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技術 熱抵抗体流量計の特性試験方法および熱抵抗体流量計の特性試験装置

出願人 株式会社SOKENトヨタ自動車株式会社
発明者 杉野正芳齋藤豪宏三浦晋平
出願日 2001年1月23日 (19年1ヶ月経過) 出願番号 2001-014341
公開日 2002年7月31日 (17年6ヶ月経過) 公開番号 2002-214016
状態 未査定
技術分野 体積流量の測定(II);質量流量の測定 体積、体積流量、液位の試験、較正
主要キーワード 調整抵抗器 二乗演算回路 モル比熱 演算則 平方根回路 検出出力端子 製品試験 温度補償用抵抗
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課題

被計測流体とは異なる種類の試験流体を使って、定温度型の熱抵抗体流量計特性試験を簡単に行うことである。

解決手段

熱抵抗体101とともに熱抵抗体流量計1のブリッジ回路1aを構成する抵抗器104に試験用の抵抗器206を接続して、ブリッジ回路1aに流れる電流制御条件を変更することで、熱抵抗体101の加熱温度可変とし、試験流体の元で、被計測流体を計測中の熱抵抗体流量計1の状態を擬似的につくりだすようにする。

概要

背景

熱抵抗体流量計は、流体内に置かれた熱線等の熱抵抗体に電流を流しておき、流体の流量が多いほど、ジュール熱を発生して高温の熱抵抗体から流体が吸熱して熱抵抗体の温度を下げ抵抗値を下げる方向に作用することを利用したものである。熱抵抗体流量計のタイプとしては、流量によらず熱抵抗体の加熱温度一定値をとるように電流を流してその電流の大きさ等に基づいて流量を計測する定温度型のものが広く知られている。定温度型の基本的な構成は、流通する被計測流体中に置かれる熱抵抗体を含む4つの抵抗器よりなるブリッジ回路給電源に接続し、2組の直列接続された抵抗器による分割電圧の差分が0になるように給電量を制御することで熱抵抗体の抵抗値を一定すなわち加熱温度を一定とするものであり、前記ブリッジ回路から被計測流体の流量に応じた出力信号を得るようになっている(特開平11−14418号公報等)。通常、流量温度の変動を吸収するため、残りの抵抗器の1つが温度補償用となっており、流通する被計測流体中に置かれる。

熱抵抗体流量計の特性を知ることは、その開発時や製造時において重要であり、例えば、製造後、出荷前に、個々の熱抵抗体流量計が所期の特性を満たしたものであるか否かを試験し、校正品質チェックを行う。特性試験用の試験流体としては、単純には、その熱抵抗体流量計が適用される被計測流体と同じ種類のものを用いることになる。例えば、内燃機関エアーフローメータとして吸気量の検出に適用される場合であれば空気を用いる。しかし、試験時には熱抵抗体流量計に多量の試験流体を流す必要があるから、空気等の場合はよいが、特別なガスや取り扱いが困難なガス等に適用される熱抵抗体流量計の場合、試験流体の流通や回収等で特性試験に大がかりな試験装置を用意する必要があり、特性試験に莫大コストがかかる。このため、特別なガスや取り扱いが困難なガス等の場合でも、試験流体として空気等の標準的なものを用いることが考えられる。

試験流体として空気等の標準的なものを用いる場合、流体の組成によって同じ流量であっても流体と熱抵抗体の間の熱交換の状態が異なる点に注意する必要がある。特開平11−118569号公報には、試験流体として実際にその熱抵抗体流量計が用いられる流体とは別の組成の流体を用い得るように、熱抵抗体を備えた熱抵抗体流量計の本体に付設されて該本体の出力信号から流量を演算するCPUに、実際にその熱抵抗体流量計が用いられる被計測流体用の演算則と、当該流体とは別の組成の前記試験流体用の演算則との2種類を備え、出荷前の製品試験においては試験流体用の演算則を用いることで、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測中の状態を擬似的につくりだすことが提案されている。

概要

被計測流体とは異なる種類の試験流体を使って、定温度型の熱抵抗体流量計の特性試験を簡単に行うことである。

熱抵抗体101とともに熱抵抗体流量計1のブリッジ回路1aを構成する抵抗器104に試験用の抵抗器206を接続して、ブリッジ回路1aに流れる電流の制御条件を変更することで、熱抵抗体101の加熱温度を可変とし、試験流体の元で、被計測流体を計測中の熱抵抗体流量計1の状態を擬似的につくりだすようにする。

