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技術 移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法

出願人 株式会社NTTドコモ
発明者 尾上裕子
出願日 2001年1月24日 (19年0ヶ月経過) 出願番号 2001-016180
公開日 2002年8月9日 (17年6ヶ月経過) 公開番号 2002-223467
状態 特許登録済
技術分野 広域データ交換 通信制御 移動無線通信システム
主要キーワード ハードタイマ 転送アルゴリズム 高速記憶装置 移動先アドレス 逆転現象 最大番号 無線データリンク 解除依頼
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

ハンドオーバー時にMobile IPの経路最適化機能が適用された際の一時的な経路2重化発生時のパケット受信順序逆転による重複ACK応答を無くすことができ、これによってサーバでの無駄なパケット再送を無くすことができ、通信全体のスループットを向上させることができる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置を提供する。

解決手段

リンク状態検査処理部32でのハンドオーバー発生検出時に、遅延ACK開始・終了指定部34で基地局装置からパケットがシーケンス番号順に受信されたことを確認する遅延ACK応答期間を設定する。パケット受信時にその期間が設定されていれば、受信シーケンス番号検査部40とタイマ処理部44の機能で、受信パケットシーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でないと検出された場合、重複したシーケンス番号を基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行う。

概要

背景

MobileIPプロトコルとは、IETF(Internet Engineering Task Force)においてRFC(Request for Comments)2002として標準化されたものである。このMobile IPプロトコルの技術によれば、移動端末装置インターネット上のどこに接続を行っていても、他の移動端末装置から、その移動端末装置のホームアドレス{移動端末装置に割り当てられた永続的なIP(Internet Protocol)アドレス}宛にパケットを送信することによって、その移動端末装置の移動先までパケットが送信される。

このMobileIPプロトコルにより移動端末装置の位置管理を制御する移動体通信ネットワークにおいては、送信側であるサーバから基地局装置を介して移動端末装置へ転送されるパケットが、常にホームエージェントHA)を経由する。HAとは、移動端末装置に対する現在の位置情報を保存するルータである。

HAを経由するため、経路冗長したり、HAに負荷がかかることになる。このため、サーバで移動先アドレスキャッシュ高速記憶装置に保持)し、トンネリングによって、即ちマルチキャストパケットユニキャストパケットに埋め込んでカプセル化し、このパケットを直接移動先の通信端末装置に転送することによって、経路最適化を行うことが有効とされている。

しかし、移動先アドレスをサーバに通知するバインディング更新メッセージは、セキュリティ上の理由によりHAが移動端末装置から登録要求を受信した後、HAからサーバに転送される。この場合、キャッシュにより新規の移動先アドレスへ転送されるようになるまでに遅延が生じ、その間移動前のアドレスへ転送され、パケットルーティングエラーによるパケットロスの原因となる。

これを解決するために、Mobile IPの経路最適化機能として、移動先フォーリンエージェントFA)から移動前FAへ移動先アドレスを通知する機能がある。FAとは、移動ノード(移動端末装置)が登録されている間、移動ノードへ経路サービスを提供するための、移動ノード訪問先ネットワーク上のルータである。

その経路最適化機能によって、バインディングキャッシュ更新遅延により移動前アドレス宛にて送信されたパケットは、移動前FAから移動先FAへ再トンネリングされることにより移動先へ届けられる。

概要

ハンドオーバー時にMobile IPの経路最適化機能が適用された際の一時的な経路2重化発生時のパケット受信順序逆転による重複ACK応答を無くすことができ、これによってサーバでの無駄なパケットの再送を無くすことができ、通信全体のスループットを向上させることができる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置を提供する。

リンク状態検査処理部32でのハンドオーバー発生検出時に、遅延ACK開始・終了指定部34で基地局装置からパケットがシーケンス番号順に受信されたことを確認する遅延ACK応答期間を設定する。パケット受信時にその期間が設定されていれば、受信シーケンス番号検査部40とタイマ処理部44の機能で、受信パケットシーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でないと検出された場合、重複したシーケンス番号を基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行う。

目的

そこで本発明は、ハンドオーバー時にMobile IPの経路最適化機能が適用された際の一時的な経路2重化発生時のパケット受信順序逆転による重複ACKの応答を無くすことができ、これによってサーバでの無駄なパケットの再送を無くすことができ、通信全体のスループットを向上させることができる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

通信プロトコル経路最適化機能が適用された移動体通信ネットワーク移動端末装置における動的遅延ACK制御装置において、基地局装置間移動時のハンドオーバーの発生を検出する検出手段と、前記ハンドオーバー発生の検出時に、当該ハンドオーバーの発生から予め定められた一定期間であることを示す遅延ACK応答期間を設定する第1の設定手段と、前記基地局装置からのパケット受信時に前記第1の設定手段に前記遅延ACK応答期間が設定されているかどうかを検査する第1の検査手段と、前記検査により前記遅延ACK応答期間が設定されている際に、前記基地局装置から受信したパケットの番号である受信シーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でなければ、重複したシーケンス番号のパケットを前記基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする移動端末装置における動的遅延ACK制御装置。

