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技術 重金属を含有する塩類の処理方法

出願人 JFEエンジニアリング株式会社
発明者 品川拓也多田光宏岩崎克博
出願日 2000年11月16日 (20年0ヶ月経過) 出願番号 2000-349493
公開日 2002年5月28日 (18年5ヶ月経過) 公開番号 2002-153835
状態 未査定
技術分野 固体廃棄物の処理 金属の製造または精製
主要キーワード 除去度合い 金属アルミニウム粒子 気送管 重金属塩化物 電熱加熱 電気抵抗式 Pb濃度 金属形態
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この項目の情報は公開日時点(2002年5月28日)のものです。
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図面 (3)

課題

取り扱いが容易な還元剤を使用し、重金属を効率よく除去することができる、重金属を含有する塩類処理方法を提供すること。

解決手段

重金属を含有する塩類を溶融状態に保ち、この溶融塩金属亜鉛を添加することにより、溶融塩に含まれていた重金属化合物金属形態の重金属に還元し、金属形態の重金属を溶融塩から分離して回収する。

概要

背景

都市ごみ産業廃棄物などの廃棄物を焼却した際に発生する焼却残渣はその多くが埋め立て処分されているが、埋め立て地の確保が困難になるにしたがって、その減容化が要望されるようになってきた。又、焼却残渣のうち、焼却炉から飛散して集塵機捕集された灰(焼却飛灰)には鉛やカドミウムなどの有害な重金属が含まれているので、その埋め立て処分に際しては、重金属を無害化する処理をしなければならない。このため、近年、焼却残渣の減容化と無害化を同時に行うことができる処理方法として、焼却残渣を溶融する処理が行われている。

この焼却残渣を溶融する処理技術としては、電気抵抗式溶融炉誘導加熱式の溶融炉を使用する方法がある。これらの方法においては、炉内に焼却残渣の溶融物滞留させておき、この溶融物を加熱しながら、その上に焼却残渣を装入して溶融させる。この際、装入される焼却飛灰には、塩化ナトリウム塩化カリウム塩化カルシウムなどの塩類が多量に含まれているので、これらの塩類が炉内に滞留している間に、他の成分と分離し、溶融スラグの層と溶融塩の層が生成する。そして、溶融物の排出に際しては、溶融塩と溶融スラグの分別排出が行われる。このようにして排出された溶融物のうち、溶融スラグは、固化されたのち、骨材などとして利用されたり、埋め立て処分されたりする。しかし、溶融塩には焼却飛灰に含まれていた重金属が水溶性の形態で含まれているので、その処分に際しては、再び、無害化処理をしなければならない。

上記のようにして排出される溶融塩を無害化する処理技術の一つとして、特開平9−314089号公報に開示された方法がある。この方法においては、重金属を含有している溶融塩に、Ca,Mg,Alのうち少なくとも1種類の金属を添加して、溶融塩中重金属化合物還元する処理を行う。すなわち、溶融塩には、重金属が主としてPbCl2 ,ZnCl2 ,CuCl,CdCl2 ,CrCl3 等の塩化物の形態で含まれており、この溶融塩に、例えば、金属アルミニウムを添加すると、下記の(1)式〜(5)式の反応が進行し、金属形態の重金属が遊離する。

概要

取り扱いが容易な還元剤を使用し、重金属を効率よく除去することができる、重金属を含有する塩類の処理方法を提供すること。

重金属を含有する塩類を溶融状態に保ち、この溶融塩に金属亜鉛を添加することにより、溶融塩に含まれていた重金属化合物を金属形態の重金属に還元し、金属形態の重金属を溶融塩から分離して回収する。

目的

本発明は、取り扱いが容易な還元剤を使用し、重金属を効率よく除去することができる、重金属を含有する塩類の処理方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

重金属を含有する塩類溶融状態に保ち、この溶融塩金属亜鉛を添加することにより、溶融塩に含まれていた重金属化合物金属形態の重金属に還元し、金属形態の重金属を溶融塩から分離して回収することを特徴とする重金属を含有する塩類の処理方法

請求項2

重金属を含有する塩類を溶融状態に保ち、この溶融塩に、融点が1000℃以下の亜鉛化合物と、金属アルミニウムを添加することにより、溶融塩に含まれていた重金属化合物を金属形態の重金属に還元し、金属形態の重金属を溶融塩から分離して回収することを特徴とする重金属を含有する塩類の処理方法。

請求項3

溶融塩の温度を500℃〜1000℃の範囲に保ち、重金属化合物を還元する処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重金属を含有する塩類の処理方法。

