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技術 パルス光を用いた食品の殺菌装置と殺菌方法ならびに殺菌用パルス光発生器

出願人 食肉生産技術研究組合
発明者 藤村勲鈴木周一日野照夫田中博
出願日 2000年11月7日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-339038
公開日 2002年5月21日 (18年7ヶ月経過) 公開番号 2002-142737
状態 特許登録済
技術分野 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く)
主要キーワード 標準間隔 補助架台 回転ねじ軸 半円筒型 単位照射 傾斜角度情報 最上位位置 遮光物体
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図面 (12)

課題

縦長に配置された食品露出面を極力均一に照射し、食品に変化を与えない低コストパルス光を用いた食品の殺菌装置と殺菌方法を提供する。

解決手段

ハンガー183に一端を固定された懸垂状態枝肉191が開放された搬入側の扉111部分を経由して殺菌室110の中央部まで搬送されて停止すると、扉111を閉鎖し、パルス光発生ランプ122を発光させると同時に最上位位置に設定されたパルス光発生部121を下降させる。パルス光発生部121が最下端に到達するとパルス光発生ランプ122を消灯するとともに下降を停止する。必要により引き続きパルス光発生ランプ122を発光させながらパルス光発生部121を上昇させ、必要な回数下降・上昇を繰り返してもよい。昇降速度は一定としてもよいが可変速として対象となる牛枝肉191の大きさや形状により変化させてもよい。

概要

背景

食品の殺菌には加熱殺菌が広く用いられ、特に殺菌温度以上の温水蒸気を用いて加熱する方法が多く用いられており、例えば枝肉のような食品の殺菌においても蒸気式殺菌方法バス式の殺菌方法、温水噴射式の殺菌方法が用いられている。しかし、これらの温水や蒸気を用いる殺菌方法では温水や蒸気が直接食品に触れるため廃水処理を必要とするという問題があった。

水を使用しない乾式の殺菌方法としては、紫外光照射を利用する方法が知られている。細菌などの微生物細胞膜内に存在するDNAの光吸収スペクトルが260nm付近に存在するため、細菌などの微生物に紫外光を照射することによって、微生物の細胞内のDNA鎖構造に変化を生じ、同一DNA分子鎖上で隣り合うチミン塩基が2個反応してチミン量体を生成することによって死滅に至るとされている。最も殺菌効果の高い波長領域は250〜260nm付近の光であり、近紫外光(300〜400nm)の1,000〜10,000倍、可視光(400〜700nm)の10,000〜100,000倍の効果があるといわれている。

一方、原生動物に一定量の同じ紫外光を照射するとき、連続して与えるよりも閃光として与えて、閃光のすぐ次に暗黒時間があるようにする方が単位照射当りの作用が大きいことを利用して、強度がパルス状に変調された光のビームであるパルス光を用いた殺菌技術も周知となっており、食品表面の殺菌についても1996年8月には、米国FDA食品添加物規則改定し、食品表面の微生物殺菌を目的としたパルス光の照射を認可している。このパルス光の特徴は、ごく短時間に極めて大きな光量を放出する点にあり、その瞬間発光出力は従来の殺菌灯に比べて104〜107倍あるといわれている。また、発光時間は、一般に10-4〜10-7秒程度の極めて短い時間幅であり、殺菌に有効な250〜260nm付近の遠紫外光を豊富に含んでいる。

概要

縦長に配置された食品の露出面を極力均一に照射し、食品に変化を与えない低コストなパルス光を用いた食品の殺菌装置と殺菌方法を提供する。

ハンガー183に一端を固定された懸垂状態枝肉191が開放された搬入側の扉111部分を経由して殺菌室110の中央部まで搬送されて停止すると、扉111を閉鎖し、パルス光発生ランプ122を発光させると同時に最上位位置に設定されたパルス光発生部121を下降させる。パルス光発生部121が最下端に到達するとパルス光発生ランプ122を消灯するとともに下降を停止する。必要により引き続きパルス光発生ランプ122を発光させながらパルス光発生部121を上昇させ、必要な回数下降・上昇を繰り返してもよい。昇降速度は一定としてもよいが可変速として対象となる牛枝肉191の大きさや形状により変化させてもよい。

目的

本発明の目的は、縦長に配置された食品の露出面を極力均一に照射し、食品に変化を与えない低コストなパルス光を用いた食品の殺菌装置と殺菌方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

縦長に配置された食品露出面を殺菌するためのパルス光を用いた食品の殺菌装置であって、前記食品の搬入搬出のための扉を備え、パルス光を室外に対して遮光する壁面を有する殺菌室と、搬入された前記食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部と、前記パルス光発生部を保持し、所定の移動動作を行わせるパルス光発生部操作機構と、前記パルス光発生部と前記パルス光発生部操作機構とを制御する制御部と、を有することを特徴とするパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項2

前記パルス光発生部操作機構の移動動作は、前記パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して設定された速度での前記パルス光発生部の上下移動である、請求項1に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項3

前記パルス光発生部操作機構の移動動作は、前記制御部が記憶する前記パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置における前記パルス光発光ランプと食品表面との標準間隔に対応する速度での前記パルス光発生部の上下移動である、請求項2に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項4

前記パルス光発生部操作機構は前記パルス光発光ランプと食品表面との間隔を計測する距離センサを有し、前記パルス光発生部操作機構の移動動作は、前記制御部が前記距離センサの計測情報に基づいて算出した速度での前記パルス光発生部の上下移動である、請求項1に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項5

