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課題

簡便な方法で均一な開口径を有する光学的な開口を形成する方法を提供すること。

解決手段

錐状突起1と、その近傍に配置され、かつ錐状突起1と略同じ高さを有するストッパー2と、少なくとも錐状突起1上に形成された遮光膜からなる被開口形成体に、撮影装置9で錐状突起1の位置を検出し、押し込み体6と錐状突起1とが所定の相対位置となるよう、被開口形成体をステージ10で位置決めする。その後、錐状突起1とストッパー2の少なくとも一部を覆うような略平面を有する板を押し込み体6で錐状突起1に向かって加圧し、遮光膜3を塑性変形させ、錐状突起1の略先端に光学的な開口を形成することを特徴とする。

概要

背景

試料表面においてナノメートルオーダ微小な領域を観察するために走査型トンネル顕微鏡STM)や原子間力顕微鏡AFM)に代表される走査型プローブ顕微鏡(SPM)が用いられている。SPMは、先端が先鋭化されたプローブを試料表面に走査させ、プローブと試料表面との間に生じるトンネル電流原子間力などの相互作用観察対象として、プローブ先端形状に依存した分解能の像を得ることができるが、比較的、観察する試料に対する制約が厳しい。

そこでいま、試料表面に生成される近視野光とプローブとの間に生じる相互作用を観察対象とすることで、試料表面の微小な領域の観察を可能にした近視野光学顕微鏡(SNOM)が注目されている。

近視野光学顕微鏡においては、先鋭化された光ファイバーの先端に設けられた開口から近視野光を試料の表面に照射する。開口は、光ファイバーに導入される光の波長回折限界以下の大きさを有しており、たとえば、100nm程度の直径である。プローブ先端に形成された開口と試料間の距離は、SPMの技術によって制御され、その値は開口の大きさ以下である。このとき、試料上での近視野光のスポット径は、開口の大きさとほぼ同じである。したがって、試料表面に照射する近視野光を走査することで、微小領域における試料の光学物性観測を可能としている。

顕微鏡としての利用だけでなく、光ファイバープローブを通して試料に向けて比較的強度の大きな光を導入させることにより、光ファイバープローブの開口にエネルギー密度の高い近視野光を生成し、その近視野光によって試料表面の構造または物性を局所的に変更させる高密度光メモリ記録としての応用も可能である。強度の大きな近視野光を得るために、プローブ先端の先端角を大きくすることが試みられている。

これら近視野光を利用したデバイスにおいて、開口の形成が最も重要である。開口の作製方法の一つとして、特許公報平5−21201に開示されている方法が知られている。特許公報平5−21201の開口作製方法は、開口を形成するための試料として、先鋭化した光波ガイド遮光膜堆積したものを用いている。開口の作製方法は、遮光膜付きの先鋭化した光波ガイドを圧電アクチュエータによって良好に制御された非常に小さな押しつけ量で硬い平板押しつけることによって、先端の遮光膜を塑性変形させている。

また、開口の形成方法として、特開平11−265520に開示されている方法がある。特開平11−265520の開口の作製方法において、開口を形成する対象は、平板上に集束イオンビーム(FIB)によって形成された突起先端である。開口の形成方法は、突起先端の遮光膜に、側面からFIBを照射し、突起先端の遮光膜を除去することによって行っている。

概要

簡便な方法で均一な開口径を有する光学的な開口を形成する方法を提供すること。

錐状突起1と、その近傍に配置され、かつ錐状突起1と略同じ高さを有するストッパー2と、少なくとも錐状突起1上に形成された遮光膜からなる被開口形成体に、撮影装置9で錐状突起1の位置を検出し、押し込み体6と錐状突起1とが所定の相対位置となるよう、被開口形成体をステージ10で位置決めする。その後、錐状突起1とストッパー2の少なくとも一部を覆うような略平面を有する板を押し込み体6で錐状突起1に向かって加圧し、遮光膜3を塑性変形させ、錐状突起1の略先端に光学的な開口を形成することを特徴とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

