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技術 平版印刷版の画像形成方法

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 菊池敬
出願日 2000年12月22日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2000-390549
公開日 2002年7月12日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2002-196504
状態 特許登録済
技術分野 ホトレジストの材料 感光性樹脂・フォトレジストの処理 フォトリソグラフィー用材料
主要キーワード ヘドロ状 補充液タンク 経時疲労 期間処理 赤外線感光性 パネルヒーター 画像故障 無機リチウム化合物
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課題

自動現像機を用いて平版印刷版を連続的に現像処理するに際して、アルカリ現像処理液活性度を維持しつつ、感光層を構成する材料に起因する画像故障や自動現像機の目詰まりを抑制し、長期間安定に現像することのできる平版印刷版の画像形成方法を提供する。

解決手段

赤外線感光性ネガ型平版印刷版原版画像様露光した後、珪酸を含有するアルカリ水溶液で自動現像機にて連続的に現像処理する平版印刷版の画像形成方法であって、自動現像機に使用する現像液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が1.0〜2.0の範囲にあり、自動現像機に供給する補充液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2Oのモル比0.5〜1.0の範囲にあることを特徴とする。

概要

背景

近年、レーザー発展は目ざましく、特に近赤外から赤外発光領域を持つ固体レーザー半導体レーザーは、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっており、このデジタルデータから直接製版するシステム露光光源として、これらのレーザーは非常に有用である。

このような赤外線レーザにて記録可能なネガ型画像記録材料としては、赤外線吸収剤酸発生剤レゾール樹脂及びノボラック樹脂より成る記録材料がUS5,340,699号に記載されている。このようなネガ型の画像記録材料は、通常、画像様レーザ露光し、露光部を硬化させた後に、アルカリ水溶液現像することで未露光部が除去されて画像が形成される。そして、このような現像工程には、自動現像機が使用されるのが一般的である。

しかしながら、この画像形成材料は、画像形成性を向上されるために赤外線吸収剤を含有するなど、感光層を構成する素材が従来の紫外線露光により画像形成するPS版と称するものとは全く異なっており、これに従来の現像方法を適用することは、画像形成材料の現像特性を加味した最善の方法とは言い難かった。例えば、従来のPS版に使用されているケイ酸カリウムなどを含むアルカリ水溶液を現像液として用いる場合、感光層に含まれる難溶性の赤外線吸収剤を溶解、分散して除去するためには、pH12以上の強アルカリ水溶液を使用しなければならず、このように高pHの現像液は、自動現像機中で空気中の炭酸ガスを吸収し、経時により現像液の活性度が低下するため、大量の現像補充液を補充しなければならず、現像廃液が多量排出される欠点があった。また、経時的に溶出した感光層の材料の現像液中における濃度が高まってくると、凝集析出による固形物現像処理中、或いは現像より後に搬出される平版印刷版の表面に付着し、画像故障の原因になったり、凝集、析出した固形物が自動現像機のパイプフィルターに付着するといった問題もあった。

概要

自動現像機を用いて平版印刷版を連続的に現像処理するに際して、アルカリ現像処理液の活性度を維持しつつ、感光層を構成する材料に起因する画像故障や自動現像機の目詰まりを抑制し、長期間安定に現像することのできる平版印刷版の画像形成方法を提供する。

赤外線感光性ネガ型平版印刷版原版を画像様に露光した後、珪酸を含有するアルカリ水溶液で自動現像機にて連続的に現像処理する平版印刷版の画像形成方法であって、自動現像機に使用する現像液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が1.0〜2.0の範囲にあり、自動現像機に供給する補充液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2Oのモル比0.5〜1.0の範囲にあることを特徴とする。

目的

本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、自動現像機を用いて平版印刷版を連続的に現像処理するに際して、アルカリ現像処理液の活性度を維持しつつ、感光層を構成する材料の析出物付着による画像故障や自動現像機の目詰まりなどを抑制し、多量の補充液の補充を必要とせず、長期間安定に現像することのできる平版印刷版の画像形成方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

赤外線感光性ネガ型平版印刷版原版画像様露光した後、ケイ酸を含有するアルカリ水溶液自動現像機にて連続的に現像処理する平版印刷版画像形成方法であって、自動現像機に使用する現像液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が1.0〜2.0の範囲にあり、自動現像機に供給する補充液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2Oのモル比0.5〜1.0の範囲にあることを特徴とする自動現像機を用いた平版印刷版の画像形成方法。

技術分野

0001

本発明は、コンピュータ等のデジタル信号に基づき、赤外線レーザー走査により直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷用原版画像形成方法に関する。

背景技術

0002

近年、レーザー発展は目ざましく、特に近赤外から赤外発光領域を持つ固体レーザー半導体レーザーは、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっており、このデジタルデータから直接製版するシステム露光光源として、これらのレーザーは非常に有用である。

0003

このような赤外線レーザにて記録可能なネガ型画像記録材料としては、赤外線吸収剤酸発生剤レゾール樹脂及びノボラック樹脂より成る記録材料がUS5,340,699号に記載されている。このようなネガ型の画像記録材料は、通常、画像様レーザ露光し、露光部を硬化させた後に、アルカリ水溶液現像することで未露光部が除去されて画像が形成される。そして、このような現像工程には、自動現像機が使用されるのが一般的である。

