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技術 多軸疲労試験方法及びその装置

出願人 株式会社東芝
発明者 板谷雅雄金澤寧田口耕世淺野政之
出願日 2000年12月27日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2000-396851
公開日 2002年7月10日 (17年1ヶ月経過) 公開番号 2002-195924
状態 未査定
技術分野 サンプリング、試料調製 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード 同心円板 楕円板形 取り付けガイド 部支持機構 ひずみ場 非接触式変位計 レプリカフィルム 半径方向応力
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

複雑な構造と高度な制御を必要とすることなく、均一な多軸ひずみ状態下での疲労試験を行うことができるようにする。

解決手段

円板試験片1の一面に、この試験片1と同心円状支点2を配置し、試験片1の他面に、支点2と異なった同心円状力点3を配置する。そして、力点3に繰り返し負荷を付与して疲労試験を行う。

概要

背景

これまでにも、多軸疲労時、特に二軸応力あるいは二軸ひずみ条件下の疲労試験方法はいくつか提案されている。丸棒試験片を用いて軸力引張圧縮軸ねじりを組み合せる方法は最も一般的であるが、主ひずみ比ε1/ε2が0または負の範囲でしか試験を実施できないという欠点がある。ここで、ε1,ε2はそれぞれ、最大主ひずみおよび最小主ひずみである。

また、内圧を受ける円筒体の軸力引張圧縮による疲労試験方法が知られている。しかしながら、この試験方法座屈を生じやすいため、実際にはほとんど使用されていないのが現状である。

さらに、円板試験片の両面に圧力を加え、中央に等二軸ひずみ状態を作り出す試験方法が知られている。この試験方法は、圧力媒体に油を使用するため、試験結果への圧力媒体による環境の影響が懸念される。そのうえ、密閉構造となるため、き裂の発生や進展などの観察ができないことや、ひずみが試験片中央に集中し、均一なひずみ状態を作り出せないという欠点がある。

また、簡便に試験片全体に均一な二軸ひずみ状態を作り出す菱形平板くらげ曲げ疲労試験方法が知られているが、この試験方法は優れた試験方法であるが、軸引張圧縮とねじりを組み合せる方法と同様、主ひずみ比が負の領域しか作り出せない欠点がある。

最近、十字形状試験片を用いる試験方法が試みられているが、試験片、装置とともに構造が複雑となり、高精度な製作据付調整が必要である。また、この試験方法は試験片中心の位置を一定に保つため、4つのアクチュエータを必要とし、試験装置の高精度な制御が要求されるため、必然的に非常に高価な試験装置となるという欠点がある。

概要

複雑な構造と高度な制御を必要とすることなく、均一な多軸ひずみ状態下での疲労試験を行うことができるようにする。

円板状試験片1の一面に、この試験片1と同心円状支点2を配置し、試験片1の他面に、支点2と異なった同心円状力点3を配置する。そして、力点3に繰り返し負荷を付与して疲労試験を行う。

目的

しかしながら、前述したように、これまでにも多軸ひずみ条件下の疲労試験方法はいくつか提案されているが、前述した欠点があるため、より広く採用されるまでには至っていないのが課題である。

本発明は上記課題を解決するためになされたもので、複雑な構造と高度な制御を必要とすることなく、均一な二軸ひずみ場を形成し、簡便な装置構成により均一な多軸ひずみ状態下での疲労試験を行うことができる多軸疲労試験及びその装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

試験片の一面に、この試験片と同心円状の支点を配置し、前記試験片の他面に前記支点と異なった大きさの直径を有する同心円状力点を配置し、前記力点に繰り返し負荷を付与して疲労試験することを特徴とする多軸疲労試験方法

請求項2

前記支点および力点を配置した前記試験片を高温または腐食環境中で疲労試験することを特徴とする請求項1記載の多軸疲労試験方法。

請求項3

試験片を載置し下部力点を備えた試験片載置台と、この試験片載置を支持する支柱と、この支柱の端部に設けられたスペーサと、このスペーサ上面に取り付けられたアームと、このアームの下面に取り付けられ前記試験片の上面に接し、かつ前記下部力点と対向する位置に上部力点を備えた力点押え具と、前記試験片載置台と前記スペーサとの間に設けられ前記試験片の上面に接する下部支点を備えた支点押え具と、この支点押え具と対向し前記下部支点と対向する位置に上部支点を備えかつ前記アームを挿通する窓を有する円筒体とを具備したことを特徴とする多軸疲労試験装置