十分な厚さを有する遮光膜で覆われた微小突起の略先端に光学的な開口を作製する方法において、基板上に錐状突起および前記錐状突起と略同じ高さのストッパーを作製する工程と、前記錐状突起を遮光膜で覆う工程と、前記錐状突起が所定位置位置決めされるよう前記基板を設置する工程と、押し込み体で少なくとも前記所定位置を加圧して、前記錐状突起の略先端に光学的な開口を形成する工程とを含むことを特徴とする光学的な開口の作製方法

請求項2

前記基板を設置する工程が、前記錐状突起の位置検出工程と、前記基板もしくは前記押し込み体の移動工程からなることを特徴とする請求項1に記載の光学的な開口の作製方法。

請求項3

前記錐状突起の位置検出工程が、前記基板近傍の観察によるものであることを特徴とする請求項2に記載の光学的な開口の作製方法。

請求項4

前記錐状突起の位置検出工程が、少なくとも二方向からの観察であることを特徴とする請求項3に記載の光学的な開口の作製方法。

請求項5

十分な厚さを有する遮光膜で覆われた微小突起の略先端に光学的な開口を作製する方法において、基板上に複数の錐状突起および前記錐状突起と略同じ高さの複数のストッパーを作製する工程と、前記錐状突起を遮光膜で覆う工程と、押し込み体で基板の一部分ずつ加圧して、複数の前記錐状突起の略先端に光学的な開口を形成する工程とを含むことを特徴とする光学的な開口の作製方法。

請求項6

十分な厚さを有する遮光膜で覆われた微小突起の略先端に光学的な開口を作製する方法において、基板上に複数の錐状突起および前記錐状突起と略同じ高さの複数のストッパーを作製する工程と、前記錐状突起を遮光膜で覆う工程と、前記錐状突起より変形しやすい押し込み体で基板を加圧して、複数の前記錐状突起の略先端に光学的な開口を一括して形成する工程とを含むことを特徴とする光学的な開口の作製方法。

技術分野

0001

この発明は、光学的な開口の作製方法に関するものである。特に近視野光照射・検出する近視野光デバイスに用いる開口の作製方法に関する。

背景技術

0002

試料表面においてナノメートルオーダ微小な領域を観察するために走査型トンネル顕微鏡STM)や原子間力顕微鏡AFM)に代表される走査型プローブ顕微鏡(SPM)が用いられている。SPMは、先端が先鋭化されたプローブを試料表面に走査させ、プローブと試料表面との間に生じるトンネル電流原子間力などの相互作用観察対象として、プローブ先端形状に依存した分解能の像を得ることができるが、比較的、観察する試料に対する制約が厳しい。

0003

そこでいま、試料表面に生成される近視野光とプローブとの間に生じる相互作用を観察対象とすることで、試料表面の微小な領域の観察を可能にした近視野光学顕微鏡(SNOM)が注目されている。

0004

近視野光学顕微鏡においては、先鋭化された光ファイバーの先端に設けられた開口から近視野光を試料の表面に照射する。開口は、光ファイバーに導入される光の波長回折限界以下の大きさを有しており、たとえば、100nm程度の直径である。プローブ先端に形成された開口と試料間の距離は、SPMの技術によって制御され、その値は開口の大きさ以下である。このとき、試料上での近視野光のスポット径は、開口の大きさとほぼ同じである。したがって、試料表面に照射する近視野光を走査することで、微小領域における試料の光学物性観測を可能としている。

0005

顕微鏡としての利用だけでなく、光ファイバープローブを通して試料に向けて比較的強度の大きな光を導入させることにより、光ファイバープローブの開口にエネルギー密度の高い近視野光を生成し、その近視野光によって試料表面の構造または物性を局所的に変更させる高密度光メモリ記録としての応用も可能である。強度の大きな近視野光を得るために、プローブ先端の先端角を大きくすることが試みられている。

0006

これら近視野光を利用したデバイスにおいて、開口の形成が最も重要である。開口の作製方法の一つとして、特許公報平5−21201に開示されている方法が知られている。特許公報平5−21201の開口作製方法は、開口を形成するための試料として、先鋭化した光波ガイド遮光膜堆積したものを用いている。開口の作製方法は、遮光膜付きの先鋭化した光波ガイドを圧電アクチュエータによって良好に制御された非常に小さな押しつけ量で硬い平板押しつけることによって、先端の遮光膜を塑性変形させている。

