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技術 水酸基含有塩の製造方法

出願人 株式会社トクヤマ
発明者 竹下竜二中原昭彦
出願日 2000年10月5日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-305650
公開日 2002年6月11日 (18年6ヶ月経過) 公開番号 2002-166135
状態 特許登録済
技術分野 半透膜を用いた分離 電気・磁気による水処理 非金属・化合物の電解製造;そのための装置
主要キーワード 導電性水溶液 全電気量 水素イオン量 糊状物質 開孔度 インジェクションノズル 陽イオン交換層 外部タンク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年6月11日)のものです。
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図面 (2)

課題

硫酸ヒドロキシルアミン水溶液等の原料塩水溶液電気透析して効率よくヒドロキシルアミン等の水酸基含有塩を製造する方法を提供する。

解決手段

陽極陰極との間に、バイポーラ膜、並びに陰イオン交換膜又は陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜を、該バイポーラ膜の陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向くようにしながら、且つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切り、陽極室陰極室との間に陽極側がバイポーラ膜で仕切られて水素イオンを発生する1つの水素イオン発生室と、陰極側がバイポーラ膜で仕切られて水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する連続した室からなる繰り返し単位を1以上有する中間領域を構成した透析槽を用い、原料塩の水溶液の電気透析を行ない、水酸基を有する塩を製造する方法において、前記水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なう。

概要

背景

ヒドロキシルアミンは、医薬農薬の合成における中間原料半導体用レジスト剥離液として用いられている。

ヒドロキシルアミンの製造方法として、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルアミン水溶液に苛性アルカリを添加して中和し、これを蒸留してヒドロキシルアミンを得る方法(中和蒸留法ともいう。)、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルアミン水溶液をイオン交換樹脂で処理することによりヒドロキシルアミンを得る方法(特開昭62−216908号公報、イオン交換法ともいう。)、および硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルアミン水溶液をイオン交換膜両極性膜バイポーラ膜)を用いた電気透析槽を用いて電気透析することによりヒドロキシルアミンを得る方法(電気透析法ともいう。)が知られている(特開平11−1788号公報)。

概要

硫酸ヒドロキシルアミン水溶液等の原料塩水溶液を電気透析して効率よくヒドロキシルアミン等の水酸基含有塩を製造する方法を提供する。

陽極陰極との間に、バイポーラ膜、並びに陰イオン交換膜又は陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜を、該バイポーラ膜の陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向くようにしながら、且つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切り、陽極室陰極室との間に陽極側がバイポーラ膜で仕切られて水素イオンを発生する1つの水素イオン発生室と、陰極側がバイポーラ膜で仕切られて水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する連続した室からなる繰り返し単位を1以上有する中間領域を構成した透析槽を用い、原料塩の水溶液の電気透析を行ない、水酸基を有する塩を製造する方法において、前記水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なう。

目的

そこで、本発明は電気透析法における電流効率を改善し、高い生産効率でヒドロキシルアミンを製造することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

陽極陰極との間に、一方の面が陽イオン交換体層からなり他方の面が陰イオン交換体層からなるバイポーラ膜、並びに陰イオン交換膜又は陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜を、該バイポーラ膜の陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向くようにしながら、且つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切り、(1)その内部に、陽極が配置された陽極室、(2)その内部に陰極が配置され陰極室、及び(3)陽極側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に水素イオンを発生する1つの水素イオン発生室と、陰極側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する2以上の連続した室からなる繰り返し単位を1以上有する中間領域を構成した電気透析槽を用い、該中間領域の水素イオン発生室以外の室に原料塩水溶液を供給して電気透析を行ない、該原料塩に由来するカチオンを水酸化物イオン発生室内で水酸化物イオンと共存させて水酸基を有する塩を製造する方法において、前記水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なうことを特徴とする水酸基含有塩の製造方法。

請求項2

陰イオン交換膜とバイポーラ膜とを交互に配列することにより、互いに隣接した1つの水素イオン発生室と1つの水酸化物イオン発生室との2室からなる繰り返し単位を有する中間領域を構成した電気透析槽を用い、上記水酸化物イオン発生室に原料塩水溶液を供給することを特徴とする請求項1記載の製造方法。

請求項3

陽極側から陰イオン交換膜、陽イオン交換膜、及びバイポーラ膜とをこの順で1回以上繰り返して配列することにより、電気透析を行なったときにその内部に存在するイオンが外部に拡散する1つの脱イオン室、1つの水酸化物イオン発生室、及び1つの水素イオン発生室がこの順で隣接した3室からなる繰り返し単位を有する中間領域を構成した電気透析槽を用い、上記脱イオン室に原料塩水溶液を供給することを特徴とする請求項1記載の製造方法。

請求項4

水素イオン発生室に塩基性化合物を供給して、該水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の製造方法。

請求項5

水素イオン発生室に中性塩の水溶液を供給して、該水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の製造方法。

請求項6

原料塩として硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンを用いてヒドロキシルアミンを得ることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電気透析によってヒドロキシルアミン等の水酸基含有塩を高効率にて製造する方法に関する。

