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技術 色彩測定方法、色彩測定装置、色彩変換装置、色彩値を求める手順を実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体。

出願人 コニカミノルタオプティクス株式会社
発明者 坂谷一臣伊藤哲也
出願日 2001年1月30日 (19年11ヶ月経過) 出願番号 2001-022350
公開日 2002年8月14日 (18年4ヶ月経過) 公開番号 2002-228522
状態 未査定
技術分野 各種分光測定と色の測定 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 測定値差 累乗関数 幾何学条件 受光用開口 平均評価値 色彩変換 各画像パッチ 色彩測定装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

色光学系による固有色彩測定値から、試料表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる色彩測定方法、色彩測定装置色彩変換装置、色彩値を求める手順を実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体を提供する。

解決手段

所定の照明及び受光幾何学的条件を備えた測色光学系により試料の色彩値を測定する測色部2と、試料の光沢度を測定する光沢度測定部5と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記測色部2により測定された色彩測定値と光沢度測定部5により測定された光沢度を代入して、視覚基準の色彩値を求める色彩算出部3Bとを有する構成とする。

概要

背景

色彩測定装置は、一般に試料色彩を測定するときの照明及び受光幾何学的条件によって大きい影響を受ける。この照明及び受光の幾何学的条件である測色光学系は45度系、拡散系の2つに大別され、具体的には、CIE国際照明委員会)が推奨し、日本工業規格「JIS Z8722:色の測定方法」に規定されている45/0方式、0/45方式、d/0方式、0/d方式のいずれかの測色光学系が、色彩測定装置に採用されている。

ここで、d/0方式は、試料をあらゆる方向から均等に照明し、試料面の法線とのなす角度が10度以下の反射光を受光するものである。従って、例えば、試料面の法線とのなす角度が8度の反射光を受光するd/8方式は、このd/0方式に包含される。また、0/d方式は、試料面の法線に対して光軸がなす角度が10度を越えない1つの光線束で試料を照明し、あらゆる方向へ反射する反射光を受光するものである。

更に、拡散系であるd/0方式及び0/d方式は、光トラップの有無による正反射光成分の取り扱いによって、正反射光成分を含んで色彩を測定するSCI(Specular Component Included)方式と、正反射光成分を除去して色彩を測定するSCE(Specular ComponentExcluded)方式に分けられている。

通常、光沢のあまりない試料の色彩を測定する場合には、上記の45度方式、SCI方式及びSCE方式の3方式により測定される色彩値は、ほぼ同じ値を示すため、測定方式の違いをあまり意識することなく各方式で測定された複数の試料間で色彩値の比較をするのに用いられている。

また、試料の光沢度の測定については、日本工業規格「JIS Z8741:鏡面光沢度−測定方法」に規定されており、試料の種類や表面状態により入射角度受光角度測定条件を適宜選択して光沢度の測定が行われている。

具体例として、例えば、図23及び図24は、照明及び受光の幾何学条件の異なる45度照明系と拡散照明系(SCI方式、SCE方式)における2度視野D50光源により各階調パッチを測定した明度測定結果の一例を、横軸階調No.を、縦軸明度をとって示したものである。尚、75度方式の光沢度計を用いて測定した光沢度も併せてプロットしている。

図23は、用紙と記録剤に低光沢仕様のものを使用した場合を示しており、ほぼハイライトからシャドーまでほぼフラットな低光沢の特性を示すことが分かる。図24は、用紙と記録剤に高光沢仕様のものを使用した場合を示しており、全般的に光沢度が高く、しかもハイライトとシャドーの両側で光沢度が増す略U字形の特性を示すことが分かる。尚、図23と図24は、それぞれ異なるプリンタで出力した測定結果を示す。

図23からも自明なように、一般に試料の光沢度が低い場合には、45度方式、SCE方式、SCI方式の各光学系の測色値はほぼ同じ値を示す。これに対し、試料の光沢度が高い場合には、図24に示すように、45度方式、SCE方式、SCI方式の各光学系の測色値は異なる値を示すようになる。しかも、こうした傾向はシャドー側ほど顕著なことが分かる。すなわち、黒っぽい色を光沢のある用紙に出力すると、測色光学系によって測色値が大きく異なるということが分かる。

また、明度レベルでは、通常0/45方式<SCE方式<SCI方式の関係が成立している。これは、試料の光沢に応じて、45度方式では拡散照明の成分が全く考慮されず、しかも正反射光成分も考慮しないため、SCE方式やSC1方式の拡散照明系に比較してセンサに受光される光量が少ないことに起因する。またSCI方式では、正反射光成分も全て含まれるため、正反射光成分を光トラップと呼ばれる積分球壁面に設けた穴で逃がすSCE方式よりもセンサに受光される光量が増えることに起因すると考えられている。従って、正反射光成分を除去するSCE方式が効果的に光沢(つや)の影響を考慮し、人の視覚で認識される色彩に近い色彩値を示す光学系であると理論的には考えられているが、規格印刷業界の伝統などの影響により、主流は45度系となっているのが実情である。

また、光沢のある試料の正反射光成分を定義することは事実上困難であり、上色彩研究所などの解析結果によれば、試料の濃さや鮮やかさなどによって正反射光分布が変化することも知られている。言い換えれば、試料が光沢を伴う場合、厳密な幾何学的条件の定義によって、光沢の影響を取り除いて人の視覚で認識される色彩を測定することは困難である。

概要

測色光学系による固有色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる色彩測定方法、色彩測定装置、色彩変換装置、色彩値を求める手順を実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体を提供する。

所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により試料の色彩値を測定する測色部2と、試料の光沢度を測定する光沢度測定部5と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記測色部2により測定された色彩測定値と光沢度測定部5により測定された光沢度を代入して、視覚基準の色彩値を求める色彩算出部3Bとを有する構成とする。

目的

本発明は、こうした従来技術の課題を解決するものであり、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる色彩測定方法、色彩測定装置、色彩変換装置、色彩値を求める手順を実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、所定の照明及び受光幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料色彩測定値と、試料の光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求めることを特徴とする色彩測定方法。

請求項2

上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている請求項1記載の色彩測定方法。

請求項3

上記測色光学系が、45/0方式、0/45方式、d/0方式又は0/d方式のいずれかである請求項1記載の色彩測定方法。

請求項4

SCE方式とSCI方式の測色光学系により試料の色彩値を測定する第1測定手段と、該第1測定手段により測定されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出する光沢度算出手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記第1測定手段により測定された色彩測定値と光沢度算出手段により算出された光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求める色彩算出手段とを有することを特徴とする色彩測定装置

請求項5

所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により試料の色彩値を測定する第2測定手段と、試料の光沢度を測定する第3測定手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記第2測定手段により測定された色彩測定値と第3測定手段により測定された光沢度を代入して、視覚基準の色彩値を求める色彩算出手段とを有することを特徴とする色彩測定装置。

請求項6

上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている請求項4又は請求項5記載の色彩測定装置。

請求項7

上記測色光学系が、45/0方式、0/45方式、d/0方式又は0/d方式のいずれかである請求項5記載の色彩測定装置。

請求項8

所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と測定された試料の光沢度とを入力する入力手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記入力手段により入力された色彩測定値と光沢度を代入して、視覚基準の色彩値に変換する色彩変換手段とを有することを特徴とする色彩変換装置。

