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技術 鋳包みによるシール接合方法

出願人 株式会社キッツ讃岐鋳造鉄工株式会社
発明者 向井伸禎清水靖丸山泰秀山篠隆司
出願日 2000年12月8日 (20年0ヶ月経過) 出願番号 2000-373781
公開日 2002年6月25日 (18年6ヶ月経過) 公開番号 2002-178131
状態 未査定
技術分野 鋳ぐるみ鋳造
主要キーワード はめ輪 不接合 全面シール 仕事当量 シート漏れ メッキ成分 グローブ弁 耐圧検査
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年6月25日)のものです。
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図面 (17)

課題

包みによる接合方法によって、シール溶融接合することができ、しかも、ねじ込み用やかしめ用のための素材加工を不必要として、工数の低減化を図り、特に、バルブ等の部品に好適なシール溶融接合方法を提供することにある。

解決手段

被鋳包み体2を配設した鋳型内に溶湯注湯して鋳包み本体1と被鋳包み体2とを一体に接合する方法において、注湯の際に、溶湯から前記被鋳包み体2に供給される熱量を下記算定式による熱量以上とすることにより被鋳包み体2と前記鋳包み本体1との少なくとも一部をシール溶融接合した状態で両者を一体接合するようにしたことを特徴とする鋳包みによるシール接合方法である。

概要

背景

この種のバルブシートリングは、異種金属溶接盛金の後、加工、仕上げをして弁座とし、この弁座は、シール性確保、かじ付き防止、使用中に緩まないことが重要な条件であり、緩むと弁座の裏から漏れが生じるおそれがある。

また、ボデーとシートリングの固定方法には、ねじ込み式、かしめ式、溶接式とがあり、このねじ込み式やかしめ式のように部品と部品との締結による固定方法は、バルブの使用条件により、シート漏れが発生する可能性があるうえに、素材にねじ等の加工をしなければならず、工数がかかり、コストアップ要因ともなっていた。一方、溶接式の場合は、シール性は良好であるが、狭いスペースでの溶接であるため、極めて作業性が悪いものであった。

また、従来より異種金属による各種の鋳包み方法が提案されているが、何れもバルブ用ボデーとシートリングの接合時において、両者をシール溶融接合する技術とは言えない。例えば、特開平11−190350号公報記載の技術は、鋳鉄溶湯体積被包み材の体積との体積比を18以上とするようにした製造方法であり、その用途は、車両用終減速装置の部品を鋳包むための技術であって、両者を一体接合することによって強度を向上させ、かつ製造工程を簡略化するものである。

圧力容器であるバルブのボデーは、薄肉のボデー本体と、配管ボンネット部品との接続に用いられる厚肉フランジ部とから形成されており、上記薄肉のボデー本体部にシートリングが配置される。ボデー本体の肉厚寸法は公的な規格等により予め決められており、シートリング配置スペース肉厚もこれに準拠して所定の耐圧・強度を確保しつつ、必要最低限の厚みに設定されている。上記シートリングとバルブボデーとのシール溶融接合性に直接影響するのは、溶湯が流れ込む空間の大きさから、ボデー本体部のシートリング配置スペース付近のみであり、そのスペースに供給される溶湯の体積は、シートリング体積の約2〜3倍に過ぎない。従って、同公報の技術は、圧力容器であるバルブボデーのように、肉厚が決まっており、シートリングの配置スペースも限られているシール溶融接合の場合には、適用することはできない。

概要

包みによる接合方法によって、シール溶融接合することができ、しかも、ねじ込み用やかしめ用のための素材加工を不必要として、工数の低減化を図り、特に、バルブ等の部品に好適なシール溶融接合方法を提供することにある。

被鋳包み体2を配設した鋳型内に溶湯を注湯して鋳包み本体1と被鋳包み体2とを一体に接合する方法において、注湯の際に、溶湯から前記被鋳包み体2に供給される熱量を下記算定式による熱量以上とすることにより被鋳包み体2と前記鋳包み本体1との少なくとも一部をシール溶融接合した状態で両者を一体接合するようにしたことを特徴とする鋳包みによるシール接合方法である。

