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技術 近接場光プローブの作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡、近接場光微細加工装置、近接場光記録再生装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 黒田亮稲生耕久
出願日 2000年11月27日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2000-358816
公開日 2002年6月7日 (17年1ヶ月経過) 公開番号 2002-162332
状態 未査定
技術分野 光学的手段による測長装置 器械の細部 自動分析、そのための試料等の取扱い 幾何学的な機構による創成加工 マイクロマシン レーザ加工 光学的記録再生1 光学的記録再生4(ヘッド自体) ナノ構造物 走査型プローブ顕微鏡 光ヘッド 原子、分子の操作により形成されたナノ構造物
主要キーワード 金属コーテイング 部分膜 針状電極間 コア材質 レーザー融着 遮光用金属膜 円柱棒状 分布方向
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

近接場光プローブレーザ光照射により曲げ加工を行う場合に、照射されるレーザ光によって探針先端が溶融して丸まることが防止され、高い分解能の近接場光プローブを作製することが可能となる近接場光プローブの作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡近接場光微細加工装置近接場光記録再生装置を提供する。

解決手段

レーザ光の照射により照射部分を溶融し、根元部分に対して探針を有する先端部分を曲げるようにする曲げ加工を行って、近接場光プローブを作製する近接場光プローブの作製方法において、前記近接場光プローブが、前記レーザ光の照射方向である垂直方向に対し、ずらした角度から該レーザ光の照射を受けるようにして、曲げ加工を行う。

概要

背景

近年、STM走査型トンネル顕微鏡)やAFM(原子間力顕微鏡)に代表されるSPM(走査型プローブ顕微鏡)技術の進展により、先端をらせたプローブ試料に対して100nm以下の距離まで近づけることにより、顕微鏡としての分解能飛躍的に向上させることが可能となり、原子分子サイズのものを観察できるようになった。光に関してもSPMのファミリーとして、尖鋭光プローブ先端の微小開口から滲み出すエバネッセント光を利用して試料表面状態を調べる近接場光学顕微鏡(以下SNOMと略す)[EP0112401,Durig他,J.Appl.Phys.vol.59,p.3318(1986)]や、試料裏面からプリズムを介して全反射の条件で光を入射させ、試料表面へしみ出す近接場光を試料表面から光プローブで検出して試料表面を調べるフォトンSTM(以下PSTMと略す)[Reddick他,Phys.Rev.B vol.39,p.767(1989)]も開発された。上記SNOMを用いることにより、100nm以下の微小な領域にアクセスし、光学的情報を検出することができる。SNOMに用いる光プローブの作製方法として、光ファイバ化学エッチングし、コアクラッド材質の違いによるエッチング速度の違いを利用して、光ファイバの先端を尖鋭化する方法が提案されている(特開平5−241076号公報)。また、光ファイバやピペットを引張った状態でその一部分をヒーター加熱レーザー照射放電により溶融し、延伸することにより尖鋭化する方法も提案されている(米国特許第4917462号明細書)。さて、SNOMにおいて試料表面に対し、光プローブ先端の位置を近接場光の作用の及ぶ100nm以下の距離に制御するための方式として、いくつかの方式が提案されている。第1の方式は、光プローブを試料表面に対して平行方向に振動させ、光プローブ先端と試料表面との間に働く横方向のファンデルワールス力であるシアーフォースを検出し、これを一定に保つように距離制御を行うシアーフォース方式である。第2の方式は、光プローブとしてカンチレバー形の光プローブを用い、光プローブ先端と試料表面の間に働くファンデルワールス力や原子間力を検出し、これを一定に保つように距離制御行うAFM方式である。ここで、AFM方式に用いるカンチレバータイプの光プローブとしては、ピペットや光ファイバーの先端を加工して突起の先端に光学的微小開口を形成し、さらに、CO2レーザー光等を照射することによりピペットや光ファイバーを曲げカンチレバーとしての機能を持たせる方法が提案されている(米国特許第5677978号明細書、特開平7−174542号公報)。

概要

近接場光プローブレーザ光の照射により曲げ加工を行う場合に、照射されるレーザ光によって探針先端が溶融して丸まることが防止され、高い分解能の近接場光プローブを作製することが可能となる近接場光プローブの作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡、近接場光微細加工装置近接場光記録再生装置を提供する。

レーザ光の照射により照射部分を溶融し、根元部分に対して探針を有する先端部分を曲げるようにする曲げ加工を行って、近接場光プローブを作製する近接場光プローブの作製方法において、前記近接場光プローブが、前記レーザ光の照射方向である垂直方向に対し、ずらした角度から該レーザ光の照射を受けるようにして、曲げ加工を行う。

目的

そこで、本発明は、上記従来のものにおける課題を解決し、近接場光プローブをレーザ光の照射により曲げ加工を行う場合に、照射されるレーザ光によって探針先端が溶融して丸まることが防止され、高い分解能の近接場光プローブを作製することが可能となる近接場光プローブの作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡、近接場光微細加工装置、近接場光記録再生装置を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

レーザ光照射により照射部分を溶融し、根元部分に対して探針を有する先端部分を所定角度曲げ加工を行って、近接場光プローブを作製する近接場光プローブの作製方法において、前記近接場光プローブが、前記レーザ光の照射方向である垂直方向に対し、ずらした角度から該レーザ光の照射を受けるようにして、曲げ加工を行うことを特徴とする近接場光プローブの作製方法。

請求項2

前記曲げ加工において、曲げストッパーを配置し、前記近接場光プローブの曲げ角度を制限することを特徴とする請求項1に記載の近接場光プローブの作製方法。

請求項3

レーザ光の照射により照射部分を溶融して根元部分に対して探針を有する先端部分を所定角度に曲げる曲げ加工手段を備えた近接場光プローブの作製装置において、前記曲げ加工手段が、前記レーザ光の照射方向である垂直方向からずらした角度で、前記近接場光プローブを支持する支持手段を有し、該支持手段によって支持された近接場光プローブが該レーザ光の照射方向とずらした角度から該レーザ光の照射を受けるように構成されていることを特徴とする近接場光プローブの作製装置。