請求項9

上記測色光学系が、45/0方式、0/45方式、d/0方式又は0/d方式のいずれかである請求項8記載の色彩変換装置。

請求項10

SCE方式とSCI方式の測色光学系により測定された試料の色彩測定値を入力する入力手段と、該入力手段により入力されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出する光沢度算出手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記入力手段により入力された色彩測定値と光沢度算出手段により算出された光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値に変換する色彩変換手段とを有することを特徴とする色彩変換装置。

請求項11

上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている請求項8又は請求項10記載の色彩変換装置。

請求項12

視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と、試料の光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求める手順を実行させるためのプログラム

請求項13

視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と、試料の光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求める手順を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体

請求項14

上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている請求項13記載のコンピュータ可読記録媒体。

技術分野

0001

本発明は、視覚基準による試料色彩を求める色彩測定方法、色彩測定装置色彩変換装置、色彩値を求める手順を実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体に関する。

背景技術

0002

色彩測定装置は、一般に試料の色彩を測定するときの照明及び受光幾何学的条件によって大きい影響を受ける。この照明及び受光の幾何学的条件である測色光学系は45度系、拡散系の2つに大別され、具体的には、CIE国際照明委員会)が推奨し、日本工業規格「JIS Z8722:色の測定方法」に規定されている45/0方式、0/45方式、d/0方式、0/d方式のいずれかの測色光学系が、色彩測定装置に採用されている。

0003

ここで、d/0方式は、試料をあらゆる方向から均等に照明し、試料面の法線とのなす角度が10度以下の反射光を受光するものである。従って、例えば、試料面の法線とのなす角度が8度の反射光を受光するd/8方式は、このd/0方式に包含される。また、0/d方式は、試料面の法線に対して光軸がなす角度が10度を越えない1つの光線束で試料を照明し、あらゆる方向へ反射する反射光を受光するものである。

0004

更に、拡散系であるd/0方式及び0/d方式は、光トラップの有無による正反射光成分の取り扱いによって、正反射光成分を含んで色彩を測定するSCI(Specular Component Included)方式と、正反射光成分を除去して色彩を測定するSCE(Specular ComponentExcluded)方式に分けられている。

0005

通常、光沢のあまりない試料の色彩を測定する場合には、上記の45度方式、SCI方式及びSCE方式の3方式により測定される色彩値は、ほぼ同じ値を示すため、測定方式の違いをあまり意識することなく各方式で測定された複数の試料間で色彩値の比較をするのに用いられている。

0006

また、試料の光沢度の測定については、日本工業規格「JIS Z8741:鏡面光沢度−測定方法」に規定されており、試料の種類や表面状態により入射角度受光角度測定条件を適宜選択して光沢度の測定が行われている。

0007

具体例として、例えば、図23及び図24は、照明及び受光の幾何学条件の異なる45度照明系と拡散照明系(SCI方式、SCE方式)における2度視野D50光源により各階調パッチを測定した明度測定結果の一例を、横軸階調No.を、縦軸明度をとって示したものである。尚、75度方式の光沢度計を用いて測定した光沢度も併せてプロットしている。

0008

図23は、用紙と記録剤に低光沢仕様のものを使用した場合を示しており、ほぼハイライトからシャドーまでほぼフラットな低光沢の特性を示すことが分かる。図24は、用紙と記録剤に高光沢仕様のものを使用した場合を示しており、全般的に光沢度が高く、しかもハイライトとシャドーの両側で光沢度が増す略U字形の特性を示すことが分かる。尚、図23図24は、それぞれ異なるプリンタで出力した測定結果を示す。

0009

図23からも自明なように、一般に試料の光沢度が低い場合には、45度方式、SCE方式、SCI方式の各光学系の測色値はほぼ同じ値を示す。これに対し、試料の光沢度が高い場合には、図24に示すように、45度方式、SCE方式、SCI方式の各光学系の測色値は異なる値を示すようになる。しかも、こうした傾向はシャドー側ほど顕著なことが分かる。すなわち、黒っぽい色を光沢のある用紙に出力すると、測色光学系によって測色値が大きく異なるということが分かる。

0010

また、明度レベルでは、通常0/45方式<SCE方式<SCI方式の関係が成立している。これは、試料の光沢に応じて、45度方式では拡散照明の成分が全く考慮されず、しかも正反射光成分も考慮しないため、SCE方式やSC1方式の拡散照明系に比較してセンサに受光される光量が少ないことに起因する。またSCI方式では、正反射光成分も全て含まれるため、正反射光成分を光トラップと呼ばれる積分球壁面に設けた穴で逃がすSCE方式よりもセンサに受光される光量が増えることに起因すると考えられている。従って、正反射光成分を除去するSCE方式が効果的に光沢(つや)の影響を考慮し、人の視覚で認識される色彩に近い色彩値を示す光学系であると理論的には考えられているが、規格印刷業界の伝統などの影響により、主流は45度系となっているのが実情である。

0011

また、光沢のある試料の正反射光成分を定義することは事実上困難であり、上色彩研究所などの解析結果によれば、試料の濃さや鮮やかさなどによって正反射光分布が変化することも知られている。言い換えれば、試料が光沢を伴う場合、厳密な幾何学的条件の定義によって、光沢の影響を取り除いて人の視覚で認識される色彩を測定することは困難である。

発明が解決しようとする課題

0012

上述したように、光沢度の高い試料では、上記3種の測定方式により測定された各色彩値は異なる値を示す傾向があり、特に高光沢かつ低濃度の試料の場合には、同じ試料の測定でも、各測定方式により測定された色彩値はほとんど一致しない。

0013

このため、光沢特性が異なる試料の場合には、異なる測定方式で測定された複数の試料間で色彩値の比較をすることができない点で問題があった。

0014

また、従来の色彩測定装置では、色彩値が光沢度とは独立した値で扱われているため、人の視覚で認識された色彩と測定装置で測定された色彩値とが必ずしも一致しない点で問題があった。

0015

本発明は、こうした従来技術の課題を解決するものであり、測色光学系による固有色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる色彩測定方法、色彩測定装置、色彩変換装置、色彩値を求める手順を実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

本発明の色彩測定方法は、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と、試料の光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求める構成を有する。

0017

上記測色光学系は、例えば、45/0方式、0/45方式、d/0方式又は0/d方式のいずれかである構成とすることができる。

0018

ここで、d/0方式は、試料をあらゆる方向から均等に照明し、試料面の法線とのなす角度が10度以下の反射光を受光するものである。従って、例えば、試料面の法線とのなす角度が8度の反射光を受光するd/8方式は、このd/0方式に包含される。また、0/d方式は、試料面の法線に対して光軸がなす角度が10度を越えない1つの光線束で試料を照明し、あらゆる方向へ反射する反射光を受光するものである。

0019

上記構成によれば、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と、試料の光沢度とを、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に代入して、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることが可能となる。

0020

上記の色彩測定方法において、上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている構成にすると、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しないより一層人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることが可能となる。

0021

本発明の色彩測定装置は、SCE方式とSCI方式の測色光学系により試料の色彩値を測定する第1測定手段と、該第1測定手段により測定されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出する光沢度算出手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記第1測定手段により測定された色彩測定値と光沢度算出手段により算出された光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求める色彩算出手段とを有する。