0007

また、開口の形成方法として、特開平11−265520に開示されている方法がある。特開平11−265520の開口の作製方法において、開口を形成する対象は、平板上に集束イオンビーム(FIB)によって形成された突起先端である。開口の形成方法は、突起先端の遮光膜に、側面からFIBを照射し、突起先端の遮光膜を除去することによって行っている。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許公報平5−21201の方法によれば、光波ガイド一本ずつしか開口を形成する事ができない。また、特許公報平5−21201の方法によれば、移動分解能が数nmの圧電アクチュエータによって押し込み量を制御する必要があるため、開口形成装置をその他の装置や空気などの振動による影響が少ない環境におかなくてはならない。また、光伝搬体ロッドが平板に対して垂直に当たるように調整する時間がかかってしまう。また、移動量の小さな圧電アクチュエータの他に、移動量の大きな機械的並進台が必要となる。さらに、移動分解能が小さな圧電アクチュエータを用いて、押し込み量を制御する際に、制御装置が必要であり、かつ、制御して開口を形成するためには数分の時間がかかる。したがって、開口作製のために、高電圧電源フィードバック回路などの大がかりな装置が必要となる。また、開口形成にかかるコストが高くなる問題があった。

0009

また、特開平11−265520の方法によれば、加工対象は平板上の突起であるが、FIBを用いて開口を形成しているため、一つの開口の形成にかかる時間が10分程度と長い。また、FIBを用いるために、試料を真空中におかなければならない。従って、開口作製にかかる作製コストが高くなる問題があった。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の光学的な開口の作製方法は、十分な厚さを有する遮光膜で覆われた微小突起の略先端に光学的な開口を作製する方法において、基板上に錐状突起および前記錐状突起と略同じ高さのストッパーを作製する工程と、前記錐状突起を遮光膜で覆う工程と、前記錐状突起が所定位置位置決めされるよう前記基板を設置する工程と、押し込み体で少なくとも前記所定位置を加圧して、前記錐状突起の略先端に光学的な開口を形成する工程とを含むものである。

0011

また、本発明の光学的な開口の作製方法は、前記基板を設置する工程が、前記錐状突起の位置検出工程と、前記基板もしくは前記押し込み体の移動工程からなるものである。

0012

また、本発明の光学的な開口の作製方法は、前記錐状突起の位置検出工程が、前記基板近傍の観察によるものである。

0013

したがって、本発明の光学的な開口の作製方法によれば、錐状突起と略同じ高さを有するストッパーによって、押し込み体の変位が制御されるため、押し込み体で加圧するだけで簡単に光学的な開口を作製する事ができる。また、真空中、液中大気中など様々な環境下で開口を作製することができる。また、光学的な開口を作製する際に特別な制御装置を必要としないため、光学的な開口を作製するための装置を単純化する事ができる。また、所定の力を与える時間を非常に短くすることが容易であり、開口作製にかかる時間を短くすることができるため、開口作製にかかるコストを低くすることができる。また、押し込み体が加圧する位置を設定することで、遮光膜の変形量を精度よく制御できるため、開口サイズを高精度に作製することができる。

0014

また、本発明の光学的な開口の作製方法は、前記錐状突起の位置検出工程が、少なくとも二方向からの観察であるものである。

0015

したがって、押し込み体で加圧する際に、一方向からの観察では錐状突起が押し込み体で隠れて観察できなくなるという問題を、少なくとも二方向からの観察で回避でき、高精度に錐状突起の位置検出が行え、開口サイズをより高精度に作製することができる。

0016

また、本発明の光学的な開口の作製方法は、十分な厚さを有する遮光膜で覆われた微小突起の略先端に光学的な開口を作製する方法において、基板上に複数の錐状突起および前記錐状突起と略同じ高さの複数のストッパーを作製する工程と、前記錐状突起を遮光膜で覆う工程と、押し込み体で基板の一部分ずつ加圧して、複数の前記錐状突起の略先端に光学的な開口を形成する工程とを含むものである。

0017

したがって、基板の一部分のみを加圧するため、基板上での加圧力分布範囲が小さくでき、個々の錐状突起先端の遮光膜に対して一定した加圧力がかかり、複数の錐状突起先端に同サイズの開口を作製することが可能となる。