請求項4

溶融塩を、ガス吹き込み攪拌機械攪拌電磁誘導攪拌の中から選択される攪拌操作のうち1種以上の攪拌操作によって攪拌しながら、重金属化合物を金属形態の重金属に還元することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の重金属を含有する塩類の処理方法。

請求項5

重金属を含有する塩類を溶融状態に保ち、溶融塩に含まれていた重金属化合物を金属形態の重金属に還元する過程気化した塩化物凝縮させて回収することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の重金属を含有する塩類の処理方法。

技術分野

0001

本発明は、廃棄物焼却残渣溶融処理した際に生成する溶融塩などのような重金属を含有する塩類から重金属を除去して無害化すると共に重金属を回収する処理技術に関する。

背景技術

0002

都市ごみ産業廃棄物などの廃棄物を焼却した際に発生する焼却残渣はその多くが埋め立て処分されているが、埋め立て地の確保が困難になるにしたがって、その減容化が要望されるようになってきた。又、焼却残渣のうち、焼却炉から飛散して集塵機捕集された灰(焼却飛灰)には鉛やカドミウムなどの有害な重金属が含まれているので、その埋め立て処分に際しては、重金属を無害化する処理をしなければならない。このため、近年、焼却残渣の減容化と無害化を同時に行うことができる処理方法として、焼却残渣を溶融する処理が行われている。

0003

この焼却残渣を溶融する処理技術としては、電気抵抗式溶融炉誘導加熱式の溶融炉を使用する方法がある。これらの方法においては、炉内に焼却残渣の溶融物滞留させておき、この溶融物を加熱しながら、その上に焼却残渣を装入して溶融させる。この際、装入される焼却飛灰には、塩化ナトリウム塩化カリウム塩化カルシウムなどの塩類が多量に含まれているので、これらの塩類が炉内に滞留している間に、他の成分と分離し、溶融スラグの層と溶融塩の層が生成する。そして、溶融物の排出に際しては、溶融塩と溶融スラグの分別排出が行われる。このようにして排出された溶融物のうち、溶融スラグは、固化されたのち、骨材などとして利用されたり、埋め立て処分されたりする。しかし、溶融塩には焼却飛灰に含まれていた重金属が水溶性の形態で含まれているので、その処分に際しては、再び、無害化処理をしなければならない。

0004

上記のようにして排出される溶融塩を無害化する処理技術の一つとして、特開平9−314089号公報に開示された方法がある。この方法においては、重金属を含有している溶融塩に、Ca,Mg,Alのうち少なくとも1種類の金属を添加して、溶融塩中重金属化合物還元する処理を行う。すなわち、溶融塩には、重金属が主としてPbCl2 ,ZnCl2 ,CuCl,CdCl2 ,CrCl3 等の塩化物の形態で含まれており、この溶融塩に、例えば、金属アルミニウムを添加すると、下記の(1)式〜(5)式の反応が進行し、金属形態の重金属が遊離する。

0005

3PbCl2 +2Al=3Pb+2AlCl3 ・・・(1)
3ZnCl2 +2Al=3Zn+2AlCl3 ・・・(2)
3CuCl+Al=3Cu+AlCl3 ・・・(3)
3CdCl2 +2Al=3Cd+2AlCl3 ・・・(4)
CrCl3 +Al=Cr+AlCl3 ・・・(5)
生成した金属形態の重金属は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどからなる溶融塩には溶け込まないので、これを溶融塩中から分離し回収する処理を行う。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、上記従来技術には、さらに改良すべき余地が残されていた。その一つとして、重金属の除去効率を向上させ、重金属の除去処理をさらに効率的に行うことができる方法を確立することが望まれていた。又、従来技術において使用する還元剤のうち、特に金属カルシウム金属マグネシウムは高価なものであると共に、発火性を有するので、その取り扱いに際しては、保安注意を要するものである。このため、処理操作が煩雑になるという問題がある。

0007

本発明は、取り扱いが容易な還元剤を使用し、重金属を効率よく除去することができる、重金属を含有する塩類の処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記従来技術よりもさらに効率よく溶融塩中の重金属を除去することができる処理方法を確立するために、多くの実験を行った。その一環として、溶融塩に添加する還元剤の種類を種々変えた実験を行った。この還元剤の選定実験において、還元剤として金属亜鉛を使用したときに、上記従来技術の実施例に記載されている金属アルミニウムを使用した場合に比べて、格段と良好な重金属の除去効率が得られた。

