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技術 隣接室間の遮音性能評価方法と選定された側壁

出願人 鹿島建設株式会社株式会社奥村組
発明者 古賀貴士高久勝彦田野正典安藤啓稲留康一飛松幸彦
出願日 2001年2月20日 (19年10ヶ月経過) 出願番号 2001-042719
公開日 2002年8月28日 (18年4ヶ月経過) 公開番号 2002-243533
状態 特許登録済
技術分野 建築環境 機械的振動・音波の測定 他に分類されない音響(残響,カラオケ等)
主要キーワード 部材変更 算定位置 隣接室 側壁面積 振動伝達レベル 振動加速度レベル 内装壁面 内部減衰
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図面 (14)

課題

隣接室間の側壁固体伝搬音を側壁内部で伝搬する振動加速度レベルとして算定することによって、側壁の遮音性能を定量的に算定評価できる隣接室間の遮音性能評価方法選定された側壁を提供する。

解決手段

戸境壁3に交差する側壁4で囲われた隣接室間の遮音性能を評価するに際して、伝搬される側壁固体伝搬音(ハ)の音圧レベルを、音源室1の音圧が音源室側の側壁4に入射して側壁内を内部減衰しながら伝搬して受音室2側の側壁4から放射される音圧レベルとして算定し、戸境壁の直接透過音と定量的に合成することで受音室の音圧レベルを算定することで隣接室間における遮音性能を定量的に算定評価する。

概要

背景

集合住宅等の間取りは、設計者によって任意に決められており、隣接した住居間の戸境壁に接続している側壁の長さも、防火上の制限をクリアすることを専権にしている。一方、住居間の遮音設計を行う場合には、戸境壁と側壁の遮音性能に着目した検討が一般的になされているが、遮音性能の高い戸境壁を使用しても期待していた性能が確保できないという問題の発生が多く見受けられる。

これらの問題は、戸境壁で仕切られて、戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接する室間における音の伝搬経路として、窓やドアからの迂回伝搬音や側壁における固体伝搬等の側路伝搬音の影響が無視できないためであり、特に戸境壁に接続している側壁の長さ等が上述のように決定されている現状においては、遮音設計において側路伝搬音に対して充分な検討が必要になってくる。

従来における遮音性能の予測は、遮音性能を評価する対象の隣接室を、図12のように、音源室1と受音室2とに設定しており、その間は戸境壁3で仕切られると共に、この戸境壁3に交差する形態で両室に跨る側壁4が配置されていることで、全体的に密閉状に囲われているものと想定している。

遮音性能の予測フローは、上記の隣接室間において、音源室1に音圧レベルを設定しており、音源室1から受音室2へと伝搬する音圧レベルは、図13に示すように、戸境壁3からの直接透過音(イ)、窓やドア等の開口部5からの迂回伝搬音(ロ)及び側壁固体伝搬音(ハ)の各ルート毎に伝搬するものと想定することと、各ルートで個別に算定された音圧レベルを合成することで受音室の音圧レベルを算定していた。

そして、遮音性能は、隣接する室間の音圧レベル差であるから、評価対象にした隣接室間の遮音性能は、音源室1での音圧レベルと各ルート毎に算定することで受音室2に伝搬するとした音圧レベルを合成した受音室2での合成音圧ベルとの差を以て決定していた。

このために、各ルート毎に伝搬する音圧レベルを算定する必要があったが、戸境壁3からの直接透過音(イ)と窓、ドア等の開口部5からの迂回伝搬音(ロ)については、比較的検討されているものの、側壁固体伝搬音に関しては、その究明が充分になされていない状況にあった。

従来の側壁固体伝搬音(ハ)は、受音室の側壁における任意の点の振動加速度レベルもしくは、受音室側の側壁から発生する音圧レベルを測定することで得られる実測値に基づいて対処すると共に、対策としても内装壁6の下地材7を変更する程度に止まっており、その他の部位についての追求と対策については検討されていなかった。

又、実測された振動加速度レベルを基に算定される側壁固体音についても、受音室側の側壁面から放射される音圧レベルが、受音室側の側壁における全表面積に比例するものとして算定されていることから、その影響は結果的に過大に評価されていたために、実際との対応が悪くなる要因になっていた。

以上のように、従来における仕切りの戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接室間の遮音性能の算定は、実測作業が伴う一貫性のない算定フローによって予測されていたために、戸境壁や側壁に遮音性能の良い材質の材料を適用しても初期の性能を確立できないことが多くなっており、実測のような付属的作業を不要にして、戸境壁や側壁の材質や構造に基づく定量値を採用することのみによって、伝搬される音圧レベルを算定できる簡潔な算定フローが要望されており、各ルートにおける音圧レベルを定量的に算定すると同時に、これに基づいて評価された遮音性能を設定された許容値と比較することで、隣接室間の遮音性能を確定できる側壁を簡易選定する手段の開発が求められていた。

概要

隣接室間の側壁固体伝搬音を側壁内部で伝搬する振動加速度レベルとして算定することによって、側壁の遮音性能を定量的に算定評価できる隣接室間の遮音性能評価方法と選定された側壁を提供する。

戸境壁3に交差する側壁4で囲われた隣接室間の遮音性能を評価するに際して、伝搬される側壁固体伝搬音(ハ)の音圧レベルを、音源室1の音圧が音源室側の側壁4に入射して側壁内を内部減衰しながら伝搬して受音室2側の側壁4から放射される音圧レベルとして算定し、戸境壁の直接透過音と定量的に合成することで受音室の音圧レベルを算定することで隣接室間における遮音性能を定量的に算定評価する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

戸境壁仕切られ、該戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接する室間において、音源室音圧レベルと、音源室の音圧が戸境壁の直接透過音、窓やドアからの迂回伝搬音及び側壁固体伝搬音として受音室に伝搬される音圧レベルを算定上合成する受音室の音圧レベルとの差によって決定される隣接室間の遮音性能評価方法において、伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルを、音源室の音圧が音源室側の側壁に入射して側壁内を内部減衰しながら伝搬して受音室側の側壁から放射される音圧レベルとして算定することを特徴とする隣接室間の遮音性能評価方法。