0022

上記構成によれば、第1測定手段によってSCE方式とSCI方式の測色光学系により試料の色彩測定値を測定し、光沢度算出手段によってこの第1測定手段により測定されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出し、色彩算出手段によって、試料の色彩測定値と光沢度とを、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に代入して、SCE方式又はSCI方式の測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることが可能となる。

0023

本発明の他の色彩測定装置は、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により試料の色彩値を測定する第2測定手段と、試料の光沢度を測定する第3測定手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記第2測定手段により測定された色彩測定値と第3測定手段により測定された光沢度を代入して、視覚基準の色彩値を求める色彩算出手段とを有する。

0024

上記測色光学系は、例えば、45/0方式、0/45方式、d/0方式又は0/d方式のいずれかである構成とすることができる。

0025

上記構成によれば、第2測定手段によって所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により試料の色彩値を測定すると共に、第3測定手段によって試料の光沢度を測定し、色彩算出手段によって、試料の色彩測定値と光沢度とを、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に代入して、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることが可能となる。

0026

上記の各色彩測定装置において、上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている構成にすると、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しないより一層人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることが可能となる。

0027

本発明の色彩変換装置は、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と測定された試料の光沢度とを入力する入力手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記入力手段により入力された色彩測定値と光沢度を代入して、視覚基準の色彩値に変換する色彩変換手段とを有する。

0028

上記測色光学系は、例えば、45/0方式、0/45方式、d/0方式又は0/d方式のいずれかである構成とすることができる。

0029

上記構成によれば、入力手段によって試料の色彩測定値と光沢度を入力し、色彩変換手段によって、試料の色彩測定値と光沢度とを、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に代入して、測色光学系による固有の色彩測定値を、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値に変換することが可能となる。

0030

本発明の他の色彩変換装置は、SCE方式とSCI方式の測色光学系により測定された試料の色彩測定値を入力する入力手段と、該入力手段により入力されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出する光沢度算出手段と、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、上記入力手段により入力された色彩測定値と光沢度算出手段により算出された光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値に変換する色彩変換手段とを有する。

0031

上記構成によれば、入力手段によってSCE方式とSCI方式の測色光学系により測定された試料の色彩測定値を入力し、光沢度算出手段によってこの入力手段により入力されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出し、色彩変換手段によって、試料の色彩測定値と光沢度とを、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に代入して、SCE方式又はSCI方式の測色光学系による固有の色彩測定値を、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値に変換することが可能となる。

0032

上記の各色彩変換装置において、上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている構成にすると、測色光学系による固有の色彩測定値を、試料の表面状態に依存しないより一層人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値に変換することが可能となる。

0033

本発明のプログラムは、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と、試料の光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求める手順を実行させるものである。

0034

このプログラムを、一般のコンピュータにインストールするだけで、上記の各色彩測定装置や色彩変換装置を簡単に構成することが可能となり、上述した作用効果を奏する。例えば、色彩変換装置を、電気通信回線を通じてネットワーク上に接続し、インターネット等を利用して視覚基準の色彩値を提供するサービスを行うことも可能となる。

0035

本発明のコンピュータ可読記録媒体は、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と、試料の光沢度とを代入して、視覚基準の色彩値を求める手順を実行させるためのプログラムが記録されている。

0036

この記録媒体を用いて、上記の各色彩測定装置や色彩変換装置を簡単に構成することが可能となり、上述した作用効果を奏する。

0037

好ましくは、上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている構成とする。

発明を実施するための最良の形態

0038

以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。

0039

本発明の色彩測定方法は、視覚基準の色彩値を規定する所定の式(例えば、下記(1)式)に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値YXと、試料の光沢度Gとを代入して、測色光学系による固有の色彩測定値YXから、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値YSを求めることを可能とするものである。

0040

上記測色光学系は、例えば、45/0方式、0/45方式、d/0方式又は0/d方式のいずれかである構成とすることができる。

0041

ここで、d/0方式は、試料をあらゆる方向から均等に照明し、試料面の法線とのなす角度が10度以下の反射光を受光するものである。従って、例えば、試料面の法線とのなす角度が8度の反射光を受光するd/8方式は、このd/0方式に包含される。また、0/d方式は、試料面の法線に対して光軸がなす角度が10度を越えない1つの光線束で試料を照明し、あらゆる方向へ反射する反射光を受光するものである。

0042

上記視覚基準の色彩値を規定する所定の式は、例えば、詳細を後述する重回帰分析により得られる回帰式とすることができ、視覚基準の色彩値YSが色彩測定値YX及び光沢度Gの相関式で表わされる。具体的には、視覚基準の色彩値YSは、ある測色光学系により実測された色彩測定値YX、光沢度G、係数s、係数t、定数u、乗数kを用いて、色彩測定値YXの対数項と光沢度Gの累乗項を含む下記(1)式、
−log10(YS/1OO)=s×−log10(YX/1OO)+t×Gk+u……(1)
で表される。

0043

ここで、光沢度Gの累乗項における乗数k、線形変換における色彩測定値YXの対数項の係数s、光沢度Gの累乗項の係数t及び定数uは、使用される測色光学系における三刺激値である色彩値YXを人の視覚で評価実験を行い、光沢度Gとの相関について重回帰分析を行って最適化した値を用いる。すなわち、係数s、係数t、乗数k及び定数uは、後述するように測色光学系の種類によって異なる値となる。また、評価実験の条件によっても変わるものである。

0044

尚、視覚基準の色彩値YS及び上記(1)式の意義の詳細については後述する。

0045

(第1の実施形態)図1は、上記色彩測定方法を採用した本発明の第1の実施形態による色彩測定装置1の構成例を示す。

0046

この色彩測定装置1は、複数のカラーサンプル31が印刷された試料30における測色したいカラーサンプル31上へ測色部2を移動させて測色を行うことで、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式(例えば、上記(1)式)に基づく所定の演算処理が実行され、測色部2に採用された測色光学系による固有の色彩測定値YXから、試料30の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値YSが表示部4に表示されるようになっている。

0047

測色部2は、d/0方式の拡散照明系として、例えば、図2に示すように、積分球23によって試料30を拡散照明し、試料30の表面の法線nに対して8度の方向に配設された受光部25で受光するd/8方式とする。このd/8方式では、試料30の表面の法線nに対して−8度方向に相当する積分球23の内壁の部分領域23cに開閉可能な光トラップ24を設け、この光トラップ24を開閉させることによってSCI方式とSCE方式の測色が可能になっている。

0048

すなわち、図2(a)に示すSCI方式では、光トラップ24を閉じた状態で測色を行い、光源21から発した光が積分球23の内壁面23aで拡散し、拡散を繰り返した光が試料30を照明し、試料30の表面の法線nに対して8度方向に取り付けられた受光部25によって試料30で反射した光が受光される。他方、図2(b)に示すSCE方式では、光トラップ24を開いた状態で正反射光成分が除去されるようにして上記と同様の測色を行う。

0049

より具体的には、上記拡散照明系による色彩測定装置1は、図3に示すように、光源部20が、光源21、発光回路22等から構成され、積分球23の光源用開口23bの近傍に配設されている。光源21は、Xeフラッシュ等が用いられ、積分球23内に光束を供給するものであり、発光回路22は、光源21を発光させるもので、演算制御部3からの制御信号により動作する。

