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技術 石炭ブリケット固体燃料

出願人 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明者 金煕濬定方正毅
出願日 2000年11月28日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-360475
公開日 2002年6月4日 (18年7ヶ月経過) 公開番号 2002-161290
状態 特許登録済
技術分野 固形燃料及び燃料附随物
主要キーワード 溶接剤 溶接工場 評価因子 ボイラー用燃料 乾式方式 トウモロコシ茎 ブリケットマシーン 林産廃棄物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

石炭燃料燃焼にともなう燃焼ガス中脱硫および脱硝を効果的に行うための低成型圧力成型できる高破壊抵抗強度のブリケットであって、高燃焼効率、低環境汚染石炭固体燃料の開発。

構成

0.5重量%(ドライアッシュフリー)以上の高硫黄石炭などの微粉炭にCa質脱硫剤またはMg質脱硫剤をCa/S比またはMg/S比が1〜2となる割合で混合して成型した複合ブリケットの表面に水酸化カルシウム酸化カルシウム、または炭酸カルシウムを付着させたことを特徴とする表面白色の石炭ブリケット固体燃料。粘結剤としてパルプ産業廃液である黒液を使用すると高破壊抵抗強度のものが得られる。

概要

背景

従来、石炭粉中に酸化カルシウム等のCa系脱硫剤酸化マグネシウム等のMg系脱硫剤と各種粘着剤を添加、混合、成型して石炭ブリケット豆炭練炭等)を製造する方法が知られている(例えば、特公平4−71436号公報)。また、低品位石炭(約80重量%程度)と植物質農業林業廃棄物、約20重量%程度)との混合による植物質複合ブリケットからなる固体燃料が開発された。この固体燃料は、着火性燃焼性が向上し、燃焼過程における粉塵排出量の低減をもたらした。これに、消石灰を脱硫剤として添加した複合固形燃料も知られている(例えば、特開平6−184571号公報)。

概要

石炭燃料燃焼にともなう燃焼ガス中脱硫および脱硝を効果的に行うための低成型圧力で成型できる高破壊抵抗強度のブリケットであって、高燃焼効率、低環境汚染の石炭固体燃料の開発。

0.5重量%(ドライアッシュフリー)以上の高硫黄石炭などの微粉炭にCa質脱硫剤またはMg質脱硫剤をCa/S比またはMg/S比が1〜2となる割合で混合して成型した複合ブリケットの表面に水酸化カルシウム、酸化カルシウム、または炭酸カルシウムを付着させたことを特徴とする表面白色の石炭ブリケット固体燃料。粘結剤としてパルプ産業廃液である黒液を使用すると高破壊抵抗強度のものが得られる。

目的

現在、化石燃料の燃焼による地球温暖化酸性雨等の大気汚染および人体健康の被害は、地球規模の重大な環境課題である。特に、発展途上国では、低品位石炭(高硫黄分、高窒素分、高灰分、低発熱量等)が1次エネルギー源として中小ボイラー用燃料または炊事暖房等の民生用燃料として大量に使用されている。この低品位石炭の直接燃焼により排出されるSOx、NOx および粉塵による環境汚染、喘息等の呼吸器疾患等が深刻な問題になっている。しかし、経済的、物理的な困難によって、除塵または脱硫・脱硝の装置がこれらの国において普及していない。

そこで、発展途上国に向け、S含有量の高い低品位石炭の廉価・高効率・清浄燃焼を可能とするための低価格の脱硫剤と添加する脱硫剤の量が少なく、かつ脱硫効果の大きな石炭改質技術の開発が強く求められている。本発明は、石炭系燃料の燃焼にともなう燃焼ガス中の脱硫および脱硝を効果的に行うための低成型圧力で成型できる高破壊抵抗強度のブリケットであって、高燃焼効率、低環境汚染の石炭系固体燃料の開発を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

微粉炭にCa質脱硫剤またはMg質脱硫剤をCa/S比またはMg/S比が1〜2となる割合で混合して成型した複合ブリケットの表面に水酸化カルシウム酸化カルシウム、または炭酸カルシウムを付着させたことを特徴とする表面白色の石炭ブリケット固体燃料

