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技術 フィルム切断装置

出願人 東レ株式会社
発明者 上田一義田代秀樹川瀬裕子
出願日 2001年1月23日 (19年2ヶ月経過) 出願番号 2001-014254
公開日 2002年8月6日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2002-220153
状態 未査定
技術分野 切断装置の細部 非金属の切断装置1 粘着テープ繰り出し装置
主要キーワード 引き延ばし力 シャーカッタ 接点部位 切断フィルム フリーパス 膨出形状 切断直前 減圧チャンバ内
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この項目の情報は公開日時点(2002年8月6日)のものです。
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図面 (6)

課題

二次加工等においてフィルムロールが巻き戻される際にも破れにくく、かつ、「へり高」現象の発生を抑え、減圧チャンバに収容される際のフィルムロールからの脱気性を向上でき、しかも、切粉がほとんど発生せず切粉巻き込みによるトラブルの発生を未然に防止し得るフィルム切断装置を提供する。

解決手段

ロール面長方向に複数の環状溝が配設された溝付きロールと、該環状溝内刃先が挿入される丸刃からなり、溝付きロール上を搬送されるフィルムを切断する回転刃とを有するフィルム切断装置において、回転刃がフィルムの搬送方向と同方向に回転駆動され、かつ、回転刃の周速がフィルムの搬送速度の1.2倍以上であることを特徴とするフィルム切断装置。

概要

背景

プラスチックフィルム所定幅に切断するために、各種の切断方法が知られている。たとえば、走行中のフィルムフリーパス上で単に固定のレザー刃により切断する方法、溝付きロール上でフィルムを搬送し、溝付きロールの環状溝にレザー刃の刃先を挿入して刃を切断する方法、丸刃上刃下刃からなるシャーカッタにてフィルムを切断する方法等が知られている。

しかし、レザー刃で切断する場合、フィルムの切断面をきれいにすることは一般に困難であるので、切断後のフィルムはその切断面から破れ伝播しやすいものとなる。たとえば所定幅に切断し、ロール状に巻き取ったフィルムロールを、二次加工において巻き戻す際、フィルム端面から切れや破れが生じやすいものとなる。とくに薄物フィルムの場合、この傾向が顕著になる。

また、レザー刃でフィルムを切断すると、図5(a)に示すように、切断端101に多かれ少なかれ盛り上がり部102が生じ、この切断フィルムを巻き取ると、いわゆる「へり高」と呼ばれる、巻取ロール端部の盛り上がり現象が生じる。このような「へり高」が生じているフィルムロールを二次加工において巻き戻すと、その部分にブロッキングが生じてフィルム破れを生じやすくなる。また、蒸着用途等の減圧チャンバを使用する二次加工においては、フィルムロールがその端部の「へり高」が生じている部分で他の部分よりも強く巻き締められているので、フィルムロールの巻層からの脱気が悪くなったり、不均一になったりし、巻き戻されるフィルムにしわが生じやすくなる。

さらに、レザー刃による切断部においては、ミクロ的にみると連続的に引き裂きが生じているので、多かれ少なかれフィルムの切粉が発生する。この切粉が、フィルムロール中に巻き込まれてしまうと、とくに二次加工で各種のトラブルを引き起こす。たとえば蒸着用途においては、切粉付着部分で蒸着抜けが生じるおそれがある。

シャーカッタを用いると、上述のような各種問題は軽減されるが、完全な解消には至っていない。すなわち、やはりフィルムが薄物になると破れやすくなり、「へり高」現象も完全には解消し切れず、さらに切粉も多少なりとも発生する。

ただしシャーカッタ等においては、レザー刃による切断に比べ、たとえば図5(b)に示すように、かなり鋭利な、つまり、フィルム端部111においてフィルム面に対し直角方向に鋭く折れ曲がった切断面112に切断することが可能である。

ところが、図5(b)に示すような鋭利な切断面112とした場合にも、とくに薄物フィルムにおいて二次加工時の破れの問題が解消し切れない。これは、切断面112が直角にかつ鋭利に折れ曲がる面に形成されるので、二次加工時にこの切断面112近傍に応力集中が発生し、切断面112の多数マイクロクラックが残存している領域に集中応力張力として作用し、それによってフィルムが破れやすくなると考えられる。すなわち、薄物フィルムにおいては、クリーンカットされているが故に二次加工において却って破れやすくなっている可能性が高い。

