形には同調しない第二反射層が順次設けられたことを特徴とする光記録媒体にある。

0014

本発明の第2は、第二反射層上に、第二基板がさらに設けられたことを特徴とする前記1の光記録媒体にある。

0015

本発明の第3は、第一基板側から記録、第二反射層側あるいは第二基板側から再生を行う構成であることを特徴とする前記1〜2の光記録媒体にある。

0016

本発明の4は、干渉層が記録によって反射率が高い状態から低い状態へ変化するような膜厚に設定されていることを特徴とする前記1〜3の光記録媒体にある。

0017

本発明の第5は、記録による第一基板の体積変化が、膨張であることを特徴とする前記1〜4の光記録媒体にある。

0018

本発明の第6は、レーザ光吸収によって熱を発生させる記録層、前記記録層の熱によって体積変化を生じる第一基板、及び前記第一反射層と第二反射層が第一反射層の変形を吸収する干渉層を介して形成されたファブリ・ペローの干渉構造で構成され、かつ前記のファブリ・ペローの干渉構造の干渉長を第一反射層の変形によって変えることで記録が行われることを特徴とする前記1〜5の光記録媒体にある。

0019

本発明の第7は、前記1〜6の光記録媒体を、第一基板側から記録、第二反射層側あるいは第二基板側から再生を行うことを特徴する光記録媒体の記録再生方法にある。

0020

本発明の第8は、前記1〜6のいずれかの項に記載の光記録媒体を、ファブリ・ペローの干渉構造の干渉長を第一反射層の変形によって変えることで記録を行うことを特徴とする光記録媒体の記録再生方法にある。

0021

本発明の第9は,前記1〜6の光記録媒体、及び該光記録媒体の記録手段ならびに再生手段を有する光記録装置にある。

0022

本発明の第10は、光記録媒体の記録手段が記録を第一基板側から行い、かつ光記録媒体の再生手段が再生を第二反射層側から行う構成であることを特徴とする前記9の光記録装置にある。

発明を実施するための最良の形態

0023

本発明の光記録媒体構成とその記録再生方法を用いることで、少なくとも再生時には任意の波長で高反射率と高変調度を有する光記録媒体が提供でき、この高反射率化と高変調度化によって非常に再生信号特性に優れ、再生互換性の高い光記録媒体が提供できる。つまり、光記録媒体はROMであれ、書換え型であれ、追記型であれ、再生することに大きな意味があるわけであるから、再生特性を最重要視したのである。

0024

本発明では記録装置では高反射率や高変調度は保証されないが、一般的に記録装置では高度な制御が行われるため、高反射率や高変調度は重要でなくなる。また、本発明の光記録媒体では、記録時の記録側からの再生において高反射率と高変調度が保証されないだけであって、記録装置においても再生側から再生すれば、高反射率かつ高変調度で情報が再生できる。なお、本発明の光記録媒体の層構成は、記録側から見れば従来のCD−RやDVD−Rと同様な層構成であり、再生側から見れば2つの反射層によるファブリ・ペロー構造である。

0025

本発明の光記録媒体の具体的な層構成は、図1及び図2に示すとおりである。図1は、少なくとも、第一の基板上に記録層、第一反射層、干渉層、第二反射層が積層された光記録媒体例を示したもので、記録は第一基板側から、再生は第二反射層側から行う。

0026

図2は、少なくとも、第一の基板上に記録層、第一反射層、干渉層、第二反射層、第二基板が積層された光記録媒体例を示したもので、記録は第一基板側から(図3又は図5)、再生は第二基板側から行う(図4又は図6)。

0027

本発明での記録は、ファブリ・ペロー干渉構造における干渉長を変化させるが、これは、基板変形(体積変化)を利用する。基板の体積変化としては、基板膨張させることが最も容易で、本発明には適している。すなわち、記録層によってレーザ光が吸収され熱を発生し、基板が膨張変形を起こし、これをトリガーとして記録側から見た場合の反射層(第一反射層)を変形させる。そしてこの記録側から見た場合の反射層(第一反射層)は再生側から見た場合の反射層(第一反射層)でもあるため、記録側からの記録によって、再生側から見た干渉構造の干渉長を変えることができる。

0028

この記録側からの記録によって、再生側からの再生の信号品質を向上させるために、反射層(第一反射層)の変形は基板膨張に同調させる。すなわち、記録によって一般的に基板は膨張するが(記録層側へ凸変形する)、これによって反射層(第一反射層)も同時に干渉層側へ凸変形(図3)、又は記録層側へ凹変形図5)させる。

