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技術 養殖筏の酸素吹込み方法とその装置

出願人 株式会社ワイビーエム株式会社ミゾタ
発明者 増本輝男田中守土井研一古賀正和
出願日 2000年11月14日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-346907
公開日 2002年5月21日 (18年7ヶ月経過) 公開番号 2002-142606
状態 特許登録済
技術分野 養殖
主要キーワード 屋内仕様 主噴流 板羽根 プログラムタイマー 付着噴流 上下対流 寸法条件 十字継手
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図面 (11)

課題

養殖筏での溶存酸素量を増加させる。

解決手段

噴射ノズルから噴射された海水噴流発生室12に噴射して噴流を発生させる。噴流発生室12に入った海水は、空気と共に噴流発生室12に入る。コアンダ効果による付着うず付着噴流等を伴う噴流によりエネルギー損失するが、両者は均一に混合、及び攪拌される。海水と空気が均一に混合、攪拌された海水は、溶存酸素飛躍的に増加する。噴流発生室12のから出た噴流は、噴流処理され酸素を充分に含んだ海水は、吐出管13を流れて吐出口19から吐出される。酸素を混合し噴流処理された海水は、このとき噴流処理、及び脱気されて出てきた炭酸ガス等の微細気泡を多量の空気吸入管18から吸い込まれた酸素と共に1の底部に放出される。養殖に有用な溶存酸素量が増加する。

概要

背景

近年、資源枯渇からヒラメ河豚等の高級からハマチ等も養殖技術発達により養殖が増えつつある。これらの養殖は、主にに固定した網で海面を区画して海面上、面で養殖されることが多い。しかしながら、海水汚染、又は特定の季節の海水は酸素不足であり、このために魚が死んだり、への食い付きの低下を引き起こす。また、餌の残渣、養殖魚排泄物等が海底沈殿、又は海面上に浮遊して海水を汚染する。この結果、養殖魚に寄生虫が発生したり、病気の発生の原因ともなる。

養殖筏内の海水は、魚の排泄物によるアンモニア炭酸ガス以外にも寄生虫、寄生虫卵等を含み、これらが魚の生育を阻害するので可能な限りこれを駆除、又は取り除く必要がある。こうした中で、本出願人は、上での養殖タンク内の養殖水浄化する方法と装置を提案した(特願平2000−30122号)。しかしながら、これは海面上の筏等で養殖される海水に適用することを想定したものではない。一方、貝類を養殖する筏に配置した揚水筒空気を吹き込み、海底から揚水筒で海水を汲み上げて、上下対流を生じさせて酸素及び栄養を貝類に補給する養殖方法も多数提案されている(例えば、特開平5−15273号公報)。

この方法は、上下方向に水流を起こす効果はあるが単に酸素、又は空気を海水に吹き込むだけであるから充分に酸素が海水に溶け込むことができない。また、海水内の溶存酸素量は、海水温、季節、潮流、時間等により変化して一定ではない。場合によっては、赤潮等が発生した中で養殖をせざるを得ないこともある。

このために十分な酸素量を確保してかつ上下の対流を起こそうとすると、そのための膨大な動力が必要となりコスト、環境の面から好ましくない。また、海岸から離れた海上の養殖筏に空気ポンプを駆動するための動力を供給することも困難である。そこで、本発明者は、魚の給餌時間との関係で酸素を供給すれば、溶存酸素量は常に理想的な状態でなくても良いということに着目した。

概要

養殖筏での溶存酸素量を増加させる。

噴射ノズルから噴射された海水を噴流発生室12に噴射して噴流を発生させる。噴流発生室12に入った海水は、空気と共に噴流発生室12に入る。コアンダ効果による付着うず付着噴流等を伴う噴流によりエネルギー損失するが、両者は均一に混合、及び攪拌される。海水と空気が均一に混合、攪拌された海水は、溶存酸素飛躍的に増加する。噴流発生室12のから出た噴流は、噴流処理され酸素を充分に含んだ海水は、吐出管13を流れて吐出口19から吐出される。酸素を混合し噴流処理された海水は、このとき噴流処理、及び脱気されて出てきた炭酸ガス等の微細気泡を多量の空気吸入管18から吸い込まれた酸素と共に筏1の底部に放出される。魚の養殖に有用な溶存酸素量が増加する。

