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技術 内燃機関の触媒早期暖機制御装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 朝熊英彦
出願日 2000年12月7日 (19年11ヶ月経過) 出願番号 2000-377977
公開日 2002年6月26日 (18年5ヶ月経過) 公開番号 2002-180871
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の複合的制御 排気の後処理 内燃機関の複合的制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御 点火時期の電気的制御
主要キーワード 出力低下分 制御比 車両動力源 増加補正量 排気熱量 未燃ガス成分 所定係数 負荷増大
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

燃焼定性を確保しながら排気温度上昇効果の高い触媒早期暖機制御を行うことができるようにする。

解決手段

ハイブリッド車両において、触媒早期暖機制御時に触媒温度目標触媒昇温特性に合わせて昇温させるように点火時期角補正発電電動機12の発電量増加補正とを組み合わせて実行すると共に、点火時期遅角補正と発電量増加補正とによるエンジン出力低下分を補償するように吸入空気量(スロットル開度)を増加補正する。これにより、燃焼安定性が悪化しない範囲内で点火時期遅角補正を実施して排気温度を上昇させ、それで足りない排気熱量を発電量増加補正(吸入空気量の増加)によって確保することが可能となる。換言すれば、発電量増加補正のみでは足りない排気熱量を点火時期遅角補正によって確保することが可能となり、燃焼安定性悪化の要因となる点火時期遅角補正量を少なくすることができる。

概要

背景

車両に搭載された排出ガス浄化用の触媒は、活性温度まで昇温しないと、排出ガス浄化率が低いため、エンジン始動後に触媒をできるだけ早期に活性温度まで昇温させることが望ましい。従来の触媒早期暖機制御は、点火時期を遅角させることで排気温度を上昇させて触媒の暖機を促進するものが多い。点火時期遅角制御による触媒早期暖機は、点火時期遅角量を大きくするほど、排気温度上昇効果が大きくなって触媒暖機時間を短くできるが、点火時期遅角量を大きくすると、安定した燃焼性が得られるように設定された最適な点火時期から点火時期を大きくずらすことになり、燃焼性が悪化して、排出ガス中未燃成分(HC,CO等)が増加してしまい、始動直後排気エミッションが却って悪化してしまう。

この欠点を解決するために、特開平11−223140号公報に示すように、エンジン発電電動機とを動力源とするいわゆるハイブリッド車両では、触媒早期暖機制御時に発電電動機の発電量を増加させるように発電電動機の界磁電流を制御してエンジンの負荷を増大させると共に、負荷増大によるエンジン回転速度の低下を防ぐように、吸入空気量(スロットル開度)を増加させることで、エンジンの燃焼熱を増加させて排気温度を上昇させて触媒の暖機を促進することが提案されている。

概要

燃焼定性を確保しながら排気温度上昇効果の高い触媒早期暖機制御を行うことができるようにする。

ハイブリッド車両において、触媒早期暖機制御時に触媒温度目標触媒昇温特性に合わせて昇温させるように点火時期遅角補正と発電電動機12の発電量増加補正とを組み合わせて実行すると共に、点火時期遅角補正と発電量増加補正とによるエンジン出力低下分を補償するように吸入空気量(スロットル開度)を増加補正する。これにより、燃焼安定性が悪化しない範囲内で点火時期遅角補正を実施して排気温度を上昇させ、それで足りない排気熱量を発電量増加補正(吸入空気量の増加)によって確保することが可能となる。換言すれば、発電量増加補正のみでは足りない排気熱量を点火時期遅角補正によって確保することが可能となり、燃焼安定性悪化の要因となる点火時期遅角補正量を少なくすることができる。

目的

本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、燃焼安定性を確保しながら排気温度上昇効果の高い触媒早期暖機制御を行うことができ、始動後の排気エミッションを低減することができる内燃機関触媒早期暖機制御装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
8件

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請求項1

内燃機関排気通路に設けられた排出ガス浄化用の触媒と、前記内燃機関の駆動力により発電する発電手段と、点火時期を制御する点火時期制御手段と、前記発電手段の発電量を制御する発電量制御手段と、前記触媒を早期暖機する制御(以下「触媒早期暖機制御」という)を行う際に前記点火時期制御手段による点火時期遅角補正と前記発電量制御手段による発電量増加補正とを組み合わせて実行すると共に吸入空気量を制御して前記内燃機関の出力を制御する触媒早期暖機制御手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の触媒早期暖機制御装置