0004

しかしながら、この画像形成材料は、画像形成性を向上されるために赤外線吸収剤を含有するなど、感光層を構成する素材が従来の紫外線露光により画像形成するPS版と称するものとは全く異なっており、これに従来の現像方法を適用することは、画像形成材料の現像特性を加味した最善の方法とは言い難かった。例えば、従来のPS版に使用されているケイ酸カリウムなどを含むアルカリ水溶液を現像液として用いる場合、感光層に含まれる難溶性の赤外線吸収剤を溶解、分散して除去するためには、pH12以上の強アルカリ水溶液を使用しなければならず、このように高pHの現像液は、自動現像機中で空気中の炭酸ガスを吸収し、経時により現像液の活性度が低下するため、大量の現像補充液を補充しなければならず、現像廃液が多量排出される欠点があった。また、経時的に溶出した感光層の材料の現像液中における濃度が高まってくると、凝集析出による固形物現像処理中、或いは現像より後に搬出される平版印刷版の表面に付着し、画像故障の原因になったり、凝集、析出した固形物が自動現像機のパイプフィルターに付着するといった問題もあった。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、自動現像機を用いて平版印刷版を連続的に現像処理するに際して、アルカリ現像処理液の活性度を維持しつつ、感光層を構成する材料の析出物付着による画像故障や自動現像機の目詰まりなどを抑制し、多量の補充液の補充を必要とせず、長期間安定に現像することのできる平版印刷版の画像形成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、ネガ型画像形成材料と現像剤との物性に着目し、鋭意検討の結果、ケイ酸アルカリを含む現像剤の特性を生かしながら、感光層の非画像部への浸透性を向上させるように、供給する現像液と補充液との物性を制御することで上記問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、赤外線感光性ネガ型平版印刷版の画像形成方法は、赤外線感光性ネガ型平版印刷版原版を画像様に露光した後、ケイ酸を含有するアルカリ水溶液で自動現像機にて連続的に現像処理する平版印刷版の画像形成方法であって、自動現像機に使用する現像液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が1.0〜2.0の範囲にあり、自動現像機に供給する補充液であるケイ酸を含有するアルカリ水溶液中のSiO2/M2Oのモル比0.5〜1.0の範囲にあることを特徴とする。

0007

本発明の作用は明確ではないが、補充液のアルカリ水溶液中のSiO2/M2Oのモル比0.5〜1.0の範囲にすることで、現像液としての活性度を下げずに、イオン強度のみを低下させることができる。イオン強度が高いと、現像液中に溶出、分散した感光層の成分の分散性が低下し、所望されない感光層構成成分凝集物、析出物が多くなるが、本発明によれば、現像液の活性を下げることなく、溶出成分の分散安定性を保持することができるため、少量の補充液の添加によっても、高い現像性と現像液における析出物の発生や付着の抑制を両立しうるものと考えられる。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明を詳細に説明する。本発明の画像形成方法は、赤外線吸収剤を含むネガ型の感光層を有するあらゆる平版印刷版の現像に適用することができる。

0009

本発明の画像形成方法においては、まず、平版印刷版原版に赤外線レーザで画像様の露光による画像記録を行う。本発明においては、波長760nmから1200nmの赤外線放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光されることが好ましい。レーザの出力は100mW以上が好ましい。露光時間を短縮するために、マルチビームレーザデバイスを用いることもできる。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましい。記録材料に照射されるエネルギーは10〜300mJ/cm2であることが好ましい。赤外線レーザにより画像様に露光がさなれた後、平版印刷版原版は、自動現像機により連続的な現像処理がなされる。

0010

本発明の画像形成方法において、露光後の平版印刷版原版の現像処理に用いるケイ酸を含有するアルカリ水溶液を主成分とするアルカリ現像処理液について説明する。前記現像処理に用いるアルカリ現像処理液(以下、単に「現像液」ということがある。)は、アルカリ性水溶液であって、従来公知の現像用として用いられるアルカリ水溶液の中から適宜選択することができる。特に、本発明の画像形成方法においては、アルカリ現像液として、ケイ酸を含有するものを用いることを要し、このようなアルカリ現像液としては、特にpH12.5〜13.5のものが好ましい。

0011

前記ケイ酸を含有するアルカリ現像液の成分としては、水に溶解したときにアルカリ性を示すケイ素系化合物(以下、ケイ酸アルカリと称する)が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等のアルカリ金属ケイ酸塩ケイ酸アンモニウム等が挙げられる。ケイ酸アルカリは、1種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。ケイ酸アルカリが現像液の主剤として好適な理由は、ケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に「SiO2/M2O」のモル比で表す)と濃度によって、ある程度現像性の調節が可能とされるためである。

0012

また、本発明に係る現像液には、目的に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ケイ酸アルカリ以外の他のアルカリ剤を併用することができる。併用可能なアルカリ剤としては、例えば、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム第二リン酸アンモニウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸アンモニウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム炭酸水素アンモニウムほう酸ナトリウム、ほう酸カリウム、ほう酸アンモニウム、水酸化ナトリウム水酸化アンモニウム水酸化カリウム水酸化リチウムなどから選ばれる無機アルカリ剤や、モノメチルアミンジメチルアミントリメチルアミンモノエチルアミンジエチルアミントリエチルアミンモノイソプロピルアミンジイソプロピルアミントリイソプロピルアミンn−ブチルアミンモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンモノイソプロパノールアミンジイソプロパノールアミンエチレンイミンエチレンジアミンピリジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせで添加されてもよい。現像液中のケイ酸アルカリの濃度としては、アルカリ水溶液の質量に対して1〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、4〜7質量%が最も好ましい。