0050

積分球23の内壁23aには、高拡散で高反射率の材料、例えばBaSO4等が塗布されている。この積分球23には、試料30の表面の法線nに対して8度方向に受光光学系26の受光用開口23dが設けられている一方、法線nに対して−8度方向に相当する積分球23の内壁の部分領域23cには開閉可能な光トラップ24が設けられている。

0051

受光光学系26は、レンズ等からなり、受光軸Laが試料30表面の法線nに対して8度だけ傾斜した方向に設定されたd/8光学系を形成しており、試料30からの8度方向の反射光を試料用分光部27の受光面に集束するものである。試料用分光部27は、試料30の反射光の分光強度を測定するもので、得られた測定データは演算制御部3に送られる。

0052

また、積分球23にはライトガイド29が取り付けられている。このライトガイド29は、光ファイバ等からなり、入射端入射する積分球23内の照明光の一部をモニタ用分光部28に導くものである。モニタ用分光部28は、照明光の分光強度をモニタするもので、得られたデータは演算制御部3に送られる。

0053

演算制御部3は、CPU、RAM、ROM等からなり、ROMには測定のための制御プログラムなどが記憶されていて、測色部2の動作を制御する。すなわち、この演算制御部3は、発光回路22を介して光源21の点灯を制御すると共に、試料用分光部27及びモニタ用分光部28から送られるデータを用いて所定の演算処理を行ってSCI方式及びSCE方式の反射特性を算出するものである。

0054

上記色彩測定装置1の測色部2において、光源部20の光源21を点灯すると、光源21からの光束は、開口23bから積分球23内に入射し、積分球23の内壁23aの広い部分領域23eが、光源21の最初の直接照射域として照射され、内壁23aで多重反射して、試料用開口23fに配置された試料30はあらゆる方向からほぼ一様に拡散照明される。

0055

試料30からの反射光は、受光用開口23dを通って受光光学系26を介して試料用分光部27に導かれ、同時に拡散照明光の一部がライトガイド29によって取り込まれてモニタ用分光部28に導かれる。そして、試料用分光部27及びモニタ用分光部28の出力が、演算制御部3に入力され所定の演算処理が行われて、試料30のSCI方式及びSCE方式における分光反射率が測定される。

0056

より詳しくは、この色彩測定装置1は、図4に示すように、SCE方式とSCI方式の測色光学系により試料30の色彩値YSCE、YSCIを測定する測色部2(第1測定手段)と、この測色部2により測定されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値YSCE、YSCIを、両方式による色彩測定値YSCE、YSCIの常用対数の差ΔYと光沢度Gとの関係を規定した相関式(下記(2)式)に代入して光沢度Gcalを算出する光沢度算出部10と、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式(例えば、上記(1)式)に、上記測色計2により測定された色彩測定値YSCE(又はYSCI)と光沢度算出部10により算出された光沢度Gcalとを代入して、視覚基準の色彩値YSを求める色彩算出部3Aを包含する演算制御部3と、この演算制御部3によって算出された色彩値YSを表示する表示部4とを有する。

0057

ここで、上記光沢度Gcalは、各実測値YSCEとYSCIの常用対数の差ΔYから下記(2)式及び(3)式
Gcal=f×ΔYj……(2)
ΔY=|(−log10(YSCE/1OO))−(−log10(YSCI/1OO))|…(3)
で表される。ここで、(2)式における係数f,乗数jは、使用される測色光学系の種類に合わせて異なる値が設定される。尚、これらの式の意義の詳細については後述する。

0058

演算制御部3に包含される色彩算出部3Aは、上記光沢度算出部10と、測色部2により測定された色彩測定値YSCE(又はYSCI)を対数変換する対数変換部11と、光沢度算出部10により算出された光沢度Gcalを累乗変換する累乗変換部12と、対数変換された色彩測定値YSCE(又はYSCI)と累乗変換された光沢度Gcalによって線形変換を行い色彩値YSの対数値を算出する線形変換部13と、この線形変換部13より出力される色彩値YSの対数値を逆対数変換して色彩値YSを算出する逆対数変換部14と、この逆対数変換部14によって算出された色彩値YSを表示部4に出力する色彩値出力部15とにより構成されている。

0059

この色彩測定装置1では、光沢度計を構成することなく、測色部2によってSCE方式とSCI方式の測色光学系による試料30の色彩測定値YSCE、YSCIが測定され、この測色部2により測定されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値YSCE、YSCIが光沢度算出部16に入力される。光沢度算出部16では、両方式による色彩測定値YSCE、YSCIの常用対数の差ΔYと光沢度Gとの関係を規定した相関式(上記(2)式)に基づいて、測色部2より出力されるSCE方式とSCI方式の各色彩測定値YSCE、YSCIを用いて光沢度Gcalが算出される。

0060

そして、色彩算出部3Aでは、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式(例えば、上記(1)式)に基づいて、測色部2より出力されるSCE方式(又はSCI方式)の測色光学系による固有の試料30の色彩測定値YSCE(又はYSCI)が対数変換部11に入力されて対数変換されると共に、光沢度算出部10より出力される光沢度Gcalが累乗変換部12に入力されて累乗変換される。対数変換された色彩測定値YSCE(又はYSCI)と累乗変換された光沢度Gcalが線形変換部13に入力されて線形変換が行なわれて色彩値YSの対数値が算出される。この線形変換部13より出力される色彩値YSの対数値が逆対数変換部14に入力され逆対数変換されて色彩値YSが算出される。逆対数変換部14より出力される色彩値YSが色彩値出力部15を介して表示部4に出力され、試料30の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値YSが表示部4に表示される。

0061

図5及び図6は、上記のように算出される視覚基準の色彩値YSを評価するために、横軸に階調NO.、縦軸に明度、光沢度をとって、この視覚基準の色彩値に相当する明度Lcalと、SCE方式とSCI方式の各光学系の測色値と、光沢度Gとの関係を示している。

0062

図5は、用紙と記録剤に低光沢仕様のものを使用した場合を示しており、算出された視覚基準の色彩値YSに相当する明度Lcalが、SCE方式、SCI方式の各光学系の測色値とほぼ同じ値になっていることが分かる。

0063

図6は、用紙と記録剤に高光沢仕様のものを使用した場合を示しており、算出された視覚基準の色彩値YSに相当する明度Lcalは、SCE方式とSCI方式の間でSCE方式よりの値を示していることが分かる。

0064

この結果から、上記のように算出される視覚基準の色彩値YSが信頼性の高いものであることがわかる。

0065

尚、上記色彩測定装置1は、図7に示すように、測色部2を測定器7とし、色彩算出部3Aをコンピュータ8に構成して、両者をケーブルで接続した色彩測定装置1’の形態としてもよい。

0066

また、上記では、測色光学系による固有の試料30の三刺激値である色彩測定値YSCE(又はYSCI)から、視覚基準の色彩値YSを求める構成例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各測色光学系で測定される三刺激値を、測定光源完全拡散反射面の三刺激値で割った値である光源補正値を用いて、視覚基準の光源補正値を求める構成としてもよい。

0067

この構成によれば、ニュートラルグレー試料においては光源依存性が無くなり、光沢度Gの累乗項における乗数k、線形変換における色彩測定値YSCE(又はYSCI)の対数項の係数s、光沢度Gの累乗項の係数t及び定数uは、全ての光源で同じ値を適用することができるようになり、汎用性が向上する。

