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技術 電解イオン水を混合した水溶性クーラント液及び製造装置

出願人 高橋金属株式会社
発明者 高橋政之中川善一西村清司四塚睦広川載泰
出願日 2001年9月21日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2001-331658
公開日 2002年6月11日 (18年0ヶ月経過) 公開番号 2002-167594
状態 特許登録済
技術分野 工作機械の補助装置 研削機械のドレッシング及び付属装置 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 抗スリップ物質 潤滑剤
主要キーワード 電解現象 液量センサー 旋盤加工機 水溶性クーラント液 周期タイマー 不水溶性油 補給弁 送りポンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

水溶性クーラント液電解イオン水を混合させ、水溶性クーラント液の腐敗防止、切削加工時の加工性の向上、加工工具長寿命化、及び研削加工時砥石目詰まり防止効果もある水溶性クーラント液を得る。

解決手段

電解イオン水生成装置1によって得られる水のpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mVから−1000mVである電解イオン水を、液面センサー7にて液面管理されて混合タンク3内へ送水し、液面センサー7が適量を感知したところで、電解イオン水の送水を止め、水溶性クーラント原液を水溶性クーラント原液タンク5より定量ポンプ4で送り込み、攪拌機6で攪拌しながら混合した水溶性クーラント液を送りポンプ8で加工機給油する。

概要

背景

金属部品セラミックス部品に限らず、一般に素材除去加工切削研磨等)する装置では、除去加工を行う工具加工ワークの間に発生する莫大摩擦熱を冷却し、また、工具とワークの間の潤滑性を確保して、工具寿命延長加工精度の向上するための冷却液クーラント液)が用いられる。

クーラント液には水に溶解しない油を主成分とした油性(不水溶性)と、油分が水に溶解あるいはエマルジョン化するように界面活性剤等を配合した水溶性がある。現在では、水溶性クーラントの方がワークや装置を汚さない、オイルミストがない、発火発煙がない等の利点が多いため、特殊な加工以外は水溶性クーラント液を用いることが多くなっている。

しかし、水溶性クーラント液は長期間使用すると細菌が発生し、腐敗するという問題がある。水溶性クーラント液が腐敗すると、悪臭の発生、油分の分離、pHの変化、粘度の低下、スラッジの発生等が生じ、結果的に切削性能研磨性能の低下や作業環境の悪化につながる。

特に、クーラント液が流動しない状態が継続して、酸素不足した状態になると、デサルフォヴィブリオ・デサルフェリカンス(Desulfovibriodesulfuricans)等の嫌気性細菌繁殖しする。このような細菌は硫酸イオン還元して硫化水素を発生するため強烈な悪臭の原因になる。これらの問題を解決するために、現状では各種の抗菌物質の添加が行われている。

概要

水溶性クーラント液に電解イオン水を混合させ、水溶性クーラント液の腐敗防止、切削加工時の加工性の向上、加工工具長寿命化、及び研削加工時砥石目詰まり防止効果もある水溶性クーラント液を得る。

電解イオン水生成装置1によって得られる水のpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mVから−1000mVである電解イオン水を、液面センサー7にて液面管理されて混合タンク3内へ送水し、液面センサー7が適量を感知したところで、電解イオン水の送水を止め、水溶性クーラント原液を水溶性クーラント原液タンク5より定量ポンプ4で送り込み、攪拌機6で攪拌しながら混合した水溶性クーラント液を送りポンプ8で加工機給油する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
7件
牽制数
6件

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請求項1

電気分解によって得られる水のpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mVから−1000mVである電解イオン水を用いて水溶性クーラント原液希釈混合することを特徴とする水溶性クーラント液

請求項2

電気分解によって得られる水のpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mVから−1000mVであり、溶存水素濃度が0.01mg/dm3以上、溶存酸素濃度が0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下である電解イオン水を用いて水溶性クーラント原液を希釈混合することを特徴とする水溶性クーラント液。

