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技術 平版印刷版用支持体の製造方法

出願人 富士フイルムホールディングス株式会社
発明者 松浦欣也澤田宏和上杉彰男
出願日 2000年12月12日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2000-376765
公開日 2002年6月26日 (18年0ヶ月経過) 公開番号 2002-180289
状態 未査定
技術分野 印刷版及びその材料 表面反応による電解被覆
主要キーワード 供給電気量 許容下限 正弦波交流電流 酸処理温度 硝酸液 アルミニウム素地 水受容体 硫酸主体
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課題

電解粗面化処理で生じるスマットを除去する際に発生する処理ムラを無くした平版印刷版用支持体の製造方法を提供する。

解決手段

少なくとも、アルミニウム合金板粗面化処理を施す粗面化処理工程と、該粗面化処理工程後に前記アルミニウム合金板に陽極酸化処理を施す陽極酸化処理工程と、を有する平版印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化処理工程が、少なくとも、アルカリ処理工程と酸処理工程とからなるデスマット処理工程を有し、前記酸処理工程で使用される酸性溶液中のCuイオン濃度が、1〜50ppmであることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法である。

概要

背景

平版印刷版用支持体は、多くの場合、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金(以下、これらを「アルミニウム合金」という。)を素材とするアルミニウム合金板の片面あるいは両面に粗面化処理が施され、所望により陽極酸化処理が施されて製造される。このような平版印刷版用支持体では、印刷時の耐磨耗性を向上させるため、粗面化処理後に、その表面に陽極酸化処理が施されて陽極酸化被膜が形成されることが多い。平版印刷版原版は平版印刷版用支持体に感光層感光性材料)が塗布により設けられ、乾燥されて製造される。製版時の真空密着時間を短くするために、平版印刷版原版では感光層の表面にマット層という微小凹凸が設けられることもある。

平版印刷版原版は、画像露光現像水洗等の製版処理を経て平版印刷版とされる。画像露光の方法としては、画像を焼き付けリスフィルムを平版印刷版原版へ密着させて高強度の光を照射することで画像部非画像部とを形成する方法や、平版印刷版原版をレーザ光により走査して直接、画像部もしくは非画像部を書き込むことにより画像部と非画像部とを形成する方法、が用いられる。画像露光された平版印刷版原版を現像処理すると、未溶解の感光層はインク受容体として画像部を形成し、感光層が溶解除去された部分では、アルミニウム合金板の表面または陽極酸化被膜の表面が露出し、この部分が水受容体として非画像部を形成する。平版印刷版原版は、現像後、必要に応じて親水化処理ガム引き、更にバーニング処理等が施されて平版印刷版とされる。

平版印刷版は、印刷機円筒状の版胴に取り付けられて、インキと湿し水とを版胴に供給することで親油性の画像部にはインキが付着し、親水性の非画像部には水が付着し、画像部のインキをブランケット胴転写した上で、ブランケット胴から紙に画像を印刷する。しかし、本来親水性であるべき非画像部には、時として点状あるいは円環状にインキが付着し、結果的に紙面に点状あるいは円環状の汚れを発生させる、所謂、過酷インキ汚れと呼ばれる不具合が起こる場合があった。

この過酷インキ汚れを解決するための手段が既に多く提案されている。具体的には、アルミニウム合金板に含まれる合金成分を限定する方法が多く出願されている。例えば、アルミニウム合金板中のMg、Mn、Si、Ga、Ti、Cu等の合金成分を限定する方法(特開平5−309964号公報、特開平3−177528号公報等)、FeとSiとの比を限定する方法(特開平4−254545号公報、特開平7−197162号公報等)、Feの固溶量を限定する方法(特開平4−165041号公報等)、単体Si量を限定する方法(特許第2544215号、特許第2031725号等)、金属間化合物の量、大きさおよび分布を限定する方法(特開平4−165041号公報、特開平3−234594号公報、特許2544215号、特開平4−254545号公報等)、アルミニウム合金の組成と陽極酸化被膜の特性とを組み合わせて限定する方法(特開平7−197393号公報、特開平7−26393号公報等)が提案されている。しかし、これらは何れもアルミニウム合金に制約を加えるものであって、アルミニウム合金板の材料選択の自由度を低下させる不具合を伴う。

一方、平版印刷版支持体用のアルミニウム合金板の素材としては、JIS1050材、JIS1100材、JIS1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金等が適用し得る。これら各種のアルミニウム合金は、通常、アルミニウムを主成分とする原材料を溶解し、それに所定の金属を加えて規格化された合金成分のアルミニウム合金の溶湯を作り、引き続きそのアルミニウム合金の溶湯に清浄化処理を施し、鋳造する。清浄化処理としては、溶湯中から水素等の不要なガスを除去するために、フラックス処理;Arガス、Clガス等を使った脱ガス処理セラミックチューブフィルタセラミックフォームフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレークアルミナボール等を濾材とするフィルタや、グラスクロスフィルタ等を使ったフィルタリング;脱ガス処理とフィルタリングとを組み合わせた処理;が行われる。これらの清浄化処理は、溶湯中の非金属介在物酸化物等の不純物による欠陥、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐために実施される。