請求項2

ブリケットの表面の水酸化カルシウム、酸化カルシウム、または炭酸カルシウムの量はCa/S比で0.1〜2であることを特徴とする請求項1記載の表面白色の石炭ブリケット固体燃料。

請求項3

微粉炭は、0.5重量%(ドライアッシュフリー)以上の高硫黄石炭であることを特徴とする請求項1または2記載の表面白色の石炭ブリケット固体燃料。

請求項4

Ca質脱硫剤は水酸化カルシウム、酸化カルシウム、または炭酸カルシウムを成分として含有する工業廃棄物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表面白色の石炭ブリケット固体燃料。

請求項5

植物質成分が石炭ブリケットに混合されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の表面白色の石炭ブリケット固体燃料。

請求項6

粘結剤が石炭ブリケットに混合されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の表面白色の石炭ブリケット固体燃料。

請求項7

粘結剤がパルプ産業廃液である黒液であることを特徴とする請求項6記載の表面白色の石炭ブリケット固体燃料。

請求項8

成型圧力10〜100MPaで成型することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の表面白色の石炭ブリケット固体燃料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、微粉炭または微粉炭に植物質成分を混合したものに、Ca系またはMg系脱硫剤を混合して成型した、燃焼に伴う排ガス中のSOXおよびNOXを効果的に除去することができる清浄外観を持った表面白色の石炭ブリケット固体燃料およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、石炭粉中に酸化カルシウム等のCa系脱硫剤や酸化マグネシウム等のMg系脱硫剤と各種粘着剤を添加、混合、成型して石炭ブリケット(豆炭練炭等)を製造する方法が知られている(例えば、特公平4−71436号公報)。また、低品位石炭(約80重量%程度)と植物質(農業林業廃棄物、約20重量%程度)との混合による植物質複合ブリケットからなる固体燃料が開発された。この固体燃料は、着火性燃焼性が向上し、燃焼過程における粉塵排出量の低減をもたらした。これに、消石灰を脱硫剤として添加した複合固形燃料も知られている(例えば、特開平6−184571号公報)。

発明が解決しようとする課題

0003

現在、化石燃料の燃焼による地球温暖化酸性雨等の大気汚染および人体健康の被害は、地球規模の重大な環境課題である。特に、発展途上国では、低品位石炭(高硫黄分、高窒素分、高灰分、低発熱量等)が1次エネルギー源として中小ボイラー用燃料または炊事暖房等の民生用燃料として大量に使用されている。この低品位石炭の直接燃焼により排出されるSOx、NOx および粉塵による環境汚染喘息等の呼吸器疾患等が深刻な問題になっている。しかし、経済的、物理的な困難によって、除塵または脱硫脱硝の装置がこれらの国において普及していない。

0004

上記のとおり、低品位石炭にCa系脱硫剤を混合する手段が知られている。低品位石炭に混合する脱硫剤は、燃焼灰中に硫黄を固定化する作用を有し、燃焼排気ガス中に含有される硫黄酸化物を減少させることができるが、脱硫率は75%以下である。中国の一部の地域では家庭ストーブに使用されている石炭の硫黄含有率が4重量%以上に達する。その石炭の揮発成分中の硫黄含有量も多い。そこで、その石炭から製造される複合固体燃料には既存のCa系脱硫剤を通常の方法で混合すると、脱硫効率は75%以下となってしまい、排ガス中のSO2 濃度は約1000ppmを越える。

0005

そこで、発展途上国に向け、S含有量の高い低品位石炭の廉価・高効率・清浄燃焼を可能とするための低価格の脱硫剤と添加する脱硫剤の量が少なく、かつ脱硫効果の大きな石炭改質技術の開発が強く求められている。本発明は、石炭系燃料の燃焼にともなう燃焼ガス中の脱硫および脱硝を効果的に行うための低成型圧力で成型できる高破壊抵抗強度のブリケットであって、高燃焼効率、低環境汚染の石炭系固体燃料の開発を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、従来の脱硫剤の混合添加方式を改善して、微粉炭またはこれに植物質成分を混合したブリケットの内部にCa質またはMg質脱硫剤を混合するとともに、表面にCa質脱硫剤層を形成した石炭ブリケット固体燃料を開発した。本発明の石炭ブリケット固体燃料を使用することによって、低コストではあるものの脱硫効率70%程度が限界と思われていた乾式方式で、コストのかかる湿式脱硫方式と同じレベルの90%程度の脱硫効率を達成することができた。

