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技術 冷凍装置

出願人 ダイキン工業株式会社
発明者 下田順一松岡弘宗
出願日 2000年11月13日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2000-345633
公開日 2002年5月22日 (17年10ヶ月経過) 公開番号 2002-147905
状態 拒絶査定
技術分野 容積形ポンプの制御 容積形ポンプの制御 気液分離装置、除霜装置、制御または安全装置
主要キーワード 判断時期 流入逆止弁 流出逆止弁 ガス抜き管 手だて 容量変更 劣化判断 吐出側温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置において、圧縮機の劣化を検知できるようにして、更新時期の判断も可能にする。

解決手段

圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とに基づいて、ポリトロープ指数などの値を算出し、その値の経時変化などから圧縮機の劣化を判断する。

概要

背景

従来より、空調機などの冷凍装置には、例えば特開平10−300292号公報に記載されているように、蒸気圧縮式冷凍サイクルが用いられている。この蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置の冷媒回路は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、膨張弁膨張機構)と、利用側熱交換器とを主要な機器として、これらを冷媒配管により順に接続することにより構成されている。

この種の空調機は、一般に、冷媒回路における冷媒循環方向反転させて、冷房運転暖房運転とを切り換えるように構成されている。

そして、冷房運転時には、利用側熱交換器である室内熱交換器蒸発器となる冷却動作を行う。この冷房運転時において、圧縮機から吐出された冷媒は、熱源側熱交換器である室外熱交換器凝縮し、膨張弁で減圧されて室内熱交換器で蒸発した後、圧縮機に吸入される。

また、暖房運転時には、室内熱交換器が凝縮器となる加熱動作ヒートポンプ動作)を行う。この暖房運転時において、圧縮機から吐出された冷媒は、室内熱交換器で凝縮し、さらに膨張弁で減圧した後に室外熱交換器で蒸発して、圧縮機に吸入される。

概要

蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置において、圧縮機の劣化を検知できるようにして、更新時期の判断も可能にする。

圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とに基づいて、ポリトロープ指数などの値を算出し、その値の経時変化などから圧縮機の劣化を判断する。

目的

本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置において圧縮機の劣化を検知できるようにして、更新時期の判断も可能にすることである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に接続されて構成された冷凍装置であって、圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とに基づいて、圧縮機(41,42) の劣化を判断する制御手段(90)を備えている冷凍装置。

請求項2

圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に接続されて構成された冷凍装置であって、少なくとも圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とを変数とする関数から求められる値の経時変化に基づいて、圧縮機(41,42) の劣化を判断する制御手段(90)を備えている冷凍装置。

請求項3

上記制御手段(90)は、据付時における上記関数から求められる値からの変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化を判断する請求項2記載の冷凍装置。

請求項4

上記制御手段(90)は、製造時における上記関数から求められる値からの変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化を判断する請求項2記載の冷凍装置。

請求項5

上記制御手段(90)は、上記関数から求められる値の所定値からの変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化を判断する請求項2記載の冷凍装置。

請求項6

制御手段(90)は、据付から所定時間毎に上記関数から求められる値を算出するように構成されている請求項2ないし5のいずれか1記載の冷凍装置。

請求項7

圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に接続されて構成された冷凍装置であって、少なくとも圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とを変数とする関数から求められる値が所定値になった場合に圧縮機(41,42) の劣化を判断する制御手段(90)を備えている冷凍装置。

請求項8

上記関数は、ポリトロープ指数を求める関数である請求項2ないし7のいずれか1記載の冷凍装置。

請求項9

圧縮機(41,42) の劣化を判断したことを出力する圧縮機劣化出力手段(ST6) を備えている請求項1ないし8のいずれか1記載の冷凍装置。

請求項10

圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に接続されて構成された冷凍装置であって、圧縮機(41,42) の劣化を判断するために、少なくとも圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とを外部へ出力する出力手段を備えている冷凍装置。

請求項11

圧縮機吸入温度を検出する吸入温度検出手段(73)と、圧縮機吸入圧力を検出する低圧圧力検出手段(74)と、圧縮機吐出温度を検出する吐出温度検出手段(75)と、圧縮機吐出圧力を検出する高圧圧力検出手段(76)とを備えている請求項1ないし10のいずれか1記載の冷凍装置。

技術分野

0001

本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置に関し、特に、圧縮機の劣化検出技術に係るものである。

背景技術

0002

従来より、空調機などの冷凍装置には、例えば特開平10−300292号公報に記載されているように、蒸気圧縮式冷凍サイクルが用いられている。この蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置の冷媒回路は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、膨張弁膨張機構)と、利用側熱交換器とを主要な機器として、これらを冷媒配管により順に接続することにより構成されている。

0003

この種の空調機は、一般に、冷媒回路における冷媒循環方向反転させて、冷房運転暖房運転とを切り換えるように構成されている。

0004

そして、冷房運転時には、利用側熱交換器である室内熱交換器蒸発器となる冷却動作を行う。この冷房運転時において、圧縮機から吐出された冷媒は、熱源側熱交換器である室外熱交換器凝縮し、膨張弁で減圧されて室内熱交換器で蒸発した後、圧縮機に吸入される。