請求項3

原水硬度成分を除去する軟水機2と、これから得られた軟水を使用して電解イオン水を生成する電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原液を入れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希釈倍率にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量ポンプ4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混合、攪拌する混合器9を有し、請求項1又は請求項2記載の水溶性クーラント液を生成することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置

請求項4

原水の硬度成分を除去する軟水機2と、これから得られた軟水を使用して電解イオン水を生成する電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原液を入れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希釈倍率にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量ポンプ4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混合、貯水する混合タンク3と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を攪拌する攪拌機6と、混合タンクの液量によって電解イオン水生成機及び定量ポンプを制御するための液面センサー7と、混合タンクの水溶性クーラント液を加工機に送る送りポンプ8を有し、請求項1又は請求項2記載の水溶性クーラント液を生成することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置。

請求項5

請求項3又は請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用する加工機等のクーラント液タンクの液量がタンク全体の10〜50%減少したらクーラント液補給信号発信する補給開始液量センサー10と、加工機等のクーラント液タンクが満水になったときに発信する満水液量センサー11と、補給開始液量センサーの信号で水溶性クーラント液の補給を開始し、満水液量センサーの信号で補給を停止する制御回路12を有し、ほぼ周期的に新しい水溶性クーラント液を補給することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置。

請求項6

請求項3又は請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用している加工機等において、クーラント液を最初に補給するときは請求項1記載の水溶性クーラント液を給水し、その後、液量がタンク全体の10〜50%減少したら電解イオン水補給信号を発信する補給開始液量センサー10と、加工機等のクーラント液タンクが満水になったときに発信する満水液量センサー11と、補給開始液量センサーの信号で電解イオン水の補給を開始し、満水液量センサーの信号で補給を停止する制御回路12を有し、ほぼ周期的に請求項1又は請求項2記載の電解イオン水を補給することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置。

請求項7

請求項3又は請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用する加工機等のタンク容量の10〜50%の水溶性クーラント液が1日から15日の期間に補給又は交換するための周期タイマー回路14を有し、この周期タイマー回路の制御によって新しい水溶性クーラント液または請求項1又は請求項2記載の電解イオン水を補給することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置。

技術分野

0001

本発明は、切削加工研削加工等に使用する水溶性クーラント液腐敗防止、加工性向上、砥石目詰まり防止のために、電解イオン水を使用する方法に関する。

背景技術

0002

金属部品セラミックス部品に限らず、一般に素材除去加工切削研磨等)する装置では、除去加工を行う工具加工ワークの間に発生する莫大摩擦熱を冷却し、また、工具とワークの間の潤滑性を確保して、工具寿命延長加工精度の向上するための冷却液クーラント液)が用いられる。

0003

クーラント液には水に溶解しない油を主成分とした油性(不水溶性)と、油分が水に溶解あるいはエマルジョン化するように界面活性剤等を配合した水溶性がある。現在では、水溶性クーラントの方がワークや装置を汚さない、オイルミストがない、発火発煙がない等の利点が多いため、特殊な加工以外は水溶性クーラント液を用いることが多くなっている。

0004

しかし、水溶性クーラント液は長期間使用すると細菌が発生し、腐敗するという問題がある。水溶性クーラント液が腐敗すると、悪臭の発生、油分の分離、pHの変化、粘度の低下、スラッジの発生等が生じ、結果的に切削性能研磨性能の低下や作業環境の悪化につながる。

0005

特に、クーラント液が流動しない状態が継続して、酸素不足した状態になると、デサルフォヴィブリオ・デサルフェリカンス(Desulfovibriodesulfuricans)等の嫌気性細菌繁殖しする。このような細菌は硫酸イオン還元して硫化水素を発生するため強烈な悪臭の原因になる。これらの問題を解決するために、現状では各種の抗菌物質の添加が行われている。