上記のように、成分調整および清浄化処理が施されたアルミニウム合金の溶湯を鋳造する方法としては、大別して、DC鋳造法に代表される固定鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる方法と、がある。

DC鋳造法を用いた場合、アルミニウム合金の溶湯は1〜300℃/秒の冷却速度凝固される。この凝固過程で、先述合金元素の一部はアルミニウム中に固溶するが、アルミニウム中に固溶しきれない合金成分が種々の金属間化合物として鋳塊中に生じる。DC鋳造では、板厚300〜800mmの鋳塊が製造可能であり、この鋳塊に対し、通常、表層部を削り取る面削加工が行われ、この面削加工により鋳塊の表層部が1〜30mm、望ましくは1〜10mm削り取られる。その後、鋳塊には必要に応じて均熱化処理が行われる。均熱化処理を行うことで、金属間化合物のうち不安定なものはより安定な化合物に変化したり、また一部がアルミニウム中に固溶したりする。

ここで、残った金属間化合物はその後、熱間圧延冷間圧延を行う過程で、その径が細かくなったり分散したりするが、その種類は殆ど変化しない。つまり、アルミニウム合金板に金属間化合物が残留することになる。また、冷間圧延の前後、または冷間圧延の途中において焼鈍といわれる熱処理を施してもよい。この場合、焼鈍の熱処理温度によってはアルミニウム中に固溶していた一部の元素が金属間化合物または金属単体析出物として析出してくることがある。この場合も、この析出物はアルミニウム合金板に残留することになる。

冷間圧延によって、0.1〜0.5mmの厚さに仕上げられたアルミニウム合金板を、平坦性を改善するためにローラレベラテンションレベラ等の矯正装置によって形状を矯正して平坦性を改善してもよい。このようにして所定の形状に仕上げられたアルミニウム合金板には、粗面化処理および陽極酸化処理が行われる。

アルミニウム合金板の粗面化方法としては、機械的な砂目立て法,電気化学的な砂目立て法等があり、これらを適宜組合わせて粗面化が行われる。機械的な砂目立て法としては、例えば、ボールグレインワイヤーグレイン、ブラシグレイン、液体ホーニング法等がある。また電気化学的砂目立て方法としては、交流電解エッチング法が一般的に採用されており、電解電流としては、普通の正弦波交流電流あるいは矩形波や、特殊交番電流等が用いられている。またこの電気化学的砂目立ての前処理として、アルミニウム合金板を苛性ソーダ等でエッチング処理してもよい。

電気化学的砂目立て方式は、ウエブ連続処理に適していることから、粗面化方法として近年増加している。しかし、このようなアルミニウム合金板に対して電気化学的に砂目立てを行うと、アルミニウム合金板の表面に水酸化アルミニウムを主成分としたスマットが生成する。

米国特許第4,548,683号明細書では、交流電解電流として140〜400Hzの高い周波数を用いれば、スマットが生成しにくく、均一なピットが生成することが記載されている。しかし、このような特殊な場合を除いて、電気化学的に砂目立てが行われたアルミニウム合金板の表面にはスマットが生成してしまう。一方、このように電気化学的に砂目立てされたアルミニウム合金板には、陽極酸化処理や、必要に応じてシリケート処理が施され、アルミニウム合金板の粗面化面に感光性材料が塗布され、乾燥されて、感光層が設けられた感光性の平版印刷版原版に仕上げられる。ここで、電気化学的に砂目立てした後にアルミニウム合金板の表面にスマットが残存していると、陽極酸化被膜にスマットが混入し、被膜欠陥等が生じ、印刷性能が低下してしまうという問題があった。

特公昭56−11316号公報には、アルミニウム合金板表面に生じたスマットを50〜90℃に液温調整された15〜60wt%の硫酸溶液に接触させて、溶解除去することを特徴とするデスマット方法が開示されている。また、特許第2577594号には、電解粗面化処理でアルミニウム合金板表面に生じたスマットを、まず、pHが10以上、温度が25〜60℃のアルカリ溶液で溶解した後、濃度が50〜400g/リットル、温度が25〜65℃の硫酸主体溶液にて、アルミニウム素地の溶解量が0.03〜0.20g/m2となるように溶解除去するスマット除去方法が開示されている。

前者の方法は、アルカリ溶液を併用しないため、スマットの除去が不十分になりやすく、電解粗面化処理による形状の不均一さがアルミニウム合金板表面に残るため、感光層とアルミニウム合金板の密着性が低下したり、印刷汚れ性等の印刷性能が不十分になるという不具合がある。