背景技術

0002

ヒドロキシルアミンは、医薬農薬の合成における中間原料半導体用レジスト剥離液として用いられている。

0003

ヒドロキシルアミンの製造方法として、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルアミン水溶液に苛性アルカリを添加して中和し、これを蒸留してヒドロキシルアミンを得る方法(中和蒸留法ともいう。)、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルアミン水溶液をイオン交換樹脂で処理することによりヒドロキシルアミンを得る方法(特開昭62−216908号公報、イオン交換法ともいう。)、および硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルアミン水溶液をイオン交換膜両極性膜バイポーラ膜)を用いた電気透析槽を用いて電気透析することによりヒドロキシルアミンを得る方法(電気透析法ともいう。)が知られている(特開平11−1788号公報)。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、前記及びの従来技術においては、それぞれ次のような問題がある。

0005

即ち、前記の中和蒸留法は、塩が大量に副生するために、これを分離・除去する工程が必要となるばかりでなく、例えば蒸留により塩を分離する場合には、蒸留時に塩が蒸留釜析出してしまい閉塞等のトラブルが発生することがあり、操作を安定に行なうことが困難となる。このような蒸留時の塩の析出は、蒸留に供する中和後の水溶液を希薄することにより防止することができるが、この場合は、留出液中のヒドロキシルアミンの濃度が希薄となるので、これを濃縮する工程がさらに必要となってしまう。

0006

また、前記のイオン交換法は、イオン交換樹脂の再生工程が必要であり、運転の連続化ができないうえに、陰イオン交換樹脂の再生に多くのアルカリが必要となる等の問題がある。

0007

これに対し、の電気透析法は、上記のような問題が無く、優れた方法であると言える。しかしながら、特開平11−1788号公報の実施例にも示されているように、該方法における電流効率は約50%程度であり、必ずしも生産効率が高い製造方法とはいえないのが現状である。

0008

そこで、本発明は電気透析法における電流効率を改善し、高い生産効率でヒドロキシルアミンを製造することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、電気透析法の中でもバイポーラ膜を用い、水を水素イオン水酸化物イオン解離させ、この時得られた水酸化物イオンを利用してヒドロキシルアミンを製造する場合においては、同時に水酸化物イオンと別の室で発生する水素イオンの濃度を特定値以下に制御すると電流効率が著しく増大するという新たな知見を得た。そして、該知見に基づき更に検討を行なった結果、このような効果はヒドロキシルアミンの製造にかぎられず、他の水酸基含有塩を製造する場合にも得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

即ち、本発明は、陽極陰極との間に、一方の面が陽イオン交換体層からなり他方の面が陰イオン交換体層からなるバイポーラ膜、並びに陰イオン交換膜又は陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜を、該バイポーラ膜の陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向くようにしながら、且つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切り、(1)その内部に、陽極が配置された陽極室、(2)その内部に陰極が配置され陰極室、及び(3)陽極側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に水素イオンを発生する1つの水素イオン発生室と、陰極側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する連続した室からなる繰り返し単位を1以上有する中間領域を構成した電気透析槽を用い、該中間領域の水素イオン発生室以外の室に原料塩の水溶液を供給して電気透析を行ない、該原料塩に由来するカチオンを水酸化物イオン発生室内で水酸化物イオンと共存させて水酸基を有する塩を製造する方法において、前記水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なうことを特徴とする水酸基含有塩の製造方法である。

0011

上記本発明の製造方法における、具体的な原料塩水溶液供給態様としては、例えば、(i)陰イオン交換膜とバイポーラ膜とを交互に配列することにより、互いに隣接した1つの水素イオン発生室と1つの水酸化物イオン発生室との2室からなる繰り返し単位を有する中間領域を構成した電気透析槽を用い、上記水酸化物イオン発生室に原料塩水溶液を供給する態様、又は(ii)陽極側から陰イオン交換膜、陽イオン交換膜、及びバイポーラ膜とをこの順で1回以上繰り返して配列することにより、電気透析を行なったときにその内部に存在するイオンが外部に移動する1つの脱イオン室、1つの水酸化物イオン発生室、及び1つの水素イオン発生室がこの順で隣接した3室からなる繰り返し単位を有する中間領域を構成した電気透析槽を用い、上記脱イオン室に原料塩水溶液を供給する態様が挙げられる。

0012

また、水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御する具体的な方法としては、(i)水素イオン発生室に塩基性化合物を供給する方法、または(ii)水素イオン発生室に中性塩の水溶液を供給する方法が挙げられる。

0013

本発明の製造方法においては、高電流効率で電気透析法により、硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミン等の原料塩の水溶液からヒドロキシルアミン等の水酸基含有塩を製造することができる。また、該方法によれば、連続して安定に目的物を得ることができるばかりでなく、塩等の不純物が含まれないヒドロキシルアミン水溶液を得ることも可能であり、精製工程を省略することもできる。

0014

本発明は、理論に拘束されるものではないが、本発明においては、水素イオン発生室内における水素イオンの濃度が低く保たれているので、水素イオンが濃度差電気泳動による拡散により水酸イオン発生室に移動して、水酸イオンを中和により消費することがなくなるので高い電流効率が得られるものと思われる。なお、従来の方法においては、電気透析を行なうと水素イオン発生室内で酸が生成するため、一般に生成物と同じ酸の水溶液を供給して電気透析を行なうのが一般であり、水素イオン発生室内の水素イオン濃度を低く(pHを高く)制御するという発想はなかった。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明の製造方法では、陽極と陰極の間に、陽イオン交換体層と陰イオン交換体層とが貼合された構造を有するバイポーラ膜(以下、BP膜ともいう。)、並びに陰イオン交換膜(以下、AE膜ともいう。)、又はAE膜及び陽イオン交換膜(以下、CE膜ともいう。)を、該バイポーラ膜の陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向くようにしながら、且つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切り、(1)その内部に陽極が配置された陽極室、(2)その内部に陰極が配置され陰極室、及び(3)陽極側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に水素イオンを発生する1つの水素イオン発生室と、陰極側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する連続した室からなる繰り返し単位を1以上有する中間領域を構成した電気透析槽を用いて、該中間領域の水素イオン発生室以外の室に原料塩の水溶液を供給して電気透析を行なう。