発明が解決しようとする課題

0006

特開2000−109865号では、水溶性切削油ヨード酢酸エステル類及びアミノ配糖体類のある種の薬剤を添加することにより水溶性切削油の腐敗を防止する方法が開示されている。しかし、薬剤を投入する方法は、薬剤濃度が高い初期段階では、腐敗の進行を遅らせることは可能であるが、経時変化等により薬剤濃度が低下するため腐敗を効果的に防止することは困難である。また、殺菌力の強い薬剤を使用することは、作業者廃水処理装置内の有用微生物、更には周囲の環境や生態系へ悪影響を与える恐れがある。

0007

また、水溶性クーラント液を希釈するために使用する水としては、地下水水道水工業用水等が用いられるため、混合時の希釈水には既に腐敗細菌が存在しているという問題がある。

0008

さらに、切削性を向上させるため、クーラント液内に乳化剤を添加し、水との乳化を促進する必要があるが、水自体に乳化する働きがなく完全なエマルジョン化が行われなかったり、使用中に分離してしまうため工具寿命が低下する問題があった。

0009

また、研削加工の場合、水溶性クーラント液の中にある金属元素イオンが水と反応すると、水酸化合物が生成されるが、このなかには、酸化されて不水溶性のゲル状物質を生成して砥粒の間に付着し、砥石の目詰まりの原因となることがある。

0010

また、使用後の水溶性クーラント液を特殊な好気性細菌を用いて分解して廃棄処理する方法が開発され、2次廃棄物の出ない安全な方法として注目されている。しかし、加工に使用したクーラント液には加工機潤滑油や加工ワークに付着した不水溶性油分が混入し、浮上油として表面に膜を作り、好気性細菌が必要とする酸素を遮断してしまうため、これに分解用細菌を投入しても十分に活動せず分解できないという問題があった。

0011

本発明は、上記課題を解決することを目的としている。

課題を解決するための手段

0012

本発明は目的を達成するために、電気分解によって得られる水のpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mVから−1000mVである電解イオン水を用いて水溶性クーラント原液希釈混合することを特徴とした水溶性クーラント液とするものである。

0013

また、電気分解によって得られる水のpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位が−100mVから−1000mVであり、溶存水素濃度が0.01mg/dm3以上、溶存酸素濃度が0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下である電解イオン水を用いて水溶性クーラント原液を希釈混合することを特徴とする水溶性クーラント液である。

0014

また、原水硬度成分を除去する軟水機2と、これから得られた軟水を使用して電解イオン水を生成する電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原液を入れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希釈倍率にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量ポンプ4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混合、攪拌する混合器9を有し、請求項1又は請求項2記載の水溶性クーラント液を生成することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置である。

0015

さらに、原水の硬度成分を除去する軟水機2と、これから得られた軟水を使用して電解イオン水を生成する電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原液を入れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希釈倍率にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量ポンプ4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混合、貯水する混合タンク3と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を攪拌する攪拌機6と、混合タンクの液量によって電解イオン水生成機及び定量ポンプを制御するための液面センサー7と、混合タンクの水溶性クーラント液を加工機に送る送りポンプ8を有し、請求項1又は請求項2記載の水溶性クーラント液を生成することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置である。

0016

また、請求項3又は請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用する加工機等のクーラント液タンクの液量がタンク全体の10〜50%減少したらクーラント液補給信号発信する補給開始液量センサー10と、加工機等のクーラント液タンクが満水になったときに発信する満水液量センサー11と、補給開始液量センサーの信号で水溶性クーラント液の補給を開始し、満水液量センサーの信号で補給を停止する制御回路12を有し、ほぼ周期的に新しい水溶性クーラント液を補給することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置である。

0017

加えて、請求項3又は請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用している加工機等において、クーラント液を最初に補給するときは請求項1記載の水溶性クーラント液を給水し、その後、液量がタンク全体の10〜50%減少したら電解イオン水補給信号を発信する補給開始液量センサー10と、加工機等のクーラント液タンクが満水になったときに発信する満水液量センサー11と、補給開始液量センサーの信号で電解イオン水の補給を開始し、満水液量センサーの信号で補給を停止する制御回路12を有し、ほぼ周期的に請求項1又は請求項2記載の電解イオン水を補給することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置である。