0068

(第2の実施形態)図8及び図9は、本発明の第2の実施形態による色彩測定装置1Bの構成例を示す。この色彩測定装置1Bは、図9に示すように、上述した第1の実施形態による色彩測定装置1に対し、測色光学系の異なる測色部2Bと、図4に示す光沢度算出部10に代えて光沢度測定部5を構成している点で主に相違し、その他の構成は第1の実施形態による色彩測定装置1とほぼ同様の構成からなる。従って、以下では、相違点について説明し、上述した第1の実施形態による色彩測定装置1と同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

0069

この色彩測定装置1Bでは、測色部2Bと光沢度測定部5とが一体化されている図9に示す光学系を用いている。この光学系はフラットベッドスキャナなどで採用されているものである。

0070

図9(a)に示す形態では、試料30の表面の法線nに対し45度方向に配置された光源41が色彩値及び光沢度の測定に共用する光源であり、法線n方向に配置された受光部43が色彩値を測定するためのセンサであり、法線nに対し−45度方向に配置された受光部44が光沢度を測定するためのセンサである。この受光部44では、光源41からの試料30の正反射光を受光するように構成されている。

0071

図9(b)に示す形態では、試料30の表面の法線nに対し45度方向に配置された光源41が色彩値測定用光源であり、法線nに対し60度方向に配置された光源42が光沢度測定用光源である。法線n方向に配置された受光部43が色彩値を測定するためのセンサであり、法線nに対し−60度方向に配置された受光部44が光沢度を測定するためのセンサである。この受光部44では、光源42からの試料30の正反射光を受光するように構成されている。尚、この光学系の詳細については、例えば、特開平9−238237号公報等に開示されている。

0072

上記測色部2Bは、先に図3を用いて説明した拡散照明系による測色部2と照明及び受光の幾何学的条件が相違するのみであり、受光光学系26、試料用分光部27、モニタ用分光部28及び演算制御部3等は同様の構成からなる。

0073

この色彩測定装置1Bでは、測色部2B(第2測定手段)によって所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により試料30の色彩値YXを測定すると共に、光沢度測定部5(第3測定手段)によって試料30の光沢度Gを測定する。そして、色彩算出部3Bによって、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式(例えば、上記(1)式)に、試料30の色彩測定値YXと光沢度Gとを代入して、測色光学系による固有の色彩測定値YXから、試料30の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値YSが求められ、この算出された色彩値YSが表示部4に表示される。

0074

尚、上述した光源補正値を用いて、視覚基準の光源補正値を求める構成としてもよい。

0075

また、上記では、測色部2と光沢度測定部5とが一体化された光学系を用いる構成例を示したが、測色部2と光沢度測定部5を個別の光学系で構成してもよい。

0076

例えば、測色部2に図10に示す45度照明系を用い、光沢度測定部5に図11に示す75度照明系を用いてもよい。

0077

図10(a)に示す0/45方式では、光源41は試料30の表面を法線n方向から照明し、法線nから45度方向に取り付けられた受光部42によって、試料30で反射した光を受光して測色できるように構成されている。

0078

図10(b)に示す45/0方式では、法線nから45度方向に取り付けられた光源41は試料30を照明し、試料30の表面に対して法線n方向に取り付けられた受光部42によって、試料30で反射した光を受光して測色できるように構成されている。

0079

図11に示す75度方式では、試料30の表面に対して法線nから75度方向に取り付けられた光源41と、鏡面反射を検出するために対象位置である法線nから−75度方向に取り付けられた受光部42によって、試料30の光沢度が測定できるように構成されている。

0080

尚、上記測色部2の測色光学系として、上記以外のd/0方式又は0/d方式を用いてもよい。また、光沢度測定部5の照明光学系として、上記以外の20度方式、60度方式、80度方式等を用いてもよい。

0081

尚、上記色彩測定装置1Bは、図7に示すように、測色部2B及び光沢度測定部5を測定器7Bとして構成し、色彩算出部3Bをコンピュータ8に構成して、両者をケーブルで接続した色彩測定装置1B’の形態としてもよい。また、測定器7Bは、測色部2Bを測色計とし、光沢度測定部5を光沢度計として個別に構成してもよい。

0082

(第3の実施形態)図12は、本発明の第3の実施形態による色彩変換装置1Cの構成例を示す。この色彩変換装置1Cは、上述した第1の実施形態による色彩測定装置1に対し測定機能をなくし、図4に示す測色部2に代えて入力部6を構成している点で相違し、その他の構成は第1の実施形態による色彩測定装置1とほぼ同様の構成からなる。従って、以下では、相違点について説明し、上述した第1の実施形態による色彩測定装置1と同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

0083

この色彩変換装置1Cでは、実測した光沢度Gのデータがなくても、別構成である測色計で予め測定されたSCE方式とSCI方式の測色光学系により測定された試料の色彩測定値YSCE、YSCIを入力部6(入力手段)によって入力すれば、光沢度算出部16によって、この入力部6によって入力されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値YSCE、YSCIを、両方式による色彩測定値YSCE、YSCIの常用対数の差ΔYと光沢度Gとの関係を規定した相関式(上記(2)式)に代入して光沢度Gcalが算出される。そして、色彩変換部3Cによって、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式(例えば、上記(1)式)に、試料の色彩測定値YSCE(又はYSCI)と光沢度Gcalとが代入され、SCE方式又はSCI方式の測色光学系による固有の色彩測定値YSCE(又はYSCI)が、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値YSに変換される。

0084

この色彩変換装置1Cは、上述した視覚基準の色彩値YSを求める手順を実行させるためのプログラムを、一般のコンピュータにインストールするだけで、簡単に構成することができる。また、この色彩変換装置1Cを、電気通信回線を通じてネットワーク上に接続し、インターネット等を利用して視覚基準の色彩値YSを提供するサービスを行うこともできる。

0085

(第4の実施形態)図13は、本発明の第4の実施形態による色彩変換装置1Dの構成例を示す。この色彩変換装置1Dは、上述した第2の実施形態による色彩測定装置1Bに対し測定機能をなくし、図8に示す測色部2B、光沢度測定部5に代えて入力部6を構成している点で相違し、その他の構成は第2の実施形態による色彩測定装置1Bとほぼ同様の構成からなる。従って、以下では、相違点について説明し、上述した第2の実施形態による色彩測定装置1Bと同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

0086

この色彩変換装置1Dでは、別構成である測色計や光沢度計で予め測定された試料の色彩測定値YXと光沢度Gを入力部6によって入力する。そして、色彩変換部3Dによって、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式(例えば、上記(1)式)に、試料の色彩測定値YXと光沢度Gとが代入され、測色光学系による固有の色彩測定値YXが、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値YSに変換される。

0087

この色彩変換装置1Dは、上述した視覚基準の色彩値YSを求める手順を実行させるためのプログラムを、一般のコンピュータにインストールするだけで、簡単に構成することができる。また、この色彩変換装置1Dを、電気通信回線を通じてネットワーク上に接続し、インターネット等を利用して視覚基準の色彩値YSを提供するサービスを行うこともできる。

0088

(視覚基準の色彩値及び回帰式の意義の詳細)以上、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた各測色光学系により測定された試料の色彩測定値YXと、試料の光沢度Gとを代入して、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値YSを求める色彩測定方法、色彩測定装置及び色彩変換装置について説明してきた。