概要

二次加工等においてフィルムロールが巻き戻される際にも破れにくく、かつ、「へり高」現象の発生を抑え、減圧チャンバに収容される際のフィルムロールからの脱気性を向上でき、しかも、切粉がほとんど発生せず切粉巻き込みによるトラブルの発生を未然に防止し得るフィルム切断装置を提供する。

ロール面長方向に複数の環状溝が配設された溝付きロールと、該環状溝内に刃先が挿入される丸刃からなり、溝付きロール上を搬送されるフィルムを切断する回転刃とを有するフィルム切断装置において、回転刃がフィルムの搬送方向と同方向に回転駆動され、かつ、回転刃の周速がフィルムの搬送速度の1.2倍以上であることを特徴とするフィルム切断装置。

目的

そこで本発明の課題は、上記のような問題に鑑み、二次加工等においてフィルムロールが巻き戻される際にも破れにくく、かつ、「へり高」現象の発生を抑え、減圧チャンバに収容される際のフィルムロールからの脱気性を向上でき、しかも、切粉がほとんど発生せず切粉巻き込みによるトラブルの発生を未然に防止し得るフィルム切断装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ロール面長方向に複数の環状溝が配設された溝付きロールと、該環状溝内刃先が挿入される丸刃からなり、溝付きロール上を搬送されるフィルムを切断する回転刃とを有するフィルム切断装置において、回転刃がフィルムの搬送方向と同方向に回転駆動され、かつ、回転刃の周速がフィルムの搬送速度の1.2倍以上であることを特徴とするフィルム切断装置。

請求項2

回転刃の周速がフィルムの搬送速度の1.2〜10倍の範囲にある、請求項1のフィルム切断装置。

請求項3

フィルムが溝付きロールの接線方向に直進するように搬送される、請求項1または2のフィルム切断装置。

請求項4

回転刃の周速がフィルム切断中一定速度に制御される、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム切断装置。

請求項5

回転刃の周速が、フィルム切断中、フィルム搬送速度に対し一定差または一定比率を保つように制御される、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム切断装置。

請求項6

回転刃のフィルム搬送方向上流に、回転刃により切断すべきフィルム部分局所的に加熱する手段が設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム切断装置。

技術分野

0001

本発明は、プラスチックフィルム切断装置に関し、とくに広幅フィルム所定幅のフィルムに切断して巻き取るスリッタ等に好適なフィルム切断装置に関する。

背景技術

0002

プラスチックフィルムを所定幅に切断するために、各種の切断方法が知られている。たとえば、走行中のフィルムをフリーパス上で単に固定のレザー刃により切断する方法、溝付きロール上でフィルムを搬送し、溝付きロールの環状溝にレザー刃の刃先を挿入して刃を切断する方法、丸刃上刃下刃からなるシャーカッタにてフィルムを切断する方法等が知られている。

0003

しかし、レザー刃で切断する場合、フィルムの切断面をきれいにすることは一般に困難であるので、切断後のフィルムはその切断面から破れ伝播しやすいものとなる。たとえば所定幅に切断し、ロール状に巻き取ったフィルムロールを、二次加工において巻き戻す際、フィルム端面から切れや破れが生じやすいものとなる。とくに薄物フィルムの場合、この傾向が顕著になる。

0004

また、レザー刃でフィルムを切断すると、図5(a)に示すように、切断端101に多かれ少なかれ盛り上がり部102が生じ、この切断フィルムを巻き取ると、いわゆる「へり高」と呼ばれる、巻取ロール端部の盛り上がり現象が生じる。このような「へり高」が生じているフィルムロールを二次加工において巻き戻すと、その部分にブロッキングが生じてフィルム破れを生じやすくなる。また、蒸着用途等の減圧チャンバを使用する二次加工においては、フィルムロールがその端部の「へり高」が生じている部分で他の部分よりも強く巻き締められているので、フィルムロールの巻層からの脱気が悪くなったり、不均一になったりし、巻き戻されるフィルムにしわが生じやすくなる。

0005

さらに、レザー刃による切断部においては、ミクロ的にみると連続的に引き裂きが生じているので、多かれ少なかれフィルムの切粉が発生する。この切粉が、フィルムロール中に巻き込まれてしまうと、とくに二次加工で各種のトラブルを引き起こす。たとえば蒸着用途においては、切粉付着部分で蒸着抜けが生じるおそれがある。

0006

シャーカッタを用いると、上述のような各種問題は軽減されるが、完全な解消には至っていない。すなわち、やはりフィルムが薄物になると破れやすくなり、「へり高」現象も完全には解消し切れず、さらに切粉も多少なりとも発生する。