目的

そこで、本発明者等は、従来の課題点を解決するため、鋭意研究の結果、本発明を開発に至ったものであり、鋳包みによる接合方法によって、シール溶融接合することができ、しかも、ねじ込み用やかしめ用のための素材加工を不必要として、工数の低減化を図り、特に、バルブ等の部品に好適なシール溶融接合方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

被鋳包み体を配設した鋳型内に溶湯注湯して鋳包み本体と被鋳包み体とを一体に接合する方法において、注湯の際に、溶湯から前記被鋳包み体に供給される熱量を下記算定式による熱量以上とすることにより被鋳包み体と前記鋳包み本体との少なくとも一部をシール溶融接合した状態で両者を一体接合するようにしたことを特徴とする鋳包みによるシール接合方法。熱量=c×ρ×v×t/ηc:被鋳包み体の比熱ρ:被鋳包み体の密度v:被鋳包み体の体積t:鋳包み本体の溶湯の固相温度η:熱効率

請求項2

上記鋳包み本体がダクタイル鋳鉄で、被鋳包み体がステンレス等の鋼材であり、鋳包み本体の注湯時に、ダクタイル鋳鉄溶湯から前記被鋳包み体に、15.0×103[J]以下の熱量を供給してシール溶融接合部分を形成することにより、両者を一体接合するようにした請求項1に記載の鋳包みによるシール接合方法。

請求項3

上記被鋳包み体のシール接合部位は、リング状の被鋳包み体の外径に形成したフィン部である請求項1又は2に記載の鋳包みによるシール接合方法。

請求項4

上記被鋳包み体を予熱し、被鋳包み体への熱量供給を補うようにした請求項1乃至3の何れかに記載の鋳包みによるシール接合方法。

請求項5

上記鋳包み本体がバルブボデーで、被鋳包み体がシートリングであり、このシートリングとバルブボデーとを上記の接合方法により溶融接合するようにした請求項1乃至4の何れかに記載の鋳包みによるシール接合方法。

技術分野

0001

本発明は鋳包みによるシール接合方法に関し、特に、バルブボデーシートリングとの鋳包みによる接合部位シール溶融接合するようにした鋳包みによるシール接合方法に関する。

背景技術

0002

この種のバルブ用シートリングは、異種金属溶接盛金の後、加工、仕上げをして弁座とし、この弁座は、シール性確保、かじ付き防止、使用中に緩まないことが重要な条件であり、緩むと弁座の裏から漏れが生じるおそれがある。

0003

また、ボデーとシートリングの固定方法には、ねじ込み式、かしめ式、溶接式とがあり、このねじ込み式やかしめ式のように部品と部品との締結による固定方法は、バルブの使用条件により、シート漏れが発生する可能性があるうえに、素材にねじ等の加工をしなければならず、工数がかかり、コストアップ要因ともなっていた。一方、溶接式の場合は、シール性は良好であるが、狭いスペースでの溶接であるため、極めて作業性が悪いものであった。

0004

また、従来より異種金属による各種の鋳包み方法が提案されているが、何れもバルブ用ボデーとシートリングの接合時において、両者をシール溶融接合する技術とは言えない。例えば、特開平11−190350号公報記載の技術は、鋳鉄溶湯体積被包み材の体積との体積比を18以上とするようにした製造方法であり、その用途は、車両用終減速装置の部品を鋳包むための技術であって、両者を一体接合することによって強度を向上させ、かつ製造工程を簡略化するものである。

0005

圧力容器であるバルブのボデーは、薄肉のボデー本体と、配管ボンネット部品との接続に用いられる厚肉フランジ部とから形成されており、上記薄肉のボデー本体部にシートリングが配置される。ボデー本体の肉厚寸法は公的な規格等により予め決められており、シートリング配置スペース肉厚もこれに準拠して所定の耐圧・強度を確保しつつ、必要最低限の厚みに設定されている。上記シートリングとバルブボデーとのシール溶融接合性に直接影響するのは、溶湯が流れ込む空間の大きさから、ボデー本体部のシートリング配置スペース付近のみであり、そのスペースに供給される溶湯の体積は、シートリング体積の約2〜3倍に過ぎない。従って、同公報の技術は、圧力容器であるバルブボデーのように、肉厚が決まっており、シートリングの配置スペースも限られているシール溶融接合の場合には、適用することはできない。

