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技術 アクチュエータ装置

出願人 株式会社東芝
発明者 貞本敦史須藤肇
出願日 2000年10月20日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2000-321356
公開日 2002年5月9日 (17年2ヶ月経過) 公開番号 2002-130114
状態 拒絶査定
技術分野 焦点調節 レンズ鏡筒 自動焦点調節 特殊原動機 スタジオ装置 スタジオ装置 自動焦点調節
主要キーワード 取付角度θ コイルばね状 固体摩擦 搬送周期 細線形状 鋸波形 可動部位 漏れ流
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

解決手段

可動部51と固定部52は弾性部材53で接続されている。弾性部材53は可動部51の主な運動方向を可動方向59に規制するように、平行に配置された板ばね構成としている。形状記憶合金54を可動部51と固定部56の間に張り、形状記憶合金54を通電加熱により収縮させ、可動部を駆動する。

概要

背景

小形カメラレンズなどを駆動する手段として用いられるアクチュエータにおいて、形状記憶合金を駆動原理に用いたものとしては、例えば特開平6−230457などが知られている。

図18は従来の形状記憶合金アクチュエータの例を示す。駆動を要する負荷例えばレンズ181を内包した可動体182が、摺動面183によりそのおもな運動方向が光軸規制されている。可動体182は、ピン185を介して連結棒184と接続されている。連結棒184はピン186を介して固定面と接続されている。連結棒184には形状記憶合金187、188が取り付けられている。形状記憶合金187に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金187は収縮し、連結棒184はピン186まわりに反時計方向に回転し、これにより可動体182は摺動面183に沿って紙面左方向に移動する。逆に形状記憶合金188に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金188は収縮し、連接棒184はピン186まわりに時計方向に回転し、これにより可動体182は摺動面183に沿って紙面右方向に移動する。形状記憶合金の繰り返し変形量は寿命を考慮すると全長の約3%程度にする必要があり、可動体182に直接形状記憶合金を取り付けると、十分な駆動ストロークが得られない場合がある。そこで、この例では連結棒184を用いて形状記憶合金の変位を拡大し、可動体182を駆動している。形状記憶合金187、188が対向して取り付けられている理由は、動作の応答性を高めるため、一方の形状記憶合金の冷却中にもう一方の形状記憶合金を加熱するというような駆動を行うためである。応答性は損なわれるが、制御の簡略化のため、一方の形状記憶合金をばねに置き換えても駆動することができる。

図19は従来の形状記憶合金アクチュエータのもう一つの例である。レンズや絞りなどの負荷191を内包した可動体192がピン193により回転自在に取り付けられており、また、可動体192には形状記憶合金194、195が取り付けられている。形状記憶合金194に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金194は収縮し、可動体192はピン193回りに反時計方向に回転する。逆に形状記憶合金195に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金195は収縮し、可動体192はピン193回りに時計方向に回転する。この原理のアクチュエータを紙面に垂直な光軸を有する光学系に適用すると、レンズや絞りなどの負荷191を光軸に挿入したり、挿入しないようにすることができ、光学的な特性、例えば焦点距離や絞り、を変化させることができる。

概要

小形で駆動範囲の大きい形状記憶合金アクチュエータを提供する。

可動部51と固定部52は弾性部材53で接続されている。弾性部材53は可動部51の主な運動方向を可動方向59に規制するように、平行に配置された板ばね構成としている。形状記憶合金54を可動部51と固定部56の間に張り、形状記憶合金54を通電加熱により収縮させ、可動部を駆動する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
7件
牽制数
17件

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請求項1

可動部と固定部があり、前記可動部は弾性部材により前記固定部より支持され、さらに前記可動部は前記固定部との間には、前記弾性部材を変形可能となる様に形状記憶合金が設置されていることを特徴とするアクチュエータ装置