前記パルス光発生部操作機構の移動動作は、前記パルス光発生部の設定された速度での上下移動と、前記制御部が記憶するパルス光発生部の上下間のそれぞれの位置における前記パルス光発光ランプと食品表面との標準間隔に対応して該パルス光発光ランプと食品表面との間隔を一定に保持するための水平方向の移動の組み合わせである、請求項1に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項6

前記パルス光発生部操作機構は前記パルス光発光ランプと食品表面との間隔を計測する距離センサを有し、前記パルス光発生部操作機構の移動動作は、前記パルス光発生部の設定された速度での上下移動と、前記制御部が前記距離センサの計測情報に基づいて算出した前記パルス光発光ランプと食品表面との間隔を一定に保持するための水平方向の移動との組み合わせである、請求項1に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項7

前記パルス光発生部のパルス光投射方向が水平方向である、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項8

前記パルス光発生部の上下方向の移動に際して、前記パルス光発生部のパルス光投射方向が、水平方向と、上方45度以内の所定の角度と、下方45度以内の所定の角度とのいずれかに設定可能である、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項9

前記パルス光発生部の上下方向の移動に際しての前記パルス光発生部のパルス光投射方向が、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して前記制御部が記憶する上下方向の所定の角度での首振りに設定可能である、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項10

前記パルス光発生部操作機構は、前記パルス光発生部の上下方向の移動に際して、該パルス光発生部を食品を中心として水平方向に回転可能である、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項11

前記殺菌室の壁面の内面は、パルス光を反射するミラー仕上げとなっている、請求項1に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項12

前記食品が懸垂された枝肉である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌装置。

請求項13

殺菌室の中に縦長に配置された食品の露出面を殺菌するためのパルス光を用いた食品の殺菌方法であって、前記食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部を、パルス光を水平方向に投射しながら前記食品の一端から他端までを1回以上上下方向に移動させる、ことを特徴とするパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項14

殺菌室の中に縦長に配置された食品の露出面を殺菌するためのパルス光を用いた食品の殺菌方法であって、前記食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部を、パルス光を水平方向に投射しながら行われる前記食品の一端から他端までの上昇および下降のいずれかの移動と、パルス光を上方45度以内の所定の角度で投射しながら行われる前記食品の下端から上端までの上昇移動と、パルス光を下方45度以内の所定の角度で投射しながら行われる前記食品の上端から下端までの下降移動との組み合わせで上下移動させる、ことを特徴とするパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項15

殺菌室の中に縦長に配置された食品の露出面を殺菌するためのパルス光を用いた食品の殺菌方法であって、前記食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部を上下方向に移動させるとともに、前記パルス光発生部のパルス光投射方向を、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して前記制御部が記憶する所定の角度で上下方向に首振りさせることを特徴とするパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項16

前記パルス発光部の上下移動の速度が、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して前記制御部が記憶する所定の速度である、請求項13から請求項15の何れか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項17

前記パルス発光部の上下移動の速度が、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置における前記パルス光発光ランプと食品表面との標準間隔および距離センサで計測された実際の間隔のいずれかに対応する速度である、請求項16に記載のパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項18

前記パルス発光部は、該パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して前記制御部が記憶する所定の速度で上下移動するとともに、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置における前記パルス光発光ランプと食品表面との標準間隔および距離センサで計測された実際の間隔のいずれかに対応して前記パルス光発光ランプと食品表面との間隔を一定に保持するために水平方向の移動を行う、請求項13または請求項14に記載のパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項19

前記パルス光発生部の上下方向の移動とともに、該パルス光発生部を食品を中心として水平方向に回転させる、請求項13から請求項18の何れか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項20

前記食品が懸垂された枝肉である、請求項13から請求項19のいずれか1項に記載のパルス光を用いた食品の殺菌方法。

請求項21

食品の殺菌装置のパルス光発生部として食品の殺菌に用いられるパルス光発生器であって、該パルス光発生器は、パルス光発生ランプと、該パルス光発生ランプを格納するケーシングと、反射鏡と、ケーシングに設けられた出力窓とを備え、前記反射鏡における反射条件と前記出力窓における透過条件とによりパルス光発生ランプの放射光のうち、400nmから2600nmの波長範囲の放射光の少なくとも50%、好ましくは90%以上が除去される、ことを特徴とする殺菌用パルス光発生器。

請求項22

前記出力窓には、前記パルス光発生ランプの放射光のうち、400nm以下の紫外域光を透過し、400nmから2600nmの波長範囲の放射光の10%以上を吸収・反射し、400nmから1100nmの波長範囲の放射光の50%、好ましくは90%以上を吸収・反射するフイルターが設けられている、請求項21に記載の殺菌用パルス光発生器。

請求項23

前記反射鏡が、食品表面との距離による照射面積の変化や照射強度の変化を最小化するために前記パルス光発生ランプの放射光を平行状態に反射するための半円形放物面反射鏡である、請求項21に記載の殺菌用パルス光発生器。

請求項24

前記半円形型放物面反射鏡には、パルス光発生ランプの放射光のうち、400nmから2600nmの波長範囲の放射光の少なくとも50%、好ましくは90%以上を吸収または透過させるための誘導体多層膜が配設されている、請求項23に記載の殺菌用パルス光発生器。

請求項25

前記半円形型放物面反射鏡の裏面側には、前記誘導体多層膜を透過して前記ケーシングで反射した放射光が再度該誘導体多層膜と前記出力窓を経由して外部に放射されることを防止するための黒色吸収体が配設されている、請求項23または請求項24に記載の殺菌用パルス光発生器。

請求項26

前記黒色吸収体は、カーボン板黒色塗装された金属板、および黒色アルマイト処理された金属板のいずれかである、請求項24に記載の殺菌用パルス光発生器。

技術分野

0001

本発明はパルス光を用いた食品殺菌装置と殺菌方法ならびに殺菌用パルス光発生器に関し、特に縦長に配置された食品の露出面を殺菌するためのパルス光を用いた食品の殺菌装置と殺菌方法に関する。