目的

本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成する。本発明の目的は、最小のエネルギーコストで養殖筏での海水の上下の対流と酸素の吹き込みを可能とした養殖筏の酸素吹込み方法とその装置を提供することにある。本発明の他の目的は、海水、淡水等の養殖水内の有機物等の汚染物質微細泡沫に付着させて分解・除去できる養殖筏の酸素吹込み方法とその装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

養殖場に浮かべて魚類等を養殖するために区画されたで養殖する養殖において、ポンプによって加圧される養殖水を実質的に鉛直方向下方ノズル噴射し、前記噴射と共に少なくとも酸素を含んだ気体吸引して実質的に区画された空間内で前記養殖水と前記気体を攪拌・混合するための噴流を形成し、前記空間の鉛直方向の下方の吐出口から前記攪拌・混合された前記養殖水と前記気体を前記筏の底部から吐出させることを特徴とする養殖筏酸素吹込み方法

請求項2

請求項1に記載の養殖筏の酸素吹込み方法において、前記噴流は、前記養殖水が前記空間の壁面に付着する壁付着現象であるコアンダ効果を伴うものであることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の養殖筏の酸素吹込み方法において、前記噴流により循環する養殖水に含まれる寄生虫卵を前記筏に配置した人工藻に付着させることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み方法。

請求項4

請求項1又は2に記載の養殖筏の酸素吹込み方法において、前記ポンプを駆動する動力は、風力発電機、及び太陽電池により発電したものであって、予め運転時間が決められた時間帯のみの運転であることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み方法。

請求項5

養殖場に浮かべて魚類等を養殖するために区画された筏で養殖する養殖において、養殖水を加圧して実質的に鉛直方向下方に噴射するためのノズル(11)と、前記ノズル(11)に配置され少なくとも酸素を含んだ気体を吸入するための気体供給管(18)と、前記ノズル(11)に加圧された前記養殖水を供給するための加圧ポンプ(15)と、前記噴射と共に前記気体を吸引して実質的に区画された空間を備え、前記養殖水と前記気体を攪拌・混合するための噴流を形成するための噴流発生室(12)と、前記噴流発生室(12)から前記攪拌・混合された前記気体を生物を養殖するために区画された養殖生物の生息部(20)に排出するための吐出口(19)とからなることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み装置。

請求項6

請求項5に記載の養殖筏の酸素吹込み装置において、前記噴流ノズル(11)と同軸に前記空気供給管(18)が配置されていることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み装置。

請求項7

請求項5又は6に記載の養殖筏の酸素吹込み装置において、前記吐出口(19)は、前記生息部(20)の最下部に配置されていることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み装置。

請求項8

請求項5又は6に記載の養殖筏の酸素吹込み装置において、前記筏に搭載され、風力により発電するための風力発電機(23)と、前記発電された電力貯蔵するためのバッテリー(32)と、前記バッテリーからの電力で前記加圧ポンプを所定時間帯のみの稼働するように制御するための制御装置(30,37,38,39)とことを特徴とする養殖筏の酸素吹込み装置。

請求項9

請求項7に記載の養殖筏の酸素吹込み装置において、前記吐出口(19)の上部位置には、前記吐出口(19)から排出された前記養殖水と前記気体により発生した対流内の寄生虫卵等を付着させるための人工藻(7)が配置されていることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み装置。

請求項10

請求項8に記載の養殖筏の酸素吹込み装置において、前記筏に搭載され、太陽光により発電するための太陽電池(26)とを有することを特徴とする養殖筏の酸素吹込み装置。

請求項11

請求項9に記載の養殖筏の酸素吹込み装置において、前記人工藻は、前記吐出口(19)から排出された前記養殖水の上昇により回転する回転羽根(58)により回転駆動されることを特徴とする養殖筏の酸素吹込み装置。