0029

また記録側からの記録によって、再生側からの再生の信号品質を向上させるために、干渉層は第一反射層の凸変形、あるいは凹変形を吸収し、この変形を第二反射層へ伝えないようにすることが好ましい。したがって、干渉層はある程度変形しやすい材料であるか、十分な膜厚を有することが好ましい。

0030

さらに記録側からの記録によって、再生側からの再生の信号品質を向上させるために、第二反射層は干渉層の変形によって変形しないことが好ましい。すなわち、干渉層が第一反射層の凹凸変形を吸収し、この変形する場合には、この変形を最小限に押さえるために、第二反射層を硬くすることが好ましい。前記第二反射層を硬さは、第二反射層の層厚の調整や材料の選択でコントロールすることができる。該材料としては、通常の金属、例えば金、銀、アルミニュウム、銅、ニッケル等が挙げられる。

0031

本発明の記録媒体の第一反射層は、凸変形であっても凹変形であっても構わない。第一反射層の凹変形は、記録層が体積減少することで生じやすい。すなわち、記録層材料が溶融や分解を容易に起こす場合や基板内への拡散が生じ易い場合、基板膨張によって記録層は体積減少を起こし、第一反射層は記録層側へ凹変形する。

0032

第一反射層の凸変形は、記録層が体積変化を起こさないことで生じやすい。すなわち、記録層材料が溶融や分解を容易に起こさない場合や基板内への拡散が生じにくい場合、基板膨張によって記録層は体積変化を起こさないため、第一反射層は記録層側とは反対側へ凸変形する。

0033

さらに、本発明の特徴は、記録再生波長を選ばないことにある。すなわち、再生側から見た干渉構造では、干渉長の変化によって反射率が変化する構造であるため、干渉層膜厚を最適化するだけで、任意の波長に対応できる(任意の波長で高反射率、高変調度が達成できる)。

0034

また、記録側から見た構造では、基板変形を起こさせるような熱が記録層で発生すれば記録層の機能は十分であり、記録層材料に要求される光学定数は大きな制限がないため、記録層材料の選択自由度が広げられ、記録再生波長に大きく依存しなくなる。

0035

次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明の光記録媒体の層構成の例を図1及び図2に示す。図1では、第一基板上に記録層が形成され、さらに第一反射層、干渉層、第二反射層が形成される。図2では、第一基板上に記録層が形成され、さらに第一反射層、干渉層、第二反射層、第二基板が形成される。

0036

図1図2いずれの構成においても、記録は第一基板側から行われ、再生は第二反射層側から行われる。また、記録層がレーザ光を吸収し、発生した熱で基板が膨張(体積変化)を起こし、これに同調して第一反射層が変形することで記録が行われる。

0037

図2のように第一基板上に記録層が形成され、さらに第一反射層、干渉層、第二反射層、第二基板が形成された層構成では、記録は第一基板側から行われ、記録層がレーザ光を吸収し、発生した熱で基板が膨張(体積変化)を起こし、これに同調して、基板膨張方向に第一反射層が変形することで記録が行われる(図3)。この記録によって生じた干渉構造における干渉長の変化を、記録とは反対側から再生することによって、反射率変化として検出する(図4)。

0038

あるいは別の形態として、図2のように第一基板上に記録層が形成され、さらに第一反射層、干渉層、第二反射層、第二基板が形成された層構成では、記録は第一基板側から行われ、記録層がレーザ光を吸収し、発生した熱で基板が膨張(体積変化)を起こし、これに同調して、基板膨張方向とは逆方向に第一反射層が変形することで記録が行われる(図5)。この記録によって生じた干渉構造における干渉長の変化を、記録とは反対側から再生することによって、反射率変化として検出する(図6)。

0039

次に記録による第一反射層の変形で、高反射率かつ高変調度な再生が行えることを検証する。再生側の構造として、第一反射層を銀(複素屈折率0.080−i1.95)、第二反射層を銀(複素屈折率0.080−i1.95)、干渉層の複素屈折率を1.60−i0.00とした場合、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算すると図7図18のようになる(なお、再生波長は405(nm)である)。