背景技術

0002

食品の殺菌には加熱殺菌が広く用いられ、特に殺菌温度以上の温水蒸気を用いて加熱する方法が多く用いられており、例えば枝肉のような食品の殺菌においても蒸気式殺菌方法バス式の殺菌方法、温水噴射式の殺菌方法が用いられている。しかし、これらの温水や蒸気を用いる殺菌方法では温水や蒸気が直接食品に触れるため廃水処理を必要とするという問題があった。

0003

水を使用しない乾式の殺菌方法としては、紫外光照射を利用する方法が知られている。細菌などの微生物細胞膜内に存在するDNAの光吸収スペクトルが260nm付近に存在するため、細菌などの微生物に紫外光を照射することによって、微生物の細胞内のDNA鎖構造に変化を生じ、同一DNA分子鎖上で隣り合うチミン塩基が2個反応してチミン量体を生成することによって死滅に至るとされている。最も殺菌効果の高い波長領域は250〜260nm付近の光であり、近紫外光(300〜400nm)の1,000〜10,000倍、可視光(400〜700nm)の10,000〜100,000倍の効果があるといわれている。

0004

一方、原生動物に一定量の同じ紫外光を照射するとき、連続して与えるよりも閃光として与えて、閃光のすぐ次に暗黒時間があるようにする方が単位照射当りの作用が大きいことを利用して、強度がパルス状に変調された光のビームであるパルス光を用いた殺菌技術も周知となっており、食品表面の殺菌についても1996年8月には、米国FDA食品添加物規則改定し、食品表面の微生物殺菌を目的としたパルス光の照射を認可している。このパルス光の特徴は、ごく短時間に極めて大きな光量を放出する点にあり、その瞬間発光出力は従来の殺菌灯に比べて104〜107倍あるといわれている。また、発光時間は、一般に10-4〜10-7秒程度の極めて短い時間幅であり、殺菌に有効な250〜260nm付近の遠紫外光を豊富に含んでいる。

発明が解決しようとする課題

0005

このように尖頭出力がきわめて高く、遠紫外光を豊富に含むパルス光を光源とする殺菌装置を製作すれば、短い処理時間で高い殺菌効果を得られることが容易に想像される。しかし、次のような問題点があって実用に供されるパルス光殺菌装置は少なく、食品関係では一部に飲料水などの液体食品容器への実施例が数例あるに止まっている。
1)食品の形状や部位により、到達パルス光量に極端な違いが生ずるため、表面に凹凸のある食品には不適である。
2)食品表面の全部位にわたり、均一な照射が困難であり殺菌効果の確実性欠ける。
3)パルス光発生ランプ1本で照射できる殺菌に有効な面積は、パルス光発生ランプの構造や寿命からくる入力エネルギーにより制限を受ける。また、パルス光発生ランプや電源は、一般的に殺菌灯と比べるとイニシャルコストが高い。従って、食品全面を殺菌しようとする場合、パルス光発生ランプ1本では照射位置を変えて照射せねばならず、処理に時間がかかりすぎる。また、照射位置を変えずに処理時間を短くするには、1本のパルス光発生ランプによる照射面積を大きくするために、パルス光発生ランプの入力エネルギーを大きくするしかなく、イニシャルコストが高くなってしまうというディレンマに陥る。
4)パルス光発生ランプからは、紫外光に比べて殺菌効果の薄い可視光、赤外光放射されており、殺菌効果を確実なものとするために照射回数を増やした場合に、これらの光線によって熱による食品表面の変色、食味の変化、溶解を生ずるなどの問題がある。
5)人体にとっても有害な紫外光と極めて強力な閃光を伴うために、パルス光照射に際して完全な遮光を行う必要がある。

0006

本発明の目的は、縦長に配置された食品の露出面を極力均一に照射し、食品に変化を与えない低コストなパルス光を用いた食品の殺菌装置と殺菌方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明のパルス光を用いた食品の殺菌装置は、縦長に配置された食品の露出面を殺菌するためのパルス光を用いた食品の殺菌装置であって、食品の搬入搬出のための扉を備え、パルス光を室外に対して遮光する壁面を有する殺菌室と、搬入された食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部と、パルス光発生部を保持し、所定の移動動作を行わせるパルス光発生部操作機構と、パルス光発生部とパルス光発生部操作機構とを制御する制御部とを有する。

0008

パルス光発生部操作機構の移動動作は、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して設定された速度でのパルス光発生部の上下移動であってもよく、制御部が記憶するパルス光発生部の上下間のそれぞれの位置におけるパルス光発光ランプと食品表面との標準間隔に対応する速度でのパルス光発生部の上下移動であってもよく、パルス光発生部の設定された速度での上下移動と、制御部が記憶するパルス光発生部の上下間のそれぞれの位置におけるパルス光発光ランプと食品表面との標準間隔に対応してそのパルス光発光ランプと食品表面との間隔を一定に保持するための水平方向の移動の組み合わせであってもよい。

0009

パルス光発生部操作機構はパルス光発光ランプと食品表面との間隔を計測する距離センサを有し、パルス光発生部操作機構の移動動作は、制御部が距離センサの計測情報に基づいて算出した速度でのパルス光発生部の上下移動であってもよく、パルス光発生部の設定された速度での上下移動と、制御部が距離センサの計測情報に基づいて算出したパルス光発光ランプと食品表面との間隔を一定に保持するための水平方向の移動との組み合わせであってもよい。

