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技術 NC旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置

出願人 株式会社ツガミ
発明者 宮本一徳
出願日 2000年11月29日 (18年8ヶ月経過) 出願番号 2000-362154
公開日 2002年6月11日 (17年2ヶ月経過) 公開番号 2002-166309
状態 特許登録済
技術分野 主軸への把持 穴あけ、中ぐり加工 旋削加工
主要キーワード 部分穴 傾斜穴 溝切り工具 中ぐりバイト 溝切り加工 中心線間 溝加工用 繰り出し長
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

刃物台穿孔工具をその穿孔方向が直角になるように取り付けるだけで製品になる加工部に傾斜穴を加工できるNC旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置を提供する。

解決手段

製品1に形成すべき傾斜穴5の傾斜角に等しい円筒形把持面42を形成したコレットチャック30を含むチャック背面主軸13に装着し、主軸8から繰り出された棒材加工物19の加工部28を前記傾斜角だけ傾斜させ、チャックの把持面42で受けて把持し、加工部28を棒材加工物19から切断し、加工部28をチャックと共に、背面主軸13により回転させながら、刃物台16に穿孔方向が直角になるように取り付けた穿孔工具の方へ向けてこの穿孔方向へ移動させて加工部28に傾斜穴5を形成する。

概要

背景

棒材加工物加工用NC旋盤は、通常、ベッド上に、主軸台主軸刃物台及び背面主軸を装着した背面主軸台が順次に配設されている。主軸は水平な軸を有し、主軸台から送り込まれる棒材加工物を共軸に摺動可能に受けると共にそれを回転させたり、必要な時にはその回転方向所定位置に停止させることができる。背面主軸台は、背面主軸の軸が主軸の軸に平行になるように、かつ、背面主軸をその軸方向と、主軸の軸を含む垂直平面内にあって背面主軸の軸に直交する垂直軸との二方向に二次元的に移行させ得るようになっている。刃物台は、主軸と背面主軸台との間にあって、主軸の軸と直交又は直角に交差する水平軸と、主軸の軸と直交又は直角に交差する垂直軸との2軸によって規定される平面内を二次元的に移動可能になっている。

従来では、NC旋盤で、主軸から繰り出された棒材加工物の加工部にその中心線から中心線が傾斜した穴(以下、「傾斜穴」といい、両中心線間の角度を「傾斜角」という)を加工形成する場合も、加工部把持面の中心線と共軸の軸を有するチャック(例えば、コレットチャック)を用いていた。そのため、傾斜穴加工に当たっては、ドリルなどの穿孔工具を、その穿孔送り方向が傾斜穴の傾斜角に一致させるように刃物台に対して傾斜させて取り付けなければならず、傾斜角度の確保が容易でないばかりでなく、その取り付けに工数がかかり、かつ、傾斜角度が違う加工の場合にはそのつど穿孔工具を刃物台に付け替えなければならないという問題があった。

更に、従来の場合は、このような傾斜穴を形成するためには、背面主軸の回転を停止し穿孔工具を回転させなければならないから、穿孔工具はすべて回転形になり、刃物台に穿孔工具それぞれを適宜に回転させる回転機構を用いなければならず、傾斜穴形成のために、NC旋盤の構造を簡略化、コスト低減化ができなかった。しかも、通常、背面主軸は回転可能になっている。しかし、加工部は、背面主軸に共軸に把持されているために、この加工部を回転させると傾斜穴を加工できない。そこで、背面主軸の回転を止めて加工部の回転を停止させ、その代わりに穿孔工具を回転させなければならなかった。従って、せっかくの背面主軸の回転機能を生かせないという問題があった。

概要

刃物台に穿孔工具をその穿孔方向が直角になるように取り付けるだけで製品になる加工部に傾斜穴を加工できるNC旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置を提供する。