請求項2

前記制御手段は、前記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致/不一致を検査する第2の検査手段と、前記第2の検査手段による検査結果が不一致である場合に前記動的遅延ACK制御の実行期間であることを示す第1のフラグを設定するとともに、前記第1のフラグの設定によって起動するとともに前記第1のフラグを解除する時間を計時する第1のタイマと、前記第1のフラグの設定によって起動するとともに前記動的遅延ACK制御におけるACK応答の送信タイミングの時間を計時する第2のタイマとを有する計時処理手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置。

請求項3

前記第2の検査手段は、前記遅延ACK応答期間の設定時に前記受信シーケンス番号に応じて最大受信シーケンス番号を更新し、前記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致時に次に受信すべきシーケンス番号を更新した後、前記受信シーケンス番号と前記最大受信シーケンス番号とが一致する場合に、前記第1及び第2のタイマを停止すると共に前記第1のフラグを解除することを特徴とする請求項2に記載の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置。

請求項4

前記第2の検査手段において前記受信シーケンス番号と前記最大受信シーケンス番号との不一致が判定された場合に、前記受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることを示す第2のフラグを設定する第2の設定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置。

請求項5

通信プロトコルの経路最適化機能が適用される移動体通信ネットワークの移動端末装置における移動端末装置における動的遅延ACK制御方法において、基地局装置間移動時のハンドオーバーの発生を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいてハンドオーバー発生の検出時に、当該ハンドオーバーの発生から予め定められた一定期間であることを示す遅延ACK応答期間を設定する第1の設定ステップと、前記第1の設定ステップにおいて前記基地局装置からのパケット受信時に前記遅延ACK応答期間が設定されているかどうかを検査する第1の検査ステップと、前記第1の検査ステップにおいて前記遅延ACK応答期間が設定されている際に、前記基地局装置から受信したパケットの番号である受信シーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でなければ、重複したシーケンス番号のパケットを前記基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行う制御ステップとを備えたことを特徴とする移動端末装置における動的遅延ACK制御方法。

請求項6

前記制御ステップは、前記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致/不一致を検査する第2の検査ステップと、前記第2の検査ステップによる検査結果が不一致である場合に前記動的遅延ACK制御の実行期間であることを示す第1のフラグを設定するとともに、前記第1のフラグの設定によって起動するとともに前記第1のフラグを解除する時間を計時する第1のタイマ処理ステップと、前記第1のフラグの設定によって起動するとともに前記動的遅延ACK制御におけるACK応答の送信タイミングの時間を計時する第2のタイマ処理ステップとを有する計時処理ステップとを備えたことを特徴とする請求項5に記載の移動端末装置における動的遅延ACK制御方法。

請求項7

前記第2の検査ステップは、前記遅延ACK応答期間の設定時に前記受信シーケンス番号に応じて最大受信シーケンス番号を更新し、前記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致時に次に受信すべきシーケンス番号を更新した後、前記受信シーケンス番号と前記最大受信シーケンス番号とが一致する場合に、前記第1及び第2のタイマを停止すると共に前記第1のフラグを解除することを特徴とする請求項6に記載の移動端末装置における動的遅延ACK制御方法。

請求項8

前記第2の検査ステップにおいて前記受信シーケンス番号と前記最大受信シーケンス番号との不一致が判定された場合に、前記受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることを示す第2のフラグを設定する第2の設定ステップを備えたことを特徴とする請求項7に記載の移動端末装置における動的遅延ACK制御方法。

技術分野

0001

本発明は、Mobile IP(Internet Protocol)プロトコル経路最適化機能(後述で説明)が適用された移動体通信ネットワークにおいて、移動端末装置基地局装置間を移動する際にハンドオーバーを行う場合、適正に通信状態を保持するための制御を行う移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法に関するものである。

背景技術

0002

MobileIPプロトコルとは、IETF(Internet Engineering Task Force)においてRFC(Request for Comments)2002として標準化されたものである。このMobile IPプロトコルの技術によれば、移動端末装置がインターネット上のどこに接続を行っていても、他の移動端末装置から、その移動端末装置のホームアドレス{移動端末装置に割り当てられた永続的なIP(Internet Protocol)アドレス}宛にパケットを送信することによって、その移動端末装置の移動先までパケットが送信される。

0003

このMobileIPプロトコルにより移動端末装置の位置管理を制御する移動体通信ネットワークにおいては、送信側であるサーバから基地局装置を介して移動端末装置へ転送されるパケットが、常にホームエージェントHA)を経由する。HAとは、移動端末装置に対する現在の位置情報を保存するルータである。

0004

HAを経由するため、経路冗長したり、HAに負荷がかかることになる。このため、サーバで移動先アドレスキャッシュ高速記憶装置に保持)し、トンネリングによって、即ちマルチキャストパケットユニキャストパケットに埋め込んでカプセル化し、このパケットを直接移動先の通信端末装置に転送することによって、経路最適化を行うことが有効とされている。

0005

しかし、移動先アドレスをサーバに通知するバインディング更新メッセージは、セキュリティ上の理由によりHAが移動端末装置から登録要求を受信した後、HAからサーバに転送される。この場合、キャッシュにより新規の移動先アドレスへ転送されるようになるまでに遅延が生じ、その間移動前のアドレスへ転送され、パケットルーティングエラーによるパケットロスの原因となる。