0005

また、暖房運転時には、室内熱交換器が凝縮器となる加熱動作ヒートポンプ動作)を行う。この暖房運転時において、圧縮機から吐出された冷媒は、室内熱交換器で凝縮し、さらに膨張弁で減圧した後に室外熱交換器で蒸発して、圧縮機に吸入される。

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、空調機を含め、冷凍サイクルを行う冷凍装置において、例えば装置を据え付けてから長期間(例えば数年)が経過すると、圧縮機が劣化する。そして、圧縮機が劣化すると、圧縮機内部で高圧側から低圧側に冷媒が漏れてしまい、圧縮効率が低下して冷凍サイクルのCOP成績係数)も低下することになる。

0007

従来は、このように圧縮機が劣化しても、その劣化を直接に知る手だてはなく、本来は圧縮機の更新時期が来ている場合でも殆どの場合はすぐには更新されていないのが実状である。そして、圧縮機の劣化は、明らかに異常と分かる事態が生じるまでは放置されている場合も多い。

0008

本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置において圧縮機の劣化を検知できるようにして、更新時期の判断も可能にすることである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、圧縮機における圧縮状態の経時的な変化などから、圧縮機の劣化を判別するようにしたものである。

0010

具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが主要機器として順に接続されて構成された冷凍装置(10)を前提としている。そして、この冷凍装置(10)は、圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とに基づいて、圧縮機(41,42) の劣化を判断する制御手段(90)を備えている。

0011

上記構成においては、圧縮機(41,42) の吸入側の温度及び圧力と、圧縮機(41,42) の吐出側の温度及び圧力とが求められ、これらの値に基づいて圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかが判断される。この場合、圧縮機(41,42) の劣化は、例えば後述のポリトロープ指数などの値を求める関数を用いたり、各温度と圧力の関係が記憶されたマップなどを用いたりして判断することができる。そして、例えばこれらの値が定められた値でなくなっているときに、圧縮機(41,42) が劣化していると判断される。

0012

また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段と同じ前提の冷凍装置(10)において、少なくとも圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とを変数とする関数から求められる値の経時変化に基づいて、圧縮機(41,42) の劣化を判断する制御手段(90)を設けたものである。

0013

このように構成すると、圧縮機(41,42) の吸入側及び吐出側の温度と圧力の値に基づいて、上記ポリトロープ指数などの値が求められ、その値の経時変化から圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかが判断される。例えば、求められた値の変化の程度が所定の範囲を超えている場合に、圧縮機(41,42) が劣化していると判断される。

0014

また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第2の解決手段において、据付時における上記関数から求められる値からの変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化を判断するように上記制御手段(90)を構成したものである。

0015

このように構成すると、据付時に上記関数によって算出された値に対して、所定期間(例えば数年)運転後に上記関数によって算出された値が変化している場合に、その変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化が判断される。

0016

また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第2の解決手段において、製造時における上記関数から求められる値からの変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化を判断するように上記制御手段(90)を構成したものである。

0017

このように構成すると、製造時に上記関数によって算出されている値に対して、所定期間運転後に上記関数によって算出された値が変化している場合に、その変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化が判断される。

0018

また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第2の解決手段において、上記関数から求められる値の所定値からの変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化を判断するように上記制御手段(90)を構成したものである。

0019

このように構成すると、上記関数から求められる値が所定値から経時変化している場合に圧縮機(41,42) の劣化が判断される。この場合には、上記第3及び第4の解決手段のように上記値を機械毎に求めるのと違って、その圧縮機(41,42)において定められた値に対する変化によって劣化が判断される。このため、劣化判断は、上記値を圧縮機個別に測定せず、圧縮機の機種毎に設定した値としておけばよい。

0020

また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第2ないし第5のいずれか1の解決手段において、制御手段(90)を、据付から所定時間毎に上記関数から求められる値を繰り返し算出するように構成したものである。この場合、判断時期は任意に設定することが可能であり、例えば据付初期は判断時期までの間隔を比較的長くし、数年が経過すると判断時期までの間隔を比較的短くすることができる。

0021

このように構成すると、圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかが所定期間毎に繰り返し判別される。そして、ポリトロープ指数などが据付当初から所定の範囲を超えて変化したときなどに、圧縮機(41,42) が劣化していると判断される。

0022

また、本発明が講じた第7の解決手段は、圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に接続されて構成された冷凍装置において、少なくとも圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とを変数とする関数から求められる値が所定値になった場合に圧縮機(41,42) の劣化を判断する制御手段(90)を設けたものである。