0010

パルス光発生部のパルス光投射方向が水平方向であってもよく、パルス光発生部の上下方向の移動に際して、パルス光発生部のパルス光投射方向が、水平方向と、上方45度以内の所定の角度と、下方45度以内の所定の角度とのいずれかに設定可能であってもよく、パルス光発生部の上下方向の移動に際してのパルス光発生部のパルス光投射方向が、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して制御部が記憶する上下方向の所定の角度での首振りに設定可能であってもよく、パルス光発生部操作機構は、パルス光発生部の上下方向の移動に際して、そのパルス光発生部を食品を中心として水平方向に回転可能であってもよい。

0011

殺菌室の壁面の内面は、パルス光を反射するミラー仕上げとなっていてもよく、食品が懸垂された枝肉であてもよい。

0012

本発明のパルス光を用いた食品の殺菌方法は、殺菌室の中に縦長に配置された食品の露出面を殺菌するためのパルス光を用いた食品の殺菌方法であって、食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部を、パルス光を水平方向に投射しながら食品の一端から他端までを1回以上上下方向に移動させる。

0013

他の形態では、食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部を、パルス光を水平方向に投射しながら行われる食品の一端から他端までの上昇および下降のいずれかの移動と、パルス光を上方45度以内の所定の角度で投射しながら行われる食品の下端から上端までの上昇移動と、パルス光を下方45度以内の所定の角度で投射しながら行われる食品の上端から下端までの下降移動との組み合わせで上下移動させる。

0014

また他の形態では、食品を取り囲むように配置され、パルス光発光ランプを有する複数のパルス光発生部を上下方向に移動させるとともに、パルス光発生部のパルス光投射方向を、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して制御部が記憶する所定の角度で上下方向に首振りさせる。

0015

パルス発光部の上下移動の速度が、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して制御部が記憶する所定の速度であってもよく、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置におけるパルス光発光ランプと食品表面との標準間隔および距離センサで計測された実際の間隔のいずれかに対応する速度であってもよい。

0016

パルス発光部は、そのパルス光発生部の上下間のそれぞれの位置に対応して制御部が記憶する所定の速度で上下移動するとともに、パルス光発生部の上下間のそれぞれの位置におけるパルス光発光ランプと食品表面との標準間隔および距離センサで計測された実際の間隔のいずれかに対応してパルス光発光ランプと食品表面との間隔を一定に保持するために水平方向の移動を行ってもよく、パルス光発生部の上下方向の移動とともに、そのパルス光発生部を食品を中心として水平方向に回転させてもよい。

0017

本発明の殺菌用パルス光発生器は、食品の殺菌装置のパルス光発生部として食品の殺菌に用いられるパルス光発生器であって、そのパルス光発生器は、パルス光発生ランプと、そのパルス光発生ランプを格納するケーシングと、反射鏡と、ケーシングに設けられた出力窓とを備え、反射鏡における反射条件と出力窓における透過条件とによりパルス光発生ランプの放射光のうち、400nmから2600nmの波長範囲の放射光の少なくとも50%、好ましくは90%以上が除去される。

0018

出力窓には、パルス光発生ランプの放射光のうち、400nm以下の紫外域光を透過し、400nmから2600nmの波長範囲の放射光の10%以上を吸収・反射し、400nmから1100nmの波長範囲の放射光の50%、好ましくは90%以上を吸収・反射するフイルターが設けられていてもよい。

0019

反射鏡が、食品表面との距離による照射面積の変化や照射強度の変化を最小化するためにパルス光発生ランプの放射光を平行状態に反射するための半円形放物面反射鏡であってもよく、半円形型放物面反射鏡には、パルス光発生ランプの放射光のうち、400nmから2600nmの波長範囲の放射光の少なくとも50%、好ましくは90%以上を吸収または透過させるための誘導体多層膜が配設されていてもよく、半円形型放物面反射鏡の裏面側には、誘導体多層膜を透過してケーシングで反射した放射光が再度その誘導体多層膜と出力窓を経由して外部に放射されることを防止するための黒色吸収体が配設されていてもよく、その黒色吸収体は、カーボン板黒色塗装された金属板、および黒色アルマイト処理された金属板のいずれかであってもよい。

発明を実施するための最良の形態

0020

次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的側面断面図であり、図2は本発明の第1の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的部分断面正面図であり、図3は本発明の第1の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的上面断面図である。

0021

第1の実施の形態では食品を枝肉191とし、パルス光発生部121を水平方向には固定して上下方向にのみ移動させる。殺菌室110は覗き窓113を有する遮光壁112と搬入・搬出用のそれぞれの扉111とを有する箱型の構造となっている。遮光壁112および扉111の内面は反射光を有効に利用するためにミラー仕上げとなっていることが望ましい。牛枝肉191はガイドレール181内のローラ182に取り付けられたハンガー183に一端を固定され懸垂状態開放された搬入側の扉111部分を経由して殺菌室110の中央部まで搬送されて停止する。

0022

パルス光発生ランプ122と反射板投射窓とを有する6組のパルス光発生部121は中央部の牛枝肉を取り巻く形で六角形状に配置されている。パルス光発生部121は3組ずつに分かれ、それぞれが架台131に固定されている。架台131は垂直に配設されたスライドガイド172のスライダ173に固定されチェーン135により上方から保持されている。スライドガイド172は殺菌室110の床板に固定された垂直な支柱171に固定されている。チェーン135は巻き取りリール132を経由して支柱171内に懸垂されたカウンタウエイト134に接続されていいる。巻き取りリール132は昇降用モータ133で駆動され昇降用モータ133の回転の制御により架台131に固定された3組のパルス光発生部121は所望の速度で昇降する。通常6組のパルス光発生部121が同時に昇降する。