0007

すなわち、本発明は、微粉炭にCa質脱硫剤またはMg質脱硫剤をCa/S比またはMg/S比が1〜2となる割合で混合して成型した複合ブリケットの表面に水酸化カルシウム、酸化カルシウム、または炭酸カルシウムを付着させたことを特徴とする表面白色の石炭ブリケット固体燃料である。また、本発明は、ブリケットの表面の水酸化カルシウム、酸化カルシウム、または炭酸カルシウムの量はCa/S比で0.1〜2であることを特徴とする上記の表面白色の石炭ブリケット固体燃料である。また、本発明は、微粉炭は、0.5重量%(ドライアッシュフリー)以上の高硫黄石炭であることを特徴とする上記の表面白色の石炭ブリケット固体燃料である。

0008

また、本発明は、Ca質脱硫剤は水酸化カルシウム、酸化カルシウム、または炭酸カルシウムを成分として含有する工業廃棄物であることを特徴とする上記の表面白色の石炭ブリケット固体燃料である。また、本発明は、植物質成分が石炭ブリケットに混合されていることを特徴とする上記の表面白色の石炭ブリケット固体燃料である。また、本発明は、粘結剤が石炭ブリケットに混合されていることを特徴とする上記の表面白色の石炭ブリケット固体燃料である。また、本発明は、粘結剤がパルプ産業廃液である黒液であることを特徴とする上記の表面白色の石炭ブリケット固体燃料である。また、本発明は、成型圧力10〜100MPaで成型することを特徴とする上記の表面白色の石炭ブリケット固体燃料の製造方法である。

0009

上記の構造の石炭ブリケット固体燃料により、ブリケット内部に微量配合されたCa質またはMg質によって、石炭中の硫黄分はCaまたはMgに固定され、燃焼によるSO2の発生を抑制する効果が得られる。また、揮発分の燃焼によって排出されるSO2 をブリケットの表面層のCaによって捕集し、本発明の石炭ブリケット固体燃料の脱硫率は、ブリケット内部に混合したCa質脱硫剤またはMg質脱硫剤のCa/S比またはMg/S比が1〜2で大幅に上昇し約90%に達する。

0010

ブリケットの表面にCa(OH)2 、CaO、またはCaCO3を層を形成すると、表面での除去効果が非常に大きいので内部のブリケットに添加するCa量が少なくて済む。さらに、ブリケットの表面にCa(OH)2、CaO、 またはCaCO3を付着させることにより外観が白色となり、従来の石炭が持っている黒=汚れるというイメージからの脱却が図れ、商品価値が上がると言うメリットも生じる。

0011

さらに、石炭ブリケット固体燃料に脱硫性および脱硝性を持つ粘結剤を添加して低圧成型し、その粘結剤が燃焼時に発生する酸化硫黄酸化窒素捕捉し、焼却灰硫酸カルシウム亜硫酸カルシウムおよび/または硝酸ナトリウムを生成して燃焼ガスを脱硫および脱硝するようにすることができる。これらの反応は以下のように考えられる。

0012

揮発成分の脱硝
4NO + 4NH3 + O2 → 4N2 + 6H2O ・・・ (1)
NO + NO2 + 2NH3 → 2N2 + 3H2O ・・・ (2)
チャー分の脱硝
NaOH + NO + 3/4O2 → NaNO3 + 1/2H2O・・・ (3)

発明を実施するための最良の形態

0013

原材料の石炭には、褐炭亜瀝青炭瀝青炭等の炭種にかかわらず広範囲の石炭を原料とすることができ、特に、0.5重量%(ドライアッシュフリー:d.a.f.)以上の高硫黄石炭を使用することができる。これを各種燃焼器に適用可能な形態の石炭ブリケットの形態に成形する。