請求項4

前記曲げ加工手段が、曲げストッパーを備え、該曲げストッパーによって前記近接場光プローブの曲げ角度を制限するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の近接場光プローブの作製装置。

請求項5

請求項1〜2のいずれか1項に記載の近接場光プローブの作製方法、または請求項3〜4のいずれか1項に記載の近接場光プローブの作製装置によって作製された近接場光プローブを用い、前記曲げ加工によって曲げられた先端部分と該根元部分に対して遮光材料成膜する工程を、該先端部分に対する第1の成膜工程と該根元部分に対する第2の成膜工程との二段階に分け、これら各成膜工程での成膜に際し、それぞれの異なる軸回りプローブを回転させながら、その回転軸と垂直な方向からプローブ表面に遮光材料による成膜を行うことを特徴とする近接場光プローブの作製方法。

請求項6

前記第1の成膜工程において、前記回転軸に垂直な方向に対して前記近接場光プローブの根元部分を支持する角度を、該近接場光プローブを使用する装置に取り付ける際に該近接場光プローブの根元部分が該近接場光プローブ先端を対向させる試料表面に対してなす角度と一致させることを特徴とする請求項5に記載の近接場光プローブの作製方法。

請求項7

請求項1〜2のいずれか1項に記載の近接場光プローブの作製方法、または請求項3〜4のいずれか1項に記載の近接場光プローブの作製装置、または請求項5〜6のいずれか1項に記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブ。

請求項8

請求項7に記載の近接場光プローブによって、該近接場光プローブの先端が片持ち梁の自由端となるように基板に支持する一方、前記基板に一端が支持された該近接場光プローブとは別の棒状部材の他端を、前記近接場光プローブの先端近傍接合して、該近接場光プローブと該棒状部材とでV字形が形成されるようにして構成されていることを特徴とする近接場光プローブ。

請求項9

請求項7に記載の近接場光プローブを用い、該近接場光プローブの先端が片持ち梁の自由端となるように基板に支持する工程と、該近接場光プローブとは別の棒状部材の一端を該近接場光プローブの先端近傍へ接合するに際し、該近接場光プローブに対して該棒状部材のなす角度が所定の角度となるように接合する工程と、前記基板に、前記棒状部材の他端を支持する工程と、を有することを特徴とする近接場光プローブの作製方法。

請求項10

近接場光プローブによって試料表面を観察する近接場光学顕微鏡において、前記近接場光プローブを請求項7〜8のいずれか1項に記載の近接場光プローブ、または請求項9に記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブによって構成したことを特徴とする近接場光学顕微鏡。

請求項11

近接場光プローブによって被加工面を微細加工する近接場光微細加工装置において、前記近接場光プローブを請求項7〜8のいずれか1項に記載の近接場光プローブ、または請求項9に記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブによって構成したことを特徴とする近接場光微細加工装置。

請求項12

近接場光プローブによって情報の記録再生を行う近接場光記録再生装置において、前記近接場光プローブを請求項7〜8のいずれか1項に記載の近接場光プローブ、または請求項9に記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブによって構成したことを特徴とする近接場光記録再生装置。

技術分野

0001

本発明は、近接場光プローブ作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡近接場光微細加工装置近接場光記録再生装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、STM走査型トンネル顕微鏡)やAFM(原子間力顕微鏡)に代表されるSPM(走査型プローブ顕微鏡)技術の進展により、先端をらせたプローブ試料に対して100nm以下の距離まで近づけることにより、顕微鏡としての分解能飛躍的に向上させることが可能となり、原子分子サイズのものを観察できるようになった。光に関してもSPMのファミリーとして、尖鋭光プローブ先端の微小開口から滲み出すエバネッセント光を利用して試料表面状態を調べる近接場光学顕微鏡(以下SNOMと略す)[EP0112401,Durig他,J.Appl.Phys.vol.59,p.3318(1986)]や、試料裏面からプリズムを介して全反射の条件で光を入射させ、試料表面へしみ出す近接場光を試料表面から光プローブで検出して試料表面を調べるフォトンSTM(以下PSTMと略す)[Reddick他,Phys.Rev.B vol.39,p.767(1989)]も開発された。上記SNOMを用いることにより、100nm以下の微小な領域にアクセスし、光学的情報を検出することができる。SNOMに用いる光プローブの作製方法として、光ファイバ化学エッチングし、コアクラッド材質の違いによるエッチング速度の違いを利用して、光ファイバの先端を尖鋭化する方法が提案されている(特開平5−241076号公報)。また、光ファイバやピペットを引張った状態でその一部分をヒーター加熱レーザー照射放電により溶融し、延伸することにより尖鋭化する方法も提案されている(米国特許第4917462号明細書)。さて、SNOMにおいて試料表面に対し、光プローブ先端の位置を近接場光の作用の及ぶ100nm以下の距離に制御するための方式として、いくつかの方式が提案されている。第1の方式は、光プローブを試料表面に対して平行方向に振動させ、光プローブ先端と試料表面との間に働く横方向のファンデルワールス力であるシアーフォースを検出し、これを一定に保つように距離制御を行うシアーフォース方式である。第2の方式は、光プローブとしてカンチレバー形の光プローブを用い、光プローブ先端と試料表面の間に働くファンデルワールス力や原子間力を検出し、これを一定に保つように距離制御行うAFM方式である。ここで、AFM方式に用いるカンチレバータイプの光プローブとしては、ピペットや光ファイバーの先端を加工して突起の先端に光学的微小開口を形成し、さらに、CO2レーザー光等を照射することによりピペットや光ファイバーを曲げカンチレバーとしての機能を持たせる方法が提案されている(米国特許第5677978号明細書、特開平7−174542号公報)。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、上記のような尖鋭化させた光ファイバやピペットを曲げてカンチレバー化する光プローブ作製方法には、次のような問題点を有している。図8CO2レーザ照射の際に尖鋭化した光ファイバ(細線化光ファイバ801)を水平に支持した例を示す。図8において、水平に支持された細線化光ファイバ801に対して、先端から少し手前の位置にCO2レーザ光802を照射すると、レーザ光照射位置805が溶融し、図中の上方に曲がる。この結果、前工程の化学エッチングにおいて尖鋭化された探針先端803がCO2レーザ光の照射範囲入り、尖鋭化された先端が溶融して先端が丸まった探針804となる。この結果、後述の開口形成工程で形成される開口径も大きくなってしまい、近接場光プローブとしての分解能が低下してしまう。