0023

パルス光発生部121を最上位位置に設定した後、ガイドレール181内のローラ182に取り付けられたハンガー183に一端を固定された懸垂状態の牛枝肉191が開放された搬入側の扉111部分を経由して殺菌室110の中央部まで搬送されて停止すると、扉111を閉鎖し、パルス光発生ランプ122を発光させると同時にパルス光発生部121を下降させる。パルス光発生部121が最下端に到達するとパルス光発生ランプ122を消灯するとともに下降を停止する。必要により引き続きパルス光発生ランプ122を発光させながらパルス光発生部121を上昇させ、必要な回数下降・上昇を繰り返してもよい。

0024

昇降速度は一定としてもよいが可変速として対象となる牛枝肉191の大きさや形状により変化させてもよく、また上下間のそれぞれの位置におけるパルス光発生部121と牛枝肉191との距離を予め推定して各位置における望ましい速度を制御部に記憶させてその速度となるように自動的に制御してもよく、標準的な牛枝肉191にパルス光を投射しながら手動で速度を制御し制御部に速度情報として記憶させておいてもよい。またパルス光発生部121に距離センサを設け、計測された距離情報から制御部で希望速度を算出させて制御してもよい。

0025

パルス光発生ランプは公知のものが用いられるが、例えば、発光の半値幅は約10μ秒〜約10m秒であり、食品表面における400nm以下の紫外光エネルギー密度は約0.001〜約5J/cm2 ・ショットであり、パルス間隔は1秒以下でそれぞれが分離されているクセノンフラッシュランプなどが用いられ、複数のパルス光発生ランプは同じタイミングで発光する。パルス光発生ランプの移動速度は食品表面の一部位における積算照射回数が少なくとも2〜50回程度となるように設定される。

0026

図4は本発明の第2の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置のパルス光発生装置と架台近傍の模式的部分斜視図である。第2の実施の形態はパルス光発生部221が上下方向に傾斜可能である以外は図1図3を参照して説明した第1の実施の形態と同じなので上下方向の傾斜機構以外は説明は省略する。図4では傾斜機構の説明のため中央部のパルス光発生部221とその上下方向傾斜用補助架台241とは取り外した状態で示しているが、すべてのパルス光発生部221と上下方向傾斜用補助架台241とは同じ構造である。

0027

第1の実施の形態で直接架台231に固定されていたパルス光発生部221は、第2の実施の形態では上下傾斜用補助架台241を介して架台231に取り付けられている。パルス光発生部221は両側側面中央部が上下傾斜用補助架台241に軸止されており、片方の軸が駆動機構243を介して上下傾斜用ロータリアクチュエータ242によって駆動されることにより上下方向に傾斜する。傾斜角度は任意に設定できるが上下45度以下が望ましい。

0028

第1の実施の形態ではパルス光を水平方向に投射しながら上下したが、第2の実施の形態では最初の下降時にはパルス光は水平方向に投射し、次にはパルス光を上方向に投射しながら上昇し、次にはパルス光を下方向に投射しながら下降し、パルス光の照射を停止してパルス光の投射方向を水平に戻して上昇して最初の状態に戻してもよい。

0029

またそれぞれの上下位置におけるパルス光発生部221に対する牛枝肉191表面の角度を予め推定してパルス光が牛枝肉191表面に垂直に照射されるように各位置における望ましい角度を制御部に記憶させてその角度となるように自動的に制御してもよく、標準的な牛枝肉191にパルス光を投射しながら手動で角度を制御し制御部に角度情報として記憶させておいてもよい。このように投射角度を制御することで1回の上昇または下降で良好な殺菌効果を得ることが可能となる。さらに各パルス光発生部221の角度を独立して制御すれば一層良好な殺菌効果を得ることが可能となる。

0030

図5は本発明の第3の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置のパルス光発生装置と架台近傍の模式的部分図であり、(a)は模式的部分上面図、(b)は模式的部分正面図である。第3の実施の形態はパルス光発生部321が水平方向に移動可能である以外は図1図4を参照して説明した第1および第2の実施の形態と同じなので水平方向の移動機構以外の説明は省略する。

0031

第1と第2の実施の形態の架台131、231は、第3の実施の形態では互いに回動可能に軸止された架台331と旋回用補助架台351との組み合わせで構成され、架台331が第1と第2の実施の形態と同様に架台331に固定されたスライダ373を介してスライドガイド372上を摺動してパルス光発生部を上下させる。第2の実施の形態では架台231に固定されていた左右のパルス光発生部321の上下傾斜用補助架台341が旋回用補助架台351に回動可能に軸止される。旋回用補助架台351は架台331に取り付けられた旋回用第1ロータリアクチュエータ352により駆動機構353を介して回動され、旋回用補助架台351と上下傾斜用補助架台341との軸止点が殺菌室110の中心に向けて近接あるいは遠離する。上下傾斜用補助架台341は旋回用補助架台351に取り付けられた旋回用第2ロータリアクチュエータ354により駆動機構355を介して回動され、パルス光発生部321の殺菌室110の中心に対する角度が変化する。従って旋回用第1ロータリアクチュエータ352と旋回用第2ロータリアクチュエータ354を制御することにより両側のパルス光発生部321の牛枝肉191との距離と対向する表面に対する角度とを制御できる。

0032

中央のパルス光発生部321の上下傾斜用補助架台344は架台331上のスライドレール361に沿って摺動可能であり、一端を架台331に固定されたリニアアクチュエータ362により前後に移動する。従って中央のパルス光発生部321の牛枝肉191との距離を調整することができる。本実施の形態では中央のパルス光発生部321の旋回は行わないこととなっているが、左右のパルス光発生部321と類似の旋回用移動架台をスライドレール361上を摺動させ上下傾斜用補助架台344を旋回用第2ロータリアクチュエータで駆動することにより旋回させることができる。