製品1に形成すべき傾斜穴5の傾斜角に等しい円筒形の把持面42を形成したコレットチャック30を含むチャックを背面主軸13に装着し、主軸8から繰り出された棒材加工物19の加工部28を前記傾斜角だけ傾斜させ、チャックの把持面42で受けて把持し、加工部28を棒材加工物19から切断し、加工部28をチャックと共に、背面主軸13により回転させながら、刃物台16に穿孔方向が直角になるように取り付けた穿孔工具の方へ向けてこの穿孔方向へ移動させて加工部28に傾斜穴5を形成する。

目的

本発明の課題は、各穿孔工具を、主軸の軸方向に対して傾斜させることなく、主軸の軸方向に平行に指向するように刃物台に固定するだけで、加工部に所望の傾斜穴を明けることができるNC旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置を提供することにある。さらに、穿孔工具を回転させず、背面主軸を回転させて傾斜穴を加工することによって加工能率の向上とコストの低減を行うNC旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

主軸から所定長さ繰り出された棒材加工物の加工部を該加工部の中心線と該加工部に形成されるべき傾斜穴の中心線とが成す傾斜角に実質的に等しく傾斜させ、自らの軸に対して中心線が実質的に該傾斜角だけ傾斜した円筒状の加工部把持面が形成されたチャックを、該主軸の軸に平行な軸の方向とこの平行な軸の方向に直角な方向との二方向へ二次元的に移動可能な背面主軸に共軸に嵌装し、該加工部把持面の該中心線を該加工部の該中心線に実質的に一致させて該加工部を該加工部把持面で把持し、該加工部を該棒材加工物から切断し、穿孔工具を、その穿孔送り方向が該チャックの該加工部把持面に把持された該加工部に形成されるべき該傾斜穴の該中心線に一致し又は平行になるように設定し、該穿孔工具と該チャックとを該背面主軸の軸を中心にして相対的に回転させると共に、該加工部に形成されるべき該傾斜穴の該中心線に沿って該穿孔工具を相対的に挿入して該傾斜穴を形成することを特徴とするNC旋盤による傾斜穴加工方法

請求項2

前記加工部を傾斜させることを可能にする程度に該加工部の首部を所定の直径に溝切り加工することを特徴とする請求項1に記載のNC旋盤による傾斜穴加工方法。

請求項3

前記穿孔工具を非回転に設け、前記チャックをその軸を中心にして回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載のNC旋盤による傾斜穴加工方法。

請求項4

棒材加工物を回転可能にかつ軸方向に繰り出すと共に該棒材加工物をその繰り出し位置で停止させる主軸と、該主軸の軸に平行な軸を有してこの平行な軸に沿って該主軸と相対的に接離可能にかつ該主軸の該軸に直角な第1方向へ移動可能にかつ所定の回転方向の位置に回転を停止し得るように、該棒材加工物の該主軸から繰り出される側に設けられた背面主軸と、該主軸と該背面主軸との間に該第1方向と該背面主軸の該軸及び該第1方向に直角な第2方向との二方向へ相対的に移動可能な刃物台とを有し、該棒材加工物の該主軸からの繰り出し部から成る加工部を把持するチャックを該背面主軸に共軸に嵌装させて成るNC旋盤において、該チャックは、その軸から、該加工部に形成されるべき傾斜穴の中心線の、該加工部の中心線に対する傾斜角に実質的に等しい角度で傾斜した中心線を有する円筒形の加工部把持面を有し、該加工部の中心線が該主軸の該軸から該傾斜角だけ該第1方向へ傾斜するように該加工部を傾斜させるための加工部傾工具を該刃物台に設け、該背面主軸に対向させて穿孔工具を該刃物台に設け、該加工部を該棒材加工物から切り落とすための切断工具を該刃物台に設け、該背面主軸と該穿孔工具とを該背面主軸の該軸を中心にして相対的回転を行わせる回転装置を設けて成り、該回転装置により該背面主軸と該穿孔工具との間に相対的に回転を生じさせながら該背面主軸と該穿孔工具との間隔を該背面主軸の該軸に沿って縮めて該背面主軸に装着された該チャックに把持されている該加工部に傾斜穴を形成することを特徴とする傾斜穴加工用NC旋盤。