目的

本発明は前記実情に鑑みなされたもので、熱抵抗体流量計が適用される被計測流体の組成と異なる流体を試験流体として、簡単に、しかもCPUの有無に係わらず、被計測流体を計測中の状態を擬似的につくりだすことのできる熱抵抗体流量計の特性試験方法および熱抵抗体流量計の特性試験装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

流通する被計測流体中に置かれる熱抵抗体を含む4つの抵抗器よりなるブリッジ回路給電源に接続し、2組の直列接続された抵抗器による分割電圧の差分が0になるように給電量を制御することで前記ブリッジ回路から被計測流体の流量に応じた出力信号を得るようにした定温度型の熱抵抗体流量計を、前記熱抵抗体が前記被計測流体とは異なる試験用試験流体中に置かれた状態の出力信号に基づいて特性試験する熱抵抗体流量計の特性試験方法において、特性試験に供する熱抵抗体流量計の前記抵抗器に該抵抗器の抵抗値を調整する試験用の抵抗器を接続して熱抵抗体の加熱温度を調整し、熱抵抗体流量計の状態を、同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時の熱抵抗体流量計の状態とすることを特徴とする熱抵抗体流量計の特性試験方法。

請求項2

請求項1記載の熱抵抗体流量計の特性試験方法において、前記抵抗値を、試験流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量が、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測するときに被計測流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量と等しくなるように設定する熱抵抗体流量計の特性試験方法。

請求項3

流通する被計測流体中に置かれる熱抵抗体を含む4つの抵抗器よりなるブリッジ回路を給電源に接続し、2組の直列接続された抵抗器による分割電圧の差分が0になるように給電量を制御することで前記ブリッジ回路から被計測流体の流量に応じた出力信号を得るようにした定温度型の熱抵抗体流量計を、前記熱抵抗体が前記被計測流体とは異なる試験用の試験流体中に置かれた状態の出力信号に基づいて特性試験する熱抵抗体流量計の特性試験装置において、特性試験に供する熱抵抗体流量計の予め選択した抵抗器と接続可能で該抵抗器の抵抗値を調整する抵抗値可変に構成された試験用抵抗器と、試験流体が流通し前記特性試験に供する熱抵抗体流量計の熱抵抗体が配置される管路と、管路内を流通する試験流体の流量を調整する流量調整手段と、予め記憶された流量値と抵抗値との対応関係に基づいて、調整された流量値を入力として前記試験用抵抗器の抵抗値を調整する抵抗値調整手段とを具備することを特徴とする熱抵抗体流量計の特性試験装置。

請求項4

請求項3記載の熱抵抗体流量計の特性試験装置において、前記抵抗値調整手段を、前記対応関係が、試験流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量が、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測するときに被計測流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量と等しくなるように設定した熱抵抗体流量計の特性試験装置。

請求項5

請求項4記載の熱抵抗体流量計の特性試験装置において、予め記憶された流量値と変換係数との対応関係に基づいて、調整された流量値を入力として変換係数を設定し、該変換係数に基づいて前記出力信号を試験用の出力信号に変換する出力信号変換手段を具備せしめ、該出力信号変換手段を、前記流量値と変換係数との対応関係が、試験用の出力信号が、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測中の熱抵抗体流量計の出力信号と等しくなるように設定した熱抵抗体流量計の特性試験装置。

技術分野

0001

本発明は熱抵抗体流量計特性試験方法および熱抵抗体流量計の特性試験装置に関する。

背景技術

0002

熱抵抗体流量計は、流体内に置かれた熱線等の熱抵抗体に電流を流しておき、流体の流量が多いほど、ジュール熱を発生して高温の熱抵抗体から流体が吸熱して熱抵抗体の温度を下げ抵抗値を下げる方向に作用することを利用したものである。熱抵抗体流量計のタイプとしては、流量によらず熱抵抗体の加熱温度一定値をとるように電流を流してその電流の大きさ等に基づいて流量を計測する定温度型のものが広く知られている。定温度型の基本的な構成は、流通する被計測流体中に置かれる熱抵抗体を含む4つの抵抗器よりなるブリッジ回路給電源に接続し、2組の直列接続された抵抗器による分割電圧の差分が0になるように給電量を制御することで熱抵抗体の抵抗値を一定すなわち加熱温度を一定とするものであり、前記ブリッジ回路から被計測流体の流量に応じた出力信号を得るようになっている(特開平11−14418号公報等)。通常、流量温度の変動を吸収するため、残りの抵抗器の1つが温度補償用となっており、流通する被計測流体中に置かれる。