0014

また、微粉炭に植物質成分を混合することもできる。植物質複合ブリケットの製造工程自体は従来から公知であり、数mm以下の農業廃棄物稲ワラトウモロコシ茎、紅梁、草等)、林産廃棄物廃木材木屑バガス)等からなる植物質を乾燥、粉砕して数mm以下に調整した原料5〜50重量%に、炭種に応じて、さらに、粘結剤を添加混合し、ブリケットマシーン圧縮成型する。通常のブリケット成型圧力は、高圧が200〜300Mpa、中圧が100〜200Mpaであり、従来技術では、100Mpa以下の成型圧力ではブリケットがすぐ割れるので使いものにならなかった。本発明の石炭ブリケット製造工程は、低圧方式(10〜100Mpa)で行うことが可能で、コストを低く抑えることができる。

0015

また、ブリケットに混合するCa質脱硫剤としては、安価な石灰石、消石灰あるいは水産廃棄物である貝殻等を使用できる。また、カーバイド溶接工場では、CaC2+2H2O→Ca(OH)2+C2H2で示される反応を利用して製造したアセチレン溶接するときにガス熱源)として使うので副産物としてCa(OH)2が大量に生成されて産業廃棄物(約10重量%のCaOが含有されている)となるが、これを使用することもできる。

0016

成型したブリケットの表面には、Ca(OH)2、CaO、またはCaCO3を被覆する。表面に付着されたCa(OH)2、CaO、またはCaCO3の量は、Ca/S比で約0.1〜2程度が好ましい。Ca/S比が約0.1より少なくては脱硫率が低く、また、Ca/S比が約2より多いと脱硫率は増加しないで灰分が増加し、生産コストも上昇する。

0017

ブリケットの表面にこれらを被覆する方法としては、含浸法浸漬法)、塗布法噴霧法等を適宜使用できるが、例えば、Ca(OH)2 の場合は、石灰石を水に100g/L〜900g/L程度の割合で混合し、その混合液を成型したブリケットの表面に塗布してCa(OH)2の水和物層を形成し、自然乾燥または200℃程度以下で加熱乾燥すればよい。

0018

粘結剤としては、パルプ産業廃棄物である黒液、廃油廃グリース等の工業廃棄物、および工業糖蜜等を使用することにより、低成型圧力で高強度、高燃焼効率の石炭ブリケット固体燃料を製造することができる。特に、パルプ産業廃棄物である黒液は、燃焼過程で排出する排ガス中の酸化硫黄(SOX)および酸化窒素(NOX)を自動的に除去する脱硫性と脱硝性をもち、最も好ましい粘結剤である。

0019

ブリケットの表面に水酸化カルシウムの層を形成せずに、内部にのみCa質脱硫剤を添加した低品位石炭を主成分とする植物質複合ブリケット固形燃料について下記の実験を行った。
実験1.脱硫効果に及ぼす燃焼室温度の影響と石炭ブリケット石炭と植物質成分との複合ブリケットの脱硫効果の比較

0020

Ca質脱硫剤を添加した植物質複合ブリケットの脱硫率には燃焼室の温度が影響する。Ca質脱硫剤は大分県津久見産の石灰石を用いて、Ca/S比は3とした。燃焼室温度を873〜1173Kの間で変化させた。図1は、燃焼室温度がBJ炭を用いた植物質複合ブリケットおよび石炭ブリケットの脱硫率に与える影響を示すグラフである。縦軸が脱硫率、横軸は燃焼室温度である。図1中の○印および破線は植物質複合ブリケットの結果を、●印および実線は石炭ブリケットの結果を示す。図1より、植物質複合ブリケットおよび石炭ブリケットの脱硫率には、ほとんど差がないことが分かる。

0021

実験2.脱硫効果に及ぼすCa/S比の影響
添加するCa質脱硫剤の量が少なければ少ないほど、並びにCa質脱硫剤の価格が低ければ低いほど、その固体燃料の製造コストが安く抑えられる。そのため、最も一般的で安価な石灰石を脱硫剤として添加して植物質複合ブリケットを製造して、燃焼実験を実施した。燃焼室温度は1073K、脱硫剤は津久見産石灰石を用いた。図2は、Ca/S比がBJ炭を用いた植物質複合ブリケットの脱硫率に与える影響を示すグラフである。縦軸は脱硫率、横軸はCa/S比である。