一方、後者は、アルカリ溶液により、電解粗面化処理で生じたスマットを効率よく除去できるが、アルミニウム合金板の表面に存在する、不要な金属間化合物を除去できないため、前述の引例に示すようにアルミニウム合金の組成を厳密に制御しない限り、耐過酷インキ汚れ性が劣るという問題点がある。また、アルカリ溶液の温度が25〜60℃という比較的低い温度範囲であるため、溶解処理に時間がかかり、生産性の面で不利である。

本発明らは、先に、特願2000−203640号において、電解粗面化処理でアルミニウム合金板表面に生じたスマットを、高温のアルカリ溶液で溶解した後、高温、高濃度の硫酸主体の溶液により、除去する方法を開示した。当該方法により、効率良くスマットを除去することが可能となったが、高温、高濃度の硫酸主体の溶液により酸処理する際に、アルミニウム合金板から溶出するCuイオンが、再びアルミニウム合金板に接触し表面に残留して、ムラ発生原因となる場合があった。

概要

電解粗面化処理で生じるスマットを除去する際に発生する処理ムラを無くした平版印刷版用支持体の製造方法を提供する。

少なくとも、アルミニウム合金板に粗面化処理を施す粗面化処理工程と、該粗面化処理工程後に前記アルミニウム合金板に陽極酸化処理を施す陽極酸化処理工程と、を有する平版印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化処理工程が、少なくとも、アルカリ処理工程と酸処理工程とからなるデスマット処理工程を有し、前記酸処理工程で使用される酸性溶液中のCuイオン濃度が、1〜50ppmであることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法である。

目的

以上から、本発明の目的は、電解粗面化処理で生じるスマットを除去する際に発生する処理ムラを無くした平版印刷版用支持体の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

少なくとも、アルミニウム合金板粗面化処理を施す粗面化処理工程と、該粗面化処理工程後に前記アルミニウム合金板に陽極酸化処理を施す陽極酸化処理工程と、を有する平版印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化処理工程が、少なくとも、アルカリ処理工程と酸処理工程とからなるデスマット処理工程を有し、前記酸処理工程で使用される酸性溶液中のCuイオン濃度が、1〜50ppmであることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、平版印刷版用支持体の製造方法に関し、特に、耐過酷インキ汚れ性に優れた平版印刷版用支持体の製造方法に関する。

背景技術

0002

平版印刷版用支持体は、多くの場合、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金(以下、これらを「アルミニウム合金」という。)を素材とするアルミニウム合金板の片面あるいは両面に粗面化処理が施され、所望により陽極酸化処理が施されて製造される。このような平版印刷版用支持体では、印刷時の耐磨耗性を向上させるため、粗面化処理後に、その表面に陽極酸化処理が施されて陽極酸化被膜が形成されることが多い。平版印刷版原版は平版印刷版用支持体に感光層感光性材料)が塗布により設けられ、乾燥されて製造される。製版時の真空密着時間を短くするために、平版印刷版原版では感光層の表面にマット層という微小凹凸が設けられることもある。

0003

平版印刷版原版は、画像露光現像水洗等の製版処理を経て平版印刷版とされる。画像露光の方法としては、画像を焼き付けリスフィルムを平版印刷版原版へ密着させて高強度の光を照射することで画像部非画像部とを形成する方法や、平版印刷版原版をレーザ光により走査して直接、画像部もしくは非画像部を書き込むことにより画像部と非画像部とを形成する方法、が用いられる。画像露光された平版印刷版原版を現像処理すると、未溶解の感光層はインク受容体として画像部を形成し、感光層が溶解除去された部分では、アルミニウム合金板の表面または陽極酸化被膜の表面が露出し、この部分が水受容体として非画像部を形成する。平版印刷版原版は、現像後、必要に応じて親水化処理ガム引き、更にバーニング処理等が施されて平版印刷版とされる。

0004

平版印刷版は、印刷機円筒状の版胴に取り付けられて、インキと湿し水とを版胴に供給することで親油性の画像部にはインキが付着し、親水性の非画像部には水が付着し、画像部のインキをブランケット胴転写した上で、ブランケット胴から紙に画像を印刷する。しかし、本来親水性であるべき非画像部には、時として点状あるいは円環状にインキが付着し、結果的に紙面に点状あるいは円環状の汚れを発生させる、所謂、過酷インキ汚れと呼ばれる不具合が起こる場合があった。