0016

ここで、上記電気透析槽で使用する陽極、陰極、BP膜、AE膜、及びCE膜としては、通常の電気透析で用いられるものが特に制限なく使用できる。

0017

即ち、本発明で使用する陽極及び陰極としては、水電解食塩電解などの電気化学工業で採用されている電極が制限なく用いられる。例えば、陽極材料としてはニッケル、鉄、鉛、チタン白金黒鉛などが、また、陰極材料としてはニッケル、鉄、ステンレススチール、白金、チタンなどが好適に用いられる。

0018

本発明で使用するバイポーラ膜(BP膜)としては、一方の面が陽イオン交換体層からなり他方の面が陰イオン交換体層からなる公知のBP膜が使用できる。

0019

ここで、BP膜を構成する陽イオン交換体層および陰イオン交換体層とは、その表面にそれぞれ陽イオン交換基および陰イオン交換基を有する層、より具体的には各イオン交換基が結合した樹脂を構成要素とする層を意味する。陽イオン交換体層に存在する陽イオン交換基は特に限定されず、スルホン酸基カルボン酸基等の公知の陽イオン交換基が使用できるが、本発明におけるBP膜の使用態様から酸性下にても交換基が解離しているスルホン酸基を使用するのが好ましい。

0020

また、陰イオン交換体層に存在する陰イオン交換基も特に限定されず、アンモニウム塩基ピリジニウム塩基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基等の陰イオン交換基が使用できる。なかでも、本発明におけるBP膜の使用態様から塩基性下においても交換基が解離しているアンモニウム塩基を使用するのが望ましい。

0021

また、これらイオン交換基が結合する樹脂としては、炭化水素系樹脂フッ素系樹脂等の樹脂が特に制限なく使用される。

0022

なお、BP膜の陽イオン交換体層と陰イオン交換体層との厚みの比は、陰イオン交換体層/陽イオン交換体層が、1/50〜50/1、好ましくは1/5〜5/1となるように形成することが好ましい。

0023

また、本発明で使用するBP膜は、補強材補強されているのが好ましい。該補強材は、接合する陽イオン交換層および陰イオン交換層に応じて適宜決定すればよいが、ポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニルなどの多孔質フィルムネット編物、織布、不織布等が用いられる。

0024

BP膜は、一方の面が陽イオン交換体層からなり他方の面が陰イオン交換体層からなり、いわば陽イオン交換体層と陰イオン交換体層とが貼合されたような構造を有しているために、導電性水溶液を入れた電解槽の陽極と陰極との間をBP膜で該BP膜の陰イオン交換体層が陽極側を向くようにして仕切って両電極間電圧印加した場合に、陽極側に水酸イオンを、陰極側に水素イオンを発生させることができ、このようにして発生した水酸イオンを利用してヒドロキシルアミン等の水酸基含有塩を製造することが可能となる。このため、本発明で用いる電気透析槽においては、BP膜を使用する際には、その陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向くようにして使用する必要がある。

0025

BP膜のこれらイオンを発生させる能力は、水酸イオンの発生効率(ηOH)、水素イオンの発生効率(ηH)、及び水電解電圧で評価することができる。ここで、水酸イオンの発生効率(ηOH)とは、BP膜に通じた全電気量のうち水酸イオン発生に消費された電気量の割合を意味し、水素イオンの発生効率(ηH)とは、BP膜に通じた全電気量のうち水素イオン発生に消費された電気量の割合を意味し、水電解電圧とは、水が電解により水酸イオンと水素イオンとを発生する電圧を意味する。したがって、効率よくヒドロキシルアミンを得るためにはηH及びηOHが高く、水電解電圧が低いBP膜を使用するのが好適である。

0026

本発明においては、製造効率を高くすることの理由から、スルホン酸基を有する陽イオン交換体層上に四級アンモニウム塩基を有する陰イオン交換体層を形成させてなる、水酸イオンの発生効率(ηOH)が80%以上、水素イオンの発生効率(ηH)が80%以上、水電解電圧が0.9〜3.0V、膜厚が0.05〜5.00mmのBP膜を使用するのが特に好適である。