0009

金属亜鉛が特に好ましい還元剤である理由は、必ずしも明らかではないが、次のように考えられる。

0010

亜鉛重金属類に属するものであるが、都市ごみなどの焼却残渣を溶融処理した際に生成する溶融塩の中に比較的多く含まれている重金属のうちでは最も卑なる金属である。このため、亜鉛は下記の(6)式〜(10)式の反応により、溶融塩中の他の重金属を還元することができるものである。又、亜鉛は有害成分に指定された金属ではないので、還元剤として使用することができものである。

0011

PbCl2 +Zn=Pb+ZnCl2 ・・・(6)
2CuCl+Zn=2Cu+ZnCl2 ・・・(7)
CdCl2 +Zn=Cd+ZnCl2 ・・・(8)
2CrCl3 +3Zn=2Cr+3ZnCl2 ・・・(9)
PbO+Zn=Pb+ZnO ・・・(10)
還元剤として、溶融塩に金属アルミニウムを添加した場合よりも金属亜鉛を添加した場合の方が重金属の除去効率がよい結果が得られる理由は、実験中の観察結果によれば、次の通りであるものと考えられる。金属亜鉛を添加した場合には、反応中の金属亜鉛が微粒になって分散していたのに対し、金属アルミニウムを添加した場合には、金属アルミニウムが豆粒大に凝集した状態になっているのが認められた。このため、溶融塩中における金属亜鉛の表面積が金属アルミニウムの表面積に比べて著しく大きくなっており、これにより反応が促進されたものと考えられる。

0012

又、還元された金属鉛が金属亜鉛の粒子中に溶け込むので、還元剤である金属亜鉛粒子の表面が清浄に保たれ、これが還元反応をさらに促進させる要因になっているものと思われる。

0013

これに対し、アルミニウムと鉛は合金化されにくいので、還元されて生成した金属鉛が金属アルミニウム粒子の表面に付着したままの状態で存在し、金属アルミニウム粒子の表面を覆ってしまうため、金属アルミニウムと溶融塩との接触面積が減少し、反応速度が低下するものと思われる。

0014

本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、次のような特徴を有する。

0015

請求項1の発明に係る発明は、重金属を含有する塩類を溶融状態に保ち、この溶融塩に金属亜鉛を添加することにより、溶融塩に含まれていた重金属化合物を金属形態の重金属に還元し、金属形態の重金属を溶融塩から分離して回収することを特徴としている。

0016

還元剤として金属亜鉛を使用した場合には、還元反応が速やかに進行するので、重金属を効率よく除去することができる。又、金属亜鉛は金属カルシウムや金属マグネシウムなどのような発火性を有する物質ではないので、溶融塩を処理する際に、特別な機器を必要としたり、或いは煩雑な処理操作が要したりすることはない。

0017

金属形態の重金属を溶融塩から分離して回収する方法としては、沈降分離法、遠心分離法、ろ過分離法などの方法を採用することができる。

0018

請求項2の発明に係る発明は、重金属を含有する塩類を溶融状態に保ち、この溶融塩に、融点が1000℃以下の亜鉛化合物と、金属アルミニウムを添加することにより、溶融塩に含まれていた重金属化合物を金属形態の重金属に還元し、金属形態の重金属を溶融塩から分離して回収することを特徴としている。

0019

溶融塩に金属アルミニウムを添加すると、(1)式〜(5)式の反応により各種の重金属が還元される反応が起こるが、この反応系においては、引き続いて第2段階の還元反応が起こる。すなわち、(2)式の反応により生成した金属亜鉛が還元剤として作用し、この金属亜鉛が(6)式〜(10)式の反応により未反応の重金属を還元する。このため、亜鉛を含む溶融塩に金属アルミニウムを添加した場合には、金属アルミニウムによる還元と、この反応によって生成した金属亜鉛による還元よりなる2段階の還元反応が行われる。

0020

そこで、本発明においては、予め、溶融塩に亜鉛化合物を添加して亜鉛の含有量を増加させておく。多量の亜鉛化合物を含む溶融塩に金属アルミニウムを添加すれば、生成した金属亜鉛による第2段階の反応量が増加すると共に、その反応速度が大きいので、金属アルミニウムを単独で添加した場合に比べて還元反応が著しく促進される。

0021

添加する亜鉛化合物としては、本発明の処理条件にかなうものとして融点が1000℃以下のものに限定される。具体的な添加物としては、亜鉛のハロゲン化物などが挙げられるが、特に塩化亜鉛が好ましい。