請求項5

前記棒材加工物を所定の直径まで溝切りする溝切り工具を該刃物台に設けたことを特徴とする請求項4に記載の傾斜穴加工用NC旋盤。

請求項6

前記穿孔工具を前記刃物台に不動に設け、該回転装置は前記背面主軸をその軸を中心に回転させることを特徴とする請求項4又は5に記載の傾斜穴加工用NC旋盤。

請求項7

前記チャックは前記回転装置により回転される回転形チャックであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかの1に記載の傾斜穴加工用NC旋盤。

請求項8

NC旋盤に装着され、自らの軸に所定の傾斜角で交わる中心線を有する円筒状の加工部把持面を備えていることを特徴とするNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置

技術分野

0001

本発明は、NC旋盤を用いて加工部に傾斜穴加工形成する傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置に関する。

背景技術

0002

棒材加工物加工用NC旋盤は、通常、ベッド上に、主軸台主軸刃物台及び背面主軸を装着した背面主軸台が順次に配設されている。主軸は水平な軸を有し、主軸台から送り込まれる棒材加工物を共軸に摺動可能に受けると共にそれを回転させたり、必要な時にはその回転方向所定位置に停止させることができる。背面主軸台は、背面主軸の軸が主軸の軸に平行になるように、かつ、背面主軸をその軸方向と、主軸の軸を含む垂直平面内にあって背面主軸の軸に直交する垂直軸との二方向に二次元的に移行させ得るようになっている。刃物台は、主軸と背面主軸台との間にあって、主軸の軸と直交又は直角に交差する水平軸と、主軸の軸と直交又は直角に交差する垂直軸との2軸によって規定される平面内を二次元的に移動可能になっている。

0003

従来では、NC旋盤で、主軸から繰り出された棒材加工物の加工部にその中心線から中心線が傾斜した穴(以下、「傾斜穴」といい、両中心線間の角度を「傾斜角」という)を加工形成する場合も、加工部把持面の中心線と共軸の軸を有するチャック(例えば、コレットチャック)を用いていた。そのため、傾斜穴加工に当たっては、ドリルなどの穿孔工具を、その穿孔送り方向が傾斜穴の傾斜角に一致させるように刃物台に対して傾斜させて取り付けなければならず、傾斜角度の確保が容易でないばかりでなく、その取り付けに工数がかかり、かつ、傾斜角度が違う加工の場合にはそのつど穿孔工具を刃物台に付け替えなければならないという問題があった。

0004

更に、従来の場合は、このような傾斜穴を形成するためには、背面主軸の回転を停止し穿孔工具を回転させなければならないから、穿孔工具はすべて回転形になり、刃物台に穿孔工具それぞれを適宜に回転させる回転機構を用いなければならず、傾斜穴形成のために、NC旋盤の構造を簡略化、コスト低減化ができなかった。しかも、通常、背面主軸は回転可能になっている。しかし、加工部は、背面主軸に共軸に把持されているために、この加工部を回転させると傾斜穴を加工できない。そこで、背面主軸の回転を止めて加工部の回転を停止させ、その代わりに穿孔工具を回転させなければならなかった。従って、せっかくの背面主軸の回転機能を生かせないという問題があった。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の課題は、各穿孔工具を、主軸の軸方向に対して傾斜させることなく、主軸の軸方向に平行に指向するように刃物台に固定するだけで、加工部に所望の傾斜穴を明けることができるNC旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置を提供することにある。さらに、穿孔工具を回転させず、背面主軸を回転させて傾斜穴を加工することによって加工能率の向上とコストの低減を行うNC旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用NC旋盤及びNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