請求項4

前記スペーサ、支柱または円筒体の少なくとも一部に前記試験片観察用覗き窓を設けてなることを特徴とする請求項3記載の多軸疲労試験装置。

請求項5

前記覗き窓にCCDカメラまたはファイバースコープを挿入して観察した前記試験片の表面画像を記載する画像記録装置を設けてなることを特徴とする請求項4記載の多軸疲労試験装置。

請求項6

前記試験片載置台または前記円筒体に押し当て式変位計測装置を取り付けてなることを特徴とする請求項3記載の多軸疲労試験装置。

請求項7

前記試験片載置台または前記円筒体に非接触式変位計を取り付けてなることを特徴とする請求項3記載の多軸疲労試験装置。

請求項8

前記試験片載置台または前記円筒体の対向面に溝を設け、この溝に金属またはセラミックスからなるリングまたはベアリングを嵌合してなることを特徴とする請求項3記載の多軸疲労試験装置。

請求項9

前記支点押え具に前記試験片の中心を前記支点および力点の中心に一致させるための試験片取り付けガイドを設けてなることを特徴とする請求項3記載の多軸疲労試験装置。

技術分野

0001

本発明は構造物材料の多軸応力または多軸ひずみ条件下の疲労強度特性解明するための試験を行う多軸疲労試験方法及びその装置に関する。

背景技術

0002

これまでにも、多軸疲労時、特に二軸応力あるいは二軸ひずみ条件下の疲労試験方法はいくつか提案されている。丸棒試験片を用いて軸力引張圧縮軸ねじりを組み合せる方法は最も一般的であるが、主ひずみ比ε1/ε2が0または負の範囲でしか試験を実施できないという欠点がある。ここで、ε1,ε2はそれぞれ、最大主ひずみおよび最小主ひずみである。

0003

また、内圧を受ける円筒体の軸力引張圧縮による疲労試験方法が知られている。しかしながら、この試験方法座屈を生じやすいため、実際にはほとんど使用されていないのが現状である。

0004

さらに、円板試験片の両面に圧力を加え、中央に等二軸ひずみ状態を作り出す試験方法が知られている。この試験方法は、圧力媒体に油を使用するため、試験結果への圧力媒体による環境の影響が懸念される。そのうえ、密閉構造となるため、き裂の発生や進展などの観察ができないことや、ひずみが試験片中央に集中し、均一なひずみ状態を作り出せないという欠点がある。

0005

また、簡便に試験片全体に均一な二軸ひずみ状態を作り出す菱形平板くらげ曲げ疲労試験方法が知られているが、この試験方法は優れた試験方法であるが、軸引張圧縮とねじりを組み合せる方法と同様、主ひずみ比が負の領域しか作り出せない欠点がある。

0006

最近、十字形状試験片を用いる試験方法が試みられているが、試験片、装置とともに構造が複雑となり、高精度な製作据付調整が必要である。また、この試験方法は試験片中心の位置を一定に保つため、4つのアクチュエータを必要とし、試験装置の高精度な制御が要求されるため、必然的に非常に高価な試験装置となるという欠点がある。

発明が解決しようとする課題

0007

原子力構造物をはじめとする大型構造物が実際の運転中に受ける負荷状態は、変形の拘束や応力集中などにより多軸応力または多軸ひずみ状態にある。したがって、これらの構造物の疲労強度特性を解明し、構造健全性評価の精度を向上させるには多軸条件下での疲労試験の実施が重要となる。

0008

しかしながら、前述したように、これまでにも多軸ひずみ条件下の疲労試験方法はいくつか提案されているが、前述した欠点があるため、より広く採用されるまでには至っていないのが課題である。

0009

本発明は上記課題を解決するためになされたもので、複雑な構造と高度な制御を必要とすることなく、均一な二軸ひずみ場を形成し、簡便な装置構成により均一な多軸ひずみ状態下での疲労試験を行うことができる多軸疲労試験及びその装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

請求項1に係る発明は、試験片の一面に、この試験片と同心円状の支点を配置し、前記試験片の他面に前記支点と異なった大きさの直径を有する同心円状力点を配置し、前記力点に繰り返し負荷を付与して疲労試験することを特徴とする。