請求項2

伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルが、音源室側の側壁面から入射した音圧を振動加速度レベルに変換して、入射地点毎に内部減衰しながら戸境壁との交差部に達する到達振動加速度レベルを算定し、音源室側の全側壁面からの到達振動加速度レベルを合成して総到達振動加速度レベルを算定し、該総到達振動加速度レベルから交差部特性によるエネルギー損失を減じて交差部を透過した透過振動加速度レベルを算定し、該透過振動加速度レベルに基づいて戸境壁との交差部から受音室側の側壁内を内部減衰しながら受音室の側壁面の放射地点に達する振動加速度レベルを算定し、該振動加速度レベルを放射地点毎に音圧に変換すると共に合成して受音室側の全側壁面から放射される音圧レベルとして算定されることを特徴とする請求項1に記載の隣接室間の遮音性能評価方法。

請求項3

総到達振動加速度レベルが、以下の式によって算定されることを特徴とする請求項2に記載の隣接室間の遮音性能評価方法。VALS=Σ(VALSO−α×√f×Li)(dB)但し、 VALS : 総到達振動加速度レベルVALSO :入射地点の振動加速度レベルα :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数f :周波数Li : 入射地点から音源室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

請求項4

放射地点の振動加速度レベルが、以下の式によって算定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の隣接室間の遮音性能評価方法。VALrS=Σ(VALr0−α×√f×Di)(dB)但し、 VALrS : 放射地点の振動加速度レベルVALrO : 交差部を透過した受音室側戸境壁面での透過振動加速度レベルα :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数f :周波数Di : 放射地点から受音室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

請求項5

音源室側の側壁への音圧の入射地点における振動加速度レベルが、音源室の音圧レベルに側壁の室内面に敷設される内装壁入射効率を加味して算定されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法。

請求項6

受音室側の内装壁面へ伝達される振動加速度レベルが、側壁の放射地点での振動加速度レベルに側壁の室内面に敷設される内装壁への振動伝達効率を加味して算定されることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法。

請求項7

受音室側の内装壁面から放射される音圧レベルが、内装壁に伝達される振動加速度レベルに上記内装壁の放射効率を加味して算定されることを特徴とする請求項6に記載の隣接室間の遮音性能評価方法。

請求項8

隣接室間の遮音性能を音源室側の音圧レベルと受音室側の算定される音圧レベルとを比較して評価し、該遮音性能が許容値を達成することで決定される請求項1乃至7のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法を用いて選定された側壁。

請求項9

戸境壁との交差部の側壁が、戸境壁の厚さ方向に貫通するスリットを交差部方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項8に記載の選定された側壁。

請求項10

側壁が、ボイド押出成形版で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の選定された側壁。

請求項11

受音室側の算定される音圧レベルが、許容値を達成するために内装壁の入射効率、振動伝達効率及び放射効率を変換して算定し直されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の選定された側壁。

技術分野

0001

本発明は、隣接室間の遮音性能評価方法選定された側壁に関し、特に隣接室間の側壁固体伝搬音を側壁内部で伝搬する振動加速度レベルとして算定することによって、側壁の遮音性能を定量的に算定評価できる隣接室間の遮音性能評価方法と選定された側壁に関する。

背景技術

0002

集合住宅等の間取りは、設計者によって任意に決められており、隣接した住居間の戸境壁に接続している側壁の長さも、防火上の制限をクリアすることを専権にしている。一方、住居間の遮音設計を行う場合には、戸境壁と側壁の遮音性能に着目した検討が一般的になされているが、遮音性能の高い戸境壁を使用しても期待していた性能が確保できないという問題の発生が多く見受けられる。

0003

これらの問題は、戸境壁で仕切られて、戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接する室間における音の伝搬経路として、窓やドアからの迂回伝搬音や側壁における固体伝搬等の側路伝搬音の影響が無視できないためであり、特に戸境壁に接続している側壁の長さ等が上述のように決定されている現状においては、遮音設計において側路伝搬音に対して充分な検討が必要になってくる。

0004

従来における遮音性能の予測は、遮音性能を評価する対象の隣接室を、図12のように、音源室1と受音室2とに設定しており、その間は戸境壁3で仕切られると共に、この戸境壁3に交差する形態で両室に跨る側壁4が配置されていることで、全体的に密閉状に囲われているものと想定している。

0005

遮音性能の予測フローは、上記の隣接室間において、音源室1に音圧レベルを設定しており、音源室1から受音室2へと伝搬する音圧レベルは、図13に示すように、戸境壁3からの直接透過音(イ)、窓やドア等の開口部5からの迂回伝搬音(ロ)及び側壁固体伝搬音(ハ)の各ルート毎に伝搬するものと想定することと、各ルートで個別に算定された音圧レベルを合成することで受音室の音圧レベルを算定していた。

0006

そして、遮音性能は、隣接する室間の音圧レベル差であるから、評価対象にした隣接室間の遮音性能は、音源室1での音圧レベルと各ルート毎に算定することで受音室2に伝搬するとした音圧レベルを合成した受音室2での合成音圧ベルとの差を以て決定していた。

0007

このために、各ルート毎に伝搬する音圧レベルを算定する必要があったが、戸境壁3からの直接透過音(イ)と窓、ドア等の開口部5からの迂回伝搬音(ロ)については、比較的検討されているものの、側壁固体伝搬音に関しては、その究明が充分になされていない状況にあった。

0008

従来の側壁固体伝搬音(ハ)は、受音室の側壁における任意の点の振動加速度レベルもしくは、受音室側の側壁から発生する音圧レベルを測定することで得られる実測値に基づいて対処すると共に、対策としても内装壁6の下地材7を変更する程度に止まっており、その他の部位についての追求と対策については検討されていなかった。