以上の課題を解決するために、本発明に基づくNC旋盤による傾斜穴加工方法は次の工程から構成される。

0007

まず、主軸から所定長さ繰り出された棒材加工物の加工部を加工部の中心線と加工部に形成されるべき傾斜穴の中心線とが成す傾斜角に実質的に等しく傾斜させる。

0008

自らの軸に対して中心線が実質的に上記の該傾斜角だけ傾斜した円筒状の加工部把持面が形成されたチャックを、主軸の軸に平行な軸の方向とこの平行な軸の方向に直角な方向との二方向へ二次元的に移動可能な背面主軸に共軸に嵌装し、加工部把持面の中心線を加工部の中心線に実質的に一致させて加工部を加工部把持面で把持する。しかる後、加工部を棒材加工物から切断する。この際、穿孔工具をその穿孔送り方向が加工部把持面の中心線、ひいてはこれに把持された加工部の中心線に一致し又は平行になるように設定しておく。

0009

次いで、穿孔工具とチャックとを背面主軸の軸を中心にして相対的に回転させると共に、加工部にその中心線に沿って穿孔工具を相対的に挿入して傾斜穴を形成し、最後に、加工部を背面主軸のチャックから解放して傾斜穴付き製品の傾斜穴加工工程の一サイクルが完了する。

0010

加工部を所望の角度で傾斜させることを可能にする程度に加工部の首部を所定の直径に溝切り加工することが望ましい。

0011

更に、穿孔工具を非回転に設け、チャックをその軸を中心にして回転させるようにすることが極めて望ましい。

0012

本発明の課題を達成するための傾斜穴加工用NC旋盤は次のように構成される。

0013

棒材加工物を回転可能にかつ軸方向に繰り出すと共に棒材加工物をその繰り出し位置で停止させる主軸を設け、主軸の軸に平行な軸を有してこの軸に沿って主軸と相対的に接離可能にかつ主軸の軸に直角な第1方向へ移動可能にかつ所望の回転方向の位置に停止し得るように、背面主軸を棒材加工物の主軸から繰り出される側に設け、主軸と背面主軸との間に第1方向と背面主軸の軸及び第1方向に直角な第2方向との二方向へ相対的移動可能な刃物台とを設け、棒材加工物の主軸からの繰り出し部から成る加工部を把持するチャックを背面主軸に共軸に嵌装させて成るNC旋盤を基礎とする。

0014

このNC旋盤において、背面主軸用チャックは、円筒形の加工部把持面を有する。背面主軸用チャックの軸と加工部把持面の中心線との傾斜角は、加工部の中心線とこの加工部に形成されるべき傾斜穴の中心線との成す傾斜角に実質的に等しく設定されている。そして、加工部の中心線が主軸の軸から前記傾斜角だけ第1方向へ傾斜するように加工部を傾斜させるための加工部傾工具を刃物台に設け、背面主軸に対向させて穿孔工具を刃物台に設け、加工部を棒材加工物から切り落とすための切り落とし工具を刃物台に設け、背面主軸と穿孔工具とを背面主軸の軸を中心にして相対的に回転を行わせる回転装置を設ける。

0015

この構成において、回転装置により背面主軸と穿孔工具との間に相対的に回転をさせながら背面主軸と穿孔工具との間隔を背面主軸の軸に沿って縮めると、背面主軸に装着されたチャックに把持されている加工部に傾斜穴を形成することができる。

0016

棒材加工物を所定の直径まで溝切りする溝切り工具を該刃物台に設けることが望ましい。

0017

穿孔工具を刃物台に不動に設け、回転装置は背面主軸をその軸を中心に回転可能にさせるようにすることが極めて望ましい。また、チャックは回転形のものであることが望ましい。

0018

本発明に基づくNC旋盤に使用される傾斜穴加工用チャックは、その軸に所定の傾斜角で交わる中心線を有する円筒状の加工部把持面を有し、NC旋盤の背面主軸に装着されることを特徴とする。そして、このチャックは回転形にすることが望ましい。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、図面を参照して本発明を実施形態に基づいて説明する。