0011

この発明によれば、試験片の力点から内側の領域全体にわたり均一な二軸ひずみ状態を作り出すことができ、力点を繰り返し押し付けることにより、簡単に二軸疲労試験が可能となる。

0012

また、試験片の力点から内側の領域全体にわたり均一な二軸ひずみ状態を作り出すことができ、力点を上から押せば、試験片上面は引張、試験片下面は圧縮の二軸ひずみ状態となり、力点を下から押せば、試験片上面は圧縮、試験片下面は引張の二軸ひずみ状態となるため、力点に繰り返し荷重を加えることにより、引張から圧縮までの繰り返し二軸疲労試験が可能となる。

0013

さらに、試験片を楕円板状に形成すると試験片の上下から押し付け荷重を加えることにより、楕円長軸方向のひずみの大きさと単軸方向のひずみの大きさが異なる二軸ひずみ状態を作り出すことができる。すなわち、試験片が円板の場合は、最大主ひずみと、これに直交する最小主ひずみの大きさの比であるひずみ比が1の場合に限られるが、試験片を楕円板として押し付け荷重を繰り返し負荷することで、ひずみ比が1以外の二軸ひずみ状態での疲労試験が可能となる。

0014

請求項2に係る発明は、前記支点および力点を配置した前記試験片を高温または腐食環境中で疲労試験することを特徴とする。この発明によれば、試験片および治具全体を加熱炉または腐食槽あるいはオートクレーブ内に納めて高温または腐食環境中で試験を行うことにより多軸疲労特性データを取得することができる。

0015

請求項3に係る発明は、試験片を載置し下部力点を備えた試験片載置台と、この試験片載置を支持する支柱と、この支柱の端部に設けられたスペーサと、このスペーサ上面に取り付けられたアームと、このアームの下面に取り付けられ前記試験片の上面に接し、かつ前記下部力点と対向する位置に上部力点を備えた力点押え具と、前記試験片載置台と前記スペーサとの間に設けられ前記試験片の上面に接する下部支点を備えた支点押え具と、この支点押え具と対向し前記下部支点と対向する位置に上部支点を備えかつ前記アームを挿通する窓を有する円筒体とを具備したことを特徴とする。

0016

この発明によれば、請求項1に係る発明の多軸疲労試験方法を実施することができる。具体的には円板または楕円板形状の試験片を上下から支点と力点で挟み込んで、繰り返し荷重を負荷することができる。

0017

請求項4に係る発明は、前記スペーサ、支柱または円筒体の少なくとも一部に前記試験片観察用覗き窓を設けてなることを特徴とする。この発明によれば、支柱または円筒体の外側から試験片表面を観察できる覗き窓を設けることにより、多軸疲労試験を中断して装置を分解することなく、試験中そのままの状態で試験片表面での疲労き裂の発生を検知したり、き裂の進展を観察することができる。

0018

また、覗き窓にCCDカメラまたはファイバースコープを挿入し、試験片の表面を至近距離から観察することにより、多軸疲労試験中にき裂の発生を、目視にくらべてより早い段階で鮮明な画像として捉えることができる。

0019

請求項5に係る発明は、前記覗き窓にCCDカメラまたはファイバースコープを挿入して観察した前記試験片の表面画像を記載する画像記録装置を設けてなることを特徴とする。

0020

この発明によれば、CCDカメラまたはファイバースコープにより観察した試験片表面の画像を画像記録装置により連続的に記録する。これにより、無人で多軸疲労試験を実施した場合においても、試験後にき裂の発生時期を知ることができる。

0021

また、覗き窓からレプリカフィルムを挿入して、試験片表面の状態をレプリカフィルムに転写した後、レプリカフィルムを顕微鏡で観察することにより、多軸疲労試験中にき裂の発生を、目視にくらべてより早い段階で鮮明な画像として捉えることができる。

0022

請求項6に係る発明は、前記試験片載置台または前記円筒体に押し当て式変位計測装置を取り付けてなることを特徴とする。この発明によれば、多軸疲労試験中に支点と力点との相対変位を押し当て式変位計測装置で計測することにより、支点と力点との相対変位から試験片に発生しているひずみの大きさを知ることができる。