0023

このように構成すると、据付時や製造時に上記関数から求められる値とは関係なく、その値自体が所定値になったときに圧縮機が劣化したと判断される。

0024

また、本発明が講じた第8の解決手段は、上記第2ないし第7のいずれか1の解決手段において、上記関数を、ポリトロープ指数を求める関数としたものである。

0025

この構成においては、圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とに基づいて、ポリトロープ指数が求められ、このポリトロープ指数に基づいて圧縮機(41,42) の劣化判断が行われる。具体的には、所定時間運転したときのポリトロープ指数が、据付時や製造時のポリトロープ指数またはあらかじめ定められたポリトロープ指数などから変化していて、その変化の程度が所定の範囲を超えている場合などに、圧縮機(41,42) が劣化していると判断される。つまり、ポリトロープ指数は圧縮行程の前後の冷媒の状態が一定である限りは変化しない値であるので、この値が変化していて、その変化が所定の範囲を超えていると、圧縮機(41,42) が劣化して内部での冷媒の漏れなどが生じる状態になっていると判断される。

0026

また、本発明が講じた第9の解決手段は、上記第1ないし第8のいずれか1の解決手段において、圧縮機(41,42) の劣化を判断したことを出力する圧縮機劣化出力手段(ST6) を設けたものである。

0027

このように構成すると、圧縮機(41,42) が劣化したことをユーザーや管理者に対して表示したりすることが可能となる。特に、インターネットやその他の通信網を介して複数の冷凍装置を接続したシステム構築する場合などに、そのシステムの管理者への出力が可能となる。

0028

また、本発明が講じた第10の解決手段は、圧縮機(41,42) と熱源側熱交換器(22)と膨張機構(24,62,67)と利用側熱交換器(61,66) とが順に接続されて構成された冷凍装置において、圧縮機(41,42) の劣化を判断するために、圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とを外部へ出力する出力手段を設けたものである。

0029

このように構成すると、圧縮機(41,42) の劣化判断は、冷凍装置(10)の外部で行うことができる。このため、例えば上記通信システムで複数の冷凍装置(10)を管理する管理者サイドで圧縮機(41,42) の劣化判断を行い、どの圧縮機(41,42)が劣化しているかなどの情報を得ることができる。

0030

また、本発明が講じた第11の解決手段は、上記第1ないし第10のいずれか1の解決手段において、圧縮機吸入温度を検出する吸入温度検出手段(73)と、圧縮機吸入圧力を検出する低圧圧力検出手段(74)と、圧縮機吐出温度を検出する吐出温度検出手段(75)と、圧縮機吐出圧力を検出する高圧圧力検出手段(76)とを設けたものである。

0031

このように構成すれば、各検出手段(73〜76)によって求められた圧縮機(41,42) の吸入側温度及び圧力と吐出側温度及び圧力とに基づいて、上記ポリトロープ指数などを算出し、圧縮機(41,42) の劣化判断が行われる。なお、ポリトロープ指数は、圧縮機の吸入側冷媒と吐出側冷媒の圧力と比体積状態変化などから求めることも可能な値である。

発明の効果

0032

上記第1の解決手段によれば、圧縮機(41,42) の吸入側の温度及び圧力と、圧縮機(41,42) の吐出側の温度及び圧力とに基づいて圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかが判断されるので、その更新時期の判断も可能となる。

0033

また、上記第2の解決手段によれば、圧縮機(41,42) の吸入側及び吐出側の温度と圧力を変数とする関数から求められる値の経時変化から圧縮機(41,42) の劣化判断をするようにしているので、更新時期をより確実に求めることができる。

0034

また、上記第3及び第4の解決手段によれば、上記関数から求められる値の各機械毎の基準値(据付時の値や製造時の値)に対する経時変化から圧縮機(41,42) の劣化を判断しているので、その圧縮機(41,42) の適正な更新時期を確実に求めることができる。

0035

また、上記第5の解決手段によれば、上記関数から求められる値の所定値に対する経時変化から圧縮機(41,42) の劣化を判断しているので、圧縮機(41,42) の機種毎に上記値を設定しておけば、初期値を個別に求めなくてもよい。

0036

また、上記第6の解決手段によれば、上記関数から求められる値を所定時間毎に算出するようにしているので、圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかを所定期間毎に繰り返し判別できる。このため、更新時期になっているかどうかも所定期間毎に判断することができる。また、このように判別を繰り返し行うと、劣化の進行状況を知ることも可能である。

0037

また、上記第7の解決手段によれば、据付時や製造時の状態とは関係なく、上記関数から求められる値自体が所定値になったときに、圧縮機(41,42) が劣化したと判断できる。そして、そのときに、圧縮機(41,42) の更新時期となっていることも判断できる。

0038

また、上記第8の解決手段によれば、ポリトロープ指数を用いて圧縮機(41,42) の劣化判断をするようにしている。そして、ポリトロープ指数が本来は時間が経過しても変化しない値であるのに対して、この値が経年変化していると、その変化の程度から圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかを確実に判断することができる。