0018

さらに、請求項3又は請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用する加工機等のタンク容量の10〜50%の水溶性クーラント液が1日から15日の期間に補給又は交換するための周期タイマー回路14を有し、この周期タイマー回路の制御によって新しい水溶性クーラント液または請求項1又は請求項2記載の電解イオン水を補給することを特徴とする水溶性クーラント液製造装置である。

0019

説明を補足すると、第1の発明においては、クーラント液に、酸化還元電位−100mVから−1000mVの還元力が強い電解イオン水を混合することで、多量の水酸化イオン(OH−)を発生し、マイナス電荷が卓越してバクテリアと混在する構造タンパク包みこみ、静電気力によって同一符号電荷部分に相互の反発力が生じ、構造タンパクがはがされ、内部の核物質(DNA)も流出し、バクテリアを消滅させて液の腐敗を防止することを特徴する水溶性クーラント液である。また、酸化還元電位が低い状態で、バクテリアの生存が不可能であることは良く知られているが、このような低い酸化還元電位の状態は、電機分解を行うことによって実現でき、薬剤を使用する必要がないため、作業者や環境への影響を大きく低減できる。

0020

また、電解イオン水はその生成過程で水中の細菌を死滅させるため、滅菌された水でクーラント液を希釈することができ、混合後初期の細菌の増加を抑制できる。

0021

また、水を電気分解することにより、水に電解現象が発生し、水素結合破壊し、分子中の原子間距離とH−O−Hの角度に何らかの変化を生じさせ、陰イオン界面活性物質のような形をしたヒドロキシルイオンを生じさせ、該イオン界面活性作用のため乳化しやすく、電解イオン水を使用することで、より乳化が進み加工性を向上させ、工具寿命をのばすことを特徴とする水溶性クーラント液である。

0022

また、研削加工の場合、クーラント液中に発生する水酸化合物の酸化が、還元性の高い電解イオン水を使用することで抑制され、そのため目詰まりの原因となる不水溶性のゲル状物質の生成を抑制し、砥石の目詰まりを防止することを特徴とする水溶性クーラント液である。

0023

第2の発明においては、第1の発明に加えて、溶存水素の存在によりクーラント液の還元性が強化され、制菌効果が向上する。また、溶存水素は溶存酸素濃度を低下させる効果がある。

0024

また、好気性細菌は通常、溶存酸素濃度が10〜11mg/dm3で最も速く増殖し、酸素濃度が低下するにつれて増殖速度は低下する。また、逆に偏性嫌気性細菌は溶存酸素濃度が0.1mg/dm3以下になると活発に増殖をはじめることが知られている。第2の発明においては溶存酸素濃度が0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下であるため、通常の水道水の溶存酸素濃度(9〜11mg/dm3)より低く好気性細菌の繁殖が抑制できる。また、0.5mg/dm3以上であるため、偏性嫌気性細菌の増殖も抑制できる。

0025

第3、第4の発明においては、市販のクーラント原液を、自動で生成した電解イオン水で所定の濃度に混合・希釈することができる。

0026

また、電解イオン水で希釈した水溶性クーラント液の酸化還元電位は、希釈直後は−1000mV〜−300mVを示すが、1日から2日経過すると−300から0mVに上昇する。このままの状態で使用すると、細菌が繁殖しやすい状態になっていくが、第5、第6、第7の発明にあるように周期的に新しい電解イオン水や電解イオン水で希釈した水溶性クーラント液を補充すると、酸化還元電位は−500〜−300mVに回復し、これによってクーラント液に繁殖を始めた細菌が殺菌される。このため、水溶性クーラント液を長期間使用しても、細菌の増殖は抑制できる。

0027

発明の第1の実施形態について図1を参照して説明する。ここで用いた電解イオン水は、原水に水道水(滋賀県東浅井びわの水道水)を用い、これを軟水機2(日本練水(株)製ME−5S型、使用イオン交換樹脂スチレン強酸性イオン交換樹脂ナトリウム形))に通水してカルシウムイオン濃度、及びマグネシウムイオン濃度を0.005mmol/dm3以下とした。図示していないが、原水を真空脱気、あるいは、アルゴン等の不活性気体窒素ばっ気を行うことは、溶存酸素濃度を0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下である電解イオン水を得るために有効である。