0023

また、多軸疲労試験中に支点または力点と試験片中央の相対変位を押し当て式変位計測装置で計測することにより、支点または力点と試験片中央の相対変位から試験片に発生しているひずみの大きさを知ることができる。

0024

請求項7に係る発明は、前記試験片載置台または前記円筒体に非接触式変位計を取り付けてなることを特徴とする。この発明によれば、支点または力点のいずれか一方に非接触式変位計を取り付け、試験中に他方との相対変位を計測することにより、試験片に変位計の押し付け荷重を加える等の余分な影響を及ぼすことなく、試験片に発生しているひずみの大きさを測定することができる。

0025

また、試験片の支点と力点との相対変位、すなわち、たわみを介して試験片に発生するひずみを制御することが可能となり、ひずみ制御方式の疲労試験の実施を行うことができる。さらに、試験片中央と支点または力点との相対変位を介して試験片に発生するひずみを制御することが可能となり、ひずみ制御方式の疲労試験の実施が可能となるとともに、試験片の力点に加える荷重を介して試験片に発生する応力を制御することが可能となり、応力制御方式の疲労試験を行うことができる。

0026

請求項8に係る発明は、前記試験片載置台または前記円筒体の対向面に溝を設け、この溝に金属またはセラミックスからなるリングまたはベアリングを嵌合してなることを特徴とする。

0027

この発明によれば、請求項2の発明に記載した多軸疲労試験装置の支柱と支点の組合せおよび支点押え具と支点組合せおよび円筒と力点の組合せおよび力点押え具と力点の組合せの各々の組を一体とせず、支点および力点に金属またはセラミックスのリングを用いる。これにより、支点および力点の耐摩耗性を向上するとともに、これらの部品製作費用を安価にでき、支点および力点にリングよりもさらに入手の容易なベアリングを用いることで、試験にかかる費用をより安価にできる。

0028

また、支点および力点として使用されるリングまたはベアリングの耐摩耗性を向上するとともに、支点および力点における摩擦力を低減して力点に加わる荷重を極力多く試験片に伝えることができる。

0029

請求項9に係る発明は、前記支点押え具に前記試験片の中心を前記支点および力点の中心に一致させるための試験片取り付けガイドを設けてなることを特徴とする。

0030

この発明によれば、ガイドを設けることにより、試験片を試験片載置台の中央に正しく位置決めすることが容易にできる。また、試験片に切欠きを設けることにより、多軸疲労特性に及ぼす応力集中の影響を調べることができる。

発明を実施するための最良の形態

0031

図1(a),(b)および図2(a),(b)により本発明に係る多軸疲労試験方法の第1の実施の形態を説明する。図1(a),(b)は本実施の形態の原理を説明するための図で、図1(a)は縦断面図、図1(b)は図1(a)の上面図である。図1(a),(b)において、符号1は円板状試験片(以下、単に試験片1と記す)で、試験片1の下面にリング状支点2を設け、試験片1の上面にリング状支点2より直径の小さいリング状力点3を同心円板状に設けている。支点2は試験片1を支持し、力点3は作用点である。力点3に繰り返し負荷、つまり荷重を加える。

0032

図2(a),(b)はこのとき、試験片1の引張側表面、圧縮側表面および中立面に発生する応力を有限要素法により計算した例で、試験片1内の半径方向の分布を示している。試験片1の板圧は3mm,直径は66mm,支点2および力点3の直径はそれぞれ60mmと30mmとし、約9.8kNすなわち、1000kgfの荷重を加えた場合についての計算例である。試験片材料の応力−ひずみ関係には炭素鋼標準的なものを使用した。

0033

図2(a)は試験片1内の半径方向応力の分布図で、図2(b)は試験片1内の周方向応力の分布図である。図2(a),(b)から明らかなように力点3の内側の領域に均一な二軸応力状態が得られることが認められる。

0034

本実施の形態によれば、試験片1の力点3から内側の領域全体にわたり、均一な二軸ひずみ状態を作り出すことができる。また、力点3を繰り返し押し付けることにより、簡単に二軸疲労試験を行うことができる。

0035

つぎに図3(a),(b)により本発明に係る多軸疲労試験方法の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は試験片1の両側に支点2と力点3を挟み込むように設けて多軸疲労試験を行うことにある。すなわち、円板状試験片1はその周端部と同心円状に設けられた支点2により両面から支持されており、さらにこれらの支点2と同心円状に設けられた力点3により荷重が加えられる。力点3も試験片1を両側から挟み込んでおり、試験片1の上面を引張応力状態にすることもできるし、圧縮応力にすることもでき、いわゆる両振負荷を加えることができる。