技術分野

0001

本発明は、海上、面、汽水域等の養殖において養殖水へ空気、又は酸素吹込むための養殖筏酸素吹込み方法とその装置に関する。更に詳しくは、魚貝類を養殖するときに等で海上養殖を行うものにおいて、効率的に養殖水に酸素を吹込む方法とその装置に関する。

背景技術

0002

近年、資源枯渇からヒラメ河豚等の高級からハマチ等も養殖技術発達により養殖が増えつつある。これらの養殖は、主に筏に固定した網で海面を区画して海面上、湖面で養殖されることが多い。しかしながら、海水汚染、又は特定の季節の海水は酸素不足であり、このために魚が死んだり、への食い付きの低下を引き起こす。また、餌の残渣、養殖魚排泄物等が海底沈殿、又は海面上に浮遊して海水を汚染する。この結果、養殖魚に寄生虫が発生したり、病気の発生の原因ともなる。

0003

養殖筏内の海水は、魚の排泄物によるアンモニア炭酸ガス以外にも寄生虫、寄生虫卵等を含み、これらが魚の生育を阻害するので可能な限りこれを駆除、又は取り除く必要がある。こうした中で、本出願人は、上での養殖タンク内の養殖水を浄化する方法と装置を提案した(特願平2000−30122号)。しかしながら、これは海面上の筏等で養殖される海水に適用することを想定したものではない。一方、貝類を養殖する筏に配置した揚水筒空気を吹き込み、海底から揚水筒で海水を汲み上げて、上下対流を生じさせて酸素及び栄養を貝類に補給する養殖方法も多数提案されている(例えば、特開平5−15273号公報)。

0004

この方法は、上下方向に水流を起こす効果はあるが単に酸素、又は空気を海水に吹き込むだけであるから充分に酸素が海水に溶け込むことができない。また、海水内の溶存酸素量は、海水温、季節、潮流、時間等により変化して一定ではない。場合によっては、赤潮等が発生した中で養殖をせざるを得ないこともある。

0005

このために十分な酸素量を確保してかつ上下の対流を起こそうとすると、そのための膨大な動力が必要となりコスト、環境の面から好ましくない。また、海岸から離れた海上の養殖筏に空気ポンプを駆動するための動力を供給することも困難である。そこで、本発明者は、魚の給餌時間との関係で酸素を供給すれば、溶存酸素量は常に理想的な状態でなくても良いということに着目した。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成する。本発明の目的は、最小のエネルギーコストで養殖筏での海水の上下の対流と酸素の吹き込みを可能とした養殖筏の酸素吹込み方法とその装置を提供することにある。本発明の他の目的は、海水、淡水等の養殖水内の有機物等の汚染物質微細泡沫に付着させて分解・除去できる養殖筏の酸素吹込み方法とその装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、前記目的を達成するために以下の手段を採用する。本発明の養殖筏の酸素吹込み方法は、養殖場に浮かべて魚類等を養殖するために区画された筏で養殖する養殖において、ポンプによって加圧される養殖水を実質的に鉛直方向下方ノズル噴射し、前記噴射と共に少なくとも酸素を含んだ気体吸引して実質的に区画された空間内で前記養殖水と前記気体を攪拌・混合するための噴流を形成し、前記空間の鉛直方向の下方の吐出口から前記攪拌・混合された前記養殖水と前記気体を前記筏の底部から吐出させることを特徴とする。

0008

前記噴流は、前記養殖水が前記空間の壁面に付着する壁付着現象であるコアンダ効果を伴うものであると良い。前記噴流により循環する養殖水に含まれる寄生虫卵を前記筏に配置した人工藻に付着させると更に良い。前記ポンプを駆動する動力は、風力発電機、及び太陽電池により発電したものであって、予め運転時間が決められた時間帯のみの運転であっても良い。