0033

上下間のそれぞれの位置におけるパルス光発生部121の基準位置と牛枝肉191との距離および牛枝肉191の表面の殺菌室110の中心に対する角度を予め推定して各位置における望ましい距離までの基準位置からの移動距離およびパルス光発生部121の望ましい角度を制御部に記憶させてその距離と角度となるように水平方向の移動および旋回角度を自動的に制御してもよく、標準的な牛枝肉191にパルス光を投射しながら手動で移動距離および旋回角度を制御し制御部に移動および旋回情報として記憶させておいてもよい。またパルス光発生部121に距離センサを設け、計測された距離情報から制御部で水平方向の移動距離および旋回角度を算出させて制御してもよい。

0034

図6は本発明の第4の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的側面断面図である。第4の実施の形態では図1図3を参照して説明した第1の実施の形態のパルス光発生部操作機構をすべて一つのターンテーブル481に搭載し、パルス光を照射中のパルス光発生部操作機構を不図示の回転機構で回転させる。パルス光発生部操作機構を回転させることによりパルス光発生部421の水平方向の不連続性に起因する照射むらを防止することができる。

0035

第4の実施の形態は第1の実施の形態のパルス光発生部操作機構をすべて一つのターンテーブル481に搭載することとしたが第2および第3の実施の形態のパルス光発生部操作機構をすべて一つのターンテーブル481に搭載してもよい。何れの場合もパルス光発生部421が殺菌室中心を中心として回転することを除いてはそれぞれの実施の形態と同じなので説明を省略する。

0036

ターンテーブルを回転させる代わりに牛枝肉491を懸垂するハンガー483に回転機構を設け、パルス光発生部操作機構はそのままで牛枝肉491を回転させてもよい。

0037

これまでの、説明ではパルス発生部は6個としたがこれに拘束されるものではなく使用形態により増加させても減少させてもよい。

0038

また、牛枝肉を対象として説明したが他の家畜の枝肉でもよく、外側全体の殺菌を必要とする食品であれば適用が可能である。牛枝肉を懸垂して搬送する方法で説明したが、縦長に配置できれば台車を用いてもよい。また、円筒形に配置された多段を有する台車の棚に食品の殺菌面を外に向けて搭載して殺菌することもできる。また、非包装の食品のみならず包装された食品に適用してもよい。包装材の表面の殺菌が可能であり、紫外光透過性を有する包装材であれば、内部の食品の表面の殺菌も可能である。

0039

さらに、各部の駆動をロータリアクチュエータやリニアアクチュエータで行うこととしているがこれに拘束されるものではなく、所定の動作が実行できれば公知のメカトロニクス技術を適用して行ってかまわない。例えばパルス光発生部の昇降をチェーンを用いた吊り下げで行っていいるが固定ナット回転ねじ軸との組み合わせで行ってもよい。

0040

次に本発明のパルス光を用いた食品の殺菌装置の動作についてフローチャートを用いて総括して説明する。図7は本発明のパルス光を用いた食品の殺菌装置の動作のフローチャートである。

0041

処理を開始すると(S101)、入口扉を開き(S102)、処理対象を搬入し(S103)、入口扉を閉じ(S104)、ターンテーブルを回転させないのならステップ110に進み(S105N)、ターンテーブルを回転させるのならば(S105Y)、ターンテーブルを回転させてステップ110に進む(S106)。

0042

ステップ110で、パルス光発生部の単なる上昇下降のみでなければ(S110N)、ステップ130に進む。パルス光発生部の単なる上昇下降のみでよければ(S110Y)、パルス光発生部を点灯させて所定の速度で下降させる(S111)。照射を繰り返すのでなければ(S112N)、ステップ120に進む。照射を繰り返すのであれば(S112Y)、パルス光発生部を点灯させて所定の速度で上昇させる(S113)。さらに照射を繰り返すのでなければ(S114N)、ステップ161に進み、照射を繰り返すのであれば(S114Y)、ステップS111に戻って、パルス光発生部を点灯させて所定の速度で下降させる。

0043

ステップ120で、パルス光発生部を傾斜させた照射を行わないのであればステップS113に進み、パルス光を消灯してパルス光発生部を上昇させてステップ161に進み(S120N)、パルス光発生部を傾斜させた照射を行うのであれば(S120Y)、パルス光発生部を上向きとし点灯させて所定の速度で上昇させ(S121)、次にパルス光発生部を下向きとし点灯させて所定の速度で下降させ(S122)、パルス光発生部を水平とし消灯させて上昇させて(S123)、ステップ161に進む。

0044

ステップ130では、昇降速度の速度制御をしないのあればステップ140に進み(S130N)、昇降速度の速度制御を行うのあれば(S130Y)、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた速度情報、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応する速度で速度を変化させながら下降させる(S131)。照射を繰り返すのでなければ(S132N)、パルス光発生部を消灯して上昇させて(S135)、ステップ161に進む。照射を繰り返すのであれば(S132Y)、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた速度情報、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応する速度で速度を変化させながら上昇させる(S133)。さらに照射を繰り返すのでなければ(S134N)、ステップ161に進み、照射を繰り返すのであれば(S134Y)、ステップS131に戻って、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた速度情報、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応する速度で速度を変化させながら下降させる。