発明が解決しようとする課題

0006

そこで、本発明者等は、従来の課題点を解決するため、鋭意研究の結果、本発明を開発に至ったものであり、鋳包みによる接合方法によって、シール溶融接合することができ、しかも、ねじ込み用やかしめ用のための素材加工を不必要として、工数の低減化を図り、特に、バルブ等の部品に好適なシール溶融接合方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、被鋳包み体を配設した鋳型内に溶湯を注湯して鋳包み本体と被鋳包み体とを一体に接合する方法において、注湯の際に、溶湯から前記被鋳包み体に供給される熱量を下記算定式による熱量以上とすることにより被鋳包み体と前記鋳包み本体との少なくとも一部をシール溶融接合した状態で両者を一体接合するようにした鋳包みによるシール接合方法である。
熱量=c×ρ×v×t/η
c:被鋳包み体の比熱
ρ:被鋳包み体の密度
v:被鋳包み体の体積
t:鋳包み本体の溶湯の固相温度
η:熱効率

0008

請求項2に係る発明は、鋳包み本体がダクタイル鋳鉄で、被鋳包み体がステンレス等の鋼材であり、鋳包み本体の注湯時に、ダクタイル鋳鉄溶湯から前記被鋳包み体に、15.0×103[J]以下の熱量を供給してシール溶融接合部分を形成することにより、両者を一体接合するようにした接合方法である。

0009

請求項3に係る発明は、被鋳包み体のシール接合部位は、リング状の被鋳包み体の外径に形成したフィン部である。また、請求項4に係る発明は、被鋳包み体を予熱し、被鋳包み体への熱量供給を補うようにしたシール接合方法である。

0010

請求項5に係る発明は、鋳包み本体がバルブボデーで、被鋳包み体がシートリングであり、このシートリングとバルブボデーとを上記のシール接合方法により接合するようにした鋳包みによるシール接合方法である。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明における鋳包みによるシール接合方法の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明における鋳包み造型断面図であり、同図は、ゲートバルブのボデー1(鋳包み本体)とシートリング2(被鋳包み体)を一体接合するための造型における砂鋳型下型)3に砂中子4をセットし、この砂中子4の案内取付部5,5にシートリング2,2を一対配設し、砂鋳型3と砂中子4との間に鋳造空間6を形成している。図2は、図1に示す鋳包み造型により鋳造したゲートバルブのボデー1である。

0012

このシートリング2である被鋳包み体は、ステンレス(SUS403等)や構造用合金鋼材(SS400等)その他の材料を用いている。また、鋳包み本体1を成形する溶湯金属は、本例ではダクタイル鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄)を用いている。

0013

鋳包み本体1であるダクタイル鋳鉄溶湯を図示しない湯口より注湯して鋳造空間6内に注湯して造型する。図5に示すように、シートリング2のシート側2aとは反対側の外径位置には、シートリング2の全周にわたって断面三角形状のフィン部7を形成し、後述するように、必要な熱量を小さくし、肉厚の薄いバルブボデーの形状でもシートリング2を鋳包みにより確実にシール溶融接合することができる。図3及び図4に示す形状のシートリング20,30を鋳包んだ場合、同図の斜線部分20a,30aは肉厚であるため、シートリング20,30が溶湯の熱で高温になる前に、界面の溶湯が、既に凝固してしまい接合することができない。

