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技術 内部品質の優れた連鋳鋳片および鋼板の製造方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 飯星弘昭井本健夫重松清常岡聡
出願日 2000年12月21日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2000-388483
公開日 2002年7月10日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2002-192311
状態 特許登録済
技術分野 連続鋳造
主要キーワード 選択実施 同一チャージ 品質結果 最小パス 鋳造サイズ ドッグボーン形状 つば付 桁未満
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図面 (6)

課題

本発明は、内部品質の優れた連鋳鋳片および鋼板の製造方法を提供する。

解決手段

注文製品の出荷幅合致する熱延鋼板を製造するに際し、要求される品質面から品質レベルに応じて鋳造すべき鋳片幅および鋳片厚を予め決め、連続鋳造にて所要の鋳片幅および鋳片厚に鋳片を鋳造し、該鋳片を幅分割切断するか、またはその後の熱延工場で所望とする鋳造幅まで事前幅圧下するか、または熱延工場で鋼板まで圧延し、該鋼板を所望とする幅寸法に幅分割切断することの何れかを適宜選択して製品の出荷幅を満たすことを特徴とする内部品質の優れた高品質連鋳鋳片および鋼板の製造方法。

概要

背景

連続鋳造鋳片から熱間圧延等を経て鋼板製品を製造するプロセスにおいては、製品内部品質ベルは、鋳片段階の内部品質いわゆる鋳片内に残留する非金属介在物個数、大きさにより決定される。従って、製品品質レベルが高級化するに従い、非金属介在物を低減させることが必要であり、これまで鋳造速度を減少させることによって対処してきた。

一般に鋳片の連続鋳造における鋳造速度またはスループット要求内部品質レベルに応じて操業する場合、同一チャージ内における製品品質要求レベルが最も高い鋳片、すなわち鋳造速度の上限が最も低い鋳片に合わせて鋳造速度を決定する方法と、同一チャージ全てを製品品質要求レベルが同じ鋳片のみをまとめて同一鋳造速度で鋳造する方法とがある。さらには、製品品質要求レベルが高い鋳片を鋳造するときだけ、マニュアルで鋳造速度を下げて操業する方法も採られている。

連続鋳造における鋳造速度を製品品質要求レベルに合わせて操業する場合、同一チャージ内における製品品質要求レベルが最も高い鋳片、すなわち、鋳造速度の上限値が最も低い鋳片に合わせて鋳造速度を決定する方法では、品質要求レベルが比較的低い製品、すなわち鋳造速度の上限が高い鋳片も鋳造速度を低く抑えられることとなり、生産能力が低下することになる。この場合、鋳片単位ごとに要求鋳造速度の最低値に合わせて操業するので、鋳造速度が速くてもよいものまで遅くせざるを得ないからである。

また、鋳造速度の上限が高い方に合わせて操業し、鋳造速度の上限値が低いものを鋳造するときだけマニュアルで鋳造速度を下げる方法では、マニュアルによる誤認や条件忘れなどの錯誤が発生する可能性がある。さらに、頻繁に鋳造速度の増減を行なった場合、増減を行なった時の非定常部の鋳片は、定常部に比べて欠陥発生率が高いため、品質上に問題がある。

また、例えば特開平11−748号公報で提案されているように、鋳造速度と製品欠陥との関係を参照して、各製品の品質要求レベルに応じて各鋳片の鋳造速度の上限値を決定し、鋳片寸法および前記鋳造速度の上限値から各鋳片の鋳造操業条件をランク分けし、同一操業条件の鋳片を鋳造幅ごとに集約し、操業条件の近似する順番に鋳片の連続鋳造を行う方法がある。この場合、連続鋳造における鋳造速度を製品品質要求レベルに合わせて操業するので、能率よく生産できる。