0036

本実施の形態によれば、試験片1の力点3から内側の領域全体にわたり、均一な二軸ひずみ状態を作り出すことができ、力点3を上から押せば、試験片1の上面は引張り、試験片1の下面は圧縮の二軸ひずみ状態となる。力点3を下から押せば、試験片1の上面は圧縮、試験片1の下面は引張りの二軸ひずみ状態となるため、力点3に繰り返し荷重を加えることにより、引張りから圧縮までの繰り返し二軸疲労試験を行うことができる。

0037

つぎに図4(a),(b)により本発明に係る多軸疲労試験方法の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は第2の実施の形態における試験片1の代りに楕円板状試験片4に置き換えたことにある。支点2および力点3の位置は楕円板状試験片4の周囲と相似である。

0038

すなわち、楕円板状試験片4の周囲の形状を
(x/a)2+(y/b)2=1 とすると、
支点2の位置は
(x/ka)2+(y/kb)2=1
力点3の位置は
(x/ha)2+(y/hb)2=1
で表される。ここで、aは楕円板状試験片4の長軸半径、bは試験片4の短軸半径、kおよびhは比例定数である。

0039

本実施の形態によれば、試験片を楕円板状とすることで、楕円板状試験片4に上下から押し付け荷重を加えることにより、楕円の長軸方向のひずみの大きさと、短軸方向のひずみの大きさが異なる二軸ひずみ状態を作り出すことができる。

0040

すなわち、試験片が円板の場合は、最大ひずみと、これに直交する最小主ひずみの大きさの比であるひずみ比が1の場合に限られるが、試験片を楕円板として押し付け荷重を繰り返し負荷することで、ひずみ比が1以外の二軸ひずみ状態での疲労試験を行うことができる。

0041

本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様に、楕円板状試験片4の上下から押し付け荷重を加えることにより、楕円の長軸方向のひずみの大きさと単軸方向のひずみの大きさが異なる二軸ひずみ状態を作り出すことができる。

0042

すなわち、試験片が円板の場合は、最大主ひずみと、これに直交する主ひずみの大きさの比であるひずみ比が1の場合に限られるが、試験片を楕円板として押し付け荷重を繰り返し負荷することで、ひずみ比が1以外の二軸ひずみ状態での疲労試験を行うことができる。

0043

つぎに図5図6および図7(a),(b)により本発明に係る多軸疲労試験装置の第1の実施の形態を説明する。図5は本実施の形態に係る装置全体を概略的に立面図で示しており、図6図5におけるA部の拡大断面図、図7(a)は図6のA−A矢視方向からみた上面図、図7(b)は図6のB−B矢視方向からみた下面図である。

0044

図5中符号5は内部に加振機6を取り付けた加振取付架台で、この架台5にはフレーム7が取り付けられ、フレーム7に上部支持機構8が取り付けられている。上部支持機構8に荷重計9が取付部材10を介して取り付けられている。

0045

荷重計9と加振機6との間に図中A部で示す多軸疲労試験装置11が設けられている。この多軸疲労試験装置11について図6および図7(a),(b)により詳しく説明する。

0046

図6中、符号12は支柱で、この支柱12の下部は図5に示した加振機6に取り付けられる。支柱12の中央部には試験片1を載置する試験片載置台13が設けられている。試験片載置台13の上端部には試験片1の下面から力を加えるリング状力点3が設けられている。

0047

上方から吊下する円筒体15の下端部には環状支点2が設けられている。そして、この円筒体15の下端部には試験片載置台13の外側を包囲して前記環状支点に対向する位置に支点2を有する環状支点押え具14が短ねじ16によりねじ止めされて設けられている。

0048

さらに、円筒体15にはアーム17を挿通させる窓18が設けられており、アーム17の下面には力点押え具19が取り付けられている。力点押え具19は試験片1の上面を押え付ける環状力点3が設けられており、この力点3は前記試験片載置台13に設けた力点3と対向した位置に設けられている。