0007

ただしシャーカッタ等においては、レザー刃による切断に比べ、たとえば図5(b)に示すように、かなり鋭利な、つまり、フィルム端部111においてフィルム面に対し直角方向に鋭く折れ曲がった切断面112に切断することが可能である。

0008

ところが、図5(b)に示すような鋭利な切断面112とした場合にも、とくに薄物フィルムにおいて二次加工時の破れの問題が解消し切れない。これは、切断面112が直角にかつ鋭利に折れ曲がる面に形成されるので、二次加工時にこの切断面112近傍に応力集中が発生し、切断面112の多数マイクロクラックが残存している領域に集中応力張力として作用し、それによってフィルムが破れやすくなると考えられる。すなわち、薄物フィルムにおいては、クリーンカットされているが故に二次加工において却って破れやすくなっている可能性が高い。

発明が解決しようとする課題

0009

そこで本発明の課題は、上記のような問題に鑑み、二次加工等においてフィルムロールが巻き戻される際にも破れにくく、かつ、「へり高」現象の発生を抑え、減圧チャンバに収容される際のフィルムロールからの脱気性を向上でき、しかも、切粉がほとんど発生せず切粉巻き込みによるトラブルの発生を未然に防止し得るフィルム切断装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するために、本発明に係るフィルム切断装置は、ロール面長方向に複数の環状溝が配設された溝付きロールと、該環状溝内に刃先が挿入される丸刃からなり、溝付きロール上を搬送されるフィルムを切断する回転刃とを有するフィルム切断装置において、回転刃がフィルムの搬送方向と同方向に回転駆動され、かつ、回転刃の周速がフィルムの搬送速度の1.2倍以上であることを特徴とするものからなる。回転刃の周速としては、好ましくはフィルムの搬送速度の1.2〜10倍の範囲である。

0011

溝付きロール上を搬送されるフィルムは、溝付きロールに対し若干の巻付角をもって搬送されてもよいが、溝付きロールの接線方向に直進するように搬送されることがより好ましく、その接点部位において回転刃により切断されることが好ましい。

0012

回転刃の回転速度としては、その周速がフィルムの搬送速度の1.2倍以上とされる限り特に限定されない。たとえば回転刃の周速がフィルム切断中一定速度に制御されるようにすることもでき、回転刃の周速が、フィルム切断中、フィルム搬送速度に対し一定差または一定比率を保つように制御されるようにすることもできる。

0013

また、本発明のフィルム切断装置においては、特に、回転刃のフィルム搬送方向上流に、回転刃により切断すべきフィルム部分局所的に加熱する手段が設けられていることが好ましい。つまり、切断部分に対し、ピンポイント的にあるいはスポット的に切断直前にフィルムを加熱するのである。

0014

このような本発明に係るフィルム切断装置は、たとえば広幅のフィルムを所定幅に切断するスリッタに好適なものであり、該スリッタによって所定幅に切断され、巻き取られたフィルムロールが二次加工等に供される。

0015

上記のように構成されたフィルム切断装置においては、溝付きロールのある環状溝内に回転刃の刃先が挿入され、その部分に対し切断すべきフィルムが直進状に通される。フィルムが環状溝の両側の壁に支持された状態で、丸刃からなる回転刃の刃先が徐々にフィルムを切断していくことになるが、フィルムの切断が完了するまでは、回転刃の刃先先端と環状溝の両側の壁との間のごく小さな領域で、切断されつつあるフィルムに張力が作用し、その張力によってそのごく小さな領域におけるフィルムが幅方向に引き延ばされることになる。この引き延ばしは、フィルムの切断動作と実質的に同時に行われ、切断がフィルム厚み方向に徐々に進行していくのに伴って切断されていない部分のフィルム厚みは徐々に減少していくので、切断完了直前に近づく程切断されるべき部分が引き延ばされやすくなる。その結果、フィルムの切断端面は、後述の図5(c)に示すように、上記引き延ばし力によりフィルム幅方向山形に突出する形状に形成される。

0016

丸刃からなる回転刃の回転方向がフィルムの搬送方向と同方向であるので、上記引き延ばし動作は引き延ばしが徐々に進行するように円滑に行われ、同時に、回転刃の周速がフィルムの搬送速度の1.2倍以上とされ、あるレベル以上の速度差が付与されることにより、回転刃の刃先が確実にかつ円滑にフィルムを切断していく。すなわち、切断端面における引き延ばし成形動作と、切断動作とが、ともに円滑に進行していくことになる。