概要

本発明は、内部品質の優れた連鋳鋳片および鋼板の製造方法を提供する。

注文製品の出荷幅合致する熱延鋼板を製造するに際し、要求される品質面から品質レベルに応じて鋳造すべき鋳片幅および鋳片厚を予め決め、連続鋳造にて所要の鋳片幅および鋳片厚に鋳片を鋳造し、該鋳片を幅分割切断するか、またはその後の熱延工場で所望とする鋳造幅まで事前幅圧下するか、または熱延工場で鋼板まで圧延し、該鋼板を所望とする幅寸法に幅分割切断することの何れかを適宜選択して製品の出荷幅を満たすことを特徴とする内部品質の優れた高品質連鋳鋳片および鋼板の製造方法。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

製品幅W(mm)の熱延鋼板製造用の鋳片を鋳造するに際し、熱延鋼板の要求内部品質レベルに応じて、予め該鋳片の鋳造サイズとして製品幅W(mm)より広幅となる鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定して鋳造を行い、所望とする鋳片を得ることを特徴とする内部品質の優れた連鋳鋳片の製造方法。

請求項2

熱延鋼板の要求内部品質レベルを基に下記式で表される介在物指標値Xが予め決められた値以下となるように、下記式から予め決められたスループットVを基に鋳片の鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定することを特徴とする請求項1記載の内部品質の優れた連鋳鋳片の製造方法。介在物指標値X=A−B×W0 (mm)−C×t(mm)+D×V(t/min)A,B,C,D:定数

請求項3

鋳造幅W0 (mm)で鋳造した後に得られた鋳片を幅方向に2つ以上に分割して得られた少なくとも1つの分割鋳片が、製品幅W(mm)より広幅の鋳片幅W1 (mm)となるようにすることを特徴とする前記請求項1または2記載の内部品質の優れた連鋳鋳片の製造方法。

請求項4

製品幅W(mm)の熱延鋼板を製造するに際し、熱延鋼板の要求内部品質レベルに応じて、予め該鋳片の鋳造サイズとして該製品幅W(mm)より広幅となる鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定して鋳造を行い、得られた鋳片を製品幅W(mm)となるように熱間圧延を行うことを特徴とする内部品質の優れた熱延鋼板の製造方法。

請求項5

熱延鋼板の要求内部品質レベルを基に下記式で表される介在物指標値Xが予め決められた値以下となるように、下記式から予め決められたスループットVを基に鋳片の鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定することを特徴とする請求項4記載の内部品質の優れた熱間圧延鋼板の製造方法。介在物指標値X=A−B×W0 (mm)−C×t(mm)+t×V(t/min)A,B,C,D:定数

請求項6

鋳造後に得られた鋳片を幅方向に2つ以上に分割して得られた少なくとも1つの分割鋳片が、製品幅W(mm)以上の鋳片幅W1 となるようにし、該鋳片を熱間圧延によって所望の製品幅W(mm)にすることを特徴とする前記請求項4または5記載の内部品質の優れた熱延鋼板の製造方法。

請求項7

鋳造後に得られた鋳片を熱間圧延によって製品幅W(mm)以上の鋼板幅W2 (mm)の熱延鋼板とした後に、該鋼板を幅方向に2つ以上に分割して得られた少なくとも1つの鋼板の幅が製品幅W(mm)となるようにすることを特徴とする前記請求項4ないし6のいずれかに記載の内部品質の優れた熱延鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、内部品質の優れた連鋳鋳片および鋼板の製造方法に関する。

背景技術

0002

連続鋳造鋳片から熱間圧延等を経て鋼板製品を製造するプロセスにおいては、製品の内部品質レベルは、鋳片段階の内部品質いわゆる鋳片内に残留する非金属介在物個数、大きさにより決定される。従って、製品品質レベルが高級化するに従い、非金属介在物を低減させることが必要であり、これまで鋳造速度を減少させることによって対処してきた。

0003

一般に鋳片の連続鋳造における鋳造速度またはスループット要求内部品質レベルに応じて操業する場合、同一チャージ内における製品品質要求レベルが最も高い鋳片、すなわち鋳造速度の上限が最も低い鋳片に合わせて鋳造速度を決定する方法と、同一チャージ全てを製品品質要求レベルが同じ鋳片のみをまとめて同一鋳造速度で鋳造する方法とがある。さらには、製品品質要求レベルが高い鋳片を鋳造するときだけ、マニュアルで鋳造速度を下げて操業する方法も採られている。