0004

そこで、本発明は、上記従来のものにおける課題を解決し、近接場光プローブをレーザ光の照射により曲げ加工を行う場合に、照射されるレーザ光によって探針先端が溶融して丸まることが防止され、高い分解能の近接場光プローブを作製することが可能となる近接場光プローブの作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡、近接場光微細加工装置、近接場光記録再生装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、上記課題を達成するために、つぎの(1)〜(12)のように構成した近接場光プローブの作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡、近接場光微細加工装置、近接場光記録再生装置を提供するものである。
(1)レーザ光の照射により照射部分を溶融し、根元部分に対して探針を有する先端部分を所定角度に曲げ加工を行って、近接場光プローブを作製する近接場光プローブの作製方法において、前記近接場光プローブが、前記レーザ光の照射方向である垂直方向に対し、ずらした角度から該レーザ光の照射を受けるようにして、曲げ加工を行うことを特徴とする近接場光プローブの作製方法。
(2)前記曲げ加工において、曲げストッパーを配置し、前記近接場光プローブの曲げ角度を制限することを特徴とする上記(1)に記載の近接場光プローブの作製方法。
(3)レーザ光の照射により照射部分を溶融して根元部分に対して探針を有する先端部分を所定角度に曲げる曲げ加工手段を備えた近接場光プローブの作製装置において、前記曲げ加工手段が、前記レーザ光の照射方向である垂直方向からずらした角度で、前記近接場光プローブを支持する支持手段を有し、該支持手段によって支持された近接場光プローブが該レーザ光の照射方向とずらした角度から該レーザ光の照射を受けるように構成されていることを特徴とする近接場光プローブの作製装置。
(4)前記曲げ加工手段が、曲げストッパーを備え、該曲げストッパーによって前記近接場光プローブの曲げ角度を制限するように構成されていることを特徴とする上記(3)に記載の近接場光プローブの作製装置。
(5)上記(1)〜(2)のいずれかに記載の近接場光プローブの作製方法、または上記(3)〜(4)のいずれかに記載の近接場光プローブの作製装置によって作製された近接場光プローブを用い、前記曲げ加工によって曲げられた先端部分と該根元部分に対して遮光材料成膜する工程を、該先端部分に対する第1の成膜工程と該根元部分に対する第2の成膜工程との二段階に分け、これら各成膜工程での成膜に際し、それぞれの異なる軸回りにプローブを回転させながら、その回転軸と垂直な方向からプローブ表面に遮光材料による成膜を行うことを特徴とする近接場光プローブの作製方法。
(6)前記第1の成膜工程において、前記回転軸に垂直な方向に対して前記近接場光プローブの根元部分を支持する角度を、該近接場光プローブを使用する装置に取り付ける際に該近接場光プローブの根元部分が該近接場光プローブ先端を対向させる試料表面に対してなす角度と一致させることを特徴とする上記(5)に記載の近接場光プローブの作製方法。
(7)上記(1)〜(2)のいずれかに記載の近接場光プローブの作製方法、または上記(3)〜(4)のいずれかに記載の近接場光プローブの作製装置、または上記(5)〜(6)のいずれかに記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブ。
(8)上記(7)に記載の近接場光プローブによって、該近接場光プローブの先端が片持ち梁の自由端となるように基板に支持する一方、前記基板に一端が支持された該近接場光プローブとは別の棒状部材の他端を、前記近接場光プローブの先端近傍接合して、該近接場光プローブと該棒状部材とでV字形が形成されるようにして構成されていることを特徴とする近接場光プローブ。
(9)上記(7)に記載の近接場光プローブを用い、該近接場光プローブの先端が片持ち梁の自由端となるように基板に支持する工程と、該近接場光プローブとは別の棒状部材の一端を該近接場光プローブの先端近傍へ接合するに際し、該近接場光プローブに対して該棒状部材のなす角度が所定の角度となるように接合する工程と、前記基板に、前記棒状部材の他端を支持する工程と、を有することを特徴とする近接場光プローブの作製方法。
(10)近接場光プローブによって試料表面を観察する近接場光学顕微鏡において、前記近接場光プローブを上記(7)〜(8)のいずれかに記載の近接場光プローブ、または上記(9)に記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブによって構成したことを特徴とする近接場光学顕微鏡。
(11)近接場光プローブによって被加工面を微細加工する近接場光微細加工装置において、前記近接場光プローブを上記(7)〜(8)のいずれかに記載の近接場光プローブ、または上記(9)に記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブによって構成したことを特徴とする近接場光微細加工装置。
(12)近接場光プローブによって情報の記録再生を行う近接場光記録再生装置において、前記近接場光プローブを上記(7)〜(8)のいずれかに記載の近接場光プローブ、または上記(9)に記載の近接場光プローブの作製方法によって作製された近接場光プローブによって構成したことを特徴とする近接場光記録再生装置。

発明を実施するための最良の形態

0006

本発明の実施の形態においては、本発明の上記構成を適用することにより、加工ビーム照射部分を溶融し、カンチレバー形近接場光プローブの曲げ加工を行う場合に、加工ビーム照射方向に対し、近接場光プローブを垂直からずらした角度で加工ビーム照射を行うことにより、溶融による先端の丸まりを避けることができ、高い分解能の近接場光プローブを作製することが可能となる。

0007

以下に、本発明の実施例について図を用いて説明する。

0008

図1は、本発明の実施例における近接場光プローブの構成を示す図であり、近接場光プローブの中心軸を含む平面でこのプローブを切断した断面を示す。図1において、101は直径20μmの円柱棒状形状を有する細線化光ファイバAであり、102は同じく直径20μmの円柱棒状形状の細線化光ファイバBである。

