図面 (/)

技術 画像処理装置、印刷制御装置、画像処理方法、および記録媒体

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 周世辛
出願日 2000年12月19日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2000-384757
公開日 2002年6月28日 (17年3ヶ月経過) 公開番号 2002-185809
状態 特許登録済
技術分野 カラー・階調 画像処理 FAX画像信号回路 カラー画像通信方式
主要キーワード 小立方体 所定波形 通常ドット ドット量 階調データ変換 原点付近 吸引速度 インク室容積
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年6月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

画像データの分解能不足を補って、高画質の画像を印刷する。

解決手段

RGB画像データをCMY画像データに色変換し、更に小中大の各種ドットドット密度データに変換する際に、小ドットが形成される階調領域ではCMY画像データを階調値の強調された階調データに変換する。次いで、かかる階調データを小中大の各種ドットについてのドット密度データに変換する際に、強調の程度を示すパラメータを取得して、該パラメータを考慮しながら、強調の解消されたドット密度データを得る。小ドットで表現可能な分解能に対してCMY画像データの分解能が不足していても、CMY画像データを強調して色変換すれば分解能不足を補うことができるので、かかるデータをドット密度データに変換すれば、小ドットで表現可能な細かい階調表現が可能となり、高画質の画像を得ることができる。

概要

背景

印刷媒体液晶画面といった表示媒体上に各色ドットを形成することでカラー画像表現する画像表示装置は、各種画像機器出力装置として広く使用されている。かかる画像表示装置では、所定の限られた複数色のドットしか形成できないが、これら各色ドットを適切な割合で混在させて形成することにより、カラー画像を表現することが可能となっている。

画像表示装置に入力されるカラー画像データは、所定の各色についての画像データの組み合わせとして表現されているが、画像データの構成に用いられる所定の各色は、画像表示装置がカラー画像を表現するために用いる各色のドットの色とは、通常、異なっている。このため、各色画像データ組合せとして表現されているカラー画像データを、画像表示装置で形成可能な各色ドットの形成有無による表現形式の画像データに変換する必要があり、画像表示装置では、受け取ったカラー画像データに次のようなデータ変換を施している。

先ず、各色画像データの組合せとして表現されているカラー画像データを、画像表示装置でドットを形成可能な所定の各色による画像データに変換する。このように、所定の各色の組合せとして表現されているカラー画像データを、異なる各色の組合せによるカラー画像データに変換する処理は、第1の表色系から第2の表色系への色変換、あるいは単に色変換と呼ばれる。カラー画像データを色変換して、画像表示装置でドットを形成可能な所定の各色の組合せに一旦色変換したら、得られた各色の画像データを、各色ドットの形成有無による表現形式の画像データに変換する。こうして得られた画像データに基づいて、画像表示装置が表示媒体上に各色ドットを形成することによってカラー画像が表現される。

こうして表現されたカラー画像は、各色のドットによって表現されているので、ドットが目立つとざらざらした感じの、いわゆる粒状性の悪い画像となり画質が悪化する。このような粒状性の悪化を避けるために、目立ち難いドットを形成可能とした画像表示装置も広く使用されている。目立ち難いドットとしては、例えば、ドットの大きさが小さなドットや、あるいは淡い色のドットなどが使用される。これら目立ち難いドットを形成して画像を表現すれば、粒状性の良好な高画質の画像を表現することができる。

また、これらの目立ち難いドットは、単ドットあたりに表現する階調値、すなわちドットを形成することによる階調値の増加分が通常のドットよりも小さいことから、目立ち難いドットを利用すれば細かい階調変化を表現することが可能となり、その意味からも画質の向上を図ることができるものと考えられる。

概要

画像データの分解能不足を補って、高画質の画像を印刷する。

RGB画像データをCMY画像データに色変換し、更に小中大の各種ドットドット密度データに変換する際に、小ドットが形成される階調領域ではCMY画像データを階調値の強調された階調データに変換する。次いで、かかる階調データを小中大の各種ドットについてのドット密度データに変換する際に、強調の程度を示すパラメータを取得して、該パラメータを考慮しながら、強調の解消されたドット密度データを得る。小ドットで表現可能な分解能に対してCMY画像データの分解能が不足していても、CMY画像データを強調して色変換すれば分解能不足を補うことができるので、かかるデータをドット密度データに変換すれば、小ドットで表現可能な細かい階調表現が可能となり、高画質の画像を得ることができる。

目的

この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、小ドットあるいは淡ドットなどの目立ち難いドットを形成可能な画像表示装置において、画像表示装置の本来の性能を引き出した高画質の画像を表示可能とする技術の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換する画像処理装置であって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けて記憶している色変換テーブルと、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換する色変換手段と、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換するドット量データ変換手段とを備える画像処理装置。

請求項2

請求項1記載の画像処理装置であって、前記所定方法で階調値の強調された第2の画像データと該強調の解消されたドット量データとを対応付けて記憶しているドット量テーブルを、前記強調パラメータ毎に記憶しているドット量テーブル記憶手段を備え、前記ドット量データ変換手段は、前記強調パラメータに応じて対応する前記ドット量テーブルを参照しながら、前記第2の画像データを変換する手段である画像処理装置。

請求項3

請求項1記載の画像処理装置であって、前記階調値の強調されていない第2の画像データと該画像データに対応する前記ドット量データとを対応付けて記憶しているドット量テーブルを備え、前記ドット量データ変換手段は、前記ドット量テーブルを参照することにより、前記第2の画像データを前記ドット量データに変換した後、得られた該ドット量データを前記強調パラメータに従って補正する手段である画像処理装置。

請求項4

請求項1記載の画像処理装置であって、前記色変換テーブルは、前記第1の画像データの各色階調値に基づいて複数の領域に区分されており、該領域毎に前記強調パラメータが記憶されている画像処理装置。

請求項5

請求項1記載の画像処理装置であって、前記ドット量データ変換手段は、前記第2の画像データを、互いに大きさの異なる各種ドットについてのドット量データに変換するとともに、前記小階調ドットのドット量データとして、該各種ドットの中でもっとも小さなドットについてのドット量データに変換する手段である画像処理装置。

請求項6

請求項1記載の画像処理装置であって、前記ドット量データ変換手段は、前記第2の画像データを、互いに濃度の異なる各種ドットについてのドット量データに変換するとともに、前記小階調ドットのドット量データとして、該各種ドットの中でもっとも淡いドットについてのドット量データに変換する手段である画像処理装置。

請求項7

第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換した後、各色ドットを形成して画像を印刷する印刷部に該ドット量データを供給して該印刷部を制御する印刷制御装置であって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けて記憶している色変換テーブルと、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換する色変換手段と、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換するドット量データ変換手段と、前記ドット量データを前記印刷部に供給するドット量データ供給手段とを備える画像処理装置。

請求項8

第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換する画像処理方法であって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けている色変換テーブルを記憶しておき、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換し、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換する画像処理方法。

請求項9

第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換する方法を実現するプログラムコンピュータ読みとり可能に記録した記録媒体であって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けている色変換テーブルを記憶しておく機能と、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換する機能と、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換する機能とを実現するプログラムを記録した記録媒体。

技術分野

0001

この発明は、カラー画像データを変換する技術に関し、詳しくは、第1の表色系による画像データを、第2の表色系による画像データに変換した後、更にドット形成密度を示すドット量データに変換する技術に関する。

背景技術

0002

印刷媒体液晶画面といった表示媒体上に各色ドットを形成することでカラー画像を表現する画像表示装置は、各種画像機器出力装置として広く使用されている。かかる画像表示装置では、所定の限られた複数色のドットしか形成できないが、これら各色ドットを適切な割合で混在させて形成することにより、カラー画像を表現することが可能となっている。