請求項2

前記触媒早期暖機制御手段は、触媒早期暖機制御時に前記点火時期遅角補正と前記発電量増加補正とによる前記内燃機関の出力低下分補償するように吸入空気量を増加補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒早期暖機制御装置。

請求項3

前記触媒早期暖機制御手段は、触媒早期暖機制御時に排気エミッションが悪化するのを防止するように点火時期遅角補正量と発電量増加補正量とを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の触媒早期暖機制御装置。

請求項4

前記触媒の温度、前記内燃機関の温度、排気温度のいずれかを検出又は推定する温度検出手段を備え、前記触媒早期暖機制御手段は、触媒早期暖機制御時に前記温度検出手段で検出又は推定した温度が低いときには、前記点火時期遅角補正量を大きくし、前記発電量増加補正量を小さくすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の触媒早期暖機制御装置。

請求項5

前記触媒の温度、前記内燃機関の温度、排気温度のいずれかを検出又は推定する温度検出手段を備え、前記触媒早期暖機制御手段は、触媒早期暖機制御時に前記温度検出手段で検出又は推定した温度が高いときには、前記点火時期遅角補正量を小さくし、前記発電量増加補正量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の触媒早期暖機制御装置。

請求項6

前記触媒早期暖機制御手段は、触媒早期暖機制御時に前記触媒の温度を目標触媒昇温特性に合わせて昇温させるように前記点火時期遅角補正量と前記発電量増加補正量とを制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の触媒早期暖機制御装置。

請求項7

前記触媒早期暖機制御手段は、触媒早期暖機制御時に前記触媒の温度と前記目標触媒昇温特性とを比較して前記点火時期遅角補正量と前記発電量増加補正量との比率フィードバック制御することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の触媒早期暖機制御装置。

請求項8

前記触媒早期暖機制御手段は、触媒早期暖機制御時に前記点火時期遅角補正量及び/又は前記発電量増加補正量を所定の上限ガード値以下に制限するガード手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関の触媒早期暖機制御装置。

技術分野

0001

本発明は、触媒早期暖機制御方法を改良した内燃機関触媒早期暖機制御装置に関するものである。

背景技術

0002

車両に搭載された排出ガス浄化用の触媒は、活性温度まで昇温しないと、排出ガス浄化率が低いため、エンジン始動後に触媒をできるだけ早期に活性温度まで昇温させることが望ましい。従来の触媒早期暖機制御は、点火時期を遅角させることで排気温度を上昇させて触媒の暖機を促進するものが多い。点火時期遅角制御による触媒早期暖機は、点火時期遅角量を大きくするほど、排気温度上昇効果が大きくなって触媒暖機時間を短くできるが、点火時期遅角量を大きくすると、安定した燃焼性が得られるように設定された最適な点火時期から点火時期を大きくずらすことになり、燃焼性が悪化して、排出ガス中未燃成分(HC,CO等)が増加してしまい、始動直後排気エミッションが却って悪化してしまう。

0003

この欠点を解決するために、特開平11−223140号公報に示すように、エンジン発電電動機とを動力源とするいわゆるハイブリッド車両では、触媒早期暖機制御時に発電電動機の発電量を増加させるように発電電動機の界磁電流を制御してエンジンの負荷を増大させると共に、負荷増大によるエンジン回転速度の低下を防ぐように、吸入空気量(スロットル開度)を増加させることで、エンジンの燃焼熱を増加させて排気温度を上昇させて触媒の暖機を促進することが提案されている。

発明が解決しようとする課題

0004

一般に、触媒早期暖機制御は、冷間始動直後アイドル運転状態で行われることが多い。上記公報の技術で、冷間始動直後のアイドル運転状態で触媒早期暖機制御を行う場合は、発電電動機の発電量を増加させながら、エンジン回転速度をファーストアイドル目標アイドル回転速度(1000〜1200rpm程度)に制御するように吸入空気量を制御することになる。このような制御条件では、仮に、スロットル開度を全開にしても、エンジン回転速度が目標アイドル回転速度に制御され、吸入空気量の増加(燃焼熱の増加)が制限されるため、排気温度上昇効果が点火時期遅角制御の場合と比較して小さい(図2参照)。これに対し、点火時期遅角制御では、点火タイミングから排気バルブ開弁タイミングまでの時間が短くなるため、点火直後のシリンダ内高温燃焼ガス排気管内に排出され(点火時期遅角量が大きくなると排気管内に少量の未燃ガス成分が排出されて後燃えが発生し)、排気温度上昇効果が大きくなる。