0005

この過酷インキ汚れを解決するための手段が既に多く提案されている。具体的には、アルミニウム合金板に含まれる合金成分を限定する方法が多く出願されている。例えば、アルミニウム合金板中のMg、Mn、Si、Ga、Ti、Cu等の合金成分を限定する方法(特開平5−309964号公報、特開平3−177528号公報等)、FeとSiとの比を限定する方法(特開平4−254545号公報、特開平7−197162号公報等)、Feの固溶量を限定する方法(特開平4−165041号公報等)、単体Si量を限定する方法(特許第2544215号、特許第2031725号等)、金属間化合物の量、大きさおよび分布を限定する方法(特開平4−165041号公報、特開平3−234594号公報、特許2544215号、特開平4−254545号公報等)、アルミニウム合金の組成と陽極酸化被膜の特性とを組み合わせて限定する方法(特開平7−197393号公報、特開平7−26393号公報等)が提案されている。しかし、これらは何れもアルミニウム合金に制約を加えるものであって、アルミニウム合金板の材料選択の自由度を低下させる不具合を伴う。

0006

一方、平版印刷版支持体用のアルミニウム合金板の素材としては、JIS1050材、JIS1100材、JIS1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金等が適用し得る。これら各種のアルミニウム合金は、通常、アルミニウムを主成分とする原材料を溶解し、それに所定の金属を加えて規格化された合金成分のアルミニウム合金の溶湯を作り、引き続きそのアルミニウム合金の溶湯に清浄化処理を施し、鋳造する。清浄化処理としては、溶湯中から水素等の不要なガスを除去するために、フラックス処理;Arガス、Clガス等を使った脱ガス処理セラミックチューブフィルタセラミックフォームフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレークアルミナボール等を濾材とするフィルタや、グラスクロスフィルタ等を使ったフィルタリング;脱ガス処理とフィルタリングとを組み合わせた処理;が行われる。これらの清浄化処理は、溶湯中の非金属介在物酸化物等の不純物による欠陥、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐために実施される。

0007

上記のように、成分調整および清浄化処理が施されたアルミニウム合金の溶湯を鋳造する方法としては、大別して、DC鋳造法に代表される固定鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる方法と、がある。

0008

DC鋳造法を用いた場合、アルミニウム合金の溶湯は1〜300℃/秒の冷却速度凝固される。この凝固過程で、先述合金元素の一部はアルミニウム中に固溶するが、アルミニウム中に固溶しきれない合金成分が種々の金属間化合物として鋳塊中に生じる。DC鋳造では、板厚300〜800mmの鋳塊が製造可能であり、この鋳塊に対し、通常、表層部を削り取る面削加工が行われ、この面削加工により鋳塊の表層部が1〜30mm、望ましくは1〜10mm削り取られる。その後、鋳塊には必要に応じて均熱化処理が行われる。均熱化処理を行うことで、金属間化合物のうち不安定なものはより安定な化合物に変化したり、また一部がアルミニウム中に固溶したりする。

0009

ここで、残った金属間化合物はその後、熱間圧延冷間圧延を行う過程で、その径が細かくなったり分散したりするが、その種類は殆ど変化しない。つまり、アルミニウム合金板に金属間化合物が残留することになる。また、冷間圧延の前後、または冷間圧延の途中において焼鈍といわれる熱処理を施してもよい。この場合、焼鈍の熱処理温度によってはアルミニウム中に固溶していた一部の元素が金属間化合物または金属単体析出物として析出してくることがある。この場合も、この析出物はアルミニウム合金板に残留することになる。

0010

冷間圧延によって、0.1〜0.5mmの厚さに仕上げられたアルミニウム合金板を、平坦性を改善するためにローラレベラテンションレベラ等の矯正装置によって形状を矯正して平坦性を改善してもよい。このようにして所定の形状に仕上げられたアルミニウム合金板には、粗面化処理および陽極酸化処理が行われる。

0011

アルミニウム合金板の粗面化方法としては、機械的な砂目立て法,電気化学的な砂目立て法等があり、これらを適宜組合わせて粗面化が行われる。機械的な砂目立て法としては、例えば、ボールグレインワイヤーグレイン、ブラシグレイン、液体ホーニング法等がある。また電気化学的砂目立て方法としては、交流電解エッチング法が一般的に採用されており、電解電流としては、普通の正弦波交流電流あるいは矩形波や、特殊交番電流等が用いられている。またこの電気化学的砂目立ての前処理として、アルミニウム合金板を苛性ソーダ等でエッチング処理してもよい。

0012

電気化学的砂目立て方式は、ウエブ連続処理に適していることから、粗面化方法として近年増加している。しかし、このようなアルミニウム合金板に対して電気化学的に砂目立てを行うと、アルミニウム合金板の表面に水酸化アルミニウムを主成分としたスマットが生成する。