0003

画像表示装置に入力されるカラー画像データは、所定の各色についての画像データの組み合わせとして表現されているが、画像データの構成に用いられる所定の各色は、画像表示装置がカラー画像を表現するために用いる各色のドットの色とは、通常、異なっている。このため、各色画像データ組合せとして表現されているカラー画像データを、画像表示装置で形成可能な各色ドットの形成有無による表現形式の画像データに変換する必要があり、画像表示装置では、受け取ったカラー画像データに次のようなデータ変換を施している。

0004

先ず、各色画像データの組合せとして表現されているカラー画像データを、画像表示装置でドットを形成可能な所定の各色による画像データに変換する。このように、所定の各色の組合せとして表現されているカラー画像データを、異なる各色の組合せによるカラー画像データに変換する処理は、第1の表色系から第2の表色系への色変換、あるいは単に色変換と呼ばれる。カラー画像データを色変換して、画像表示装置でドットを形成可能な所定の各色の組合せに一旦色変換したら、得られた各色の画像データを、各色ドットの形成有無による表現形式の画像データに変換する。こうして得られた画像データに基づいて、画像表示装置が表示媒体上に各色ドットを形成することによってカラー画像が表現される。

0005

こうして表現されたカラー画像は、各色のドットによって表現されているので、ドットが目立つとざらざらした感じの、いわゆる粒状性の悪い画像となり画質が悪化する。このような粒状性の悪化を避けるために、目立ち難いドットを形成可能とした画像表示装置も広く使用されている。目立ち難いドットとしては、例えば、ドットの大きさが小さなドットや、あるいは淡い色のドットなどが使用される。これら目立ち難いドットを形成して画像を表現すれば、粒状性の良好な高画質の画像を表現することができる。

0006

また、これらの目立ち難いドットは、単ドットあたりに表現する階調値、すなわちドットを形成することによる階調値の増加分が通常のドットよりも小さいことから、目立ち難いドットを利用すれば細かい階調変化を表現することが可能となり、その意味からも画質の向上を図ることができるものと考えられる。

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、小ドットや淡ドットを形成することで、理屈の上では細かな階調変化を表現可能となったにも関わらず、実際に表現される画像では、さほど細かな階調変化が表現されていないという問題があった。もちろん、目立ち難いドットを形成することで、ドットの目立たない高画質の画像が表現されているが、これに加えて細かな階調変化を表現することによる画質の改善効果は十分には得られていなかった。画像表示装置が持つ潜在的な性能を充分に引き出して、細かな階調変化も正確に表現可能とすれば、更に高画質の画像を表示することができると考えられる。

0008

この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、小ドットあるいは淡ドットなどの目立ち難いドットを形成可能な画像表示装置において、画像表示装置の本来の性能を引き出した高画質の画像を表示可能とする技術の提供を目的とする。

0009

上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の画像処理装置は、次の構成を採用した。すなわち、第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換する画像処理装置であって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けて記憶している色変換テーブルと、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換する色変換手段と、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換するドット量データ変換手段とを備えることを要旨とする。

0010

また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換する画像処理方法であって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けた色変換テーブルを記憶しておき、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換し、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換することを要旨とする。

0011

上記の本願発明は、小ドットあるいは淡ドット等の目立ち難いドットを形成可能な従来の画像表示装置において、画質の改善効果が充分に得られない原因を見出し、かかる知見に考察を加えることによって完成された。そこで、本願発明を、小ドットあるいは淡ドットなどの目立ち難いドットを形成可能な画像表示装置に適用することで、画像表示装置の本来の性能を引き出した高画質の画像を表示することが可能となる理由を説明する準備として、先ず、新たに見出された知見について以下に説明する。

0012

図14は、通常のドットを形成する画像表示装置において、小ドットあるいは淡ドットなどの目立ち難いドットを形成可能としても、画質の改善効果が十分には得られない場合があった理由を示す説明図である。説明を簡明にするために、ここでは、目立ち難いドットとして小ドットを形成可能であるものとし、また、画像データおよびドット形成密度のデータはいずれも8ビットデータであるものとする。

0013

図14(a)に実線で示すように、画像データの階調値が0から255まで増加すると、それに伴って、通常ドット形成密度も、形成密度「0」から形成密度「255」まで増加する。ドットの形成密度「0」とは、着目している領域にはドットが全く形成されていないことに対応し、形成密度「255」とは、着目している領域の全ての画素にドットが形成されていることを意味している。このように、画像データの階調値に応じて適した密度でドットを形成すれば、画像データに対応した画像を表現することができる。例えば、図14(a)に示すように、画像データの階調値が「A」の画像を表現するためには、通常ドットを形成密度「An」で形成すればよい。

0014

小ドットは通常ドットに比べて目立ち難いドット、すなわちドットあたりに表現する階調値が通常ドットよりも小さいドットであるから、同等の画像を表現するためには、通常ドットよりも高い密度でドットを形成しなければならない。このことから、階調値「A」の画像を表現するためには、図14(a)に一点鎖線で示すように、形成密度「An」よりも大きな密度「As」で小ドットを形成する必要がある。ここでは、同等の画像を表現するためには、小ドットは通常ドットの4倍の密度でドットを形成しなければならないものとする。

0015

図14(b)は、図14(a)の原点付近を拡大して示した説明図である。画像データの階調値が「1」の時に、通常ドットは、図中に実線で示すように、ドット形成密度「1」で形成すればよいとすると、小ドットを使用する場合は図中に一点鎖線で示すように、ドットの形成密度は「4」となる。画像データの階調値を「2」とすると、通常ドットであればドットの形成密度は「2」であるが、小ドットの場合は形成密度は「8」となる。このように、画像データの階調値を「1」ずつ増加させると、通常ドットであれば形成密度も「1」ずつ増加するのに対し、小ドットの形成密度は「4」,「8」,「12」と飛び飛びに増加してしまう。

0016

もちろん、飛び飛びに増加する途中の値、例えば、形成密度「2」あるいは形成密度「5」で小ドットを形成すれば、それぞれ階調値「0.5」あるいは「1.25」の画像データを表現することも可能であり、より細かな階調を表現する能力は有している。しかし実際には、画像データの階調値は「0」から「255」までの整数値しか取り得ず、例えば階調値「0.5」や「1.25」といった値を取ることができないことから、小ドットは飛び飛びの密度で形成されてしまい、細かい階調表現をすることができずにいるのである。

0017

以上の説明から、従来の画像表示装置において、通常のドットに加えて小ドットあるいは淡ドットを形成可能としても画質の改善効果を十分に引き出すことができない場合があったのは、次の理由によると考えることができる。すなわち、画像データの分解能が小ドットあるいは淡ドットで表現可能な分解能よりも低いために、小ドットや淡ドットを活用した細かい階調表現ができないことによるものと考えられる。もちろん、画像データを16ビットデータにするといったことによって分解能を向上させれば、小ドットや淡ドットを活用した細かな階調表現が可能となるが、画像データの分解能を向上させると、データ容量が大幅に増加するという新たな問題を生じさせる。

0018

本願発明は、以上に説明したような知見と考察とに基づいて完成されたものであり、本願発明の画像処理装置および画像処理方法は、前述した構成を有している。かかる本願発明の画像処理装置および画像処理方法は、以下に説明する理由から、画像表示装置が潜在的に有する性能を引き出して、高画質な画像を簡便に表示することが可能となる。

0019

すなわち、上述した本願の画像処理装置および画像処理方法においては、第1の画像データの階調値と第2の画像データの階調値とを対応付けて色変換テーブルに記憶しておく。また、該色変換テーブル中で、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットが形成される階調範囲の中の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けて記憶しておく。このような色変換テーブルを参照しながら、該第1の画像データを該第2の画像データおよび強調パラメータに変換し、得られた第2の画像データを、該強調パラメータを考慮することによって、強調の解消されたドット量データに変換する。