0009

本発明の養殖筏の酸素吹込み装置は、養殖場に浮かべて魚類等を養殖するために区画された筏で養殖する養殖において、養殖水を加圧して実質的に鉛直方向下方に噴射するためのノズル(11)と、前記ノズル(11)に配置され少なくとも酸素を含んだ気体を吸入するための気体供給管(18)と、前記ノズル(11)に加圧された前記養殖水を供給するための加圧ポンプ(15)と、前記噴射と共に前記気体を吸引して実質的に区画された空間を備え、前記養殖水と前記気体を攪拌・混合するための噴流を形成するための噴流発生室(12)と、前記噴流発生室(12)から前記攪拌・混合された前記気体を生物を養殖するために区画された養殖生物の生息部(20)に排出するための吐出口(19)とからなることを特徴とする。

0010

前記噴流ノズル(11)と同軸に前記空気供給管(18)が配置されているものが酸素吹き込みにはより効果的である。前記吐出口(19)は、前記生息部(20)の最下部に配置されているものでも良い。更に、本発明の養殖筏の酸素吹込み装置には、前記筏に搭載され、風力により発電するための風力発電機(23)と、前記発電された電力貯蔵するためのバッテリー(32)と、前記バッテリーからの電力で前記加圧ポンプを所定時間帯のみの稼働するように制御するための制御装置(30,37,38,39)とを備えると良い。

0011

前記吐出口(19)の上部位置には、前記吐出口(19)から排出された前記養殖水と前記気体により発生した対流内の寄生虫卵等を付着させるための人工藻(7)を配置すると更に良い。前記筏に搭載され、太陽光により発電するための太陽電池(26)を配置すると効果的である。更に、この発電装置は、潮流発電機等を併用したものであっても良い。更に、前記人工藻は、前記吐出口(19)から排出された前記養殖水の上昇により回転する回転羽根(58)により回転駆動されるものが攪拌効果も期待できて良い。

発明を実施するための最良の形態

0012

[実施の形態1]以下、本発明の実施の形態1を図面に従って説明する。図1は、本発明の養殖筏の酸素吹込み装置を設置した筏の平面図である。図2は、図1のII−II線で切断したときの断面図である。筏1は、平面で見て概略円形を成している。筏1は、複数のパイプ2をパイプ継手(図示せず)で連結した構造物である。円形の筏1の外周の海面には、筏1に浮力を持たせるために内部が発泡スチロールで作られた複数のフロート3が配置固定されている。

0013

筏1の中心部は養殖魚が生息するための円筒状の区画である生息部20が配置され、この外周及び底部には魚が逃げないように漁網で区画されて配置されている。筏1の上には、水平面状機械設置のための設置板4が固定配置されている。設置板4上には、酸素濃縮機5が搭載されている。酸素濃縮機5は、空気中から酸素のみを抽出して取り出すためのものであり、その構造、機能は公知でありその説明は省略する。

0014

酸素濃縮機5は、屋内仕様であり雨や海水の飛沫に弱いためにこれをカバーするために小屋6が設置されている。また、設置板4の側面には、ウォータージェットステム10が配置されている。ウォータージェットシステム10は、筏1内で漁網で囲まれた領域の海水の上下対流を発生させる機能と、海水中の溶存酸素量を増大させるためのものである。筏1の中央部には、4本の人工藻7が着脱自在な固定手段(図示せず)に鉛直方向に配置されている。

0015

人工藻7は、針金8を中心に半径方向に向けて化学繊維である毛9が植毛されている。毛9の材質は、微生物繁殖には炭素繊維が良いとの報告もあるので、好ましくは炭素繊維を植毛、又は束ねたものが好ましい。人工藻7は、魚の寄生虫卵、魚の皮膚の脱落したもの等を絡めて付着させるためのものである。また、毛9には好気性の微生物も繁殖しやすいのでこの微生物により有機物を分解する作用もある。

0016

ウォータージェットシステム10は、海水を噴射する噴射ノズル11、噴射した海水と空気を攪拌・混合するために噴流層を形成する噴流発生室12、海水を加圧するポンプユニット15等からなる(図2参照)。ウォータージェットシステム10のシステム全体は、海水面下に没するように配置されている。ポンプユニット15は海水を加圧し、この加圧された海水は供給管16を介して噴射ノズル11に供給される。ポンプユニット15は、海水を加圧(本例では、0.1Mpa)するポンプとこれを駆動する電動モータ等からなるユニットである。