0089

ここで、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式の一例として、複数の試料の色彩を人の視覚で評価した結果を回帰分析して得られた視覚基準の色彩値YS、色彩測定値YX及び光沢度Gの相関を表す回帰式(上記(1)式)を導出する方法について、詳述する。

0090

尚、係数s、係数t、乗数k及び定数uの数値は、使用される測色光学系の種類によって異なる値となる。また、評価実験の条件によっても変わるものであり、より多くの統計データを集めて、より精度の高い値に適宜修正することが可能である。従って、以下では具体的な数値を用いずに説明する。

0091

測色計は、45度系と拡散系の2種類を使用した。拡散系の測色計は、前述したSCE方式とSCI方式の2つの測定方式を有している。また、濃度測定には、基本的な光学系が45度系である反射濃度計を使用した。光沢度の測定には、75度方式の光沢度計を用いた。

0092

測定する画像サンプルとして、機種の異なる複数のプリンタを使用して、12階調のグレースケール(K単色)を、MTペーパー、CFペーパー、CFコート紙等の用紙タイプの異なる28種の用紙に各々プリント出力し、総個数にして336(=12×28)個の画像パッチを準備した。プリンタ機種と用紙タイプを組み合わせることで、比較的多様な光沢特性を有するサンプル群を構成している。また、記録方式としては電子写真式が主であるが、インクジェット式サーマル式も取り混ぜている。これらの全てのパッチについて上記測定器を用いて5箇所の測定を行い、その平均値測定値とした。具体的には、1つのパッチに付き、三刺激値であるXYZ(0/45)、XYZ(SCE)及びXYZ(SCI)と、反射濃度d、光沢度Gの5組の物理量を測定した。なお、三刺激値XYZの観察条件として、印刷業界の標準でもあるIS013655で規定された2度視野、D50光源を用いている。

0093

図14は、上記全サンプルの三刺激値XYZ(0/45,SCE,SCI)の実測値Yから、CIEの定めた公式に従い各明度Lを計算して、SCE方式を基準とした場合の明度差ΔLを明度L(SCE)に対してプロットしたグラフである。ハイライトからシャドーの全領域において様々な光沢特性を有しているサンプル群であるが、このグラフからも自明なように、明度L(SCE)が低く色彩の濃いサンプルほど測定値のばらつきは大きく、概ねその明度の測定値は、SCI方式>SCE方式>0/45方式となる傾向を示すことが分かる。しかし、おおよそ明度L(SCE)が高く色彩の薄いサンプルでは測定値のばらつきは比較的小さいことがわかった。

0094

従って、効率良く視覚評価実験を行うことを目的に、全336サンプルの中からまず高明度(例えば、明度70以上)のサンプルを除き、さらに光沢特性を考慮して抽出した126サンプルを視覚評価実験の対象サンプルとした。

0095

図15は、抽出した視覚評価対象サンプルの明度L(SCE)と光沢度Gの関係を示す。

0096

視覚評価対象サンプルは、各々の用紙上から切り出し、用意したカード(約70mm×100mm)上に貼り、さらにその上を約10mm角の窓を設けた用紙で覆った。これらのカードと窓を設けた用紙は共に、光沢のほとんどない白い用紙とした。

0097

視覚評価実験は、5名の評価者が行った。手法としては、各サンプルを1対1で比較する行為を総当たりで行う一対比較法を採用した。例えば、n個のサンプルの場合、{n(n−1)/2}回の比較判断を行うことになる。従って、今回の126サンプルでは、7875回の比較判断を各人が行っている。色彩が濃いと判断したときは“−1”とし、色彩が同じと判断したときは“0”とし、色彩が薄いと判断したときは“+1”とする三段階での比較判断を行い、結果として得られる視覚スケールS(評価値)は各サンプルの勝率のようなものに相当する。5人の結果は傾向的には類似しており、ここでは、5人の視覚スケールSの平均値を平均評価値SAVEとして採用した。この平均評価値SAVEは、−1から+1までの範囲の値を取り、その値が小さいほど色彩が濃いと判断されたことを意味する。

0098

図16は、全336サンプルの三刺激値XYZ(0/45,SCE,SCI)の実測値Yから、CIEの定めた公式に従い各明度Lを計算して、SCEを基準とした場合の明度差ΔLを光沢度Gに対してプロットしたグラフである。低光沢から高光沢の全領域において様々な明るさを有しているサンプル群であるが、光沢度が高いサンプルほど測定値のばらつきが大きくなる傾向は、特にSCI方式時に顕著なことが分かる。しかし、おおよそ低光沢域では測定値のばらつきは小さく、光沢の影響は比較的少ない。従って、視覚評価の対象とした126サンプルの中から低光沢(ここでは光沢度10以下とした)のサンプル39個を抽出し、上記視覚スケールである平均評価値SAVEとの関係を調べた。ここでは、視覚スケールSを正数として取り扱うために、全ての平均評価値SAVEに1を加算した値を視覚評価値m(=SAVE+1)としている。

0099

図17は、低光沢サンプルの三刺激値XYZの0/45、SCE、SCIの3方式による各実測値の平均である平均実測値YAVEと視覚評価値mの関係を表し、下記(4)式で表現される曲線が、視覚評価値mから目標とする視覚値YSへの変換式になる。尚、ここでは、低光沢時の平均実測値YAVEは、人の視覚で認識される色彩に近い視覚基準の視覚値YSと等しいものと想定している。

0100

YS=αm3+βm2+γm+δ……(4)
ここで、係数α,β,γ,及び定数δは、使用される測色光学系の種類によって異なる値となる。

0101

上記(4)式は、単調増加関数である必要があるが、その導関数は常に正であり、この条件を満足している。

0102

ここで、視覚評価値mを、明度Lではなく視覚値YSに変換した理由は、CIEの定める公式における1/3乗や三刺激値の値が極低い時の場合分けの必要がなく、より単純な計算となるように考慮したためである。さらに、XやZの他の三刺激値への拡張カラー測色への拡張)もより簡素に行うことを可能とするためである。

0103

視覚評価を行った全126サンプルの視覚値YSと実測値Yとの相関関係(1次)を調べた。

0104

図18は、実測値Y(O/45)、Y(SCE)、Y(SCI)、CIEの公式に基づいて変換した明度L(0/45)、L(SCE)、L(SCI)、反射濃度d、各実測値Y(O/45)、Y(SCE)、Y(SCI)の常用対数値である−log10(Y(O/45)/1OO)、−log10(Y(SCE)/1OO)、−log10(Y(SCI)/1OO)の全10種のデータに対する相関係数RYを示す。当然ながら、いずれも相関関係RYは十分に高いが、最も相関が高かったのは各実測値Yの常用対数値であった。これは、1/3乗よりも対数スケールの方がより「濃さ」の感覚量として適していることを意味している。従って、以下では所望の関数を得るための計算処理として、実測値Yの常用対数値−1og10(Y/100)を用いる。

0105

そして、測色光学系としては拡散照明系で、かつ正反射光成分を除去するSCE方式が、0/45方式やSCI方式よりも人の視覚により認識される色彩に近いことが図18のグラフからも分かる。従って、以下では基本的にはSCE方式による実測値Yをべ一スに視覚値YSへの変換を考えることとする。