0027

本発明で使用するBP膜は、上記の好適な膜を含めて、例えば以下に示すような方法により製造することができる。即ち、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜をポリエチレンイミンエビクロルヒドリンの混合物で貼り合わせ硬化接着する方法(特公昭32−3962号公報);陽イオン交換膜と陰イオン交換膜をイオン交換性接着剤接着させる方法(特公昭34−3961号公報);陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを微粉のイオン交換樹脂、陰または陽イオン交換樹脂熱可塑性物質とのペースト状混合物を塗布し圧著させる方法(特公昭35−14531号公報);陽イオン交換膜の表面にビニルピリジンエポキシ化合物からなる糊状物質を塗布し、これに放射線照射することによって製造する方法(特公昭38−16633号公報)、陰イオン交換膜の表面にスルホン酸型高分子電解質アリルアミン類を付着させた後、電離性放射線照射架橋させる方法(特公昭51−4113号公報);イオン交換膜の表面に反対電荷を有するイオン交換樹脂の分散系母体重合体との混合物を沈着させる方法(特開昭53−37190号公報);ポリエチレンフィルムスチレンジビニルベンゼン含浸重合したシート状物ステンレス製の枠に挟みつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取り外して残りの部分にクロルメチル化次いでアミノ化処理する方法(米国特許第3562139号明細書);又は特定の金属イオンを、陰陽イオン交換膜の表面に塗り両イオン交換膜を重ね合わせてプレスする方法{エレクトロケミカアクタ31巻1175−1176頁(1986年)}などにより製造することができる。

0028

本発明で使用する陰イオン交換膜(AE膜)は、陰イオン交換基が結合した樹脂からなる陰イオン選択透過性を有する膜であれば特に制限さず公知の陰イオン交換膜が使用できる。

0029

陰イオン交換基としては、水溶液中で正の電荷となり得る官能基が特に制限なく採用できる。具体的には、1〜3級アミノ基、ピリジル基、4級アンモニウム塩基、4級ピリジニウム塩基、さらにこれらのイオン交換基が混在したものなどが挙げられる。

0030

AE膜としては、重合型、縮合型均質型、不均質型等の区別無く使用することができ、さらに、補強のために使用する補強材の有無や、イオン交換基が結合する樹脂の材質(通常、炭化水素系樹脂またはフッ素系樹脂が使用されている)も特に制限されない。

0031

本発明においては、製造効率を高くすることの理由から、0.5mol/L−NaCl中での電気抵抗が0.1〜15.0Ω・cm2、イオン交換容量が0.3〜6mmol/g−乾燥膜含水率が0.1〜1.0g−H2O/g−乾燥膜であり、膜厚が0.01〜5.00mmのAE膜を使用するのが好適である。

0032

なお、実質的に陰イオン交換膜として機能する「両性イオン交換膜」と称されるイオン交換膜も、0.5mol/L−NaCl中で、50mA/cm2の電流密度で電気透析した場合の電流効率が70%以上を達成できるものであれば、本発明の陰イオン交換膜として使用できるが、両性イオン交換膜は、一般的に酸を透過させ易い傾向があるため、酸を透過させ難い、通常の陰イオン交換膜を使用することがより好ましい。

0033

本発明で使用する陽イオン交換膜(CE膜)は、陽イオン交換基が結合した樹脂からなる陽イオン選択透過性を有する膜であれば特に制限さず公知の陽イオン交換膜が使用できる。

0034

陽イオン交換基としては、水溶液中で負の電荷となり得る官能基が特に制限なく採用できる。具体的には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基硫酸エステル基、リン酸エステル基、さらにこれらのイオン交換基が混在したものなどが挙げられる。

0035

CE膜としては、重合型、縮合型、均質型、不均質型等の区別無く使用することができ、さらに、補強のために使用する補強材の有無や、イオン交換基が結合する樹脂の材質(通常、炭化水素系樹脂またはフッ素系樹脂が使用されている)も特に制限されない。

0036

本発明においては、製造効率を高くすることの理由から、0.5mol/L−NaCl中での電気抵抗が0.1〜20.0Ω・cm2、イオン交換容量が0.3〜6mmol/g−乾燥膜、含水率が0.1〜1.0g−H2O/g−乾燥膜であり、膜厚が0.01〜5.00mmのCE膜を使用するのが好適である。

0037

なお、実質的に陽イオン交換膜として機能する「両性イオン交換膜」と称されるイオン交換膜も、0.5mol/L−NaCl中で、50mA/cm2の電流密度で電気透析した場合の電流効率が70%以上を達成できるものであれば、本発明の陽イオン交換膜として使用できるが、両性イオン交換膜は、一般的にアルカリを透過させ易い傾向があるため、アルカリを透過させ難い、通常の陽イオン交換膜を使用することがより好ましい。

0038

本発明で使用する電気透析槽においては、容器内に互いに対向するように配置された陽極と陰極の間に、BP膜、並びにAE膜又は、AE膜及びCE膜を、BP膜の陰イオン交換体層が陽極側を向くようにし、且つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切り、陽極室、陰極室、及び中間領域が構成されている。

0039

各膜の配列の仕方は、上記中間領域に、陽極側がBP膜で仕切られて電気透析時に水素イオンを発生する1つの水素イオン発生室と、陰極側がBP膜で仕切られて電気透析時に水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する連続した室からなる繰り返し単位が1以上含まれるようになる配列であれば特に限定されないが、製造効率の観点から、それぞれ図1又は図2に示すような下記(I)又は(II)に示すような配列をするのが好適である。

0040

(I)図1に示すように、陽極15と陰極16の間に、陽極側から順に陰イオン交換膜Aとバイポーラ膜BPとを交互に配列して、陽極室13、陰極室14、及び1つの水酸化物発生室11と、1つの水素イオン発生室12との組み合わせからなるユニット(繰り返し単位)を1以上含む中間領域(電気透析槽内の陽極室13と陰極室14とに挟まれた領域)を構成するような配列。