0014

そこで、同図の場合におけるシートリングの接合部位をダクタイル鋳鉄の固相温度1150℃以上に加熱するために必要な熱量を検討した(図3図5のシートリングはバルブ呼び径サイズを100Aとする)。まず、図3に示すシートリング20における比較例1の必要熱量Q1を算出した。Q1=ステンレスの比熱×熱の仕事当量×ステンレスの密度×斜線部分の体積×固相温度/熱効率であるから、Q1=0.11[cal/g・℃]×4.19[J/cal]×7.8[g/cm3]×26[cm3](シートリング20の斜線部20aの体積)×1150℃/0.9=119×103[J]であった。この条件で鋳包み鋳造をしたところ、シートリング20の斜線部分20aと溶湯金属との間へ隙間が生じ、シール溶融接合されていないことが確認された。

0015

次に、図4に示すシートリング30における比較例2の必要熱量Q2を算出したところ、Q2=0.11[cal/g・℃]×4.19[J/cal]×7.8[g/cm3]×8.7[cm3](シートリング30の斜線部30aの体積)×1150℃/0.9=40×103[J]であった。この条件で鋳包み鋳造したところ、シートリング30の斜線部分30aと溶湯金属とは、全体的に隙間が見られ、シール溶融接合されていないことが確認された。すなわち、上記2つの比較例では、鋳造時において、シートリング30に必要熱量が供給されていないことを示す。

0016

図5は、本発明におけるシートリング2の場合を示したものであり、その熱量Q3は、Q3=0.11[cal/g・℃]×4.19[J/cal]×7.8[g/cm3]×2.9[cm3](シートリング2の斜線部分7の体積)×1150℃/0.9=13.3×103[J]であった。この条件で鋳包み鋳造したところ、シートリング2の斜線部7と溶湯金属とは、シール溶融接合していることが確認された。上記は、バルブの呼び径サイズを100mm(100A)とした例であるが、最小サイズとするバルブサイズ25Aの場合の必要な熱量を算出すると、4.2×103[J]であり、100Aを最大とするとき、シール溶融接合するためのシートリング2に必要な熱量は、4.0×103〜15.0×103[J]の範囲である。従って、特殊な鋳造装置を用いることなく、鋳包み本体1であるダクタイル鋳鉄溶湯から必要熱量を得ることができるよう、斜線部分7の肉厚を設定することにより、シール溶融接合を行うことができる。より具体的には、斜線部分7の形状を断面三角形のフィン形状とするのが、表面積を広くして上記熱量を確保する点からも、溶湯を流れやすくして欠陥なく鋳造を行う点からも最適である。なお、ダクタイル鋳鉄溶湯から上記熱量を確保できない場合には、予めシートリング2の少なくとも斜線部分7を予熱することにより、シール溶融接合が可能となる。なお、フィン部7は、シートリング2の外周に、軸方向にずらせた位置で複数形成してもよいが、フィン部とフィン部の間に溶湯が浸入しやすいよう、間隔を確保して形成する。

0017

このように、フィン部7が溶湯の熱で局部的に加熱され、溶湯が凝固するまで固液共存時間が十分に保たれ、シートリング2の表面とダクタイル鋳鉄の成分元素拡散が促進され、拡散接合層が形成されることにより両者がシール溶融接合される。従って、注湯の際に、溶湯からシートリング2に供給される供給熱量は、次の算定式による熱量以上とすることが不可欠である。
熱量=c×ρ×v×t/η
c:被鋳包み体の比熱
ρ:被鋳包み体の密度
v:被鋳包み体の体積
t:鋳包み本体の溶湯の固相温度
η:熱効率

0018

上記に示す固相温度とは、溶湯金属が溶融する温度をいい、本例においては、溶湯金属と被鋳包み体とが互いの金属に元素拡散を生じ、シール溶融接合する温度をいう。なお、逆に、この温度を下回ってしまうと、溶湯金属の凝固が始まってしまい、被鋳包み体も固まり始めてしまう。