0020

図1は、本発明に基づくNC旋盤、加工法及び背面主軸に装着されるコレットチャックを用いて傾斜穴が形成された製品1の軸縦断面図である。円筒状の製品1に複数の内径図1では3つ)を有する傾斜部分穴2、3及び4(以下、総称して「傾斜穴5」という)が形成されており、傾斜部分穴2、3及び4の中心線は6で示す共通なものになっており、製品1の中心線7に対して所定の角度(傾斜角)α(例えば、3°)を成して傾斜している。中心線6及び7は交点Oで交わっている。

0021

図2は、棒材加工物の加工部に傾斜穴を加工するNC旋盤の一実施形態の斜視図を示す。主軸8は水平方向のZ1軸を有し、ベッド11上に固設されている。この主軸8にこれと共軸に、回転可能な主軸用コレットチャック装置9が装着されている。ベッド11上の、主軸8の一方側に主軸台10が主軸8に共軸にかつ主軸8に対して所定ストロークで接離するように設けられている。棒材加工物(図7(A)で19で示されている)が主軸8に共軸に、即ち、Z1軸に共軸に主軸台10を貫通している。主軸用コレットチャック装置9と棒材加工物19とは主軸台10に内蔵されたサーボモータ(図示せず)により所定方向へ所定速度で回転される。この棒材加工物19は、主軸台10が送り移動により主軸用コレットチャック装置9に案内されて主軸8から所定長さ繰り出される一方、主軸用コレットチャック装置9の回転停止、即ち、主軸8の回転停止によって回転が停止されるようになっている。棒材加工物19の加工部とは、本発明においては、主軸8から繰り出され、本発明による傾斜穴加工を含み、NC旋盤で加工され製品1に成る部分をいい、図7及び8において参照番号28で示されている。

0022

主軸8の、主軸台10と反対側に背面主軸台12が設けられている。この背面主軸台12にZ1軸と平行でZ1軸を含む垂直平面内にあるZ2軸を有する背面主軸13がZ2軸を中心に回転するように装着されている(図3)。背面主軸台12は、Z2軸と平行なZ3軸の方向へサーボモータ14によって、また、Z1軸を含む垂直平面、即ち、Z1軸とZ2軸とを含む平面内の、Z1軸及びZ2軸に直角な垂直軸であるY2軸の方向へサーボモータ15によって移動可能になっており、従って、Z3軸及びY2軸の二方向へ二次元的に移動できるようになっている。なお、背面主軸13は背面主軸台12と一体になって移動するので、以下、Z3軸をZ2軸に吸収して両者をZ2軸ということにする。

0023

主軸8と背面主軸台12との間に刃物台16が配設されている。この刃物台16はZ1軸及びZ2軸に垂直方向に直角な(即ち、Y2軸に平行な)Y1軸と、Z1軸及びZ2軸並びにY2軸に直角に交差又は直交しかつY1軸に直交する水平なX軸との二方向へそれぞれサーボモータ17,18によって二次元的に移動可能になっている。刃物台16及び背面主軸台12は、本発明に基づく傾斜穴加工用の穿孔工具と共に、公知のNC旋盤の場合と同様に、傾斜穴加工前に棒材加工物19の加工部28に施される、例えば、ターニング横穴明け、リーミングなどの加工を行う加工工具を取り付けるようになっている。また、刃物台16に、後述の、本発明の傾斜穴加工用の溝切り工具48(図7(A))、加工部傾斜工具49(図7(B))、エンドミル50(図7(C))などの切断工具、及びドリル51(図7(D))などの穿孔工具が装着されている。

