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技術 設計方法及び設計支援システム

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 坂本直北川尚人後藤伴明寺沢利久
出願日 2000年12月27日 (19年10ヶ月経過) 出願番号 2000-396725
公開日 2002年7月12日 (18年4ヶ月経過) 公開番号 2002-197122
状態 拒絶査定
技術分野 CAD
主要キーワード 試作モデル 要件項目 開発製品 評価担当者 各部署間 技術知識 要素項目 設計ノウハウ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

製品開発支援して、設計の更なる効率化を図り、ひいては製品の開発期間を短縮する。

解決手段

設計仕様に基づいて設計の評価担当者が抽出した設計に対する要望事項、及び過去の製品開発において設計変更を要した設計不具合の事例の内容及びその解決策の情報が、所定形式電子ファイルとして記録された要件事項の情報として要件事項データベース19に登録する。サーバ15は、設計仕様の情報の提示のもとに、その設計仕様に関連する要件事項の情報をデータベース19から抽出し、その内容を設計担当者コンピュータ端末11上に提示する。設計担当者は、その内容を確認した上で、設計仕様に基づいた詳細設計情報作成を行う。

概要

背景

自動車新車開発における設計は、車両各部の詳細な設計を行う設計部署工場生産管理など実際の製造現場での業務を司る製造部署、設計の評価試験を行う試験部署、及び部品を提供する外部の部品メーカーなどの共同作業によって行われている。そうした新車開発は、開発開始から生産開始に至るまでに、概ね次の各段階を通じて行われる。

(I)企画段階:まず、最初の企画段階において、デザイン性能要求等の新車の基本コンセプトを決定し、開発計画立案する。またその基本コンセプトに基づいて、各設計パート設計仕様を作成する。

(II)設計段階:設計部署の設計担当者は、作成された設計仕様に従って、設計のディテイル絞り込み、設計図面を作成する。
(III)評価段階:設計段階で作成された設計図面は、製造部署や試験部署等の評価に回される。これらの部署では、設計図面の検討や試作モデルの作成、評価試験などを通じて、作成された設計図面が設計仕様を満たしているか否かが評価される。外部の部品メーカ等に部品の提供や製造を委託する場合には、その部品メーカの担当部署にて同様の評価が行われる。そして設計図面に不具合が確認されれば、設計担当者に設計変更要請する。以下、設計仕様を十分に満足するまで、設計変更、及び変更された設計図面の評価を繰り返して、設計図面が完成される。

(IV)生産準備段階:設計図面が完成されると、生産準備の手配がなされ、完成された設計図面に従って生産が開始されることとなる。

概要

製品開発支援して、設計の更なる効率化を図り、ひいては製品の開発期間を短縮する。

設計仕様に基づいて設計の評価担当者が抽出した設計に対する要望事項、及び過去の製品開発において設計変更を要した設計不具合の事例の内容及びその解決策の情報が、所定形式電子ファイルとして記録された要件事項の情報として要件事項データベース19に登録する。サーバ15は、設計仕様の情報の提示のもとに、その設計仕様に関連する要件事項の情報をデータベース19から抽出し、その内容を設計担当者のコンピュータ端末11上に提示する。設計担当者は、その内容を確認した上で、設計仕様に基づいた詳細設計情報作成を行う。

目的

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、設計の更なる効率化を図り、ひいては製品の開発期間を短縮することのできる設計方法及び設計支援システムを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

コンピュータ支援のもとに設計を行う方法であって、設計に関する要件事項の情報を所定形式電子ファイルとしてサーバ登録して蓄積する工程と、設計仕様を作成する工程と、その作成された設計仕様に関連する前記要件事項の情報を前記蓄積された情報の中から前記サーバが自動抽出する工程と、その自動抽出された要件事項の情報内容を前記サーバを通じて設計担当者提示する工程と、前記設計担当者が、その提示された要件事項の情報内容を確認して、前記設計仕様に基づいて詳細設計の情報を作成する工程と、を実施する設計方法

請求項2

設計不具合の発生に応じ、その不具合事例の情報とその対応策の情報とを、前記要件事項の情報として前記所定形式の電子ファイルに記録し、前記サーバに登録する工程を更に実施する請求項1記載の設計方法。