0013

本発明の如く、自動現像機を用いて感光性平版印刷版を現像する場合に、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の感光複写材料を処理することができる。本発明においてはこの補充方式が好ましく適用される。即ち、「SiO2/M2O」が1.0〜2.0の範囲にある現像液を用い、さらに、補充液として用いるアルカリ金属ケイ酸塩として「SiO2/M2O」モル比が0.5〜1.0の範囲にあるものを用いる。現像液のさらに好ましい「SiO2/M2O」は1.0〜1.5の範囲であり、さらに好ましくは、1.1〜1.4の範囲である。補充液の「SiO2/M2O」は0.5〜1.0の範囲であることを要し、好ましくは0.6〜0.9の範囲、さらに好ましくは、0.6〜0.8の範囲である。なかでも、現像液および補充液のいずれもが、その中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有していることが好ましい。

0014

本発明に用いるアルカリ現像処理液或いは補充液には、さらに現像性能を高める目的で、以下のような添加剤を加えることができる。例えば、特開昭58−75152号公報に記載の、NaCl、KCl、KBr等の中性塩、特開昭58−190952号公報に記載の、EDTANTA等のキレート剤、特開昭59−121336号公報に記載の、〔Co(NH3)6〕Cl3、CoCl2・6H2O等の錯体、特開昭50−51324号公報に記載の、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、N−テトラデシル−N、N−ジヒドロキシエチルベタイン等のアニオン又は両性界面活性剤、米国特許第4,374,920号明細書に記載の、テトラメチルデシンジオール等の非イオン性界面活性剤、特開昭55−95946号公報に記載の、p−ジメチルアミノメチルポリスチレンメチルクロライド級化物等のカチオニックポリマー

0015

特開昭56−142528号公報に記載の、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドアクリル酸ソーダとの共重合体等の両性高分子電解質、特開昭57−192951号公報に記載の、亜硫酸ソーダ等の還元性無機塩、特開昭58−59444号公報に記載の、塩化リチウム等の無機リチウム化合物、特開昭59−75255号公報に記載の、有機Si、Ti等を含む有機金属界面活性剤、特開昭59−84241号公報に記載の有機ホウ素化合物、EP101010号明細書に記載の、テトラアルキルアンモニウムオキサイド等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。

0016

近年、製版・印刷業界では製版作業合理化及び標準化のため、本発明に用いられるような平版印刷版用の自動現像機が広く用いられている。このような自動現像機の構成としては、一般に現像部と後処理部を有し、平版印刷版を搬送する装置と各処理液槽スプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液スプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、電気伝導度センサーにて感知し、自動的に補充することもできる。

0017

本発明に係る補充液は、現像液の活性度を向上させるのに有用であり、このため、現像液と同程度のSiO2/M2Oモル比の補充液を用いた場合に比較して、補充量を低く押さえても同様の補充効果が得られ、例えば、標準的な補充量に比較して1/4〜1/5程度とすることができる。

0018

以上記述した現像液及び補充液を用いて現像処理された印刷版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液アラビアガム澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。

0019

以上のようにして得られた平版印刷版は、所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、耐刷性向上のための後加熱処理を施すこともできる。後加熱工程に付す前には、整面液による表面処理を行うこともできる。

0020

本発明の方法により、所定の工程を経て画像形成された平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。自動現像機に用いる現像液と補充液に前記本発明に特有の「SiO2/M2O」モル比のものを使用することで、長期間にわたる安定した現像処理が可能となり、また、得られた平版印刷版は、感光層に起因するカスの付着による画像故障や現像不良が抑制され、優れた画質印刷物を提供し得る。

0021

次に、本発明の平版印刷版の画像形成方法が適用される平版印刷用原版について説明する。本発明の方法は赤外線レーザによる書き込み可能なすべてのネガ型平版印刷版原版、即ち、赤外線レーザ照射部が硬化して画像部を形成するネガ型の感光層を有する平版印刷版原版であれば、いずれのものにも適用することができる。このようなネガ型感光層の1つとして、光重合層が挙げられる。光重合層には、(A)赤外線吸収剤と(B)ラジカル発生剤ラジカル重合開始剤)と発生したラジカルにより重合反応を起こして硬化する(C)ラジカル重合性化合物とを含有し、好ましくは(D)バインダーポリマーを含有する。赤外線吸収剤が吸収した赤外線を熱に変換し、この際発生した熱により、オニウム塩等のラジカル重合開始剤が分解し、ラジカルを発生する。ラジカル重合性化合物は、少なくとも一個エチレン性不飽和二重結合を有し、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれ、発生したラジカルにより連鎖的に重合反応が生起し、硬化する。

0022

また、感光層の他の態様としては、酸架橋層が挙げられる。酸架橋層には、(E)光又は熱により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤と称する)と、(F)発生した酸により架橋する化合物(以下、架橋剤と称する)とを含有し、さらに、これらを含有する層を形成するための、酸の存在下で架橋剤と反応しうる(G)アルカリ可溶性ポリマーを含む。この酸架橋層においては、光照射又は加熱により、酸発生剤が分解して発生した酸が、架橋剤の働きを促進し、架橋剤同士あるいは架橋剤とバインダーポリマーとの間で強固な架橋構造が形成され、これにより、アルカリ可溶性が低下して、現像剤に不溶となる。このとき、赤外線レーザのエネルギーを効率よく使用するため、感光層中には(A)赤外線吸収剤が配合される。