0006

これを解決するために、Mobile IPの経路最適化機能として、移動先フォーリンエージェントFA)から移動前FAへ移動先アドレスを通知する機能がある。FAとは、移動ノード(移動端末装置)が登録されている間、移動ノードへ経路サービスを提供するための、移動ノード訪問先ネットワーク上のルータである。

0007

その経路最適化機能によって、バインディングキャッシュ更新遅延により移動前アドレス宛にて送信されたパケットは、移動前FAから移動先FAへ再トンネリングされることにより移動先へ届けられる。

発明が解決しようとする課題

0008

上記従来の移動体通信ネットワークにおいては、Mobile IPの経路最適化機能を用いてTCP(Transmission Control Protocol)通信を行った場合、基地局装置ハンドオーバーにより移動端末装置がFAを切り替えた際に、全FA通知機能により、サーバ(送信ノード)→移動前FA→移動先FA→移動端末装置(移動ノード)と、サーバ→移動先FA→移動端末装置との2種類の通信経路が一時的に発生する。

0009

このため後者の短い方の経路をたどるTCPパケットが、前者の経路のTCPパケットを追い越し、移動端末装置へ先に到達するというTCPパケットのシーケンス番号の受信順序逆転現象が発生する。即ち、移動端末装置において、パケットの受信順序が逆転する現象が発生する。

0010

このとき移動端末装置において、TCP機能は、後者経路の移動先FAへ直接転送されたTCPパケットを受信すると、未だ移動前FAから再転送中のTCPパケットをロスしたと解釈し、重複したACK(Acknowledgement)をサーバへ応答(送信)する。サーバでは、その重複ACKを3パケット受信すると、高速転送アルゴリズムによりロスしたと思われるパケットを再転送してしまう。

0011

この順序逆転現象を要因とするTCP輻輳制御により、輻輳ウィンドウサイズ縮小し転送量を低下させる。これによって通信全体のスループットが低下する。

0012

そこで本発明は、ハンドオーバー時にMobile IPの経路最適化機能が適用された際の一時的な経路2重化発生時のパケット受信順序逆転による重複ACKの応答を無くすことができ、これによってサーバでの無駄なパケットの再送を無くすことができ、通信全体のスループットを向上させることができる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置は、通信プロトコルの経路最適化機能が適用された移動体通信ネットワークの移動端末装置における動的遅延ACK制御装置であって、基地局装置間移動時のハンドオーバーの発生を検出する検出手段と、上記ハンドオーバー発生の検出時に、当該ハンドオーバーの発生から予め定められた一定期間であることを示す遅延ACK応答期間を設定する第1の設定手段と、上記基地局装置からのパケット受信時に上記第1の設定手段に上記遅延ACK応答期間が設定されているかどうかを検査する第1の検査手段と、上記検査により上記遅延ACK応答期間が設定されている際に、上記基地局装置から受信したパケットの番号である受信シーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でなければ、重複したシーケンス番号のパケットを上記基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行う制御手段とを備えたことを特徴としている。

0014

通信プロトコル(MobileIPプロトコル)における経路最適化機能のバインディングキャッシュを用いた移動端末装置へのパケット転送経路制御が行われる場合、ハンドオーバーにより一時的に経路が2重化される。このため移動端末装置で受信されるパケットのシーケンス番号の順序が逆転する。そこで、ハンドオーバー発生後、一定期間は順序逆転が発生することが予想されるため、遅延ACK応答期間を設定する。この設定時にシーケンス番号の順序逆転が発生しても、動的遅延ACK制御により重複したシーケンス番号のパケット(ACK応答が挿入されたパケット)が基地局装置を介してサーバへ送信されなくなる。

0015

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置においては、上記制御手段は、上記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致/不一致を検査する第2の検査手段と、上記第2の検査手段による検査結果が不一致である場合に上記動的遅延ACK制御の実行期間であることを示す第1のフラグを設定するとともに、上記第1のフラグの設定によって起動するとともに上記第1のフラグを解除する時間を計時する第1のタイマと、上記第1のフラグの設定によって起動するとともに上記動的遅延ACK制御におけるACK応答の送信タイミングの時間を計時する第2のタイマとを有する計時処理手段とを備えたことを特徴とすることが好適である。

0016

ハンドオーバー発生後の順序逆転が発生する期間に、第1のタイマで第1のフラグの設定を維持することによって動的遅延ACK制御を行うことができ、その制御時に、第2のタイマの計時動作で指示される送信タイミングでACK応答を送信することができる。

0017

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置においては、上記第2の検査手段は、上記遅延ACK応答期間の設定時に上記受信シーケンス番号に応じて最大受信シーケンス番号を更新し、上記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致時に次に受信すべきシーケンス番号を更新した後、上記受信シーケンス番号と上記最大受信シーケンス番号とが一致する場合に、上記第1及び第2のタイマを停止すると共に上記第1のフラグを解除することを特徴とすることが好適である。

0018

受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号よりも大きい場合、最大受信シーケンス番号が受信シーケンス番号に更新(変更)される。つまり小さい場合はそのままとされる。その後、受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号と一致していれば、動的遅延ACK制御を行う必要はないので、第1及び第2のタイマを停止すると共に第1のフラグを解除する。これによって動的遅延ACK制御が終了し、通常のACK応答処理が行われる。

0019

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置においては、上記第2の検査手段において上記受信シーケンス番号と上記最大受信シーケンス番号との不一致が判定された場合に、上記受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることを示す第2のフラグを設定する第2の設定手段を備えたことを特徴とすることが好適である。