請求項3

前記詳細設計の情報の作成に先立って、前記設計仕様の情報内容を設計の評価担当者に提示する工程と、その提示された設計仕様の情報内容に基づき前記評価担当者が提示した設計に対する要望事項に関する情報を、前記要件事項の情報として前記所定形式の電子ファイルに記録して前記サーバに登録する工程と、を更に実施する請求項1または2記載の設計方法。

請求項4

コンピュータネットワークを通じた情報の授受を管理するサーバと、そのサーバの管理下に置かれ、且つ所定形式の電子ファイルとして記録された設計に関する要件事項の情報が登録されたデータベースとを備えて、設計仕様に基づく詳細設計の情報の作成を支援するシステムであって、前記サーバは、前記設計仕様の情報提示のもとに、その設計仕様に関連する前記設計要件事項の情報を前記データベースから自動抽出してその内容を提示する機能を備えてなる設計支援システム

請求項5

前記要件事項の情報には、設計不具合の発生に応じて作成された不具合事例の情報及びその対応策の情報が含まれてなる請求項4記載の設計支援システム。

請求項6

前記要件事項の情報には、前記設計仕様の情報内容の確認のもとに設計の評価担当者の作成した設計に対する要望事項の情報が含まれてなる請求項4または5記載の設計支援システム。

技術分野

0001

本発明は、設計方法及び設計支援システムに関するものである。

背景技術

0002

自動車新車開発における設計は、車両各部の詳細な設計を行う設計部署工場生産管理など実際の製造現場での業務を司る製造部署、設計の評価試験を行う試験部署、及び部品を提供する外部の部品メーカーなどの共同作業によって行われている。そうした新車開発は、開発開始から生産開始に至るまでに、概ね次の各段階を通じて行われる。

0003

(I)企画段階:まず、最初の企画段階において、デザイン性能要求等の新車の基本コンセプトを決定し、開発計画立案する。またその基本コンセプトに基づいて、各設計パート設計仕様を作成する。

0004

(II)設計段階:設計部署の設計担当者は、作成された設計仕様に従って、設計のディテイル絞り込み、設計図面を作成する。
(III)評価段階:設計段階で作成された設計図面は、製造部署や試験部署等の評価に回される。これらの部署では、設計図面の検討や試作モデルの作成、評価試験などを通じて、作成された設計図面が設計仕様を満たしているか否かが評価される。外部の部品メーカ等に部品の提供や製造を委託する場合には、その部品メーカの担当部署にて同様の評価が行われる。そして設計図面に不具合が確認されれば、設計担当者に設計変更要請する。以下、設計仕様を十分に満足するまで、設計変更、及び変更された設計図面の評価を繰り返して、設計図面が完成される。

0005

(IV)生産準備段階:設計図面が完成されると、生産準備の手配がなされ、完成された設計図面に従って生産が開始されることとなる。

発明が解決しようとする課題

0006

なお近年、新車開発に限らず、概ねの製品開発においては、製品ライフサイクル短期化に伴って開発期間の短縮が要望されており、そのため評価段階での設計変更についても削減が求められている。

0007

評価段階での設計変更の削減は、設計段階において、始めから不具合の少ない設計図面、すなわち完成度の高い設計図面を作成すれば、自ずと果たされる。ただし、そうした完成度の高い設計図面の作成には、製造技術の知識を含む、広範囲技術知識が必要とされ、設計担当者に高度の技能が要求される。そして技術が高度化し、開発規模が拡大する傾向にある昨今にあっては、そうした高い技能を設計担当者の全てに求めるには無理がある。

0008

一方、例えば特開平8−106494号公報にみられるように、コンピュータを用いて開発に係る設計の進捗状況管理を行うことで、設計を支援するシステムが知られている。こうした支援システムを適切な態様で利用すれば、人材配分の適正化等により、開発効率を向上して開発期間を短縮することも可能ではあるが、上記問題をその抜本から解決するものではない。

0009

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、設計の更なる効率化を図り、ひいては製品の開発期間を短縮することのできる設計方法及び設計支援システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

以下に上記課題を解決するための手段及びその作用・効果を記載する。請求項1記載の発明は、コンピュータ支援のもとに設計を行う方法であって、設計に関する要件事項の情報を所定形式電子ファイルとしてサーバ登録して蓄積する工程と、設計仕様を作成する工程と、その作成された設計仕様に関連する前記要件事項の情報を前記蓄積された情報の中から前記サーバが自動抽出する工程と、その自動抽出された要件事項の情報内容を前記サーバを通じて設計担当者に提示する工程と、前記設計担当者が、その提示された要件事項の情報内容を確認して、前記設計仕様に基づいて詳細設計の情報を作成する工程と、を実施するものである。