0013

米国特許第4,548,683号明細書では、交流電解電流として140〜400Hzの高い周波数を用いれば、スマットが生成しにくく、均一なピットが生成することが記載されている。しかし、このような特殊な場合を除いて、電気化学的に砂目立てが行われたアルミニウム合金板の表面にはスマットが生成してしまう。一方、このように電気化学的に砂目立てされたアルミニウム合金板には、陽極酸化処理や、必要に応じてシリケート処理が施され、アルミニウム合金板の粗面化面に感光性材料が塗布され、乾燥されて、感光層が設けられた感光性の平版印刷版原版に仕上げられる。ここで、電気化学的に砂目立てした後にアルミニウム合金板の表面にスマットが残存していると、陽極酸化被膜にスマットが混入し、被膜欠陥等が生じ、印刷性能が低下してしまうという問題があった。

0014

特公昭56−11316号公報には、アルミニウム合金板表面に生じたスマットを50〜90℃に液温調整された15〜60wt%の硫酸溶液に接触させて、溶解除去することを特徴とするデスマット方法が開示されている。また、特許第2577594号には、電解粗面化処理でアルミニウム合金板表面に生じたスマットを、まず、pHが10以上、温度が25〜60℃のアルカリ溶液で溶解した後、濃度が50〜400g/リットル、温度が25〜65℃の硫酸主体溶液にて、アルミニウム素地の溶解量が0.03〜0.20g/m2となるように溶解除去するスマット除去方法が開示されている。

0015

前者の方法は、アルカリ溶液を併用しないため、スマットの除去が不十分になりやすく、電解粗面化処理による形状の不均一さがアルミニウム合金板表面に残るため、感光層とアルミニウム合金板の密着性が低下したり、印刷汚れ性等の印刷性能が不十分になるという不具合がある。

0016

一方、後者は、アルカリ溶液により、電解粗面化処理で生じたスマットを効率よく除去できるが、アルミニウム合金板の表面に存在する、不要な金属間化合物を除去できないため、前述の引例に示すようにアルミニウム合金の組成を厳密に制御しない限り、耐過酷インキ汚れ性が劣るという問題点がある。また、アルカリ溶液の温度が25〜60℃という比較的低い温度範囲であるため、溶解処理に時間がかかり、生産性の面で不利である。

0017

本発明らは、先に、特願2000−203640号において、電解粗面化処理でアルミニウム合金板表面に生じたスマットを、高温のアルカリ溶液で溶解した後、高温、高濃度の硫酸主体の溶液により、除去する方法を開示した。当該方法により、効率良くスマットを除去することが可能となったが、高温、高濃度の硫酸主体の溶液により酸処理する際に、アルミニウム合金板から溶出するCuイオンが、再びアルミニウム合金板に接触し表面に残留して、ムラ発生原因となる場合があった。

発明が解決しようとする課題

0018

以上から、本発明の目的は、電解粗面化処理で生じるスマットを除去する際に発生する処理ムラを無くした平版印刷版用支持体の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0019

本発明者らは、上記の目的を達成するため、アルミニウム合金板に対する表面処理方法を検討した結果、本発明に想到した。すなわち、本発明は、少なくとも、アルミニウム合金板に粗面化処理を施す粗面化処理工程と、該粗面化処理工程後に前記アルミニウム合金板に陽極酸化処理を施す陽極酸化処理工程と、を有する平版印刷版用支持体の製造方法において、前記粗面化処理工程が、少なくとも、アルカリ処理工程と酸処理工程とからなるデスマット処理工程を有し、前記酸処理工程で使用される酸性溶液中のCuイオン濃度が、1〜50ppmであることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法である。

発明を実施するための最良の形態

0020

本発明の平版印刷版用支持体の製造方法は、少なくとも、アルミニウム合金板に粗面化処理を施す粗面化処理工程と、該粗面化処理工程後に前記アルミニウム合金板に陽極酸化処理を施す陽極酸化処理工程と、を有している。また、前記粗面化処理工程は、アルカリ処理工程と酸処理工程とからなるデスマット処理工程を必須工程として具備し、さらに該デスマット処理工程の前に、機械的粗面化処理工程と、アルカリエッチング処理工程と、電解粗面化処理工程と、を順次有しているのが好ましい。以下、上記各処理工程について順を追って詳細に説明する。

0021

<1.機械的粗面化処理工程>粗面化処理工程の最初の工程として、アルミニウム合金板に機械的粗面化処理を施すのが好ましい。機械的粗面化処理の方法としては、例えば、パミンストン懸濁液等を使い、ブラシグレインでアルミニウム合金板表面を粗面化する方法によるのが好ましい(機械的粗面化処理工程)。