0020

かかる画像処理装置および画像処理方法においては、前記第2の画像データの階調値に所定倍率乗算することにより、階調値を強調することとしても良い。かかる方法で強調すれば、簡便に強調することができるので好適である。

0021

このように、第1の画像データを、所定方法で強調された第2の画像データに変換すれば、該第2の画像データの分解能の不足を補うことができる。各種ドットには小階調ドットも含まれているので、ドット量データは第2の画像データの分解能よりも高い分解能を有しており、所定方法で強調された分解能を保ったまま、第2の画像データをドット量データに変換することができる。その結果、第2の画像データの分解能の不足を補って、小階調ドットを活用した細かな階調変化を表現することが可能となる。

0022

かかる画像処理装置においては、前記所定方法で階調値の強調された第2の画像データと該強調の解消されたドット量データとを対応付けて記憶しているドット量テーブルを、前記強調パラメータ毎に記憶しておき、該第2の画像データとともに変換された該強調パラメータに応じて、対応する前記ドット量テーブルを参照しながら、前記第2の画像データを変換することとしてもよい。

0023

こうして、前記第2の画像データを前記ドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータに応じて予め記憶しておいたドット量テーブルを参照して変換すれば、簡便に変換することができるので好適である。

0024

かかる画像処理装置においては、前記階調値の強調されていない第2の画像データと該画像データに対応する前記ドット量データとを対応付けて記憶しているドット量テーブルを記憶しておき、該ドット量テーブルを参照して、前記第2の画像データを前記ドット量データに変換した後、得られた該ドット量データを前記強調パラメータに従って補正することとしてもよい。

0025

こうすれば、複数のドット量テーブルを記憶しておく必要がないので、記憶容量を節約することが可能となって好適である。また、階調値に所定倍率を乗算することによって強調する場合には、前記強調パラメータで除算することで、強調を容易に補正することができるので好ましい。

0026

かかる画像処理装置においては、前記第1の画像データの各色階調値に基づいて、前記色変換テーブルを複数の領域に区分しておき、該領域毎に前記強調パラメータを記憶しておくこととしても良い。

0027

こうすれば、前記色変換テーブルにおいて個々の画像データ毎に強調パラメータを記憶しておく必要がなくなり、簡便に記憶することが可能となるので好適である。

0028

かかる画像処理装置においては、前記第2の画像データを、互いに大きさの異なる各種ドットについてのドット量データに変換するとともに、前記小階調ドットのドット量データとして、該各種ドットの中でもっとも小さなドットについてのドット量データに変換することとしても良い。

0029

あるいは、前記第2の画像データを、互いに濃度の異なる各種ドットについてのドット量データに変換するとともに、前記小階調ドットのドット量データとして、該各種ドットの中でもっとも淡いドットについてのドット量データに変換することとしても良い。

0030

小さなドットあるいは、淡いドットを用いれば、細かい階調変化を表現することができるので、これらドットを前記小階調ドットとして用いることができる。従って、上記の画像処理装置を用いれば、前記第2の画像データの分解能の不足を補って、細かな階調変化を表現することが可能となるので好適である。

0031

また、印刷媒体上に各色のインクを用いて、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットを形成することによりカラー画像を印刷する印刷部に対して、ドットの形成を制御するための制御データを出力して、該印刷部を制御する印刷制御装置においては、本発明の画像処理装置を好適に適用することができる。すなわち、上述の画像処理装置は、画像データの分解能の不足を補いながら、ドット量データに変換することが可能である。従って、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットを形成可能な印刷部を制御する印刷制御装置に、かかる画像処理装置を適用すれば、該画像処理装置で得られたドット量データを制御データとして印刷部に供給することで、該印刷部の性能を引き出して高画質なカラー画像を印刷することが可能となる。

0032

また、本発明は、上述した画像処理方法を実現するプログラムコンピュータに読み込ませ、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のような記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述の画像処理方法に対応する本発明の記録媒体は、第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換する方法を実現するプログラムをコンピュータで読みとり可能に記録した記録媒体であって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けている色変換テーブルを記憶しておく機能と、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換する機能と、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換する機能とを実現するプログラムを記録していることを要旨とする。

0033

かかる記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータに読み込ませ、該コンピュータを用いて上述の各種機能を実現すれば、小ドットあるいは淡ドットの形成可能な画像表示装置が潜在的に有する性能を引き出して、高画質な画像を印刷することができる。

0034

更には、本発明は、上述した各種の画像処理方法を実現するプログラムを、文字情報によって記述したプログラムコードとして把握することも可能である。すなわち、上述の画像処理方法に対応するプログラムコードは、第1の表色系の各色階調値による第1の画像データを、第2の表色系の各色階調値による第2の画像データに色変換し、得られた該第2の画像データを、該第2の画像データの分解能よりも小さな階調値を表現可能な小階調ドットを含み且つ単ドットあたりに表現可能な階調値の異なる各種ドットについてのドット形成密度を示したドット量データに変換する方法を記述したプログラムコードであって、前記第1の画像データの階調値と、該第1の画像データに対応する前記第2の画像データの階調値とを対応付けて記憶するとともに、前記小階調ドットが形成される階調範囲の少なくとも一部においては、該第2の画像データに代えて、該第2の画像データの階調値を所定方法で強調した階調値と該強調の程度を示す強調パラメータとを、該第1の画像データに対応付けている色変換テーブルを記憶しておく機能と、前記色変換テーブルを参照することにより、前記第1の画像データを、前記第2の画像データと、該画像データについての前記強調パラメータとに変換する機能と、前記変換された第2の画像データを前記各種ドットについてのドット量データに変換するに際して、前記強調パラメータを考慮することにより、前記強調の解消されたドット量データに変換する機能とを実現する方法を記述していることを要旨とする。

発明を実施するための最良の形態

0035

本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って以下に説明する。
A.実施の形態:
B.装置構成
C.画像処理概要
D.本実施例の色変換処理
E.本実施例のドット量データ変換処理
F.変形例:

0036

A.実施の形態:図1を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図1は、印刷システムを例にとって、本発明の実施の形態を説明するための説明図である。本印刷システムは、画像処理装置としてのコンピュータ10と、カラープリンタ20等から構成されている。コンピュータ10は、デジタルカメラカラースキャナなどの画像機器からRGBカラー画像階調画像データを受け取ると、該画像データを、カラープリンタ20で印刷可能な各色ドットの形成有無により表現された印刷データに変換する。かかる画像データの変換は、プリンタドライバ12と呼ばれる専用のプログラムを用いて行われる。尚、RGBカラー画像の階調画像データは、各種アプリケーションプログラムを用いてコンピュータ10で作成することもできる。

0037

プリンタドライバ12は、解像度変換モジュール色変換モジュール,ドット量データ変換モジュール階調数変換モジュール,インターレースモジュールといった複数のモジュールから構成されている。

0038

色変換モジュール14は、RGB各色によって表現された画像データに色変換を行うことによって、カラープリンタ20が形成可能なドットの色、すなわちシアン(C)色,マゼンタ(M)色,イエロ(Y)色の各色による画像データに変換する。尚、カラープリンタ20では、これら各色に加えて黒色(K)のドットを形成可能としても良い。かかる色変換は、色変換テーブル15と呼ばれる3次元数表を参照することで迅速に行うことができる。つまり、色変換テーブル15にはRGB各色の階調値の組合せに対して、対応するC,M,Y各色の階調値が設定されており、このような色変換テーブルを参照することによって、R,G,B各色の画像データをC,M,Y各色の画像データに変換することができる。図1で、RGB入力を横軸に取り、C,M,Y各色出力縦軸に取って示した実線のグラフは、R,G,B各色階調値の組合せを決めると、C,M,Y各色の階調値を求めることができるという色変換テーブル15の機能を概念的に表現したものである。尚、ここでは説明が煩雑化することを避けるために、色変換テーブルにはC,M,Y各色の階調値が設定されているものとしたが、C,M,Y各色に加えて黒(K)色の階調値を設定しても構わない。色変換モジュールについては、後ほど詳しく説明する。