0011

この設計方法において設計担当者は、作成された設計仕様に基づいて詳細設計の情報の作成を行うこととなる。ここでの「設計仕様の情報」とは、詳細部分の具体化を行う前の設計構想に関する情報であり、要求性能やデザインのコンセプトなどをまとめたものを指す。また「詳細設計の情報」とは、そうした設計仕様に基づいて詳細部分の形状や寸法などを定め、実際に製造可能な段階まで具体化した設計の情報を指し、例えば製造に用いられる設計図面などを指す。

0012

上記設計方法では、そうした詳細設計の情報の作成に先立ち、蓄積された情報の中からその設計仕様に関連した要件事項の情報がサーバによって自動抽出され、その内容が設計担当者に提示されることとなる。設計に関する要件事項の情報とは、設計における各要素の規格制約、要請、取り決めなど、詳細設計の情報の作成にあたり考慮すべき事項についての情報である。ここでは、そうした要件事項の情報内容を設計担当者が確認した上で、詳細設計の情報が作成される。

0013

したがって、設計担当者は、サーバに蓄積された要件事項の情報内容を、作成される詳細設計の情報に反映可能となる。すなわち、設計に関する要件事項の情報を、容易に確認可能な態様でサーバに蓄積しておくことで、設計に必要な技術知識やノウハウ共有化が図られる。そのため、より完成度の高い設計情報を作成して設計変更を削減可能となる。したがって、設計作業の更なる効率化を図り、ひいては製品の開発期間も短縮可能となる。

0014

また請求項2記載の発明は、請求項1記載の設計方法において、設計不具合の発生に応じ、その不具合事例の情報とその対応策の情報とを、前記要件事項の情報として前記所定形式の電子ファイルに記録し、前記サーバに登録する工程を更に実施するようにしたものである。

0015

この設計方法では、詳細設計に不具合が生じる毎に、その不具合事例の情報とその対応策の情報とが、要件事項の情報としてサーバに蓄積される。これにより、設計担当者は、過去に発生した設計不具合の事例とその対応策とを確認した上で、詳細設計の情報を作成できるようになる。こうして同様の設計不具合の再発を効果的に回避でき、またそうした不具合事例を通じて示されるノウハウの共有も可能となる。

0016

また請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の設計方法において、前記詳細設計の情報の作成に先立って、前記設計仕様の情報内容を設計の評価担当者に提示する工程と、その提示された設計仕様の情報内容に基づき前記評価担当者が提示した設計に対する要望事項に関する情報を、前記要件事項の情報として前記所定形式の電子ファイルに記録して前記サーバに登録する工程と、を更に実施するようにしたものである。

0017

この設計方法によれば、例えば工場や生産管理部署のような製造部署、或いは試験部署などに所属して、設計担当者の作成した設計情報の評価を行う設計の評価担当者にも、前もって設計仕様の情報内容が提示される。評価担当者は、その提示された設計仕様の情報内容に基づいて、設計に対する設計担当者からの要望事項に関する情報を提示し、その情報を上記要件事項の情報としてサーバに登録する。これにより、詳細設計の情報の作成に先だって、設計担当者にそうした評価担当者からの要望事項が提示されるようになる。

0018

したがって設計担当者には、設計の評価担当者の要望事項を、作成する詳細設計の情報に反映可能となる。すなわち、評価担当者の要望を設計に盛り込むことができ、設計変更を効果的に削減できる。

0019

また請求項4記載の発明は、設計支援システムであって、コンピュータネットワークを通じた情報の授受を管理するサーバと、そのサーバの管理下に置かれ、且つ所定形式の電子ファイルとして記録された設計に関する要件事項の情報が登録されたデータベースと、を備えるとともに、前記サーバは、前記設計仕様の情報提示に基づいて、その設計仕様に関連する前記設計要件事項の情報を前記データベースから自動抽出してその内容を提示する機能を備えてなるものである。