0003

熱抵抗体流量計の特性を知ることは、その開発時や製造時において重要であり、例えば、製造後、出荷前に、個々の熱抵抗体流量計が所期の特性を満たしたものであるか否かを試験し、校正品質チェックを行う。特性試験用の試験流体としては、単純には、その熱抵抗体流量計が適用される被計測流体と同じ種類のものを用いることになる。例えば、内燃機関エアーフローメータとして吸気量の検出に適用される場合であれば空気を用いる。しかし、試験時には熱抵抗体流量計に多量の試験流体を流す必要があるから、空気等の場合はよいが、特別なガスや取り扱いが困難なガス等に適用される熱抵抗体流量計の場合、試験流体の流通や回収等で特性試験に大がかりな試験装置を用意する必要があり、特性試験に莫大コストがかかる。このため、特別なガスや取り扱いが困難なガス等の場合でも、試験流体として空気等の標準的なものを用いることが考えられる。

0004

試験流体として空気等の標準的なものを用いる場合、流体の組成によって同じ流量であっても流体と熱抵抗体の間の熱交換の状態が異なる点に注意する必要がある。特開平11−118569号公報には、試験流体として実際にその熱抵抗体流量計が用いられる流体とは別の組成の流体を用い得るように、熱抵抗体を備えた熱抵抗体流量計の本体に付設されて該本体の出力信号から流量を演算するCPUに、実際にその熱抵抗体流量計が用いられる被計測流体用の演算則と、当該流体とは別の組成の前記試験流体用の演算則との2種類を備え、出荷前の製品試験においては試験流体用の演算則を用いることで、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測中の状態を擬似的につくりだすことが提案されている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、熱抵抗体流量計のROMに出荷時試験だけのための制御プログラムを記憶する必要があり、ROMに大容量なものを用いざるを得ない。また、CPUを内蔵しない熱抵抗体流量計には適用することができず、汎用的ではない。

0006

本発明は前記実情に鑑みなされたもので、熱抵抗体流量計が適用される被計測流体の組成と異なる流体を試験流体として、簡単に、しかもCPUの有無に係わらず、被計測流体を計測中の状態を擬似的につくりだすことのできる熱抵抗体流量計の特性試験方法および熱抵抗体流量計の特性試験装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

請求項1記載の発明では、流通する被計測流体中に置かれる熱抵抗体を含む4つの抵抗器よりなるブリッジ回路を給電源に接続し、2組の直列接続された抵抗器による分割電圧の差分が0になるように給電量を制御することで前記ブリッジ回路から被計測流体の流量に応じた出力信号を得るようにした定温度型の熱抵抗体流量計を、前記熱抵抗体が前記被計測流体とは異なる試験用の試験流体中に置かれた状態の出力信号に基づいて特性試験する熱抵抗体流量計の特性試験方法において、特性試験に供する熱抵抗体流量計の前記抵抗器に該抵抗器の抵抗値を調整する試験用の抵抗器を接続して熱抵抗体の加熱温度を調整し、熱抵抗体流量計の状態を、同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時の熱抵抗体流量計の状態とする。

0008

試験用の抵抗器により熱抵抗体に流れる電流を自在に制御することができるので、熱抵抗体の加熱温度を調整することができる。被計測流体とは異なる組成の試験流体であっても、特性試験に供された熱抵抗体流量計を、同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時の熱抵抗体流量計の状態とすることができる。

0009

試験用の抵抗器を接続するだけでよいから簡単に特性試験を行うことができ、CPUが内蔵されていることを前提としないから汎用的である。

0010

請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記抵抗値を、試験流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量が、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測するときに被計測流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量と等しくなるように設定する。

0011

吸熱量を同じとすることで、同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時と同じ熱平衡状態とすることができる。