0018

また、本発明の光学的な開口の作製方法は、十分な厚さを有する遮光膜で覆われた微小突起の略先端に光学的な開口を作製する方法において、基板上に複数の錐状突起および前記錐状突起と略同じ高さの複数のストッパーを作製する工程と、前記錐状突起を遮光膜で覆う工程と、前記錐状突起より変形しやすい押し込み体で基板を加圧して、複数の前記錐状突起の略先端に光学的な開口を一括して形成する工程とを含むものである。

0019

したがって、加圧力分布が大きくても、前記錐状突起より変形しやすい押し込み体が基板に追従して変形し、加圧力分布を吸収するため、個々の錐状突起先端に一定の加圧力がかかる。そのため、複数の錐状突起先端に一括して同サイズの開口を作製することができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0021

(実施の形態1)図1から図3は、本発明の実施の形態1に係る開口の形成方法について説明した図である。図1に示す、ワーク1000は、基板4上に形成された透明層5、透明層5の上に形成された錐状のチップ1および尾根状のストッパー2、チップ1、ストッパー2および透明層5の上に形成された遮光膜3からなる。なお、ワーク1000において、透明層5は、必ずしも必要ではなく、その場合、遮光膜3は、チップ1、ストッパー2および基板4上に形成される。また、遮光膜3は、チップ1にだけ堆積されていてもよい。

0022

チップ1の高さH1は、数mm以下であり、ストッパー2の高さH2は、数mm以下である。高さH1と高さH2の差は、1000nm以下である。チップ1とストッパー2の間隔は、数mm以下である。また、遮光膜3の厚さは、遮光膜3の材質によって異なるが、数10nmから数100nmである。

0023

チップ1、ストッパー2および透明層5は、二酸化ケイ素ダイヤモンドなどの可視光領域において透過率の高い誘電体や、ジンクセレンシリコンなどの赤外光領域において透過率の高い誘電体や、フッ化マグネシウムフッ化カルシウムなどの紫外光領域において透過率の高い材料を用いる。また、チップ1の材料は、開口を通過する光の波長帯において少しでもチップ1を透過する材料であれば用いることができる。また、チップ1、ストッパー2および透明層5は、同一の材料で構成されても良いし、別々の材料で構成されても良い。遮光膜3は、たとえば、アルミニウムクロム、金、白金、銀、銅、チタンタングステンニッケルコバルトなどの金属や、それらの合金を用いる。

0024

図2は、開口を形成する方法において、チップ1上の遮光膜3を塑性変形させている状態を示した図である。図1で示したワーク1000の上に、チップ1および少なくともストッパー2の一部を覆い、かつ、少なくともチップ1およびストッパー2側が平面、かつ、透明である板6を載せ、板6の上に押し込み用具7を載せる。このとき、押し込み用具7を載せる位置は、撮影装置9からの画像によりチップ1の位置を認識し、チップ1の真上に押し込み用具7が載るようにステージ10で基板4を位置決めする。そして、押し込み用具7はチップ1の中心軸方向に力Fを加えるため、板6がチップ1に向かって移動する。チップ1と板6との接触面積に比べて、ストッパー2と板6との接触面積は、数百〜数万倍も大きい。したがって、与えられた力Fは、ストッパー2によって分散され、結果として板6の移動量は小さくなる。板6の移動量が小さいため、遮光膜3が受ける塑性変形量は非常に小さい。また、チップ1およびストッパー2は、非常に小さな弾性変形を受けるのみである。板6が、遮光膜よりも硬く、チップ1およびストッパー2よりも柔らかい材料である場合、チップ1およびストッパー2が受ける力は板6に吸収されるため、板6の移動量がより小さくなり、遮光膜3の塑性変形量を小さくすることが容易となる。さらに、押し込み用具7に対して基板4を位置決めするため、押し込み用具7が板6を加圧する領域はチップ1の真上となる。このため、板6の移動量を高精度に制御でき、そして遮光膜3の塑性変形量も高精度に管理できる。