0039

また、上記第9の解決手段によれば、圧縮機(41,42) の劣化を判断したことを出力する圧縮機劣化出力手段(ST6) を設けているので、圧縮機(41,42) が劣化したことをユーザーや管理者に対して表示したりすることで、ユーザーや管理者側での更新時期の認識を確実にできる。

0040

また、上記第10の解決手段によれば、各装置において求められた圧縮機(41,42) の吸入側と吐出側の温度及び圧力に基づいて、圧縮機(41,42) の劣化判断を外部の管理サイドなどで行って、どの圧縮機(41,42) が劣化しているかなどの情報を得ることができる。このため、ある管理者が通信システムを利用して複数の冷凍装置(10)を管理している場合などに、どの冷凍装置(10)の圧縮機(41,42) が劣化しているかを容易に認識することが可能となる。

0041

また、上記第11の解決手段によれば、各検出手段(73〜76)によって求められた圧縮機(41,42) の吸入側温度及び圧力と吐出側温度及び圧力とに基づいて、上記ポリトロープ指数などを算出し、圧縮機(41,42) の劣化判断が行われる。

0042

このように構成すれば、冷凍装置(10)が備えている各センサ(73〜76)の検出値(圧縮機吸入温度、圧縮機吸入圧力、圧縮機吐出温度、及び圧縮機吐出圧力)に基づいてポリトロープ指数などを算出できるので、圧縮機(41,42) の劣化判断を行う装置を容易に実現することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0043

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明を空調機(10)に適用した例である。この空調機(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成されている。

0044

図1に示すように、上記空調機(10)は、1台の室外機(11)と2台の室内機(12,13) とを備え、いわゆるマルチ型に構成されている。また、上記空調機(10)は、冷媒回路(15)とコントローラ(制御手段)(90)とを備えている。なお、本実施形態では室内機(12,13) を2台としたが、これは一例であり、室外機(11)の能力や用途に応じて室内機(12,13)の台数を適宜定めればよい。

0045

上記冷媒回路(15)は、熱源側回路である1つの室外回路(20)と、利用側回路である2つの室内回路(60,65) と、液側連絡管(16)と、ガス側連絡管(17)とにより構成されている。室外回路(20)には、液側連絡管(16)及びガス側連絡管(17)を介して、2つの室内回路(60,65)が並列に接続されている。

0046

上記室外回路(20)は、室外機(11)に収納されている。室外回路(20)には、圧縮機ユニット(40)、四路切換弁(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(24)、レシーバ(23)、液側閉鎖弁(25)、及びガス側閉鎖弁(26)が設けられている。

0047

上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)と第2圧縮機(42)を並列に接続したものである。これら圧縮機(41,42) は、何れも密閉型スクロール圧縮機である。つまり、これら圧縮機(41,42) は、圧縮機構と該圧縮機構を駆動する電動機とを、円筒状のハウジングに収納して構成されている。なお、圧縮機構及び電動機は、図示を省略している。

0048

第1圧縮機(41)は、電動機が常に一定回転数で駆動される一定容量の圧縮機である。第2圧縮機(42)は、電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更される容量可変の圧縮機である。そして、上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)の発停や第2圧縮機(42)の容量変更によって、ユニット全体の容量が可変となっている。具体的には、圧縮機ユニット(40)に要求される能力が所定値を越えるまでは、第2圧縮機(42)の容量を調整しながら1台で運転し、その所定値を越えると第1圧縮機(41)も起動した状態として2台で運転を行いながら第2圧縮機(42)の容量を調整する。

0049

上記圧縮機ユニット(40)は、吸入管(43)及び吐出管(44)を備えている。吸入管(43)は、その端が四路切換弁(21)の第1のポートに接続され、その出口端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42) の吸入側に接続されている。吐出管(44)は、その入口端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42) の吐出側に接続され、その出口端が四路切換弁(21)の第2のポートに接続されている。また、第1圧縮機(41)に接続する吐出管(44)の分岐管には、吐出側逆止弁(45)が設けられている。この吐出側逆止弁(45)は、第1圧縮機(41)から流出する方向への冷媒の流通のみを許容する。

0050

また、上記圧縮機ユニット(40)は、油分離器(51)、油戻し管(52)、及び均油管(54)を備えている。油分離器(51)は、吐出管(44)の途中に設けられている。この油分離器(51)は、圧縮機(41,42) の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。油戻し管(52)は、その一端が油分離器(51)に接続され、その他端が吸入管(43)に接続されている。この油戻し管(52)は、油分離器(51)で分離された冷凍機油を、圧縮機(41,42) の吸入側へ戻すためのものであって、油戻し電磁弁(53)を備えている。均油管(54)は、その一端が第1圧縮機(41)に接続され、その他端が吸入管(43)における第2圧縮機(42)の吸入側近傍に接続されている。この均油管(54)は、各圧縮機(41,42) のハウジング内に貯留される冷凍機油の量を平均化するためのものであって、均油電磁弁(55)を備えている。