0024

図3は、背面主軸13を共軸に装着した背面主軸台12の主要部の軸断面図である。背面主軸13がラジアル軸受21及びアクシャル軸受22を介して背面主軸台12内に軸方向(Z2軸方向)に不動に軸支されている。この背面主軸13はそれに装着された歯車23とこれに係合するギヤトレーンなどの回転伝達機構(公知のものと同様のものを用い、図示せず)を介して背面主軸台12に内蔵されたサーボモータ(図示せず)によって、Z2軸を中心にして所定方向へ所定速度で回転されると共に、回転方向の所定位置に停止できるようになっている。以下、背面主軸台12及び背面主軸13とこれらに設けられる部材について、主軸8側、並びに、主軸8側の端及び端部を、それぞれ、前側、前端及び前端部と呼び、主軸8と反対側、並びに、主軸8の反対側の端及び端部を、それぞれ、後側、後端及び後端部と呼ぶ。

0025

背面主軸13は、軸受21,22に支承されている支承筒部24と、その前端側の、背面主軸台12の前端から主軸8の方へ突出する増径筒部25とを有する。

0026

背面主軸13に、背面主軸用コレットチャック装置27(以下、単に「コレットチャック装置27」という)が装着される。このコレットチャック装置27は、コレットチャックスリーブ29と、コレットチャック30とコレットチャックナット31とを有する。

0027

コレットチャックスリーブ29は、軸方向に共軸に摺動可能に背面主軸13の支承筒部24に挿入された円筒形の胴部33と、その前側の増径された円錐台形押圧面テーパ面)34を持つヘッド部35とを有する。ヘッド部35の後端部外周に縦溝36が形成され、ピン37によって、コレットチャックスリーブ29が背面主軸13に対して軸方向には移動するが回転しない(即ち、背面主軸13と共に回転する)ようになっている。なお、コレットチャックスリーブ29と胴部33とコレットチャック装置27とコレットチャック30との中心線は背面主軸13のZ2軸に一致するので、これらの中心線もZ2軸と表記することにする。

0028

コレットチャック30は、コレットチャックスリーブ29に軸方向に共軸に摺動可能に挿入される円筒形の胴部38と、この前側に形成され三ツ割爪状の弾性を持つ加工部口径部(以下、「口径部」という)39を有する。口径部39の前側外周部にコレットチャックスリーブ29の押圧面34に向く円錐台状のテーパ面40が形成されている。後述のように、コレットチャックスリーブ29が後退して押圧面34がテーパ面40から離間している場合は、コレットチャック30の口径部39は弾性的に拡径してそのテーパ面40の角度はコレットチャックスリーブ29の押圧面34の角度よりも若干大きくなるが、コレットチャックスリーブ29が前進して、その押圧面34がコレットチャック30のテーパ面40を押圧した場合は、テーパ面40は押圧面34と相補的な形状になる。

0029

図3、4、5及び6を参照して、コレットチャック30は、口径部39内に、加工部28に形成される傾斜穴5の傾斜角αに実質的に等しい傾斜角βでZ2軸と交わる中心線41を有する円筒穴状の把持面42が形成されている。そして、中心線41とZ2軸との交点Pは、加工部28を後述のようにコレットチャック30が把持した時に、加工部28の中心線(図1の製品1の中心線7に同じ)とそれに形成される傾斜穴5の中心線6との交点Oに一致するように形成される。

0030

図3へ戻って、コレットチャック30の後端とコレットチャックスリーブ29の後端部内部の肩部43との間に圧縮コイルばね44を設けている。この圧縮コイルばね44は、コレットチャックスリーブ29に対してコレットチャック30を前方へ付勢して、コレットチャック30の口径部39のテーパ部40の基準面46を、コレットチャックナット31の圧接面47に常時当接させている。

0031

背面主軸13にその後側から、押し棒45が、従来のNC装置の場合と同様に、図示しない駆動装置により、軸方向に往復動可能に挿入されている。図3においては、押し棒45は後退しており、この状態で、圧縮コイルばね44の付勢力によってコレットチャックスリーブ29も後退して、コレットチャックスリーブ29の押圧面34がコレットチャック30のテーパ面40からZ2軸の後方へ離間し、コレットチャック30の口径部39を解放するいわゆるアンクランプの状態になっている。