0025

図3は、力Fを加えた後に、板6および押し込み用具7を取り除いた状態を示した図である。遮光膜3の塑性変形量が非常に小さく、チップ1およびストッパー2が弾性変形領域でのみ変形するため、チップ1の先端に開口8が形成される。開口8の大きさは、数nmからチップ1を通過する光の波長の回折限界程度の大きさである。開口8に光を導入するために、基板4をチップ1の形成面と反対側からエッチングすることによって透明体5またはチップ1の少なくとも一部を露出させて、開口8への光の導入口を形成する。また、基板4を透明材料103で構成することによって、光の導入口を形成する工程を省くことができる。

0026

以上説明したように、本発明の開口作製方法によれば、ストッパー2および押し込み用具7の加圧力制御で板6の移動量を良好に制御することができ、かつ、板6の移動量を非常に小さくできるため、大きさが均一で小さな開口8をチップ1先端に容易に作製することができる。また、基板側から光を照射して、開口8から近視野光を発生させることができる。

0027

次に、ワーク1000の製造方法を図4から図6を用いて説明する。図4は、基板材料104上に透明材料103を形成したのち、チップ用マスク101およびストッパー用マスク102を形成した状態を示している。図4(a)は上面図を示しており、図4(b)は、図4(a)のA−A’で示す位置における断面図を示している。透明材料103は、気相化学堆積法(CVD)やスピンコートによって基板材料104上に形成する。また、透明材料103は、固相接合接着などの方法によっても基板材料104上に形成することができる。次に、透明材料103上にフォトリソグラフィ工程によって、チップ用マスク101及びストッパー用マスク102を形成する。チップ用マスク101とストッパー用マスク102は、同時に形成しても良いし、別々に形成しても良い。

0028

チップ用マスク101およびストッパー用マスク102は、透明材料103の材質と次工程で用いるエッチャントによるが、フォトレジストや窒化膜などを用いる。透明材料103は、二酸化ケイ素やダイヤモンドなどの可視光領域において透過率の高い誘電体や、ジンクセレンやシリコンなどの赤外光領域において透過率の高い誘電体や、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムなどの紫外光領域において透過率の高い材料を用いる。

0029

チップ用マスク101の直径は、たとえば数mm以下である。ストッパー用マスク102の幅W1は、たとえば、チップ用マスク101の直径と同じかそれよりも数10nm〜数μmだけ小さい。また、ストッパー用マスク102の幅W1は、チップ用マスク101の直径よりも数10nm〜数μmだけ大きくてもよい。また、ストッパー用マスク102の長さは、数10μm以上である。

0030

図5は、チップ1およびストッパー2を形成した状態を示している。図5(a)は上面図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A’で示す位置の断面図である。チップ用マスク101およびストッパー用マスク102を形成した後、ウエットエッチングによる等方性エッチングによってチップ1およびストッパー2を形成する。透明材料103の厚さとチップ1およびストッパー2の高さの関係を調整することによって、図1に示す透明層5が形成されたり、形成されなかったりする。チップ1の先端半径は、数nmから数100nmである。この後、遮光膜をスパッタ真空蒸着などの方法で堆積する事によって、図1に示すワーク1000を形成する事ができる。また、遮光膜3をチップ1にだけ堆積する場合、遮光膜3の堆積工程において、チップ1上に遮光膜が堆積するような形状を有するメタルマスクを乗せてスパッタや真空蒸着などを行う。また、ワーク1000のチップが形成された面の全面に遮光膜3を堆積した後、チップ1にだけ遮光膜3が残るようなフォトリソグラフィ工程を用いても、チップ1上にだけ遮光膜3を形成する事ができる。

0031

図7および図8は、上記で説明したワーク1000の作製方法におけるチップ1とストッパー2の高さの関係を説明する図である。なお、以下では、チップ用マスク101の直径が、ストッパー用マスク102の幅よりも小さい場合について説明する。図7は、図5(a)で説明した工程において、チップ1とストッパー2だけを示した図であり、図8は、図7中B−B’で示す位置のチップ1と、図7中C−C’で示す位置のストッパー2の断面図である。

0032

図8(a)は、チップ1がちょうど形成された状態を示した図である。ストッパー用マスク102の幅は、チップ用マスク101の直径よりも大きいため、図8(a)の状態では、ストッパー2の上面には、平らな部分が残り、この平らな部分上にストッパー用マスク102が残っている。しかしながら、チップ用マスク101は、チップ1との接触面積が非常に小さくなるため、はずれてしまう。図8(a)の状態では、チップ1の高さH11とストッパー2の高さH22は、同じである。