0039

ドット量データ変換モジュール16は、色変換モジュール14からC,M,Y各色の画像データを受け取って、カラープリンタ20が形成可能なドットの種類毎に、各種ドットを形成すべき密度に相当するデータに変換するモジュールである。カラープリンタ20は、ドットの目立たない高画質の画像を印刷可能とするために、通常の大きさのドットに加えて小さなドットも形成可能となっている。ここでは、それぞれのドットを大ドット、小ドットと呼ぶ。ドット量データ変換モジュール16は、受け取ったC,M,Y各色の画像データを、画像データの階調値に応じて、各色毎に小ドットおよび大ドットについてのドット量データに変換する。

0040

このような変換は、ドット量テーブル17と呼ばれる1次元の数表を参照することで迅速に行うことができる。ドット量テーブル17にはC,M,Yの各色毎に、画像データの階調値に対して、対応する小ドットおよび大ドットのドット形成密度に相当するドット量が設定されており、このようなテーブルを参照することで、画像データを小ドットおよび大ドットのドット量データに各色毎に変換することができる。図1で、C,M,Y入力を横軸に取り、ドット量の出力を縦軸に取って示した実線のグラフは、このようなドット量テーブル17の機能を概念的に表現したものである。尚、ここでは説明が煩雑化を避けるために、カラープリンタ20は小ドットと大ドットのみ形成可能としたが、より多くの種類のドットを形成しても構わない。ドット量データ変換モジュールについては、後ほど詳しく説明する。

0041

以上のようにして、階調データ変換モジュールでドット量データに変換された画像データは、階調数変換モジュールおよびインターレースモジュールで更に所定の変換を施され、印刷データに変換される。これら各モジュールについては後述する。カラープリンタ20は、こうして得られた印刷データに基づいて、印刷媒体上に各色インクドットを形成することによってカラー画像を印刷する。

0042

カラープリンタ20は大ドットに加えて小ドットを形成することができるので、その分だけ細かな階調変化を表現することが可能となっている。ところが、前述したように、RGB画像データを色変換して得られるCMY各色画像データの分解能が低いままでは、小ドットを活用して細かな階調変化を表現することは困難である。

0043

これに対して、本実施例の色変換モジュール14が参照する色変換テーブル15は、RGB画像データが大きな階調値となるハイライト領域では、C,M,Y各色の階調値に所定倍率を乗算した値が設定されている。もちろん、所定倍率を乗算するに限らず、例えば指数関数を利用するなど他の方法を用いて強調することもできる。図1の色変換テーブル15では、所定倍率をかけたCMY階調値を一点鎖線で概念的に示している。また、参考として、通常の値のCMY階調値を破線で示す。ハイライト領域は小ドットが主に形成されるので、画像データの分解能の不足が目立ち易い領域である。そこで、このような領域ではC,M,Y各色の階調値に所定倍率を乗算することで、分解能の不足を補うのである。

0044

例えば、階調値の分解能を「1」とすると、階調値0から10の範囲では10段階の階調変化しか表現し得ないが、倍率「2」を乗じて階調値0から20の範囲に拡大すれば、分解能が「1」であっても20段階の階調変化を表現することが可能となる。本実施例の色変換モジュール14では、RGB画像データを対応するCMY画像データに色変換するとともに、小ドットが主に形成される領域では、所定倍率を乗算した画像データに変換して、続くドット量データ変換モジュール16に出力する。このときに、CMY画像データとともに、倍率情報、すなわち本来のCMY画像データに乗算された倍率に関する情報も出力する。

0045

本実施例のドット量データ変換モジュール16では、CMY画像データとともに供給されてきた倍率情報を考慮しながら、CMY各色の画像データを小ドットおよび大ドットについてのドット量データに変換する。すなわち、画像データとともに供給された倍率情報が「1」であれば、通常の場合と同様に、図1に実線で示すドット量テーブルを用いて変換し、倍率情報が例えば「2」であれば、一点鎖線で示したドット量テーブルを用いて変換する。こうすれば、色変換モジュール14でCMY画像データが所定倍されていても、これを補正して正しいドット量データに変換することができる。

0046

このように、画像データに所定倍率を乗算しておき、ドット量データに変換する際にこれを補正することとすれば、画像データの分解能の不足を補って、小ドットを活用した細かな階調表現が可能となる。すなわち、所定倍率を乗算することで階調値の分解能を増加しておけば、小ドットで表現可能な階調値の分解能は画像データの分解能より高いので、増加した分解能を維持したままドット量データに変換することができるので、小ドットを活用した細かな階調表現が可能となるのである。以下では、このように画像データの分解能の不足を補って、小ドットを活用した細かな階調表現を可能とする方法について、実施例を用いて詳細に説明する。

0047

B.装置構成:図2は、本実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続して構成された周知のコンピュータである。

0048

コンピュータ100には、フロッピー登録商標ディスク124やコンパクトディスク126のデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インターフェースPIF108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースVIF112等が接続されている。PIF108には、後述するカラープリンタ200や、ハードディスク118等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をPIF108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。

0049

図3は、第1実施例のカラープリンタ200の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ200はシアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタである。もちろん、これら4色のインクに加えて、染料濃度の低いシアン(淡シアン)インクと染料濃度の低いマゼンタ(淡マゼンタ)インクとを含めた合計6色のインクドットを形成可能なインクジェットプリンタを用いることもできる。更には、暗いイエロインクダークイエロ)によるインクドットを形成可能なインクジェットプリンタを用いることもできる。尚、以下では場合によって、シアンインクマゼンタインク,イエロインク,ブラックインク,淡シアンインク,淡マゼンタインク,ダークイエロインクのそれぞれを、Cインク,Mインク,Yインク,Kインク,LCインク,LMインク,DYインクと略称するものとする。

0050

カラープリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回路260とから構成されている。

0051

キャリッジ240には、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247に供給される。各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247には、48個のノズルNz が一定のノズルピッチkで配列されたノズル列が1組ずつ設けられている。

0052

制御回路260は、CPU261とROM262とRAM263等から構成されており、キャリッジモータ230と紙送りモータ235の動作を制御することによってキャリッジ240の主走査副走査とを制御するとともに、コンピュータ100から供給される印刷データに基づいて、各ノズルから適切なタイミングでインク滴を吐出する。カラープリンタ200は、こうして制御回路260の制御の下、印刷媒体上の適切な位置に各色のインクドットを形成することによって、カラー画像を印刷することができる。

0053

尚、各色のインク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。

0054

カラープリンタ200は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御することができる。以下、カラープリンタ200で大きさの異なるインクドットを形成している方法について説明するが、その準備として、先ず、各色インクを吐出するノズルの内部構造について説明する。図4(a)は各色インクを吐出するノズルの内部構造を示した説明図である。各色のインク吐出用ヘッド244ないし247には、このようなノズルが複数設けられている。図示するように、各ノズルにはインク通路255と、インク室256とが設けられ、各インク室の上にはピエゾ素子PEが設けられている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を経由して、インク室256に供給される。ピエゾ素子PEは、周知のように電圧印加すると、結晶構造が歪んで極めて高速電気機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間所定波形の電圧を印加することで、インク室256の側壁を変形させる。その結果、インク室256の容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzから吐出される。このインク滴Ipがプラテン236に装着された印刷用紙Pに染み込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。