0023

ネガ型平版印刷版原版の感光層に用いられる各化合物について以下に述べる。
[(A)赤外線吸収剤]本発明に係る平版印刷版原版の感光層は、赤外線を発するレーザで画像記録可能な構成を有する。このような感光層には、赤外線吸収剤を用いることが好ましい。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、ラジカル発生剤や酸発生剤が分解し、ラジカルや酸を発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料である。

0024

染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、例えば、特開平10−39509号公報の段落番号[0050]〜[0051]に記載のものを挙げることができる。これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素スクワリリウム色素ピリリウム塩ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シアニン色素が好ましく、特に下記一般式(I)で示されるシアニン色素が最も好ましい。

0025

0026

一般式(I)中、X1は、ハロゲン原子、またはX2−L1を示す。ここで、X2は酸素原子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1およびR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基カルボキシル基スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z1-は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基が置換されている場合は、Z1-は必要ない。好ましいZ1-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン過塩素酸イオンテトラフルオロボレートイオンヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。

0027

本発明において、好適に用いることのできる一般式(I)で示されるシアニン色素の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0017]〜[0019]に記載されたものを挙げることができる。

0028

本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。

0029

顔料の種類としては、黒色顔料黄色顔料オレンジ色顔料褐色顔料赤色顔料紫色顔料青色顔料緑色顔料蛍光顔料金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。これらの顔料の詳細は、特開平10−39509号公報の段落番号[0052]〜[0054]に詳細に記載されており、これらを本発明にも適用することができる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。

0030

感光層中における、上述の染料又は顔料の含有量としては、感光層の全固形分重量に対し、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、さらに染料の場合には、0.5〜10重量%が最も好ましく、顔料の場合には、1.0〜10重量%が最も好ましい。前記含有量が、0.01重量%未満であると、感度が低くなることがあり、50重量%を超えると、平版印刷用原版とした場合の非画像部に汚れが発生することがある。

0031

[(B)ラジカルを発生する化合物]本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物としては、オニウム塩が挙げられ、具体的には、ヨードニウム塩ジアゾニウム塩スルホニウム塩である。これらのオニウム塩は酸発生剤としての機能も有するが、後述するラジカル重合性化合物と併用する際には、ラジカル重合開始剤として機能する。本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(III)〜(V)で表されるオニウム塩である。

0032

0033

式(III)中、Ar11とAr12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。

0034

式(IV)中、Ar21は、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21-はZ11-と同義の対イオンを表す。

0035

式(V)中、R31、R32及びR33は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオンを表す。

0036

本発明において、好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものを挙げることができる。

0037

本発明において用いられるオニウム塩は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましく、さらに360nm以下であることが好ましい。このように吸収波長紫外線領域にすることにより、平版印刷版原版の取り扱いを白灯下で実施することができる。

0038

これらのオニウム塩は、感光層塗布液の全固形分に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%の割合で感光層塗布液中に添加することができる。添加量が0.1重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生する。これらのオニウム塩は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、これらのオニウム塩は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。

0039

[(C)ラジカル重合性化合物]本発明に係る感光層に使用されるラジカル重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマープレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸イタコン酸クロトン酸イソクロトン酸マレイン酸など)や、そのエステル類アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能カルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸スチレン等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。

0040

脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物であるアクリル酸エステルメタクリル酸エステルイタコン酸エステルクロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステルの具体例は、特願平11−310623号明細書の段落番号[0037]〜[0042]に記載されており、これらを本発明にも適用することができる。

0041

その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。

0042

また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。

0043

その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロキシレン構造を有すものをあげる事ができる。

0044

また、イソシアネート水酸基付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(VI)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。

0045

一般式(VI)
CH2=C(R41)COOCH2CH(R42)OH
(ただし、R41およびR42は、HまたはCH3を示す。)

0046

また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適である。

0047

さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物類を用いても良い。

0048

これらのラジカル重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合物メタクリル酸エステル系化合物スチレン系化合物等)を組み合わせて用いることで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。これらの観点から、ラジカル重合性化合物の好ましい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは20〜75重量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、ラジカル重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度かぶり性、屈折率変化表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。

0049

[(D)バインダーポリマー]本発明においては、さらにバインダーポリマーを使用する。バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、感光層を形成するための皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体アクリル酸共重合体イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。

0050

特にこれらの中で、ベンジル基またはアリル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタアクリル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。

0051

また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。

0052

さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンエピクロロヒドリンポリエーテル等も有用である。

0053

本発明で使用されるポリマーの重量平均分子量については好ましくは5000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1000以上であり、さらに好ましくは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。

0054

これらのポリマーは、ランダムポリマーブロックポリマーグラフトポリマー等いずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。本発明で使用されるポリマーは従来公知の方法により合成できる。本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤過酸化物開始剤等公知の化合物が使用できる。

0055

本発明で使用されるバインダーポリマーは単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマーは、感光層塗布液の全固形分に対し20〜95重量%、好ましくは30〜90重量%の割合で感光層中に添加される。添加量が20重量%未満の場合は、画像形成した際、画像部の強度が不足する。また添加量が95重量%を越える場合は、画像形成されない。またラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機ポリマーは、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。

0056

次に、酸架橋層の構成成分について説明する。ここで用いられる赤外線吸収剤は、前記光重合層において説明した(A)赤外線吸収剤と同様のものを用いることができる。好ましい含有量は、感光層の全固形分重量に対し、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、さらに染料の場合には、0.5〜10重量%が最も好ましく、顔料の場合には、1.0〜10重量%が最も好ましい。前記含有量が、0.01重量%未満であると、感度が低くなることがあり、50重量%を超えると、平版印刷用原版とした場合の非画像部に汚れが発生することがある。

