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技術 スケール付着防止剤及びスケール付着防止法

出願人 栗田工業株式会社
発明者 佐藤茂
出願日 2001年2月9日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2001-034104
公開日 2002年8月20日 (17年10ヶ月経過) 公開番号 2002-233892
状態 未査定
技術分野 スケール防止
主要キーワード 酸不溶解 亜鉛水酸化物 循環水入口 ポリアミド構造単位 マグネシウム硬度 対象水質 ビニルカルボン酸アミド単位 腐食障害
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

ボイラ水系冷却水系などにおけるスケール付着防止に有効であり、特にカルシウム系スケールシリカ系スケールの両方の付着防止に効果を発揮するスケール付着防止剤及びスケール付着防止法を提供する。

解決手段

一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーアニオン性の水溶性ポリマーを含有することを特徴とするスケール付着防止剤、及び、水系に、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性の水溶性ポリマーを添加することを特徴とするスケール付着防止法。ただし、式中、Rは水素又はメチル基である。

化1

概要

背景

冷却水系ボイラ水系などの水と接触する伝熱面や配管内では、スケール障害が発生する。特に、開放循環式冷却水系において、省資源省エネルギー立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少なくして高濃縮運転を行う場合、溶解している塩類濃縮されて、伝熱面が腐食しやすくなるとともに、難溶性の塩となってスケール化する。生成したスケールは、熱効率の低下、配管の閉塞など、ボイラ熱交換器運転に重大な障害を引き起こす。生成するスケール種としては、炭酸カルシウム硫酸カルシウム亜硫酸カルシウムリン酸カルシウムケイ酸カルシウムケイ酸マグネシウム水酸化マグネシウムリン酸亜鉛水酸化亜鉛塩基性炭酸亜鉛などがあり、これらの中でも特にカルシウム系スケールシリカ系スケールによる障害が大きく問題になっている。カルシウム系スケールに対しては、マレイン酸アクリル酸イタコン酸などを重合したカルボキシル基を有するポリマーが有効であり、必要に応じて、ビニルスルホン酸アリスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有するビニルモノマーや、アクリルアミドなどのノニオン性ビニルモノマー対象水質に応じて組み合わせたコポリマーが、スケール付着防止剤として一般的に使用されている。また、ヘキサメタリン酸ソーダトリポリリン酸ソーダなどの無機ポリリン酸類、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ホスホノブタントリカルボン酸などのホスホン酸類も一般的に使用されている。特開昭61−107998号公報には、シリカ系スケールに対する防止効果の優れたスケール防止剤として、アクリルアミド系ポリマーアクリル酸系ポリマーを含むスケール防止剤が提案されている。また、特開平2−31894号公報には、冷却水系のスケール防止と、防食スライム防止などの効果を併せもつ複合水処理剤として、ポリエチレングリコールホスホン酸又はカルボン酸系ポリマーを含有するスケール防止剤が提案されている。特開平7−256266号公報には、冷却水の水質変動運転条件に関わりなく、スライム、スケール、腐食障害レジオネラ菌の発生を防止し得る水処理方法として、水溶性カチオン性ポリマーハロゲン化脂肪族ニトロアルコール及びホスホン酸又はカルボン酸系ポリマーを添加する方法が提案されている。さらに、特開平10−165986号公報には、シリカ系及びカルシウム系スケールの付着防止に対して優れた効果を有するスケール防止剤として、N−ビニルカルポンアミド水溶性重合体又は該重合体加水分解して得られる第一級アミノ基を有する水溶性重合体を含有するスケール防止剤が提案されている。このように、スケール種に応じて各種のポリマーが使い分けられている。冷却水系において使用される水は、通常、工業用水水道水などであるために、水中にはさまざまなイオン種が存在する。したがって、特に高濃縮運転を行う場合には、すべてのスケール種に効果的に対応し得るスケール付着防止剤が必要であるが、このようなスケール付着防止剤はまだ存在しない。特に、シリカ系スケールの付着防止に有効なポリマーがないのが現状である。例えば、アクリルアミド系ポリマーは、シリカ濃度が低い場合にはスケール付着防止効果を有するものの、シリカ濃度が高い場合には効果がない。これは、アクリルアミドが部分的に加水分解を受けて生じるカルボキシル基のために、アミド基のシリカへの作用が低下するためと考えられる。上記のごとく、特開平7−256266号公報には、カチオン系ポリマーの使用も提案されているが、カチオン性であるために水中のシリカだけでなく配管や微生物由来汚れ(スライム)と反応しやすく、効果は安定しない。本発明者らは、特開平10−165986号公報において、N−ビニルカルボン酸アミド単位を有するポリマー又はそれを加水分解することによって得られるアミノ基を有するポリマーの使用を提案したが、やはりカチオン性であるために、水中のシリカだけでなく配管や微生物由来の汚れ(スライム)と反応しやすく、シリカスケール付着防止効果が安定しないという問題があった。このような状況から、カルシウム系スケール及びシリカ系スケールの両方の付着防止に効果のあるスケール付着防止剤及びスケール付着防止法が望まれている。