0022

図2より、Ca/S比を大きくするに従って植物質複合ブリケットの脱硫率が高くなっていることが分かる。Ca/S比が3となると脱硫率が約68%になっているが、Ca/S比が3を越えると脱硫率の増加傾向が鈍くなり、Ca/S比が5では、脱硫率の向上がほぼ飽和するのが分かる。

0023

上記と同条件での燃焼排ガス中のSO2 濃度の経時変化図3に示す。図3より、Ca/S比が大きいものほど、SO2 濃度が低減していることが分かる。Ca/S比が0から1、1から3となる場合において、その脱硫効果(SO2 濃度の低減)が大きく現れているが、Ca/S比が3から5では、脱硫効果の差はあまりない。さらに、Ca/S比が大きくなるにつれて、揮発分の燃焼終了直後からの、脱硫効果が大きくなっていることが分かる。また、Ca/S比がどの場合でも、燃焼初期の揮発成分の燃焼の段階では、脱硫反応が生じにくいことが分かる。

0024

図4に、いろいろの炭種を用いた植物質複合ブリケットを燃焼させた結果と熱分解の実験結果をまとめて示す。燃焼室温度と熱分解温度は1073K、燃焼実験に使用した脱硫剤は津久見産石灰石、Ca/S比は3とした。左縦軸は脱硫率、右縦軸は硫黄の配分率、横軸は燃料比である。図4より、石灰石を脱硫剤とする時、揮発成分の燃焼の段階では、脱硫反応があまり行われていないことが分かる。

0025

実験3.各種脱硫剤の脱硫効果の比較
津久見産石灰石、ホタテ貝殻、水酸化カルシウム、またはカーバイト溶接工場からの工業廃棄物(粒径:1mm以下;酸化カルシウム(CaO)を主成分とし、酸化バリウム(BaO)と酸化ストロンチウム(SrO)を数%含むもの)を脱硫剤として使用した。Ca/S比は3とした。結果を図5に示す。ここで、縦軸は脱硫率、横軸は各種脱硫剤を示している。

0026

図5より、水酸化カルシウムは溶接剤生産工場からの工業廃棄物と同様な脱硫率を有している。これらの脱硫率は最も高く約75%であり、石灰石の2倍以上、ホタテ貝殻より約10%高いことが分かった。このことより、これらのCa系脱硫剤を石炭に混合添加しただけでは、燃焼過程における脱硫率は約75%が限度であることが分かる。

0027

実験4.パルプ黒液の含有量と破壊抵抗強度および脱硝効果の比較
ブリケット固体燃料においては、圧力がかかったときの破壊抵抗強度が重要な評価因子となっている。成型圧力、粘結剤の特性およびその添加量はその破壊抵抗強度に大いに影響する。窒素含有率1.1重量%、硫黄含有率2.3重量%、燃料比4.3という低品位石炭に属するDS微粉炭にトウモロコシ茎(バイオマス)を20重量%混合し、パルプ工業廃棄物であるパルプ黒液を粘結剤として添加してブリケットの成型圧力を変えて成型した。図6に、成型圧力(横軸)と黒液の添加量の違いによるブリケットの破壊抵抗強度(縦軸)を示す。図7に、パルプ黒液の含有量(横軸)と脱硝率(縦軸)の関係を示す。

0028

図6より、成型圧力が約25MPa(約250Kg/cm2)までは、成型圧力の増加とともにその破壊抵抗強度が上昇しているが、25MPaを越えると破壊抵抗強度はほぼ一定になっている。パルプ黒液の含有量が増加するにともない破壊抵抗強度が上昇し、20重量%で最も大きな破壊強度が得られ、25MPa以上の成型圧力によらないでも十分な破壊抵抗強度が得られることが分かった。

0029

このように、粘結剤としてパルプ黒液を添加することにより成型性が良好となり、低成型圧力でも高破壊抵抗強度を有するブリケットを製造できる。また、図7より、パルプ黒液の添加量の増加に伴い脱硝率も増加しており、その添加量が10重量%以上になると増加傾向は緩やかになり、脱硝率として約40%が得られたことが分かる。