0022

<2.アルカリエッチング処理工程>機械的粗面化処理を行った後、必要に応じて、アルミニウム合金板表面の凹凸形状をなだらかとするとともに、表面に残った研磨材粒子を除去するために、アルカリエッチング処理を施すのが好ましい(アルカリエッチング処理工程)。アルカリ処理に用いられる好ましいアルカリ剤としては、苛性ソーダ、苛性カリメタ珪酸ソーダ炭酸ソーダアルミン酸ソーダグルコン酸ソーダ等が挙げられる。アルカリ剤の濃度は0.01〜20%が好ましく、温度は生産性を高める上で60〜80℃が好ましく、エッチング量(処理量)としては0.1〜15g/m2が好ましい。また処理時間は、エッチング量に対応して2sec〜5minとするのが好ましく、生産性向上のためには2〜10secとするのがより好ましい。

0023

アルカリエッチング処理を行うと、アルミニウム合金板表面にスマットが形成される。当該スマットがアルミニウム合金板表面に存在すると、印刷性能を低下させる原因となる場合がある。そこで、アルカリエッチング処理後に、このスマットを除去するため、硝酸等によるデスマット処理(硝酸処理)を行うのが好ましい。硝酸処理を行い、後工程である電気化学的粗面化処理後のデスマット処理において、酸性溶液を用いた酸処理を行うことにより、さらに次工程の陽極酸化処理では、良好な陽極酸化被膜が均一に形成され、耐過酷インキ汚れ性のより優れた平版印刷版用支持体を製造することができる。

0024

<3.電解粗面化処理工程>近年、アルミニウム合金板を平版印刷版用支持体とする製造工程では、平版印刷版の画像部における感光層とアルミニウム合金板表面との密着性を向上させたり、また非画像部における保水性を向上させるために、塩酸硝酸液主体とする電解液を用いてアルミニウム合金板に対する電解粗面化処理が行われることが多くなっている(電解粗面化処理工程)。この電解粗面化処理は、前述のブラシグレイン等の機械的粗面化処理で得られたアルミニウム合金板の表面に重畳して行うことも、あるいはアルミニウム合金板の表面にアルカリエッチング処理等の前処理を行った後に直接行うこともできる。

0025

ここで、本明細書において「主体とする」とは、酸またはアルカリ溶液において、酸性またはアルカリ成分全体に対して、30重量%以上、好ましくは、50重量%以上含まれることをいう。

0026

上記のアルミニウム合金板に対する電解粗面化処理では、塩酸または硝酸を主体とする電解液中で交流電流を電解電流としたエッチング処理を施すのが好ましい。交流電解電流の周波数としては0.1〜100Hzの範囲内に設定され、より好ましくは10〜60Hzの範囲内に設定される。電解液としては、塩酸および硝酸の何れを主体とする場合も、濃度を3〜150g/リットル、より好ましくは5〜50g/リットルとし、電解槽内でのアルミニウムの溶解量としては50g/リットル以下が適当であり、より好ましくは2〜20g/リットルが適当である。また必要に応じて各種の添加物を電解液へ添加してもよいが、このような添加物はアルミニウム合金板を大量生産する場合は、電解液の液濃度制御等を難しくする要因となる。また、電流密度は、5〜100A/dm2の範囲内が好ましく、10〜80A/dm2の範囲内がより好ましい。また、電解電流の波形としては、求める品質、使用されるアルミニウム合金板の成分等によって適宜選択されるが、特公昭56−19280号公報、特公昭55−19191号公報に開示されている特殊交番波形を用いることが好ましい。このような電解電流の波形や電解液等の条件は、アルミニウム合金板の単位面積当たり供給電気量とともに求める品質、使用されるアルミニウム合金板の成分等に応じて適宜選択される。

0027

<4.デスマット処理工程>上記のようにして電解粗面化処理されたアルミニウム合金板は、次に、電解粗面化処理で生じるスマットを除去するためのデスマット処理工程に送られる。該デスマット処理工程は、アルカリ溶液によりアルカリ処理を行うアルカリ処理工程と、酸性溶液により酸処理を行う酸処理工程と、からなる。

0028

まず、電解粗面化処理されたアルミニウム合金板は、アルカリ溶液によりアルカリ処理が施される。アルカリ処理により、アルミニウム合金表面のスマットが溶解、除去されるとともに、電解粗面化処理でアルミニウム合金表面に生じた凹凸の一部を溶解し、形を整えることができる。アルカリ溶液としては、苛性ソーダ溶液等各種のものがあるが、pH10以上,液温60〜80℃とされたアルカリ溶液でアルミニウム合金板を処理するのが好ましい。このとき、生産性向上の点からは、アルカリ溶液の液温を65〜80℃の範囲内に調整することで、アルカリ処理時間を1〜10secという極めて短い時間で完了できる。アルカリ処理の方法としては、浸漬方式スプレー方式、溶液をアルミニウム合金板へ塗布する方法等を採用することができる。