0057

[(E)酸発生剤]本実施の形態において、熱により分解して酸を発生する酸発生剤は、200〜500nmの波長領域の光を照射する又は100℃以上に加熱することにより、酸を発生する化合物をいう。前記酸発生剤としては、光カチオン重合光開始剤光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いは、マイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤等、熱分解して酸を発生しうる、公知の化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩や本願出願人が先に提出した特願平11−332963号明細書の段落番号〔0101〕〜〔0103〕に列記された化合物などが挙げられる。これらの酸発生剤のうち、下記一般式(I)〜(V)で表される化合物が好ましい。

0058

0059

前記一般式(I)〜(V)中、R1、R2、R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数20以下の炭化水素基を表す。R3は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数10以下の炭化水素基又は炭素数10以下のアルコキシ基を表す。Ar1、Ar2は、同一でも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表す。R6は、置換基を有していてもよい炭素数20以下の2価の炭化水素基を表す。nは、0〜4の整数を表す。前記式中、R1、R2、R4及びR5は、炭素数1〜14の炭化水素基が好ましい。

0060

前記一般式(I)〜(V)で表される酸発生剤の好ましい態様は、本発明者らが先に提案した特願平11−320997号明細書段落番号[0197]〜[0222]に詳細に記載されている。これらの化合物は、例えば、特開平2−100054号、特開平2−100055号に記載の方法により合成することができる。

0061

また、(E)酸発生剤として、ハロゲン化物スルホン酸等を対イオンとするオニウム塩も挙げることができ、中でも、下記一般式(VI)〜(VIII)で表されるヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩のいずれかの構造式を有するものを好適に挙げることができる。

0062

0063

前記一般式(VI)〜(VIII)中、X-は、ハロゲン化物イオン、ClO4-、PF6-、SbF6-、BF4-又はR7SO3-を表し、ここで、R7は、置換基を有していてもよい炭素数20以下の炭化水素基を表す。Ar3、Ar4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表す。R8、R9、R10は、置換基を有していてもよい炭素数18以下の炭化水素基を表す。このようなオニウム塩は、特開平10−39509号公報段落番号[0010]〜[0035]に一般式(I)〜(III)の化合物として記載されている。

0064

酸発生剤の添加量としては、感光層の全固形分重量に対し0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜25重量%がより好ましく、0. 5〜20重量%が最も好ましい。前記添加量が、0.01重量%未満であると、画像が得られないことがあり、50重量%を超えると、平版印刷用原版とした時の印刷時において非画像部に汚れが発生することがある。上述の酸発生剤は単独で使用してもよいし、2種以上を組合わせて使用してもよい。

0065

[(F)架橋剤]次に、架橋剤について説明する。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
(i)ヒドロキシメチル基若しくはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物
(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物
(iii)エポキシ化合物

0066

以下、前記(i)〜(iii)の化合物について詳述する。前記(i)ヒドロキシメチル基若しくはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基若しくはアルコキシメチル基でポリ置換されている芳香族化合物又は複素環化合物が挙げられる。但し、レゾール樹脂として知られるフェノール類アルデヒド類とを塩基性条件下で縮重合させた樹脂状の化合物も含まれる。ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基でポリ置換された芳香族化合物又は複素環化合物のうち、中でも、ヒドロキシ基に隣接する位置にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を有する化合物が好ましい。また、アルコキシメチル基でポリ置換された芳香族化合物又は複素環化合物では、中でも、アルコキシメチル基が炭素数18以下の化合物が好ましく、下記一般式(1)〜(4)で表される化合物がより好ましい。

0067

0068

0069

前記一般式(1)〜(4)中、L1〜L8は、それぞれ独立に、メトキシメチルエトキシメチル等の、炭素数18以下のアルコキシ基で置換されたヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を表す。これらの架橋剤は、架橋効率が高く、耐刷性を向上できる点で好ましい。

0070

(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物としては、欧州特許公開(以下、「EP−A」と示す。)第0,133,216号、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号に記載の、単量体及びオリゴマー−メラミンホルムアルデヒド縮合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第0,212,482号明細書に記載のアルコキシ置換化合物等が挙げられる。なかでも、例えば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が好ましく、N−アルコキシメチル誘導体が最も好ましい。

0071

(iii)エポキシ化合物としては、1以上のエポキシ基を有する、モノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマー状のエポキシ化合物が挙げられ、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられる。その他、米国特許第4,026,705号、英国特許第1,539,192号の各明細書に記載され、使用されているエポキシ樹脂を挙げることができる。

0072

架橋剤として、前記(i)〜(iii)の化合物を用いる場合の添加量としては、感光層の全固形分重量に対し5〜80重量%が好ましく、10〜75重量%がより好ましく、20〜70重量%が最も好ましい。前記添加量が、5重量%未満であると、得られる画像記録材料の感光層の耐久性が低下することがあり、80重量%を超えると、保存時の安定性が低下することがある。

0073

本発明においては、架橋剤として、(iv)下記一般式(5)で表されるフェノール誘導体も好適に使用することができる。

0074

0075

前記一般式(5)中、Ar1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表す。原料の入手性の点で、前記芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環ナフタレン環又はアントラセン環が好ましい。また、その置換基としては、ハロゲン原子、炭素数12以下の炭化水素基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアルキルチオ基シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基等が好ましい。