0020

遅延ACK応答期間において、第2のフラグが設定されていれば受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることが認識できるので、タイムアウト後に即時ACK応答の送信処理を行うことができる。

0021

また、上記課題を解決するために、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御方法は、通信プロトコルの経路最適化機能が適用される移動体通信ネットワークの移動端末装置における移動端末装置における動的遅延ACK制御方法であって、基地局装置間移動時のハンドオーバーの発生を検出する検出ステップと、上記検出ステップにおいてハンドオーバー発生の検出時に、当該ハンドオーバーの発生から予め定められた一定期間であることを示す遅延ACK応答期間を設定する第1の設定ステップと、上記第1の設定ステップにおいて上記基地局装置からのパケット受信時に上記遅延ACK応答期間が設定されているかどうかを検査する第1の検査ステップと、上記第1の検査ステップにおいて上記遅延ACK応答期間が設定されている際に、上記基地局装置から受信したパケットの番号である受信シーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でなければ、重複したシーケンス番号のパケットを上記基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行う制御ステップとを備えたことを特徴としている。

0022

通信プロトコル(MobileIPプロトコル)における経路最適化機能のバインディングキャッシュを用いた移動端末装置へのパケット転送の経路制御が行われる場合、ハンドオーバーにより一時的に経路が2重化される。このため移動端末装置で受信されるパケットのシーケンス番号の順序が逆転する。そこで、ハンドオーバー発生後、一定期間は順序逆転が発生することが予想されるため、遅延ACK応答期間を設定する。この設定時にシーケンス番号の順序逆転が発生しても、動的遅延ACK制御により重複したシーケンス番号のパケット(ACK応答が挿入されたパケット)が基地局装置を介してサーバへ送信されなくなる。

0023

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御方法においては、上記制御ステップは、上記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致/不一致を検査する第2の検査ステップと、上記第2の検査ステップによる検査結果が不一致である場合に上記動的遅延ACK制御の実行期間であることを示す第1のフラグを設定するとともに、上記第1のフラグの設定によって起動するとともに上記第1のフラグを解除する時間を計時する第1のタイマ処理ステップと、上記第1のフラグの設定によって起動するとともに上記動的遅延ACK制御におけるACK応答の送信タイミングの時間を計時する第2のタイマ処理ステップとを有する計時処理ステップとを備えたことを特徴とすることが好適である。

0024

ハンドオーバー発生後の順序逆転が発生する期間に、第1のタイマで第1のフラグの設定を維持することによって動的遅延ACK制御を行うことができ、その制御時に、第2のタイマの計時動作で指示される送信タイミングでACK応答を送信することができる。

0025

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御方法においては、上記第2の検査ステップは、上記遅延ACK応答期間の設定時に上記受信シーケンス番号に応じて最大受信シーケンス番号を更新し、上記受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致時に次に受信すべきシーケンス番号を更新した後、上記受信シーケンス番号と上記最大受信シーケンス番号とが一致する場合に、上記第1及び第2のタイマを停止すると共に上記第1のフラグを解除することを特徴とすることが好適である。

0026

受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号よりも大きい場合、最大受信シーケンス番号が受信シーケンス番号に更新(変更)される。つまり小さい場合はそのままとされる。その後、受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号と一致していれば、動的遅延ACK制御を行う必要はないので、第1及び第2のタイマを停止すると共に第1のフラグを解除する。これによって動的遅延ACK制御が終了し、通常のACK応答処理が行われる。

0027

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御方法においては、上記第2の検査ステップにおいて上記受信シーケンス番号と上記最大受信シーケンス番号との不一致が判定された場合に、上記受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることを示す第2のフラグを設定する第2の設定ステップを備えたことを特徴とすることが好適である。

0028

遅延ACK応答期間において、第2のフラグが設定されていれば受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることが認識できるので、タイムアウト後に即時ACK応答の送信処理を行うことができる。

発明を実施するための最良の形態

0029

本発明の実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置について図面を参照して説明する。

0030

まず、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置の構成について説明する。図1は本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置の構成図である。

0031

本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置10は、図1に示すように、無線データリンク処理部12と、無線リンク制御部14と、トランスポートプロトコル処理部16と、ネットワークプロトコル処理部18とを備えて構成されている。

0032

無線データリンク処理部12は、ビーコンフレーム処理部20と、BS(BaseStation)リスト更新処理部22と、最適BS処理部24と、同期処理部26と、ワイヤレスリンクデータ処理部28と、BSリスト部30とを備えて構成されている。

0033

無線リンク制御部14は、リンク状態検査処理部(検出手段)32と、遅延ACK開始・終了指定部(第1の設定手段)34と、タイマ処理部36とを備えて構成されている。

0034

トランスポートプロトコル処理部16は、遅延ACK検査部(第1の検査手段)38と、受信シーケンス番号検査部40(第2の検査手段)と、遅延ACK設定部42(第2の設定手段)と、タイマ処理部44(計時処理手段)と、TCPパケット受信処理部46と、ACK送信処理部48とを備えて構成されている。なお、受信シーケンス番号検査部40及びタイマ処理部44で請求項記載の制御手段を構成する。