0009

又、実測された振動加速度レベルを基に算定される側壁固体音についても、受音室側の側壁面から放射される音圧レベルが、受音室側の側壁における全表面積に比例するものとして算定されていることから、その影響は結果的に過大に評価されていたために、実際との対応が悪くなる要因になっていた。

0010

以上のように、従来における仕切りの戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接室間の遮音性能の算定は、実測作業が伴う一貫性のない算定フローによって予測されていたために、戸境壁や側壁に遮音性能の良い材質の材料を適用しても初期の性能を確立できないことが多くなっており、実測のような付属的作業を不要にして、戸境壁や側壁の材質や構造に基づく定量値を採用することのみによって、伝搬される音圧レベルを算定できる簡潔な算定フローが要望されており、各ルートにおける音圧レベルを定量的に算定すると同時に、これに基づいて評価された遮音性能を設定された許容値と比較することで、隣接室間の遮音性能を確定できる側壁を簡易に選定する手段の開発が求められていた。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、以上の状況に鑑みて提案するものであり、伝搬する側壁固体伝搬音を音源室の音圧が音源室側の側壁に入射して側壁内を伝搬しながら受音室側の側壁から放射するものとして受音室側の音圧レベルを算定することで、仕切りの戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接室間の遮音性能を定量的に算定して評価することを可能にする隣接室間の遮音性能評価方法と選定された側壁を提供している。

課題を解決するための手段

0012

請求項1に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、戸境壁で仕切られ、戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接する室間において、音源室の音圧レベルと、音源室の音圧が戸境壁の直接透過音、窓やドアからの迂回伝搬音及び側壁固体伝搬音として受音室に伝搬される音圧レベルを算定の上合成する受音室の音圧レベルとの差によって決定される隣接室間の遮音性能評価方法において、伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルを、音源室の音圧が音源室側の側壁に入射して側壁内を内部減衰しながら伝搬して受音室側の側壁から放射される音圧レベルとして算定することを特徴としており、戸境壁の直接透過音、開口部からの迂回伝搬音及び側壁固体伝搬音の各ルート毎に音源室から受音室に伝搬する音を定量的に算定の上合成することで受音室の音圧レベルを算定して、隣接する室間における遮音性能を定量的に算定評価できる。

0013

請求項2に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項1に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルを、音源室側の側壁面から入射した音圧を振動加速度レベルに変換して、入射地点毎に内部減衰しながら戸境壁との交差部に達する到達振動加速度レベルを算定し、音源室側の全側壁面からの到達振動加速度レベルを合成して総到達振動加速度レベルを算定し、総到達振動加速度レベルから交差部特性によるエネルギー損失を減じて交差部を透過した透過振動加速度レベルを算定し、透過振動加速度レベルに基づいて戸境壁との交差部から受音室側の側壁内を内部減衰しながら受音室の側壁面の放射地点に達する振動加速度レベルを算定し、振動加速度レベルを放射地点毎に音圧に変換すると共に合成して受音室側の全側壁面から放射される音圧レベルとして算定することを特徴としており、上記機能に加えて、隣接する室間における遮音性能を具体的な形態で算定することができる。

0014

請求項3に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、総到達振動加速度レベルを以下の式によって算定することを特徴としており、上記機能に加えて、戸境壁との交差部における総到達振動加速度レベルを定量的に算定できる。

0015

ALS=Σ(VALSO−α×√f×Li)(dB)
但し、 VALS : 総到達振動加速度レベル
VALSO :入射地点の振動加速度レベル
α :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数
f :周波数
Li : 入射地点から音源室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

0016

請求項4に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2または3に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、放射地点の振動加速度レベルを以下の式によって算定することを特徴としており、上記機能に加えて、戸境壁との交差部の透過振動加速度レベルから放射地点の振動加速度レベルを定量的に算定できる。

0017

VALrS=Σ(VALr0−α×√f×Di)(dB)
但し、 VALrS :放射地点の振動加速度レベル
VALrO : 交差部を透過した受音室側戸境壁面での透過振動加速度レベル
α :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数
f :周波数
Di : 放射地点から受音室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

0018

請求項5に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2乃至4のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、音源室側の側壁への音圧の入射地点における振動加速度レベルを、音源室の音圧レベルに側壁の室内面に敷設される内装壁の入射効率を加味して算定することを特徴としており、上記機能に加えて、内装壁の影響を具体的にして隣接室間の遮音性能の定量度を向上させている。

0019

請求項6に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2乃至5のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、受音室側の内装壁面へ伝達される振動加速度レベルを、側壁の放射地点での振動加速度レベルに側壁の室内面に敷設される内装壁への振動伝達効率を加味して算定することを特徴としており、上記機能に加えて、内装壁の影響を具体的にして隣接室間の遮音性能の定量度を向上させている。

0020

請求項7に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項6に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、受音室側の内装壁面から放射される音圧レベルを、内装壁に伝達される振動加速度レベルに上記内装壁の放射効率を加味して算定することを特徴としており、上記機能に加えて、内装壁の影響を具体的にして隣接室間の遮音性能の定量度を向上させている。

0021

本発明による選定された側壁は、請求項1乃至7のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法を用いて、隣接室間の遮音性能を音源室側の音圧レベルと受音室側の算定される音圧レベルとを比較して評価し、遮音性能が許容値を達成することで決定されており、許容値を達成するために必要に応じて、戸境壁との交差部の側壁に戸境壁の厚さ方向に貫通するスリットを交差部方向に沿って形成して交差部特性を変えたり、側壁をボイド押出成形版で形成して交差部特性及び側壁を伝達する振動の減衰性状を変えたり、内装壁の入射効率、振動伝達効率及び放射効率を変えたりして算定し直すことを特徴としており、遮音性能を最適な状態で達成している。