0004

連続鋳造における鋳造速度を製品品質要求レベルに合わせて操業する場合、同一チャージ内における製品品質要求レベルが最も高い鋳片、すなわち、鋳造速度の上限値が最も低い鋳片に合わせて鋳造速度を決定する方法では、品質要求レベルが比較的低い製品、すなわち鋳造速度の上限が高い鋳片も鋳造速度を低く抑えられることとなり、生産能力が低下することになる。この場合、鋳片単位ごとに要求鋳造速度の最低値に合わせて操業するので、鋳造速度が速くてもよいものまで遅くせざるを得ないからである。

0005

また、鋳造速度の上限が高い方に合わせて操業し、鋳造速度の上限値が低いものを鋳造するときだけマニュアルで鋳造速度を下げる方法では、マニュアルによる誤認や条件忘れなどの錯誤が発生する可能性がある。さらに、頻繁に鋳造速度の増減を行なった場合、増減を行なった時の非定常部の鋳片は、定常部に比べて欠陥発生率が高いため、品質上に問題がある。

0006

また、例えば特開平11−748号公報で提案されているように、鋳造速度と製品欠陥との関係を参照して、各製品の品質要求レベルに応じて各鋳片の鋳造速度の上限値を決定し、鋳片寸法および前記鋳造速度の上限値から各鋳片の鋳造操業条件をランク分けし、同一操業条件の鋳片を鋳造幅ごとに集約し、操業条件の近似する順番に鋳片の連続鋳造を行う方法がある。この場合、連続鋳造における鋳造速度を製品品質要求レベルに合わせて操業するので、能率よく生産できる。

発明が解決しようとする課題

0007

上述したように、製品の品質要求レベルが厳格化した場合には、それに対処するため、低鋳造速度にせざるを得ず、生産性の低下を招かざるを得ない状態となる。また、各製品の品質要求レベルに応じて各鋳片の寸法および鋳造速度から、各鋳片の鋳造操業条件をランク分けし、同一操業条件の鋳片を鋳造幅毎に集約して連続鋳造を行う方法では、近年、需要家からのニーズが、製品品質レベル、鋼板サイズ共に多様化の傾向にあり、生産性向上の観点から鋳造幅を集約していたのでは、出荷納期に間に合わない事態が発生し、納期管理上の問題点となっていた。

課題を解決するための手段

0008

本発明は前記した従来方法における問題点を解決するためになられたものであって、その要旨とするところは、下記手段にある。
(1)製品幅W(mm)の熱延鋼板製造用の鋳片を鋳造するに際し、熱延鋼板の要求内部品質レベルに応じて、予め該鋳片の鋳造サイズとして製品幅W(mm)より広幅となる鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定して鋳造を行い、所望とする鋳片を得る内部品質の優れた連鋳鋳片の製造方法。
(2) 熱延鋼板の要求内部品質レベルを基に下記式で表される介在物指標値Xが予め決められた値以下となるように、下記式から予め決められたスループットVを基に鋳片の鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定する(1)記載の内部品質の優れた連鋳鋳片の製造方法。
介在物指標値X=A−B×W0 (mm)−C×t(mm)+D×V(t/min)
A,B,C,D:定数

0009

(3)鋳造幅W0 (mm)で鋳造した後に得られた鋳片を幅方向に2つ以上に分割して得られた少なくとも1つの分割鋳片が、製品幅W(mm)より広幅の鋳片幅W1 (mm)となるようにする前記(1)または(2)記載の内部品質の優れた連鋳鋳片の製造方法。
(4) 製品幅W(mm)の熱延鋼板を製造するに際し、熱延鋼板の要求内部品質レベルに応じて、予め該鋳片の鋳造サイズとして該製品幅W(mm)より広幅となる鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定して鋳造を行い、得られた鋳片を製品幅W(mm)となるように熱間圧延を行う内部品質の優れた熱延鋼板の製造方法。
(5) 熱延鋼板の要求内部品質レベルを基に下記式で表される介在物指標値Xが予め決められた値以下となるように、下記式から予め決められたスループットVを基に鋳片の鋳造幅W0 (mm)と鋳造厚t(mm)を決定する(4)記載の内部品質の優れた熱間圧延鋼板の製造方法。
介在物指標値X=A−B×W0 (mm)−C×t(mm)+t×V(t/min)
A,B,C,D:定数