0033

図8(b)は、図8(a)の状態からさらにエッチングを進め、ストッパー2上面の平らな部分がちょうどなくなった状態を示している。図8(a)の状態からさらにエッチングを行うと、チップ用マスク101が無いチップ1の高さH111は、徐々に低くなっていく。一方、ストッパー用マスクが残っているストッパー2の高さH222は、H22と同じままである。ストッパー2の上面の平らな部分の幅は、徐々に狭くなり、断面形状は図8(b)に示すように、三角形になる。このときのチップ1とストッパー2の高さの差ΔHは、チップ用マスク101の直径とストッパー用マスク102の幅の差、および、チップ1とストッパー2の先端角によって異なるが、おおよそ1000nm以下程度である。

0034

図8(c)は、図8(b)の状態からさらにエッチングを進めた状態を示している。チップ1の高さH1111は、高さH111よりも低くなる。同様に、ストッパーH2222の高さも、高さH222よりも小さくなる。しかし、高さH1111と高さH2222の減少量は、同じであるため、チップ1とストッパー2の高さの差ΔHは、変化しない。なお、ストッパー用マスク102の幅が、チップ用マスク101よりも小さい場合は、チップ1とストッパー2の高さの関係が逆になるだけである。また、チップ用マスク101とストッパー用マスク102が等しい場合は、チップ1とストッパー2の高さが等しくなる。

0035

本発明のワーク1000の作製方法によれば、フォトリソグラフィ工程によってチップ1とストッパー2の高さの差ΔHを良好に制御することができる。したがって、図1から図3で説明した開口作製方法において、押し込み用具7の変位量を良好に制御することができる。

0036

図6および図9は、撮影装置9の観察方向と開口作製装置構成について示す。図2に示した撮影装置9の観察方向では、基板4の上下動も左右方向のずれと認識する。これを回避するには、チップ1の真上からの観察が有効だが、押し込み用具7でチップ1が死角となってしまうので、結果的に基板4の上下位置を厳密に管理する必要がある。

0037

そこで、図6のように、押し込み用具7を回転移動させることで、撮影装置9がチップ1の真上から観察できる方法がある。この場合、基板4上に透明層5、その上にチップ1およびストッパー2を設け、少なくともチップ1の上に遮光膜3を設けてある。この時、撮影装置9の画像からチップ1の位置を求め、開口作製時に押し込み用具7の所定位置にチップ1がくるよう、ステージ10で基板4を位置決めする。なお、板6をチップ1と押し込み体7との間に設けた構成でも、同様に機能することが可能である。これにより、基板4の上下動を管理しなくても、高い精度で開口を作製することができる。

0038

また、図9のように、撮影装置91および92を用意して、別々の方向からチップ1の位置を検出することも可能である。図6と同様に、基板4上に透明層5、その上にチップ1およびストッパー2を設け、少なくともチップ1の上に遮光膜3を設ける。撮影装置91および92でチップ1の位置を求め、チップ1とストッパー2の上に板6を載せる。チップ1の真上に押し込み用具7の先端がくるよう、押し込み用具7をステージ10で位置決めし、押し込み用具7で加圧して開口を作製する。このように二方向からの観察を行うことで、チップ1の位置を三次元で認識でき、加圧位置に対して押し込み体7を正確に位置決めできる。なお、チップ1が小さい場合、チップ1自体で位置を認識するのではなく、ストッパー2、もしくは基板上に設けた位置決めマーク、基板のオリフラ、基板を保持するホルダーに設けた位置決めマーク等の位置からチップ1の位置を算出する方法も可能である。また、基準となる位置からチップ1の位置を記憶させておき、基準位置を撮影装置9から求め、チップ1の位置へ押し込み用具7を移動、開口作製、次のチップ1の位置へ押し込み用具7を移動、開口作製、というように一つの基準位置検出で連続して複数の開口を作製することも可能である。また、上記の実施例において、板6の有無に関係なく、開口作製は可能である。これにより、基板4の上下位置を厳密に管理せずとも、開口サイズを精度よく作製することが可能となる。