0005

従って、発電電動機の発電量増加による触媒早期暖機制御では、点火時期遅角制御の場合ほどの排気温度上昇効果が得られないため、触媒暖機時間が長くなり、その分、始動後の排気エミッションが悪くなるという欠点がある。

0006

本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、燃焼定性を確保しながら排気温度上昇効果の高い触媒早期暖機制御を行うことができ、始動後の排気エミッションを低減することができる内燃機関の触媒早期暖機制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の触媒早期暖機制御装置は、点火時期を制御する点火時期制御手段と、発電手段の発電量を制御する発電量制御手段と、触媒早期暖機制御を行う触媒早期暖機制御手段とを備え、触媒早期暖機制御を行う際に点火時期遅角補正と発電量増加補正とを組み合わせて実行すると共に、吸入空気量を制御して内燃機関の出力を制御するようにしたものである。このようにすれば、燃焼安定性が悪化しない範囲内で点火時期遅角補正を実施して排気温度を上昇させ、それで足りない排気熱量を発電量増加補正(吸入空気量の増加)によって確保することが可能となる。換言すれば、発電量増加補正のみでは足りない排気熱量を点火時期遅角補正によって確保することが可能となり、燃焼安定性を悪化させる要因となる点火時期遅角補正量を少なくすることができる。これにより、燃焼安定性を確保しながら、点火時期遅角補正と発電量増加補正とによって排気温度上昇効果の高い触媒早期暖機制御を行うことができ、始動後の排気エミッションを低減することができる。

0008

この場合、請求項2のように、触媒早期暖機制御時に点火時期遅角補正と発電量増加補正とによる内燃機関の出力低下分補償するように吸入空気量を増加補正すると良い。このようにすれば、触媒早期暖機制御時に内燃機関の出力トルクの低下や機関回転速度の低下を防ぐことができ、触媒早期暖機制御時でも通常時と同等の運転性能を維持できる。

0009

また、請求項3のように、触媒早期暖機制御時に排気エミッションが悪化するのを防止するように点火時期遅角補正量と発電量増加補正量とを調整するようにすると良い。これにより、始動後の排気エミッションを確実に低減することができる。

0010

また、請求項4のように、触媒の温度、内燃機関の温度、排気温度のいずれかを温度検出手段により検出又は推定し、触媒早期暖機制御時に、温度検出手段で検出又は推定した温度が低いときには、点火時期遅角補正量を大きくし、発電量増加補正量を小さくするようにしても良い。つまり、触媒の温度、内燃機関の温度、排気温度が低いときは、触媒を活性温度まで昇温させるのに多量の熱量を必要とするため、発電量増加補正よりも排気温度上昇効果の高い点火時期遅角補正量を大きくし、それによって、排気熱量を効率良く増加して触媒の昇温を促進するものである。

0011

また、請求項5のように、触媒早期暖機制御時に、温度検出手段で検出又は推定した温度が高いときには、点火時期遅角補正量を小さくし、発電量増加補正量を大きくするようにしても良い。つまり、触媒の温度、内燃機関の温度、排気温度が高いときは、触媒を活性温度まで昇温させるのに必要な熱量が比較的少ないため、燃焼安定性を重視して、点火時期遅角補正量を小さくし、それによって、点火時期遅角補正による燃焼安定性の悪化を回避しながら、触媒を活性温度まで昇温させるのに必要な熱量を発電量増加補正によって確保するものである。

0012

また、請求項6のように、触媒早期暖機制御時に触媒の温度を目標触媒昇温特性に合わせて昇温させるように点火時期遅角補正量と発電量増加補正量とを制御するようにしても良い。このようにすれば、触媒早期暖機制御時に触媒の温度を目標触媒昇温特性に合わせて昇温させることができるので、常に、安定した触媒暖機性能を確保することができる。

0013

また、請求項7のように、触媒早期暖機制御時に触媒の温度と目標触媒昇温特性とを比較して、点火時期遅角補正量と発電量増加補正量との比率フィードバック制御するようにしても良い。このようにすれば、実際の触媒昇温特性と燃焼安定性と排気温度上昇効果を考慮しながら、点火時期遅角補正量と発電量増加補正量との比率を最適に制御することができ、点火時期遅角補正量を最低に抑えることができる。