0017

即ち、ポンプユニット15は、この底部の吸込口17から海水を吸い込み、これを加圧し噴射ノズル11に供給する機能を備えている。ポンプユニット15から吐出される海水は、制御回路(図示せず)により設定された吐出圧力、流量の範囲内に制御される。噴流発生室12の内部構造については後述する。ウォータージェットシステム10は、主な機能は海水中の溶存酸素量を増加させるためのものである。同時に、ウォータージェットシステム10は、噴射ノズル11により発生したキャビテーション作用により寄生虫、、餌の残滓等を分解する機能も備えている。

0018

図3は、噴流発生室12の内部断面を示す断面図である。噴流発生室12は、扁平の長方体状のものであり、長手方向が鉛直になるように配置されている。噴流発生室12の上面には、加圧された海水を下方に噴射する噴射ノズル11が固定されている。噴射ノズル11は、断面が円筒の環状空間である。噴流発生室12の内部空間Vは、3次元の箱状の空間で扁平であり、空間の概ねの水平方向の厚さHで、それの概ねの幅をW、鉛直(垂直)方向の長さをLとし、噴射ノズル11の開口の有効直径をD1とすると、概略するとD1<H、W/H>4、且つW<Lの関係にある。

0019

噴射ノズル11から噴出された主噴流は、鉛直方向で内部空間Vの概ねの中心部の方向に噴射される。主噴流が噴射されると噴流発生室12の8隅にはコアンダ効果により低圧うずである付着うずが発生し、主噴流には付着噴流が発生する。従って、噴流発生室12には、図2に図示したような付着噴流は、2方向に分かれた流れが発生することになる(図示上)。これらの噴流は、海水と気体、海水と薬品等の液体とを均一に混合、攪拌する機能がある。

0020

このコアンダ効果は、前述した寸法条件でなくても良いが、望ましくは前述した寸法条件にすれば図に示すように内部空間Vに2つの噴流が発生する。噴射ノズル11の中心には、空気吸入管18の下端が配置固定されている。空気吸入管18は、噴射ノズル11から吐出される海水の負圧により酸素を酸素濃縮機5から引き込むためのものである。従って、噴射ノズル11から噴射される海水と共に、空気吸入管18の下端から酸素が吸入されることになる。

0021

噴流発生室12の下端には、筏1の底部まで延長された吐出管13の一端が連結されている。吐出管13は、鉛直方向に向けて下方に延び、更にこれが延長されて水平方向に延びた水平部14とを有している。水平部14の延長の先端は、L字状に曲げられた鉛直の吐出口19が形成されている。吐出口19は、筏1の概ね養殖魚の生息部20の下部で中心位置に配置されている。

0022

(作動)以上のような構造で、噴射ノズル11は、次のような機能がある。噴射ノズル11から噴出された主噴流は、鉛直方向で内部空間Vの概ねの中心線の方向に噴射される。主噴流が噴射されると噴流発生室12の8隅にはコアンダ効果により低圧うずである付着うずが発生し、主噴流には付着噴流が発生する。この付着噴流により、噴流発生室12の扁平の平面で切断した面で捉えると主噴流は概ね2方向の付着噴流に分岐する(但し、図2は厚さ方向で便宜的に図示したものである。)。

0023

この主噴流は酸素濃縮機5から供給される酸素と共に噴流発生室12に入る。噴流発生室12に入った海水と酸素は、コアンダ効果による付着うず、付着噴流等を伴う噴流によりエネルギー損失するが、両者は均一に混合、及び攪拌される。この海水と酸素の混合により海水中の溶存酸素飛躍的に増加する。同時に、このとき若干のキャビテーションも発生しこの作用により、海水中のアンモニア硝酸窒素二酸化炭素塩素、酸素等を脱気する。