0012

請求項3記載の発明では、流通する被計測流体中に置かれる熱抵抗体を含む4つの抵抗器よりなるブリッジ回路を給電源に接続し、2組の直列接続された抵抗器による分割電圧の差分が0になるように給電量を制御することで前記ブリッジ回路から被計測流体の流量に応じた出力信号を得るようにした定温度型の熱抵抗体流量計を、前記熱抵抗体が前記被計測流体とは異なる試験用の試験流体中に置かれた状態の出力信号に基づいて特性試験する熱抵抗体流量計の特性試験装置において、特性試験に供する熱抵抗体流量計の予め選択した抵抗器と接続可能で該抵抗器の抵抗値を調整する抵抗値可変に構成された試験用抵抗器と、試験流体が流通し前記特性試験に供する熱抵抗体流量計の熱抵抗体が配置される管路と、管路内を流通する試験流体の流量を調整する流量調整手段と、予め記憶された流量値と抵抗値との対応関係に基づいて、調整された流量値を入力として前記試験用抵抗器の抵抗値を調整する抵抗値調整手段とを具備する構成とする。

0013

試験用の抵抗器により熱抵抗体に流れる電流を自在に制御することができるので、熱抵抗体の加熱温度を調整することができる。被計測流体とは異なる組成の試験流体であっても、特性試験に供された熱抵抗体流量計を、同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時の熱抵抗体流量計の状態とすることができる。

0014

試験用の抵抗器の抵抗値が流量に応じて自動設定されるので、試験結果を速やかに得ることができる。

0015

請求項4記載の発明では、請求項3の発明の構成において、前記抵抗値調整手段を、前記対応関係が、試験流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量が、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測するときに被計測流体が熱抵抗体から吸熱する吸熱量と等しくなるように設定する。

0016

吸熱量を同じとすることで、同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時と同じ熱平衡状態とすることができる。

0017

請求項5記載の発明では、請求項4の発明の構成において、予め記憶された流量値と変換係数との対応関係に基づいて、調整された流量値を入力として変換係数を設定し、該変換係数に基づいて前記出力信号を試験用の出力信号に変換する出力信号変換手段を具備せしめ、該出力信号変換手段を、前記流量値と変換係数との対応関係が、試験用の出力信号が、熱抵抗体流量計が被計測流体を計測中の熱抵抗体流量計の出力信号と等しくなるように設定する。

0018

同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時と同じ熱平衡状態とすることができる上に、さらに、同一流量で流通する被計測流体の流量を計測している時と同じ出力信号が自動出力されるので、特に出荷前の校正用として好適な構成とし得る。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、図面にしたがい、本発明の熱抵抗体流量計の特性試験方法および熱抵抗体流量計の特性試験装置について説明する。図2は、熱抵抗体流量計の特性試験装置の全体構成を示すもので、特性試験装置2は、試験管路22を有し、図示しないエアポンプ等により試験流体である空気が流通するようになっている。試験管路22の途中には試験に供される熱抵抗体流量計(以下、適宜、供試品ともいう)1が取り付けられるようになっており、図示しないそのホットワイヤおよび温度補償用の抵抗器は管内に位置する。熱抵抗体流量計1は試験管路22内の流通空気の流量に応じた信号を出力するが、この出力信号は試験ユニット21に入力している。試験管路22の熱抵抗体流量計1よりも下流にソニックノズルを備えたソニックノズルベンチ23が設けてあり、試験管路22内の流通空気の流量を、ソニックノズルにより所定の流量に調整するようになっている。ソニックノズルベンチ23は流量が調整自在に構成されており、流量のデータを試験ユニット21に出力可能である。

0020

図1に熱抵抗体流量計1を中心とする回路構成を示す。熱抵抗体流量計1は一般的な定温度型のもので、熱抵抗体であるホットワイヤ101、これとともに試験管路22内に近接して位置する温度補償用の抵抗器102、抵抗器103,104により実質的にブリッジ回路1aを形成しており、ブリッジ回路1aは電流調整用トランジスタ111を備えた給電源110に接続される。熱抵抗体流量計1は出力信号を取り出すための検出出力端子112の他、抵抗器104に並列に試験ユニット21を接続するための試験用端子113,114を備えており、校正を行う場合には試験ユニット21内の電子負荷206が接続される。なお、試験用端子113,114は校正完了後ははめ殺しとすることができる。