0010

(6)鋳造後に得られた鋳片を幅方向に2つ以上に分割して得られた少なくとも1つの分割鋳片が、製品幅W(mm)以上の鋳片幅W1 となるようにし、該鋳片を熱間圧延によって所望の製品幅W(mm)にする前記(4)または(5)記載の内部品質の優れた熱延鋼板の製造方法。
(7) 鋳造後に得られた鋳片を熱間圧延によって製品幅W(mm)以上の鋼板幅W2 (mm)の熱延鋼板とした後に、該鋼板を幅方向に2つ以上に分割して得られた少なくとも1つの鋼板の幅が製品幅W(mm)となるようにする前記(4)ないし(6)のいずれかに記載の内部品質の優れた熱延鋼板の製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明者らは、鋼板(鋳片)の内部品質を決定する鋳造操業因子は鋳造速度またはスループットだけではなく、鋳造サイズ(鋳造幅、厚)が大きく影響していることを突き止め、同一スループットでも内部品質レベルを向上させることが可能であることに気付いた。

0012

図1は、数値計算シュミレーションにより、鋼の連続鋳造時にサイズが100μmの介在物(一般的な用途の品質要求レベルの製品を加工する際に発生する欠陥の原因となる介在物サイズ)を鋳型内へ流入させた際に、鋳型内の溶鋼表面に浮上せず凝固鋳片内にトラップされた介在物量指標化したものである。ここで、介在物指標値=1は、注入した介在物が全て凝固(鋳造後の)鋳片内にトラップされたものと見なした。

0013

図1に示すように、同一スループットであれば鋳造幅が大きく(広く)、かつ鋳造厚が大きく(厚く)なる程、介在物指標値が低下していることが判った。別の観点からみると図2に示すように、同一鋳造厚の場合は鋳造幅が広く、かつスループットが少ない程、介在物指標値が低下する事実を知ることができた。

0014

これは鋳造幅が広く鋳造厚が厚くなる程、同一スループットであれば、鋳型内に流入される溶鋼流速が遅くなり、浸漬ノズルから吐出される溶鋼流が緩やかな流れとなり、上昇流も弱くその流れによる溶鋼上面の撹拌流も低減するために溶鋼上面にあるパウダーの巻き込みが少なくなり、また下降流も弱いため微少介在物が未凝固溶鋼中に侵入しないためと思われる。

0015

前記図1図2の結果を基に、鋳造後の鋳片内に残存する介在物量を表す介在物指標値としては、本発明者らは初めて鋳造サイズとスループットを基に下記(1)式を見出したものである。
介在物指標値X=A−B×W0 −C×t+D×V ・・・・・(1)
ここで、
W0 :鋳造幅(mm)
t:鋳造厚(mm)
V:スループット(t/min)
A、B、C、D:定数
なお、定数A、B、C、Dは、要求される製品の要求品質レベル(介在物サイズ、個数)によって適宜決定できるものである。

0016

次に、前記シュミレーション結果について実機鋳造による検証を行った。図3は鋳造厚が280mmでスループット一定(4.9t/min)にしたときの鋳造幅と鋳片での介在物個数(鋳片内での37μmを超える介在物量)の関係を表したものである。ここで、調査した介在物サイズの37μmは、最も介在物欠陥の厳格材である食缶用材料の製品品質に影響を及ぼす介在物の最小サイズである。

0017

図3より、鋳造幅が広くなると介在物が減少することが示されており、前記数値計算によるシミュレーションの結果と同様に、製品品質は鋳造サイズ(鋳造幅、厚)が大きく影響していることが検証できた。なお、記載は省略するが、鋳造幅と同様に鋳造幅一定で鋳造厚を増加させた場合においても介在物量が減少することについては確認済みである。