0049

アーム17は図7(a),(b)に示すようにスペーサ20を介して支柱12に長ねじ21により締め付けられて固定されている。スペーサ20は支柱12の外径と同様の寸法を有する環状体であり、長ねじ21を挿通するための貫通孔(図示せず)が設けられている。

0050

このように、試験片1は支点押え具14によって円筒体15の先端に設けられた支点2に支持され、さらに支点2の内側にあって、支柱12の先端に設けた試験片載置台13の力点3に押え具19によって挟み込まれている。力点押え具19は円筒体15の窓18を貫通して支柱12にスペーサ20を介して結合されたアーム17により力点3に押し付けられている。

0051

なお、力点押え具19はアーム17により試験片1に押え付けられるが、アーム17と力点押え具19は常に押え付けられているため、特に固定の必要はないが、接着剤、はめ合(インロー)、ねじ止め等により固定を補強することもできる。

0052

つぎに本実施の形態に係る多軸疲労試験装置の動作例を説明する。まず、円筒体15を支柱12から十分離れた位置まで上昇させておく。支柱12の上に試験片1を置く前に、支点押え具14を支柱12の上に仮置きしておく。また、この時点ではスペーサ20はまだ装着されていない。支柱12の上に試験片1と力点押え具19をこの順に置き、円筒体15をその先端、すなわち力点3が試験片1に当たる位置まで徐々に下降させる。

0053

このとき、円筒体15に設けられた窓18に力点押え具19の上面が現れ、なおかつアーム17を円筒体15の窓18から挿入可能な高さとなるよう、予め各々の部品の寸法が決められている。円筒体15の先端が試験片1に接した時点で支点押え具14を短ねじ16により円筒体15に連結し、試験片1を円筒体15と支点押え具14とにより挟み込む。

0054

つぎに、スペーサ20を支柱12の上に置き、アーム17を円筒体15の窓18から挿入する。アーム17およびスペーサ20に長ねじ21を通し、アーム17と支柱12とを連結する。長ねじ21を締め付けることで、試験片1は支柱12と力点押え具19とにより挟み込まれ、試験片1の固定が完了する。

0055

支柱12または円筒体15のいずれか一方を図5に示したように固定し、他方を例えば油圧ピストン等の加振機6により上下に動かすことにより、図1および図2(a)を用いて示した原理により、試験片1には繰り返しの二軸ひずみを発生させることが可能となる。

0056

本実施の形態によれば、複雑な構造と、高度な制御を必要とすることなく、円板状または楕円板状試験片1,4を上下から支点2と力点3で挟み込んで、繰り返し荷重を負荷して疲労試験を行うことができる。

0057

つぎに図8により本発明に係る多軸疲労試験装置の第2の実施の形態を説明する。なお、図8図6と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。

0058

本実施の形態は図8に示したように支柱12または円筒体15の外側から試験片1の表面を観察し易くするため、覗き窓22を試験片載置台13,スペーサ20,力点押え具19および円筒体15に設けている。また、試験片載置台13の上部に設けた力点3内にCCDカメラ23を設置し、このCCDカメラ23は信号ケーブル25を介して画像記録装置24に接続され、この画像記録装置24は支柱12の外部に設置されている。

0059

信号ケーブル25は試験片載置台13およびスペーサ20に設けた覗き窓22を通して外部に導出されている。なお、CCDカメラ23の代りにファイバースコープを使用することができる。

0060

CCDカメラ23またはファイバースコープを挿入することにより遠隔で試験片1の表面を観察することができる。画像記録装置24は試験片1の表面画像を記録するためのものである。また、覗き窓22からレプリカフィルムを挿入し、試験片1の表面状態をレプリカフィルムに転写することができる。

0061

本実施の形態によれば覗き窓22を設けることにより多軸疲労試験を中断して装置を分解することなく、試験中そのままの状態で試験片表面での疲労き裂の発生を検知したり、き裂の進展を観察することができる。

0062

また、覗き窓22にCCDカメラ23またはファイバースコープを挿入し試験片の表面を至近距離から観察することにより、多軸疲労試験中にき裂の発生を目視と比較してより早い段階で鮮明な画像として捉えることができる。

0063

さらに、CCDカメラ23またはファイバースコープにより観察した試験片1の表面画像を画像記録装置24により連続的に記録することにより、無人で多軸疲労試験を実施した場合においても、試験後にき裂発生時期を知ることができる。