0076

上記のうち、高感度化が可能である点で、Ar1としては、置換基を有していないベンゼン環、ナフタレン環、或いは、ハロゲン原子、炭素数6以下の炭化水素基、炭素数6以下のアルコキシ基、炭素数6以下のアルキルチオ基又はニトロ基等を置換基として有するベンゼン環又はナフタレン環がより好ましい。

0077

[(G)アルカリ水可溶性高分子化合物]本発明に係る架橋層に使用可能なアルカリ水可溶性高分子化合物としては、ノボラック樹脂や側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー等が挙げられる。前記ノボラック樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂が挙げられる。

0078

中でも、例えば、フェノールホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−又はm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂や、フェノールとパラホルムアルデヒドとを原料とし、触媒を使用せず密閉状態高圧下、反応させて得られるオルソ結合率の高い高分子量ノボラック樹脂等が好ましい。前記ノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜300,000で、数平均分子量が400〜60,000のものの中から、目的に応じて好適なものを選択して用いればよい。

0079

また、前記側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーも好ましく、該ポリマー中のヒドロキシアリール基としては、OH基が1以上結合したアリール基が挙げられる。前記アリール基としては、例えば、フェニル基ナフチル基アントラセニル基フェナントレニル基等が挙げられ、中でも、入手の容易性及び物性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましい。本実施の形態に使用可能な、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーとしては、例えば、下記一般式(IX)〜(XII)で表される構成単位のうちのいずれか1種を含むポリマーを挙げることができる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。

0080

0081

一般式(IX)〜(XII)中、R11は、水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数10以下の炭化水素基、炭素数10以下のアルコキシ基又は炭素数10以下のアリールオキシ基を表す。また、R12とR13が結合、縮環してベンゼン環やシクロヘキサン環を形成していてもよい。R14は、単結合又は炭素数20以下の2価の炭化水素基を表す。R15は、単結合又は炭素数20以下の2価の炭化水素基を表す。R16は、単結合又は炭素数10以下の2価の炭化水素基を表す。X1は、単結合、エーテル結合チオエーテル結合エステル結合又はアミド結合を表す。pは、1〜4の整数を表す。q及びrは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。

0082

これらのアルカリ可溶性高分子としては、本発明者らが先に提案した特願平11−320997号明細書段落番号[0130]〜[0163]に詳細に記載されている。本実施の形態に使用可能なアルカリ水可溶性高分子化合物は、1種類のみで使用してもよいし、2種類以上を組合わせて使用してもよい。アルカリ水可溶性高分子化合物の添加量としては、感光層の全固形分に対し5〜95重量%が好ましく、10〜95重量%がより好ましく、20〜90重量%が最も好ましい。アルカリ水可溶性樹脂の添加量が、5重量%未満であると、感光層の耐久性が劣化することがあり、95重量%を超えると、画像形成されないことがある。

0083

また、本発明の方法が適用できる公知の記録材料としては、特開平8−276558号公報に記載のフェノール誘導体を含有するネガ型画像記録材料、特開平7−306528号公報に記載のジアゾニウム化合物を含有するネガ型記録材料、特開平10−203037号公報に記載されている環内に不飽和結合を有する複素環基を有するポリマーを用いた、酸触媒による架橋反応を利用したネガ型画像形成材料などが挙げられ、これらに記載の感光層を本発明に係るネガ型感光層としての酸架橋層に適用することができる。

0084

[その他の成分]本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。また、フタロシアニン系顔料アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができる。また、感光層は光重合層である場合、塗布液の調製中あるいは保存中においてラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。

0085

本発明における感光層塗布液中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号や特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。

0086

本発明の画像形成方法が適用できる平版印刷版原版を製造するには、通常、感光層塗布液に必要な上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライドシクロヘキサノンメチルエチルケトンメタノールエタノールプロパノールエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテートジメトキシエタン乳酸メチル乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドンジメチルスルホキシドスルホラン、γ−ブチルラクトントルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。

0087

また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷版原版についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布スプレー塗布カーテン塗布ディップ塗布エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす感光層の皮膜特性は低下する。

0088

[支持体]本発明の方法を適用し得る平版印刷版原版において前記感光層を塗布可能な支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレンポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース三酢酸セルロースプロピオン酸セルロース酪酸セルロース酢酸酪酸セルロース硝酸セルロースポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられる。用いられるアルミニウム板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度である。

0089

アルミニウム板は表面に粗面化処理等の表面処理を行い、感光層を塗布して平版印刷版原版とすることが出来る。アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。次に、アルミニウム板の表面は粗面化処理されるが、その方法としては、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などと称せられる公知の方法を用いることが出来る。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することが出来る。

0090

このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形成するものならばいかなるものでも使用することができ、一般には硫酸リン酸蓚酸クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。

0091

陽極酸化処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲にあれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2の範囲である。陽極酸化皮膜が1.0g/m2未満であると耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。なお、このような陽極酸化処理は平板印刷版の支持体の印刷に用いる面に施されるが、電気力線の裏回りにより、裏面にも0.01〜3g/m2の陽極酸化皮膜が形成されるのが一般的である。

0092

陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。親水化処理としては、米国特許第 2,714,066号、第 3,181,461号、第 3,280,734号および第 3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法に於いては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液中で浸漬処理されるかまたは電解処理される。他に、特公昭36−22063号公報に開示されている弗化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第 3,276,868号、第 4,153,461号および第 4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。