0041

(II)図2に示すように、陽極15と陰極16の間に、陽極側から陰イオン交換膜Aと陽イオン交換膜Cとバイポーラ膜BPとをこの順で1回以上繰り返して配列し、陽極室13、陰極室14、及び電気透析を行なったときにその内部に存在するイオンが外部に移動する1つの脱イオン室21、1つの水酸化物イオン発生室11、及び1つの水素イオン発生室12がこの順で隣接した3室からなるユニット(繰り返し単位)を1以上含む中間領域(電気透析槽内の陽極室13と陰極室14とに挟まれた領域)を構成するような配列。

0042

なお、ここで、水素イオン発生室とは、電気透析時に水素イオンを発生する室を意味し、その陽極側がBP膜で仕切られ、その陰極側がAE膜{例えば上記(I)及び(II)の態様}で仕切られている室である。また、水酸化物イオン発生室とは、電気透析時に水酸化物イオンを発生する室を意味し、その陰極側がBP膜で仕切られ、その陽極側がAE膜{例えば上記(I)の態様}又はCE換膜{例えば上記(II)の態様}で仕切られている室である。また、脱イオン室とは、電気透析を行なったときにその内部に存在するイオンが外部に移動する室であり、その陰極側がCE膜で仕切られ、その陽極側がAE膜で仕切られた室である。

0043

図1及び2には、中間領域に含まれる上記各ユニットの数が複数のものを示したが、該ユニット数は1であってもよい。但し、工業的な規模での実施をする場合には、製造効率の観点から、各図に示したようなユニット数が複数である態様を採用するのが好適である。例えば、図1に示される電気透析槽における膜の配列は、陽極−(AE膜−BP膜)n−AE膜−陰極(但し、nはバイポーラ膜と陰イオン交換膜の配列の繰り返し数である。)で表され、図2に示される電気透析槽における膜の配列は、陽極−(AE膜−CE膜−BP膜)n−AE膜−陰極(但し、nはバイポーラ膜と陰イオン交換膜の配列の繰り返し数である。)で表されるが、nは一般に、5〜200であるのが好適である。特に、各室を形成するための切欠部を中央に有する室枠を介して前記した好適なnの範囲となるように各膜を配列し、両端より締め付ける、いわゆるフィルタープレス型の構造とするのが好適である。

0044

本発明の製造方法においては、前記のような中間領域の水素イオン発生室以外の室に原料塩の水溶液を供給して電気透析を行なう。

0045

この時、原料として使用する塩(原料塩)は、水溶性で該塩のカチオンが水酸化物イオンと反応して目的物である水酸基含有塩を与える塩であれば特に限定されず、目的物に応じたカチオンを有する公知の塩が使用できる。例えば、目的物としてヒドロキシルアミンを製造する場合には、硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンが好適に用いられる。これら原料塩は、水溶液の形で電気透析槽に供給される(以下、原料塩の水溶液を単に原料溶液ともいう。)。原料水溶液は、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン等の原料塩が水に溶解した溶液であれば特に限定されないが、製造効率の観点から、原料塩の濃度が0.1g/L以上、特に1g/L以上のものを使用するのが好適である。なお、原料塩が不安定なものである場合には、これら水溶液には、安定剤を添加するのが好適である。例えば、原料塩として硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンを用いる場合には、安定剤として、キノリン誘導体チオサルフェートチオカルボン酸ヒドロキシアントラキノン等を溶解させるのが好適である。

0046

原料水溶液を供給する室は、前記中間領域の水素イオン発生室以外の室であって、原料塩に由来するカチオンが水酸化物イオン発生室内の水酸化物イオンと共存するようになる室であれば限定されず、用いる電気透析槽の態様に応じて適宜決定すればよい。例えば、図1に示される電気透析槽を用いて電気透析を行なう場合には、水酸化物イオン発生室11に直接原料水溶液を供給すればよい。また、図2に示される電気透析槽を用いて電気透析を行なう場合には、水酸化物イオン発生室11又は脱イオン室21に原料水溶液を供給すればよい。なお、図2に示す態様の電気透析槽においては、原料塩が含まれない目的物が得られるという観点から、脱イオン室21に原料水溶液を供給するのが好適である。

0047

電気透析の方法は、一般的な電気透析法と同様に、陽極室および陰極室にそれぞれ陽極液および陰極液を供給するとともに中間領域に導電性水溶液(電解液)を張り込み、連続的に又はバッチで原料溶液を供給して両電極間に電流を印加すればよい。

0048

電気透析の際に陽極室に供給される陽極液の種類は、陽極材料の種類に応じて適宜選択することができる。これらの組み合わせとして好ましいものを電極材料−陽極液の形式で例示すると、ニッケル−水酸化ナトリウム水溶液、鉄−水酸化ナトリウム水溶液、鉛−硫酸水溶液、白金−硫酸水溶液、白金−硫酸ナトリウム水溶液などが挙げられる。

0049

また、陰極室に供給される陰極液の種類は、陰極材料の種類に応じて適宜選択することができる。これらの組み合わせとして好ましいものを電極材料−陰極液の形式で例示すると、ニッケル−水酸化ナトリウム水溶液、鉄−水酸化ナトリウム水溶液、ステンレススチール−水酸化ナトリウム水溶液、ニッケル−硫酸ナトリウム水溶液、ステンレススチール−硫酸ナトリウム水溶液などが挙げられる。