0014

また、請求項8のように、触媒早期暖機制御時に点火時期遅角補正量及び/又は発電量増加補正量をガード手段によって所定の上限ガード値以下に制限するようにしても良い。これにより、点火時期遅角補正量及び/又は発電量増加補正量を適正範囲内に制限することができ、過大な点火時期遅角補正量による燃焼安定性の悪化や過大な発電量増加補正量による点火時期遅角補正による発電手段の過負荷を防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

[実施形態(1)]以下、本発明をハイブリッド車両に適用した実施形態(1)を図1乃至図4に基づいて説明する。まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成を説明する。車両には、動力源として、エンジン11(内燃機関)と発電電動機12(発電手段)とが搭載されている。発電電動機12は、エンジン11の動力のみで車両を駆動するときに所定条件下で発電機として動作し、その発電電力バッテリ13に充電される。この発電電動機12は、加速時等、大きな車両駆動力を必要とするときには、バッテリ13から供給される電力によって電動機(モータ)として動作し、この発電電動機12の動力とエンジン11の動力とによって車両を駆動する。

0016

また、エンジン11のスロットルバルブ(図示せず)を駆動する手段として、電子スロットルシステム14が搭載されている。この電子スロットルシステム14は、実スロットル開度アクセル開度等に応じて設定した目標スロットル開度に一致させるように、スロットルバルブをモータ等で駆動するシステムである。エンジン11の排気管には、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒(図示せず)が設置されている。

0017

制御装置15は、発電電動機12を制御する機能と、エンジン11の点火装置16と燃料噴射弁17を制御する機能(点火時期制御手段,燃料噴射制御手段)と、電子スロットルシステム14を制御する機能とを備えている。これら3つの機能は、1つのマイクロコンピュータに組み込んでも良いし、複数のマイクロコンピュータに分担させるようにしても良い。この制御装置15の入力ポートには、運転状態を検出する各種センサ冷却水温センサ18、クランク角センサ19、気筒判別センサ20、スロットル開度センサ21、アクセル開度センサ22、吸気圧センサ23、車速センサ24等)が接続されている。

0018

この制御装置15は、これら各種センサの出力信号に基づいて運転状態を検出し、エンジン11の点火時期や燃料噴射量を制御すると共に、実スロットル開度をアクセル開度センサ22の出力等に応じて設定した目標スロットル開度に一致させるように、スロットルバルブを電子スロットルシステム14により駆動する。更に、制御装置15は、発電電動機12を発電機として動作させるときに、発電電動機12の界磁電流を制御することで発電量を制御する発電量制御手段として機能する。

0019

また、制御装置15は、特許請求の範囲でいう触媒早期暖機制御としても機能し、エンジン始動後に触媒早期暖機制御を点火時期遅角補正と発電量増加補正とを組み合わせて実行すると共に、点火時期遅角補正と発電量増加補正とによるエンジン出力低下分を補償するように吸入空気量(スロットル開度)を増加補正する。

0020

次に、本実施形態(1)の触媒早期暖機制御の実施方法を図2を用いて説明する。排出ガス浄化用の触媒は、活性温度まで昇温しないと、排出ガス浄化率が低いため、エンジン始動後に触媒をできるだけ早期に活性温度まで昇温させることが望ましい。点火時期遅角補正による触媒早期暖機は、点火時期を遅角させることで排気温度を上昇させて触媒の暖機を促進するものであるから、点火時期遅角量を大きくするほど、排気温度上昇効果が大きくなって触媒暖機時間を短くできる。しかし、点火時期遅角量を大きくすると、安定した燃焼性が得られるように設定された最適な点火時期から点火時期を大きくずらすことになり、燃焼性が悪化して、排出ガス中の未燃成分(HC,CO等)が増加してしまい、始動直後の排気エミッションが却って悪化してしまう。