0018

そこで、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、最も品質厳格材である食缶用材料の場合には、鋳片内での37μmを超えるサイズの介在物指標として、前記(1)式は下記(2)式で表されることを突き止めることができた。
介在物指標値X=1.38−0.00035×W0−0.00202×t
+0.0414×V ・・・・・(2)
ここで、
W0 :鋳造幅(mm)
t:鋳造厚(mm)
V:スループット(t/min)

0019

次に、前記鋳片の介在物指標値Xと製品品質レベルとの関係の調査を行った。図4は、前記鋳片の介在物指標値Xと製品品質レベルを表すものとして、製品品質指標値Y(鋳片の熱間圧延後の製品加工時の欠陥発生指標値)を比較評価したものであり、製品品質指標値Yは1〜10の数値で表され、数値が大きい程品質は劣化することを表している。図4によれば、製品品質指標値Yは鋳片の介在物指標値Xとの間に強い相関関係があることが示されている。従って要求される製品品質レベル(製品品質指標Y等)に応じた介在物指標値Xとなるように、鋳造サイズ(鋳造幅、鋳造厚)の適正化が可能であることが明らかになった。

0020

記事実を基に、介在物指標値X毎にスループットと鋳造サイズ(鋳造幅)の関係を整理して図5に示す。図5では鋳造幅を横軸に採り、スループット(ここでは、スループットt/min=鋳造幅×鋳造厚×鋳造速度×溶鋼密度7.8g/cm3 で表した)を縦軸に採って表示したものである。なお、図5においては介在物指標値Xを0.3〜0.6まで0.1毎に示しているが、介在物指標値Xをさらに細かく(小数点以下2桁未満まで)記載して示すことも可能である。

0021

さらに、図5は鋳造厚が280mmの場合を示すが、鋳造厚が変化すれば、介在物指標値Xが同一の斜線位置は変化する。例えば、記載を省略するが鋳造厚を図5の鋳造厚280mmから250mmに小さくすれば、同一値の介在物指標値Xの線は図5の位置よりも縦軸に対し上方に移動することになる。また、図5より、内部品質レベルを同じレベルで維持して、スループットを上昇せしめようとするならば、鋳片の鋳造幅を増大させることでそれが実現できることを示している。例えば、スループットを3.5t/min、鋳造幅1300mmで介在物指標値0.5を保持していたが、同一内部品質レベルで生産量アップさせるには、介在物指標値0.5の線上で右上方方向に辿る位置でスル−プットと鋳造幅の組合せで変更可能である。

0022

ここで、スル−プットと鋳造幅の決め方であるが、同一線上(内部品質レベルが同一)であれば、熱間圧延工程後の製品幅とその際に製品幅までの幅圧下能力及び内部品質レベル以外の要求される表面品質レベルを考慮した鋳造速度条件を考慮して適宜決めてことが可能である。また、図5によれば、現状の内部品質レベルを上昇せしめようとする場合にも、鋳片の鋳造幅(または鋳造厚)を増すことで対応が可能である。例えば、スループットを3.5t/min、鋳造幅が1300mmで介在物指標値X0.5を保持していたが、介在物指標値Xを0.5から0.4まで向上せしめる必要が生じた場合は、介在物指標値X0.4と示されている斜線上でスループット及び鋳造幅の組合せを決めれば良いことが示されている。

0023

このように、内部品質レベルを同一レベルのままで生産量アップしようとするならば、介在物指標値Xの同一斜線上であればどの箇所(スループットと鋳造幅の組合せ)であっても同一内部品質レベルとなるので、鋳造幅(及びまたは鋳造厚)との関係からスループットを自由に選択することができる。因ってこれらのことから鋳造条件を適宜選択実施することができるので、鋳造時の自由度が増すことになる。また内部品質レベルを変更する場合においては、必要とする内部品質レベルに応じて介在物指標値Xの斜線上の箇所(スループットと鋳造幅の組合せ)を自由に選択することができる。