0039

以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、チップ1とストッパー2の高さを良好に制御することができ、かつ、ストッパー2を設けることによって板6の変位量を小さくすることができるため、分解能の高いアクチュエータを用いなくても、大きさが均一で微小な開口8をチップ1先端に形成する事が容易である。また、チップ1とストッパー2の高さが良好に制御されるため、開口8の作製歩留まりが向上した。また、本発明の実施の形態1で説明したワーク1000は、フォトリソグラフィ工程によって作製可能なため、ウエハなどの大きな面積を有する試料に、複数個作製することが可能であり、押し込み用具7を所定の力で加圧することによって複数個作製されたワーク1000それぞれに対して均一な開口径の開口8を形成する事ができる。また、押し込み用具7の加圧位置をチップ1に対して位置決めするため、開口サイズを精度よく作製することが可能である。また、単純に押し込み用具7をチップ1およびストッパー2に向かって加圧するだけで開口8が形成されるため、開口作製にかかる時間は数秒から数10秒と非常に短い。また、本発明の実施の形態1によれば、加工雰囲気を問わない。従って、大気中で加工する事が可能でありすぐに光学顕微鏡などで加工状態を観察できる。また、走査型電子顕微鏡中で加工することによって、光学顕微鏡よりも高い分解能で加工状態を観察することも可能である。また、液体中で加工することによって、液体がダンパーの役目をするため、より制御性の向上した加工条件が得られる。

0040

また、ワーク1000が複数個作製された試料に対して、位置決めされた押し込み用具7による力Fを一括で加えることによって、開口径のそろった開口8を一度に複数個作製する事も可能である。一括で加工する場合、ウエハ一枚あたりのワーク1000の数にもよるが、開口1個あたりの加工時間は、数百ミリ秒以下と非常に短くなる。

0041

(実施の形態2)図10および図11に本発明の実施の形態2に係る光学的開口を持つ錐状突起の作製方法を示す。図10に示すワーク2001は、基板4上に形成された透明層5、透明層5の上に形成されたチップ1およびストッパー2、チップ1およびストッパー2の上に形成された遮光膜3からなる。チップ1およびストッパー2の上にローラー状の押し込み用具7が回転支持されている。なお、チップ1およびストッパー2の形状および配置などは実施の形態1と同一であるので説明を省略する。また、押し込み用具7はステンレス製であり、チップ1側の面が平面でなくとも、微細凹凸な面でも遮光膜3より変形しにくい材料であれば構成可能である。押し込み用具7の加圧力は数十グラムであるが、遮光膜3や板6の剛性、開口の設計寸法により、所定の重さに設定する。

0042

押し込み体7は回転しながら基板4の上を移動するため、基板4の一部分を順々に加圧することになる。この加圧により遮光膜3が塑性変形して、チップ1の先端に開口が作製される。押し込み体7の加圧位置の移動にしたがい、複数のチップ1先端に開口が次々に形成される。これにより、押し込み体7は基板4の限定された領域のみを加圧するため、基板4全体を一括して加圧するより加圧力の分布が小さくなり、開口サイズを安定して作製することができる。また、小さい面積を加圧するため、押し込み体7の加圧力を小さくできる。

0043

また、図11に示すように、基板4全体を一括して加圧する場合、押し込み体7を変形しやすい構造にして加圧力の分布を小さくする方法がある。ワーク2002は、基板4に設けられたチップ1およびストッパー2、遮光膜3、透明層5であり、前記ワーク2001と同様である。チップ1およびストッパー2の上に変形しやすい構造の押し込み用具7で加圧する。加圧すると、押し込み体7は基板4に沿って変形し、開口を作製する部分の押し込み体7表面は、対向する基板4表面と平行になるよう移動する。このとき、押し込み体7の移動により遮光膜3が塑性変形してチップ1先端に開口が作製される。したがって、押し込み用具7で複数のチップ1を一括して加圧する際、加圧力の分布を押し込み体7が変形することで吸収するため、複数のチップ1の先端に同一サイズの開口を精度よく作製することができる。また、一括して複数の開口を作製できるため、短時間で大量製造でき、作製コストを低くできる。