0022

請求項3の発明に係る処理方法は、請求項1又は請求項2の発明において、溶融塩の温度を500℃〜1000℃の範囲に保ち、重金属化合物を還元する処理を行うことを特徴としている。

0023

請求項4の発明に係る処理方法は、請求項1〜請求項3の何れかの発明において、溶融塩を、ガス吹き込み攪拌機械攪拌電磁誘導攪拌の中から選択される攪拌操作のうち1種以上の攪拌操作によって攪拌しながら、重金属化合物を金属形態の重金属に還元することを特徴としている。

0024

添加した金属亜鉛や金属アルミニウムと溶融塩は混じり合わないので、溶融塩を攪拌することによって、添加した金属を溶融塩中に分散させ、反応を促進させる。

0025

請求項5の発明に係る処理方法は、請求項1〜請求項4の何れかの発明において、重金属を含有する塩類を溶融状態に保ち、溶融塩に含まれていた重金属化合物を金属形態の重金属に還元する過程気化した塩化物を凝縮させて回収することを特徴としている。

0026

溶融塩中の重金属は主として塩化物の形態で存在している。又、金属アルミニウムを添加して重金属の塩化物を還元させた際には、塩化アルミニウムが生成する。これらの塩化物の一部が加熱処理中に気化するので、排気を凝縮させて塩化アルミニウムや塩化亜鉛などの塩化物を回収する。

発明を実施するための最良の形態

0027

図1は本発明に係る請求項1の発明で使用する装置の一例を示す概略の縦断面図である。10は重金属を含む塩類を溶融状態に保ち、溶融塩中の重金属塩化物を還元する反応を行わせるための反応槽である。この反応槽10は内壁炭素質煉瓦によって構成されている。又、20は粉粒状の金属亜鉛を一時貯留する還元剤の貯槽である。反応槽10にはその側部にヒーター誘導コイル等を有する外熱式加熱装置14が設けられており、装入された塩類を溶融状態の高温に保持できるようになっている。反応槽10の頂部には、塩類の供給口11が設けられ、又還元剤吹き込みランス12が挿入されている。還元剤の貯槽20と還元剤吹き込みランス12は気送管によって接続されており、還元剤の貯槽20から抜き出された粉粒状の金属亜鉛が窒素ガス還元性ガス不活性ガス等のキャリアガスによって気流輸送され、溶融塩30中に吹き込まれるようになっている。なお、キャリアガスとして吹き込むガスは溶融塩の攪拌用にも使用される。21は排ガス中の塩化物を凝縮させて回収するための凝縮装置である。

0028

上記の構成による装置を使用して重金属を含む塩類を処理する場合、その塩類を反応槽10へ装入し、所定温度に加熱して塩類を溶融状態に保持する。次いで、所定量の金属亜鉛をキャリアガスにより溶融塩30中へ吹き込む。金属亜鉛を装入した後にも、キャリアガスとして供給しているガスの吹き込みを継続し、溶融塩の攪拌を続ける。

0029

反応槽10から排出される排ガスはガス排出口13から抜き出され、凝縮装置21へ導入される。凝縮装置21では、反応槽10内で高温に保持されている間に気化した塩化アルミニウムを主とする塩化物が凝縮し、回収される。

0030

除去対象重金属濃度所定値を下回る値まで低下した段階で、ガス吹き込みを中止して溶融塩を静置し、還元されて析出した金属形態の重金属を沈降させる。この際、比重差によって、重金属と溶融塩が2層に分かれ、鉛などの重金属が反応槽の底部に堆積するので、反応槽10を傾動させて上層の溶融塩だけを排出する。

0031

そして、底部に重金属が溜まっている反応槽10へ、再び、新たな塩類を装入し、上記の処理操作を繰り返して実施する。この処理操作の繰り返しにより、反応槽10内に還元されて析出した重金属が順次増加するので、その蓄積量の度合いに応じて適宜抜き出し、重金属を回収する。

0032

なお、図1の装置における溶融塩の攪拌はガス吹き込みにより行われるが、本発明における攪拌方法は、ガス吹き込み攪拌に限定されるものではなく、攪拌機による機械攪拌、或いは電磁誘導攪拌などであってもよい。