0021

ブリッジ回路1aは高感度化のため、直列に接続された抵抗器102と抵抗器104とに、演算増幅器105の出力端子から給電されるようになっている。演算増幅器105は+入力端子に、一対の電圧分割抵抗器106,107により分割されたホットワイヤ101の両端間電圧が入力しており、演算増幅器105の−入力端子は演算増幅器105の出力端子と導通している。

0022

給電部110の供給電流は演算増幅器108により制御され、演算増幅器108からは制御抵抗器109を介して制御電流がトランジスタ111のベースに入力している。演算増幅器108の一対の入力端子にはブリッジ回路1aの2つの電圧出力、すなわち、ホットワイヤ101と抵抗器103とで分割された電圧出力と、温度補償用の抵抗器102と抵抗器104とで分割された電圧出力が入力しており、これらの電圧出力の差が0となるように供給電流が制御される。

0023

ここで、ホットワイヤ101の抵抗値をRh 、補償用の抵抗器102の抵抗値をRk 、抵抗器103の抵抗値をR3 、抵抗器104の抵抗値をR4 とすれば、被計測流体の計測に供される実使用時においては式(1)を満たすように供給電流が制御されることになる。
Rh ×R4 =R3 ×Rk ・・・(1)

0024

ここで、ホットワイヤ101について、0°Cのときの抵抗値をR0 、温度係数をα、ホットワイヤ101と熱交換する流体の温度をT、ホットワイヤ101の加熱温度をΔTとして、抵抗値Rh は式(2)と表せる。したがって、式(1)を満たすためには給電制御により、ホットワイヤ101の加熱温度ΔTを一定にして抵抗値Rh が一定となるようにする必要がある。
Rh =R0 +α(T+ΔT)・・・(2)

0025

したがって、供給電流の制御では、ホットワイヤ101が流体に吸熱される分に見合うだけのジュール熱を発生するように電流を流すことになる。流体がホットワイヤ101から吸熱する吸熱量は流体の流速すなわち流量が多いほど多いから、流量が多いほど加熱温度ΔTを保つのに多くの電流が流れることになる。

0026

ここで、流体がホットワイヤ101から吸熱する吸熱量H、ホットワイヤ101で発生するジュール熱Qは式(3)、(4)により表される。式中、Iはホットワイヤ101に流れる電流の電流値、kは熱伝導率、lはホットワイヤ101の長さ、ρは流体の密度、Vは流体の流速、dはホットワイヤ101の径、Cpは流体の定圧モル比熱である。なお、流速Vは流量を試験管路22の断面積で除して得られる。

0027

0028

この流体の流量に対応した電流は、抵抗器103の両端間電圧として出力端子112から取り出されて、流量の検出出力となる。

0029

特性試験装置2は供試品1の出力信号を受ける信号変換回路201を備えており、後述するように被計測流体を試験管路22内に流通させたときのものと等価な信号に前記出力信号を変換する。信号変換回路201は入力信号をその二乗値に変換する二乗演算部202、増幅率可変に構成された可変増幅器203、入力信号をその平方根に変換し、前記等価な信号として出力する平方根回路204、および可変増幅器203の増幅率制御用の抵抗値設定回路205からなる。

0030

可変増幅器203は図3に示すように演算増幅器2031の増幅率を規定する2つの抵抗器2032,2033のうち、一方が電子負荷となっており、この電子負荷2033の抵抗値が変わることで増幅率が調整される。電子負荷2033の抵抗値は抵抗値設定回路205により調整される。

0031

また、供試品1の抵抗器104と並列接続となる電子負荷206の抵抗値は抵抗値設定回路207により調整される。これら抵抗値設定回路205,207はソニックノズルベンチ23から出力される流量データを入力として受け、予め記憶した流量値と抵抗値の対応関係に基づいて抵抗値を決定し、電子負荷2033,206の抵抗値を調整する。なお、抵抗値設定回路205と抵抗値設定回路207とで、流量値と抵抗値の対応関係は別種のものであり、これについては後述する。

0032

次に、熱抵抗体流量計を校正する場合の手順について説明する。先ず、試験管路22に、校正に供する熱抵抗体流量計1を取り付け、その出力端子112、試験用端子113,114を試験ユニット21と接続する。これにより、供試品1の抵抗器104と電子負荷206とが並列接続となる。