0093

〔有機下塗層〕アルミニウム板は、感光層を塗設する前に必要に応じて有機下塗層もしくは中間層が設けられる。この有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロースデキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸グリシンβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。

0094

前記下塗層塗布溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2より少ないと汚れ防止等の本来の目的に十分な効果が得られない。また、200mg/m2より大きいと耐刷が低下する。

0095

なお,支持体と感光層との密着性を高めるための中間層を設けてもよい。密着性の向上のためには、一般に中間層は、ジアゾ樹脂や、例えばアルミニウムに吸着するリン酸化合物等からなっている。中間層の厚さは任意であり、露光した時に、上層の感光層と均一な結合形成反応を行い得る厚みでなければならない。通常、乾燥固体で約1〜100mg/m2の塗布割合がよく、5〜40mg/m2が特に良好である。中間層中におけるジアゾ樹脂の使用割合は、30〜100重量%、好ましくは60〜100重量%である。

0096

バックコート層〕本発明の現像液および補充液はアルカリ強度が比較的高いので、裏面からの酸化アルミニウムの溶出を抑えるためにバックコート層を有することが好ましい。このようなバックコート層としては、例えば特開平5−45885号、特願平4−57902号および特願平4−189448号に詳しく記載されているものを用いることができる。

0097

以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、下記実施例におけるパーセントは、他に指定のない限り、すべて重量%である。
[支持体の作成]厚さ0.03mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその表面を砂目立てした後、水洗した。10%水酸化ナトリウムに60℃で40秒間浸せきしてエッチングした後、流水で水洗後20%硝酸中和洗浄、水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2の陽極電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.6μm(Ra表示)であった。引き続いて30%の硝酸水溶液中に浸せきし55℃で1分間デスマットした後、20%硝酸水溶液中で、電流密度2A/dm2のおいて厚さが2.7g/m2になるように陽極酸化し、基板(I)を調製した。

0098

親水層の形成]このように処理された基板(I)の表面に下記組成親水層塗布液を塗布し、80℃、30秒間乾燥した。乾燥後の皮膜量は20mg/m2であった。

0099

−親水層塗布液組成−
βアラニン0.10g
・メタノール100g

0100

[感光層の形成]
−架橋剤[KZ−9]の合成−
1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]—4—[α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンを、水酸化カリウム水溶液中で、ホルマリンと反応させた。反応溶液を硫酸で酸性とし晶析させ、さらにメタノールから再結晶することにより、下記構造の架橋剤[KZ−9]を得た。逆相HPLCにより純度を測定したところ、92%であった。

0101

0102

−バインダーポリマー[BP−1]の入手−
丸善石油化学(株)製のポリ(p−ヒドロキシスチレン)、マルリンカーM S−4P(商品名)を入手し、[BP−1]とした。

0103

次に、下記感光層塗布液[P]を調製し、この溶液を、上記の親水層を形成したアルミニウム支持体である基板(I)上に塗布し、100℃で1分間乾燥して感光層を形成し、ネガ型平版印刷版原版を得た。乾燥後の被覆量は1.5g/m2であった。塗布液[P]に用いた酸発生剤[SH−1]および赤外線吸収剤[IK−1]の構造を以下に示す。

0104

感光層塗布液[P]
・酸発生剤[SH−1] 0.3 g
・架橋剤[KZ−9] 0.5 g
・バインダーポリマー[BP−1] 1.5 g
・赤外線吸収剤[IK−1] 0.07g
AIZEN SPILONBLUE C−RH 0.035g
(保土ヶ谷化学(株)製)
フッ素系界面活性剤0.01g
メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
無水フタル酸0.05g
・メチルエチルケトン12 g
メチルアルコール10 g
・1−メトキシ−2−プロパノール4 g
・3−メトキシ−1−プロパノール4 g

0105

0106

得られたネガ型平版印刷用版材を、波長820〜850nm程度の赤外線を発する半導体レーザで走査露光した。露光後、パネルヒーターにて、110℃で30秒間加熱処理した版を用いて、以下の条件で現像処理を行なった。

0107

(実施例1)
−現像液組成−
・ケイ酸カリウム(SiO2/M2O=2.0モルの50%水溶液) 35部
・水酸化カリウム7部
イオン交換水58部

0108

−現像補充液組成−
・ケイ酸カリウム(SiO2/M2O=2.0モルの50%水溶液) 22部
・水酸化カリウム10部
・イオン交換水68部

0109

以上のようにして得られた現像液、及び現像補充液をPS版用自動現像機LP−940H(富士写真フイルム(株)製)の現像タンクに現像液を水で9倍に希釈して入れ、補充液タンクに補充液を入れた。補充液と水の希釈比は1:3に設定し、現像液温度は30℃に設定した。

0110

画像形成材料による処理補充は次の通りにした。
(1)処理補充に対する補充 15ml/m2

(2)経時疲労に対する補充
(2−1)自動現像機の稼働時間100ml/時
(2−2)自動現像機の休止時間 50ml/時

0111

上記条件で上記平版印刷版原版を一日にあたり80m2の現像処理を1ヶ月間続けたが、現像処理後に得られた平版印刷版の版面には付着物等は認められず、現像不良もなく、印刷を問題なく行うことができ、良好な印刷物が得られた。また、処理に用いた自動現像機内部を観察した結果、現像液浴には沈殿は見られず、またスプレーパイプ詰まりも認められなかった。