0019

また、図6図7は、シートリングに供給される熱量による温度変化の影響を示したものであり、前者は、シートリングが予熱されていない例であり、後者は、400℃の予熱が施こされている例である。この場合、バルブの呼び径は100Aであり、鋳造型への注湯時、溶湯の温度は約1450℃である。このとき、シートリング2のフィン部7には、図6において、約15×103[J]の熱量が供給されて、フィン部分はシール溶融接合されている。一方、フィン部以外のシート部分には、最大約13×103[J]の熱量しか供給されておらず、シール接合に必要な熱量13.3×103[J]に足りない。よって、シートリング2とボデー1部分とはシール接合しない。図6において、不接合部位は、固相温度(1150℃)よりも低くなっており、シートリング2が溶着する前に溶湯が固まってしまうことを示している。このように、熱量を供給し続ける時間は、さほど問題ではなく、注湯時に、シール溶融接合に必要な熱量を供給することが必要であることが確認される。

0020

図7は、リング温度による温度変化の影響を示したもので、シートリングを400℃の予熱処理した例を示す。同図において、予めシートリング2に、4.6×103[J]の熱量を加えておき、その後、注湯したものであり、シートリング2には、シール溶融接合に必要な熱量13.3×103[J]を上回り、計14.2×103[J]の熱量が加えられ、フィン部7がシール溶融接合される。

0021

このように、シートリング2を加熱することにより、固相温度1150℃よりもシートリング温度が高くなっており、このことにより溶湯が凝固する前にシートリング2が熱くなりシール溶融接合が促進されたことによることが確認された。

0022

また、本発明は、上記の例以外に、ゲート弁グローブ弁チャッキ弁その他のバルブのシートリング或はジスクのシートリングにも応用でき、また、バタフライ弁のジスクの外周に設けたダクタイル鋳鉄製のシートリングをSUS材で鋳包みすることも可能であり、この場合は、コスト的に有効である。更には、バルブのボンネットのはめ輪にも応用できるばかりでなく、バルブ部品以外にも、機械部品自動車部品などにも広く適用することもできる。

0023

次に、本発明における鋳包みによるシール接合方法の実施例を実験例と共に図面に基いて説明する。
(実験例1)図5に示すシートリング2を、図2に示すようなゲートバルブのボデー1の弁座位置に配置して鋳包んだ。供試品におけるバルブのサイズは100Aである。また、供試品におけるシートリング2の材質は、鋼材(SS400)にスズメッキを施し、且つシート面にはステライト盛金を施したものであり、ボデー1の材質はダクタイル鋳鉄(FCD−S)である。シートリング2をダクタイル鋳鉄溶湯温度1400℃〜1450℃にて鋳包んだ後、十分空冷した上で供試品を切断・研磨し、シートリング接合面の金属組織を観察した。図8にシートリング2の径方向断面における金属組織写真を、図9にシートリング2の周方向における金属組織写真を示す。

0024

この実験結果によると、図8に示す金属組織写真(25倍)において、シートリング2のフィン部7とボデー1が鋳包みによりシール溶融接合していることが確認された。この場合、溶融接合している範囲は、2mmほどである。図8及び図9において、溶融接合している部分は、シートリング2(SS400)とボデー1(FCD−S)の双方とも、パーライト相リッチになっていることが、写真黒色部分から判断できる。これは、シール溶融接合により接合界面において、シートリング材質(SS400)とボデー材質(FCD−S)による成分元素拡散が行われていることを示している。一方、シール溶融接合していない部分では、双方ともフェライト相であった。なお、シートリング2のフィン部7の部分では、図9に示す状態で円周方向に沿って全面シール溶融接合しており、また、シール溶融接合していないシートリング2とボデー1との隙間は、シートリング2のシート側2aに向かうほど広くなっている。

0025

更に、シール溶融接合が確実に行われていることを確認するため、エネルギー分散X線分析装置(EDX)によるシートリング接合面の表面組織分析を行った。その結果を表1及び図10及び図11に示す。溶融接合部では、ボデー1からシートリング2に炭素(C)の拡散が確認され、また、シートリング2のメッキ成分であるスズ(Sn)は、ボデー1にも拡散して溶融接合部全体に均一に拡散していることが確認された。従って、EDXによる表面組織分析結果からも、シール溶融接合が確実に行われていることが確認できた。