0050

このようにして電気透析を行なうことにより、例えば図1に示す電気透析槽に硫酸ヒドロキシルアミン水溶液を供給して電気透析を行なった場合には、水酸化物イオン発生室に供給された原料溶液中に存在する硫酸ヒドロキシルアミン起原のNH3OH+イオンがBP膜によって発生したOH-イオンと共存することにより該塩室内にヒドロキシルアミンが生成すると同時に、同じく硫酸ヒドロキシルアミン起原のSO42-イオンがAE膜を透過して隣の水素イオン発生室に移動し、BP膜によって発生したH+イオンと共存することにより該室内で硫酸が生成する。但し、後述するように水素イオン発生室に塩基を供給した場合には、中和され塩が生成する。

0051

また、図2に示す電気透析槽を用いて脱イオン室に原料水溶液を供給して同様の電気透析を行なった場合には、脱イオン室に供給された原料溶液中に存在する硫酸ヒドロキシルアミン起原のSO42-イオン及びNH3OH+イオンがそれぞれAE膜及びCA膜を透過して、それぞれ水素イオン発生室及び水酸化物イオン発生室に移動し、水酸化物イオン発生室においてはNH3OH+イオンがBP膜によって発生したOH-と共存することによりヒドロキシルアミンが生成し、水素イオン発生室においてはSO42-イオンがBP膜によって発生したH+イオンと共存することによりに硫酸が生成する。但し、水素イオン発生室に塩基を供給した場合には、中和され無機塩が生成する。

0052

本発明の製造方法においては、電気透析を行なう際に、水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なうことを必須とする。水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しない場合には、電流効率を高くすることが困難である。電流効率の観点から、水素イオン発生室中のpHを1以上、特に1.5以上とするのがより好適である。

0053

水素イオン発生室中の水素イオン濃度を制御する方法は特に限定されないが、簡便さの観点から、水素イオン発生室に塩基性化合物を供給して中和により水素イオン濃度を低くする方法、又は水素イオン発生室に中性塩の水溶液を供給して、希釈効果により水素イオン濃度を低くする方法が好適に採用できる。

0054

このとき塩基性化合物としては、公知の化合物が制限なく用いられるが、製造効率及び運転管理の観点から、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムを用いるのが好適である。これら塩基性化合物は、操作性の観点から、水溶液とし、塩基性水溶液の形で水素イオン発生室に供給するのが好適である。また、中性塩としては、その水溶液が中性を示す塩であれば特に限定されないが、製造効率及び運転管理の観点から、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム硫酸カリウム等を用いるのが好適である。なお、希釈という観点からは、中性塩水溶液に代えて純水を供給することも考えられるが、純水を供給した場合には電気抵抗が高くなり製造効率が低下するので、中性塩の水溶液を用いるのが好適である。

0055

塩基性水溶液、及び中性塩水溶液の濃度は、用いる装置や運転条件に応じて適宜設定すればよいが、通常、それぞれ0.1〜20wt%、及び0.1〜15wt%である。

0056

塩基性水溶液、又は中性塩水溶液の供給方法は、特に限定されないが、操作の簡便性から、電気透析槽の外部にこれら水溶液用の貯槽タンク)を設け、該貯槽から水素イオン発生室にポンプ等を用いてこれら水溶液を連続的、又は断続的に供給すると同時に、水素イオン発生室の上流(但し、液が供給される側を下流とする)側からから供給量に見合った量の液を抜き出すことにより好適に行なうことができる。このとき、貯槽に十分な量の調整液を入れておけば貯槽内の液を循環させてもよい。

0057

このときの供給量は、例えば水素イオン発生室液排出路から排出される液のpHをモニターする等して、水素イオン発生室内の水素イオン濃度が所期の範囲になるように適宜調節すればよい。中性塩水溶液を供給する場合には、希釈効果で水素イオン濃度を低減するため、所期の濃度にするための希釈倍率から供給量(若しくは供給速度)を決定すればよい。一方、塩基性水溶液を供給する場合には中和反応により水素イオンを消費し、その量(濃度)を低減するので、供給量は発生する水素イオン量及び用いる塩基性水溶液の濃度に応じて供給量を決定すればよい。

0058

以下に、図1に示す電気透析槽を用いてヒドロキシルアミンを連続的に製造する場合を例に、電気透析条件等を含めてその手順を詳しく説明する。

0059

図1に示す電気透析槽には、前記したように、陽極15と陰極16の間に、陰イオン交換膜Aとバイポーラ膜BPとが配列されて、陽極室13、陰極室14、並びに一つの水酸化物イオン発生室11と該室と隣接する一つの水素イオン発生室12との組み合わせからなるユニットが複数含まれる中間領域が構成されている。また、各室枠には液供給口および液排出口が設けられ、各液供給口、液排出口は必要に応じて枝管を経由して主管に接続されている。更に、室枠内には、室枠の厚みを均一に維持すると共に、供給された液の流れを均一にするための配流作用を有するスペーサーを設けるのが一般的である。

0060

上記水素イオン発生室12には、塩基性水溶液又は中性塩水溶液(以下、これらを総称して調整液ともいう。)を供給するための調整液供給路17が接続されており、これを調整液が連続的(ここで連続的とは、原料水溶液を循環させることも含む。以下、同じ)或いは断続的に供給できるようになっている。また、水酸化物イオン発生室11には原料水溶液供給路18を通して原料水溶液が連続的に供給できるようになっている。また、水酸化物イオン発生室11には生成したヒドロキシルアミンを連続的又は断続的に抜き出すための生成液抜出し路20が接続されている。さらに、水素イオン発生室12には液(該室内では無機酸又は中和によって生成する無機塩が生成するため、該液には無機酸又は無機塩が含まれている。)を連続的又は断続的に排出するための水素イオン発生室液排出路19が接続されている。