0035

ネットワークプロトコル処理部18は、IPプロトコル処理部50を備えて構成されている。

0036

また、ビーコンフレーム処理部20、同期処理部26及びワイヤレスリンクデータ処理部28は、無線通信回線(ワイヤレスリンク)に対するデータの通信処理を行う物理層52に接続されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。

0037

ビーコンフレーム処理部20は、移動端末装置が物理層52を介して受信した図示せぬ基地局装置からのビーコン信号を抽出する処理を行う。

0038

BSリスト更新処理部22は、ビーコンフレーム処理部20で抽出されたビーコン信号に含まれる情報を基地局装置ID(Identifier)と対応させてBSリスト部30に保存する。

0039

最適BS処理部24は、BSリスト更新処理部22からのビーコン信号の情報に応じて、BSリスト部30から通信を適正に行うに最適なBS(基地局装置)を選択する。

0040

同期処理部26は、最適BS処理部24で選択されたBSに対して物理層52を介して通信を行い同期を確立する。

0041

ワイヤレスリンクデータ処理部28は、同期処理部26で同期が確立されたBSからのTCPパケット(単にパケットと表現する場合もある)を物理層52を介して受信すると共に、IPプロトコル処理部50からのACK応答のデータを、物理層52を介してBSへ送信する。

0042

IPプロトコル処理部50は、ワイヤレスリンクデータ処理部28からのパケット及びACK送信処理部48からのACK応答のデータに対して、予め規定されたIPプロトコル処理であるアドレッシングルーティングなどの処理を行う。

0043

リンク状態検査処理部32は、BSリスト部30を定期的にモニタリングし、基地局装置ハンドオーバーの発生を検出すると、これを遅延ACK開始・終了指定部34へ通知する。

0044

遅延ACK開始・終了指定部34は、そのハンドオーバー発生の通知を受け取ると、ハンドオーバーの発生から予め定められた一定期間、すなわち、ACK応答に関して特定の処理を行う時間である遅延ACK応答期間を開始するために、動的遅延ACKフラグを「1」に設定する。更に遅延ACK開始・終了指定部34は、上記一定期間に対応する特定時間c後に遅延ACK応答期間を終了するために、動的遅延ACKフラグを「0」とするタイマをタイマ処理部36に設定する。この設定によって特定時間c後に動的遅延ACKフラグが「0」となって遅延ACK応答期間が終了する。上記一定期間に対応する特定時間cは、無線区間の遅延時間やパケットの迂回経路による遅延時間等を考慮し、ハンドオーバー時に一時的な経路2重化発生によるパケット受信順序逆転が起こる可能性がある時間を含むように決定される。

0045

遅延ACK検査部38は、TCPパケット受信処理部46からTCPパケットの受信通知を受け取ると、遅延ACK開始・終了指定部34に遅延ACK応答期間かどうかを問い合わせる。この結果、動的遅延ACKフラグが「0」、即ち遅延ACK応答期間でなければ、ACK送信処理部48に通常のACK応答処理を依頼する。動的遅延ACKフラグが「1」の遅延ACK応答期間であれば、受信シーケンス番号検査部40に、受信したTCPパケットのシーケンス番号である受信シーケンス番号の検査を依頼する。

0046

受信シーケンス番号検査部40は、予め保持した最大受信シーケンス番号(今まで受信されたパケットの最大番号)と受信シーケンス番号とを比較し、受信シーケンス番号が大きければ最大受信シーケンス番号をその受信シーケンス番号に変更する。また、受信シーケンス番号と、次に受信すべきシーケンス番号(これまで連続的に受信したシーケンス番号に1を加算した番号)とを比較し、この結果、一致していれば次に受信すべきシーケンス番号を更新し、不一致であればタイマ処理部44に、動的遅延ACK制御開始のためのタイマ処理を依頼する。動的遅延ACK制御とは、重複したシーケンス番号のTCPパケットをBSへ送信しないようにする制御である。

0047

更に、受信シーケンス番号検査部40は、受信シーケンス番号と最大受信シーケンス番号とが一致していれば、タイマ処理部44に動的遅延ACK制御終了のためのタイマ処理を依頼し、不一致であれば遅延ACK設定部42に、遅延ACK送信のための設定を依頼する。遅延ACK送信とは、動的遅延ACK制御時のACK応答の送信を示す。

0048

タイマ処理部44は、受信シーケンス番号検査部40から動的遅延ACK制御開始のためのタイマ処理が依頼されると、ハードタイマフラグ(第1のフラグ)が設定されているかどうかを検査し、この結果、未設定の「0」であればハードタイマフラグを「1」に設定する。ハードタイマフラグとは、ハンドオーバー発生時に動的遅延ACK制御が行われている期間を規定するためのフラグであり、「1」の場合に動的遅延ACK制御が行われていることを示す。

0049

また、タイマ処理部44は、特定時間a後にハードタイマフラグを「0」とするハードタイマ(第1のタイマ)を設定し、また、特定時間b後に、後述のソフトタイマ処理を実行するソフトタイマ(第2のタイマ)を設定する。更に、ソフトタイマ処理終了時には、特定時間b後にソフトタイマを設定する。すなわち、ソフトタイマは、特定時間bの時間間隔を繰り返し計時する。ここで、特定時間aとは、動的遅延ACK制御の実行期間であり、TCP上でACK応答をしなければならない限界によって規定される。特定時間bとは、ACK応答のトリガを作る時間である。ソフトタイマ処理とは、既に受信されてそのシーケンス番号が連続的に揃っているパケットのうち最大のシーケンス番号のパケットに対するACKを特定時間bのタイマをトリガとして応答するための処理である。