0026

(実験例2)供試品におけるシートリング2の材質を、ステンレス鋼材(SUS403)に変更して実験を行った。供試品におけるバルブのサイズは25Aである。図12に示すシートリング8は、シート側8aの反対側に位置している反シート側8bにフィン部9を設け、中央部分に薄肉状の溝部8cを設けたものである。実験例1と同様の注湯条件にて鋳包みし、シートリング8の接合面の金属組織を観察した。図13にシートリング8のフィン部9における径方向断面の金属組織写真を、図14にシートリング8の溝部8cにおける径方向断面の金属組織写真を示す。

0027

この実験結果においても、図13の金属組織写真(100倍)にて明らかなように、シートリング8は浸炭されており、ボデー1側の金属組織は針状結晶となっていることから、シートリング8のフィン部9とボデー1はシール溶融接合していることが確認された。また、図14の金属組織写真(100倍)にて明らかなように、溝部8cとボデー1もシール溶融接合していることが確認された。

0028

ID=000003HE=025 WI=098 LX=0560 LY=0850
更に、シール溶融接合が確実に行われていることを確認するため、実験例1同様、EDXによるシートリング接合面の表面組織分析を行った。その結果を表1及び図15及び図16に示す。溶融接合部では、ボデー1からシートリング8に炭素(C)の拡散が確認され、また、シートリング8からSUS403の成分でクロム(Cr)の拡散が確認された。このうち、Cは上記光学的に観察された金属組織写真に見られる浸炭部に拡散しており、シートリング8内では接合界面部がCの濃度が最も高く、シートリング8内に向かうほど緩やかに濃度が低下している。一方、Crは、上記金属組織写真に見られる針状結晶粒内に存在し、ボデー1内に向かうほど緩やかに濃度が低下している。従って、EDXによる表面組織分析結果からも、シール溶融接合が確実に行われていることが確認できた。

0029

実験例1のSS400製シートリングを鋳包んだゲートバルブを用いて、耐圧検査を行った。その結果を表2に示す。

発明の効果

0030

以上のことがら明らかなように、本発明によると、被鋳包み体と鋳包み本体とをシール溶融接合することができるため、鋳包み接合するもの同志を確実に密封シールすることができ、例えば、バルブ部品等のようにシール接合を可能とする鋳包みに最適である。

0031

また、バルブ部品等をねじ込みやかしめ等の手段で接合していた従来方式に比較して著しい工数の低減化を図ることができ、コストの削減に寄与することができる。

図面の簡単な説明

0032

図1本発明における鋳包み造型断面図である。
図2図1により鋳包み鋳造したゲートバルブのボデーの断面図である。
図3シートリングの従来の一例を示した部分説明図である。
図4シートリングの従来の他例を示した部分説明図である。
図5本発明におけるシートリングの一例を示した部分説明図である。
図6本発明におけるシートリング温度による温度変化の影響を示したグラフの一例である。
図7本発明におけるシートリング温度による温度変化の影響を示したグラフの他例である。
図8実施例1におけるシートリングの径方向断面からのフィン部とボデーとの接合部分を示した金属組織写真(×25)である。
図9実験例1におけるシートリングの周方向断面からのフィン部とボデーの接合部分を示した金属組織写真(×100)である。
図10実験例1におけるシートリングのフィン部とボデーとの接合部分の炭素量EDX分析(線分析)結果である。
図11実験例1におけるシートリングのフィン部とボデーとの接合部分のスズ量EDX分析(線分析)結果である。
図12実施例2におけるシートリングの例を示した部分説明図である。
図13実験例2におけるシートリングの径方向断面からのフィン部とボデーとの接合部分を示した金属組織写真(×100)である。
図14図12に示したシートリングの溝部中央部を示した金属組織写真(×100)である。
図15実験例2におけるシートリングのフィン部とボデーとの接合部分の炭素量EDX分析(線分析)結果である。
図16実験例2におけるシートリングのフィン部とボデーとの接合部分のクロム量EDX分析(線分析)結果である。

--

0033

1 鋳包み本体(ボデー)
2 被鋳包み体(シートリング)
3砂鋳型
4砂中子
6鋳造空間
7フィン部
8 シートリング

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