請求項2

請求項1記載のアクチュエータ装置において、可動部の主な運動方向が、一つの軌道にそった往復運動となるように弾性部材が取り付けられていることを特徴とするアクチュエータ装置。

請求項3

形状記憶合金の変形方向が、前記可動部の運動方向に対し角度を為して取り付けられ、前記可動部の変位が形状記憶合金の変形量よりも大きいことを特徴とする、請求項1もしくは請求項2記載のアクチュエータ装置。

請求項4

板状の形状記憶合金が用いられ、前記形状記憶合金が、前記可動部の運動方向を規制する機能を兼ねていることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2記載のアクチュエータ装置。

請求項5

形状記憶合金によって駆動される弾性部材と、前記弾性部材と固定部と可動部によって囲まれた空間と、前記空間に満たされた流体があり、前記形状記憶合金の変形により生じる弾性部材の変形に起因して、前記流体の移動が起こり、前記可動部を変位させることを特徴とするアクチュエータ装置。

技術分野

0001

本発明は、小形機械要素および光学要素の駆動手段として用いられる形状記憶合金を駆動原理としたアクチュエータ装置に関する。

背景技術

0002

小形カメラレンズなどを駆動する手段として用いられるアクチュエータにおいて、形状記憶合金を駆動原理に用いたものとしては、例えば特開平6−230457などが知られている。

0003

図18は従来の形状記憶合金アクチュエータの例を示す。駆動を要する負荷例えばレンズ181を内包した可動体182が、摺動面183によりそのおもな運動方向が光軸規制されている。可動体182は、ピン185を介して連結棒184と接続されている。連結棒184はピン186を介して固定面と接続されている。連結棒184には形状記憶合金187、188が取り付けられている。形状記憶合金187に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金187は収縮し、連結棒184はピン186まわりに反時計方向に回転し、これにより可動体182は摺動面183に沿って紙面左方向に移動する。逆に形状記憶合金188に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金188は収縮し、連接棒184はピン186まわりに時計方向に回転し、これにより可動体182は摺動面183に沿って紙面右方向に移動する。形状記憶合金の繰り返し変形量は寿命を考慮すると全長の約3%程度にする必要があり、可動体182に直接形状記憶合金を取り付けると、十分な駆動ストロークが得られない場合がある。そこで、この例では連結棒184を用いて形状記憶合金の変位を拡大し、可動体182を駆動している。形状記憶合金187、188が対向して取り付けられている理由は、動作の応答性を高めるため、一方の形状記憶合金の冷却中にもう一方の形状記憶合金を加熱するというような駆動を行うためである。応答性は損なわれるが、制御の簡略化のため、一方の形状記憶合金をばねに置き換えても駆動することができる。

0004

図19は従来の形状記憶合金アクチュエータのもう一つの例である。レンズや絞りなどの負荷191を内包した可動体192がピン193により回転自在に取り付けられており、また、可動体192には形状記憶合金194、195が取り付けられている。形状記憶合金194に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金194は収縮し、可動体192はピン193回りに反時計方向に回転する。逆に形状記憶合金195に電流を流すなどして加熱すると、形状記憶合金195は収縮し、可動体192はピン193回りに時計方向に回転する。この原理のアクチュエータを紙面に垂直な光軸を有する光学系に適用すると、レンズや絞りなどの負荷191を光軸に挿入したり、挿入しないようにすることができ、光学的な特性、例えば焦点距離や絞り、を変化させることができる。

発明が解決しようとする課題

0005

従来の形状記憶合金アクチュエータは、可動部の運動を摺動面によってその方向を規制することが多く、潤滑が十分に行えない環境での使用、同様の構造で非常に小形なアクチュエータを製作する場合、摺動面での摩擦がその他の力に比して大きくなって、十分な出力が得られない。また、形状記憶合金の変位を拡大する手段として、てこなどの変位拡大機構を用いた構造は、寸法が制約される小形のアクチュエータには向かない、という問題があった。