0020

この支援システムでは、設計に関する要件事項の情報が所定形式の電子ファイルに記録され、サーバ管理下のデータベースに登録されている。そして、所定形式の電子ファイルとして作成された設計仕様の情報に基づいて、登録された情報の中から、その設計仕様に関連する要件事項の情報がサーバによって自動抽出され、その内容が提示されるようになっている。

0021

これにより、データベースに登録された要件事項の情報を容易に参照して、設計仕様に基づいて作成される詳細設計の情報に容易に反映可能となる。すなわち、設計に必要な技術知識の共有が容易に実現できる。そのため、より完成度の高い設計情報を作成して設計変更を削減可能となり、設計の更なる効率化を図って、ひいては製品の開発期間も短縮可能となる。

0022

また請求項5記載の発明は、請求項4記載の設計支援システムにおいて、前記要件事項の情報に、設計不具合の発生に応じて作成された設計の不具合事例の情報及びその対応策の情報を含めるようにしたものである。

0023

この設計支援システムでは、設計不具合の発生の都度、その不具合事例の情報及びその対応策の情報が、要件事項の情報としてデータベースに蓄積されていくようになる。これにより、そうした情報についても、設計仕様に関連付けて必要な情報を容易に取得できるようになる。したがって、過去に生じた不具合事例の再現が回避され、またそうした不具合事例を通じて示される設計ノウハウの共有も可能となる。

0024

また請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の設計支援システムにおいて、前記要件事項の情報に、前記設計仕様の情報内容の確認のもとに設計の評価担当者の作成した設計に対しての要望事項の情報を含めるようにしたものである。

0025

この設計支援システムでは、設計仕様に基づく評価担当者の設計に対する要望事項の情報が登録され、設計仕様に関連付けて提示されるようになる。したがって、作成される詳細設計の情報に評価担当者の要望事項を反映可能となり、設計変更を効果的に削減できる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、自動車の新車開発にかかる設計に対して本発明を適用して具体化した一実施形態について、図を参照して詳細に説明する。

0027

新車開発にかかる設計は、プロジェクトスタッフを中心に、設計部署、部品製造や製造部署、試験部署、及び部品を提供する部品メーカーなどの関係部署等の共同作業によって行われる。設計部署は、設計図面等の詳細設計の情報の作成を行う部署であり、製造部署は、部品生産や部品組み付けなどの実際の製造現場を担う工場や生産管理部署などを指している。また試験部署では、設計された部品等の評価試験を行っている。

0028

プロジェクト・スタッフは、開発プロジェクト中核をなし、開発プロジェクト全体の統括管理を担っている。ちなみにプロジェクト・スタッフには、新車開発に係る各部署のそれぞれから選抜された代表者が加えられている。こうして各部署の代表者をプロジェクト・スタッフに一同に加えることで、各部署間意見調整が円滑となり、開発プロジェクトに係る各部署の意思統一や情報の共有化などを容易としている。

0029

図1に、こうした新車開発における設計の支援にかかるシステム構成を示す。同図1に示すように、本システムは、上記プロジェクト・スタッフ及び各部署にそれぞれ設けられたコンピュータ端末10〜14と、開発に係る各種情報の管理を司るサーバ15とを備えている。それら各端末10〜14及びサーバ15はそれぞれ、ネットワーク回線16を通じて互いに接続されている。

0030

サーバ15は、ネットワーク回線16を通じて同サーバ15及び上記各端末10〜14間を送受される情報の管理を司るとともに、開発に係る設計についての各種情報が登録されるデータベース17を備える。またサーバ15は、メールサーバとしての機能を有し、プロジェクト・スタッフ及び各部署のメンバ間電子メールの授受についても管理している。

0031

データベース17は、設計情報データベース18と要件事項データベース19との2つのデータベースを備えて構成されている。設計情報データベース18には、設計部署において作成された設計図面の情報や、試験部署での評価試験結果の情報などの設計情報が登録されている。

0032

また要件事項データベース19には、設計に関する要件事項の情報が所定形式の電子ファイルとして登録されるようになっている。この「設計に関する要件事項の情報」とは、設計における各要素の規格や制約、要請、取り決めなど、設計にあたって考慮すべき事項についての情報を指している。本実施形態における設計手法によれば、後述するように、開発プロジェクトの都度、要件事項データベース19にそうした要件事項の情報が追加登録され、情報の更なる充実が図られるようになっている。