0021

一方、発電電動機12の発電量増加による触媒早期暖機は、発電量増加に伴うエンジン負荷増大によるエンジン回転速度の低下を防ぐように、吸入空気量(スロットル開度)を増加させることで、エンジンの燃焼熱を増加させて排気温度を上昇させて触媒の暖機を促進するものである。この発電量増加による触媒早期暖機は、点火時期遅角補正の場合とは異なり、燃焼性を悪化させることなく触媒早期暖機制御を実施できる利点があるが、排気温度上昇効果が点火時期遅角補正の場合と比較して小さいという欠点がある。この原因は、一般に触媒早期暖機制御が行われる冷間始動直後のアイドル運転状態では、エンジン回転速度をファーストアイドル目標アイドル回転速度(1000〜1200rpm程度)に制御するように吸入空気量を制御するため、吸入空気量の増加(燃焼熱の増加)が制限されるためである。このため、発電量増加補正のみでは触媒温度を目標触媒昇温特性まで昇温させることができない(図2参照)。

0022

これに対し、点火時期遅角補正では、点火タイミングから排気バルブ開弁タイミングまでの時間が短くなるため、点火直後のシリンダ内の高温の燃焼ガスが排気管内に排出され(点火時期遅角量が大きくなると排気管内に少量の未燃ガス成分が排出されて後燃えが発生し)、排気温度上昇効果が大きくなる。このため、点火時期遅角補正では、触媒温度を目標触媒昇温特性よりも高い温度に昇温させることが可能となる。

0023

本実施形態(1)では、このような点火時期遅角補正と発電量増加補正との特徴を考慮し、触媒早期暖機制御時に触媒温度が目標触媒昇温特性付近となるように、点火時期遅角補正量と発電量増加補正量との比率を、予め、例えば図3の手順で設定しておく。まず、発電量増加補正のみで触媒早期暖機制御を実施して、触媒温度を測定すると共に、排気エミッションを評価する(ステップ101)。次に、点火時期遅角補正のみで触媒早期暖機制御を実施して、触媒温度を測定すると共に、排気エミッションを評価する(ステップ102)。この後、排気エミッションが目標値を達成できる触媒昇温特性(つまり目標触媒昇温特性)になるように点火時期遅角補正と発電量増加補正との比率を設定する(ステップ103)。この際、発電量増加補正の比率を優先的に設定し、発電量増加補正のみでは足りない排気熱量を点火時期遅角補正によって確保するように設定することが望ましい。

0024

制御装置15は、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に、図4に示す触媒早期暖機制御プログラムを所定時間毎又は所定クランク角毎に実行することで、触媒早期暖機制御を次のようにして実行する。まず、ステップ111で、触媒早期暖機制御実行条件成立しているか否かを判定する。ここで、触媒早期暖機制御実行条件は、触媒が未活性状態であること(触媒温度が活性温度よりも低いこと)等である。触媒が未活性状態であるか否かは、冷却水温から推定したり、排気温度を検出又は推定して排気温度から推定したり、触媒温度を温度センサで検出して活性判定を行うようにしても良い。もし、触媒早期暖機制御実行条件が成立していなければ、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。

0025

一方、触媒早期暖機制御実行条件が成立していれば、ステップ112,113に進み、発電量増加補正量を算出すると共に、発電量増加補正のみでは足りない排気熱量を発生するための点火時期遅角補正量を算出する。本実施形態(1)では、演算処理の簡略化のために、発電量増加補正量と点火時期遅角補正量との比率を予め設定した一定値に固定しているが、触媒温度、エンジン温度(冷却水温)、排気温度のいずれかを温度検出手段により検出又は推定し、温度検出手段で検出又は推定した温度が低いときには、点火時期遅角補正量を大きくし、発電量増加補正量を小さくするようにしても良い。つまり、触媒温度が低いときは、触媒を活性温度まで昇温させるのに多量の熱量を必要とするため、発電量増加補正よりも排気温度上昇効果の高い点火時期遅角補正量を大きくし、それによって、排気熱量を効率良く増加して触媒の昇温を促進するようにしても良い。

0026

反対に、触媒温度、エンジン温度(冷却水温)、排気温度が高いときには、点火時期遅角補正量を小さくし、発電量増加補正量を大きくするようにしても良い。つまり、触媒温度が高いときは、触媒を活性温度まで昇温させるのに必要な熱量が比較的少ないため、燃焼安定性を重視して、点火時期遅角補正量を小さくし、それによって、点火時期遅角補正による燃焼安定性の悪化を回避しながら、触媒を活性温度まで昇温させるのに必要な熱量を発電量増加補正によって確保するようにしても良い。