発明を実施するための最良の形態

0022

本発明による隣接室間の遮音性能評価方法は、戸境壁で仕切られ、戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接する室間において、音源室の音圧レベルと、音源室の音圧が戸境壁の直接透過音、窓やドアからの迂回伝搬音及び側壁固体伝搬音として受音室に伝搬される音圧レベルを算定の上合成する受音室の音圧レベルとの差によって決定される隣接室間の遮音性能評価方法において、伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルを、音源室の音圧が音源室側の側壁に入射して側壁内を内部減衰しながら伝搬して受音室側の側壁から放射される音圧レベルとして算定することを特徴としている。

0023

以下に、本発明の実施の形態について、隣接室間の遮音性能を計算するフローを図面に基づいて詳細に説明するが、各室を構成する部位については従来例と同様の符号を用いている。

0024

図1は、本発明を適用する隣接室の平面図であり、遮音性能を評価する隣接室間の構成は、音源室1と受音室2とに設定している。

0025

音源室1と受音室2との間は、戸境壁3で仕切られると共に、この戸境壁3に交差する形態で両室に跨る側壁4が配置されており、側壁4には窓、ドア等の開口部5が設けられていると共に、その内表面には通常の下地材7よる内装壁6が装備されており、床スラブを側壁と見なすと、全体的に密閉状に囲われている。

0026

音源室1側には、任意の音圧レベルが設定されており、音源室1側から受音室2側に相当の音圧が各部材を伝搬されることになるが、隣接室間の構成が従来と同様であることから、戸境壁3からの直接透過音(イ)と開口部5からの迂回伝搬音(ロ)については、従来と同様の計算フローに従って算定されている。

0027

本発明による遮音性能評価方法の特徴は、上記のような戸境壁と交差部を形成して両室に跨る側壁で囲まれた隣接室間において、従来の遮音性能評価において充分に究明されていなかった固体伝搬音について、これを理論的解明することによって、従来のような実測作業を不要にしながら、伝達される音圧レベルを定量的に算定し、これによって隣接室間の遮音性能を簡易に確定できることである。

0028

図2、3は、本発明による隣接室間の遮音性能評価方法とこれを用いて側壁を確実に選定するための遮音構造の選定フローであるが、上述したように、本発明では、戸境壁3からの直接透過音(イ)と開口部5からの迂回伝搬音(ロ)については、従来と同様の算定手法を採用しているので、その関係の説明は必要最小限にしている。以下に、本発明の実施の形態を図2に示すフローに従って説明する。

0029

10.音源室での音圧レベル(SPLs)の設定
音源室1に設定する音圧レベル(SPLs)は、建物における遮音性能の対象周波数である125Hz〜2KHz帯域(1/1オクターブバンド)毎に設定する。

0030

遮音性能は、音源室1と受音室2での音圧レベルの差であるから、設定する音圧レベルは任意の数値でよいが、本実施の形態では100dBに設定する。

0031

11.内装壁の入射効率レベル(In)の設定
音源室1の発生音によって内装壁6が音圧加振されて側壁4に振動伝搬するが、この時の音圧レベル→側壁への振動伝搬の程度を、入射効率レベル (In)と定義して、その値をdB値で表示する。

0032

この値は、側壁を構成している部材によって異なるために、事前実験室現場で測定した値であり、本実施の形態では、 「入射効率D.B.」にデーターベース化して格納して置くことで、設定された内装壁6に見合った入射効率レベル(In)を選択使用可能にしている。

0033

尚、表1は、「入射効率D.B.」に格納されているデータ例である。

0034

0035

上記表における(t=*1)、(t=*2)は、壁厚tが*1、*2であることを例示しており、ALC版+GL等は、ALC版の室内面にGLボンド等を敷設した側壁、その他を同様に表示している。

0036

12.入射地点における振動加速度レベル(VALso)の算定
内装壁6は、図4部分拡大して示すように、一定の間隔で配置された下地材7によって支持されていることから、上述の入射効率レベル(In)は、表1で示したように、下地材の種別毎に設定されることになる。

0037

側壁で発生する振動は、内装壁6の表面→下地材7→側壁4といった伝搬経路を辿るので、入射地点における振動加速度レベルの算定位置は、側壁4と下地材7の接続位置になるが、下地材が、図4に示すGLボンドのように間隔を置いて配置されずに側壁の前面に亘って設けられる場合には、入射地点は無限になる。

0038

従って、入射地点における振動加速度レベル(VALso)は、以下の式によって周波数毎に算定する。
VALso=SPLs+In

0039

13. 総到達振動加速度レベル(VALS)の算定
音源室1側の側壁4は、図5に部分拡大して示すように、戸境壁3と交差して交差部8を形成しており、〜の入射地点に配置されている下地材7を経由して側壁4に個別の伝搬経路が形成されていることから、側壁で発生する振動は、これらの各伝搬経路を辿って交差部8の音源室側の音源室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面9に伝達されることになる。

0040

境界面9における到達振動加速度レベルの値は、上記の算定された入射地点における振動加速度レベル(VALso)の値から、側壁4の振動に対する内部減衰係数(α)を考慮して算定され、境界面9における総到達振動加速度レベル(VALS)の値は、側壁4で個別に発生する各振動の入力位置から伝搬してくる振動を合成した、下記の式によって求められる。

0041

VALS=Σ(VALso−α√f・Li)
但し、 VALS : 総到達振動加速度レベル
VALSO :入射地点の振動加速度レベル
α :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数
f :周波数
Li : 入射地点から音源室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

0042

上記計算式において、〜の入射地点における振動加速度レベルは、密閉された室では拡散音場が形成されて、側壁面へ入射する音圧レベルが略一定になることから同一であり、内部減衰係数(α)の例としては、ALC版:0.25、コンクリート版:0.03、ボイド状押出成形板:0.15の数値が知られている。