0032

押し棒45が前進されると、圧縮コイルばね44の付勢力に抗してコレットチャックスリーブ29が前進し、コレットチャックスリーブ29の押圧面34がコレットチャック30のテーパ面40を押圧して、このテーパ面40を押圧面34に実質的に相補的になるように圧接し、後に述べる加工部28を把持するように口径部39を縮径し、いわゆるクランプの状態にする。

0033

以下、図7の傾斜穴加工工程と、加工部傾斜工具の正面図である図8と、図7の加工工程と、これに対応するフローチャートである図9に基づいて本発明の傾斜穴加工方法について説明する。

0034

図9に示すステップ1において、主軸台10(図2)を送り駆動し、図7(A)に示すように、棒材加工部19を主軸8から加工部28として送り出すと共に、加工部28に傾斜穴5以外の加工を行う。主軸8から送り出された加工部28の長さ(即ち、主軸8からの棒材加工物19の繰り出し長さ)は、製品1に成るべき長さLとステップ2の溝加工用溝幅との和に実質的に等しい。

0035

ついで、ステップ2に移り、棒材加工物19と共に加工部28を回転させた状態で、図7(A)に示すように、加工部28の先端から長さLの部分20(「首部20」という)を、ステップ4で、加工部28を傾斜させるのに十分な直径になるまで、刃物台16に取り付けられた溝切り工具48で溝切りを行う。

0036

次に、ステップ3に移り、主軸8の回転を停止し、加工部28の回転をも停止させる。傾斜穴5とその他の加工との関係で加工部28の回転方向の停止位置が定まっている場合には、公知のNC旋盤の主軸の停止機構と同様な停止機構を用いて主軸8をその位置に停止させることができる。

0037

次のステップ4で、図7(B)に示すように、刃物台16に取り付けた加工部傾斜工具49で加工部28を傾斜させる。この加工部傾斜工具49は、図8に示すように二股フォークになっており、このフォークで加工部28を挟み、Y1軸の一方向へ(図では上方)へ押し、Z1軸に対して製品1の中心線6と傾斜穴5の中心線7との成す傾斜角αに実質的に等しい角度γだけ加工部28を同方向へ傾斜させる。加工部傾斜工具49は、加工部28がステップ6で背面主軸13に把持されるまで加工部28を押したままになっている。

0038

ステップ5において、背面主軸13に装着されたコレットチャック30をその把持面42の中心線41が主軸8に把持されている加工部28に形成されるべき傾斜穴5の中心線6に整合させるように背面主軸台12により設定する。ついで、ステップ6に移り、背面主軸台12によって背面主軸13をZ2軸の主軸8の方向へ移動させてコレットチャック30の把持面42で加工部28を受け、後退位置にある押し棒45を前進させてコレットチャック30の口径部39を閉じて、図7(C)に示すように、この口径部39で加工部28を把持する。

0039

次に、ステップ7に移り、エンドミル50などの切断工具で加工部28の首部20を切断し、加工部28を棒材加工物19から切り離す。そして、背面主軸台12を後退して背面主軸13を加工部28と共に後退させる。

0040

図7(D)において、51はZ2軸に平行になるように刃物台16に取り付けられたドリルであり、形成されるべき傾斜部分穴2,3,4の内の対応のものの穴径に相当する直径を持っている。この場合、図7(D)ではドリル51は一本のみが示されているが、傾斜部分穴の数に応じた本数のドリルが刃物台16に取り付けられている。

0041

ステップ8で、刃物台16をX軸とY1軸方向へ移動して、ドリル51の軸とコレットチャック30に把持されいる加工部28の中心線とを整合させる(即ち、両者をZ2軸上に設定する)。ついで、ステップ9に移り、背面主軸13と共に加工部28をZ2軸を中心にして回転させる。

0042

次に、背面主軸台12を前進して加工部28を前進させ、ドリル51で加工部28に傾斜部分穴2,3,4の対応の一つを加工する。他の傾斜部分穴も順次に他のドリルで同様にして形成する。これによりステップ10が実行され、加工部28が製品1として完成する。