0064

また、覗き窓22からレプリカフィルムを挿入して、試験片1の表面状態をレプリカフィルムに転写した後、レプリカフィルムを顕微鏡で観察することにより、多軸疲労試験中にき裂の発生を目視に比較してより早い段階で鮮明な画像として捉えることができる。

0065

つぎに図9により本発明に係る多軸疲労試験装置の第3の実施の形態を説明する。なお、図9中、図6と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。

0066

本実施の形態は図9に示したように支柱12上の試験片載置台13の上端部つまり、環状力点3内に押し当て式変位計26を設置して支点2と力点3との相対変位を計測することにある。また、支点2または力点3と試験片1の中央の相対変位を計測することにある。

0067

本実施の形態によれば、多軸疲労試験中に支点2と力点3との相対変位を押し当て式変位計26で計測することにより、支点2と力点3との相対変位から試験片1に発生しているひずみの大きさを測定することができる。また、多軸疲労試験中に支点2または力点3と試験片1の中央の相対変位から試験片1に発生しているひずみの大きさを測定することができる。

0068

つぎに図10により本発明に係る多軸疲労試験装置の第4の実施の形態を説明する。なお、図10中、図6と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。

0069

本実施の形態は図10に示したように支柱12上の試験片載置台13上に試験片1の下面と接触しないように非接触変位計27を取り付け、支点2と力点3との相対変位を計測することにある。また、支柱12または円筒体15に非接触変位計27を取り付け、支柱12,支点2または力点3と試験片1の中央の相対変位を計測することにある。

0070

本実施の形態によれば、非接触式変位計27を設けることにより試験片1に変位計27の押し付け荷重を加える等の余分な影響を及ぼすことなく、試験片1に発生しているひずみの大きさを測定することができる。

0071

また、支点2と力点3との相対変位を制御パラメータとすることにより、試験片1の支点2と力点3との相対変位、すなわち、たわみを介して試験片1に発生するひずみを制御することができ、ひずみ制御方式の疲労試験を行うことができる。

0072

さらに、支点2または力点3と試験片1の中央との相対変位を制御パラメータとすることにより、試験片1の中央と支点2または力点3との相対変位を介して試験片1に発生するひずみを制御することができ、ひずみ制御方式の疲労試験を行うことができる。また、力点3に加える荷重を介して試験片1に発生する応力を制御することができ、応力制御方式の疲労試験を行うことができる。

0073

つぎに図11により本発明に係る多軸疲労試験装置の第5の実施の形態を説明する。なお、図11中、図6と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。

0074

本実施の形態は試験片1の中心を支点2および力点3を中心に一致させるために試験片1の取り付け時のガイド28を円筒体15の下端部に設けたことにある。また、ガイド28の上面にスプリング29を設けてガイド28に撓み性を付与することにある。

0075

本実施の形態によれば、試験片1を試験片載置台13の中央に正しく位置決めして取り付けることができる。なお、試験片1の表面にくぼみ円孔切り欠き等を設けることにより、多軸疲労特性に及ぼす応力集中に影響を調べることができる。

0076

つぎに図12(a),(b),(c)により本発明に係る多軸疲労試験装置の第6の実施の形態を説明する。なお、図12(a)は図6における試験片載置台13,円筒体15の下部および支点押え具14の近傍を拡大して示しており、図12(a)中図6と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。

0077

本実施の形態は図12(a)中のA部を拡大して示す図12(b)および図12(c)から明らかなように試験片載置台13の支点2に相当する部分にリング状V字形溝30を形成し、この溝30にリング31を嵌め込んで、リング31を支点2および力点3とすることにある。リング31は金属またはセラミックスからなっている。

0078

本実施の形態によれば、支柱12と支点2の組合せ、支点押え具14と支点2の組合せ、円筒体15と力点3の組合せ、力点押え具14と力点3の組合せの組を一体とせず、支点2および力点3に金属またはセラミックスのリング31を設けることで、支点2および力点3の耐摩耗性を向上させることができ、またこれらの部品製作費用を安価にできる効果がある。

0079

つぎに図13(a),(b),(c)により本発明に係る多軸疲労試験装置の第7の実施の形態を説明する。本実施の形態は第6の実施の形態におけるリング31をベアリング32に代えたことにあり、その他の部分は第6の実施の形態と同様であるので、図13中、図12と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。ベアリング32は金属セラミックスからなっている。