0009

細線化光ファイバA101の先端は、曲率半径が1μm以下まで円錐形状に尖鋭化され、探針103を構成している。細線化光ファイバA101の周囲には遮光用のための金属コーテイングとして、膜厚150nmの遮光用Alコーテイング104が施されている。探針103の先端には、直径が100nm以下の大きさの微小開口105が設けられている。細線化光ファイバA101の先端近傍に細線化光ファイバB102の一端が接着剤B106で接合され、接合部分107を構成している。細線化光ファイバA101の根元部分は光プローブ支持基板108に接着剤A109で固定されている。細線化光ファイバB102の接合部分107と反対側の他端は光プローブ支持基板108に接着剤C110で固定されている。

0010

上記の構成により、細線化光ファイバA101に図中に示すx方向への弾性変形を生じさせることによって、先端の探針103部分はx方向に変位可能となる。しかしながら、細線化光ファイバB102がV字形に接合されているため、y方向への弾性変形量は少なくなり、探針103部分のy方向への変位量も小さくすることができる。

0011

具体的数値例として、直径がいずれも20μmの細線化光ファイバA101及び、細線化光ファイバB102の材質を石英とし、光プローブ支持基板108から細線化光ファイバA101及び、細線化光ファイバB102が突き出ている長さをいずれも500μm、細線化光ファイバA101と細線化光ファイバB102のなす角度を45°とすると、本近接場光プローブの先端に力を加えた場合、先端のx方向の変位に関する弾性定数は20N/mとなるのに対し、y方向の変位に関する弾性定数は20000N/mと1000倍に固くなる。このため、同じような力が加わる場合に探針103部分のx方向の変位に比べ、y方向の変位は極めて小さくなることがわかる。

0012

細線化光ファイバA101の根元部分は、細線化される前の元の光ファイバ111につながっており、この元の光ファイバ111の端から光112を入射させることにより、微小開口105から近接場光を発生させることができる。また、微小開口105で検出したエバネッセント光が細線化光ファイバA101内で変換された伝搬光を元の光ファイバ111の端から出射させることにより、近接場光の強度を検出することが可能となる。

0013

次に図2図4を用いて、本実施例における近接場光プローブの作製方法を説明する。図2は化学エッチングを用いて光ファイバを細線化する工程を説明する図である。50mm程度の長さの端面へき開した光ファイバ203の先端から10mm程度をテフロン登録商標容器201内のエッチング液202に浸潤させる。ここで用いる光ファイバの構成は次のとおりである。クラッド204径が125μm、コア205径が20μm、クラッド材質は純粋石英コア材質は純粋石英にGeO2を濃度16mol%でドープしたものである。

0014

エッチング液202の組成は、NH4F(40%水溶液):HF(50%水溶液):H2O=10:1:1である。光ファイバ203をエッチング液202に浸潤すると、浸潤部分のクラッド及びコアがエッチングされ、図中のエッチング途中の光ファイバ209に示すようにクラッド径が小さくなるとともにコア先端が尖鋭化する。これは、石英がエッチングされる際、(1)GeO2がドープされているコア部分はクラッド部分に比べてエッチングレートが低いことと、(2)光ファイバは延伸して作製されているため、延伸方向とそれに垂直な方向とで異方性が生じ、延伸方向と垂直方向との間でエッチングレートが異なることの2つが原因となっている。エッチング開始後、約10時間経過すると、エッチングによりクラッド部分がなくなってコア部分が露出し(コア露出部分206)、円錐状に尖鋭化したコア部分(尖鋭化部分208)のみが残る。この時の様子を図中のエッチング終了時の光ファイバ207に示す。

0015

以上の工程により、直径20μmのコア露出部分206及び、曲率半径が1μm以下の尖鋭化部分208を有する円錐状の先端形状を持つ細線化光ファイバを得ることができる。この細線化光ファイバは元の光ファイバのコア部分のみから構成されているので、元の光ファイバがステップインデックス(SI)型の場合は、コア材料均質な材料からなり、先端は円錐状となる。また、元の光ファイバがグレイデッドインデックスGI)型の場合は、コア材料は中心から外周に向かって緩やかに成分構成比が変化したものとなり、先端はほぼ円錐状であるが少しずれた形状となる。

0016

以上説明したように、コアが露出するまでエッチングを行うことにより得られる細線化光ファイバは、先端にほぼ円錐状の探針を形成でき、探針根元と細線化光ファイバ側面境界付近に中心軸に対して垂直な面を有することがない。このため、次に述べる横方向からの遮光用金属蒸着によって、先端の微小開口形成部分以外の部分膜厚が薄くなることがなく、不要な漏れ光がなくなる。また、単一工程で細線化及び尖鋭化加工を行うことが可能であるため、複数の組成のエッチング液を多段階に用いることがなく、コストが低減される。

0017

次に、本実施例における光ファイバーの先端に光学的微小開口を有する近接場光プローブの形成方法について説明する。図3に示すように細線化光ファイバ301に対して中心軸303回りに回転させながら横方向からAl蒸着302を行い、厚さ150nmの遮光用Al膜305を形成する。細線化光ファイバ301の先端は1μm以下の曲率半径を有する球面になっており、これに対して横方向から金属蒸着を行うと、先端の膜厚が側面に比べて薄くなるため、光学的開口304が形成される。このとき開口のサイズは、先端の曲率半径とほぼ同程度である。このようにして近接場光プローブを形成した後、細線化光ファイバの探針とは反対側の端に十分な長さの光ファイバを融着接続し、この光ファイバを通して、近接場光プローブとして使用する際の光の出し入れを行う。

0018

次に、上記のように形成された近接場光プローブを用いて、プローブを走査する場合、探針先端の横方向の位置ずれが生じないようにするための構成例について説明する。従来において、光ファイバやピペットを尖鋭化させて作製した光プローブをシアーフォース方式の距離制御に用いた場合、次のような問題が生じる。まず、図17(a)に示すようにシアーフォース方式の距離制御では、試料表面1701に先端を近づけて配置した光プローブ1702にピエゾ素子1703を取り付け、図中x方向に光プローブ1702を振動させる。このとき、理想的には、光プローブ先端は試料側から見た図である図17(b)に示した矢印のようにx方向に往復振動する。しかしながら、光ファイバやピペットを尖鋭化させて作製した光プローブは円柱状であるため、x方向とy方向の撓みに関する弾性定数が同じになる。そのため、x方向に振動するうちにy方向の振動成分が励起され、図17(c)に示すように光プローブ先端が楕円状に回転したり、図17(d)に示すように8の字状に運動する。このため、光プローブ先端がy方向に位置ずれを起こし、SNOMを用いた観察や加工・記録の位置分解能が低下してしまう。