0106

視覚判断を行った全126サンプルにおける視覚値YSは、各画像パッチの視覚評価値m(=SAVE+1)を、上記(4)式に代入することで求められる。

0107

すなわち、重回帰分析を行う一般式は、s、tを係数、uを定数、kを乗数とし、各画像パッチの実測値YXを各測色光学系における実測値Y0/45、YSCE又はYSCIとし、光沢度の実測値をGとすると、下記(1)式で表される。

0108

−log10(YS/1OO)=s×−log10(YX/1OO)+t×Gk+u…(1)
この(1)式を変形すると、視覚値YSは下記(5)式で表される。

0109

0110

尚、係数s、係数t、乗数k及び定数uは、測色光学系の種類によって異なる値となる。

0111

ここで、光沢度Gに関連する項を累乗の関数で表現しているのは、光沢度Gをそのまま用いるよりも相関が上がることが確認されたためである。例えば、実測値YSCEと光沢度Gから知覚される視覚値YSを予測する場合、図19に示すように、光沢度Gに関する項に対する相関係数RGは、光沢度Gの乗数k=kaで最大値RGmaxが得られた。尚、光沢度Gの相関関数はこれに限定されるものではなく、より適した光沢度Gの相関関数が特定された場合には、それを用いればよい。

0112

実際に、0/45方式、SCE方式、SCI方式の3種類の測定方式に対して、重回帰分析を行い、実測値Yに関する項に対する相関係数RYと、光沢度Gに関する項に対する相関係数RGを求めて比較した。その結果、視覚値YSの関数と相関が高かったのは、実測値項、光沢度項ともにSCE方式であり、次いで、0/45方式、SCI方式の順となった。

0113

つまり、例えば、SCE方式で測定した実測値YSCEと光沢度G75との両者から予測される視覚値YSは、下記(6)式で表される。

0114

0115

ここで、係数sa、係数ta、乗数ka及び定数uaは、測色光学系がSCE方式であるときの所定値である。

0116

但し、視覚値YSの予測式は、0/45方式、SCI方式の場合も含め、光沢度Gが10以上、又は明度Lが70以下の条件を満足するサンプルに対してのみ適用する。そして、上記条件からはずれるサンプルについては、各々測定した実測値そのものを視覚値YSとして取り扱うこととする。

0117

図20は、全336サンプルの三刺激値XYZ(0/45、SCE、SCI)の実測値Yから各係数sa、ta、定数ua、乗数kaを用いて、光沢度Gの実測値G75と各測定方式における実測値Yから視覚値YSを推定し、さらにCIEの定めた公式に従いそれぞれの明度Lを計算し、SCE方式を基準とした場合の明度差ΔLを光沢度Gに対してプロットしたグラフである。図16と比較して、0/45方式からの予測値及びSCE方式からの予測値について、SCE方式との明度差ΔLが減少していることがわかる。

0118

また、SCI方式からの予測値とSCE方式からの予測値との差は、依然として高光沢のサンプルにおいてやや大きくなっていることがわかる。SCI方式では、光沢による正反射光成分を除去しないで測定しているため、極端な場合には、明らかに濃さの異なる低光沢サンプルと高光沢サンプルの測定において、実測と視覚で色調の判定に逆転が生じることも有り得る。つまり、対象画像の光沢が高い場合には、その三刺激値の実測値は十分に低くなりきれず飽和してしまうと考えられる。従って、SCI方式による測定値Yと光沢度Gから実際に知覚される明度Lを予測することは、他の2つの測定方式である0/45方式やSCE方式よりも困難であると言え、SCI方式では高光沢試料の視覚的な色調の変化は本質的に検知できないものと考えられる。また、こうした傾向は他の三刺激値のXやZにもほぼ同様のことが言えると考えられる。

0119

次に、SCE方式とSCI方式の各測定値から光沢度Gを算出する相関式(上記(2)式)について説明する。

0120

これまでの検証結果から、SCE方式とSCI方式の出力値は、低光沢サンプルではハイライト域からシャドー域まで差はあまり生じないのに対し、高光沢サンプルではシャドー域ほどその差が拡大する傾向にある。

0121

こうした関係を考慮して、有効的に光沢と関連性の高い情報を得るために、下記(3)式に示す各実測値YSCEとYSCIの常用対数の差ΔYに着目する。

0122

ΔY=|(−log10(YSCE/1OO))−(−log10(YSCI/1OO))|…(3)
図21は、各実測値YSCEとYSCIの常用対数の差ΔYと光沢度G75の関係を示す。累乗関数近似しているが、相関係数としてはそれほど高い値が得られているわけではない。とりわけΔYが小さな領域でのばらつきが大きくなっていることがわかる。これは、薄い領域ではその光沢に関わらず、SCI方式とSCE方式による測定値差はあまりないことに起因しているものと推測できる。しかしながら、この傾向は光沢の影響を比較的受けにくいハイライト域での光沢度項の寄与を低くできるなどかえって好都合でもある。

0123

また、ここでは75度系の光沢度計で測定した光沢度G75との相関を高めることは本題ではない。と言うのも、本来、光沢度G自体の測定光学系も一義的には定まっておらず、今回用いた75度系の他に、20度系、60度系、80度系などの他の光学系も存在する。また、あくまでもSCE方式とSCI方式による測定値YSCE及びYSCIから、人の視覚で認識される色彩に近い視覚基準の視覚値YSを推定することが目的であり、上記(1)式における光沢度項に対して、計算で求めた特性値を用いることで高い相関が得られれば問題はない。よって、図21に示した近似式に従い、光沢補正関数により算出される光沢度Gcalの予測式は、各実測値YSCEとYSCIの常用対数の差ΔYから下記(2)式で表される。

0124

Gcal=f×ΔYj……(2)
ここで、係数f,乗数jは、図21に示す光沢補正関数を規定する値である。

0125

この光沢補正関数により算出される光沢度Gcalを用いて同様の重回帰分析を行った。尚、実測光沢度G75から求める場合には、低光沢あるいは高明度のサンプルデータを除外して処理したが、ここでは全サンプルデータから解析を行っている。その結果、光沢度項に関する相関係数RGが更に向上し、前述したように、光沢補正関数により算出される光沢度Gcalを用いて高い相関関係を得るという目的は達成できているものと考えられる。

0126

従って、上記(1)式より、SCE方式で測色した実測値YSCEと光沢補正関数により算出される光沢度Gcalの両者から、視覚値YSは、下記(7)式で予測される。なお、実測光沢度G75から予測した場合と異なり、下記(7)式による場合には、光沢や明るさによらず全てのサンプルに対して適用可能である。

0127

0128

ここで、係数sb、係数tb、乗数kb及び定数ubは、測色光学系がSCE方式であり、かつ、光沢度Gcalを用いる場合における所定値である。

0129

図22は、全336サンプルについて、実測光沢度G75から予測する視覚値YSと、光沢補正関数により算出される光沢度Gcalから予測する視覚値YS’をそれぞれ明度Lに変換して対比している。グラフ内に示した回帰式からも分かるように、ばらつきは小さく、傾きも1を確保できており、光沢補正関数により算出される光沢度Gcalが信頼性の高いものであることを実証する結果である。