0033

そして、ソニックノズルベンチ23において、試験管路22内の空気の流量が所定の流量となるように調整する。調整された流量のデータは両抵抗値設定回路205,207に入力し、電子負荷2033,206の抵抗値が調整される。この状態で信号変換回路201から出力される出力信号は、後述するように供試品1が被計測流体としての水素を計測するときの出力信号と等価である。以下、両抵抗値設定回路205,207に記憶された流量値と抵抗値の対応関係について説明する。

0034

前記のごとく、定温度型の熱抵抗体流量計は加熱温度が所定の温度となるように構成されている。これは、被計測流体に代えて試験流体を流したときにも同様である。一方、被計測流体と試験流体とで定圧モル比熱Cp 等の物性値が異なることから別の熱平衡状態に移行して加熱温度ΔTが一定に保たれる。すなわち、吸熱量が変化する。しかしながら、校正時にも実使用時と同じ吸熱量の元で熱平衡状態となるのが望ましい。これは、熱抵抗体流量計では温度補償用抵抗器の適正な温度補償作用を確保するためホットワイヤと温度補償用抵抗器とが近接して設けられることから、ホットワイヤの発熱が温度補償用の抵抗器に与える影響をも正確に再現することになる等の理由によるものである。本発明は試験用の抵抗器を校正時に新たに付加することで、以下のように、特性試験において被計測流体を計測中と同じ熱平衡状態で出力データを得ることができる。

0035

すなわち、供試品1が被計測流体(水素ガス)を計測するときの吸熱量HH2と、校正中の供試品1が同流量の試験流体(空気)を計測するときの吸熱量Hairとが同じとすると、式(3)に基づいて、試験流体のときの加熱温度ΔTair が流速すなわち流量の関数として得られる。図4に加熱温度ΔTair と流量の関係の一例を示す。そして、加熱温度ΔTair の変更により、式(2)より知られるようにホットワイヤ101の抵抗値Rh が変わるので、加熱温度ΔTair で定常的にホットワイヤ101に電流Iを流そうとすれば、電子負荷206の抵抗値Rv を、電子負荷206が抵抗器104に並列に接続された状態のブリッジ回路1aを考えて、式(5)を満たすように電子負荷206の抵抗値を調整すればよいことになる。すなわち、電子負荷206の抵抗値を設定する抵抗値設定回路207には、式(2)、(3)、(5)により一義的に決まる流量と電子負荷206の抵抗値Rv の対応関係をマップ関数式として記憶してある。

0036

0037

一方、ホットワイヤ101に流れる電流が異なることで、この電流による抵抗器103の電圧降下である供試品1の出力信号が変化する。被計測流体を計測中にホットワイヤ101に流れる電流をI、そのときのホットワイヤ101の抵抗値をR、電子負荷206が接続された状態で試験流体を流したときにホットワイヤ101に流れる電流をI’、そのときのホットワイヤ101の抵抗値をR’とすると、吸熱量HH2と吸熱量Hair とが同じなので、ホットワイヤ101で発生するジュール熱も等しく、I2 R=I’2 R’であり、式(6)が成り立つ。
I=I’×(R’/R)1/2 ・・・(6)

0038

したがって、被計測流体を計測したときの出力信号をV、電子負荷206が接続された状態で試験流体を流したとき出力信号をV’とすると、式(7)が成り立つ。

0039

V=V’×(R’/R)1/2 ・・・(7)

0040

可変増幅器203の増幅率を制御する抵抗値設定回路205は、式(2)、(3)に基づく、流量値とホットワイヤ101の抵抗値の対応関係を表すマップによりR’を求め、増幅率調整用の電子負荷2033の抵抗値を前記R’に調整する。なお、可変増幅器203の増幅率を決める一方の抵抗器2032は前記Rに設定されている。

0041

しかして、信号変換回路201において、二乗演算回路202がV’2 を出力し、可変増幅器203がV’2 (R’/R)を出力し、平方根回路204がV’×(R’/R)1/2 を出力する。これは、被計測流体を計測したときの出力信号Vであり、供試品1が被計測流体を計測するときの出力信号と同じ大きさの出力電圧が得られる。