0051

上記四路切換弁(21)は、その第3のポートがガス側閉鎖弁(26)と配管接続され、その第4のポートが室外熱交換器(22)の上端部と配管接続されている。四路切換弁(21)は、第1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと第4のポートが連通する状態(図1実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通する状態(図1破線で示す状態)とに切り換わる。この四路切換弁(21)の切換動作によって、冷媒回路(15)における冷媒の循環方向が反転する。

0052

上記レシーバ(23)は、円筒状の容器であって、冷媒を貯留するためのものである。このレシーバ(23)は、流入管(30)及び流出管(33)を介して、室外熱交換器(22)と液側閉鎖弁(25)とに接続されている。

0053

流入管(30)は、その入口端側が2つの分岐管(30a,30b) に分岐され、その出口端がレシーバ(23)の上端部に接続されている。流入管(30)の第1分岐管(30a) は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(30a) には、第1流入逆止弁(31)が設けられている。第1流入逆止弁(31)は、室外熱交換器(22)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。流入管(30)の第2分岐管(30b) は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(30b) には、第2流入逆止弁(32)が設けられている。第2流入逆止弁(32)は、液側閉鎖弁(25)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。

0054

流出管(33)は、その入口端がレシーバ(23)の下端部に接続され、その出口端側が2つの分岐管(33a,33b) に分岐されている。流出管(33)の第1分岐管(33a) は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(33a) には、上記室外膨張弁(24)が熱源側膨張機構として設けられている。流出管(33)の第2分岐管(33b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(33b)には、流出逆止弁(34)が設けられている。流出逆止弁(34)は、レシーバ(23)から液側閉鎖弁(25)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。

0055

熱源側熱交換器である室外熱交換器(22)は、クロスフィン式フィンアンドチューブ型熱交換器により構成されている。この室外熱交換器(22)では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室外空気とが熱交換を行う。

0056

上記室外回路(20)には、更にガス抜き管(35)と均圧管(37)とが設けられている。ガス抜き管(35)は、その一端がレシーバ(23)の上端部に接続され、その他端が吸入管(43)に接続されている。このガス抜き管(35)は、レシーバ(23)のガス冷媒を各圧縮機(41,42)の吸入側へ導入するための連通路を構成している。また、ガス抜き管(35)には、ガス抜き電磁弁(36)が設けられている。このガス抜き電磁弁(36)は、ガス抜き管(35)におけるガス冷媒の流れを断続するための開閉機構を構成している。

0057

上記均圧管(37)は、その一端がガス抜き管(35)におけるガス抜き電磁弁(36)とレシーバ(23)の間に接続され、その他端が吐出管(44)に接続されている。また、均圧管(37)には、その一端から他端に向かう冷媒の流通のみを許容する均圧用逆止弁(38)が設けられている。この均圧管(37)は、空調機(10)の停止中に外気温が異常に上昇してレシーバ(23)の圧力が高くなりすぎた場合に、ガス冷媒を逃がしてレシーバ(23)が破裂するのを防止するためのものである。従って、空調機(10)の運転中において、均圧管(37)を冷媒が流れることはない。

0058

上記室内回路(60,65)は、各室内機(12,13)に1つずつ設けられている。具体的には、第1室内回路(60)が第1室内機(12)に収納され、第2室内回路(65)が第2室内機(13)に収納されている。

0059

第1室内回路(60)は、第1室内熱交換器(61)と第1室内膨張弁(62)とを直列に接続したものである。利用側膨張弁である第1室内膨張弁(62)は、第1室内熱交換器(61)の下端部に配管接続されている。第2室内回路(65)は、第2室内熱交換器(66)と第2室内膨張弁(67)とを直列に接続したものである。利用側膨張弁である第2室内膨張弁(67)は、第2室内熱交換器(66)の下端部に配管接続されている。

0060

利用側熱交換器である第1及び第2室内熱交換器(61,66) は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。各室内熱交換器(61,66) では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室内空気とが熱交換を行う。

0061

上記液側連絡管(16)は、その一端が液側閉鎖弁(25)に接続されている。この液側連絡管(16)は、他端側で2つに分岐されており、その一方が第1室内回路(60)における第1室内膨張弁(62)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内膨張弁(67)側の端部に接続されている。上記ガス側連絡管(17)は、その一端がガス側閉鎖弁(26)に接続されている。このガス側連絡管(17)は、他端側で2つに分岐されており、その一方が第1室内回路(60)における第1室内熱交換器(61)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内熱交換器(66)側の端部に接続されている。

0062

上記室外機(11)には、室外ファン(70)が設けられている。この室外ファン(70)は、室外熱交換器(22)へ室外空気を送るためのものである。一方、第1,第2室内機(12,13) には、それぞれ室内ファン(80)が設けられている。この室内ファン(80)は、室内熱交換器(61,66) へ室内空気を送るためのものである。