0044

したがって、ワーク2001での開口作製では、基板4の一部分のみを押し込み用具7で加圧するため、加圧力の分布および加圧力を小さくでき、開口を精度よく作製する事が可能となる。さらに、加圧位置は移動することができるため、高速かつ大量に開口を作製することができる。またワーク2002での開口作製では、変形しやすい押し込み体7を用いて開口を作製することで、加圧力に分布があっても、精度の高い開口を作製することができ、歩留まりも向上する。また、一括して複数の開口を作製できることから、高速かつ大量に開口を作製でき、製造コストを低くできる。

発明の効果

0045

チップ1とストッパー2の高さ、および、押し込み用具7の加圧力を設定する事によって、分解能の高いアクチュエータを用いなくても、簡単に開口8を形成する事ができる。また、チップ1とストッパー2の高さが良好に制御されるため、開口8の作製歩留まりが向上した。また、本発明の実施の形態1で説明したワーク1000は、フォトリソグラフィ工程によって作製可能なため、ウエハなどの大きな面積を有する試料に、複数個作製することが可能であり、押し込む力Fを容易に一定にできるので、複数個作製されたワーク1000それぞれに対して均一な開口径の開口8を形成する事ができる。また、力Fの大きさを変えることが非常に簡単なため、複数個作製されたワーク1000に対して個別に開口径の異なる開口8を形成する事が可能である。また、押し込み用具7で加圧するだけで開口が形成されるため、開口作製にかかる時間は数10秒以下と非常に短い。また、本発明の実施の形態1によれば、加工雰囲気を問わない。従って、大気中で加工する事が可能でありすぐに光学顕微鏡などで加工状態を観察できる。また、走査型電子顕微鏡中で加工することによって、光学顕微鏡よりも高い分解能で加工状態を観察することも可能である。また、液体中で加工することによって、液体がダンパーの役目をするため、より制御性の向上した加工条件が得られる。また、撮影装置9でチップ1の位置を簡易に求めることができ、さらに押し込み体7とチップ1との相対位置をステージ10で管理することができるため、開口サイズを一定かつ精度良く作製することが可能となる。また、複数の撮影装置を用いることで、チップ1と押し込み体7との相対位置関係を正確に求めることができるため、開口サイズをより精度よく作製することができる。また、ワーク1000が複数個作製された試料に対して、押し込み用具7で加圧することによって、開口径のそろった開口8を一度に複数個作製する事も可能である。一括で加工する場合、ウエハ一枚あたりのワーク1000の数にもよるが、開口1個あたりの加工時間は、数百ミリ秒以下と非常に短くなる。

0046

また、本発明の実施の形態2によれば、基板4の一部分のみを押し込み用具7で加圧するため、加圧力の分布および加圧力を小さくでき、開口を精度よく作製する事が可能となる。さらに、加圧位置は移動することができるため、高速かつ大量に開口を作製することができる。また、変形しやすい押し込み体7を用いて開口を作製することで、加圧力に分布があっても、精度の高い開口を作製することができ、歩留まりも向上する。また、一括して複数の開口を作製できることから、高速かつ大量に開口を作製でき、製造コストを低くできる。

図面の簡単な説明

0047

図1本発明の実施の形態1に係る開口の作製方法について説明した図である。
図2本発明の実施の形態1に係る開口の作製方法について説明した図である。
図3本発明の実施の形態1に係る開口の作製方法について説明した図である。
図4ワーク1000の製造方法について説明した図である。
図5ワーク1000の製造方法について説明した図である。
図6本発明の実施の形態1に係る開口の作製方法について説明した図である。
図7ワーク1000の作製方法におけるチップ1とストッパー2の高さの関係を説明する図である。
図8ワーク1000の作製方法におけるチップ1とストッパー2の高さの関係を説明する図である。
図9本発明の実施の形態1に係る開口の作製方法について説明した図である。
図10本発明の実施の形態2に係る開口の作製方法について説明した図である。
図11本発明の実施の形態2に係る開口の作製方法について説明した図である。

--

0048

1チップ
2ストッパー
3遮光膜
4基板
5透明層
6 板
7押し込み用具
8 開口
9撮影装置
10ステージ
91 撮影装置
92 撮影装置
101チップ用マスク
102ストッパー用マスク
103 透明材料
104基板材料
1000 ワーク
2001 ワーク
2002 ワーク
F 力
H1 チップの高さ
H2 ストッパーの高さ

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