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※この項目の情報は公開日時点(2002年7月10日)のものです。
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課題
課題解決の手段
セラミックス繊維表面の炭素成分を除去したセラミックス繊維を強化材とする。これによりマトリックス金属と強化材のセラミックス繊維がよく濡れて複合則に見合う強度の金属複合材料が得られる。炭素成分がアルミニウムとその合金、金属シリコンとその合金、マグネシウム金属とその合金等とカ−バイド化する反応も防止できるので軽金属との複合材料も化学的に安定である。
概要
背景
機械的強度、耐熱性、軽量化等の物性を改善する複合材料として金属に各種繊維を強化材とするFRM(Fiber Rreinforced Metals)は、各種の提案がなされ実用化もされている。
用いられる強化繊維材料は直径5〜11μmの炭素繊維、直径102〜203μmのボロン系繊維、直径102〜203μmのタングステンや炭素繊維をコアにしたSiC繊維、直径127μmのベリリウムやスチ−ルやモリブデン繊維があり、直径100μm以上の繊維は自由な形状のFRMを得にくい。
FRMは、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金等の軽金属にセラミックス繊維や粒子を強化材にして高強度、耐摩耗性から自動車エンジン部材に広く使用されている。
その製法には鋳造法、ホットプレス法、中間素材のプリフォ−ムワイヤ(Pre−form wire)を成形する製造法が知られている。
鋳造法では溶融金属との高温度接触時間が長いことにより、強化材であるセラミックス繊維との界面反応によって繊維強度の劣化を防止できず、複合則に見合う強度のFRMが得られていない。
ホットプレス法では高温度での接触時間を短縮することにより、鋳造法に比較して高強度のFRMが得られるが高価な設備等を要しコスト低減量産化には困難を伴う。
中間素材のプリフォ−ムワイヤを成形する製造法においては、溶融金属との高温接触時間が長いため繊維強度の低下を生じて複合則に見合う高強度高剛性のFRMが得られていない。
この原因として金属と強化繊維との界面での反応により繊維強度が劣化することが上げられている。界面の反応を抑制するために各種の方法が提案されている。
FRM等に使用されるセラミック繊維材の表面改質に方法には、例えば、特開平5−117098号公報にはホウ酸アルミニウムウイスカ−を窒化層で被覆して強化材とする方法が提案されている。
また、特開平4−91226号公報にはシリカ含有のアルミナ繊維表面を窒化ケイ素被覆して強化材とする方法が提案されている。
特開平6−35626号公報にはアルミナ繊維と非晶質アルミナ−シリカ繊維の混合物を強化材とする方法が提案されている。
特開平9−295898号公報にはホウ酸アルミニウムウイスカ−表面を0.1〜1μmの窒化アルミニウムで被覆して強化材とする方法が提案されている。
特開平11−79713号公報には強化繊維成形体の繊維の表面に金属水酸化物を被覆し、更に焼成し被覆材を金属酸化物に改質し、強化材とする方法が提案されている。
概要
繊維強化金属複合材料の製造に当たって、マトリックス金属と強化材のセラミックス繊維が濡れ難く複合則に見合う強度の金属複合材料が得られていない。セラミックス繊維の炭素がアルミニウムとその合金、金属シリコンとその合金、マグネシウム金属とその合金等とカ−バイド化する反応があるので軽金属との複合材料も化学的に不安定である。
セラミックス繊維表面の炭素成分を除去したセラミックス繊維を強化材とする。これによりマトリックス金属と強化材のセラミックス繊維がよく濡れて複合則に見合う強度の金属複合材料が得られる。炭素成分がアルミニウムとその合金、金属シリコンとその合金、マグネシウム金属とその合金等とカ−バイド化する反応も防止できるので軽金属との複合材料も化学的に安定である。
目的
本発明は、強化材の繊維表面を改質し強化材の繊維強度から予測される複合則に見合う高強度高剛性のFRMを安価に提供する。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は繊維強化金属複合材料(以下、FRM)において、繊維表面の炭素成分を除去した繊維径が30μm以下のセラミック繊維を強化材とすることにより、マトリックスの金属との濡れ性を高め界面反応を抑えた高強度高剛性の繊維強化金属複合材料を提供する。
背景技術
0003
用いられる強化繊維材料は直径5〜11μmの炭素繊維、直径102〜203μmのボロン系繊維、直径102〜203μmのタングステンや炭素繊維をコアにしたSiC繊維、直径127μmのベリリウムやスチ−ルやモリブデン繊維があり、直径100μm以上の繊維は自由な形状のFRMを得にくい。
0008
中間素材のプリフォ−ムワイヤを成形する製造法においては、溶融金属との高温接触時間が長いため繊維強度の低下を生じて複合則に見合う高強度高剛性のFRMが得られていない。
0009