0033

また、各端末10〜14は、上記各データベース18、19に登録された各種情報の表示機能を有しており、サーバ15を通じてそうした情報を取得することで、それら端末10〜14上で情報の内容を確認できるようになっている。したがって、要件事項データベース19に登録された要件事項ファイルの内容についても、各端末10〜14上に表示して確認することができる。

0034

続いて、以上のように構成された設計支援システムを用いた開発プロジェクトの進行手順について、図2を併せ参照して説明する。図2は、本実施形態での開発プロジェクトの進行を示すタイムチャートである。同図2に示されるように、開発プロジェクトは以下の態様で進められる。

0035

(I)企画段階
企画段階では、プロジェクト・スタッフを中心として、開発製品(新車)の企画構想が行われる。

0036

プロジェクト・スタッフは、まず開発製品全体の性能やデザインなどの開発構想を企画する。それをもとに、設計部署や製造部署等のメンバも交えて、車両の各部位に要求される設計要件を定め、部位毎の設計仕様を決定する。ここで決定された設計仕様の情報は、予め定められた形式の電子ファイルに記録され、電子情報化して設計情報データベース18に登録される。

0037

なお、ここでの「設計仕様の情報」とは、要求される性能や部品の形状や寸法等の概要のような設計要件をまとめた情報を指す。これに対して、詳細部分の寸法や形状を定め、それに基づいて実際に製造可能な段階まで具体化された設計の情報を「詳細設計の情報」といい、例えば設計図面などを指す。

0038

一方、企画設計段階においてプロジェクト・スタッフは、設計仕様が定められた部位毎の担当者割り当てや、設計の詳細なスケジュールなどの開発計画を立案する。ここで設計仕様が定められた各部位(設計パート)には、設計部署に加え、製造部署や試験部署、及びその設計パートに関連する部品メーカーなどからも、それぞれ担当者を選出する。すなわち、各設計パートの設計は、実際に設計図面を作成する設計部署に加え、その設計図面の評価を行う各部署からそれぞれ選出されたメンバによって構成された設計チーム単位で行われる。

0039

以上が企画段階での作業内容である。なお、プロジェクト・スタッフは以後の各段階における開発作業進捗状況等の管理を主に司ることとなる。
(II)設計段階
設計段階では、設計パートの詳細設計の情報、すなわち設計図面の作成が、上記の如く編成された設計チームによって以下の手順で行われる。

0040

まず、設計チームの各メンバは、仕様ファイルとして提供された担当する設計パートの設計仕様の内容を確認する。仕様ファイルに記録された情報内容は、上記のように、設計チームのメンバの各自の端末11〜14上に表示して確認することができる。

0041

ここで各メンバは、仕様ファイルに記録された設計仕様の内容を検討し、対象となる設計パートの設計に係る要件事項を列挙する。そしてその内容を、予め定められた形式の電子ファイルに記録して要件事項ファイルを作成し、要件事項データベース19に登録する。これにより、設計仕様の検討によって新たに摘出された設計に関する要件事項の情報が、電子情報化されて要件事項データベース19に追加登録される。

0042

ここで追加登録された要件事項の情報には、不具合の発生が予見される事例や、設計仕様の問題点、設計仕様に不足している情報などが含まれている。しかも、製造部署や試験部署、或いは部品メーカーなど、設計部署以外の技術者専門技術知識や経験等に基づく情報が含まれている。したがって、該当設計パートの設計図面の作成に、非常に有益な情報となる。

0043

またこうした情報は、今回対象とする設計パートに限らず、設計一般に有益な情報も含まれている。ここでは、そうした情報を要件事項データベース19に登録して保管しておくことで、後においても情報の再利用が可能となっている。

0044

その後、設計図面、すなわち詳細設計の情報の作成を担う設計担当者は、割り当てられた設計パートに関連する要件事項の情報を、要件事項データベース19から読み出してその内容を確認する。こうした要件事項の情報の抽出は、サーバ15によって処理される。その抽出処理は、図3にその処理の詳細を示す。

0045

すなわち、サーバ15は、ファイルの指定に基づいて、抽出処理の対象となる仕様ファイルを取得する(図3のステップ10)。ちなみにそうした仕様ファイルの指定は、各端末10〜14上で行えるようになっており、通常は設計担当者が自身の端末11上で行うこととなる。

0046

そしてサーバ15は、取得した仕様ファイルから、その内容に関する要素項目を取得する(ステップ20)。要素項目としては、例えば設計パートの品名や適用車種など、対象とする設計パートを特徴付け項目が選ばれる。