0045

ステップ140では、昇降時にパルス光発生部と対象物表面との間隔制御のみを行うのでなければステップ150に進み(S140N)、昇降時にパルス光発生部と対象物表面との間隔制御のみを行うのであれば(S140Y)、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた間隔、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応するようにパルス光発生部を水平方向に移動させながら下降させる(S141)。照射を繰り返すのでなければ(S142N)、パルス光発生部を消灯して上昇させて(S145)、ステップ161に進む。照射を繰り返すのであれば(S142Y)、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた間隔、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応するようにパルス光発生部を水平方向に移動させながら上昇させる(S143)。さらに照射を繰り返すのでなければ(S144N)、ステップ161に進み、照射を繰り返すのであれば(S144Y)、ステップS141に戻って、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた間隔、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応するようにパルス光発生部を水平方向に移動させながら下降させる。

0046

ステップ150では、昇降時にパルス光発生部と対象物表面との間隔制御とパルス光発生部の角度制御とを併せて行うのでなければステップ161に進み(S150N)、昇降時にパルス光発生部と対象物表面との間隔制御とパルス光発生部の角度制御とを併せて行うのであれば(S150Y)、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた間隔、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応するようにパルス光発生部を水平方向に移動させ、さらに予め記憶させたパルス光発生部の上下傾斜角度情報に従ってパルス光発生部の傾斜角度を制御しながら下降させる(S151)。照射を繰り返すのでなければ(S152N)、パルス光発生部を消灯して上昇させて(S155)、ステップ161に進む。照射を繰り返すのであれば(S152Y)、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた間隔、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応するようにパルス光発生部を水平方向に移動させ、さらに予め記憶させたパルス光発生部の上下傾斜角度情報に従ってパルス光発生部の傾斜角度を制御しながら上昇させる(S153)。さらに照射を繰り返すのでなければ(S154N)、ステップ161に進み、照射を繰り返すのであれば(S154Y)、ステップS151に戻って、パルス光発生部を点灯させて予め記憶させた間隔、あるいは距離センサーで計測した間隔に対応するようにパルス光発生部を水平方向に移動させ、さらに予め記憶させたパルス光発生部の上下傾斜角度情報に従ってパルス光発生部の傾斜角度を制御しながら下降させる。

0047

ステップ161では、ターンテーブルが回転していなければステップ163に進み(S161N)、ターンテーブルが回転していれば(S161Y)、ターンテーブルが回転を止めてステップ163に進む(S162)。ステップ163では、出口扉を開き(S163)、処理対象を搬出し(S164)、出口扉を閉じて(S165)、処理を終了する(S166)。

0048

次に食品の殺菌装置のパルス光発生部として食品の殺菌に用いられる本発明のパルス光発生器について説明する。図8は本発明のパルス光発生器の外径図であり(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面断面図である。

0049

パルス光発生器500は、パルス光発生ランプ501、パルス光発生ランプ501で発光されたパルス光をパルス光発生器500外に放射する出力窓502、パルス光発生ランプ501で発光されたパルス光を出力窓502に向けて反射する反射鏡503、反射鏡503を透過したパルス光を吸収する黒色吸収体504およびケーシング505を備え、パルス光発生ランプ501、反射鏡503、黒色吸収体504は支持部506でケーシング505に保持され、支持部506には吸気口507が設けられている。出力窓502はケーシング505に保持され、ケーシング505には排気口508が設けられている。

0050

出力窓502は誘電体多層膜蒸着した石英板フイルタとして用いられ、反射鏡503は半円筒型放物面を有する反射鏡であり、誘電体多層膜が蒸着されている。

0051

パルス光発生ランプ501は、紫外光、近紫外光を含むパルス光の発生ランプであり、本実施の形態ではクセノンフラッシュランプである。パルス光発生ランプ501の発光の半値幅は約10μ秒から約10m秒で、食品表面における400nm以下の紫外光エネルギー密度は約0.001〜約5J/cm2 −ショットであり、パルス光間隔は1秒以下でそれぞれが分離されているように設定される。複数のパルス光発生ランプ501を使用する場合には、全てを同じタイミングで発光させる。

0052

パルス光発生ランプ501で発光されたパルス光は、出力窓502を介して直接パルス光発生器500外に放射される直接光と、半円筒型放物面を有する反射鏡503で反射された後、出力窓502を介してパルス光発生器500外に放射される反射光とに別れる。

0053

出力窓502を介して直接パルス光発生器500外に放射される直接光は出力窓502のフイルタによって約400nm以下の紫外域光波は透過され、約400nm〜2600nmの波長範囲のパルス光の少なくとも約10%以上が吸収・反射され、かつ波長範囲約400nm〜1100nmのパルス光の少なくとも約50%、通常90%以上が吸収・反射される。

0054

半円筒型放物面を有する反射鏡503で反射された後、出力窓502を介してパルス光発生器500外に放射される反射光は、反射鏡503で主として約400nm以下の紫外域光は反射され、その後は出力窓502によって約400nm以下の紫外域光波は透過され、約400nm〜2600nmの波長範囲のパルス光の少なくとも約10%以上が吸収・反射され、かつ波長範囲約400nm〜1100nmのパルス光の少なくとも約50%、通常90%以上が吸収・反射される。食品表面にはこの直接光と反射光とからなるパルス光が照射される。

0055

図9はパルス光発生ランプ単独のの発光分光スペクトルグラフであり、図10は誘電体多層膜を蒸着した石英板をフイルタとする出力窓と、誘電体多層膜が蒸着されている半円筒型放物面を有する反射鏡とを備えたパルス光発生器からの放射光の分光スペクトルのグラフである。