この原因として金属と強化繊維との界面での反応により繊維強度が劣化することが上げられている。界面の反応を抑制するために各種の方法が提案されている。
0010
FRM等に使用されるセラミック繊維材の表面改質に方法には、例えば、特開平5−117098号公報にはホウ酸アルミニウムウイスカ−を窒化層で被覆して強化材とする方法が提案されている。
0013
特開平9−295898号公報にはホウ酸アルミニウムウイスカ−表面を0.1〜1μmの窒化アルミニウムで被覆して強化材とする方法が提案されている。
発明が解決しようとする課題
0015
本発明は、強化材の繊維表面を改質し強化材の繊維強度から予測される複合則に見合う高強度高剛性のFRMを安価に提供する。
課題を解決するための手段
0017
その結果強化材であるセラミックス繊維とマトリックスである金属との濡れの改善と界面反応の防止が必要であることに注目した。
0018
セラミックス繊維とマトリックス金属との濡れについては、繊維表面に金属酸化物や炭素成分の存在がありマトリックス金属との濡れを阻害していること特に炭素成分の存在が溶融金属との濡れを阻害している。
0019
炭素成分がアルミニウムとその合金、金属シリコンとその合金、マグネシウム金属とその合金等のマトリックス金属とカ−バイド化反応していることが判明した。軽量化が期待できるアルミニウム又はアルミニウム合金をマトリックスとするFRMにおいて反応生成物のアルミニウムカ−バイドは吸水性が有り、吸水すると加水分解してしまうので極力この反応を防止する必要がある。
0020
そこで本発明者は繊維表面の炭素成分及び金属酸化物のうち特に炭素成分を除去したセラミック繊維を強化材とすることによって、金属との濡れを良好にし、マトリックス金属とのカ−バイド化反応が防止し、高強度高剛性の繊維強化金属複合材料が得られる結果を得た。
0021
また本発明の応用として炭素繊維の表面をSiC、TiC又はB4Cの薄膜で被覆したセラミック繊維としても、繊維表面の炭素成分を除去すると炭素繊維の強度を保持して良好な高強度高剛性の繊維強化金属複合材料が得られる。
発明を実施するための最良の形態
0028
Si−C−O繊維であるフィラメント径14μm、引張強度2.9GPa(300kgf/mm2)、引張弾性率206GPa(2100kgf/mm2)の繊維長2〜3mmのチョップを繊維表面の炭素成分を除去するために800℃水素ガス雰囲気中で脱炭素処理した。
0029
脱炭素処理した繊維の強度に変化なく引張強度は2.9GPa(300kgf/mm2)であり、引張弾性率は206GPa(2100kgf/mm2)であった。
0030
脱炭素処理した短繊維をアルミニウム合金(AC8A)溶湯に10重量%添加しFRMとした。得られたFRMの曲げ強さは420MPa(43kgf/mm2)、曲げ弾性率は91GPa(9300kgf/mm2)であった。これはアルミニウム合金(AC8A)の曲げ強さ196MPa(20kgf/mm2)の約2倍、弾性率78GPa(8000kgf/mm2)の1.1倍の強度向上をしめした。
0031
Si−C−O繊維であるフィラメント径14μm、引張強度2.9GPa(300kgf/mm2)、引張弾性率206GPa(2100kgf/mm2)の繊維長2〜3mmのチョップを繊維表面の炭素成分を除去処理なしで、アルミニウム合金(AC8A)溶湯に10重量%添加しFRMとした。得られたFRMの曲げ強さは186MPa(19kgf/mm2)、曲げ弾性率は65GPa(6600kgf/mm2)であった。これはアルミニウム合金(AC8A)の曲げ強さ196MPa(20kgf/mm2)の95%、弾性率78GPa(8000kgfmm2)の83%で繊維を添加した効果が出ていない。
0032
実施例1で得られた脱炭素処理した短繊維を高強度金属含浸炭素摺動材料(材質名NC−094:日本カ−ボン株式会社製)に10%添加した。得られた材料の曲げ強さは343MPa(35kgf/mm2)、曲げ弾性率は60GPa(6100kgf/mm2)であった。これはアルミニウム合金(AC8A)の曲げ強さ196MPa(20kgf/mm2)の約1.7倍、弾性率78GPa(8000kgf/mm2)の0.8倍の強度である。
0033
NC−094は硬質炭素粉が50vol%アルミニウム合金に添加された構造であり、曲げ強さは216MPa(22kgf/mm2)、曲げ弾性率は39GPa(4000kgf/mm2)である。繊維添加の効果では曲げ強さで1.6倍、弾性率で1.5倍をしめした。
0034
Si−C−O繊維であるフィラメント径14μm、引張強度2.9GPa(300kgf/mm2)、引張弾性率206GPa(2100kgf/mm2)の繊維長2〜3mmのチョップを繊維表面の炭素成分を除去処理なしで、高強度金属含浸炭素摺動材料(材質名NC−094:日本カ−ボン株式会社製)に10%添加した。得られた材料の曲げ強さは186MPa(19kgf/mm2)、曲げ弾性率は39GPa(4000kgf/mm2)であった。繊維添加によって弾性率に変化なく曲げ強さで89%に強度低下した。
発明の効果
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