0028

この軟水を電解イオン水生成装置1で電気分解しアルカリ水とした。電解支持物質として電解イオン水生成装置の内部で、軟水に炭酸ナトリウムを添加して炭酸ナトリウム濃度を2.0mmol/dm3とした。電気分解には有隔膜電解槽を用いたが、無隔膜法でも規定のアルカリ性水が得られれば使用可能である。電気分解の条件は印加電圧DC60V、電流密度1.0A/dm2、生成量1L/分である。

0029

水溶性クーラント原液タンク5内のクーラント液としては、JIS K 2241で定められたW1種の乳化型(emulsion type)とW2種の透明乳化型(soluble type)をそれぞれ水溶性クーラント原液A、Bとする。

0030

電解イオン水生成装置1から液面センサー7にて液面管理されて混合タンク3内へ上記電解イオン水を送水し、液面センサー7が適量を感知したところで、電解イオン水の送水を止め、上記クーラント液を水溶性クーラント原液タンク5より定量ポンプ4で送り込み、攪拌機6で攪拌しながら混合して製造する。このときの濃度は5%とした。

0031

上記製造装置にて、製造された水溶性切削液を、切削液を必要とする旋盤加工機マシニングセンター等の加工機へ送りポンプ8にて送り込む

0032

次に、発明の第2の実施形態ついて図2を参照して説明する。この発明は、電解イオン水を生成するところまでは上記実施例1と同様であるが、水溶性クーラント原液との混合を行う混合タンクの代わりに、混合器9を用いる。水溶性クーラント原液タンク5より定量ポンプ4で送り込まれたクーラント原液は混合器の中で、電解イオン水と混合される。

0033

混合器は、電解イオン水が通水する内径10mmのステンレス製主管に対して、内径4mmのクーラント添加パイプを90度の角度で挿入し、パイプの先端が主管の中心になるように配置した。

0034

混合器で混合した水溶性クーラント液を加工機に直接供給する。あるいは、クーラント液タンクに貯水することもできる。この方法は、混合タンクや攪拌機を使用しないため、装置が簡易で、小型化が可能であるという利点がある。

0035

次に、発明の第3の実施形態ついて図3を参照して説明する。これは、実施例2の装置を、加工機のクーラント液量によって自動制御するものである。

0036

実施例2の装置に加えて、加工機のクーラント液タンクの液不足を検知する補給開始液量センサー10と、満水を検知する満水液量センサー11をそれぞれ加工機のクーラント液タンクに設ける。このセンサーフロート式電気式光式超音波式等が使用可能である。また、構造的には一体になっていても上限と下限が検知できれば同じ機能が得られる。

0037

このセンサーからの信号は制御回路12に入力し、クーラント液量が不足すると、電解イオン水生成装置と定量ポンプを稼動して、水溶性クーラント液を補給する。満水を検知すると、装置を停止して補給を止める。

0038

また、図示していない切換えスイッチ等で電解イオン水だけの補給も選択できる。この場合は、定量ポンプが駆動せず、電解イオン水だけを加工機のクーラント液タンクに補給する。

0039

次に、発明の第4の実施形態ついて図4を参照して説明する。この発明は実施例1の装置に実施例3の液面制御方法を組合せたものである。図示していない切換えスイッチ等で、加工機に水溶性クーラント液を補給することと、電解イオン水だけを補給することを選択できる。水溶性クーラント液を補給する場合は、電解イオン水補給弁13を閉じ、送りポンプ8を稼動して、混合タンク3の水溶性クーラント液を加工機に補給する。一方、電解イオン水だけを加工機に補給する場合は、送りポンプを停止し、電解イオン水補給弁13を開けた状態で電解イオン水生成装置1を稼動する。