0027

この後、発電量増加補正によるエンジントルク低下分を補償するための吸入空気量の増加補正量を算出すると共に(ステップ114)、点火時期遅角補正によるエンジントルク低下分を補償するための吸入空気量の増加補正量を算出する(ステップ115)。

0028

この後、発電量増加補正に対する吸入空気量の増加補正量と点火時期遅角補正に対する吸入空気量の増加補正量とを合算して、最終的な吸入空気量の増加補正量を求め、この増加補正量に応じてスロットル開度を増加させて吸入空気量を増加させる(ステップ117)。また、ステップ112で算出した発電量増加補正量に応じて発電電動機12の界磁電流を増加させることで発電量を増加させると共に、ステップ113で算出した点火時期遅角補正量に応じて点火時期を遅角させる。これにより、触媒早期暖機制御時に発電量増加補正と点火時期遅角補正とによって排気温度を上昇させて、触媒昇温特性が目標触媒昇温特性になるように制御し、触媒を効率良く活性温度まで昇温させる。

0029

以上説明した本実施形態(1)では、触媒早期暖機制御時に発電量増加補正と点火時期遅角補正とを組み合わせて実行するようにしたので、燃焼安定性が悪化しない範囲内で点火時期遅角補正を実施して排気温度を上昇させ、それで足りない排気熱量を発電量増加補正(吸入空気量の増加)によって確保することが可能となる。換言すれば、発電量増加補正のみでは足りない排気熱量を点火時期遅角補正によって確保することが可能となり、燃焼安定性を悪化させる要因となる点火時期遅角補正量を少なくすることができる。これにより、燃焼安定性を確保しながら、点火時期遅角補正と発電量増加補正とによって排気温度上昇効果の高い触媒早期暖機制御を行うことができ、始動後の排気エミッションを低減することができる。

0030

しかも、本実施形態(1)では、触媒早期暖機制御時に点火時期遅角補正と発電量増加補正とによるエンジントルク低下分を補償するように吸入空気量を増加補正するようにしたので、触媒早期暖機制御時にエンジントルクの低下やエンジン回転速度の低下を防ぐことができ、触媒早期暖機制御時でも通常時と同等の運転性能を維持できる。

0031

[実施形態(2)]上記実施形態(1)では、発電量増加補正量と点火時期遅角補正量との制御比率を予め設定した一定値に固定しているため、実際のエンジン回転速度のばらつき等による触媒温度ばらつきの影響を受けて、実際の触媒温度が目標触媒昇温特性からずれる可能性がある。

0032

そこで、図5及び図6に示す本発明の実施形態(2)では、触媒早期暖機制御時に触媒温度と目標触媒昇温特性とを比較して、点火時期遅角補正量と発電量増加補正量との制御比率αをフィードバック制御するようにしている。これにより、点火時期遅角補正量と発電量増加補正量との制御比率αを最適に制御して、実際のエンジン回転速度のばらつき等による触媒温度ばらつきを吸収して、実際の触媒温度を目標触媒昇温特性にほぼ一致させるようにしている。

0033

本実施形態(2)では、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に、図5に示す触媒早期暖機制御プログラムを所定時間毎又は所定クランク角毎に実行することで、触媒早期暖機制御を次のようにして実行する。まず、ステップ201で、前記図4のステップ111と同様の方法で、触媒早期暖機制御実行条件が成立しているか否かを判定する。もし、触媒早期暖機制御実行条件が成立していなければ、ステップ202に進み、制御比率αを0にセットして本プログラムを終了する。

0034

一方、触媒早期暖機制御実行条件が成立していれば、ステップ203に進み、目標触媒昇温特性で設定される現在の目標触媒温度を算出する。この目標触媒温度の算出方法は、例えば、始動後、所定時間毎に所定温度を積算する処理を繰り返して現在の目標触媒温度を求めたり、予め始動後経過時間と目標触媒温度との関係(目標触媒昇温特性)の一次元テーブルを設定しておき、この一次元テーブルを検索して始動後経過時間に応じた現在の目標触媒温度を算出するようにしても良い。この際、目標触媒温度の初期温度を冷却水温等により設定するようにしても良い。