0019

また、光ファイバやピペットを尖鋭化させ、さらにカンチレバー化して作製した光プローブを試料面にプローブ先端を接触させ、ファンデルワールス力の斥力を検出するコンタクトモードAFM方式の距離制御に用いた場合、次のような問題が生じる。試料表面に対して先端を近接させて配置したカンチレバー形光プローブを試料面とは反対側の面から見た図である図18に示すように、光プローブを+y方向に走査させる際、光プローブ先端は試料表面からの摩擦力を受け、走査方向と反対の−y方向に撓みを生じる。このため、光プローブ先端が−y方向に位置ずれを起こし、SNOMを用いた観察や加工・記録の位置分解能が低下することとなる。

0020

これに対して、本実施例のように、別の細線化光ファイバを前記のようにして形成した細線化光ファイバの先端近傍にV字形が形成されるように接合することで、探針先端の横方向の位置ずれを防止することが可能となる。具体的には、図4に示す装置を用いて、これまで説明したようにして作製した細線化光ファイバA401と、同様に化学エッチングを用いて細線化を行った別の細線化光ファイバB402とをV字形に接合する。まず、接着剤A404を用いて、細線化光ファイバA401をプローブ支持基板403に固定する。次に細線化光ファイバB402をxyzθステージ405にテープ406で仮止めし、細線化光ファイバB402の先端に接着剤B407を塗布する。最後に、図中z方向及びy方向の2方向から顕微鏡やビデオカメラ等を用いてモニターしながら、xyzステージ405を駆動し、細線化光ファイバA401の先端近傍に所定の角度をなし、接着剤B407が塗布された細線化光ファイバB402の先端がくるように位置合わせを行い、接合を行う。十分に接着剤B407が固化したのちに、テープ406を剥がし、接着剤C408を用いて、細線化光ファイバB402をプローブ支持基板403に固定する。

0021

ここでは、接着剤を用いてV字形接合行う装置例を示したが、この他にも2本の針状電極を向かい合わせた間に接合部分を設置し、2本の針状電極間に放電を行い、放電融着により接合を行っても良い。また、接合部分にCO2レーザービームを照射してレーザー融着により接合を行っても良い。

0022

以上の工程により作製したV字形の近接場光プローブを用いたシアーフォース距離制御型の近接場光学顕微鏡の構成を図5に示す。図5においてV字形の近接場光プローブ501を支持するプローブ支持基板502をピエゾ素子503に取り付け、ファンクションジェネレータ504から正弦波信号印加することにより図中x方向に振動させる。このとき、正弦波信号の振動数をV字形の近接場光プローブ501のx方向の撓みに関する共振周波数に一致させると、近接場プローブ501先端が共振する。この共振状態の近接場光プローブ501先端近傍にy方向からレーザB505からレーザを照射しその透過光ビームスポット位置変化二分割センサ506で検出し、二分割センサ506の差信号が近接場光プローブ501先端の振動量に対応した信号を出力する。

0023

一方、V字形の近接場光プローブ501の先端にxyzステージ507上に搭載した試料508表面を100nm以下の距離まで近づける。このとき、近接場光プローブ501の先端と試料508表面との間にシアーフォース(ファンデルワールス力)が作用し、近接場光プローブ501先端の振動の振幅が減少する。この振動の振幅を二分割センサ506の差信号とファンクションジェネレータ504の参照信号をもとにロックインアンプ509で検出し、これが一定となるように距離制御回路510を用いてxyzステージ507のz方向フィードバック距離制御を行う。このとき、z方向フィードバック距離制御信号は、同時に試料508表面の形状信号としてコンピュータ517に入力される。

0024

さらに、近接場光プローブ501に接続した光ファイバ511にレーザA512からのレーザ光を集光レンズA513で入射し、近接場光プローブ501先端に設けられた微小開口から近接場光を発生させる。この近接場光を試料508表面で散乱させ、この散乱光514を集光レンズB515で集光し、光電子増倍管516で検出する。光電子増倍管516から出力される近接場光信号をコンピュータ517に入力する。

0025

コンピュータ517からはxyzステージ507のxy方向走査信号が出力され、試料508表面に対する近接場光プローブ501先端の位置に応じて、近接場光信号及び形状信号の大きさをディスプレイ518上にマッピングすることにより、近接場光学顕微鏡像及びシアーフォース(原子間力)顕微鏡像を同時に得ることができる。

0026

前述したV字形に接合された近接場光プローブを用いることにより、シアーフォース検出のための近接場光プローブのx方向振動時にy方向へのぶれ量がほとんど無視できるほど小さく低減でき、近接場光学顕微鏡像及び、シアーフォース顕微鏡像の分解能が向上した。なお、ここで説明した近接場光プローブは顕微鏡以外に近接場光を用いた微細加工装置や記録再生装置にも用いることができ、同様の効果を有している。

0027

図6は、根元部分に対して探針を有する先端部分を所定角度に曲げ加工を行っプローブを用いた近接場光プローブの構成を示す図である。図6(a)は上方から見た断面図、図6(b)は側方から見た断面図である。図6において601は直径20μmの円柱棒状形状を有する細線化光ファイバAであり、602は同じく直径20μmの円柱棒状形状の細線化光ファイバBである。細線化光ファイバA601の先端から100μmの位置で細線化光ファイバA601はθ1=75°の角度に曲げられている。この様子を図6(b)に示す。

0028

曲げられた細線化光ファイバA601の先端は曲率半径が1μm以下まで円錐形状に尖鋭化され、探針603を構成している。細線化光ファイバA601の周囲には遮光用のための金属コーティングとして、膜厚150nmの遮光用Alコーティング604が施されている。探針603の先端には、直径が100nm以下の大きさの微小開口605が設けられている。

0029

細線化光ファイバA601の先端から150μmの位置に細線化光ファイバB602の一端が接着剤B606で接合され、接合部分607を構成している。細線化光ファイバA601の根元部分は光プローブ支持基板608に接着剤A609で固定されている。細線化光ファイバB602の接合部分607と反対側の他端は光プローブ支持基板608に接着剤C610で固定されている。