0040

また、混合タンク内の水溶性クーラント液が減少した場合は、クーラント希釈用弁14を開けて、電解イオン水を混合タンクに貯水する。クーラント液の製造方法は実施例1と同じである。

0041

次に、発明の第5の実施形態ついて図5を参照して説明する。これは、実施例3のシステムにおいて、加工機のクーラント液タンクにクーラント液排水弁16を設けたものである。また、クーラント液補給を周期的に行うための周期タイマー回路15を制御回路12と組合せて使用している。

0042

この実施例でも実施例3と同様のクーラント液の補給制御が可能である。さらに、それに加えて、周期タイマー回路14で任意に指定した時間間隔(1日から15日)で加工機のクーラント液タンクのクーラント液を排水する。これは周期タイマー回路がクーラント液排水弁16を開けることで行う。排水する量はクーラント液タンク全体の10%から50%である。これは、バルブを開ける時間や、タンクに設けた液量センサーで制御する。排水が完了すると、次に、実施例3と同様にクーラント液あるいは電解イオン水を補給する。これは、図示していないスイッチ等で選択するのも同じである。

0043

以上のような装置で生成した水溶性クーラント液の菌の繁殖、臭い発生についての評価は、次の通りである。

0044

そして、上記各液について、一般細菌数生菌数)を標準寒天平板培養法に基づき、嫌気性菌数をGAM寒天平板嫌気培養法に基づき、それぞれ測定を行ない、臭気については、容量20Lのタンクに水溶性切削液を入れて放置し、臭気を測定する際、液をバブリングさせて発生するエアーの臭気を臭い計測器((株)クリエーションシステムズ C−GC−329高感度酸化錫系熱線焼結半導体センサー)を用いて数値化した。結果を表1に示す。

0045

0046

表1に示すように、電解イオン水を水道水と比較すると、滅菌率が99%以上であり、日数が経過したときの繁殖率も低いことがわかる。また、臭気については、7日後のクーラント原液Aを比較した場合、水道水の臭気1879に対して電解イオン水の臭気215と1/8以下であるため臭気の発生を抑制する効果があることがわかる。

0047

加工性、工具寿命については、電解イオン水、及び水道水で希釈した各水溶性クーラント原液A,Bを使用して、マシニングセンターでドリル穴あけ加工を連続的に行い、ドリル寿命によって判定した。ドリルはφ6mmを使用し、回転数は2800rpm、送りは0.1mm/回で行った。鋼鈑材質はS400で、厚さは30mmである。結果を表2に示す。

0048

0049

表2に示すように、工具寿命の面からも、クーラント液との乳化性がよい電解イオン水の方が、水道水と比較しても2倍以上の穴加工が可能であることがわかる。

0050

研削性、砥石の目詰まりについては、電解イオン水、及び水道水で希釈した各水溶性クーラント原液A,Bを使用して、横軸角テーブル平面研削盤でA46K砥粒を用いて、研磨加工を連続的に行い、砥石の目詰まりによるドレッシング目直し回数によって判定した。砥石車直径はφ205mmを使用し、円周速度は1500m/分、送りは0.1mm/回で20mm研磨を行った。鋼鈑の材質はS400で、厚さは30mmである。結果を表3に示す。

0051

0052

表3に示すように、砥石の目詰まりの面からも、還元力の高い電解イオン水の方が、水道水と比較してドレッシング無しで研削加工が可能であることがわかる。

0053

生成する電解イオン水のpH、酸化還元電位、溶存水素濃度、溶存酸素濃度を変化させて、実施例1、実施例2、実施例3と同じ方法でクーラント液の特性評価を行った。これら電解イオン水の特性(水質)は、電気分解を行うときの、電解電圧電解電流原水流量、原水中の溶存酸素濃度制御(前記した、真空脱気、あるいは不活性気体によるばっ気等)により制御可能である。また、異なる特性(水質)の電解イオン水を混合することでも調整できる。これらの電解イオン水を用いて水溶性クーラント液を希釈・混合したときの評価結果を表4、表5、表6に示す。但し、表4の細菌数、臭気は7日後の結果で比較する。