0043

ステップ8−10では、図7(D)を参照してドリル51を用いて傾斜穴5を形成する例を示したが、ドリルに限らず、中ぐりバイトのような他の穿孔工具を用いることができる。例えば、中ぐりバイトを用いる場合、その刃先がZ1軸から形成される傾斜部分穴の半径だけ離間するように、中ぐりバイトを刃物台16に取り付ければよい。この場合、複数の傾斜部分穴を一本の中ぐりバイトで形成できるため、穿孔工具数を減少させることができるという重要な利点がある。

0044

傾斜穴5形成後は、ステップ11に示すように、背面主軸13の回転を停止し、押し棒45を後退させて、次のステップ12で、コレットチャック30の口径部39を開いて、加工部28に傾斜穴5が形成されて製品1になったものを口径部39から解放する。かくて、傾斜穴加工の1サイクルが完了する。

0045

最後に、ステップ13で、引き続いて次の傾斜穴の加工があるかないかがチェックされて、それがあれば、ステップ1へ戻り、傾斜穴加工が繰り返される。それがないと、傾斜穴加工は終了する。

0046

以上では、加工部に傾斜穴を形成するためにこの加工部をくわえ直す把持装置としてコレットチャックを用いて説明したが、本発明ではコレットチャックに限定されるものでなく、加工部を適切に把持できる他の任意のチャックであってもよい。主軸用コレットチャック装置も他の任意の適切なコレットチャックに換えることができる。

発明の効果

0047

加工部に形成すべき傾斜穴の傾斜角に実質的に等しい傾斜角を有する把持面を背面主軸用のチャックの口径部内に形成したことにより、穿孔工具を刃物台に傾斜穴の傾斜角に対応して傾斜して取り付けることを必要とせず、かつ、穿孔工具を回転させる必要もないので、傾斜穴の加工方法及び傾斜穴加工用のNC旋盤の構造が簡単になり、加工費及びNC旋盤のコストの低減を図ることができるという効果がある。

図面の簡単な説明

0048

図1傾斜穴が形成された製品の軸縦断面図である。
図2本発明に使用されるNC旋盤の一実施形態の斜視図である。
図3背面主軸用コレットチャック装置を装着した背面主軸の主要部の軸縦断面図である。
図4背面主軸用コレットチャックの一実施形態の側面図である。
図5図4の背面主軸用コレットチャックの正面図である。
図6図4の背面主軸用コレットチャックの軸縦断面図である。
図7傾斜穴加工の工程を示し、(A)は溝切り加工工程を、(B)は加工部傾斜工程を、(C)は背面主軸コレットチャックによる加工部の把持と加工部の切断工程を、(D)はドリルによる傾斜部分穴加工工程を示す。
図8加工部傾斜工具の正面図である。
図9傾斜穴加工のフローチャートである。

--

0049

1製品
2,3,4 傾斜部分穴
5傾斜穴
6,7中心線
8主軸
9 主軸用コレットチャック装置
10主軸台
11ベッド
12背面主軸台
13背面主軸
14,15サーボモータ
16刃物台
17,18 サーボモータ
19棒材加工物
20 首部
21ラジアル軸受
22アクシャル軸受
23歯車
24 支承筒部
25増径筒部
26フランジ
27 (背面主軸用)コレットチャック装置
28 加工部
29コレットチャックスリーブ
30コレットチャック
31 コレットチャックナット
33胴部
34押圧面(テーパ面)
35ヘッド部
36縦溝
37ピン
38 胴部
39 加工部口径部(口径部)
40 テーパ面
41 中心線
42把持面
43肩部
44圧縮コイルばね
45押し棒
46 基準面
47圧接面
48溝切り工具
49 加工部傾斜工具
50エンドミル(切断工具)
51ドリル(穿孔工具)
L (加工部の)長さ
O,P交点
X 軸
Y1,Y2 軸
Z1,Z2,Z3 軸
α,β,γ 傾斜角

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