0050

更に、タイマ処理部44は、受信シーケンス番号検査部40から動的遅延ACK制御終了のためのタイマ処理が依頼されると、ソフト及びハードタイマの設定をキャンセルし、ハードタイマフラグを「0」に設定する。また、ハードタイムアウトが発生すると、ソフトタイマをキャンセルし、ハードタイマフラグを「0」に設定し、遅延ACK設定部42に遅延ACKフラグ(第2のフラグ)の設定を依頼する。遅延ACKフラグとは、受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていること示すフラグであり、「1」の場合に受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていること示す。

0051

遅延ACK設定部42は、受信シーケンス番号検査部40から遅延ACK送信のための設定依頼、即ち遅延ACKフラグの設定依頼を受け取った場合に、遅延ACKフラグが未設定の「0」であれば「1」に設定する。また、遅延ACKフラグの解除依頼を受け取った場合に、遅延ACKフラグを「0」に設定する。

0052

続いて、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置10の動作について説明し、併せて、本発明の実施形態にかかる動的遅延ACK制御方法について説明する。図2は、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置において、動的遅延ACK制御の処理を行う手順を示す図である。

0053

この図2に示すステップS1において、移動端末装置でBSからTCPパケットが受信されると、ステップS2において、遅延ACK検査部38で動的遅延ACKフラグが「1」に設定されているかどうかが検査される。

0054

ここで、動的遅延ACKフラグの設定を行うワイヤレスリンク状態検査処理を図3を参照して説明する。図3は、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置において、ワイヤレスリンク状態検査処理を行う手順を示す図である。

0055

図3に示すステップ21において、リンク状態検査処理部32でBSリスト部30がモニタリングされ、これによって基地局装置ハンドオーバーの発生が検出されると、そのハンドオーバーの発生が遅延ACK開始・終了指定部34へ通知される。

0056

この通知を受け取った遅延ACK開始・終了指定部34では、ステップS22において、動的遅延ACKフラグが「1」に設定され、特定時間c秒後に動的遅延ACKフラグを解除、即ち「0」とするためのタイマがタイマ処理部36に設定される。この設定によって特定時間c秒後に動的遅延ACKフラグは解除される。

0057

上記図2のステップS2の検査結果、動的遅延ACKフラグが「1」に設定されていなければ、即ち「0」であればハンドオーバーが発生していないので、遅延ACK検査部38はACK送信処理部48に通常のACK応答処理を依頼する。

0058

即ち、通常のTCPパケット受信処理として、ステップS3において、次に受信すべきシーケンス番号の更新が行われ、ステップS4において、ソケットバッファにデータが追加され、ステップS5において、直ちにACKを応答するためのフラグが設定されて、TCPパケットの送信処理ルーチンが呼び出される。即ち、TCPパケットのパケットフィールドが作成され、TCPパケットの出力処理(TCP出力処理)が行われる。これによってACK応答がTCPパケットに挿入されてBSを介してサーバ(図示せず)へ送信される。この処理後、ステップS1に戻る。

0059

一方、ステップS2の検査結果、動的遅延ACKフラグが「1」に設定されていれば、ハンドオーバー発生時の遅延ACK応答期間となっているので、ステップS6において、受信シーケンス番号検査部40で最大受信シーケンス番号の更新が行われる。

0060

即ち、最大受信シーケンス番号と受信シーケンス番号とが比較され、この結果、受信シーケンス番号が大きい場合に最大受信シーケンス番号がその受信シーケンス番号に変更される。例えば最大受信シーケンス番号が”6”の場合に、受信シーケンス番号が”9”であれば、最大受信シーケンス番号が”9”に変更される。また受信シーケンス番号が”6”よりも小さければ、最大受信シーケンス番号の変更は行われない。

0061

次に、ステップS7において、受信シーケンス番号検査部40で、受信シーケンス番号が次に受信すべきシーケンス番号と一致しているかどうかが判定される。この判定結果、不一致であれば動的遅延ACK制御を行うためのタイマ処理がタイマ処理部44に依頼される。例えば、次に受信すべきシーケンス番号が”5”の場合に、受信シーケンス番号が”6”であれば、不一致なので上記タイマ処理が依頼される。

0062

この依頼に応じてタイマ処理部44では、ステップS8において、ハードタイマフラグが「1」に設定されているかどうかが検査される。この結果、「1」に設定されていれば、ステップS1に戻る。

0063

未設定の「0」であれば、ステップS9において、ハードタイマフラグが動的遅延ACK制御実行のための「1」に設定され、また特定時間a秒後にハードタイマフラグを「0」に設定するタイマが設定され、同時に特定時間b秒後にソフトタイマ処理(tcp softtimo)を実行するタイマが設定される。この設定後にステップS1に戻る。