0030

実施例1
本実施例では、BJ炭を用い、また、中国重慶地域で産出する高硫黄桐炭NT;硫黄含有量:4重量%(ドライアッシュフリー:d.a.f)を使用した。脱硫剤としては津久見産石灰石を使用した。植物質複合材としては、トウモロコシ茎、木屑、バガスを使用した。Ca(OH)2 700gを水1Lの割合で混合し、植物質複合ブリケット( Ca/S比1,重量5g)の表面に付着させて乾燥した。表面に付着されたCa(OH)2 の量は乾燥重量で約0.2gであった。

0031

図8に、ブリケット内部に石灰石を混合し表面にCa(OH)2 を被覆した実施例の固体燃料と石灰石をブリケット内部に混合添加しただけの比較例の固体燃料を燃焼させた場合の燃焼排ガス中のSO2 濃度の経時変化を示す。

0032

図8より、実施例の固体燃料の場合には、ブリケット内部Ca/S比が1でも排ガス中のSO2 量が削減されることが分かる。さらに、これに、ブリケット1個(重量5g)当たり0.2gの割でCa(OH)2 を表面付着させた場合には、排ガス中のSO2 量が大幅に削減されることが分かる。脱硫反応はチャー燃焼段階燃焼開始時から約5分〜75分)だけではなく、揮発成分燃焼の段階(約0分〜5分)でも発生することが分かった。これは、表面に付着したCa(OH)2 は速やかにCaOへ分解すること、またはCa(OH)2粒子と発生するSO2 との接触率が上がることによる。

0033

図9に、実施例の固体燃料と比較例として各種のCa質脱硫剤をブリケット内部に混合添加した固体燃料との脱硫効果の比較を示す。縦軸が脱硫率、横軸は実施例および比較例を表す。図9より、実施例の固体燃料の脱硫率は石灰石をブリケット内部に混合添加した場合の約35%よりも約58%上昇し、純粋な水酸化カルシウムをブリケット内部に混合添加した場合の75%よりも約18%高くなることが分かった。純粋な水酸化カルシウムは溶接剤生産工場からのCa質の工業廃棄物と同様な75%の脱硫率を有しており、石灰石の2倍以上、ホタテ貝殻より約10%高いことが分かる。

0034

実施例2
ブリケット内部に混合する石灰石の量を変化させ、ブリケットの表面にCa(OH)2 の層を形成した複合固体燃料を製作した。図10に、この実施例および比較例の脱硫効果を示す。縦軸が脱硫率、横軸はブリケット内部に混合した石灰石のCa/S比である。ここでは、燃焼室温度は1073Kとし、石炭はBJ炭、脱硫剤は津久見産石灰石、ホタテ貝、または水酸化カルシウムを用いた。図10より、この実施例は、Ca/S比が1でも比較例に比べて、脱硫率は急激に上昇し、Ca/S比2では約93%に到達する。なお、ブリケット内部に混合した石灰石のをさらに増加させても、脱硫率は上昇していないことが分かる。

0035

これは、脱硫はチャー燃焼部分での脱硫と揮発成分での脱硫メカニズムが異なり、内部に混合したCaはチャー燃焼し、発生する硫黄分を取るときだけ有効であるのでブリケット内部に混合したCa/S比(Ca量)を3以上に増加させても脱硫率は上昇しないことになる。Ca(OH)2 をブリケットの表面に付着させた場合には、チャー燃焼でも揮発分燃焼でも脱硫率が向上する、したがって、ブリケット内部のCa/S比を大きくするよりも1〜2程度として表面にCa(OH)2 層を微量付着させた方が、脱硫率を向上させる作用が大であることが分かる。

0036

実施例3
BJ炭および中国重慶地域で住民に使用されている南桐炭高硫黄石炭(NT炭)を用いた複合ブリケット固体燃料を製作した。燃焼室温度と熱分解温度は1073K、使用した脱硫剤は津久見産石灰石、内部のCa/S比は1とした。図11にその脱硫効果を示す。左縦軸が脱硫率、右縦軸が硫黄の配分率、横軸は使用された石炭中の硫黄含有率(重量%:d.a.f.)である。