0040

図7図10〔(図7(a)〜図10(m))は、第一反射層膜厚を25(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果である。図11図14〔(図11(a)〜図14(m))は、第一反射層膜厚を50(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果である。図15図18〔(図15(a)〜図18(m))は、第一反射層膜厚を100(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果である。

0041

この結果から、第一反射層の膜厚が25(nm)である場合は、第二反射層膜厚が約30(nm)と設定することで(図8(d)、(e))、高反射率と高変調度が達成できる(最良の状態)。すなわち、High to Low記録(記録によって反射率が高い状態から低い状態へ変化する記録方式)を行う場合、干渉層の膜厚を100(nm)〜150(nm)程度の範囲、あるいは220(nm)〜270(nm)程度の範囲に設定し、記録によって干渉層の厚さを40〜50(nm)程度変化させることで、未記録時の反射率約80(%)、記録部の反射率10(%)以下というような、高反射率かつ高変調度な再生が可能となる。

0042

第一反射層の膜厚が50(nm)である場合は、第二反射層膜厚が約40(nm)と設定することで(図12(f)、図13(g))、高反射率と高変調度が達成できる(最良の状態)。すなわち、High to Low記録(記録によって反射率が高い状態から低い状態へ変化する記録方式)を行う場合、干渉層の膜厚を80(nm)〜170(nm)程度の範囲、あるいは210(nm)〜300(nm)程度の範囲に設定し、記録によって干渉層の厚さを20〜30(nm)程度変化させることで、未記録時の反射率約80〜90(%)、記録部の反射率10(%)以下というような、高反射率かつ高変調度な再生が可能となる。

0043

第一反射層の膜厚が100(nm)である場合は、第二反射層膜厚が約50(nm)と設定することで(図17(h)、(i))、高反射率と高変調度が達成できる(最良の状態)。すなわち、High to Low記録(記録によって反射率が高い状態から低い状態へ変化する記録方式)を行う場合、干渉層の膜厚を75(nm)〜180(nm)程度の範囲、あるいは205(nm)〜310(nm)程度の範囲に設定し、記録によって干渉層の厚さを10〜15(nm)程度変化させることで、未記録時の反射率約80〜90(%)、記録部の反射率10(%)以下というような、高反射率かつ高変調度な再生が可能となる。

0044

第一反射層の膜厚は、基板変形に同調して第一反射層が変形できるような膜厚を設定することが好ましい。すなわち、第一反射層の役割は、再生時の干渉構造の反射鏡としての役割と記録時の熱伝導層としての役割、さらに変形層としての役割である。

0045

第一反射層の再生時における干渉構造の反射鏡としての役割を考えた場合、第一反射層膜厚は必要な反射率が得られる範囲で設定されればよく、図7図18に示された結果のように、第一反射層の膜厚設定は任意性が高い(25(nm)〜100(nm)の範囲で何ら問題ない)。

0046

第一反射層の記録時における熱伝導層としての役割を考えた場合、第一反射層膜厚は、非常に薄い場合を除けば、特に問題はない。

0047

一方、第一反射層の記録時における変形層としての役割を考えた場合は、第一反射層膜厚は慎重に考える必要がある。なぜなら、一般的に基板上に設けられた層の変形領域は基板変形領域よりも広がりやすいと考えられるから、第一反射層の変形量を増やすことは、ジッタやクロストークの悪化を招くことになるからである。したがって、できるだけ少ない第一反射層の変形量で高変調度が得られるようにすることが好ましい。

0048

図7図18で示したように、最大の変調度を得るために第一反射層に要求される変形量は、第一反射層膜厚が25(nm)の場合は40〜50(nm)、第一反射層膜厚が50(nm)の場合は20〜30(nm)、第一反射層膜厚が100(nm)の場合は10〜15(nm)となる(ここでは、第一反射層の変形を干渉層が吸収する状況を設定している。したがって、第一反射層が干渉層側へ凸変形する場合、第一反射層の変形量と同量の凹変形を干渉層が起こす。すなわち、干渉層は第一反射層の変形によって圧縮される)。つまり、第一反射層膜厚を厚くしたほうが、より少ない第一反射層の変形(干渉層の変形)で高変調度が得られる。

0049

しかし、第一反射層を厚くしすぎると、基板変形を起こさせても第一反射層は変形しにくくなるため、基板変形に同調した変形が起こる範囲で、第一反射層は厚くすることが好ましい。この基板変形に同調した変形が起こる範囲で、第一反射層は厚くする膜厚設定によって、ジッタやクロストークの悪化も防げる。