0030

上記の構成により、細線化光ファイバA601に図中に示すz方向への弾性変形を生じさせることにより、先端の探針603部分はz方向に変位可能となる。しかしながら、細線化光ファイバB602がV字形に接合されているため、x方向への弾性変形量は少なくなり、探針603部分のx方向への変位量も小さくすることができる。

0031

具体的数値例として、直径がいずれも20μmの細線化光ファイバA601及び、細線化光ファイバB602の材質を石英とし、光プローブ支持基板608から細線化光ファイバA601及び、細線化光ファイバB602が突き出ている長さをいずれも3mm、細線化光ファイバA601と細線化光ファイバB602のなす角度を45°とすると、本近接場光プローブの先端に力を加えた場合、先端のx方向の変位に関する弾性定数は0.1N/mとなるのに対し、y方向の変位に関する弾性定数は3500N/mと35000倍に固くなる。このため、同じような力が加わる場合に探針603部分のz方向の変位に比ベ、x方向の変位は極めて小さくなることがわかる。

0032

細線化光ファイバA601の根元部分は、細線化される前の元の光ファイバ611につながっており、この元の光ファイバ611の端から光612を入射させることにより、微小開口605からエバネッセント光を発生させることができる。また、微小開口605で検出した近接場光が細線化光ファイバA601内で変換された伝搬光を元の光ファイバ611の端から出射させることにより、近接場光の強度を検出することが可能となる。

0033

次に図7図15を用いて、本実施例の先端が曲げられた近接場光プローブの作製方法を説明する。図7はCO2レーザ光照射により細線化光ファイバ先端を曲げる工程を説明する図である。本実施例において図2を用いて説明したのと同様に化学エッチングを用いて細線化した光ファイバ701を水平面に対し、θ2=45°の角度をなす細線化光ファイバ支持部材702に固定する。先端から140(=100×√2)μmの位置に集光レンズ703を用いてビームスポット径を50μmに集光したCO2レーザ光704を照射する。これにより、細線化光ファイバ701のレーザ光照射位置705が溶融し、表面張力のため探針706先端が図中z方向に曲がろうとする。

0034

このとき、あらかじめxyzステージ707上に水平面に対しθ3=30°の角度をなす曲がりストッパー708を取り付け、曲がりストッパー708の先端を探針706の曲がり経路の途中に配置しておくことにより、探針706の曲がりが曲がりストッパー708によって拘束される。このあとCO2レーザ光704照射を停止することにより、細線化光ファイバ701の先端を75°(=45°+30°)の角度で曲げることができる。ここで、細線化光支持部材702や曲がりストッパー708の角度を調整することにより、所望の角度での曲がり加工を行うことができる。

0035

ここで、CO2レーザを照射する際、斜め(本実施例では45°)に細線化光ファイバを支持して加工を行う利点について説明する。図8は、CO2レーザ照射の際に細線化光ファイバを水平に支持した例を示す図である。

0036

図8において、水平に支持された細線化光ファイバ801に対して、先端から少し手前の位置にCO2レーザ光802を照射すると、レーザ光照射位置805が溶融し、図中の上方に曲がる。この結果、前工程の化学エッチングにおいて尖鋭化された探針先端803がCO2レーザ光の照射範囲に入り、尖鋭化された先端が溶融して先端が丸まった探針804となる。この結果、後述の開口形成工程で形成される開口径も大きくなってしまい、近接場光プローブとしての分解能が低下してしまう。

0037

これに対して、図7に示すようにCO2レーザ光照射方向に対して細線化光ファイバ701の中心軸を垂直からずらした角度に斜めに支持すれば、(曲がりストッパーがない場合でも、)75°程度に曲がったのちも先端がCO2レーザ照射範囲に入ることなく、尖鋭化先端が丸まることを避けることができる。また、CO2レーザを照射する際、曲がりストッパーを用いて加工を行う利点について説明する。図9は、CO2レーザ照射の際に曲がりストッパーがない例を示す図である。

0038

図9において、細線化光ファイバ支持部材901を用いて斜めに支持した細線化光ファイバ902に対して、先端から少し手前の位置にCO2レーザ光903を照射すると、レーザ光照射位置904が溶融し、図中の上方に曲がる。その後、レーザ照射を停止して曲がりを停止させるが、曲がり速度は曲がり角度が大きくなるにつれて急激に大きくなるため、所望の角度に曲がり角度を制御することは難しく、結果として、図9にA、B、Cで示したように先端の曲がり角度が大きく異なったプローブが得られがちである。これに対して、図7に示すように曲がりストッパーを用いれば、所望の角度の曲がり角度を有するプローブを歩留まり良く作製することができる。

0039

次に、図10に示すように先端が曲げられた細線化光ファイバ1001を回転ステージ1006に対してθ4=15°の角度に傾けられた回転コーティング時細線化光ファイバ支持部材1007に支持する。このとき、細線化光ファイバ1001の曲げられた先端を回転ステージ面の法線方向に向けて配置する。回転ステージ1006はステージ面の法線方向を中心軸1003にして回転を行う。この状態で横方向からAl蒸着1002を行い、厚さ150nmの遮光用Al膜1005を形成する。細線化光ファイバ1001の先端は1μm以下の曲率半径を有する球面になっており、これに対して横方向から金属蒸着を行うと、先端の膜厚が側面に比べて薄くなるため、光学的開口1004が形成される。このとき開口のサイズは、先端の曲率半径とほぼ同程度である。

0040

ここで、回転金属蒸着の際の回転軸を細線化光ファイバ先端の曲げ部分の中心軸に一致させて回転を行うようにすると、曲がり角度がばらついた近接場光プローブの場合に、微小開口の方向を細線化光ファイバ先端の曲げ部分の中心軸の方向に一致させることができる。しかしながら、図11に示すように、実際に使用する装置に異なる近接場光プローブC1101、D1102を取り付けた際に微小開口C1103、D1104の方向が被加工表面や試料表面、記録媒体表面1105の法線方向と一致せず、まちまちの方向を向いてしまい、発生する近接場光の分布方向が異なり、加工や観察、記録再生の際に位置ずれを生じてしまう。