0064

一方、ステップS7の判定結果、受信シーケンス番号が次に受信すべきシーケンス番号と一致しているとする。例えば、ステップS5、S8、S9の何れかからステップS1に戻った際に、TCPパケット受信でシーケンス番号”5”のパケットが受信された後、ステップS7の判定処理に到達したとする。この場合、次に受信すべきシーケンス番号の”5”と受信シーケンス番号の”5”が一致するので、ステップS10において、受信シーケンス番号検査部40で、次に受信すべきシーケンス番号が”6”に更新される。

0065

この後、ステップS11において、受信シーケンス番号検査部40で、受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号と一致しているかどうかが判定される。例えば、受信シーケンス番号が上記”5”で最大受信シーケンス番号が上記”6”であるとすると、判定結果は不一致なので、受信シーケンス番号検査部40から遅延ACK設定部42に遅延ACK送信のための処理が依頼される。

0066

この依頼を受けた遅延ACK設定部42で、ステップS12において、遅延ACKフラグが未設定の「0」であるかどうかが判定される。この判定結果、「0」でない「1」に設定されていれば、ステップS1に戻る。

0067

「0」であればステップS13において、遅延ACK設定部42で遅延ACKフラグが「1」に設定された後、ステップS1に戻る。

0068

一方、ステップS11の判定結果、受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号と一致しているとする。例えば、ステップS5、S8、S9、S12、S13の何れかからステップS1に戻った際に、TCPパケット受信でシーケンス番号”6”のパケットが受信された後、ステップS11の判定処理に到達したとする。この場合、受信シーケンス番号の”6”が最大受信シーケンス番号の”6”に一致するので、受信シーケンス番号検査部40からタイマ処理部44に動的遅延ACK制御終了のためのタイマ処理が依頼される。

0069

この依頼を受けたタイマ処理部44では、ステップS14において、ソフト及びハードタイマの設定がキャンセルされ、ハードタイマフラグが「0」に設定される。これによって動的遅延ACK制御が終了され、上述したステップS5の処理が実行される。

0070

次に、上記ステップS9における動的遅延ACK制御におけるハードタイマ処理を、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置においてハードタイマ処理を行う手順を示す図である。

0071

このハードタイマ処理においては、図4に示すステップS31において、タイマ処理部44で特定時間a秒後に、ソフトタイマの設定がキャンセルされ、ハードタイマフラグが「0」に設定される。これによって動的遅延ACK制御が終了する。更に、ステップS32において、遅延ACK設定部42で遅延ACKフラグが「0」に設定され、ステップS33において、直ちにACKを応答するためのフラグが「1」に設定され、ACK送信処理部48でTCP出力処理が実行される。

0072

次に、上記ステップS9における動的遅延ACK制御におけるソフトタイマ処理を、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置においてソフトタイマ処理を行う手順を示す図である。

0073

このソフトタイマ処理においては、図5に示すステップS41において、受信シーケンス番号検査部40で遅延ACKフラグが「1」に設定されているかどうかが検査される。この結果、「1」に設定されていれば遅延ACK設定部42で、ステップS42において、遅延ACKフラグが未設定の「0」に変更され、ステップS43において、直ちにACKを応答するためのフラグが「1」に設定され、遅延ACKカウンタインクリメントされた後、ステップS44において、ACK送信処理部48でTCP出力処理が実行される。

0074

そして、ステップS45において、タイマ処理部44で特定時間b秒後に、ステップS41〜S44のソフトタイマ処理(tcp softtimo)を実行するタイマが設定される。この設定後、ステップS41に戻る。また、ステップS41で遅延ACKフラグが未設定の「0」であれば、即時ステップS45の処理が実行される。

0075

続いて、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置の作用及び効果について説明する。本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置10においては、リンク状態検査処理部32で、基地局装置間移動時のハンドオーバーの発生を検出し、遅延ACK開始・終了指定部34で、そのハンドオーバー発生検出時に、基地局装置からパケットがシーケンス番号順に受信されたことを確認する遅延ACK応答期間を設定する。遅延ACK検査部38で、基地局装置からのパケット受信時、遅延ACK開始・終了指定部34に遅延ACK応答期間が設定されているかどうかを検査し、この検査により遅延ACK応答期間が設定されている際に、受信シーケンス番号検査部40、タイマ処理部44で構成される制御手段で、基地局装置から受信したパケットの番号である受信シーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でないことが検出された場合、重複したシーケンス番号のパケットを上記基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行う。

0076

従って、通信プロトコル(MobileIPプロトコル)における経路最適化機能のバインディングキャッシュを用いた移動端末装置へのパケット転送の経路制御が行われる場合、ハンドオーバーにより一時的に経路が2重化され、このため移動端末装置で受信されるパケットのシーケンス番号の順序が逆転し、ハンドオーバー発生後、一定期間は順序逆転が発生することが予想される。そこで上記のように遅延ACK応答期間を設定する。この設定時にシーケンス番号の順序逆転が発生しても、動的遅延ACK制御により重複したシーケンス番号のパケット(ACK応答が挿入されたパケット)が基地局装置を介してサーバへ送信されなくなる。

0077

ハンドオーバー発生後は遅延ACK応答期間を開始するので、順序逆転が発生しても直ちにACK応答を送信しないため、サーバで高速再転送アルゴリズムにより無駄にパケットを再送してしまうといったことが無くなる。これによって通信全体のスループットを向上させることが可能となる。