0024

噴流発生室12の内部空間Vに入った酸素で海水に溶けきれなかったものは、噴流発生室12の上部から抜け出ようとするが、海水の噴射による負圧の誘引作用により簡単には排出されない。結果として、このバランスした酸素量のみが噴流発生室12に流入し、かつ流入した内部空間Vで付着うず、付着噴流等の攪拌作用により海水中に酸素が充分に溶けることになる。従って、海水中の溶存酸素の成分量は噴流作用で減るどころか増加する。実験によると、海水で溶存酸素が4.61ppmが6.12ppmになった。

0025

清水で溶存酸素が5.87ppmが8.27ppmになった。即ち、溶存酸素の増加は、養殖魚の生息条件としては良好であることを意味する。このように噴流処理され酸素を充分に含んだ海水は、吐出管13を流れて吐出口19から吐出される。酸素を混合し噴流処理された海水は、このとき噴流処理、及び脱気されて出てきた炭酸ガス等の微細気泡を多量の空気吸入管18から吸い込まれた酸素と共に筏1の底部に放出される。このために、魚の養殖に有用な溶存酸素量が増加する。吐出口19から吐出された泡は、海水中の不純物と共に海水面に泡沫となって浮き、この泡沫は海面を漂って拡散され最終的には好気性微生物紫外線等により分解される。

0026

更に、泡沫の上昇に伴って海水も上昇するので、筏1内の海水は上下の対流が発生する。海水の上昇により海水中の魚の浮遊している寄生虫卵等は人工藻7に付着される。寄生虫卵等は、元々天然の藻等に付着する性質を備えているので付着し易い性質がある。このために、人工藻7は定期的に引き上げて寄生虫卵等の付着物を除去する。ただし、筏1の外周は、魚網で囲まれているので上昇した筏1内の海水は、筏1内の上下の対流も発生させるが、外周に拡散させる。

0027

このために筏1の海底から酸素の少なく有機物を含んだ海水を上昇させて対流を発生させることになる。この結果、海底に堆積した有機物により酸欠状態の海水にも酸素を吹き込むので、海底に好気性微生物の繁殖を促し、有機物を窒素、炭酸ガス等に分解する。前述した実施の形態1では、空気吸入管18から酸素を吸入するものであったが、空気を吸入するものであっても良い。

0028

[実施の形態2]前述した実施の形態1のウォータージェットシステム10の酸素濃縮機5及びポンプユニット15は、動力を使用するものである。従って、これらの動力の供給は、陸地から海底敷設した電力線による方法、又は筏1に搭載した発電機(図示せず)からの供給であった。図4は、実施の形態2の海上筏養殖装置の平面図である。図5は、図4の側面図である。図6は、風力発電システムの構成を示す機能ブロック図である。図4及び図5に示したものは、矩形の筏46は、パイプ21を連結して組み立てられたものである点は前述した実施の形態1のものと同一である。筏46の上には、2台の風力発電機23が搭載されている。

0029

風力発電機23は、筏46上に支柱24の上に搭載されており、常時風の方向を向くように配置されている。風力発電機23の入力軸には、羽根25が直結されている。一方、筏46上には、2台の太陽電池26が風力発電機23と対に配置されている。風力発電機23と太陽電池26とは、ハイブリットシステムを構成している。支柱24下部位置には、ハイブリッドコントローラー30が配置されている。

0030

また、筏46の上のバッテリー箱31は、バッテリー32を風雨から保護するためのケースであり、内部に風力発電機23で発電された電気を貯蔵するための電力を蓄えるためのものである。図6は、風力発電システムの構成を示す機能ブロック図である。ハイブリッドコントローラー30には、バッテリー箱31内のバッテリー32に接続されている。バッテリー32は、風力発電機23で発電された電力を貯蔵するためのものである。

0031

ハイブリッドコントローラー30は、風力発電機23の発電電圧、又は太陽電池26の発電電圧がバッテリー32の端子電圧を上回ったときに電力を貯蔵し、バッテリー32の端子電圧が設定値を下回ったときに出力を停止させる制御装置である。これに接続されているプログラムタイマー37は、本例では1日の中で任意の運転時間を15分間隔でウォータージェットシステム45を作動させるためのタイマーである。