0024

上述したように本発明者らは、鋳造幅(鋳造厚)を大きくすることによって、鋳片品質(介在物での評価)が向上、ひいては製品品質を向上させることが容易にできることを見いだしたもので、このような考え方は全く新しく前記の如き知見に基づくものであり、従来、鋳造幅、鋳造厚を増すことについては、スループットの増大の見地からは考慮されることはあったが、要求される製品の内部品質を主体にして鋳造幅(鋳造幅の方が品質に対する効果が大きいので、鋳造幅について主に論ずる)を変更しようとすることは行われていなかった。これは前述のように鋳造幅が鋳片の内部品質に大きく影響を及ぼしていることに全く気付いていなかったことによるものである。

0025

従来の連続鋳造で製造する鋳造幅の決め方は熱間圧延工程後の製品幅を基本とし、これに若干の幅をプラスした値を鋳造幅としていた。これは熱間圧延機での圧延能力(幅圧下能力)を考慮し、さらに熱間圧延ロットによって決まってくる値であり、鋳造幅に対しては選択の余地のない作業とならざるを得ない状況にあった。

0026

本発明においては、鋳片を内部品質の面から考慮して連続鋳造における鋳造幅を拡大させる措置を講ずるものであるが、需要家の要望サイズ(注文寸法)を基に製品寸法が決められのが通常であり、製品幅に合致させるためには品質の観点から拡大した鋳造幅(あるいは熱間圧延後の熱延鋼板幅)をどこかの時点で、製品幅に沿うように狭くしなければならない。

0027

前記したように鋳片の鋳造幅を熱間圧延で幅圧下することについては、連続鋳造における生産性の向上を狙いとして、例えば一定の幅広の鋳片を製造し、熱間幅圧下装置において所定の幅まで圧下する技術は公知(特公昭61−54086号公報)である。前記特公昭61−54086号公報に紹介されている発明によると、直送圧延またはホットチャージ圧延においては連続鋳造時の保有熱を維持して熱間圧延工程へ移行させるため、通常採用されている連続鋳造一冷間手入れ−加熱−熱間圧延というプロセスに比し、手入れ工程および加熱工程を省略することができる。したがって、直送圧延またはホットチャージ圧延は製造工程の省略による生産性の向上と熱エネルギー原単位の低減による省エネルギーとの面で工業的に極めて優れたプロセスであり、連続鋳造工程と熱間圧延工程の整合性をとることを考慮しなければならない。

0028

すなわち、通常の熱間圧延工程においては所望の製品を歩留りよく作り出すのに最も適した素材幅サイズが決められており、しかも製品の幅サイズは多様であるため供給する素材の幅サイズもこれに対応した多様のものとならざるを得ないが、連続鋳造用鋳型は生産性と作業性の点から、一定の幅サイズとなっていることが好ましく、前記熱間圧延工程の要請に応じきれないことが多い。従来、このような不整合を解決するため、鋳片サイズを変更可能にした寸法可変の鋳型を用いる鋳造方法が提案されているが、鋳型構造が複雑となって作業性、整備性の悪化が避けられないことから、この方法は必ずしも有利とはいえないものであった。

0029

このため、鋳片を一定幅で製造し、これを所望幅にサイジングする熱間圧延工程を経て通常の熱間圧延工程に鋳片を供給する方法を採用することが有利とされ、熱間圧延工程においては如何に早く、正確に幅圧延を完了するかが重要で、これは素材の温度降下を防ぎ、継続する熱間圧延の作業性、生産性を高度に維持し効率よく整合性を確保するためである。したがって、熱間圧延工程は、鋳片を熱間幅圧下装置で所定の幅圧下量に幅圧延を行なうもので、実際には上下つば付堅ロールによって鋳片を幅方向に大圧下してドッグボーン形状に変形せしめ、次いで水平ロールによってドッグボーンを解消させ、これらを必要に応じて可逆圧延して複数パス行なって所望の幅サイズの鋼片最小パス回数で得るように配慮されている。