0055

図4(b)は、ピエゾ素子PEに印加する電圧波形を制御することで、吐出するインク滴の大きさを変更する原理を示した説明図である。ノズルからインク滴Ipを吐出するためには、ピエゾ素子PEに負の電圧を印加してインクギャラリ257からインク室256内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正電圧を印加してインク室容積を減少させて、インク滴Ipを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適正であればインク室容積の変化量に相当するインクが流入するが、吸引速度が速すぎると、インクギャラリ257とインク室256との間には通路抵抗があるためにインクギャラリ257からのインクの流入が間に合わなくなる。その結果、インク通路255のインクがインク室内に逆流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態となる。図4(b)に実線で示した電圧波形aは、適正な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電圧波形bは適正速度より大きな速度で吸引する波形の一例を示している。

0056

充分なインクがインク室256内に供給された状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加すると、インク室256の容積減少に相当する体積のインク滴IpがノズルNzから吐出される。これに対して、インクの供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク滴となる。このように、本実施例のカラープリンタ200では、インク滴の吐出前に印加する負の電圧波形を制御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するインク滴の大きさを制御し、大ドット,小ドットの2種類のインクドットを形成することが可能となっている。

0057

もちろん、2種類に限らずより多種類のドットを形成することも可能である。更には、微細なインク滴を一度に複数吐出して、吐出するインク滴の数を制御するといった方法を用いて、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御してもよい。あるいは、複数のインクドットを重ねて形成することでインクドットの大きさまたはドットの濃さを制御することも可能である。

0058

以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、印刷データに従って、キャリッジ240の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラープリンタ200は印刷用紙上にカラー画像を印刷している。

0059

C.画像処理の概要:図5は、本実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100が、受け取った画像データに所定の画像処理を加えることにより、印刷データに変換する処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、コンピュータ100のオペレーティングシステムがプリンタドライバ12を起動することによって開始される。以下、図5に従って、本実施例の画像処理について簡単に説明する。

0060

プリンタドライバ12は、画像処理を開始すると、先ず初めに、変換すべきRGBカラー画像データの読み込みを開始する(ステップS100)。次いで、取り込んだ画像データの解像度を、カラープリンタ200が印刷するための解像度に変換する(ステップS102)。カラー画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行うことで隣接画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって画像データの解像度を印刷解像度に変換する。

0061

こうして解像度を変換すると、カラー画像データの色変換処理を行う(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組み合わせによって表現されているカラー画像データを、C,M,Y,Kなどのカラープリンタ200で使用する各色の階調値の組み合わせによって表現された画像データに変換する処理である。色変換処理は、色変換テーブルと呼ばれる3次元の数表を参照することで迅速に行うことができる。詳細には後述するが、本実施例の色変換処理で参照する色変換テーブルには、CMYK各色階調値が小さな値を取る領域では、予め所定倍率を乗算した階調値と、該所定倍率の値とが設定されている。こうすることで、主に小ドットが形成される領域で、画像データの分解能が不足することを補って、小ドットを活かした細かい階調変化を表現することが可能となる。

0062

尚、色変換テーブルに設定される各色階調値は、必ずしもC,M,Y,K各色の階調値に限られず、例えばC,M,Yの3色の階調値を設定しておき、色変換によって得られたC,M,Y各色の階調データに、下色除去と呼ばれる処理を行って、C,M,Y,K各色の階調値を求めても良い。あるいは、C,M,Y,K各色ドットに加えて、LC,LMドットを形成可能なカラープリンタでは、これらの6色分の階調値を設定しておいても良い。

0063

こうして色変換処理を終了すると、ドット量データ変換処理を開始する(図5のステップS106)。ドット量データ変換処理とは、色変換処理で得られた各色の画像データを、プリンタが印刷用紙上に形成可能な各種ドットについてのドット密度を示すドット量データに変換する処理である。本実施例のカラープリンタ200では、小ドット,中ドット,大ドットの3種類のドットを形成可能であることに対応して、ステップS106のドット量データ変換処理では、各色の画像データを、小ドット,中ドット,大ドットの各ドットについてドット密度を示すドット量データに変換する。

0064

前述したように、本実施例の色変換処理では画像データの分解能の不足を補うために、各色階調値に所定倍率が乗算されている場合があるので、ドット量データ変換処理では、各色階調値とともに倍率情報、すなわち各色階調値に乗算されている所定倍率の値についての情報を受け取って、これを考慮しながら、適切なドット量データに変換している。ドット量データ変換処理については後で詳しく説明する。

0065

以上のようにして、色変換処理およびドット量データ変換処理を終了すると、次は階調数変換処理を開始する(ステップS108)。階調数変換処理とは次のような処理である。色変換処理およびドット量データ変換処理によって、RGB画像データは、C,M,Y,Kの各色の大ドットおよび小ドットについて、印刷用紙上に形成すべきドット密度を示すドット量データに変換されている。これらドット量データは、階調値0から255の256階調を有するデータとして表現されている。これに対し、本実施例のカラープリンタ200は、各色毎に大小2種類のドットを形成可能であるとは言え、各ドット種類に着目すれば「ドットを形成する」,「ドットを形成しない」のいずれかの状態しか採り得ない。そこで、各ドット種類毎に256階調を有するドット量データを、カラープリンタ200が表現可能な2階調で表現された画像データに変換する必要がある。このような階調数の変換を行う処理が階調数変換処理である。階調数変換処理を行う手法には、誤差拡散法がもっとも一般的に使用されるが、もちろん組織的ディザ法など、他の周知な方法を適用することも可能である。

0066

こうして階調数変換処理を終了したら、プリンタドライバはインターレース処理を開始する(ステップS110)。インターレース処理とは、ドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、ドットの形成順序を考慮しながらカラープリンタ200に転送すべき順序に並べ替える処理である。プリンタドライバは、インターレース処理を行って最終的に得られた画像データを、印刷データとしてカラープリンタ200に出力する(ステップS112)。カラープリンタ200は、印刷データに従って、各色のインクドットを印刷媒体上に形成する。その結果、画像データに対応したカラー画像が印刷媒体上に印刷される。

0067

以上に説明したように、本実施例の画像処理装置では、C,M,Y,K各色画像データの分解能の不足を補うために、階調値に所定倍率が乗算された特殊な色変換テーブルを参照して色変換を行い、続くドット量データ変換処理では、階調値に所定倍率が乗算されていることを補正して、適切なドット量データに変換する。すなわち、画像データの分解能の不足が目立ち易いハイライト領域では、各色階調値に所定倍率を乗算することで、見かけ上の分解能を向上させ、続いてドット量データに変換する際に、所定倍率が乗算されていることを補正するのである。ドット量データは、画像データよりも分解能が高いことから、かかる補正を行っても、分解能を維持したまま適切なドット量データに変換することができる。こうして得られたドット量データに基づいて、大ドット,中ドット,小ドットの各種ドットを形成すれば、画像データの分解能の不足を補って、小ドットを活用した細かな階調変化を表現した高画質な画像を印刷することができる。

0068

C.本実施例の色変換処理:
C−1.色変換テーブル:本実施例の色変換処理について説明する準備として、先ず色変換テーブルについて説明する。図6は、色変換テーブルを概念的に示した説明図である。RGB各色の階調データを8ビットデータとして、これらを互いに直交する3軸に採れば、各階調値は0から255の値を採り得るから、全てのRGB画像データは一辺の長さが255の立方体内にある座標点として表すことができる。このような立方体は色立体と呼ばれる。本実施例の色変換テーブルは、色立体を格子状に細分し、各格子点の位置に、CMYK階調値の組合せと倍率情報とを記憶した3次元の数表である。図6には、色変換テーブルの格子点に、CMYK各色の階調値c,m,y,kと、階調値を解釈する際の倍率情報nとが記憶されている様子を概念的に示している。