0061

電気透析を行なうに際しては、先ず陽極室13、陰極室14、水素イオン発生室12、及び水酸化物イオン発生室11にそれぞれ陽極液、陰極液、調整液、及び原料水溶液を供給する。次いで、陽極と陰極の間に電圧を印加し、電気透析を開始する。このとき、電気透析時の各種液の温度は、通常5〜60℃、好ましくは20〜40℃の範囲に制御される。また、電気透析における電流密度は、特に制限を受けないが、一般には1〜30A/dm2、好ましくは、3〜20A/dm2が好適である。電気透析中においては、前記した各流路を利用して、原料水溶液や調整液を連続的又は断続的に供給すると共に水酸化物イオン発生室11から生成物を含む溶液を、また水素イオン発生室12から無機酸、無機塩又は無機塩基を含む溶液を抜き出せばよい。

0062

このとき、BP膜の電気抵抗の上昇を防止するために、水酸化物イオン発生室11内に存在する原料水溶液を撹拌しながら電気透析を行うことが好適である。これは、生成したヒドロキシルアミンは導電性に乏しいために、BP膜の陰イオン交換体層近傍にヒドロキシルアミンが滞留すると電気抵抗が上昇するが、攪拌により生成したヒドロキシルアミンを速やかにBP膜近傍から除去することにより、低電気抵抗での継続的な電気透析が可能となる。

0063

上記撹拌の手段としては、膜表面の流速を一定以上に保つ手段が有効であり、BP膜を構成する陰イオン交換体層の表面において、原料水溶液の線速度を1cm/s以上、特に2cm/s以上とすることにより有効な攪拌効果を得ることができる。このような攪拌を行なうためには、水素イオン発生室12、水酸化物イオン発生室11の各室に供給する液のタンクを外部に設けて、各々の室と外部タンクとの間で液を循環させるのが好適である。また、他の態様としてジェットノズル或いはインジェクションノズル等によって室内の液を撹拌することもできる。このような攪拌を行なう場合には、溶液抵抗を少なくする目的で、BP膜とAE膜との間隔は、0.1〜40mm、特に0.2〜20mmとするのが好適である。

0064

このようにして得られた(水酸化物イオン発生室11から抜き出された)生成液には、透析条件によっては、目的物であるヒドロキシルアミンの他に原料の硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンや苛性アルカリ等が含まれている。このような生成液から高純度のヒドロキシルアミンを得るためには、蒸留法又はイオン交換樹脂法にて精製すればよい。

0065

以上、連続的又は断続的に電気透析を行う態様を示したが、電気透析はバッチで行うことも可能である。

0066

また、図2に示す電気透析槽を用いる場合も、脱イオン室21に接続された脱イオン液排出路23から脱イオン(脱塩)された原料水溶液を連続的、又は断続的に排出し、更に水酸化物イオン発生室11に電解液を電解液供給路22を通して連続的又は断続的に供給する(勿論循環させてもよい)と共に水酸化物イオン発生室11に接続された生成液生成液抜出し路20から目的生成物を含む生成液を抜き出すようにする他は図1の電気透析槽を用いた場合と同様に行なうことができる。

0067

図2に示す電気透析槽を用いた場合には、目的物であるヒドロキシルアミンは未反応の硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンと分離されて得られるので、精製工程を簡略化することも可能である。また、未反応の硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンは、脱イオン液排出路23を通じて回収できるので、濃縮操作等を行なって再使用することもできる。

0068

以下、本発明を更に詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0069

実施例1
市販の陰イオン交換膜{ネオセプタAHA、(株)トクヤマ製、0.5mol/L−NaCl中での電気抵抗:3.0Ω・cm2、イオン交換容量:1.4mmol/g−乾燥膜、含水率:0.43g−H2O/g−乾燥膜、膜厚:0.18mm}と市販のバイポーラ膜{ネオセプタ BP−1、(株)トクヤマ製、ηOH:99.7%、ηH:99.6%、水分解電圧が1.2V、膜厚:0.25mm}とを、該バイポーラ膜の陰イオン交換層が陽極側を向くように、陰極と陽極の間に交互に10対直列に配置し(有効通電面積:2[dm2/枚])、水酸化物イオン発生室と水素イオン発生室とを交互に構成した。なお、バイポーラ膜と陰イオン交換膜との間隔は、0.75mmとし、開孔度80%で厚みが0.75mmのポリエチレン製のスペーサーをそれぞれの室に配置した。

0070

上記電気透析槽を用いて、水酸化物イオン発生室に膜表面における線速度6cm/sで3リットルの硫酸ヒドロキシルアミン水溶液(300g/L)を循環供給すると共に水素イオン発生室に膜表面における線速度6cm/sで6リットルの水酸化ナトリウム水溶液(80g/L)を循環供給して電気透析を行ない、ヒドロキシルアミンの製造を行った。