0032

このプログラムタイマー37は、風力発電機23と太陽電池26による発電量が大きく、ウォータージェットシステム45の運転を常時できれば良いが、実際は限られているので運転時間を短くするためのものである。通常は養殖魚に給餌する時間の前後に運転時間を配置する。バッテリー32に接続された満充電リレー38は、プログラムタイマー37の設定された運転時間外にバッテリー32が満充電となった場合、ポンプユニット35を駆動するための接点を有するリレーである。ただし、満充電リレー38によってポンプユニット35が駆動されるときの運転時間は、時間設定用タイマー39によって設定できる。本例では、15分間隔で設定可能であるが、この間隔でなくても良い。

0033

2台のバッテリー32は、直列に接続されているので、出力電圧は、本例では1台のバッテリー32の電圧が定格で12Vであるから定格で24Vの電圧の直流である。満充電であるか否かの判断は、バッテリー32の端子電圧が28V(これに限定されないが。)以上であるときとする。直列に接続されたバッテリー32には、2台のポンプユニット35をそれぞれ駆動する直流電動機(図示せず)にそれぞれ接続されている。サーマルリレー36は、電動機が設定値以上に発熱したときに電流遮断するためのリレーである。

0034

電磁リレー40は、バッテリー32の端子電圧が設定された電圧以下(例えば、24V)のとき、又はプログラムタイマー37で設定された時間外でかつバッテリー32が満充電でないとき、出力しないようにするためのものである。サーマルリレー36及び電磁リレー40は、ハイブリッドコントローラー30の端子P,Nに接続されたサーマルリレー36a、コイル40aによりそのオンオフは制御される。

0035

ポンプユニット35は、実施の形態1で説明したウォータージェットシステム10のポンプユニット15と実質的に同一であるウォータージェットシステム45が搭載されている。ウォータージェットシステム45は、実施の形態1のウォータージェットシステム10とその構造、機能は同一であるからその説明は省略する。

0036

[ウォータージェットシステム45の作動]以上説明した実施の形態2のウォータージェットシステム45は、自然エネルギーを使用するものである。このために風がないとき、又は天気が悪いとき、又は夜間に太陽光が射さないときにはバッテリー32のみでは充分な電力を供給することができない。このために、ウォータージェットシステム45を常時稼働させることはできない。運転時間が限られるので、発電量が少ないときは養殖に必要な必要最小限の時間のみ運転するものである。本発明の発明者等の観察によると、少なくとも魚に給餌するときの前後に海水中の溶存酸素量を増加させると、魚の餌の食いつきが活発になることを見い出した。

0037

特に、給餌の前に海水中の溶存酸素量を増加させると養殖中の養殖魚は活発な運動を開始する。通常養殖では1日の時間帯での給餌時間は一定しているので、給餌時間の前にプログラムタイマー37でウォータージェットシステム45を稼働させると、養殖魚は活発に運動を開始し食欲を増す。ただし、風力、太陽光共に充分にあり、バッテリー32の容量一杯に電力が貯蔵されているときは、満充電リレー38が作動しウォータージェットシステム45を給餌に関係なく稼働させる。

0038

図7は、ウォータージェットシステム45の動作を示すフロー図である。プログラムタイマー37で設定された運電時間内であれば、端子電圧が24V以下でない限りポンプユニット35を起動し運転を継続する。プログラムタイマー37で設定された運転時間以外の時間帯でも、バッテリー32の端子電圧が28ボルト以上の電圧を示すと、バッテリー32の貯蔵されている電気容量満杯であると満充電リレー38が判断して、プログラムタイマー37で設定された運転時間以外の時間帯でもウォータージェットシステム45のポンプユニット35を起動し、設定時間、本例では15分間運転を行う。