0043

14. 交差部減衰量(Δk)の設定
図6に部分拡大して示すように、側壁4は戸境壁3と交差して交差部8を形成しており、交差部8には、音源室側の境界面9と受音室側の境界面9’とが形成されている。

0044

音源室側の境界面9と受音室側の境界面9’との間では、交差部特性によるエネルギー損失が生じることから、交差部減衰量(Δk)を設定する必要がある。

0045

交差部におけるこの減衰量(Δk)は、側壁を構成する部材によって異なるが、事前に実験室や現場における測定によって得ることが可能であり、「交差減衰D.B.」にデータベース化して格納して置き、選定されている側壁4の減衰量を選択できるようにしている。データベース内容の一例は、表2の通りである。

0046

0047

上記表における(t=*1)〜(t=*4)は、壁厚tが*1〜*4であることを例示しており、ALC版スリット(D=*2)の場合は、ALC版の側壁において、戸境壁との交差部に側壁の厚さ方向に貫通する幅*2のスリットが設けられていることを表示している。

0048

15. 透過振動加速度レベル(VALro)の算定
総到達振動加速度レベル(VALS)の値から、下記の式によって受音室側の境界面9’における透過振動加速度レベル(VALro)を求める。
VALro=VALS−Δk

0049

16.放射地点における振動加速度レベル(VALr)の算定
図7に部分拡大して示すように、本実施の形態では、内装壁6が受音室2側の側壁4に一定の間隔で配置された下地材7で支持されているので、戸境壁3との交差部8から下地材7が配置された〜の地点に個別の伝搬経路が形成される。

0050

従って、交差部8の受音室側の境界面9’からの振動は、これらの各伝搬経路を辿って側壁4の放射地点に成る〜の位置に伝搬される。

0051

このことから、放射地点における振動加速度レベル(VALr)の値は、境界面9’における透過振動加速度レベル(VALro)に基づいて側壁4の振動に対する内部減衰係数(α)を考慮した下記の式によって算定される。

0052

VALr=VALro−α√f・Di
但し、 VALr :放射地点の振動加速度レベル
VALrO : 交差部を透過した受音室側戸境壁面での透過振動加速度レベル
α :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数
f :周波数
Di : 放射地点から受音室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

0053

以上のように、本発明における遮音性能評価方法では、側壁面における振動加速度レベル(VALr)の値を、境界面9’からの距離に対応して内部減衰されている値を合成する方式で算定しているので、実際に則した値を提供している。

0054

このことは、受音室側側壁からの音圧の放射面積内における平均振動加速度レベル(VAL)と放射面積レベル(10log10S)(但し、Sは受音室の側壁面積)とから内装壁の総振動加速度レベル(VAL)を算定し、実際には寄与しない放射面積の振動加速度レベルも合成レベルに影響があるものと算定するとして、実際と異なる値を選択していた従来の算定方法とは、算定精度において大幅に乖離してくる要因になっていた。

0055

尚、上記の各計算式における側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数(α)は、上述したように、ALC版:0.25、コンクリート版:0.03、ボイド状押出成形板:0.15である。

0056

17.振動伝達レベル(ΔT)の設定
本実施の形態のように、一定の間隔で配置された下地材7によって〜の伝搬経路が形成され、側壁4の振動が、側壁4→下地材7→内装壁6の表面といった伝搬経路を辿る場合には、内装壁6の表面における振動加速度レベルを算定するために、下地材7に対応する振動伝達レベル(ΔT)を考慮している。

0057

振動伝達レベル(ΔT)の値は、異なる部材で構成される側壁について事前に実験室や現場で測定した値であり、本実施の形態では、 「振動伝達D.B.」にデーターベース化して格納して置くことで、設定された下地材7に見合った振動伝達レベル(ΔT)を選択使用可能にしている。尚、表3は、「振動伝達D.B.」に格納されているデータ例である。

0058

0059

上記表における(t=*1)、(t=*2)は、壁厚tが*1、*2であることを例示しており、ALC版+GL等は、ALC版の室内面にGLボンド等を敷設した側壁、その他を同様に表示している。

0060

18.内装壁に達する振動加速度レベル(VALr1)の算定
内装壁6に達する振動加速度レベル (VALr1)の算定は、放射地点における振動加速度レベル(VALr)の値から、下記の式によってを求めることになる。VALr1=VALr+ΔT

0061

19.内装壁における振動加速度レベル(VALrS)の算定
図8に部分拡大して示すように、本実施の形態では、内装壁6が受音室2側の側壁4に一定の間隔で配置された下地材7で支持されているので、交差部8の受音室側の境界面9’からの振動は、下地材7が配置された〜の地点に形成される各伝搬経路を辿って側壁4の放射地点に成る〜の位置に伝搬される。

0062

このために、側壁面における振動加速度レベル(VALrS)は、境界面9’からの距離に対応した内部減衰によって、図示のようにそれぞれに異なった値が算定されている。

0063

従って、内装壁における振動加速度レベル(VALrS)の値は、側壁4の放射地点から個別に伝搬してくる振動を内装壁で合成する下記の式によって求められる。
VALrS=ΣVALr1

0064

以上のように、本発明における遮音性能評価方法では、側壁面における振動加速度レベル(VALrS)の値を、境界面9’からの距離に対応して内部減衰されている値を合成して算定しているので、実際に則した値を提供することになる。

0065

20.内装壁の放射効率レベル(R)の設定

0066

内装壁に発生した振動加速度レベル(VALrS)が音圧に変換される際の変換効率を放射効率レベル(R)と定義しして、その値をdB値で表示する。

0067

この値は、側壁を構成する部材によって異なるため、事前に実験室や現場で測定した値であり、本実施の形態では、 「放射効率D.B.」にデーターベース化して格納して置くことで、設定された内装壁6と側壁4との組み合わせに見合った放射効率レベル(R)を選択している。尚、表4は、「放射効率D.B.」に格納されているデータ例である。