0080

本実施の形態によれば第6の実施の形態と同様の作用効果が得られるほか、入手容易なベアリング32を用いることで試験に要する費用をより安価にできる。

0081

また、支点2および力点3に潤滑剤を塗布することによりリング31またはベアリング32の耐磨耗性を向上させるとともに支点2および力点3における摩擦力を低減して力点3に加わる荷重を極力多く試験片1に伝えることができる。

0082

つぎに図14(a),(b)により本発明に係る多軸疲労試験装置の第8の実施の形態を説明する。図14(a)は本実施の形態に係る多軸疲労試験装置を左半分を縦断面図で右半分は側面を示し、図14(b)は図14(a)におけるA−A矢視方向から見た上面図である。

0083

本実施の形態は図6に示したアーム17の他にこのアーム17と直角方向に第2のアーム33を設けたことにある。第2のアーム33を設けることにより構造物の実負荷状態を考慮して材料の多軸応力または多軸ひずみ条件下の疲労強度特性を解明するための試験を行うことができる。

0084

なお、アームの数は2本に限ることなくそれ以上設けてもよい。また、本発明に係る装置は上下を逆にして試験することもできる。さらに、支点2と力点3を入れ替えても、つまり一方を固定し、他方を動かして試験片に同じような負荷を付与することもできる。

発明の効果

0085

本発明に係る多軸疲労試験方法によれば、試験片の力点から内側の領域全体にわたり均一な多軸ひずみ状態を作り出すことができ、引張から圧縮まで繰り返し多軸疲労試験を行うことができる。

0086

また、本発明に係る多軸疲労試験装置によれば、複雑な構造と高度な制御を必要とすることなく、一軸方向の負荷のみの手段により試験片に多軸応力状態または多軸ひずみ状態を作り出し、さらに繰り返し負荷を加えることができる。

図面の簡単な説明

0087

図1(a)は本発明に係る多軸疲労試験方法の第1の実施の形態を説明するための縦断面図、(b)は(a)の上面図。
図2(a)は図1における試験片内の半径方向応力の分布図、(b)は同じく試験片内の周方向応力の分布図。
図3(a)は本発明に係る多軸疲労試験方法の第2の実施の形態を説明するための縦断面図、(b)は(a)の上面図。
図4(a)は本発明に係る多軸疲労試験方法の第3の実施の形態を説明するための縦断面図、(b)は(a)の上面図。
図5本発明に係る多軸疲労試験装置の第1の実施の形態を説明するための概略的立面図。
図6図5におけるA部を拡大して示す縦断面図。
図7(a)は図6のA−A矢視方向から見た上面図、(b)は図6のB−B矢視方向から見た下面図。
図8本発明に係る多軸疲労試験装置の第2の実施の形態の要部を示す縦断面図。
図9本発明に係る多軸疲労試験装置の第3の実施の形態の要部を示す縦断面図。
図10本発明に係る多軸疲労試験装置の第4の実施の形態の要部を示す縦断面図。
図11本発明に係る多軸疲労試験装置の第5の実施の形態の要部を示す縦断面図。
図12(a)は本発明に係る多軸疲労試験装置の第6の実施の形態の要部を示す縦断面図、(b)は(a)のA部拡大図、(c)は(b)の部分的上面図。
図13(a)は本発明に係る多軸疲労試験装置の第7の実施の形態の要部を示す縦断面図、(b)は(a)のA部拡大図、(c)は(b)の部分的上面図。
図14(a)は本発明に係る多軸疲労試験装置の第8の実施の形態の要部を右半分側面で示す縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視方向から見た上面図。

--

0088

1…円板状試験片、2…支点、3…力点、4…楕円板状試験片、5…加振機取付架台、6…加振機、7…フレーム、8…上部支持機構、9…荷重計、10…取付部材、11…多軸疲労試験装置、12…支柱、13…試験片載置台、14…支点押え具、15…円筒体、16…短ねじ、17…アーム、18…窓、19…力点押え具、20…スペーサ、21…長ねじ、22…覗き窓、23…CCDカメラ、24…画像記録装置、25…信号ケーブル、26…押し当て式変位計、27…非接触変位計、28…ガイド、29…スプリング、30…溝、31…リング、32…ベアリング、33…第2のアーム。

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