概要

ボイラ水系、冷却水系などにおけるスケール付着防止に有効であり、特にカルシウム系スケールとシリカ系スケールの両方の付着防止に効果を発揮するスケール付着防止剤及びスケール付着防止法を提供する。

一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーアニオン性の水溶性ポリマーを含有することを特徴とするスケール付着防止剤、及び、水系に、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性の水溶性ポリマーを添加することを特徴とするスケール付着防止法。ただし、式中、Rは水素又はメチル基である。

目的

本発明は、ボイラ水系、冷却水系などにおけるスケール付着防止に有効であり、特にカルシウム系スケールとシリカ系スケールの両方の付着防止に効果を発揮するスケール付着防止剤及びスケール付着防止法を提供することを目的としてなされたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーアニオン性の水溶性ポリマーを含有することを特徴とするスケール付着防止剤

請求項

ID=000003HE=020 WI=066 LX=0270 LY=0550(ただし、式中、Rは水素又はメチル基である。)

請求項2

水系に、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性の水溶性ポリマーを添加することを特徴とするスケール付着防止法。

請求項

ID=000004HE=020 WI=066 LX=0270 LY=1050(ただし、式中、Rは水素又はメチル基である。)

技術分野

0001

本発明は、スケール付着防止剤及びスケール付着防止法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ボイラ水系冷却水系などにおけるスケール付着防止に有効であり、特にカルシウム系スケールシリカ系スケールの両方の付着防止に効果を発揮するスケール付着防止剤及びスケール付着防止法に関する。

背景技術

0002

冷却水系、ボイラ水系などの水と接触する伝熱面や配管内では、スケール障害が発生する。特に、開放循環式冷却水系において、省資源省エネルギー立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少なくして高濃縮運転を行う場合、溶解している塩類濃縮されて、伝熱面が腐食しやすくなるとともに、難溶性の塩となってスケール化する。生成したスケールは、熱効率の低下、配管の閉塞など、ボイラ熱交換器運転に重大な障害を引き起こす。生成するスケール種としては、炭酸カルシウム硫酸カルシウム亜硫酸カルシウムリン酸カルシウムケイ酸カルシウムケイ酸マグネシウム水酸化マグネシウムリン酸亜鉛水酸化亜鉛塩基性炭酸亜鉛などがあり、これらの中でも特にカルシウム系スケールとシリカ系スケールによる障害が大きく問題になっている。カルシウム系スケールに対しては、マレイン酸アクリル酸イタコン酸などを重合したカルボキシル基を有するポリマーが有効であり、必要に応じて、ビニルスルホン酸アリスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有するビニルモノマーや、アクリルアミドなどのノニオン性ビニルモノマー対象水質に応じて組み合わせたコポリマーが、スケール付着防止剤として一般的に使用されている。また、ヘキサメタリン酸ソーダトリポリリン酸ソーダなどの無機ポリリン酸類、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ホスホノブタントリカルボン酸などのホスホン酸類も一般的に使用されている。特開昭61−107998号公報には、シリカ系スケールに対する防止効果の優れたスケール防止剤として、アクリルアミド系ポリマーアクリル酸系ポリマーを含むスケール防止剤が提案されている。また、特開平2−31894号公報には、冷却水系のスケール防止と、防食スライム防止などの効果を併せもつ複合水処理剤として、ポリエチレングリコールホスホン酸又はカルボン酸系ポリマーを含有するスケール防止剤が提案されている。特開平7−256266号公報には、冷却水の水質変動運転条件に関わりなく、スライム、スケール、腐食障害レジオネラ菌の発生を防止し得る水処理方法として、水溶性カチオン性ポリマーハロゲン化脂肪族ニトロアルコール及びホスホン酸又はカルボン酸系ポリマーを添加する方法が提案されている。さらに、特開平10−165986号公報には、シリカ系及びカルシウム系スケールの付着防止に対して優れた効果を有するスケール防止剤として、N−ビニルカルポンアミド水溶性重合体又は該重合体加水分解して得られる第一級アミノ基を有する水溶性重合体を含有するスケール防止剤が提案されている。このように、スケール種に応じて各種のポリマーが使い分けられている。冷却水系において使用される水は、通常、工業用水水道水などであるために、水中にはさまざまなイオン種が存在する。したがって、特に高濃縮運転を行う場合には、すべてのスケール種に効果的に対応し得るスケール付着防止剤が必要であるが、このようなスケール付着防止剤はまだ存在しない。特に、シリカ系スケールの付着防止に有効なポリマーがないのが現状である。例えば、アクリルアミド系ポリマーは、シリカ濃度が低い場合にはスケール付着防止効果を有するものの、シリカ濃度が高い場合には効果がない。これは、アクリルアミドが部分的に加水分解を受けて生じるカルボキシル基のために、アミド基のシリカへの作用が低下するためと考えられる。上記のごとく、特開平7−256266号公報には、カチオン系ポリマーの使用も提案されているが、カチオン性であるために水中のシリカだけでなく配管や微生物由来汚れ(スライム)と反応しやすく、効果は安定しない。本発明者らは、特開平10−165986号公報において、N−ビニルカルボン酸アミド単位を有するポリマー又はそれを加水分解することによって得られるアミノ基を有するポリマーの使用を提案したが、やはりカチオン性であるために、水中のシリカだけでなく配管や微生物由来の汚れ(スライム)と反応しやすく、シリカスケール付着防止効果が安定しないという問題があった。このような状況から、カルシウム系スケール及びシリカ系スケールの両方の付着防止に効果のあるスケール付着防止剤及びスケール付着防止法が望まれている。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、ボイラ水系、冷却水系などにおけるスケール付着防止に有効であり、特にカルシウム系スケールとシリカ系スケールの両方の付着防止に効果を発揮するスケール付着防止剤及びスケール付着防止法を提供することを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0004