0068

0069

上記表における(t=*1)、(t=*2)は、壁厚tが*1、*2であることを例示しており、ALC版+GL等は、ALC版の室内面にGLボンド等を敷設した側壁、その他を同様に表示している。

0070

21.等価吸音面積レベル(Ar)の算定
受音室の室表面積平均吸音率から吸音面積を求めて、等価吸音面積レベル(Ar)を算定する。
Ar=10log10(A)
但し、 A : 吸音面積

0071

22.側壁固体伝搬音(SPLr1)の算定
内装壁で発生する振動は、側壁4→下地材7→内装壁6の表面といった伝搬経路を辿るので、内装壁における音圧レベル(SPLr1)は、内装壁の放射効率レベル(R)を考慮して下記の式によって周波数毎に算定する。
SPLr1=VALrS+R−20log10f−Ar+36

0072

以上の各算定によって、音源室側の音圧によって発生する振動が側壁を経由して受音室側に伝搬してくる音圧は、事前に実験室や現場で測定してデーターベース化した値を、遮音性能を評価する対象である側壁や内装壁に適用させて使用することによって、実態に則した数値として確定することが可能である。

0073

又、従来例と同様に実施する戸境壁からの直接透過音(イ)や窓やドア等の開口部5からの迂回伝搬音(ロ)等を加算するために必要な以下の算定については、従来の遮音構造選定フローと同様に展開できることから、項目のみを記述するに留めるものである。

0074

23.戸境壁直接透過音(SPLr2)の算定

0075

24. 窓やドア等からの迂回伝搬音(SPLr3)の算定

0076

25.受音室内総音圧レベル(SPLr)の算定
受音室内総音圧レベル(SPLr)の算定は、上述した側壁固体伝搬音(SPLr1)、公知の計算式で算定される戸境壁直接透過音(SPLr2)及び窓やドア等からの迂回伝搬音(SPLr3)を用いることで、下式によって算定される。

0077

0078

26.隣接室間の遮音性能(Dr)の算定
Dr=SPLS−SPLr

0079

27.許容値との照査
遮音性能の許容値は、通常D値で与えられており、例えば、D−50の場合では、各周波数帯域におけるレベルは、以下に示す数値になるが、上記の隣接室間遮音性能(Dr)の算定値が、これらの値以上であれば遮音性能を満たしていることになる。

0080

0081

28. 必要対策量(Dt)の算定
算定された上記の遮音性能(Dr)が、125Hz〜2KHzにおいて表5の数値を上回っていれば、遮音性能の評価作業は完了することになるが、いずれかの帯域においてこれを下回っている場合には、必要な対策量を算定することになる。
Dt=D−Dr

0082

図9に示す遮音性能の評価結果は、本発明による隣接室間の遮音性能評価方法を、仮に選定した遮音構造に適用した実施例である。

0083

本実施例では、上述した算定の結果として、音源SPLS、音源側側壁の振動加速度レベル、交差部境界面の到達、透過振動加速度レベル及び内装壁を経ての側壁固体音等の主要な項目の数値と、戸境壁の直接透過音や窓やドア等からの迂回伝搬音等が示されているように、本発明による遮音性能の算定は、従来のように該当作業現場での実測値のような繁雑な作業を要さずに、各項目の定量的な算定値によって最終的に定量的な遮音性能を確定している。

0084

図9では、遮音性能として求められる許容値が各周波数帯域毎に設定されており、項目26に仮に選定された遮音構造について算定された遮音性能が記録されているが、両方の数値から評価すると、項目27に示すように、500Hzの帯域で2.5dB分の対策量が必要である。

0085

算定された必要対策量に対する対応策の検討は、戸境壁の直接透過音、窓やドア等からの迂回伝搬音及び側壁固体音のそれぞれについて、個別に検討されることになるが、戸境壁の直接透過音と窓やドア等からの迂回伝搬音については、従来と同様の対応策の検討で行われることから、ここでの説明は省略する。

0086

側壁固体音に対する対応策の検討30としては、図3のフローに示した5つの検討対策が予定されており、それぞれについて対応可能か否かの検討を行うことになる。以下に、各検討対策の実施の形態とその実施例について説明する。

0087

31.内装下地仕様変更の検討
検討のためには、入射効率D.B.、放射効率D.B.、振動伝達D.B.の中から仕様変更に伴う対策効果量を算定し、必要対策量と照査して条件を満たすものを選定する。

0088

本実施例では、側壁の原仕様がALC版+GL法だったので、入射効率D.B.、放射効率D.B.、振動伝達D.B.からALC版+木下地やALC版+LGS下地に変えた場合の変化分を求めて、必要対策量への対応が可能か否かを検討した結果、側壁をALC版+木下地にすることで、全ての帯域において遮音性能の許容値を満足することが出来ている。

0089

32. 交差部への対策
検討のために、交差減衰D.B.から側壁と戸境壁との交差部にスリットを設けた場合の対策効果量、材質や構造等の仕様変更による効果量の変化及びその他の振動伝搬に影響を与える手段について、必要対策量と照査して条件を満たすものを選定する。

0090

本実施例では、側壁と戸境壁との交差部における原仕様がALC版なので、交差減衰D.B.から、他の仕様に変えた場合の変化分を求めた。検討の結果は、交差部にスリットを入れることで対応可能である。

0091

33.側壁の部材変更による交差部減衰量の検討
検討のために、側壁の部材を変更した場合の交差減衰量を交差減衰D.B.から検索した上で対策効果量を算定し、必要対策量と照査して条件を満たすものを選定する。

0092

34.内装下地仕様の変更と交差部への対策との組合わ変更の検討検討のために、入射効率D.B.、放射効率D.B.、振動伝達D.B.の中から仕様変更に伴う対策効果量を算定すると共に、交差減衰D.B.から側壁の戸境壁との交差部にスリットを設けた場合等の対策効果量を算定して、両者を複合させた場合の対策効果量を算定し、必要対策量と照査して条件を満たすものを選定する。