課題を解決するための手段

0006

摺動面の摩擦の問題を解決するため、可動部を板ばねなどの弾性部材で支持する。また、可動部の主な運動方向を一つの軌道上に制限するために、たとえば1組以上の板ばねを平行に間隔をあけて配置した弾性部材により、可動部を支持する。可動部を駆動する手段として、形状記憶合金の細線またはばねを固定部と可動部の間に取り付け、形状記憶合金に通電もしくは外部からの加熱手段により加熱し、形状記憶合金を変形させることで、所望の駆動範囲を得る。また、形状記憶合金の動作を可動部に伝達する手段に流体を用いることで、摺動摩擦の発生やてこ機構等を回避し、限られた空間内で大きな可動部変位を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。

0008

図1は第1および第2の請求項に対応した本発明の一実施形態を示している。可動部1と固定部2があり、可動部1と固定部2は板ばね状の弾性部材3により連結されている。弾性部材3は可動方向8に薄肉であり、可動方向8に撓みやすくなっている。1つの弾性部材3のみを考えると、自由端(可動部1側)に力を加えたとき、可動部1の動き片持ちはりの自由端の動きと同様に、変位と回転を伴ったものになる。本実施例では、可動部1の可動方向18に直交した方向の変位や可動部1の回転が、可動部1の可動方向18への並進に比べ無視できるものにするため、少なくとも一組の弾性部材3を板厚方向に平行に配置し、可動部1が固定部2に対しほぼ並進するようにしている。細線状の形状記憶合金4が取付部5と取付部6の間に張られている。

0009

可動部の駆動原理の概略は次の通りである。形状記憶合金4を通電などにより相変化が生じる温度(例えば100℃)まで加熱すると、形状記憶合金4が収縮し可動部1を牽引し、可動方向9へ変位する。形状記憶合金4への加熱をやめ、温度が室温(例えば20℃)に戻ると、弾性部材3の力により形状記憶合金4が伸ばされ、可動部1は元の位置に戻る。

0010

駆動原理について図2を用いて、より詳細に説明する。図2は弾性部材3と形状記憶合金4の力と変位の関係を表した図で、横軸が変位、縦軸が力である。なお、変位の符号は図1で可動方向9の上向きを正にとっている。図2において、特性21は弾性部材3の力と変位の関係であり、直線に近似した場合の傾きkはばね定数に相当する。特性22および特性23は、形状記憶合金4の低温状態および高温状態における力と変位の関係を示している。低温時において、動作点は特性21と特性22の交点24で表され、このときの力はF1、変位はd1である。高温時において、動作点は特性21と特性23の交点25で表され、このときの力はF2、変位はd2である。形状記憶合金を加熱・冷却することにより、d1−d2の範囲で可動部1が変位することを示している。なお、形状記憶合金の温度による力と変位の関係は、特性21と特性23の間で連続的に変化するので、可動部1の変位はd1とd2の間で連続的に制御することができる。形状記憶合金は例えばTi−Ni合金が利用でき、ひずみは最大で10%を得ることができる。繰り返しひずみによる形状記憶効果の低下を考慮すると、通常は3%のひずみを使用範囲とする。低温時に変形に要する応力は約20MPaで、高温時に形状回復で生じる応力は約100MPaである。ここに記述した形状記憶合金の組成および特性値はあくまで一例で、形状記憶効果がある材料であればどんなものでも利用できる。

0011

形状記憶合金4は取付部5と取付部6との間に直線状に取り付けられるだけでなく、可動部1が駆動可能であればどんな取付方法にしても良い。

0012

例えば図1では形状記憶合金4は取付部5と取付部7の間に固定され、取付部6は形状記憶合金4を折り曲げる役目をしている。こうすることで、形状記憶合金4の長さを長くでき、同じひずみでも可動部1の大きな変位量が得られる。