本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ナイロン構造単位を有する水溶性ポリマーと、アニオン性の水溶性ポリマーを併用することにより、両ポリマー相乗的な効果を発揮して、カルシウム系スケールとシリカ系スケールの両方の付着を効果的に防止し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性の水溶性ポリマーを含有することを特徴とするスケール付着防止剤、

発明を実施するための最良の形態

0005

本発明のスケール付着防止剤は、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性の水溶性ポリマーを含有する。本発明のスケール付着防止法においては、水系に、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性の水溶性ポリマーを添加する。

0006

本発明において、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有するポリマーとしては、一般式[1]においてRが水素であるホモポリマーすなわちナイロン3、Rがメチル基であるホモポリマー、Rが水素であるポリアミド構造単位とRがメチル基であるポリアミド構造単位を有するコポリマー、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位と−CH2CR(CONH2)−で表される(メタ)アクリルアミド構造単位を有する見かけ上のコポリマー、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位と他のコモノマーの構造単位を有するコポリマーなどを挙げることができる。他のコモノマーとしては、例えば、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどを挙げることができる。本発明に用いるポリマーは、水溶性であって、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を10モル%以上有することが好ましく、50モル%以上有することがより好ましい。一般式[1]で表されるポリアミド構造単位が10モル%未満であると、スケール付着防止効果が不十分となるおそれがある。ポリマー中の一般式[1]で表されるポリアミド構造単位の割合は、赤外線吸収スペクトルプロトン核磁気共鳴スペクトルなどに基づいて求めることができる。例えば、アクリルアミドの重合により得られるナイロン3構造単位−CH2CH2CONH−とアクリルアミド構造単位−CH2CH(CONH2)−を有するポリマーの場合、赤外線吸収スペクトルを測定し、ナイロン3構造に由来する1675cm-1、1540cm-1の第二アミドの吸収強度と、アクリルアミド構造に由来する1660cm-1、1620cm-1のアミドI、アミドIIの吸収強度の比からナイロン3構造単位の割合を算出することができる。本発明に用いる一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーの分子量に特に制限はないが、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜20,000であることがより好ましい。分子量が1,000未満であると、スケール付着防止効果が不十分となるおそれがある。分子量が100,000を超えると、ポリマー水溶液が高粘度となって取り扱いに困難を生ずるおそれがある。一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布曲線を求め、ポリエチレングリコールを標準物質として換算することにより、分子量を求めることができる。