0054

0055

0056

ID=000008HE=080 WI=124 LX=0430 LY=1250
ID=000009 HE=025 WI=114 LX=0480 LY=2050

0057

表4、表5、表6に示すように、クーラント液の細菌数、臭気、切削性、研削性は実施例1、実施例2、実施例3の水道水希釈クーラントと比較して改善している。

0058

また、表4に示すように溶存水素濃度が0.01mg/dm3以上の場合、あるいは、溶存酸素濃度が0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下の場合で制菌効果が向上した。

0059

次に、実施例6で行った一般細菌数、嫌気性細菌数、臭気の評価において、保持期間を1ヶ月とし、1週間、または2週間毎に全体のクーラント液量の10%、30%、50%を電解イオン水で希釈したクーラント液で交換するのもと、水道水で希釈したクーラント液で交換するものと、交換を行わないものの比較を行った。クーラントの希釈濃度は5%、電解イオン水のpHは10.5、酸化還元電位は−815mVであった。液の交換を行うため、液量を100mLに増やし、ビーカーに保存して実施した。結果を表7に示す。

0060

0061

表7に示すように、電解イオン水で希釈したクーラント液で交換するほうが、水道水希釈よりも細菌数、臭気ともに少ないことがわかる。また、交換量が多い方が細菌数、臭気ともにすくなくることがわかる。

0062

基本的な方法は実施例10と同様あるが、ビーカーに蓋をせずに、室内で、室温状態のものと、37℃に加熱した状態の2条件で1ヶ月間保持した。このため蒸発により室温のものは1週間で約10%の液補充を行い、37℃のものは25%の液補充を行った。2週間間隔で補充したものは室温で20%、37℃で50%の補充量ある。補充液は電解イオン水と水道水の2種類で比較した。電解イオン水のpHは10.5、酸化還元電位は−815mVであった。結果を表8に示す。

0063

0064

表8に示すように、電解イオン水を補充する方が、水道水を補充するよりも細菌数、臭気ともに少ないことがわかる。また、補充量が多い方が細菌数、臭気ともにすくなくることがわかる。

0065

実施例3で示したクーラント液製造装置を加工機(三菱重工業株式会社製マシニングセンターM−V60C)に設置し、実使用状態で1ヶ月間のクーラント液の状態を観察した。使用した希釈水はpH10.5、酸化還元電位−815mV、溶存水素濃度0.95mg/dm3、溶存酸素濃度6.2mg/dm3である。

0066

結果は、水道水で希釈した場合に比較して、悪臭の発生がきわめて少なく、作業環境が改善した。また、水道水希釈のクーラント液ではクーラント液の表面に多くの浮上油が浮いていたが、イオン水希釈の場合はこれらの油分が、イオン水の乳化作用でクーラント液中に溶解し、浮上油のないクーラント液となった。このため、タンク内部が嫌気状態になることが防止できるため、嫌気性菌の発生を抑制できるという効果も確認した。さらに、加工機に付着した加工油が電解イオン水で溶解し、装置が美しくなるという効果も見られた。加えて、加工機の作業テーブル等の鉄素材部品の錆が発生しにくくなり、装置の精度低下防止やメンテナンス回数の削減等に寄与するとうい効果もあった。

0067

また、油分分解細菌を用いてこのクーラント液の廃液処理を行った。この菌は液中溶存酸素で油分を反応してエネルギーを得て、二酸化炭素と水に分解するものである。

0068

水道水希釈のクーラント液の場合は、表面の浮上油が5mm程度の層で覆っていて、酸素の供給を遮断してしまうため細菌の活動が活発にならず、1週間経過しても、廃液BODCODは23%しか低下しなかった。一方、電解イオン水希釈のクーラント液は浮上油が部分的に浮いている程度であり、酸素供給には支障がなかった。そのため、細菌投入1週間後の廃液はBOD、CODを92%低下することができた。