0112

(比較例1)実施例1の操作において補充液タンクに補充液に代えて、実施例1で用いたに現像液を入れ、実施例1と同様の現像処理を行ったところ、1週間目に処理した版面にカスが付着し、印刷においても点状の汚れ及び画像部へのインキ着肉不良が発生した。自動現像機内部を観察した結果、現像液浴にヘドロ状のカスが見られた。カスを分析したところ、SiO2と感光層に含まれる、バインダー成分、赤外線吸収染料が検出された。また、処理に用いた自動現像機内部を観察した結果、スプレーパイプの目詰まりが発生しているのがわかった。

0113

(比較例2)比較例1と同様に補充液タンクに補充液の替わりに現像液を入れ、補充液と希釈水の比率を1:7にして同様に処理したところ、10日目で処理した版にはカスが付着し、印刷においても点状の汚れ及び画像部へのインキ着肉不良が発生した。自動現像機内部を観察した結果、カスの沈殿が見られた。またスプレーパイプが目詰まりしていた。

0114

(比較例3)比較例2と同様に補充液タンクに補充液の替わりに現像液を入れ、補充液と希釈水の比率を1:7にして、さらに処理補充量を200ml/m2、経時補充稼動時間補充を300ml/時、休止時間補充を150ml/時にして処理したところ、20日目に処理した版にはカスが付着し、印刷においても点状の汚れ及び画像部へのインキ着肉不良が発生した。自動現像機内部を観察した結果、一部カスが見られた。またスプレーパイプが一部目詰まりしていた。

0115

このように、本発明の画像形成方法によれば、補充液のケイ酸塩のモル比を低くすることで、感光性平版印刷版を長期間処理しても現像処理浴に沈殿やスプレーパイプの詰まりが発生せず、長期にわたっての安定的な処理が可能になることがわかった。また、アルカリ活性度の高い補充液を少量補充する為、現像廃液量も抑えることができた。一方、現像液と同じSiO2/M2Oモル比の補充液を用いた比較例1では、早い時点で、カスによる画像故障が発生し、希釈率を変えて活性度を向上した比較例2、補充量を多くして活性度の低下を抑えた比較例3のいずれも、ある程度の改善はみられたものの、実用上十分な、カスの付着抑制や、長期間安定した現像処理が行なえないことがわかった。

0116

(実施例2)[下塗り層の形成]実施例1で作成した基板(I)の表面に下記組成の下塗り層塗布液を塗布し、90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の皮膜量は10mg/m2であった。

0117

−親水層塗布液組成−
・βアラニン0.05g
・メタノール100g

0118

[感光層の形成]次に、下記感光層塗布液[Q]を調整し、上記の基板(I)の表面に下塗り層を形成したアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥してネガ型平版印刷版原版[Q−1]を得た。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。

0119

感光層塗布液[Q]
・赤外線吸収剤[IR−6] 0.08g
・オニウム塩[OI−6] 0.30g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.00g
アリルメタクリレートとメタクリル酸の
モル比80:20の共重合体
(重量平均分子量12万) 1.00g
ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩0.04g
・フッ素系界面活性剤0.01g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン9.0g
・メタノール10.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール4.0g
・3−メトキシ−1−プロパノール4.0g

0120

0121

[露光]得られたネガ型平版印刷版原版[Q−1]を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したCreo社製Trendsetter3244VFSにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露光した。

0122

[現像処理]露光後、富士写真フイルム(株)製自動現像機スタブロン900Nを用い現像処理した。現像液は、仕込み液、補充液ともに下記処方の現像液[2](25℃におけるpH12.8)を用いた。現像浴の温度は30℃とした。また、フィニッシャーは、富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液を用いた。なお、以下に示す現像液のpHはいずれも25℃で測定した結果を示す。
−現像液[2]組成−
・ケイ酸カリウム(SiO2/M2O=2.0モルの50%水溶液) 10部
・水酸化カリウム2部
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム5部
・p−t−ブチル安息香酸0.5部
・イオン交換水79.9部

0123

−現像補充液[2]組成−
・ケイ酸カリウム(SiO2/M2O=2.0モルの50%水溶液) 10部
・水酸化カリウム4.6部
・アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム5部
・p−t−ブチル安息香酸0.5部
・イオン交換水68部

0124

以上のようにして得られた現像液、及び現像補充液をスタブロン900N(富士写真フイルム(株)製)の現像タンクに現像液を水で4倍に希釈して入れ、補充液タンクに補充液を入れた。補充液と水の希釈比は1:3に設定し、現像液温度は30℃に設定した。

0125

画像形成材料による処理補充は次の通りにした。
処理補充に対する補充 15ml/m2

0126

上記条件で上記平版印刷版原版を一日にあたり80m2の現像処理を1ヶ月間続けたが、現像処理後に得られた平版印刷版の版面には付着物等は認められず、現像不良もなく、印刷を問題なく行うことができ、良好な印刷物が得られた。また、処理に用いた自動現像機内部を観察した結果、現像液浴には沈殿は見られず、またスプレーパイプの詰まりも認められなかった。

発明の効果

0127

本発明の平版印刷版の画像形成方法によれば、自動現像機を用いて平版印刷版を連続的に現像処理するに際して、アルカリ現像処理液の活性度を維持しつつ、感光層を構成する材料による画像故障や自動現像機の目詰まりなどを抑制し、多量の補充液の補充を必要とせず、長期間安定に現像することができるという効果を奏する。

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