0030

しかして、上記従来方法は前述のように連鋳機の生産性向上の見地から一定の鋳造幅で大量に生産し、熱延鋼板の幅サイズに応じて鋳造幅を熱間幅圧下装置で幅圧下を行い、所望の鋳片幅を確保するものであり、本発明は従来のこのような考えとは異なり、品質の要求に応じて鋳造すべき鋳造幅を決定し、これに対応した鋳造幅を確保しようとするもので、鋳造幅の決め方に対する考え方が従来法とは発想が異なる概念に基づくものである。

0031

本発明においては、需要家から従来の鋳片品質より厳しい品質(清浄性の向上)の要求があった場合、従来であれば鋳造幅が決まっていたため鋳造速度を低下し、生産性を犠牲(鋳造速度の低下)にして品質の保証に対処してやらなければならなかったが、鋳造幅を拡げることによって要求される品質を保証することができるようになったので、同じ鋳造速度を維持しながら、鋳造を行うので生産性を低下せずに済むようになった。

0032

したがって、重要家からの製品品質の要求に応じ、介在物の残留率をいくらにすべきかを予め定め、その値を満足するように例えば前記(1)式あるいは(2)式から鋳造幅(鋳造厚)を計算し、その幅で鋳造を行い鋳造された鋳片を幅圧下によって熱延鋼板幅に適応させるか、または幅圧下前の鋳片熱延鋼板幅に合わせて分割切断するか、若しくは熱間圧延後の熱延鋼板を、出荷時に注文幅に合致するよう幅分割切断を行う等の措置で最も適切な条件を選択し実施する。

0033

本発明を実施するに当たっては、前記の考え方を基に需要家からの要求される品質を満たすことを基本とし、鋼板の注文サイズを考慮のうえ、品質と生産性の兼ね合いからそれに適した連続鋳造の鋳造幅、鋳造厚を決めるものである。

0034

以下、本発明を実施例によってその効果を明確にする。表1には要求製品品質レベルとして、前記の製品品質指標Yが5未満(品質厳格材の食缶用材料で、鋳片では37μmを超えるサイズの介在物が問題となる)の製品幅W=1000mm、製品厚=1.6mmの鋼板の製造する際の、従来例(No.1〜2)および本願発明(No.3〜9)の各条件とその品質結果を示した。

0035

0036

表1には、各連続鋳造の鋳造サイズ、鋳造速度、スループットと共に、鋳造後に鋳片幅を分割した場合には、分割鋳片幅、さらに熱間圧延鋼板後に鋼板幅分割した際には、分割鋼板幅をそれぞれ示し、さらにそれぞれの条件での鋳片介在物指標X(前記(2)式)の計算値、鋳片での37μmを超えるサイズの介在物の個数、鋳造後の各鋳片内の介在物実績個数と共に、各製品の実績の品質指標Y、さらに製造工期(連続鋳造〜製品鋼板までの工期を実施例1を基準とし1.0とする)を示した。

0037

表1より、従来例のNo.1〜2では製品品質指標Yが5未満を達成できないばかりか、No.2では品質を確保するために鋳造速度の低下させた結果、鋳造後の鋳片温度が低下してしまい、鋳造鋳片を熱間圧延工程においてHCR(ホットチャージローリング)ができず、生産性が阻害(製造工期が従来例の1.5倍)させる結果となった。

0038

一方、本願発明例であるNo.3〜9では製品品質指標Yが5未満を満足すると共に、スループットが従来よりも増加可能になった結果、製造工期も従来に比べ工期短縮も可能になった。以上のように本発明によれば鋳片の品質が向上と共に生産性も向上させることができた。

発明の効果

0039

本発明によれば、鋳片鋳造幅または鋳造厚を大きくすることにより鋳片品質(介在物)向上せしめることができ、同一品質を保持しようとするならば、鋳造速度を増すことができ、生産量の増加を図ることができる。

図面の簡単な説明

0040

図1鋳造厚毎の鋳片鋳造幅と介在物指標値の関係を示した図
図2スループット毎の鋳片鋳造幅と介在物指標値の関係を示した図
図3スループット一定にしたときの鋳造幅と鋳片残留介在物個数の関係を示した図
図4介在物指標値と製品品質レベル(製品品質指標値)の関係を示した図
図5鋳造幅とスループットとの関係において鋳片での介在物指標値を示した図

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