0035

この後、ステップ204に進み、現在の触媒温度を算出する。この触媒温度の算出方法は、例えば、現在の吸入空気量とエンジン回転速度とに応じて二次元マップからベース触媒温度を求め、このベース触媒温度に点火時期遅角補正量に応じた温度係数掛け合わせた値を所定係数で積分することにより求める。この後、ステップ205に進み、現在の触媒温度が現在の目標触媒温度よりも低いか否かを判定し、現在の触媒温度が現在の目標触媒温度よりも低ければ、ステップ206に進み、制御比率αを所定値(例えば0.01)だけ増加する。これにより、排気温度上昇効果の高い点火時期遅角補正の比率を少し増やして、発電量増加補正の比率を少し減らす。反対に、現在の触媒温度が現在の目標触媒温度以上であれば、ステップ207に進み、制御比率αを所定値(例えば0.01)だけ減算する。これにより、排気温度上昇効果の高い点火時期遅角補正の比率を少し減らして、燃焼安定性の良い発電量増加補正の比率を少し増やす。

0036

この後、ステップ208,209に進み、制御比率(1−α)で発電量増加補正量を算出すると共に、発電量増加補正のみでは足りない排気熱量を発生するための点火時期遅角補正量を制御比率αで算出する。

0037

この後、発電量増加補正によるエンジントルク低下分を補償するための吸入空気量の増加補正量を算出すると共に(ステップ210)、点火時期遅角補正によるエンジントルク低下分を補償するための吸入空気量の増加補正量を算出する(ステップ211)。

0038

この後、発電量増加補正に対する吸入空気量の増加補正量と点火時期遅角補正に対する吸入空気量の増加補正量とを合算して、最終的な吸入空気量の増加補正量を求め、この増加補正量に応じてスロットル開度を増加させて吸入空気量を増加させる(ステップ213)。また、ステップ208で算出した発電量増加補正量に応じて発電電動機12の界磁電流を増加させることで発電量を増加させると共に、ステップ209で算出した点火時期遅角補正量に応じて点火時期を遅角させる。これにより、触媒早期暖機制御時に発電量増加補正と点火時期遅角補正とによって排気温度を上昇させて、触媒昇温特性が目標触媒昇温特性になるように制御し、触媒を効率良く活性温度まで昇温させる。

0039

以上説明した本実施形態(2)では、触媒早期暖機制御時に触媒温度と目標触媒昇温特性(目標触媒温度)とを比較して、点火時期遅角補正量と発電量増加補正量との制御比率αをフィードバック制御するようにしたので、実際のエンジン回転速度のばらつき等による触媒温度ばらつきがあっても、点火時期遅角補正量と発電量増加補正量との制御比率αを最適に制御して、実際のエンジン回転速度のばらつき等による触媒温度ばらつきを吸収することができ、常に、燃焼安定性を確保しながら排気温度上昇効果の高い触媒早期暖機制御を行うことができる。

0040

尚、本実施形態(2)では、現在の触媒温度を吸入空気量とエンジン回転速度等から算出するようにしたが、現在の触媒温度を、触媒に設置した温度センサで検出するようにすれば、触媒温度ばらつきに対して更に有効なフィードバック制御が可能となる。

0041

また、各実施形態(1),(2)において、触媒早期暖機制御時に点火時期遅角補正量及び/又は発電量増加補正量を所定の上限ガード値以下に制限するようにしても良い。これにより、点火時期遅角補正量及び/又は発電量増加補正量を適正範囲内に制限することができ、過大な点火時期遅角補正量による燃焼安定性の悪化や過大な発電量増加補正量による発電電動機12の過負荷を防止することができる。

0042

その他、本発明は、ハイブリッド車両に限定されず、エンジンのみを車両動力源とする車両にも適用できる等、種々変更して実施できる。

図面の簡単な説明

0043

図1実施形態(1)のシステムの概略構成を示すブロック図
図2実施形態(1)の触媒早期暖機制御の挙動を説明するタイムチャート
図3実施形態(1)の点火時期遅角補正と発電量増加補正との比率の設定方法を示すフローチャート
図4実施形態(1)の触媒早期暖機制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
図5実施形態(2)の触媒早期暖機制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
図6実施形態(2)の触媒早期暖機制御の挙動を説明するタイムチャート

--

0044

11…エンジン(内燃機関)、12…発電電動機(発電手段)、13…バッテリ、14…電子スロットルシステム、15…制御装置(点火時期制御手段,発電量制御手段,触媒早期暖機制御手段)。

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