0047

続いてサーバ15は、要件事項データベース19から要件事項ファイルを順次取得し、その要件事項ファイルから同様に要素項目を取得する(ステップ30)。そして仕様ファイルから取得した要件項目との比較によって、互いの関連の有無を判定する(ステップ40)。こうした処理をデータベース19中の全ファイルについて行い、関連有りと判定された要件事項ファイルをピックアップして(ステップ50)、上記抽出処理が行われる。

0048

以上が本実施形態での抽出処理の詳細である。ちなみに、ここではサーバ15が仕様ファイルから要素項目を自動的に取得して、それを抽出条件として関連する要件事項ファイルを抽出するようにしているが、そうした抽出条件を設計担当者等が指定して抽出処理を行うようにしても良い。いずれにせよ、要件事項の情報を所定形式の電子ファイルとして電子情報化して記録し、データベース19に蓄積しておくことで、そうした抽出処理をサーバ15が容易且つ適切に行うことができるようになる。

0049

さて、こうして抽出処理がなされた後、設計担当者は、抽出された要件事項の情報内容を確認し、その内容を考慮した上で設計図面を作成する。
(III)評価段階
評価段階では、設計段階において作成された設計図面が、製造部署や試験部署、或いは部品メーカーなどでの評価に回される。ここでの評価は、設計図面が設計仕様を満たしているか、或いは製造にあたって不都合はないか等を検証することで行われる。

0050

ここで設計図面に不具合が確認されれば、その不具合を解消すべく、設計担当者は、設計図面の修正、すなわち設計変更を行う。そして修正された設計図面に対して再度評価が行われ、以降、不具合が確認されなくなるまで、設計変更を繰り返す。これにより、実際の生産に使用される詳細設計の情報が記載された設計図面が完成される。

0051

なお、こうした設計変更の必要が生じた設計の不具合事例からは、それを教訓として様々な設計要件を導き出すことができる。すなわち、不具合事例と同様の設計を回避することで、その再発を防止できる。

0052

そこで本実施形態では、この評価段階において設計の不具合が確認された事例については、その不具合の内容、及びその解決策についての情報を、要件事項ファイルとして記録し、要件事項データベース19に追加登録するようにしている。こうした登録作業は、開発プロジェクトの終了後にまとめて行うようにしても良い。

0053

(IV)生産準備段階
設計図面が完成されると、主に製造部署が中心となって、その生産準備が進められる。そして生産準備が整った時点より、生産が開始される。

0054

以上が、本実施形態での新車開発に係る設計手順の詳細である。このように本実施形態では、開発プロジェクトの進行に応じて、次の情報(a)(b)が、要件事項の情報として要件事項データベース19に登録される。
(a)設計の評価担当者が、設計仕様の確認のもとに抽出した設計への要望事項についての情報。
(b)評価段階において設計変更を要した設計の不具合事例について、その不具合の内容、及びその対応策の情報。

0055

これらの情報には、設計に関しての様々なノウハウや技術知識など、設計図面の作成に有益な情報が含まれている。よって、こうした情報を確認した上で設計図面を作成することで、その完成度を高め、設計変更を削減可能となる。特に上記(a)記載の情報によれば、今回対象となる設計パートについての評価担当者の要望事項を予め設計図面に盛り込むことができるため、効果的に設計変更を削減できる。また上記(b)記載の情報によれば、過去の開発における経験を通じて培われたノウハウを設計図面に有効に反映できる。

0056

しかも本実施形態では、そうした情報が実際の設計過程において、その手順の一環として抽出され、要件事項データベース19に蓄積されるようになっており、開発プロジェクトを重ねる毎にその情報が充実されるようになっている。

0057

以上説明した本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、設計に関する要件事項の情報を所定形式の電子ファイルとして要件事項データベース19に蓄積し、設計担当者が蓄積された情報の内容を確認できるようになっている。このため、蓄積された要件事項の情報によって示される設計に関しての様々な技術知識やノウハウの共有が図られる。

0058

(2)また本実施形態では、そうした要件事項データベース19から、関連する情報を抽出してその内容を確認した上で、設計図面の作成を行うようにしている。したがって、同データベース19に蓄積された情報に基づく技術知識やノウハウを反映して、より完成度の高い設計図面を作成可能となり、設計変更を削減できる。そしてひいては製品開発の効率が向上され、開発期間の短縮も可能となる。