0017

切断端面の大部分が上記引き延ばし動作によって山形に突出した面に形成されるので(つまり、回転刃による切断面として形成されるわけではないので)、この面には回転刃の刃先摺接によるマイクロクラックはほとんど発生せず、極めて破れににくい切断面に形成される。また、フィルム端部が幅方向に膨出するように引き延ばされる際には、主としてその引き延ばし方向に力が作用するから、フィルム端部を盛り上がらせる力は作用せず、「へり高」が生じることはない。したがって、二次加工等における減圧チャンバ内での脱気性は大幅に向上される。しかも、切断面は山形形状に徐々に膨出されるので、その膨出開始部に過大な応力が集中することはなく、応力集中に起因する破れも生じにくくなる。また、山形形状の先端は回転刃の刃先で切断され、それによって切断動作が完了するが、たとえこの先端部に切断によるマイクロクラックが生じたとしても、その先端領域が切断面全体に占める面積はごく僅かとなるから、マイクロクラックに起因する破れも大幅に低減される。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。図1図3は、本発明の一実施態様に係るフィルム切断装置を示している。図1において、1はフィルム切断装置全体を示しており、2は切断すべきフィルムを示している。フィルム切断装置1には、溝付きロール3が設けられており、溝付きロール3には、そのロール面長方向に複数の環状溝4が刻設されている。いずれかの環状溝4内に刃先が挿入される丸刃からなる回転刃5が、フィルム幅方向に位置調整可能に設けられており、各回転刃5は、溝付きロール3上をその接線方向に直進するように搬送されるフィルム2の切断すべき位置に設定される。6は、回転刃5によって切断された後のフィルム2の切断線を示している。

0019

回転刃5は、本実施態様では、図2に示すように位置調整可能な取付ブラケット7に回転可能に支持されており、モータ8によって直接的に回転駆動されるようになっている。回転方向は、図1に矢印で示すように、フィルム2の搬送方向と同方向とされている。この回転刃5の回転速度は、その刃先の周速V2 がフィルムの搬送速度V1 の1.2倍以上となるように設定されている。回転速度の上限値はとくに限定しないが、あまり高速に設定すると機械的な強度や機構上の問題が生じるおそれがあるので、スリッタ等におけるフィルム2の実際の搬送速度から、フィルム搬送速度V1 の10倍程度に抑えることが好ましい。なお、上記フィルム搬送速度V1 の1.2倍という周速は、後述のフィルム引き延ばし作用を奏しつつフィルム2を円滑に切断できる速度の下限値として規定したものである。

0020

回転刃5の刃先の形状はとくに限定しないが、後述の如く環状溝4の両側の壁で支持されているフィルム2を回転刃5で切断し、その際に、切断完了に至る前に刃先による押圧力でフィルム2に引き延ばし張力を刃先両側において作用させることから、左右対称刃先形状であることが好ましい。たとえば図3に示すように、回転刃5の厚さ中心線9に対し、左右対称形状の刃先10に形成することが好ましい。

0021

また、本実施態様においては、回転刃5のフィルム搬送方向上流に、回転刃5により切断すべきフィルム部分を局所的に加熱する手段として、スポット的なヒータ11が設けられている。ヒータ11は、搬送フィルム2とは非接触にてフィルム2を急速加熱できるものからなり、フィルム2の幅方向に位置調整できるようになっている。ヒータ11は、フィルム2の片面側のみに設けられていてもよいが、フィルム2の表裏両面側に設けられることがより好ましく、それによってより効率よくフィルム2を局所加熱することができる。いずれの場合にあっても、各ヒータ11は、対応する回転刃5とともに位置調整できるようにしておくことが好ましい。

0022

回転刃5の周速は、たとえば図4に示すように制御される。すなわち、広幅のフィルムを所定幅に切断して巻き取るスリッタの場合についてみるに、フィルム2の搬送速度V1 は、たとえば図4に示すように急速に立ち上げられ、所定速度で切断が続行され、所定の巻長に近づくと急速に減速されて停止される。このようなフィルム2の搬送速度V1 に対し、前述の如くフィルム搬送速度V1 の1.2倍以上の周速V2 を保つように、その速度V2 を一定に制御することができる。

0023

あるいは、フィルム搬送速度V1 に対し常時一定の差を保つように、周速V2'に制御することもできる。この場合、フィルム搬送速度V1 の立ち上がり開始時、立ち下がり終了時(停止時)の前後については、V2'のまま維持してもよく、速度0からV2'へ急速に立ち上げるとともに速度V2'から速度0へと急速に停止させるようにしてもよい。