0007

本発明に用いるアニオン性の水溶性ポリマーは、アニオン性の官能基を有する水溶性ポリマーであり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸などや、これらのアルカリ金属塩アルカリ土類金属塩などのホモポリマー、コポリマーなどを挙げることができる。コポリマーを製造するために共重合させるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレートエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテルスチレンアリルアルコール酢酸ビニル付加モル数2〜30のポリエチレンオキサイドモノ(メタ)アクリレート、付加モル数2〜30のエチレンオキサイドモノビニルエーテル、付加モル数2〜30のポリエチレンオキサイドのモノアリルエーテル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのノニオン性モノマーなどを挙げることができる。さらに、アニオン性の水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリルアミド部分加水分解物などの高分子変性によりアニオン性とされたポリマーなどを挙げることができる。本発明に用いるアニオン性の水溶性ポリマーの分子量は、500〜100,000であることが好ましく、700〜20,000であることがより好ましい。分子量が500未満であると、スケール付着防止効果が不十分となるおそれがある。分子量が100,000を超えると、ポリマー水溶液が高粘度となって取り扱いに困難を生ずるおそれがある。アニオン性の水溶性ポリマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布曲線を求め、ポリエチレングリコールを標準物質として換算することにより、分子量を求めることができる。

0008

本発明のスケール付着防止剤の形態に特に制限はなく、例えば、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性の水溶性ポリマーを予め混合して一液型薬剤として水系に添加することができ、あるいは、両方の水溶性ポリマーを別々に水系に添加することもできる。添加するポリマー水溶液の濃度にも特に制限はなく、任意の濃度に調製したポリマー水溶液を対象とする水系に添加することができる。本発明のスケール付着防止剤の添加場所にも特に制限はなく、スケールが付着する箇所に直接添加することができ、あるいは、その箇所よりも前段の任意の箇所に添加することもできる。例えば、冷却水系においては、熱交換器本体、循環水ピット冷却塔配管ラインなどの任意の箇所に直接添加することができ、あるいは、循環水系補給する補給水にあらかじめ添加しておくこともできる。本発明のスケール付着防止剤を使用するとき、水質条件や、ボイラ、熱交換器運転条件などに特に制限はなく、通常の水質、ボイラ、熱交換器運転条件で運転することができる。本発明のスケール付着防止剤により、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、亜鉛水酸化物、ケイ酸マグネシウム、シリカなど、通常のボイラ、冷却水系で生成するスケールの付着を防止することができるが、特にカルシウム系スケールとシリカ系スケールの付着防止に有効である。本発明のスケール付着防止剤の詳細な作用機構は不明であるが、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位の分極したアミド基のカルボニル基の弱い正電荷が、シリカの負電荷吸着作用を及ぼすことにより、シリカ系スケールの配管壁面や、伝熱面、冷却塔充填材などへの付着を効果的に防止するものと考えられる。一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有するポリマーは、弱い正電荷を有するポリマーであり、従来のカチオン性ポリマーより正電荷が弱いために、配管などへの吸着によるポリマーの損失も少ない。また、併用するアニオン性の水溶性ポリマーにより、カルシウム系スケールの付着も同時に防止し得るばかりでなく、一般式[1]で表されるポリアミド構造単位を有する水溶性ポリマーとアニオン性のポリマーが相乗効果を発揮して、スケール全体の付着量を減少させるので、あらゆる水質におけるスケール付着防止が可能である。

0009

以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1
酢酸エチルを用いて再結晶し、減圧乾燥したアクリルアミド10g(0.14モル)を100mL四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で、開始剤として水素化カルシウム29mg(0.7ミリモル)を添加した。撹拌機でよく混合したのち、150℃に予め加熱しておいたオイルバスにその四つ口フラスコを浸し、窒素雰囲気下で30分重合させた。得られた重合物粉砕し、粉末ポリマーを得た。その粉末ポリマーを純水200mLに全量投入して6時間撹拌したのち、3Gグラスフィルターでろ過し、不溶解物を除去した。ろ液の一部を採取し、蒸発残分を測定した結果、収率は79.5重量%であった。ポリエチレングリコールを標準試料とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーの結果、分子量は8,000であった。また、赤外線吸収スペクトルの1540cm-1と1620cm-1の強度比から求めたナイロン3構造単位の割合は、65モル%であった。
製造例2
水素化カルシウムの添加量を59mg(1.4ミリモル)とした以外は、製造例1と同じ操作を行い、粉末ポリマーを得た。収率は83.3重量%で、分子量は4,500、ナイロン3構造単位の割合は58モル%であった。実施例及び比較例において使用したポリマーを、第1表に示す。