0056

図9図10のグラフを比較すると殺菌効果の高い約400nm以下の紫外域光が多く放射され、約400nm以上の殺菌効果の弱い可視・赤外光が効率よく遮断されていることが理解される。図11図10の出力窓の分光透過率と反射鏡の分光反射率とを掛け合わせた反射光特性を示すグラフであり、ここでも約400nm以下の紫外域光が多く放射され、約400nm以上の殺菌効果の弱い可視・赤外光が効率よく遮断されることが理解される。

0057

反射鏡503に入射されたパルス光のうち反射されない約400nm以上のパルス光は、多くが反射鏡503に吸収されるが、その一部は透過する。透過した400nm以上の可視・赤外光がパルス光発生器500を構成するケーシング505等の金属部によって反射し、再度反射鏡503を透過して戻ることを防止するため、図8に示すパルス光発生器500は、反射鏡503の裏面側に黒色吸収体504を配置して可視・赤外光を吸収する構成となっている。本実施の形態では黒色吸収体504として黒色アルマイト処理を施したアルミニウム板を用いている。黒色吸収体504はカーボン板、黒色に塗装された金属板であってもよい。本実施の形態では、給気口507から排気口508へ通過する空気によって黒色吸収体504の過熱を防止している。

0058

本発明のパルス光発生器500は誘電体多層膜を施した半円筒型放物面を有する反射鏡503と出力窓502のフイルタとを用いることでパルス光発生ランプの放射のうち殺菌効果が弱い400nm〜2600nmの波長範囲の可視光・赤外光の通常90%以上、少なくとも50%以上を取り除くので、食品表面の加熱を防止し、色味、食味などの観点から食品価値の低下が防止される。

0059

本発明のパルス光を用いた食品の殺菌装置と殺菌方法のパルス光発生部に、上述のパルス光発生器を適用することで、さらに食品表面の加熱が防止され、色味、食味などの観点から食品価値の低下が防止される。

発明の効果

0060

以上説明したように本発明のパルス光を用いた食品の殺菌装置は次のような効果がある。即ち、第1の効果は、表面に凹凸のある食品であっても到達するパルス光量に大きな違いを生ぜず、表面全体に確実な殺菌効果が得られることである。その理由は縦長に配置された食品を取り囲むように配置されたパルス光発生部を上下に移動させるからである。さらに上下の移動速度をパルス光発生部と食品との距離に対応して変化させ、あるいは照射方向を上下に変化させ、あるいはパルス光発生部と食品との距離に対応してパルス光発生部水平方向に移動させ、あるいはパルス光発生部を水平方向に回転させ、必要に応じてそれらを組み合わせることにより更に殺菌効果を確実にすることができる。

0061

第2の効果は、装置のイニシャルコストを低減できることである。その理由はコストの高いパルス光発生ランプを食品を取り囲むように一列だけ設け、それを上下方向に移動させて全体を照射するからである。

0062

第3の効果は、周囲の人体に紫外光による害を与えることなくパルス光を用いた殺菌が行えることである。その理由は、パルス光発生部が完全に遮光物体で覆われているからである。

0063

第4の効果は、副次的な環境対策を行う必要がないので低いコストで食品の殺菌が行えることである。その理由は温水洗浄薬品処理のように排水や廃液の処理を必要としないからである。

0064

第5の効果は、本発明のパルス光発生器を適用することで、さらに食品表面の加熱が防止され、色味、食味などの観点から食品価値の低下が防止されることである。その理由は、誘電体多層膜を施した半円筒型放物面を有する反射鏡と出力窓のフイルタとを用いることでパルス光発生ランプの放射のうち殺菌効果が弱い400nm〜2600nmの波長範囲の可視光・赤外光の90%以上、少なくとも約50%以上を取り除くことができるからである。

図面の簡単な説明

0065

図1本発明の第1の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的側面断面図である。
図2本発明の第1の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的部分断面正面図である。
図3本発明の第1の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的上面断面図である。
図4本発明の第2の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置のパルス光発生装置と架台近傍の模式的部分斜視図である。
図5本発明の第3の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置のパルス光発生装置と架台近傍の模式的部分図である。(a)は模式的部分上面図である。(b)は模式的部分正面図である。
図6本発明の第4の実施の形態のパルス光を用いた食品の殺菌装置の模式的側面断面図である。
図7図7は本発明のパルス光を用いた食品の殺菌装置の動作のフローチャートである。
図8本発明のパルス光発生器の外径図である。(a)は正面図である。(b)は上面図である。(c)は側面断面図である。
図9パルス光発生ランプ単独のの発光分光スペクトルのグラフである。
図10誘電体多層膜を蒸着した石英板をフイルタとする出力窓と、誘電体多層膜が蒸着されている半円筒型放物面を有する反射鏡とを備えたパルス光発生器からの放射光の分光スペクトルのグラフである。
図11図10の出力窓の分光透過率と反射鏡の分光反射率とを掛け合わせた反射光特性を示すグラフである。

--

0066

110、410殺菌室
111、411 扉
112遮光壁
113覗き窓
121、221、321、421パルス光発生部
122、322 パルス光発生ランプ
131、231、331、431架台
132、432巻き取りリール
133、433昇降用モータ
134カウンタウエイト
135、235、335、435チェーン
171、471支柱
172、472スライドガイド
173、273スライダ
181、481ガイドレール
182、482ローラ
183、483ハンガ
191、491牛枝肉
241、341、344、 上下傾斜用補助架台
242、342 上下傾斜用ロータリアクチュエータ
243、343、353、355駆動機構
351旋回用補助架台
352 旋回用第1ロータリアクチュエータ
354 旋回用第2ロータリアクチュエータ
361スライドレール
362リニアアクチュエータ
500パルス発生器
501 パルス光発光ランプ
502出力窓
503反射板
504黒色吸収体
505ケーシング
506給気口
507排気口
S101〜S186 ステップ

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