0093

35.内装下地仕様の変更と側壁の部材変更による検討入射効率D.B.、放射効率D.B.、振動伝達D.B.の中から内装下地仕様の変更に伴う対策効果量を算定すると共に、側壁の部材を変更した場合の交差減衰量を交差減衰D.B.から検索して対策効果量を算定して、両者を複合させた場合の対策効果量を算定し、必要対策量と照査して条件を満たすものを選定する。

0094

以上のように、算定された遮音性能が全周波数帯域において許容値を満たしていない場合には、内装下地、側壁と戸境壁との交差部及び側壁の部材変更を基本にしながら、必要な場合にはこれらの組み合わせによって、対策効果量を算定し、必要対策量と照査することで条件を満たしているかを評価する。

0095

評価選択の過程において、下地材の変更でも交差部にスリットを入れても条件を満たしている場合には、これらの対応策の中から最適な仕様を選定することになるが、いずれを最適な対応策として採用するかは意匠面・施工面から判断することになる。

0096

しかして、データベースの全てを適用しながら算定し直しても対応策のない場合には、元に戻って側壁面積等を意匠面も含めて再検討することになる。

0097

以上のように、本発明による隣接室間の遮音性能評価方法は、仕切られた戸境壁とこれに交差する側壁で囲われた隣接する室間で、音源室の音圧レベルと音源室の音圧が戸境壁の直接透過音、窓やドアからの迂回伝搬音及び側壁固体伝搬音として受音室に伝搬される音圧レベルを算定する際に、伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルを、音源室の音圧が音源室側の側壁に入射して側壁内を内部減衰しながら伝搬して受音室側の側壁から放射される音圧レベルとして算定することで、実測のような付属的作業を不要にしながら、戸境壁や側壁の材質や構造に基づく定量値を採用することで伝搬される音圧レベルを簡潔に算定して、隣接室間の遮音性能を定量的に評価できる。

0098

尚、上述した隣接室間の遮音性能評価方法では、受音室に伝搬される音圧レベルの算定において、隣接室の上下に在るスラブは音圧レベルに与える影響が少ないので考慮しないという従来の慣例に従って評価している。

0099

しかして、必要な場合にはスラブについても側壁と見なすことで、側壁の場合と同様に受音室に伝達される音圧レベルを算定して、側壁固体伝搬音をスラブと側壁とを含んだものとして算出することも可能である。この場合には、スラブからの小さな音圧レベルをも精細に加味することから遮音性能をより正確に評価できる。

0100

又、本発明による選定された側壁は、上述の実施の形態及びその実施例で説明したように、設計された遮音構造に対して、上記の遮音性能評価方法を用いて算定される受音室側の音圧レベルと音源室側の音圧レベルとを比較することで、その遮音性能を算定し、この遮音性能値が許容値を達成するようにことで側壁を選定している。

0101

そして、設計された遮音構造の遮音性能値が許容値を達成していない場合には、許容値を達成するために、側壁の交差部特性を変換したり、内装壁の入射効率、振動伝達効率及び放射効率を変換しながら算定し直すことで遮音性能値を変更させて、最適な状態に選定している。

0102

以下に、本発明による選定された側壁の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。

0103

図10は、側壁の交差部特性を変えるための一実施の形態である。図示のように、戸境壁101と交差している側壁102には、その交差部にスリット103を形成している。スリット103は、交差部に予め隙間を空けて側壁を施工したり、丸鋸等によって側壁を切断することによって形成するが、完全に切断するか強度を考慮しながら上下端を残した状態で溝状に形成するかは、遮音性能の必要対策量や側壁の材質等によって適宜に選択されることになる。

0104

尚、本実施の形態では、側壁面を貫通するスリットを設けているが、必ずしもこれを貫通する必要はなく、所定の特性が得られる場合には、側壁に溝状に形成しても適用可能である。

0105

同様に、スリット幅の大きさによって、その間にグラスウールのような充填材充填させて表面をシールするか充填材のない空隙にするか否かについても、データーベースの数値例として多様化できるものである。

0106

このスリット103の形成によって、例えば表2に示すALC版の例のように、各周波数帯域において大きな数値の変更が期待できるものであり、遮音性能の必要対策量に応じて有効に対処できる対応策である。

0107

尚、図において104は、内装壁であり、105はその下地材である。

0108

図11は、側壁を変えることによって、交差部特性及び側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数を変えるための他の実施の形態である。本実施の形態では、側壁として、ボイド状押出成形版106を採用することで、側壁の振動伝搬における特性の変更を図っている。

0109

ボイド状押出成形版106は、内部にボイド107を形成しており、このボイド107の形成によって、例えば表2に示す押出成形版の例のように、周波数帯域125Hzにおいてはコンクリート版とALC版との中間の値を示し、250Hz〜2000HzではALC版よりも大きな数値を発揮して、遮音性能の必要対策量に応じて有効に対処することができる。

0110

以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による隣接室間の遮音性能評価方法と選定された側壁は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、交差減衰D.B.の中にデータベース化されている、側壁の材質や側壁の交差部にスリットを設ける等の構造変更の多様化のように、対策効果量の変化に大きく貢献する検討対策を多様化する等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。

発明の効果

0111

請求項1に記載の隣接室間の遮音性能評価方法は、戸境壁で仕切られ、戸境壁に交差する側壁で囲われた隣接する室間において、音源室の音圧レベルと、音源室の音圧が戸境壁の直接透過音、窓やドアからの迂回伝搬音及び側壁固体伝搬音として受音室に伝搬される音圧レベルを算定の上合成する受音室の音圧レベルとの差によって決定される隣接室間の遮音性能評価方法において、伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルを、音源室の音圧が音源室側の側壁に入射して側壁内を内部減衰しながら伝搬して受音室側の側壁から放射される音圧レベルとして算定することを特徴としているので、音源室から受音室に伝搬する音を定量的に算定の上合成することで受音室の音圧レベルを算定し、隣接室間の遮音性能を現場での実測作業を必要としないで、定量的に算定評価できる効果を奏している。