0029

次に、酸性溶液によりアルミニウム合金板を酸処理する。酸性溶液としては、硫酸を主体とするものが好ましく、酸性溶液の濃度(例えば、酸として硫酸を使用する場合は、中和滴定で測定した硫酸の濃度)としては、170〜800g/リットルが好ましい。濃度が170g/リットルより低いとスマットについては除去できるものの、金属間化合物ついては十分な除去効果が得られない。濃度が低いとスマットについては十分除去できるが、金属間化合物については高い除去効果が得られないことから、300〜800g/リットルの濃度範囲とすることが好ましい。また酸性溶液の液温は30〜90℃とするのが好ましい。このとき、酸性溶液の液温は、金属間化合物の除去効果に対して、酸性溶液の濃度と比較しても影響が大きく、30℃未満では金属間化合物に対して十分な除去効果が得られないことがある。特に、生産性を考慮して金属間化合物を短時間で除去するためには、酸性溶液の液温を50〜90℃とすることがより好ましく、60〜90℃とすることがさらに好ましい。酸処理の方法としては、浸漬方式、スプレー方式、溶液をアルミニウム合金板へ塗布する方法等が採用できる。

0030

また、酸処理を行う際の酸性溶液中に存在するCuイオン濃度は、1〜50ppmの範囲とするのを必須とし、1〜40ppmとするのが好ましい。酸性溶液中のCuイオン濃度が50ppmを超えると、酸処理中にアルミニウム合金板表面にCuイオンが付着して、残留することになり、表面にムラを発生させることになる。Cuイオン濃度はできる限り低いほうがよいが、1ppm未満とすると、酸性溶液の液制御(濃度制御)が難しくなる。

0031

Cuイオンが酸性溶液に混入する場合としては、酸処理に使用した酸性溶液を循環させて使用すると起こり得る。例えば、酸処理を行うために特願2000−123805号に記載の装置を使用する場合、当該装置は循環機構を有しているため、酸処理後の酸性溶液が、再びアルミニウム合金板の酸処理に使用される。このとき酸処理後の酸性溶液には、酸処理によりアルミニウム合金板表面から溶出するCuイオン等が含まれる。そして、Cuイオン濃度が酸処理回数や時間等によって、増加することになり、これがアルミニウム合金板に付着して残留することで、処理ムラ等が生じてしまう。

0032

Cuイオン濃度が50ppmを超えないようにするには、Cuイオンを含まない酸性溶液を新たに供給し、余分な酸性溶液をオーバーフローさせる方法等が用いられる。また、Cuイオン濃度の測定には、1998年版のJIS k 0102 52.2を使用するのが好ましい。

0033

<6.陽極酸化処理工程>デスマット処理が施されたアルミニウム合金板について、次に、陽極酸化処理が施される(陽極酸化処理工程)。陽極酸化処理により、アルミニウム合金板の表層部に陽極酸化被膜が形成される。形成させる陽極酸化被膜の量は、0.1〜10g/m2が好ましく、0.3〜5g/m2がより好ましい。陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって設定を変更する必要があるので一概には決定されないが、一般的には、電解液の濃度は1〜80wt%、液温は5〜70℃、電流密度は0.5〜60A/dm2、電圧は1〜100V、電解時間は1sec〜5minの範囲内でそれぞれ設定されるのが好ましい。

0034

本発明の平版印刷版用支持体の製造方法によれば、所定の条件でデスマット処理を行っているので、印刷性能を低下させる有害な金属間化合物およびスマットを除去することができる。また、後工程の陽極酸化処理工程で設けられる陽極酸化被膜中にスマットおよび金属間化合物に起因する欠陥の発生を低減させることができるので、アルミニウム合金の合金組成や製造工程を厳密に管理することなく製造できる。この結果、本実施形態の平版印刷版用支持体の製造方法により製造されたアルミニウム合金板を支持体として、平版印刷版を製造することにより、その平版印刷版により印刷された非画像部における過酷インキ汚れを効果的に防止できる。

0035

また、本実施形態に係るアルミニウム合金板における陽極酸化被膜はそれ自身安定で、十分高い親水性を有していることから、陽極酸化被膜表面には直ちに感光性材料を塗布して感光性塗膜(感光層)を形成することも可能であるが、必要に応じてさらに表面処理を施すこともできる。例えば、アルミニウム合金板の表面にアルカリ金属珪酸塩によるシリケート層、または、親水性高分子化合物等よりなる下塗層を設けることができる。このとき、シリケート層、または、下塗層の塗布量は1〜150mg/m2が好ましい。このようにして必要に応じてシリケート層、または、下塗層が設けられたアルミニウム合金板表面に、感光性塗膜(感光層)を形成して平版印刷版原版が製造される。この平版印刷版原版は画像露光、現像等の工程を経て平版印刷版とされた後、印刷機にセットされる。