0063

上記空調機(10)には、温度や圧力のセンサ等が設けられている。具体的に、室外機(11)には、室外空気の温度を検出するための外気温センサ(71)が設けられている。室外熱交換器(22)には、その伝熱管温度を検出するための室外熱交換器温度センサ(72)が設けられている。吸入管(43)には、圧縮機(41,42) の吸入冷媒温度を検出するための吸入温度センサ(73)と、圧縮機(41,42) の吸入冷媒圧力を検出するための低圧圧力センサ(74)とが設けられている。吐出管(44)には、圧縮機(41,42) の吐出冷媒温度を検出するための吐出温度センサ(75)と、圧縮機(41,42) の吐出冷媒圧力を検出するための高圧圧力センサ(76)と、高圧圧力スイッチ(77)とが設けられている。

0064

各室内機(12,13)には、室内空気の温度を検出するための内気温センサ(81)が1つずつ設けられている。各室内熱交換器(61,66) には、その伝熱管温度を検出するための室内熱交換器温度センサ(82)が1つずつ設けられている。各室内回路(60,65) における室内熱交換器(61,66) の上端近傍には、室内回路(60,65) を流れるガス冷媒温度を検出するためのガス側温度センサ(83)が1つずつ設けられている。

0065

上記コントローラ(90)は、上記のセンサ類からの信号やリモコン等からの指令信号を受けて空調機(10)の運転制御を行うものである。具体的に、コントローラ(90)は、室外膨張弁(24)及び室内膨張弁(62,67) の開度調節や、四路切換弁(21)の切換、更にはガス抜き電磁弁(36)、油戻し電磁弁(53)、及び均油電磁弁(55)の開閉操作を行う。また、コントローラ(90)は、圧縮機ユニット(40)の容量制御も行う。

0066

さらに、コントローラ(90)は、吸入温度センサ(73)によって検出される圧縮機(41,42) の吸入冷媒温度と、低圧圧力センサ(74)によって検出される圧縮機(41,42) の吸入冷媒圧力と、吐出温度センサ(75)によって検出される圧縮機(41,42)の吐出冷媒温度と、高圧圧力センサ(76)によって検出される圧縮機(41,42) の吐出冷媒圧力とから、据付当初のポリトロープ指数nと、据付から所定期間経過後のポリトロープ指数n’とを算出して比較し、その比較結果から圧縮機(41,42)の劣化を判別する。より具体的には、コントローラ(90)は据付当初のポリトロープ指数nに対して据付から所定期間経過毎にポリトロープ指数n’を算出して比較し、ポリトロープ指数n’が所定の範囲を超えて変化していると圧縮機(41,42) の劣化と判断する。

0067

運転動作
上記空調機(10)の運転時には、冷媒回路(15)において冷媒が相変化しつつ循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。また、空調機(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。

0068

《冷房運転》冷房運転時には、室内熱交換器(61,66)が蒸発器となる冷却動作が行われる。この冷房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に実線で示す状態となる。室外膨張弁(24)は全閉とされ、第1,第2室内膨張弁(62,67)はそれぞれ所定の開度に調節される。ガス抜き電磁弁(36)は閉鎖状態に保持され、油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は適宜開閉される。これら弁の操作は、コントローラ(90)により行われる。

0069

圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運転すると、これら圧縮機(41,42)で圧縮された冷媒が吐出管(44)へ吐出される。この冷媒は、四路切換弁(21)を通って室外熱交換器(22)へ流入する。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で凝縮した冷媒は、流入管(30)の第1分岐管(30a)へ流入し、第1流入逆止弁(31)を通過してレシーバ(23)へ流入する。その後、冷媒は、レシーバ(23)から流出管(33)へ流入し、流出逆止弁(34)を通過して液側連絡管(16)へ流入する。

0070

液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、二手に分流されて、一方が第1室内回路(60)へ流入し、他方が第2室内回路(65)へ流入する。各室内回路(60,65)では、流入した冷媒が室内膨張弁(62,67)で減圧された後に室内熱交換器(61,66)へ流入する。室内熱交換器(61,66)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。つまり、室内熱交換器(61,66)では、室内空気が冷却される。

0071

各室内熱交換器(61,66)で蒸発した冷媒は、ガス側連絡管(17)へ流入し、合流した後に室外回路(20)へ流入する。その後、冷媒は、四路切換弁(21)を通過し、吸入管(43)を通って圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)では、このような冷媒の循環が繰り返される。

0072

《暖房運転》暖房運転時には、室内熱交換器(61,66)が凝縮器となる加熱動作が行われる。この暖房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に破線で示す状態となる。室外膨張弁(24)、及び第1,第2室内膨張弁(62,67)は、それぞれ所定の開度に調節される。油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は、適宜開閉される。ガス抜き電磁弁(36)は、加熱動作が行われている間は常に開放状態に保持される。これら弁の操作は、コントローラ(90)により行われる。

0073

そして、冷媒が冷媒回路(15)内を冷房運転時とは基本的に逆方向に流れることによって、冷媒が室内空気に放熱して凝縮し、室外空気から吸熱して蒸発するサイクルで冷媒回路を循環し、室内が加熱される。ここでは、冷媒の流れの詳細については省略する。