0010

0011

実施例及び比較例において、スケール付着試験は、下記の方法により行った。すなわち、伝熱面積が約0.25m2の熱交換器を有する保有水量0.45m3の開放循環式冷却水系で、水道水を補給水とし、12倍濃縮条件で30日間運転した。水道水の水質は、pH7.8、電気伝導率180μS/cm、カルシウム硬度42mgCaCO3/L、マグネシウム硬度22mgCaCO3/L、Mアルカリ度54mgCaCO3/L、シリカ32mgSiO2/Lであった。熱交換器のチューブは、材質SUS304、外径19mmのものを用いた。循環水入口温度は45℃、出口温度は75℃に保ち、循環水流速は0.5m/sとした。30日間の運転終了後、熱交換器のチューブの重量増加より、スケール付着速度を求めた。比較例3〜6においては、付着したスケールを600℃で焼成し、焼成残渣塩酸に溶解し、酸不溶解分をシリカとして、スケール中のSiO2量を算出した。また、焼成残渣の塩酸溶液について、フレーム原子吸光法によりカルシウム濃度を測定し、スケール中のカルシウムCaO量として表した。
実施例1
製造例1で得られたナイロン3構造単位65モル%を有する分子量8,000のポリマーA1と、分子量800のポリマレイン酸を、循環水中の濃度がそれぞれ20mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は、0.2mg/cm2/30日であった。
実施例2
製造例1で得られたナイロン3構造単位65モル%を有する分子量8,000のポリマーA1と、分子量8,500のアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比80:20のコポリマーを、循環水中の濃度がそれぞれ20mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は、0.1mg/cm2/30日であった。
実施例3
製造例2で得られたナイロン3構造単位58モル%を有する分子量4,500のポリマーA2と、分子量3,000のポリアクリル酸ソーダを、循環水中の濃度がそれぞれ20mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は、0.1mg/cm2/30日であった。
比較例1
製造例1で得られたナイロン3構造単位65モル%を有する分子量8,000のポリマーA1を、循環水中の濃度が40mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は、8.3mg/cm2/30日であった。
比較例2
製造例2で得られたナイロン3構造単位58モル%を有する分子量4,500のポリマーA2を、循環水中の濃度が40mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は、5.2mg/cm2/30日であった。
比較例3
分子量800のポリマレイン酸を、循環水中の濃度が40mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は30mg/cm2/30日であつた。スケール中のSiO2分は43重量%であり、CaO分は35重量%であった。
比較例4
分子量8,500のアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比80:20のコポリマーを、循環水中の濃度が60mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は45mg/cm2/30日であった。スケール中のSiO2分は46重量%であり、CaO分は35重量%であった。
比較例5
分子量3,000のポリアクリル酸ソーダを、循環水中の濃度が20mg/Lになるように添加して、30日間の運転を行った。スケール付着速度は26mg/cm2/30日であつた。スケール中のSiO2分とCaO分は、いずれも39重量%であった。
比較例6
ポリアクリル酸ソーダの循環水中の濃度が40mg/Lになるように添加した以外は、比較例5と同様にして、30日間の運転を行った。スケール付着速度は18mg/cm2/30日であつた。スケール中のSiO2分は42重量%であり、CaO分は41重量%であった。実施例1〜3及び比較例1〜6の結果を、第2表に示す。

0012

0013

第2表に見られるように、ナイロン3構造単位を有するポリマーと、ポリマレイン酸などのアニオン性のポリマーを循環水に添加した実施例1〜3においては、スケール付着速度が極めて小さくなり、優れたスケール付着防止効果が発現している。ナイロン3構造単位を有するポリマーのみを添加した比較例1〜2においては、ポリマーの添加量は実施例1〜3と同じであるが、スケール付着速度は実施例1〜3より大きく、ナイロン3構造を有するポリマーとアニオン性のポリマーが相乗的に作用して、優れたスケール付着防止効果を発揮することが分かる。アニオン性のポリマーのみを循環水に添加した比較例3〜6においては、スケール付着速度が大きく、かつ付着したスケールがほぼ同量のSiO2分とCaO分を含むことから、本発明のスケール付着防止剤及びスケール付着防止法は、シリカ系スケールに対しても、カルシウム系スケールに対しても、その付着防止に有効であることが分かる。

発明の効果

0014

本発明のスケール付着防止剤及びスケール付着防止法によれば、ナイロン3構造単位を有する水溶性ポリマーと、アニオン性の水溶性ポリマーが、水系において相乗的に作用し、伝熱面や配管壁面に付着するカルシウム系スケールとシリカ系スケールの両方に対して、優れた付着防止効果を発揮する。

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