0130

以上、本発明の色彩測定方法、色彩測定装置、色彩変換装置は、上記した各実施形態の具体的構成や手順に限定されるものではなく、必要に応じ適宜構成や手順を変形、追加又は削除した構成としてもよいことは言うまでもない。

0131

例えば、上記色彩測定装置において、視覚基準の色彩値と実測値とを選択的にに表示させる構成としてもよい。また、測定する試料の表面状態に応じて視覚基準の色彩値と実測値とを内部処理で選択させて表示させる構成としてもよい。

0132

また、上記では、視覚基準の色彩値YSを規定する所定の式の一例として、複数の試料の色彩を人の視覚で評価した結果を回帰分析して得られた回帰式(上記(1)式)を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる変換式として定義されるものであれば、どのような式であってもよい。

発明の効果

0133

以上説明したように、本発明の色彩測定方法、色彩測定装置、色彩変換装置によれば、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる。

0134

より詳しくは、本発明の色彩測定方法によれば、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により測定された試料の色彩測定値と、試料の光沢度とを代入して、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる。

0135

上記の色彩測定方法において、上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている構成にすると、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しないより一層人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる。

0136

本発明の色彩測定装置によれば、第1測定手段によってSCE方式とSCI方式の測色光学系により試料の色彩測定値を測定し、光沢度算出手段によってこの第1測定手段により測定されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出し、色彩算出手段によって、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、試料の色彩測定値と光沢度とを代入して、SCE方式又はSCI方式の測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる。

0137

本発明の他の色彩測定装置によれば、第2測定手段によって所定の照明及び受光の幾何学的条件を備えた測色光学系により試料の色彩値を測定すると共に、第3測定手段によって試料の光沢度を測定し、色彩算出手段によって、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、試料の色彩測定値と光沢度とを代入して、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる。

0138

上記の各色彩測定装置において、上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている構成にすると、測色光学系による固有の色彩測定値から、試料の表面状態に依存しないより一層人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値を求めることができる。

0139

本発明の色彩変換装置によれば、入力手段によって試料の色彩測定値と光沢度を入力し、色彩変換手段によって、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、試料の色彩測定値と光沢度とを代入して、測色光学系による固有の色彩測定値を、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値に変換することができる。

0140

本発明の他の色彩変換装置によれば、入力手段によってSCE方式とSCI方式の測色光学系により測定された試料の色彩測定値を入力し、光沢度算出手段によってこの入力手段により入力されたSCE方式とSCI方式の各色彩測定値を、両方式による色彩測定値の差分と光沢度との関係を規定した相関式に代入して光沢度を算出し、色彩変換手段によって、視覚基準の色彩値を規定する所定の式に、試料の色彩測定値と光沢度とを代入して、SCE方式又はSCI方式の測色光学系による固有の色彩測定値を、試料の表面状態に依存しない人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値に変換することができる。

0141

上記の各色彩変換装置において、上記式が、色彩測定値の対数項と光沢度の累乗項を含む相関式で定義されている構成にすると、測色光学系による固有の色彩測定値を、試料の表面状態に依存しないより一層人の視覚で認識される色彩に近い普遍性のある視覚基準の色彩値に変換することができる。

0142

尚、視覚基準の色彩値を求める手順を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体を提供し、この記録媒体を用いて、上記の各色彩測定装置や色彩変換装置を簡単に構成することができ、上述した作用効果を奏する。

0143

更には、色彩変換装置を、電気通信回線を通じてネットワーク上に接続し、インターネット等を利用して視覚基準の色彩値を提供するサービスを行うこともできる。

図面の簡単な説明

0144

図1本発明に係る色彩測定装置の構成例を示す外観図である。
図2積分球を用いた拡散照明系を示す説明図であって、(a)にSCI方式、(b)SCE方式をそれぞれ表す。
図3拡散照明系を採用した色彩測定装置の構成例を示すブロック図である。
図4本発明の第1の実施形態による色彩測定装置の構成例を示すブロック図である。
図5横軸に階調No.、縦軸に明度、光沢度をとって、用紙と記録剤に低光沢仕様のものを使用した場合におけるSCE方式、SCI方式の各光学系の測色値と、算出された視覚基準の色彩値に相当する明度Lcalと、光沢度Gとの関係を示すグラフである。
図6横軸に階調No.、縦軸に明度、光沢度をとって、用紙と記録剤に高光沢仕様のものを使用した場合におけるSCE方式、SCI方式の各光学系の測色値と、算出された視覚基準の色彩値に相当する明度Lcalと、光沢度Gとの関係を示すグラフである。
図7本発明に係る色彩測定装置の他の構成例を示す外観図である。
図8本発明の第2の実施形態による色彩測定装置の構成例を示すブロック図である。
図9測色と光沢度測定の光学系が一体化されている測定光学系を示す説明図である。
図10測色における45度照明系を示す説明図であって、(a)に0/45方式、(b)45/0方式をそれぞれ表す。
図11光沢度測定における75度方式による照明系を示す説明図である。
図12本発明の第3の実施形態による色彩変換装置の構成例を示すブロック図である。
図13本発明の第4の実施形態による色彩変換装置の構成例を示すブロック図である。
図1445度方式、SCI方式の各光学系による実測値から計算した明度と、SCE方式による実測値から計算した明度との明度差ΔLと、SCE方式の明度Lとの関係を示すグラフである。
図15SCE方式の明度Lと光沢度Gとの関係を示すグラフである。
図16実測値によるSCE方式を基準とした場合の明度差ΔLと光沢度Gとの関係を示すグラフである。
図17低光沢試料についての0/45、SCE、SCIの3方式による各実測値の平均である平均実測値YAVEと視覚評価値mとの関係を示すグラフである。
図18実測値Y(O/45)、Y(SCE)、Y(SCI)、明度L(0/45)、L(SCE)、L(SCI)、反射濃度d、各実測値Y(O/45)、Y(SCE)、Y(SCI)の常用対数値である−log10(Y(O/45)/1OO)、−log10(Y(SCE)/1OO)、−log10(Y(SCI)/1OO)の全10種のデータに対する相関係数RYを示すグラフである。
図19光沢度Gの乗数kと相関係数RGとの関係を示すグラフである。
図20視覚値によるSCE方式を基準とした場合の明度差ΔLを光沢度Gとの関係を示すグラフである。
図21実測値YSCEと実測値YSCIの常用対数の差ΔYと光沢度G75との関係を示すグラフである。
図22実測光沢度G75から予測する視覚値YSと、光沢補正関数により算出された光沢度Gcalから予測する視覚値YS’との関係を、明度Lに変換して対比したグラフである。
図23用紙と記録剤に低光沢仕様のものを使用した場合における45度方式、SCE方式、SCI方式の各光学系の測色値と光沢度Gとの関係を示すグラフである。
図24用紙と記録剤に高光沢仕様のものを使用した場合における45度方式、SCE方式、SCI方式の各光学系の測色値と光沢度Gとの関係を示すグラフである。

--

0145

1,1’,1B,1B’色彩測定装置
1C,1D色彩変換装置
2 測色部(第1測定手段)
2B 測色部(第2測定手段)
3A,3B色彩算出部(色彩算出手段)
3C,3D 色彩変換部(色彩変換手段)
5光沢度測定部(第3測定手段)
6 入力部(入力手段)
10光沢度算出部(光沢度算出手段)

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