0042

図5は吸熱量と流量との関係を示すもので、実線が、熱抵抗体流量計が水素ガスを計測した時のもので、・が、水素ガスに代えて空気のときに電子負荷206が接続された状態でのものである。電子負荷206の抵抗値を調整することで、吸熱量が一致していることが知られる。したがって、信号変換回路201から出力される出力信号は、水素ガスを計測した時の熱抵抗体流量計の出力信号とよい一致を示す。

0043

なお、信号変換回路201は、マイクロコンピュータプログラム上で実現してもよい。

0044

また、本実施形態では、流量が同じときの吸熱量を被計測流体と試験流体とで揃うようにし、さらに供試品1が被計測流体を計測したときの出力信号と同じ出力信号が得られるようにしているが、信号変換回路201を省略して試験データの収集そのものは供試品1の出力端子112における出力信号を取り込むようにしてもよい。すなわち、供試品1の出力信号と、試験中の流量のデータとを別々に収集しておき、供試品1が被計測流体を計測したときの出力信号は、パーソナルコンピュータにおいて演算するのもよい。

0045

また、試験によって再現する、供試品1が被計測流体を計測中の状態が、熱平衡の状態まで同じである必要がなければ、次のように、信号変換回路201を用いずに供試品1の出力信号を、供試品1が被計測流体を計測中の出力信号と同じにすることもできる。すなわち、計測中も、電子負荷206を接続した状態で試験中も、熱平衡の状態であるので、式(8)が成り立つが、両式において電流Iが等しいとおけば、流量に対して試験時の加熱温度ΔTair が一義的に求められる。この加熱温度ΔTair のときのホットワイヤ101の抵抗値Rh の元で式(5)を満たすように電子負荷206の抵抗値を設定する。
被計測流体:HH2=QH2
試験流体:Hair =Qair ・・・(8)

0046

なお、本実施形態では、ソニックノズルベンチにおいて流量を種々に調整自在としているが、校正を1種類の流量で行うのであれば流量は固定でもよい。この場合、電子負荷に代えて、前記流量に対応した抵抗値が一定の通常の抵抗器を用い得る。

0047

また、流量データを取り込んで加熱温度調整用の電子負荷の抵抗値を自動設定する構成としているが、流量値と抵抗値とを対応付けるマップまたは演算式を予め用意しておき、校正を行う作業者がこれに基づいて抵抗器104に並列接続される試験用の抵抗器の抵抗値を求め、抵抗値を調整するのでもよい。複数の流量値について校正を行う場合は、流量を変えるごとに、その流量に対応する抵抗値を求めて試験用の抵抗器の抵抗値を調整すればよい。

0048

また、熱抵抗体流量計に試験用の端子を設けているが、本発明は、かかる試験用端子を有しない熱抵抗体流量計にも適用することができ、配線またはブリッジ回路を構成する抵抗器の端子とプローブ等により導通をとることで、試験用の抵抗器を接続するのもよい。

0049

また、本発明は、被計測流体として水素だけではなく他の流体にも適用することができるのは勿論であり、また、試験流体も空気以外のものを用いることができる。

0050

また熱抵抗体がホットワイヤのものについて説明したが、他の形状の熱抵抗体を有する熱抵抗体流量計に適用することができるのは勿論である。

0051

本発明は、製造品の校正用だけではなく、開発段階における特性試験用としても適用することができる。

図面の簡単な説明

0052

図1本発明の熱抵抗体流量計の特性試験方法に用いる本発明の熱抵抗体流量計の特性試験装置の電気回路の構成を示す図である。
図2前記熱抵抗体流量計の特性試験装置の構成を示す図である。
図3前記熱抵抗体流量計の特性試験装置の一部の回路図である。
図4前記熱抵抗体流量計の特性試験方法および前記熱抵抗体流量計の特性試験装置を説明するグラフである。
図5前記熱抵抗体流量計の特性試験装置の作動を説明するグラフである。

--

0053

1熱抵抗体流量計
1aブリッジ回路
101ホットワイヤ(熱抵抗体)
102,103,104抵抗器
105演算増幅器
106,107調整抵抗器
108 演算増幅器
109入力抵抗器
110給電源
111トランジスタ
2特性試験装置
21試験ユニット
22試験管路
23ソニックノズルベンチ
201信号変換回路(出力信号変換手段)
206電子負荷(試験用抵抗器)
207抵抗値設定回路(抵抗値調整手段)

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