0041

これに対して、先端が曲げられた細線化光ファイバ1001を回転ステージ1006に固定する際に傾ける角度θ4は、図12に示すように本実施例の近接場光プローブを使用する装置に取り付ける際に被加工表面や試料表面、記録媒体表面1201に対して近接場光プローブの中心軸1206を傾ける角度と一致させることができる。すなわち、これにより、CO2レーザ照射による曲げ加工時に曲がりストッパーを用いず、図9に示すように曲がり角度がばらついてしまった細線化光ファイバに対しても、図10に示すように回転金属蒸着を行い、開口形成を行ない、作製した近接場光プローブA1202、B1203先端の微小開口A1204、B1205の方向は細線化光ファイバ先端の曲がり方向とは異なるものの、被加工表面や試料表面、記録媒体表面の法線方向とは必ず一致させることができる。

0042

さて、これまでに説明したように、先端を曲げ、微小開口を形成した細線化光プローブ1303に対して、図13に示すように微小開口1301部分を覆うように樹脂コート1302を行う。この樹脂コートにより、後の2段回目のAl蒸着時に微小開口が塞がってしまうことを避けることができる。樹脂コートを行う方法を図14を用いて説明する。先端を曲げ、微小開口を形成した細線化光プローブ1401をzステージ1402上の支持台1403に固定する。zステージ1402を図14の下方向に駆動し、細線化光ファイバ1401先端の微小開口1405部分を樹脂溶液1404に浸潤させる。その後、zステージ1402を図14の上方向に駆動し、樹脂溶液1404から細線化光ファイバ1401先端を引き上げることにより、先端に樹脂コートを行う。

0043

ここで、樹脂溶液としては、あとで溶媒により除去可能な樹脂、例えば、アクリル樹脂レジストなどを用いることができる。ここで、細線化光ファイバ1401は図中z方向の撓みに関する弾性定数が小さいので、樹脂溶液1404の表面張力により、微小開口1405部分だけでなく、根元までが浸潤してしまう。そこで、図14に示す沈みストッパー1406を取り付け、細線化光1401の先端の曲がり部分に近い部分を下方向から支えるように配置するようにする。これにより、細線化光ファイバ1401先端の微小開口1405部分のみを選択的に樹脂コートすることができる。

0044

次に図15に示すように微小開口1501部分に樹脂コート1502された細線化光ファイバ1503の側面に対して中心軸1506回りに回転させながら横方向からAl蒸着1504を行い、厚さ150nmの遮光用Al膜1505を形成する。この後、樹脂コートを溶媒中で超音波洗浄により除去する。上述のような順に2段階の回転させながらのAl蒸着を行うことにより、樹脂コート部分と被コート部分の境界部分からの不要漏れ光の発生をさけることができる。

0045

これから後の工程は、前述した様に細線化光ファイバの探針とは反対側の端に十分な長さの光ファイバを融着接続し、この光ファイバを通して、近接場光プローブとして使用する際の光の出し入れを行う。さらに、図4に示す装置を用いて、これまで説明したようにして作製した細線化光ファイバAと、同様に化学エッチングを用いて細線化を行った別の細線化光ファイバBとをV字形に接合し、図6に示したV字カンチレバー形の近接場光プローブを作製する。

0046

以上の工程により作製した先端部分に曲げ加工を行っプローブによるV字カンチレバー形の近接場光プローブを用いたコンタクトAFM距離制御型の近接場光プローブ走査加工装置の構成を図16に示す。図16において、プローブ支持基板1602に取り付けたV字カンチレバー形の近接場光プローブ1601の先端近傍に背後からレーザB1603からレーザを照射し、その反射光ビームスポットの位置変化を二分割センサ1604で検出する。二分割センサ1604の差信号は近接場光プローブ1601先端のz方向の撓み量に対応したAFM信号であり、これをコンピュータ1608に入力する。

0047

一方、xyzステージ1605をz方向に駆動することにより、近接場光プローブ1601の先端をxyzステージ1605上に搭載した基板1607上のレジスト1606表面に対し、10E−7[N]以下のファンデルワールス力が働く程度に接触させる。この状態で、コンピュータ1608からxyzステージ駆動信号を出力し、xyzステージ1605をxy方向に2次元走査させる。

0048

コンピュータ1608において、xyzステージ1605のxy方向駆動信号に対し、AFM信号の大きさをマッピングすることにより、レジスト1606の表面形状を知ることができ、これを元にレジスト1606、すなわち基板1607に対する近接場光プローブ1601先端の位置合わせを行う。さらに、近接場光プローブ1601に接続した光ファイバ1609にレーザA1610からのレーザ光を集光レンズA1611で入射し、近接場光プローブ1601先端に設けられた微小開口から近接場光を発生させる。

0049

レジスト1606表面に対し、近接場光プローブ1601先端を間に10E−7[N]以下のファンデルワールス力が働く程度に接触させたとき、両者の間隔は100nm以下になっており、レジスト1606表面における近接場光の強度は十分大きい。コンピュータ1608から出力されるxyzステージ1605のxy駆動信号及びAFM信号に基づき、レジスト1606・基板1607に対し近接場光プローブ先端が所定の位置に位置合わせされたとき、コンピュータ1608から出力されるレーザー制御信号に基づき、レーザA1610の光照射・非照射の制御を行い、露光、すなわち、レジスト1606に潜像パターン1612形成を行う。これ以後は通常の半導体プロセスと同様である。

0050

前述したV字形に接合されたカンチレバー形近接場光プローブを用いることにより、露光時の近接場光プローブのy方向走査時にy方向への撓み量がほとんど無視できるほど小さく低減でき、近接場光微細加工装置の加工精度が向上した。なお、本実施例で説明した近接場光プローブは微細加工装置以外に近接場光を用いた顕微鏡や記録再生装置にも用いることができ、同様の効果を有している。

0051

また、本実施例では、レジスト(試料、記録媒体)表面に対する近接場光プローブの距離制御方式として、コンタクトAFM制御方式を用いる場合について説明したが、本実施例の近接場光プローブは、プローブ径や長さを変えて撓み方向の弾性定数の値を変更することにより、他に、タッピングAFM制御方式やノンコンタクトAFM制御方式を用いることができる。