0071

なお、電気透析は、陰極室と陽極室には30g/Lの芒硝水溶液を循環しながら、陰極と陽極の間に30Vの電圧を加え、直流電流を2時間流したて行なった。

0072

この間、水素イオン発生室液排出路から排出される液のpHを定期的にモニターしたところ、pHは12.5以上であった。

0073

このような条件下で電気透析を行なったところ、水酸化物イオン発生室から硫酸ヒドロキシルアミン濃度が1.1g/Lで、ヒドロキシルアミン濃度が146g/Lである生成液2.46リットルを得ることができた。この結果から求めた硫酸ヒドロキシルアミンからヒドロキシルアミンへの転換率は、99.0%であり、また、この時の電流効率は、92%であった。

0074

実施例2
水素イオン発生室に供給する調整液を50g/Lの硫酸ナトリウム水溶液に変え、液を循環させずに膜表面における線速度が2cm/sとなるように供給しする他は上記実施例1と同様の条件で電気透析を行い、水酸化物生成室から硫酸ヒドロキシルアミン濃度2.3g/Lでヒドロキシルアミン濃度が144g/Lである生成液2.44リットルを得た。

0075

この時の硫酸ヒドロキシルアミンからヒドロキシルアミンへの転換率は、96.9%であり、また、電流効率は、90%であった。

0076

なお、この時の水素イオン発生室液排出路から排出される液のpHをモニターしたところ、pHは1.6であった。

0077

比較例1
水素イオン発生室に供給する調整液を50g/Lの硫酸水溶液6リットルにて循環供給すること以外は、上記実施例1と同様の条件で電気透析を行った。

0078

その結果、水酸化物生成室から硫酸ヒドロキシルアミンが156g/L、ヒドロキシルアミンが89g/Lの濃度の液2.38リットルを得た。

0079

硫酸ヒドロキシルアミンからヒドロキシルアミンへの転換率は、58.4%であった。また、この時の電流効率は、48%であった。

0080

なお、電気透析終了後、水素イオン発生室内の溶液を分析したところ、その硫酸濃度は、97g/L(pHは0.01以下)であった。

0081

実施例3
市販の陰イオン交換膜{ネオセプタAHA、(株)トクヤマ製}と陽イオン交換膜{ネオセプタ CMB、(株)トクヤマ製、0.5mol/L−NaCl中での電気抵抗:3.4Ω・cm2、イオン交換容量:2.6mmol/g−乾燥膜、含水率:0.66g−H2O/g−乾燥膜、膜厚:0.21mm}と市販のバイポーラ膜{ネオセプタ BP−1、(株)トクヤマ製}とを、該バイポーラ膜の陰イオン交換層が陽極側を向くように、陰極と陽極の間に交互に10対直列に配置し(有効通電面積:2[dm2/枚])、脱イオン室と水酸化物イオン発生室と水素イオン発生室とを交互に構成した。なお、それぞれの膜との間隔は、0.75mmとし、開孔度80%で厚みが0.75mmのポリエチレン製のスペーサーをそれぞれの室に配置した。

0082

上記電気透析槽を用いて、脱イオン室に膜表面における線速度6cm/sで2リットルの硫酸ヒドロキシルアミン水溶液(150g/L)を循環供給すると共に、水酸化物イオン発生室に1.4リットルのヒドロキシルアミン水溶液(30g/L)を、又水素イオン発生室に2リットルの苛性ソーダ水溶液(80g/L)をそれぞれ膜表面における線速度6cm/sで循環供給して電気透析を行ない、ヒドロキシルアミンの製造を行った。

0083

なお、電気透析は、陰極室と陽極室には30g/Lの芒硝水溶液を循環しながら、陰極と陽極の間に33Vの電圧を加え、直流電流を3時間流して行なった。

0084

この間、水素イオン発生室液排出路から排出される液のpHを定期的にモニターしたところ、pHは13以上であった。

0085

このような条件下で電気透析を行なったところ、水酸化物イオン発生室からヒドロキシルアミン濃度が106g/Lである生成液1.51リットルを得ることができた。この結果から求めた硫酸ヒドロキシルアミンからヒドロキシルアミンへの転換率は、97.6%であり、また、この時の電流効率は、88%であった。

0086

比較例2
水素イオン発生室に供給する調整液を60g/Lの硫酸水溶液1.5リットルにて循環供給すること以外は、上記実施例2と同様の条件で電気透析を行った。

0087

その結果、水酸化物生成室からヒドロキシルアミン濃度が68g/Lである生成物1.53リットルを得た。

0088

硫酸ヒドロキシルアミンからヒドロキシルアミンへの転換率は、52.2%であった。また、この時の電流効率は、45%であった。

0089

なお、電気透析終了後、水素イオン発生室内の溶液を分析したところ、その硫酸濃度は、112g/L(pHは0.01以下)であった。

発明の効果

0090

本発明によれば、ヒドロキシルアミンを、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルアミン水溶液を、電気透析という工業的に有利な方法で製造することができる。しかも、この時の電気透析においては、製造効率を高く維持すると共に、長時間、低電気抵抗で連続した運転をおこなうことが可能である。

図面の簡単な説明

0091

図1本発明で使用する代表的な電気透析槽の模式図である。
図2本発明で使用する他の代表的な電気透析槽の模式図である。

--

0092

A陰イオン交換膜
C陽イオン交換膜
Bバイポーラ膜
10電気透析槽
11水酸化物イオン発生室
12水素イオン発生室
13陽極室
14陰極室
15陽極
16陰極
17調整液供給路
18原料水溶液供給路
19 水素イオン発生室液排出路
20生成液抜出し路
21脱イオン室
22電解液供給路
23脱イオン液排出路

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