0024

あるいは、フィルム搬送速度V1 に対し一定比率の周速V2"に制御し、常時フィルム搬送速度V1 の1.2倍以上の周速V2"に保つようにしてもよい。

0025

上記のように構成されたフィルム切断装置1においては、溝付きロール3の環状溝4に刃先が挿入され、フィルム2の搬送方向と同方向に回転駆動される回転刃5によってフィルム2が切断される。そして、回転刃5の周速V2 はフィルム2の搬送速度V1 に対し1.2倍以上の速度とされる。フィルム2が切断される過程では、先ずフィルム2が切断位置において、その両側が環状溝4の両側の壁に支持された状態となり、その状態にてフィルム搬送速度と同方向に回転している回転刃5の刃先が、フィルム2をその厚み方向に徐々に切断していく。切断が完了するまでは、回転刃5の刃先の押圧力により、両側が環状溝4の両側の壁で支持されているフィルム切断部位に、フィルム幅方向の張力がかかり、フィルム2がその方向に引き延ばされる。この引き延ばし動作が徐々に進行し、やがてその先端部が回転刃5によって完全に切断される。引き延ばし動作と回転刃5によるフィルム厚み方向の切断動作が実質的に同時に進行するので、図5(c)に示すように、フィルム2の端部21における切断端面22は、山形に突出する(膨出する)形状に形成される。この山形形状の切断端面22の山形斜面部は、主として引き延ばし動作によって形成され、回転刃5の刃先の剪断等はほとんど作用しないから、刃先摺接によるマイクロクラックの発生はほとんどなく、破れにくい面に形成される。また、上記引き延ばし力はフィルム幅方向外側に向けて働くので、この引き延ばし動作によっては「へり高」現象は生じない。フィルム2の切断が完了する上記山形形状の切断端面22の先端部では、多少のマイクロクラックが生じるかも知れないが、その面積は極めて小さい面積に抑えられる。したがって、この先端部から破れようとする力に対しては、山形形状部の抗力が作用し、結局切断端面22全体として極めて破れにくい部分に形成されることになる。

0026

また、上記の如く、引き延ばし動作と切断動作が同時進行し、最終的に切断される(フィルムが切り離される)のは山形形状の切断端面22の先端部のみとなるから、切粉の発生も極めて少ない。したがって、切粉巻き込みによるトラブル、たとえば蒸着加工における蒸着抜け等のトラブルの発生も、未然に効果的に防止される。

0027

また、とくに本実施態様では、切断部直上流位置にヒータ11が設けられており、切断部が切断直前に局所加熱されるので、上記引き延ばし動作が一層行われやすくなるとともに、局所的に軟化されたフィルム部分が切断されるので切粉も一層発生しにくくなる。したがって、この局所加熱との抱き合わせ構造は、薄物フィルムに限らず、厚物フィルムに対しても、所望の切断端面を形成し切粉の発生量を抑制する上で極めて有効である。このヒータ11による局所加熱は、たとえばフィルムのガラス転移温度以下に急速加熱することによって行われる。

0028

このように、図5(c)に示したような切断端面22が確実にかつ円滑に形成されるので、この切断フィルムを巻き取ったフィルムロールを、たとえば二次加工において巻き戻す際にも、フィルムは極めて破れにくくなる。また、「へり高」現象が生じないので、フィルムロールを二次加工において、たとえば蒸着加工において減圧チャンバ内に収容する際にも、フィルムロールから均等かつ良好に脱気することができ、脱気不均一等に起因するしわの発生も防止される。さらに、図5(c)に示すように、切断端面22は、フィルム2の端部において滑らかに徐々に厚みが減少する山形形状に形成されるから、応力集中が発生しにくくなる。したがって、とくに薄物フィルムにおいて、応力集中に起因する破れも防止される。

発明の効果

0029

以上説明したように、本発明のフィルム切断装置によれば、切断端面の形状を極めて破れにくいかつ「へり高」の生じない山形膨出形状とすることができ、二次加工等におけるトラブルの発生を未然に効果的に防止することができる。

図面の簡単な説明

0030

図1本発明の一実施態様に係るフィルム切断装置の概略斜視図である。
図2図1の装置における回転刃部分の側面図である。
図3図1の回転刃の拡大部分断面図である。
図4図1の装置における回転刃の周速の制御例を示す速度特性図である。
図5(a)、(b)は従来のフィルム切断端面の断面図、(c)は本発明によるフィルム切断端面の断面図である。

--

0031

1フィルム切断装置
2フィルム
3溝付きロール
4環状溝
5回転刃
6切断線
8モータ
10刃先
11ヒータ
21フィルム端部
22 切断端面

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