0112

請求項2に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項1に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、伝搬される側壁固体伝搬音の音圧レベルを、音源室側の側壁面から入射した音圧を振動加速度レベルに変換して、入射地点毎に内部減衰しながら戸境壁との交差部に達する到達振動加速度レベルを算定し、音源室側の全側壁面からの到達振動加速度レベルを合成して総到達振動加速度レベルを算定し、総到達振動加速度レベルから交差部特性によるエネルギー損失を減じて交差部を透過した透過振動加速度レベルを算定し、透過振動加速度レベルに基づいて戸境壁との交差部から受音室側の側壁内を内部減衰しながら受音室の側壁面の放射地点に達する振動加速度レベルを算定し、振動加速度レベルを放射地点毎に音圧に変換すると共に合成して受音室側の全側壁面から放射される音圧レベルとして算定することを特徴としているので、上記効果に加えて、隣接する室間における遮音性能を具体的な形態で算定できる効果を奏している。

0113

請求項3に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、総到達振動加速度レベルを以下の式によって算定することを特徴としているので、上記効果に加えて、戸境壁との交差部における総到達振動加速度レベルを定量的に算定できる効果を奏している。

0114

VALS=Σ(VALSO−α×√f×Li)(dB)
但し、 VALS : 総到達振動加速度レベル
VALSO :入射地点の振動加速度レベル
α :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数
f :周波数
Li : 入射地点から音源室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

0115

請求項4に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2又は3に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、放射地点の振動加速度レベルを以下の式によって算定することを特徴としているので、上記効果に加えて、戸境壁との交差部の透過振動加速度レベルから放射地点の振動加速度レベルを定量的に算定できる効果を奏している。

0116

VALrS=Σ(VALr0−α×√f×Di)(dB)
但し、 VALrS :放射地点の振動加速度レベル
VALrO : 交差部を透過した受音室側戸境壁面での透過振動加速度レベル
α :側壁内を伝搬する振動の内部減衰係数
f :周波数
Di : 放射地点から受音室側戸境壁面の延長線上に位置する境界面までの距離

0117

請求項5に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2乃至4のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、音源室側の側壁への音圧の入射地点における振動加速度レベルを、音源室の音圧レベルに側壁の室内面に敷設される内装壁の入射効率を加味して算定することを特徴としているので、上記効果に加えて、内装壁の影響を具体的にして隣接室間の遮音性能の定量度を向上させる効果を奏している。

0118

請求項6に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項2乃至5のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、受音室側の内装壁面へ伝達される振動加速度レベルを、側壁の放射地点での振動加速度レベルに側壁の室内面に敷設される内装壁への振動伝達効率を加味して算定することを特徴としているので、上記効果に加えて、内装壁の影響を具体的にして隣接室間の遮音性能の定量度を向上させる効果を奏している。

0119

請求項7に記載の発明である隣接室間の遮音性能評価方法は、請求項6に記載の隣接室間の遮音性能評価方法において、受音室側の内装壁面から放射される音圧レベルを内装壁に伝達される振動加速度レベルに上記内装壁の放射効率を加味して算定することを特徴としているので、上記効果に加えて、内装壁の影響を具体的にして隣接室間の遮音性能の定量度を向上させる効果を奏している。

0120

本発明による選定された側壁は、請求項1乃至7のいずれかに記載の隣接室間の遮音性能評価方法を用いて、隣接室間の遮音性能を音源室側の音圧レベルと受音室側の算定される音圧レベルとを比較して評価し、遮音性能が許容値を達成することで決定されており、許容値を達成するために必要に応じて、戸境壁との交差部の側壁に戸境壁の厚さ方向に貫通するスリットを交差部方向に沿って形成して交差部特性を変えたり、側壁をボイド状押出成形版で形成して交差部特性及び側壁を伝達する振動の減衰性状を変えたり、内装壁の入射効率、振動伝達効率及び放射効率を変えたりして算定し直すことを特徴としており、遮音性能を最適な状態で達成する効果を奏している。

図面の簡単な説明

0121

図1本発明による隣接室間の遮音性能評価方法を適用する隣接室の概要平面図
図2本発明によって隣接室間の遮音性能を評価するための算定フロー図
図3本発明によって算定した隣接室間の遮音性能を許容値に対処させるための検討フロー図
図4音源室側の内装壁と側壁に対する音圧の伝搬形態図
図5音源室側の側壁における振動の伝搬形態図
図6側壁に形成される戸境壁との交差部
図7受音室側の側壁と内装壁における振動の伝搬形態図
図8受音室側の内装壁における振動の伝搬減衰
図9本発明による隣接室間の遮音性能評価方法の実施の形態における算定結果
図10側壁の交差部特性を変更するための実施の形態図
図11側壁の交差部特性を変更するための他の実施形態図
図12従来の隣接室間の遮音性能を評価する方式を適用する隣接室の概要平面図
図13従来の隣接室間の遮音性能を評価するための算定フロー図

--

0122

1音源室、 2受音室、 3戸境壁、 4
5 窓、ドア等の開口部、 6内装壁、 7下地材、 8 交差部、9 交差部の音源室側境界面、 9’ 交差部の受音室側境界面、10〜27遮音性能を評価する設定と算定項目、28 必要対策量の算定、30 必要対策の検討、 31〜35 検討対策、101 戸境壁、 102側壁、 103スリット、 104 内装壁、105内装下地材、 106ボイド状押出成形版、 107 ボイド、(イ)戸境壁の直接透過音、(ロ) 窓、ドア等の開口部からの迂回伝搬音、(ハ) 側壁固体伝搬音、

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