0069

ここで、倍率情報とは次のような数値である。例えば、倍率情報nの値が「1」である場合は、格子点に記憶されている各色の階調値c,m,y,kの組合せが、そのまま格子点の座標に相当する色彩を表すCMYK画像データとなっている。倍率情報nが「2」の場合は、格子点に記憶されている各色の階調値は、格子点の座標に相当する色彩を表すCMYK画像データの各色成分を2倍した値となっていることを示している。このように、本実施例の色変換テーブルの各格子点には、格子点のRGB画像データに対応するCMYK各色階調値をn倍した階調値が記憶されていて、読み出した階調値が何倍されているかは、階調値とともに記憶されている倍率情報から知ることができるようになっている。

0070

図6でW点の周辺にあるハッチングを付した領域、すなわちRGB座標値が大きな値となる領域の格子点では、倍率情報nは大きな値(ここでは、値「2」とする)に設定されている。これは、この領域にある格子点は明るい色彩を表しており、画像の印刷時には主に小ドットが形成されるので、分解能の不足が目立ち易く、従って、この様な領域ではCMYK各色階調値に所定倍率をかけて、分解能の不足を補っているためである。

0071

図6でハッチングを付さないその他の領域では、倍率情報nは値「1」に設定されている。これは、このような領域の色彩を印刷すると、中ドットおよび大ドットが形成されて、小ドットが主に形成される場合のようには、分解能の不足が目立ち難く、従って、CMYK各色階調値に倍率情報を乗算して分解能の不足を補う必要性に乏しいためである。

0072

尚、本実施例では説明が煩雑となるのを避けるために、倍率情報nは「1」あるいは「2」の2つの値しか採らないものとして説明するが、もちろん、より多くの値を取るものとしても構わない。このような場合でも、RGB座標値が大きな値となる格子点ほど、倍率情報nは大きな値に設定されている。

0073

C−2.色変換処理の内容:上述の色変換テーブルを参照して行う本実施例の色変換処理について説明する。図7は、本実施例の色変換処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図5に示した画像処理の中でコンピュータ100のCPU102によって実行される。以下、図7のフローチャートに従って説明する。

0074

CPU102は色変換処理を開始すると、解像度変換処理図5のステップS102参照)を行って印刷解像度に変換されたRGB画像データを読み込む(ステップS200)。

0075

次いで、図6に示した色変換テーブルを参照して、読み込んだRGB画像データに対応する座標点を内包している小立方体dVを検出する(ステップS202)。小立方体dVとは、色立体を格子状に細分して得られた1つ1つの立方体を言う。前述したように、RGB画像データは必ず色立体内の座標点として表現することができるから、読み込んだ画像データの座標点を内包する小立方体dVを1つ検出することができる。尚、RGB画像データの座標点が複数の小立方体の面上に含まれたり、あるいは小立方体の頂点と一致するような特殊な場合は、これら複数の小立方体のいずれかに含まれているとして取り扱う。もちろん、このような特殊なケースでは、専用の処理を行うことで処理速度を向上させることもできるが、ここでは説明が煩雑になることを避けるため、いずれかの小立方体に含まれているものとして取り扱う。

0076

RGB画像データの座標点を内包する小立方体dVを検出したら、その小立方体の各頂点に記憶されているCMYK階調値および倍率情報を読み込む(ステップS204)。図6を用いて前述したように、本実施例の色変換テーブルの各格子点には、必要に応じて、CMYK各色階調値に所定倍率を乗算した値を記憶しておくことが可能であり、このことから、ステップS204で読み込んだ各格子点のデータは、異なる倍率が乗算されている場合がある。読み込んだ各色階調値の倍率が異なっていると、各格子点の階調値から座標点の階調値を正しく補間することができない。

0077

そこで、各格子点に記憶されている各色階調値と倍率情報とを読み込んだら、倍率情報が各格子点で同一の値となっているか否かを判断し(ステップS206)、倍率情報が同一でない場合には、各格子点に記憶されている階調値の倍率を同じ倍率に修正する(ステップS206)。

0078

図8は、各格子点の倍率情報に基づいて、各色階調値の倍率を同じ値に修正する方法を示す説明図である。図中の×印は、RGB画像データ(r,g,b)に対応する座標点を示し、ハッチングを付した正方形は、該座標点を内包する小立方体dVを示している。小立方体には6つの頂点が有るが、説明の便宜から、図8では小立方体dVが4つの頂点S,T,U,Vを有するものと簡略化して表している。小立方体の頂点S,T,Uには倍率情報として値「n1」が記憶されており、頂点Vには倍率情報として「n1」よりも大きな値「n2」が記憶されている。このように、各格子点に記憶されている階調値の倍率が異なっていたのでは、これらを補間して×印で示した座標点の階調値を求めることはできないので、頂点Vに記憶されている各色階調値の倍率を、他の頂点の倍率と同じになるように引き下げる処理を行う。こうして修正した頂点Vの新たな階調値(rvc,gvc,bvc)は、次式によって容易に算出することができる。
rvc=rv ・(n1/n2)
gvc=gv ・(n1/n2)
bvc=bv ・(n1/n2)

0079

尚、以上の説明では、倍率情報として大きな値が記憶されている格子点のデータを、小さな倍率情報の格子点のデータに修正するものとしたが、もちろん、小さな倍率情報のデータを大きな倍率情報のデータに修正しても構わない。また、小立方体の各頂点を倍率情報ごとに比較して、個数の少ない頂点の倍率を個数の多い頂点の倍率と一致するように修正しても構わない。

0080

こうして小立方体の各頂点に記憶されている階調値を修正して、同じ倍率に合わせた後、これら各色階調値を補間することによって、RGB画像データに対応するCMYK階調値を算出する(ステップS208)。こうして算出したCMYK階調値の倍率情報は、ステップS206で修正した倍率情報と一致している。

0081

以上のようにして、1つのRGB画像データを、CMYK各色階調値および倍率情報に変換したら、前画像データの変換を終了したか否かを判断し(ステップS210)、未処理の画像データが残っていれば、ステップS200に戻って続く一連の処理を繰り返す。全画像データの処理を終了したら、前述したドット量データ変換モジュールに、各色の階調データと倍率情報とを出力し(ステップS212)、全データを出力したら、図7の色変換処理を抜けて、図5に示した画像処理に復帰する。

0082

D.本実施例のドット量データ変換処理:以下、本実施例の画像処理中で行うドット量データ変換処理について説明する。ドット量データ変換処理は、ドット量テーブルと呼ばれる1次元の数表を参照することによって行う。そこで、ドット量データ変換処理を説明する準備として、先ずドット量テーブルについて説明する。

0083

D−1.ドット量テーブル:図9は、本実施例のドット量データ変換処理で参照するドット量テーブルを概念的に示した説明図である。本実施例のドット量データ変換処理では、2つのドット量テーブルを切り換えながら階調データをドット量データに変換する。これは、前述したように、本実施例の色変換テーブルには、倍率情報「1」の階調値と倍率情報「2」の階調値との2種類のデータが記憶されていることに対応するものである。図9(a)は、倍率情報「1」に対応するドット量テーブルを概念的に示したものであり、図9(b)は倍率情報「2」に対応するドット量テーブルを概念的に示したものである。このように、色変換テーブルに記憶されている倍率情報の種類に応じて、対応するドット量テーブルを参照しながらドット量データに変換する。

0084

先ず、図9(a)を参照して、ドット量テーブルについて説明する。図示されているように、ドット量テーブルは、画像データの階調値に対応付けて、各種ドットを形成すべき密度に相当する値を記憶した数表である。例えば、画像データの階調値D1 に対しては、小ドットのドット量データD1sと、中ドットのドット量データD1mとが対応する。また、画像データの階調値D2 に対しては、中ドットのドット量データD2mと、大ドットのドット量データD2Lとが対応する。図9(a)は倍率情報が「1」である場合に参照されるドット量テーブルであり、ドット量テーブルに記憶されている密度で各種ドットを形成すれば、画像データに示す階調値の画像を表現することができる。