0039

図7のフロー中の設定時間経過後ではなく、満充電リレー38に設定した電圧、例えば26V以下にならない限りポンプユニット35を起動させたものであっても良い。以上の説明から理解されるように、養殖魚の給餌時間を最優先してウォータージェットシステム45を稼働させるものであるので、少ないエネルギーで最大の養殖効率を上げることができる。また、風又は太陽光の状態がよければ、発電エネルギーに応じた運転が可能である。更に、定格以下のときは、運転を行わないのでバッテリー32の過放電も防ぐこともできる利点がある。

0040

[人工藻の他の実施の形態]前述した人工藻7は、海面近くに固定されたものであった、しかしながら、好気性微生物の繁殖、寄生虫卵の捕捉をより効率化するには、人工藻7をより自然の状態に近い条件で海面に配置したものが良い。図8図10は、鉛直軸を中心に回転する回転人工藻50である。図8は回転人工藻50の平面図であり、図9は正面図であり、図10は底面図である。浮力性のあるエンジニアリングプラスチックスで作られた環状本体51は、海面と平行に配置される。

0041

環状本体51と一体に半径方向に半径部材52が形成されている。そして、この半径部材52と一体に軸部材53が形成されている。軸部材53の中心には、軸孔54が穿孔されている。軸孔54には、軸55が挿入されている。軸55と一体に固定軸56が形成されており、固定軸56は筏に金具等を介して鉛直方向に固定される。従って、軸部材53と軸55は相対回転運動を行うことか゜できる。

0042

環状本体51の外周には180度の角度を置いて、プラスチック製の2本の連結軸57が配置されこの上端が環状本体51に固定されている。連結軸57の下端は、回転羽根58に連結されている。回転羽根58は、中心に十字継手61が配置されこれに4本の羽根軸59の一端が連結されている。羽根軸59には、これに沿うように板羽根60がそれぞれ配置固定されている。

0043

板羽根60は、海水に設置したときに水平面と角度を成すように固定されている。環状本体51とこの海面下に配置した回転羽根58との間には、鉛直方向に6本の人工藻62が配置されている。この中で2本の人工藻62の上端は環状本体51に、下端は回転羽根58の羽根軸59に着脱自在に固定されている。他の4本の人工藻63は、上端のみが環状本体51に固定されている。

0044

前述したように噴流処理され酸素を充分に含んだ海水は、吐出管13を流れて吐出口19から吐出される。酸素を混合し噴流処理された海水は、生息部20の底部に放出される。この海水が上昇し、板羽根60に衝突して回転羽根58が軸55を中心に緩慢に駆動される。このために、人工藻62,63は、動力を使うことなくあたかも波間に漂う自然の藻のような挙動をさせることができる。

0045

[他の実施の形態]前述した実施の形態は、海上で筏を組んで養殖するものであったが、湖面、養殖池河川等の真水、海水と真水が混合する汽水域での養殖にも使用できる。

発明の効果

0046

以上詳記したように、本発明の養殖筏とその装置は、簡単な装置で海水の溶存酸素量を増加させることができた。また、養殖筏の周辺の海水の上下の対流を効率的に起こすことができる。

図面の簡単な説明

0047

図1図1は、本発明の養殖筏の酸素吹込み装置を設置した筏の平面図である。
図2図2は、図1のII−II線で切断したときの断面図である。
図3図3は、噴流発生室12の内部断面を示す断面図である。
図4図4は、実施の形態2の海上筏養殖装置の平面図である。
図5図5は、図4の側面図である。
図6図6は、風力発電システムの構成を示す機能ブロック図である。
図7図7は、風力発電システムの動作を示すフロー図である。
図8図8は、回転人工藻の平面図である。
図9図9は、図8の正面図である。
図10図10は、図8の底面図である。

--

0048

1,46…筏
3…フロート
5…酸素濃縮機
7…人工藻
10,45…ウォータージェットシステム
11…噴射ノズル
12…噴流発生室
15…ポンプユニット
13…吐出管
18…空気吸入管
23…風力発電機
26…太陽電池
30…ハイブリッドコントローラ
31…バッテリー箱
32…バッテリー
35…ポンプユニット

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