0050

以上の実施例によって、本発明の光記録媒体とその記録再生方法によって、高反射率で高変調度な記録媒体が記録再生波長に関係なく、容易に得られることが確認できた。

0051

なお、本実施例では、記録による基板膨張によって第一反射層が干渉層側へ凸変形する例を示したが、本発明はこれに限られたものではなく、記録による基板膨張によって第一反射層がこの膨張した基板側へ凹変形するものであっても構わない(図5、6参照。図5は記録時、図6は再生時の様子を示す)。

0052

但し、この場合、第一反射層が干渉層側へ凸変形する場合と同様に、第一反射層の変形が干渉層で吸収され、この第一反射層の変形が第二反射層に伝わらないことが好ましい(すなわち、干渉層は第一反射層の変形に追従して(引っ張られ)膨張する)。そのため、第一反射層が干渉層側へ凸変形する場合同様に、干渉層はある程度変形しやすい材料であるか、十分な膜厚を有することが好ましい。

発明の効果

0053

本発明によって、任意の記録再生波長で記録部が高反射率、あるいは高コントラストで再生できることが可能な光記録媒体、光記録装置及びその記録再生方法が提供できる。特に、記録再生波長が400nm近傍となった場合であっても有機材料からなる追記型光記録媒体を実現できる光記録媒体の構造、及びその記録再生方法が提供できる。

図面の簡単な説明

0054

図1少なくとも第一の基板上に記録層、第一反射層、干渉層、第二反射層が積層された光記録媒体例の模式的断面図図である。
図2少なくとも第一の基板上に記録層、第一反射層、干渉層、第二反射層、第二基板が積層された光記録媒体例の模式的断面図である。
図3本発明の光記録媒体に第一基板側から記録を行った状態を示す図である。
図4本発明の光記録媒体を第二基板側から再生を行った状態を示す図である。
図5本発明の光記録媒体に第一基板側から記録を行った状態を示す図である。
図6本発明の光記録媒体を第二基板側から再生を行った状態を示す図である。
図7第一反射層膜厚を25(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(a)第二反射層膜厚10(nm)の場合(b)第二反射層膜厚20(nm)の場合(c)前記(b)の拡大図
図8第一反射層膜厚を25(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(d)第二反射層膜厚30(nm)の場合(e)前記(d)の拡大図(f)第二反射層膜厚40(nm)の場合
図9第一反射層膜厚を25(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(g)図8の(f)の拡大図(h)第二反射層膜厚50(nm)の場合(i)前記(h)の拡大図
図10第一反射層膜厚を25(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(j)第二反射層膜厚60(nm)の場合(k)前記(j)の拡大図(l)第二反射層膜厚70(nm)の場合(m)前記(l)の拡大図
図11第一反射層膜厚を50(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(a)第二反射層膜厚10(nm)の場合(b)第二反射層膜厚20(nm)の場合(c)前記(b)の拡大図
図12第一反射層膜厚を50(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(d)第二反射層膜厚30(nm)の場合(e)前記(d)の拡大図(f)第二反射層膜厚40(nm)の場合
図13第一反射層膜厚を50(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(g)図12の(f)の拡大図(h)第二反射層膜厚50(nm)の場合(i)前記(h)の拡大図
図14第一反射層膜厚を50(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(j)第二反射層膜厚60(nm)の場合(k)前記(j)の拡大図(l)第二反射層膜厚70(nm)の場合(m)前記(l)の拡大図
図15第一反射層膜厚を100(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(a)第二反射層膜厚10(nm)の場合(b)第二反射層膜厚20(nm)の場合(c)前記(b)の拡大図
図16第一反射層膜厚を100(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(d)第二反射層膜厚30(nm)の場合(e)前記(d)の拡大図(f)第二反射層膜厚40(nm)の場合
図17第一反射層膜厚を100(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(g)図16の(f)の拡大図(h)第二反射層膜厚50(nm)の場合(i)前記(h)の拡大図
図18第一反射層膜厚を100(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射率(図4図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。
(j)第二反射層膜厚60(nm)の場合(k)前記(j)の拡大図(l)第二反射層膜厚70(nm)の場合(m)前記(l)の拡大図
図19従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体の基本構成を示す図である。
図20図19の追記型光記録媒体の記録と再生の説明図である。
図21記録再生波長と屈折率n、吸収係数kの関係を示す図である。

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