0037

図11より、揮発分が多いBJ炭(白家荘炭)における揮発成分の燃焼によるSO2 の約75%、および揮発成分が少ないNT炭(南桐炭)中の揮発成分の燃焼からのSO2 の約35%が除去される。また、チャー燃焼によるSO2 はほぼ100%除去される。この両炭種を用いた複合固体燃料の脱硫率は約90%に達することが分かった。

0038

図12に、この実施例の複合ブリケット固体燃料に対して、0.2gのCa(OH)2 を表面に付着させた後、内部のCa/S比を増加させるにつれての脱硫率の変化を示す。ここでは、脱硫剤は津久見産石灰石、縦軸が脱硫率、横軸はブリケット内部のCa/S比である。図12より、ブリケット内部のCa/S比が1で脱硫率は約9O%になっている。Ca/S比が1を超えて大きくなっても脱硫率はお大きくならないことが分かる。

0039

実施例4
窒素含有率1.1重量%、硫黄含有率2.3重量%、燃料比4.3という低品位石炭に属するDS微粉炭にトウモロコシ茎(バイオマス)を20重量%混合し、パルプ黒液を粘結剤として20重量%含有させて植物質複合石炭ブリケットを成型した。この植物質複合石炭ブリケットを炉壁温度1073Kで燃焼し、燃焼過程中におけるNO濃度の経時変化を、パルプ黒液を添加しない植物質複合石炭ブリケットの燃焼結果と比較して図13に示す。

0040

図13より、パルプ黒液の添加によりサンプル中の窒素の総量が増加しても、排ガス中のNO濃度が著しく低減されたことが分かる。脱硝効果はチャー燃焼段階で現れる。

発明の効果

0041

本発明のCa質またはMg質脱硫剤をブリケット内部に混合し、さらに表面にCa(OH)2 、CaOまたは CaCO3層を付着させた表面白色の石炭ブリケット固体燃料では、石炭中の揮発分の燃焼による排出SO2 を効果的にブリケット内部のCa質またはMg質脱硫剤と表面のCaによって補集するものであり、この複合ブリケット固体燃料の脱硫率は、ブリケットのCa/S比またはMg/Sが1〜2でも大幅に上昇し、約90%に達する。また、パルプ黒液等の粘結剤を使用することによって脱硫と合わせて優れた脱硝効果も得られる。よって、発展途上国で特に使用される高硫黄石炭(4重量%:d.a.f.以上)を廉価、高効率に利用することが可能になるとともに、清浄な外観を持つ表面白色の石炭ブリケットとすることができる。

図面の簡単な説明

0042

図1図1は、BJ炭を用いた植物質複合ブリケットおよび石炭ブリケットの脱硫率に与える燃焼室温度の影響を示すグラフである。
図2図2は、BJ炭を用いた植物質複合ブリケットの脱硫率に与えるCa/S比の影響を示すグラフである。
図3図3は、BJ炭を用いた植物質複合ブリケットの燃焼排ガス中のSO2 濃度の経時変化を示すグラフである。
図4図4は、いろいろの炭種の植物質複合ブリケットのS%が脱硫率に与える影響を示すグラフである。
図5図5は、いろいろのCa質脱硫剤の脱硫率を示すグラフである。
図6図6は、ブリケットの成型圧力(横軸)と黒液の添加量の違いによるブリケットの破壊抵抗強度(縦軸)を示すグラフである。
図7図7は、ブリケット内部のパルプ黒液の添加量と脱硝効果の関係を示すグラフである。
図8図8は、実施例1の固体燃料と比較例の固体燃料を用いた場合の燃焼排ガス中のSO2 濃度の経時変化を示すグラフである。
図9図9は、実施例1の固体燃料と比較例の各種固体燃料との脱硫率の比較を示すグラフである。
図10図10は、実施例2および比較例のブリケット内部のCa/S比が脱硫率に与える影響を示すグラフである。
図11図11は、実施例3の石炭の硫黄含有率が脱硫率に与える影響を示すグラフである。
図12図12は、実施例3のブリケット内部のCa/S比が脱硫率に与える影響を示すグラフである。
図13図13は、実施例4のブリケットの燃焼過程中におけるNO濃度の経時変化を、パルプ黒液を添加しない植物質複合石炭ブリケットの燃焼結果と比較して示すグラフである。

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