発明の効果

0069

この発明の効果としては、請求項1記載の水溶性クーラント液では、希釈液として、電解イオン水を使用することで、細菌の繁殖に伴う異臭の発生を無くすことができ、また、人体や環境に悪影響を与える防腐剤の添加が不必要になるため、人と環境にやさしい職場作りが可能となる。

0070

しかも、加工面においては、水溶性クーラント液中の乳化剤が消滅しても、電解イオン水が持つ乳化性が持続するために、加工性の低下がなく工具寿命も延ばすことができ、より自動制御加工機に対応した水溶性クーラント液となる。

0071

また、砥石と被加工物との間に発生する酸化が、還元性の高い電解イオン水を使用することで抑制され、目詰まりの原因となる水酸化物の酸化によるゲル状物質の生成を抑制し、砥石の目詰まりを防止する。また、陰イオン界面活性物質のような形をしたヒドロキシルイオンを生じさせるため、表面張力が小さく、浸透性に優れるため高い切り屑除去効果を得ることができる。

0072

さらに、使用後の水溶性クーラント液を特殊な好気性細菌を用いて分解して廃棄処理する方法において、電解イオン水を希釈液とした水溶性クーラント液をしようすると、クーラント表面に浮上油が少なくなり、油分解細菌の活動を低下させないという利点がある。また、加工機に付着した加工油が電解イオン水で溶解し、装置が美しくなるという効果や、加工機の作業テーブル等の鉄素材部品の錆が発生しにくくなり、装置の精度低下防止やメンテナンス回数の削減等に寄与するとうい利点がある。

0073

請求項2記載の水溶性クーラント液では、請求項1記載のの発明に加えて、溶存水素の存在によりクーラント液の還元性が強化され、制菌効果が向上する。また、溶存水素は溶存酸素濃度を低下させる効果がある。また、溶存酸素濃度が0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下であるため、好気性細菌の繁殖も偏性嫌気性細菌の増殖も抑制できる。

0074

請求項3又は請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置では、市販のクーラント原液を、自動で生成した電解イオン水で所定の濃度に混合・希釈することができる。

0075

加えて、請求項4記載の水溶性クーラント液製造装置では、混合した水溶性クーラント液を攪拌した状態で貯水できるため、水溶性クーラント液の乳化、溶解状態を均一に維持できる。

0076

請求項5、請求項6、請求項7記載の水溶性クーラント液製造装置では、周期的に新しい電解イオン水や電解イオン水で希釈した水溶性クーラント液を補充することで、酸化還元電位が−500〜−300mVに回復し、これによってクーラント液に繁殖を始めた細菌が殺菌されるため、水溶性クーラント液を長期間使用しても、細菌の増殖は抑制できる。

0077

さらに、請求項6記載の水溶性クーラント液製造装置では、クーラント液の蒸発量が多く、使用しているクーラント液の希釈濃度が上昇する傾向になる加工装置において、電解イオン水のみを補給することで水溶性クーラント液の希釈濃度を適正に維持する事ができる。

0078

加えて請求項7記載の水溶性クーラント液製造装置では、クーラント液の蒸発量や持ち出し量が少なくて、自然補給では十分に液交換ができない場合でも、強制的にクーラント液を交換するため、細菌の増殖抑制効果が高くなる。

図面の簡単な説明

0079

図1電解イオン水と水溶性クーラント液を混合し製造する実施例1の工程の説明図である。
図2電解イオン水と水溶性クーラント液を混合し製造する実施例2の工程の説明図である。
図3電解イオン水と水溶性クーラント液を混合し製造する実施例3の工程の説明図である。
図4電解イオン水と水溶性クーラント液を混合し製造する実施例4の工程の説明図である。
図5電解イオン水と水溶性クーラント液を混合し製造する実施例5の工程の説明図である。

--

0080

1電解イオン水生成装置
2軟水機
3混合タンク
4定量ポンプ
5水溶性クーラント原液タンク
6攪拌機
7液面センサー
8送りポンプ
9混合器
10補給開始液量センサー
11満水液量センサー
12制御回路
13電解イオン水補給弁
14クーラント希釈用弁
15周期タイマー回路
16クーラント液排水弁

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