0013

形状記憶合金に通電して加熱を行う場合、形状記憶合金へ通電するための電気的接点機械的な固定部と同一であっても良いし、別に設けても良い。例えば図1では、取付部7に通電用リード線8が接続されており、もう一方のリード線は取付部5に接続してもよいし、形状記憶合金4を反対側の面まで可動部1に沿わせて延長し、取付部7と反対側の面にある取付部に接続している。

0014

使用する形状記憶合金の形状は図1のように細線状の他に、図3のようにコイルばね31を用いたり、図4のようなねじりコイルばね41を用いても良い。

0015

第3の請求項に対応する実施例について図5を用いて説明する。図5は細線状の形状記憶合金を用いた場合にその取付方法により、形状記憶合金の変位量よりも大きい可動部変位が得られるという特長を有する実施例を示している。細線状の形状記憶合金54が取付部55と取付部56の間に張られており、通電加熱により形状記憶合金54が収縮すると、弾性部材53によって規制された方向に可動部51が変位する。このとき、形状記憶合金54が弾性部材53に対しある角度θ(60)をなして取り付けられているため、形状記憶合金54のひずみ量よりも大きい変位を可動部51に与えることが可能になっている。これを図6および図7を用いて説明する。図6図5の構造を単純化したモデルを示している。図5で弾性部材53により規制された可動部51は、図6のばね要素63と、可動部の変位を1自由度の並進に規制するためのリニアガイド68で近似できる。低温時の形状記憶合金64を角度θ1(66)で取り付けたとすると、高温時は形状記憶合金65の位置まで可動部61が変位し、角度はθ2(67)となる。図6で可動部61の変位量d(69)は形状記憶合金64の取付角度θ1(66)が90°に近いほど大きくなる。図7は取付角度θ(71)と変位量d(72)の関係を説明する図である。図7のεは形状記憶合金のひずみを表しており、高温時のεが一定の場合を考える。長さLの細線状形状記憶合金は高温時には収縮してεLの長さとなり、低温時と高温時の長さの差は、(1−ε)Lである。これと、可動部の変位量dとの比を拡大率と定義して、取付角度θとの関係を図示すると、図7のようになる。例えば1−εが繰り返し使用を考慮して3%とした場合、最大の拡大率は低温時の取付角をθ=75°とした場合で、5.6倍である。(なお、上限は高温時のθが90°以上にならないことで決まる。発生力の観点からするとθが90°の時、弾性部材を変形させるための形状記憶合金の発生力は無限大になってしまうので、実際には90°未満の値であり、好適にはθ=75°以下にする必要がある。)形状記憶合金は発生力が大きいことが特長であり、取付角度θ=60°〜70°で得られる拡大率2倍〜3倍程度であれば弾性部材の適切な板厚設計により、容易に駆動することができる。形状記憶合金の取付角度θ=0°(可動部分の変位方向と形状記憶合金の変位方向が平行)の場合、2倍から3倍の変位を得るためには、形状記憶合金の長さは2倍から3倍必要になる。これに対して、図5のように、同じ長さの形状記憶合金を取付角度θ=60°〜70°にするだけで2倍から3倍の変位量が得られることは、スペースが制限されたアクチュエータの構造として大変有利である。

0016

第4の請求項に対応する実施例について図8を用いて説明する。図8では、板状の形状記憶合金81を用いて弾性部材を兼ねた構造になっている。このような構造にすることで、組立を容易にし、コストの低下がはかられる。板状形状記憶合金81は低温時と高温時の両方の形状を記憶している双方向性素子であり、加熱・冷却によって可動部の変位が得られるものである。なお、板状形状記憶合金81の一部は弾性部材(板ばね)であってもよい。この場合、板状形状記憶合金81は加熱時の形状を記憶した一方向性の素子であってもよく、低温時は弾性部材の力で板状形状記憶合金81が変形される。また、一組以上の平行板ばね構造とは別に、可動部の駆動素子として板状形状記憶合金が用いられていても良い。