0085

図9(b)は、倍率情報「2」の場合に参照されるドット量テーブルを概念的に示した説明図である。図9(b)中に細い破線で示したのは、倍率情報「1」の場合に参照するドット量テーブルである。図示されているように、倍率情報「2」の場合に参照するドット量テーブルは、倍率情報「1」の場合に参照するドット量テーブルを、横方向(階調値軸の方向)にちょうど2倍に引き延ばしたものとなっている。つまり、倍率情報「2」の場合にドット量データがDd となる階調値Dd2は、倍率情報「1」の場合に同じドット量データとなる階調値Dd1の、ちょうど2倍の値となるように設定されている。同様に、倍率情報「n」のドット量テーブルは、倍率情報「1」のドット量テーブルを横方向にn倍したようなテーブルとすればよい。

0086

D−2.ドット量データ変換処理:本実施例のドット量データ変換処理では、上述したドット量テーブルを、倍率情報に応じて切り換えながら、CMYK各色の階調データを小ドット,中ドット,大ドットの各種ドットについてのドット量データに変換する。

0087

図10は、本実施例のドット量データ変換処理の流れを示すフローチャートである。尚、かかる処理は、色変換処理によって得られたCMYK各所毎に行われるが、ここでは説明の煩雑化を避けるために、色は特定せずに説明する。

0088

ドット量データ変換処理を開始すると、先ず初めに色変換処理を行った各色の階調データと倍率情報とを読み込む(ステップS300)。次いで、読み込んだ倍率情報に基づいて、参照すべきドット量テーブルを選択する(ステップS302)。すなわち、図9に示したように、本実施例では、階調データの倍率情報が「1」の場合に参照するドット量テーブルと、倍率情報が「2」の場合に参照するドット量テーブルとが用意されているので、ステップS300で読み込んだ階調データの倍率情報に基づいて、いずれのドット量テーブルを参照するかを選択するのである。

0089

こうして、選択したドット量テーブルを参照して、階調データを、小ドット,中ドット,大ドットの各種ドットについてのドット量データに変換する(ステップS304)。例えば、読み込んだ階調データが、倍率情報「1」のデータである場合は、図9(a)に示したドット量データを参照して各種ドット量データを得る。こうして得られたドット量データに基づいて各種ドットを形成すれば、階調データに対応する画像を表現することができる。

0090

読み込んだ階調データが倍率情報「2」である場合、かかるデータのCMYK各色階調値は、RGB画像データに対応して同等の色彩を表現するCMYK画像データの階調値に、倍率2が乗算された値となっている。このような場合は、図9(b)に示したドット量テーブルを参照することで、適切な各種ドットのドット量データを得ることができる。すなわち、前述したように、図9(b)のドット量テーブルは、図9(a)のドット量テーブルの横軸(階調値)をちょうど2倍したテーブルとなっているので、このようなドット量テーブルを参照することで、階調値に倍率2が乗算されていることを補正して適切なドット量データを得ることができるのである。

0091

読み込んだ階調データを各種ドットについてのドット量データに変換したら、前画像データの変換を終了したか否かを判断し(ステップS306)、未処理の画像データが残っていれば、ステップS300に戻って続く一連の処理を繰り返す。全画像データの処理を終了したら、得られた各種ドットについてのドット量データを前述した階調数変換モジュールに出力し(ステップS308)、全データを出力したら、図7の色変換処理を抜けて、図5に示した画像処理に復帰する。

0092

こうして得られた各種ドットのドット量データに、階調数変換処理を施して各種ドットについてのドット形成有無を判断した後、カラープリンタ20がドットを形成する順序を考慮して、データの順番並べ換えた後、印刷データとして出力する。カラープリンタ20は、こうして得られた印刷データに基づいて各種ドットを形成することにより、画像データに対応した画像を印刷する。

0093

以上に説明したように、本実施例の画像処理においては、色変換テーブルの各格子点に、倍率情報付きの階調データを記憶しておき、色変換処理ではかかる色変換テーブルを参照することで、倍率情報付きのCMYK階調データに変換する。次いで、倍率情報に対応したドット量テーブルを参照しながら、CMYK階調データを各種ドットについてのドット量データに変換する。こうすれば、以下に示すように、階調データの分解能の不足を補うことができる。

0094

例えば、図11は、階調データに対して小ドットのドット量データが設定されている様子を拡大して示した説明図である。図11で太い破線で示しているのは、倍率情報「1」の場合のドット量データであり、太い実線で示しているのが、倍率情報「2」の場合のドット量データである。

0095

一例として、倍率情報「2」の階調データVaをドット量データに変換する場合を考える。階調データVaは、0から255の範囲の整数値を採ることができる。図11で太い実線で示した値を参照して、小ドットのドット量データは、Daと求めることができる。ここで、本実施例の画像処理のように、倍率情報を用いない通常の方法で処理する場合を考える。階調データVaは本来の階調データに倍率2を乗算した値であるから、倍率情報を用いない場合は、階調データVa/2となる。ところが、階調データは整数値しか採り得ないから、Vaが奇数の場合はVbあるいはVcいずれかの値に丸められてしまう。このように階調データが丸められてしまうと、ドット量データはDbあるいはDcのいずれかの値しか採ることができず、本来の値であるDaを採ることができなくなってしまう。このことを逆から見て、例えば、色変換処理で補間によって得られた階調値がVa/2である場合、階調値は整数値しか採り得ないので、VbあるいはVcのいずれかの値に丸めざるを得ないが、本実施例のように倍率2を乗算した階調値Vaを求めて、ドット量データに変換する際にこれを修正すれば、階調値の分解能を2倍に向上させて、VbとVcとの間の値Va/2を採り得るようにしたことと、実質的に同様の効果を得ることができるのである。

0096

尚、以上の説明では、階調値を2倍しているので、分解能を実質的に2倍に向上させたのと同様の効果が得られたが、同様の原理から、階調値をn倍すれば、各種ドットの表現可能な範囲で分解能をn倍に向上させたのと同様の効果を得ることができる。

0097

E.変形例:上述した本実施例の画像処理には種々の変形例が存在する。以下では、これら各種の変形例について簡単に説明する。

0098

E−1.第1の変形例:上述の実施例では、倍率情報nは、色変換テーブルの各格子点毎に設定されているものとして説明した。もっとも、前述したように、画像の色彩が明るくなるほど大きな倍率情報が設定されており、同じ倍率情報の格子点は固まって存在する傾向があることから、各格子点毎に倍率情報を記憶しておくのではなく、色変換テーブル内の領域毎に倍率情報を記憶しておくこととしても良い。

0099

図12は、色変換テーブルの領域毎に倍率情報が記憶されている様子を概念的に示した説明図である。図12は、3次元の色変換テーブルは模式的に2次元で表したものである。正方形を細い破線で区分しているのは、色立体が格子状に細分されている様子を模式的に示したものである。図中で「K」と表示されている頂点付近明度の低い(暗い)色彩の画像領域であり、図中で「W」と表示されている頂点付近が明度の高い(明るい)色彩の画像領域である。図に例示するように、頂点Wにもっとも近い領域を領域3とし、その外側を領域2,その他を領域1として、領域3の属する格子点は倍率情報「4」、領域2の属する格子点は倍率情報「2」、領域1の属する格子点は倍率情報「1」と記憶しておいても良い。

0100

このように、領域毎に倍率情報を記憶すれば、色変換テーブルの各格子点にはCMYK階調データのみを記憶しておけばよいので、色変換テーブルの記憶に要するメモリ容量を節約することができるので好適である。

0101

また、こうして色変換テーブルの領域毎に倍率情報を記憶しておく場合、領域の境界面に存在する格子点については、領域の前後の倍率情報に対応する階調データを重ねて記憶しておくようにしても良い。図12に示した例では、領域1と領域2の境界面上に、格子点a,b,c,dが存在しているが、これら格子点については、倍率情報「1」の階調値と、倍率情報「2」の階調値とを二重に記憶しておくこととしても良い。