0033

請求項2の発明の実施に際しては、図1の装置に亜鉛化合物を装入する手段を付加した装置を使用する。そして、溶融状態の塩類に塩化亜鉛などの亜鉛化合物を装入すると共に還元剤の貯槽20から金属アルミニウムを装入し、所定温度に保持しながら攪拌して溶融塩中の重金属化合物を還元する処理を行う。以後は、上記した請求項1の発明の場合と同じ操作を行う。
(実施例1)重金属を含む塩類から重金属を除去する処理を行った。この塩類は、都市ごみ焼却残渣を電気抵抗式の溶融炉を用いて溶融処理した際に、溶融状態で排出されたものであった。この塩類の主たる組成物はNaCl、KCl、CaCl2 であり、有害な重金属としては、特にPbが多く含まれていた。このため、この実験においては、ごみ焼却残渣値の重金属のうち、特に問題となるPbの除去度合いを中心に調べた。

0034

実験は次のように行った。上記の塩類約2.0kgを電熱加熱により高温に保持可能な容器を有する装置に装入し、ヒーターで850℃に加熱して溶融させた。次いで、粉粒状の金属亜鉛約100g(溶融塩に含まれる鉛を還元するのに必要な理論量の約100倍)を添加し、窒素ガスを吹き込んで溶融塩を攪拌した。そして、所定時間毎に容器中の溶融塩を採取して溶融塩中に溶解しているPbの濃度を分析し、Pbの濃度が低下する傾向を調べた。この処理中におけるPb濃度推移図2に示すごとくであった。

0035

図2によれば、金属亜鉛を添加してから10分後には、Pbの濃度が埋立て基準を満足し得る3mg/kg未満まで低下しており、重金属の還元反応が著しく促進されている。

0036

(比較例)実施例1の場合と同じ装置に実施例1と同じ塩類約2.0kgを装入し、還元剤として金属アルミニウムの粉末約30g(溶融塩に含まれる鉛を還元するのに必要な理論量の約100倍)を添加して溶融塩中の重金属を還元して析出させる処理を行った。この際の実験条件は、還元剤として金属アルミニウムを使用したこと以外は、実施例1の場合と同じであった。この処理中における溶融塩中のPb濃度の推移は実施例1のデータと共に図2に示す。

0037

図2により、上記実施例1と比較例の結果を比べてみると、実施例1おいては、金属亜鉛を添加してから10分後には、Pbの濃度が3mg/kg未満まで低下しているのに対し、還元剤として金属アルミニウムを添加した比較例においては、還元剤を添加してから2時間後においても、Pbの濃度が40mg/kg付近にとどまっている。なお、Pbの濃度が実施例1で得られた値と同じ3mg/kg未満に低下させることができる金属アルミニウムの添加量を求める実験を行ったところ、実施例1で添加した金属亜鉛の量に対し、モル比で10倍の金属アルミニウムの添加が必要であった。
(実施例2)電熱加熱により高温に保持可能な容器を有する装置に実施例1と同じ塩類約2.0kgを装入し、700℃に加熱して溶融させた。次いで、還元剤として金属アルミニウムの粉末約30gを添加し、さらに融点1000℃以下の亜鉛化合物として塩化亜鉛約100gを添加し、溶融塩中の重金属を還元して析出させる処理を行った。この際の実験条件は、還元剤などの添加物が異なるものであったこと及び反応温度を700℃にしたこと以外は、実施例1の場合と同じであった。

0038

金属アルミニウムと塩化亜鉛を添加した場合においても、反応時間の経過に伴うPb濃度の低下度合いは金属亜鉛を添加した実施例1の場合と同様であり、反応を開始してから10分後には、Pbの濃度が3mg/kg未満まで低下している。

0039

上記のように、重金属化合物を含む溶融塩に還元剤を添加して重金属を還元し、析出した金属形態の重金属を分離する処理を行う際に、溶融塩に金属亜鉛又は金属アルミニウムと亜鉛化合物を添加すると、還元反応が極めて速やかに進行し、溶融塩中の重金属濃度を短時間で低下させることができる。

発明の効果

0040

本発明に係る処理方法によれば、溶融状態の塩類に、還元反応が効率よく速やかに進行させることができる金属亜鉛又は金属アルミニウムと亜鉛化合物を添加するので、溶融塩に含まれる重金属化合物の還元反応が速やかに進行し、重金属濃度を短時間で低下させることができる。このため、塩類中の重金属を除去する処理を効率よく行うことができる。

図面の簡単な説明

0041

図1本発明に係る請求項1の発明で使用する装置の一例を示す概略の縦断面図である。
図2溶融塩に金属亜鉛を添加した場合のPb濃度の推移を示す図である。

--

0042

10反応槽
11塩類の供給口
12還元剤吹き込みランス
13ガス排出口
14加熱装置
20 還元剤の貯槽
21凝縮装置
30 溶融塩

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