0074

《圧縮機の劣化判断》本実施形態では、据付当初のポリトロープ指数nに対して、据付から所定期間が経過する毎にポリトロープ指数n’を算出して比較し、圧縮機(41,42) の劣化を判別している。この動作について、図2及び図3に基づいて説明する。

0075

蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、図2モリエル線図(圧力−エンタルピ線図)に示すように、冷媒は、圧縮行程においてA点からB点(B’点)まで圧縮された後、凝縮行程においてC点まで冷却され、さらに膨張行程においてD点まで減圧され、蒸発行程においてA点まで加熱される作用を受けて、冷媒回路(15)を循環する。

0076

この冷凍サイクルにおいて、圧縮機(41,42) の圧縮効率は、ポリトロープ指数nによって表される。ポリトロープ指数nは、圧縮機(41,42) の吸入側と吐出側の冷媒の状態から求められる値で、冷媒が圧縮されるときの圧力と比体積の関係を表す。このポリトロープ指数nは、冷凍サイクルを構成している圧縮機に固有の値であり、この値によって圧縮行程のカーブ(図では近似的に直線としている)が決定される。

0077

ポリトロープ指数nは、例えば圧縮機(41,42) が劣化して該圧縮機(41,42) 内での高圧側から定圧側への冷媒の漏れ量が大きくなるなどの事態が生じると、その値が変化し(大きくなり)、圧縮行程のカーブの傾きが変化する。図2において、破線が据付当初の圧縮状態を表し、実線が圧縮機(41,42) の劣化後の圧縮状態を表している。

0078

本実施形態では、このポリトロープ指数nを求めることによって据付直後の圧縮状態と据付から所定期間が経過した後の圧縮状態を比較し、圧縮機(41,42) の劣化を判定するようにしている。

0079

この判定は、図3フローチャートにしたがって行われる。まず、ステップST1では、据付当初のポリトロープ指数nが算出される。ポリトロープ指数nは、圧縮機(41,42) の吸入側と吐出側の冷媒の圧力及び温度から求められる。

0080

つまり、吸入温度センサ(73)で検出された圧縮機(41,42) の吸入冷媒温度T1と、低圧圧力センサ(74)で検出された圧縮機(41,42) の吸入冷媒圧力P1 と、吐出温度センサ(75)で検出された圧縮機(41,42) の吐出冷媒温度T2 と、高圧圧力センサ(76)で検出された圧縮機(41,42) の吐出冷媒圧力P2 は、ポリトロープ指数nを用いて表すと、次の(1)式の関係を有する。

0081

0082

この(1)式を変形すると、以下の(2)式のように表すことができる。

0083

0084

また、(2)式は、以下の(3)式のように表すことができる。

0085

0086

そして、(3)式は以下の(4)式のように表すことができるので、この(4)式において圧力P1 ,P2 と温度T1 ,T2 の値を代入すると、据付当初のポリトロープ指数nを求めることができる。

0087

0088

このようにして求めたポリトロープ指数nは、ステップST2において、コントローラ(90)によってメモリに記憶され、その圧縮機(41,42) に固有の値として長期にわたって保存される。

0089

一方、据付から所定期間(例えば数年)が経過すると、ステップST3において、そのときのポリトロープ指数n’が算出される。上述したように、圧縮機が劣化していると、A点が同じでも圧縮行程のカーブが変化して吐出側の冷媒の状態が変化し、B点がB’点に移動する。つまり据付当初のB点の温度T2 と圧力P2 が、所定期間経過後にはB’点の温度T2 ’と圧力P2 ’に変化する。このとき、上記(1)式で表された関係は次の(5)式のように表される。

0090

0091

そして、上記(5)式は、以下の(6)式に展開される。

0092

0093

以上のようにして求められたそのときのポリトロープ指数n’は、ステップST4において据付当初のポリトロープ指数nと比較され、その比較結果から、ステップST5において圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかの判別が行われる。具体的には、指数nに対して指数n’が変化して(大きくなって)おり、しかもその変化の程度が所定の範囲を超えているときに圧縮機(41,42) が劣化したものと判断する。この判別の結果、圧縮機(41,42) が劣化していないと判断されたときはステップST3に戻り、さらに所定期間が経過したときに圧縮機(41,42) の劣化を繰り返し判別する。

0094

なお、装置(10)を据え付けてから最初に圧縮機(41,42) の劣化を判別するまでの期間と、その後に判別を行うまでの期間は必ずしも同じにする必要はない。つまり、据付当初は圧縮機(41,42) の劣化が生じにくいことから判別までの期間は長くてもよく、時間が経過するほど圧縮機(41,42) の劣化が発生しやすくなることから、その期間を短くするとよい。

0095

また、圧縮機(41,42) の劣化判断は、2台のうちの一方でも劣化していれば圧縮機ユニット(40)としての劣化と判断してよいが、より詳細な情報を必要とする場合などは、劣化した圧縮機を特定することも可能である。