0078

また、動的遅延ACK制御においては、ソフトタイマ処理によって受信した連続するシーケンス番号のうち最大のシーケンス番号を含むACKを応答するため、順序逆転中のACK受信遅延によるサーバのタイムアウトを回避することが可能となる。更に、本実施形態は移動端末装置の新規機能であるため、サーバ(送信側)の機能を変更することなく本実施形態の機能を実現することができ、その分、容易に実施可能となる。

0079

また、本実施形態にかかる移動端末装置においては、遅延ACK応答期間の設定時に受信シーケンス番号に応じて最大受信シーケンス番号を更新し、受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致時に次に受信すべきシーケンス番号を更新した後、受信シーケンス番号と最大受信シーケンス番号とが一致する場合に、ハードタイマとソフトタイマとをキャンセルし、ハードタイマフラグを解除することで、動的遅延ACK制御を終了することができる。この結果、受信逆転が生じない通信状態で有れば、動的遅延ACK制御を終了して通常のACK応答処理を行うことができる効果がある。

0080

また、本実施形態にかかる移動端末装置における動的遅延ACK制御装置においては、受信シーケンス番号と最大受信シーケンス番号との不一致が判定された場合に、受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていること示す遅延ACKフラグを設定することで、受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることが認識できる。この結果、遅延ACK応答期間でも、受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていれば、タイムアウト後に即時ACK応答の送信処理を行うことができる。

発明の効果

0081

本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法は、ハンドオーバーの発生を検出し、この検出時に、遅延ACK応答期間を設定し、基地局装置からのパケット受信時に遅延ACK応答期間が設定されているかどうかを検査し、遅延ACK応答期間が設定されている際に、基地局装置から受信したパケットの番号である受信シーケンス番号が本来受信すべきシーケンス番号でなければ、重複したシーケンス番号のパケットを上記基地局装置へ送信しないようにする動的遅延ACK制御を行うことで、シーケンス番号の順序逆転が発生しても、重複したシーケンス番号のパケット(ACK応答が挿入されたパケット)が基地局装置を介してサーバへ送信されなくなる。この結果、サーバで高速再転送アルゴリズムにより無駄にパケットを再送してしまうといったことが無くなる。これによって通信全体のスループットを向上させることができる効果がある。

0082

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法は、受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号と不一致の場合に、動的遅延ACK制御の実行を示す第1のフラグを設定し、第1のフラグの設定を解除する時間を計時する第1のタイマを起動し、動的遅延ACK制御におけるACK応答の送信タイミングの時間を計時する第2のタイマを起動することで、ハンドオーバー発生後の順序逆転が発生する期間に、第1のタイマで第1のフラグの設定を維持することによって動的遅延ACK制御を行うことができ、その制御時に、第2のタイマの計時動作で指示される送信タイミングでACK応答を送信することができる。この結果、定期的に連続して受信したシーケンス番号を含むACKを応答するため、順序逆転中のACK受信遅延によるサーバのタイムアウトを回避することができる効果がある。

0083

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法は、遅延ACK応答期間の設定時に受信シーケンス番号に応じて最大受信シーケンス番号を更新し、受信シーケンス番号と本来受信すべきシーケンス番号との一致時に次に受信すべきシーケンス番号を更新した後、受信シーケンス番号と最大受信シーケンス番号とが一致する場合に、第1及び第2のタイマを停止すると共に第1のフラグを解除することで、受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号よりも大きい場合、最大受信シーケンス番号を受信シーケンス番号に更新(変更)することができ、また受信シーケンス番号が最大受信シーケンス番号と一致していれば、第1及び第2のタイマを停止すると共に第1のフラグを解除することで、動的遅延ACK制御を終了することができる。

0084

この結果、受信逆転が生じない通信状態で有れば、動的遅延ACK制御を終了して通常のACK応答処理を行うことができる効果がある。

0085

また、本発明の移動端末装置における動的遅延ACK制御装置及び移動端末装置における動的遅延ACK制御方法は、受信シーケンス番号と最大受信シーケンス番号との不一致が判定された場合に、受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていること示す第2のフラグを設定することで、受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていることが認識できる。

0086

この結果、遅延ACK応答期間でも、受信シーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のパケットがすべて受信されていれば、タイムアウト後に即時ACK応答の送信処理を行うことができる。

図面の簡単な説明

0087

図1移動端末装置における動的遅延ACK制御装置の構成図である。
図2動的遅延ACK制御の処理を行う手順を示す図である。
図3ワイヤレスリンク状態検査処理を行う手順を示す図である。
図4ハードタイマ処理を行う手順を示す図である。
図5ソフトタイマ処理を行う手順を示す図である。

--

0088

10…動的遅延ACK制御装置、12…無線データリンク処理部、14…無線リンク制御部、16…トランスポートプロトコル処理部、18…ネットワークプロトコル処理部、20…ビーコンフレーム処理部、22…BSリスト更新処理部、24…最適BS処理部、26…同期処理部、28…ワイヤレスリンクデータ処理部、30…BSリスト部、32…リンク状態検査処理部、34…遅延ACK開始・終了指定部、36,44…タイマ処理部、38…遅延ACK検査部、40…受信シーケンス番号検査部、42…遅延ACK設定部、46…TCPパケット受信処理部、48…ACK送信処理部、50…IPプロトコル処理部,52…物理層

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