0102

色変換処理において、格子点に記憶されている階調値から補間によって座標点の階調値を算出する際に、格子点が複数の領域の境界(例えば、領域1と領域2との境界)上に存在する場合、かかる格子点は、領域1あるいは領域2のいずれに存在する座標点の補間においても参照される。このような場合、図7を用いて前述した色変換処理では、各格子点の倍率情報をそろえる処理を行ったが(図7のステップS206)、領域1の倍率情報の階調値と、領域2の倍率情報の階調値とを二重に記憶しておけば、適切な方の階調値を選択するだけで足りるので、処理を迅速に行うことが可能となって好適である。

0103

E−2.第2の変形例:前述した実施例では、倍率情報に応じて、適切なドット量テーブルを参照することとしたが、ドット量テーブルを切り換えるのではなく、ドット量テーブルを参照して求めたドット量データを倍率情報を用いて修正することも可能である。すなわち、ドット量テーブルは、図9(a)に例示したような倍率情報「1」に対応するテーブルのみ記憶しておき、かかるテーブルを参照して得られたドット量データを以下に説明するようにして修正しても良い。

0104

図13は、倍率情報「1」のドット量テーブルを参照して得られたドット量データを、倍率情報に基づいて修正する原理を示す説明図である。図13中に、太い実線で示しているのは小ドットのドット量データであり、太い破線で示しているのは中ドットのドット量データであり、太い一点鎖線で示しているのは大ドットのドット量データである。これらは、全て倍率情報「1」に対応するドット量データである。

0105

ここで、倍率情報「1」の階調データの値がV1 であるとすると、図13に示したドット量テーブルを参照して、小ドットのドット量データD1sと求めることができる。尚、階調データV1 に対しては、中ドット及び大ドットのドット量データはいずれも0であるので、表示を省略している。

0106

階調データV1 は、倍率情報「2」の格子点では階調データV2 (=2・V1)として記憶される。ここでは、ドット量テーブルは単一のテーブルを用いるものとしているから、階調データV2 は、小ドットについてのドット量データD2s、および中ドットについてのドット量データD2mに変換される。第2の変形例のドット量データ変換処理では、こうして得られた各種ドットのドット量データを倍率情報の値で除算することによって、適切なドット量データに修正する。例えば、倍率情報「2」の階調データV2 については、ドット量テーブルを参照して得られるドット量データD2s,D2mを、それぞれ倍率情報の値2で除算するのである。見方を変えれば、前述のドット量データ変換処理では、倍率情報に応じてドット量テーブルを横方向(階調値方向)に拡大したドット量テーブルを参照したが、第2の変形例においては、ドット量テーブルを縦方向(ドット両手データの方向)に倍率情報に応じて圧縮したテーブルを参照していると考えることもできる。図13には、各種の太線で示されたドット量テーブルを、矢印で示すように倍率情報に応じて圧縮し、細線で示すドット量テーブルを算出している様子を概念的に示している。

0107

もちろん、倍率情報「1」の階調データV1 に対して得られたドット量データD1sと、倍率情報「2」の階調データV2 に対して得られたドット量データD2s/2およびD2m/2とは完全には一致しないが、ドット量データD2s/2およびD2m/2を用いて形成された画像は、ドット量データD1sを用いて形成した画像とほぼ同様の階調値を表現しており、画質に大きな影響を与えることなく近似として十分に代用することができる。

0108

また、かかる第2の変形例においては、階調値を所定倍する範囲を、充分に明るい画像(すなわち、CMYK階調値が充分に小さな値となる範囲)に限って、所定倍された階調値をドット量データに変換しても、中ドットが形成されないようにしてもよい。図13に示すように、階調値の小さな領域では、小ドットのドット量データはほぼ線形性を保っているので、ドット量データを倍率情報で除算する補正を行うことで、本来のドット量データを充分な精度で近似することが可能となって好適である。もちろん、所定倍された階調値を変換しても中ドットのドット量データが0であれば、補正によって得られた近似のデータも中ドットのドット量データは0となるので、ハイライト領域に比較的目立ち易いドットである中ドットが形成されることがないので好ましい。

0109

以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の各種実施例では、目立ち難いドットは小ドットであるとしたが、もちろん、小ドットではなく淡インクを用いて形成した淡ドットにも同様に適用することができる。更には、目立ち難いドットは必ずしも1種類である必要はなく、例えば、極小ドット、小ドット、中ドット、大ドットの各種ドットを形成可能なプリンタにおいて、極小ドットおよび小ドットに上述の各種実施例を適用することもできる。

0110

また、上述した各種実施例では、色変換テーブルの格子点に設定されている各色階調値間で、倍率情報は同じ値が設定されているが、もちろん各色毎に異なる倍率情報を設定しても構わない。

0111

上述した各種実施例では、階調数変換処理を含む画像データ変換処理はコンピュータ内で実行されるものとして説明したが、画像データ変換処理の一部あるいは全部をプリンタ側、あるいは専用の画像処理装置を用いて実行するものであっても構わない。

0112

更には、画像表示装置は、必ずしも印刷媒体上にインクドットを形成して画像を印刷する印刷装置に限定されるものではなく、例えば、液晶表示画面上で輝点を適切な密度で分散させることにより、階調が連続的に変化する画像を表現する液晶表示装置であっても構わない。

0113

あるいは、上述の機能を実現するソフトウェアプログラムアプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。もちろん、CD−ROMフロッピーディスクに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実行するものであっても構わない。

図面の簡単な説明

0114

図1本実施例の印刷システムの概略構成図である。
図2本実施例の画像処理装置としてのコンピュータの構成を示す説明図である。
図3本実施例の画像表示装置としてのプリンタの概略構成図である。
図4本実施例のプリンタが大きさの異なるドットを形成する原理を示す説明図である。
図5本実施例の画像処理装置が画像データに施す処理の流れを示すフローチャートである。
図6色変換時に参照する色変換テーブルを概念的に示す説明図である。
図7色変換処理の流れを示すフローチャートである。
図8各格子点の倍率情報に基づいて、各色階調値の倍率を同じ値に修正する方法を示す説明図である。
図9ドット量データ変換処理で参照するドット量テーブルを概念的に示す説明図である。
図10ドット量データ変換処理の流れを示すフローチャートである。
図11階調データに対して小ドットのドット量データが設定されている様子を概念的に示す説明図である。
図12色変換テーブルの領域毎に倍率情報が記憶されている様子を概念的に示す説明図である。
図13倍率情報「1」のドット量テーブルから得られたドット量データを、倍率情報に基づいて修正する原理を示す説明図である。
図14画質の改善効果が十分に得られない場合があった理由を示す説明図である。

--

0115

10…コンピュータ
12…プリンタドライバ
14…色変換モジュール
15…色変換テーブル
16…ドット量データ変換モジュール
17…ドット量テーブル
20…カラープリンタ
100…コンピュータ
102…CPU
104…ROM
106…RAM
108…PIF
108…周辺機器インターフェースPIF
109…ディスクコントローラDDC
110…ネットワークインターフェースカードNIC
112…ビデオインターフェースVIF
114…CRT
116…バス
118…ハードディスク
120…デジタルカメラ
122…カラースキャナ
124…フロッピーディスク
126…コンパクトディスク
200…カラープリンタ
230…キャリッジモータ
235…紙送りモータ
236…プラテン
240…キャリッジ
241…印字ヘッド
242,243…インクカートリッジ
244…インク吐出用ヘッド
255…インク通路
256…インク室
257…インクギャラリ
260…制御回路
261…CPU
262…ROM
263…RAM
300…通信回線
310…記憶装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