0096

つまり、第2圧縮機(42)だけを運転している場合にポリトロープ指数n’の初期値nに対する変化が小さく、圧縮機(41,42) を2台とも運転している場合にその変化が大きくなると、第1圧縮機(41)が劣化している可能性が大きいと判断できる。逆に、第2圧縮機(42)だけで運転しているときのポリトロープ指数n’の変化が十分に大きく、2台とも運転しても変化の度合いがあまり変わらなければ、第2圧縮機(42)が劣化していると判断できる。さらに、第2圧縮機(42)だけで運転したときのポリトロープ指数n’の変化が十分に大きく、2台で運転すると変化の量がさらに大きくなる場合は、圧縮機(41,42) が2台とも劣化していると判断できる。

0097

一方、以上のようにして圧縮機(41,42) が劣化していることを確認すると、ステップST6へ進み、圧縮機(41,42) が劣化していることを出力する。この出力ステップとしては、例えば、圧縮機(41,42) の更新時期が来ていることを視覚的に表示してもよいし、警告音を発してもよい。また、本実施形態の空調機(10)をビル用の空気調和システムで複数設置する場合などは、この出力を集中管理して、どの冷媒回路(15)の圧縮機(41,42) が劣化しているかを認識することで、更新などの手続きを進めることができる。

0098

このようなシステムをさらに発展させると、複数のビルの空調システムを通信回線を介して接続して集中管理し、どのビルで圧縮機(41,42) の更新が必要となっているかを管理者側(外部)で判断することも可能となる。

0099

−実施形態の効果−
本実施形態によれば、据付当初のポリトロープ指数nと、据付から所定期間が経過したときのポリトロープ指数n’とを比較するようにしている。そして、ポリトロープ指数nが圧縮機(41,42) に固有の値であり、時間が経過しても本来は変化しない値であることから、この値nが経年変化していると、その変化の程度から圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかを判断できる。したがって、圧縮機(41,42) の更新時期の判断も可能となり、故障などの異常が発生する前に圧縮機(41,42) を交換することが可能となる。

0100

特に、上記実施形態では、据付から所定期間が経過する毎にポリトロープ指数n’を算出して据付当初のポリトロープ指数nと比較している。したがって、圧縮機(41,42) が劣化しているかどうかを所定期間毎に繰り返し判別できるので、更新時期になっているかどうかも所定期間毎に判断でき、劣化の進行状況を把握しながら故障などの異常の発生を未然に防ぐことができる。

0101

また、図2のモリエル線図にも示しているように、圧縮機(41,42) が劣化すると入力が増加することから、消費電力の増大によるコストアップにつながるが、圧縮機(41,42) を適切な時期に更新することで圧縮機入力初期状態まで戻せるため、消費電力を低減することも可能となる。

0102

また、空調機(10)が備えている各センサ(73〜76)の検出値(圧縮機吸入温度、圧縮機吸入圧力、圧縮機吐出温度、及び圧縮機吐出圧力)に基づいてポリトロープ指数n、n’を算出し、これらの値を比較しているので、圧縮機(41,42) の劣化判断を行う装置を容易に実用化できる。

0103

本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。

0104

例えば、上記実施形態は、空調機(10)において圧縮機(41,42) の劣化を検出するようにした例であるが、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置であれば、空調機以外であっても本発明を適用して圧縮機(41,42) の劣化と更新時期を検出することは可能である。

0105

また、上記実施形態では、ポリトロープ指数から圧縮機(41,42) の劣化を判断するようにしているが、少なくとも圧縮機吸入温度と、ポリトロープ指数以外の値で、少なくとも圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とを変数とする関数から求められる値の経時変化に基づいて圧縮機(41,42) の劣化判断を行うようにしてもよい。

0106

また、圧縮機(41,42) の吸入側と吐出側の温度及び圧力の所定のモリエル線図における関係を予め記憶しておき、所定期間運転後のこれらの値が、記憶したマップ上の値からずれているときに、圧縮機(41,42) が劣化していると判断するようにしてもよい。

0107

また、圧縮機(41,42) の劣化判断は、据付時に対する値の変化に限らず、製造時に対する値の変化に基づいて行ってもよいし、圧縮機(41,42) の機種毎に設定される所定値を基準として行ってもよい。

0108

さらに、上記実施形態では据付時などの基準値に対するポリトロープ指数の変化などから圧縮機(41,42) の劣化を判断しているが、基準値を設けず、ポリトロープ指数などの値が所定値になったときに圧縮機(41,42) が劣化していると判断するようにしてもよい。

0109

以上要するに、本発明においては、圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とに基づいて、圧縮機(41,42) の劣化を判断するようになっていればよい。

図面の簡単な説明

0110

図1本発明の実施形態に係る空調機の冷媒回路図である。
図2図1の空調機の据付当初と所定期間経過後の運転状態の変化を示すモリエル線図である。
図3圧縮機の劣化判定を行うフローチャートである。

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