0036

以下に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0037

表1に示す合金成分を有するアルミニウム合金溶湯から、鋳造工程および圧延工程を経て、実施例1〜3および比較例1〜3のそれぞれに使用するアルミニウム合金の圧延板(アルミニウム合金板)を作製した。鋳造工程では、アルミニウム合金溶湯に脱ガス濾過とからなる清浄化処理を施した後、これをDC鋳造により、厚さ500mmの鋳塊とした。得られた鋳塊表面を10mm面削した後、均熱化処理を行うことなく鋳塊を加熱し、400℃に加熱された鋳塊を熱間圧延し、熱間圧延中加工熱を利用して熱間圧延中に金属結晶再結晶させ、その後、焼鈍を行わずに冷間圧延で厚さ0.24mmの圧延板に仕上げ、この圧延板の平坦性を矯正した。

0038

0039

次いで、パミンストン懸濁液を使用したブラシグレイン(8号ブラシ×3本)により、機械的粗面化処理を行った(機械的粗面化処理工程)。水洗後、75℃にて25%の苛性ソーダ(NaOH)溶液により、8g/m2までアルカリエッチング処理を行った(アルカリエッチング処理工程)。水洗後、40℃にて9g/リットルの硝酸によりデスマット処理を行った後、電解粗面化処理を行った(電解粗面化処理工程)。電解粗面化処理は、9g/リットルの硝酸を電解液とし、50℃にて、電気量を180C/m2として行った。

0040

その後、アルカリ処理と酸処理とからなるデスマット処理を行った(デスマット処理工程)。まず、スプレー方式により、25wt%のNaOH溶液を使用したアルカリ処理を行った(アルカリ処理工程)。アルカリ処理温度は、70℃、処理時間は4秒とした。

0041

アルカリ処理後、水洗して、スプレー方式により、300g/リットルの硫酸を使用した酸処理を行った(酸処理工程)。酸処理温度は、70℃、処理時間は4秒とした。また、Cuイオン濃度をモニターして、Cuイオンが所定の値になるように新液を投入することより、硫酸中のCuイオン濃度を制御した。なお、Cuイオン濃度は、1998年版のJIS k 0102 52.2により測定した。

0042

ここで、硫酸中のCuイオン濃度を1ppmとした場合を実施例1とし、10ppm、40ppmおよび50ppmとした場合をそれぞれ実施例2、3および4とした。また、硫酸中のCuイオン濃度を、60ppm、120ppmおよび0.8ppmとした場合をそれぞれ比較例1、2および3とした。

0043

実施例1〜4および比較例1〜3について、酸処理工程における液制御のしやすさと、酸処理後のそれぞれのアルミニウム合金板表面のムラ発生状態を、以下のようにして評価した。結果を表2に示す。

0044

液制御のしやすさ:液制御のしやすさは、液濃度の振れの大きさで評価した。振れ幅が大きく制御できないものを×とし、振れ幅がほとんどないものを○として、当該評価を行った。評価は○、○△、△、△×、×の5段階で行い、○が最良(最も液制御しやすい状態)で上記の順序で、液制御し難くなることを示し、△が許容下限を示す。

0045

アルミニウム合金板表面のムラ発生状態:アルミニウム合金板表面のムラ発生状態は、目視により評価した。評価は、○、○△、△、△×、×の5段階で行い、○が最良(ムラ発生がほとんどない状態)で上記の順序で、ムラの発生が目立つことを示し、△が許容下限を示す。

0046

0047

表2より、実施例1〜4では、液制御のしやすさ、およびアルミニウム合金板表面のムラ発生状態が良好であった。比較例3では、アルミニウム合金板表面のムラ発生状態は良好であったが、他の例に比べ液制御性が劣っていた。

0048

本実施例は、酸性溶液として硫酸を主体とする溶液を用いたが、勿論、塩酸、硝酸等の酸あるいは、これら酸の混合物でも同様な効果が得られる。但し、設備耐腐食性の観点からは、塩酸、硝酸よりは硫酸の方が望ましく、液管理の簡素化の観点では、混合物よりは単一の酸を主体とする溶液の方が望ましい。また実施例では、アルカリ処理の条件として処理温度を70℃、処理時間を4秒にそれぞれ設定したが、処理温度については60〜80℃の範囲内であれば、液温に対応させて処理時間を調整すれば70℃とした場合と同様の効果が得られることが確認されている。但し、アルカリ溶液の温度を70℃以上にすると短時間処理が可能になるので生産性の観点でより望ましい。また、80℃を超す温度は溶解量の管理が難しくなるので好ましくない。

発明の効果

0049

以上説明したように、本発明の平版印刷版用支持体の製造方法によれば、酸処理工程における酸性溶液中のCuイオンの濃度を1〜50ppmとしたので、酸処理中にアルミニウム合金板表面にCuが付着することがないため、ムラが発生することがない。

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