発明の効果

0052

以上に説明したように、本発明によれば、加工ビーム照射部分を溶融し、曲げ加工を行うカンチレバー形近接場光プローブの作製方法において、加工ビーム照射方向に対し、近接場光プローブを垂直からずらした角度で加工ビーム照射を行うことにより、溶融による先端丸まりを避けることができ、高い分解能の近接場光プローブが実現される。

図面の簡単な説明

0053

図1本発明の実施例における近接場光プローブの構成を示す図。
図2本発明の実施例における化学エッチングを用いて光ファイバを細線化する工程の説明図。
図3本発明の実施例における細線化光ファイバを回転させながら横方向から遮光用金属膜を形成する工程の説明図。
図4本発明の実施例における細線化光ファイバをV字形に接合する工程の説明図。
図5本発明の実施例におけるV字形の近接場光プローブを用いたシアーフォース距離制御型の近接場光学顕微鏡の構成図。
図6本発明の実施例における本発明の工程を用いて作製した近接場光プローブの構成図。
図7本発明の実施例におけるCO2レーザ光照射により細線化光ファイバ先端を曲げる工程の説明図。
図8本発明の実施例におけるCO2レーザ照射の際に細線化光ファイバを水平に支持した例を示す図。
図9本発明の実施例におけるCO2レーザ照射の際に曲がりストッパーがない例を示す図。
図10本発明の実施例における第1の成膜工程である先端が曲げられた細線化光ファイバを回転させながら横方向から遮光用金属膜を形成する工程の説明図。
図11本発明の実施例における近接場光プローブ先端の微小開口の向きが被加工表面や試料表面、記録媒体表面の法線方向と異なる様子を示す図。
図12本発明の実施例における近接場光プローブ先端の微小開口の向きが被加工表面や試料表面、記録媒体表面の法線方向と一致する様子を示す図。
図13本発明の実施例における樹脂コートで覆われた細線化光ファイバ先端の微小開口の構成図。
図14本発明の実施例における樹脂コート工程の説明図。
図15本発明の実施例における第2の成膜工程である樹脂コートで先端を覆われた細線化光ファイバの側面に横方向から遮光用金属膜を形成する工程の説明図。
図16本発明の実施例におけるV字カンチレバー形の近接場光プローブを用いたコンタクトAFM距離制御型の近接場光プローブ走査加工装置の構成図。
図17従来例におけるシアーフォース方式距離制御において光プローブ先端が往復振動からずれた運動を行う例の説明図。
図18従来例における光プローブ先端が摩擦力を受け、走査方向と反対方向に撓みを生じる場合の説明図。

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0054

101:細線化光ファイバA
102:細線化光ファイバB
103:探針
104:遮光用Alコーティング
105:微小開口
106:接着剤B
107:接合部分
108:光プローブ支持基板
109:接着剤A
110:接着剤C
111:元の光ファイバ
112:光
201:テフロン容器
202:エッチング液
203:光ファイバ
204:クラッド
205:コア
206:コア露出部分
207:エッチング終了時の光ファイバ
208:尖鋭化部分
209:エッチング途中の光ファイバ
301:細線化光ファイバ
302:Al蒸着
303:中心軸
304:光学的開口
305:遮光用Al膜
401:細線化光ファイバA
402:細線化光ファイバB
403:プローブ支持基板
404:接着剤A
405:xyzθ駆動ステージ
406:テープ
407:接着剤B
408:接着剤C
501:V字形の近接場光プローブ
502:プローブ支持基板
503:ピエゾ素子
504:ファンクションジェネレータ
505:レーザB
506:二分割センサ
507:xyzステージ
508:試料
509:ロックインアンプ
510:距離制御回路
511:光ファイバ
512:レーザA
513:集光レンズA
514:散乱光
515:集光レンズB
516:光電子増倍管
517:コンピュータ
518:ディスプレイ
601:細線化光ファイバA
602:細線化光ファイバB
603:探針
604:遮光用Alコート
605:微小開口
606:接着剤B
607:接合部分
608:光プローブ支持基板
609:接着剤A
610:接着剤C
611:元の光ファイバ
612:光
701:細線化光ファイバ
702:細線化光ファイバ支持部材
703:集光レンズ
704:CO2レーザ光
705:レーザ光照射位置
706:探針
707:xyzステージ
708:曲がりストッパー
801:水平に支持された細線化光ファイバ
802:CO2レーザ光
803:化学エッチングにより尖鋭化された探針
804:先端が丸まった探針
805:レーザ光照射位置
901:細線化光ファイバ支持部材
902:細線化光ファイバ
903:CO2レーザ光
904:レーザ光照射位置
1001:先端が曲げられた細線化光ファイバ
1002:Al蒸着
1003:中心軸
1004:光学的開口
1005:遮光用Al膜
1006:回転ステージ
1007:回転コーテイング時細線化光ファイバ支持部材
1101:近接場光プローブC
1102:近接場光プローブD
1103:微小開口C
l104:微小開口D
l105:被加工表面、試料表面、記録媒体表面
1201:被加工表面、試料表面、記録媒体表面
1202:近接場光プローブA
1203:近接場光プローブB
1204:微小開口A
1205:微小開口B
1206:近接場光プローブの中心軸
1301:微小開口
1302:樹脂コート
1303:先端を曲げ微小開口を形成した細線化光ファイバ
1401:先端を曲げ、微小開口を形成した細線化光ファイバ
1402:zステージ
1403:支持台
1404:樹脂溶液
1405:微小開口
1406:沈みストッパー
1501:微小開口形成部分
1502:樹脂コート
1503:細線化光ファイバ
1504:Al蒸着
1505:遮光用Al膜
1506:中心軸
1601:V字カンチレバー形の近接場光プローブ
1602:プローブ支持基板
1603:レーザB
1604:二分割センサ
1605:xyzステージ
1606:レジスト
1607:基板
1608:コンピュータ
1609:光ファイバ
1610:レーザA
1611:集光レンズA
1612:潜像パターン
1701:試料表面
1702:光プローブ
1703:ピエゾ素子

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