0059

(3)また本実施形態では、設計図面の作成に先立って、設計の評価担当者に、設計仕様の内容を提示した上で、設計に対する要望事項に関する情報を列挙させるようにしている。これにより、各評価担当者の専門分野での知識や経験に基づいて抽出された設計要件を、作成される設計図面に反映可能となり、設計変更を効果的に削減できる。

0060

(4)また本実施形態では、そうして評価担当者が設計仕様に基づいて列挙した設計に対する要件事項に関する情報を、要件事項の情報として要件事項データベース19に登録するようにしている。これにより、それら情報の再利用が可能となり、また同データベース19に蓄積される情報が更に充実される。

0061

(5)また本実施形態では、設計変更を要する不具合の発生に応じて、その不具合事例の内容の情報、及びその対応策の情報を、要件事項の情報として要件事項データベース19に登録するようにしている。これにより、同データベース19に蓄積される情報の充足が図られるとともに、同様の不具合の再発を効果的に抑制できる。

0062

(6)更に本実施形態では、実際の設計過程において、上記要件事項の情報が抽出されるようになっており、そうして抽出された情報を登録することで、要件事項データベース19に蓄積される情報が充実されるようになっている。したがって、そうした設計支援用のデータベースの構築が容易ともなっている。

0063

以上説明した実施形態は、次のように変更しても良い。
・上記実施形態での要件事項の情報の抽出処理の詳細は、任意に変更しても良く、適宜な検索ロジックを適用するなどして、より的確に関連する要件事項ファイルを抽出するようにすることもできる。更に、要件事項ファイルと仕様ファイルとの関連の有無の判定に、それらの相関度合いを評価するロジックを適用して、抽出の範囲を任意に指定可能すれば、より好適に必要な情報を取得できるようになる。いずれにせよ、要件事項の情報を所定形式の電子ファイルとして電子情報化して蓄積することで、そうした抽出処理の自動化を図り、上記のような態様での設計の具現を容易とすることができる。

0064

・上記実施形態では、設計の評価担当者による事前の設計仕様の検討、及び評価段階での設計の不具合の発生を機会として、設計に関する要件事項の情報を摘出して要件事項データベース19に登録している。こうした情報の摘出や登録の手続きは、これらに限らず任意に変更しても良い。要は、その内容を容易に確認可能な態様で、詳細設計の情報作成の手助けとなる要件事項の情報を蓄積しておくようにすれば、作成される詳細設計の情報の完成度を向上して、評価段階での設計変更を削減できる。もっとも、そうした要件事項の情報が設計過程で抽出されるように設計手順を定めれば、同情報の収集も容易となり、かかるデータベースの構築を容易とすることができる。

0065

・上記実施形態では、設計に関しての各種情報をサーバ15が集中管理するシステム構成となっているが、そうしたシステム構成は任意である。例えば、コンピュータネットワークを通じて互いに接続された複数のサーバ等によって情報を分散管理するシステム構成であれ、情報の共有が保証されていれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。

0066

・そして勿論、この発明にかかる設計方法及び設計支援システムは、設計の行われる全ての分野に適用できるものであり、上記実施形態に例示した新車開発に係る設計に限られるものではない。

図面の簡単な説明

0067

図1設計支援システムの全体構造を示す模式図。
図2開発プロジェクトの進行態様を示すタイムチャート。
図3要件事項の抽出処理の手順を示すフローチャート

--

0068

10〜14…コンピュータ端末、15…サーバ、16…コンピュータネットワーク、17…データベース、18…設計情報データベース、19…要件事項データベース。

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  • 株式会社明電舎の「 変圧器コスト予測装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】変圧器のコスト予測を工数が少なく精度良く算出することができる変圧器コスト予測装置を提供する。【解決手段】過去に製造された変圧器の仕様、設計値、コストを含む過去データベース4を学習データとして予... 詳細

  • 富士ゼロックス株式会社の「 情報処理装置、情報処理プログラム」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】ユーザが、一の加工部と他の加工部を指定して、一の加工部から他の加工部までの距離を取得する場合と比して、一の加工部から他の加工部までの距離が基準値以上か否かの判断に要するユーザの工数を低減するこ... 詳細

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