0017

以上に挙げた実施例は、可動部に光学素子を搭載することで、光学特性の調節手段として利用できる。図9にその一例を示す。可動部93に図中の光軸方向97に光軸をもつレンズ91が搭載されており、光軸と垂直な面に平行に固定部94上に撮像素子92が設置されている。形状記憶合金96を通電などにより加熱することにより、レンズが光軸方向に変位し、撮像素子とレンズとの距離を短くすることができる。加熱をやめて形状記憶合金96が常温に戻ると、レンズはもとの位置に戻る。光軸方向のレンズ変位は、レンズを通して撮像素子上に結像する画像のピント調節に用いることができる。図9の配置では、形状記憶合金96を加熱しない状態では遠方にある被写体にピントが合っており、加熱時にレンズに近接した被写体にピントが合う構成である。これとは逆に、形状記憶合金96を加熱した場合に遠方の被写体にピントが合う構成にしても良い。なお、図9に示した形状記憶合金の形状および取付方法は一例であり、これまでに実施例として挙げたどのような形態であっても、光学特性の調整手段、例えば撮像を目的とした焦点調節機構に応用できる。

0018

次に、本発明の形状記憶合金アクチュエータをデジタルカメラの焦点調節機構に応用した場合の制御系の構成について述べる。図10は形状記憶合金アクチュエータを用いた焦点調節機構の基本構成である。被写体からの光線はレンズ102を通って撮像素子103上に結像する。被写体までの距離に応じてピントを調節する手段として、レンズ102を光軸方向に変位させる形状記憶合金アクチュエータ101が用いられる。形状記憶合金アクチュエータ101は制御回路106が出力する制御信号107で駆動される。ピントの自動調節は画像の輝度が最大になるようにアクチュエータを制御することで実現される。そのための手段として、カメラコントロールユニット104から画像の輝度信号105を制御装置106へ入力している。制御装置106の内部では、輝度信号105が最大となるように形状記憶合金アクチュエータ101を駆動するためのアルゴリズムが内蔵されている。なお、ピントの調節は使用者が画像を見ながら手動で行えるモードを備えていてもよい。その場合、制御装置106は輝度信号105は無視して、図示していない使用者からの駆動指令信号に従い制御信号107を出力する。

0019

図11はレンズ112の位置決め精度の向上および動作の高速化を目的として、形状記憶合金アクチュエータ111の状態変数を制御装置116へフィードバックする場合の構成である。形状記憶合金の状態変数の一つである抵抗値は形状記憶合金の相変化の状態に応じて変化するため、相変化に起因するアクチュエータ可動部の変位量との間で大きな相関がある。そこで、抵抗値を制御装置へフィードバックすることで、位置センサを別に設けることなく、位置決め精度の向上および動作の高速化が行える。フィードバック信号118は形状記憶合金の抵抗値を表す信号もしくは形状記憶合金への印加電圧および電流を表す信号である。制御装置116は形状記憶合金の抵抗値もしくはその逆数であるコンダクタンスを用いて制御信号117を出力する。

0020

レンズの変位は変位センサにより測定しても良い。図12はその場合の構成図である。変位センサ128がレンズ112光軸方向の変位を測定するのに適当な位置に設置されており、変位を表す信号129が制御装置126へフィードバックされる。

0021

被写体までの距離は距離センサにより測定しても良い。図13はその場合の構成図である。距離センサ138が被写体までの距離を測定するのに適当な位置に設置されており、距離信号139が制御回路136へ入力される。制御回路136は、自動にピントを調節するための信号として、輝度信号135と距離信号139を併用して制御を行うか、被写体の光学的な条件や使用者からの指令に従い、輝度信号135もしくは距離信号139を選択して制御を行う。

0022

図10図13で挙げた機能を一時的にでも組み合わせた制御系を構成することもできる。また、形状記憶合金アクチュエータは使用環境の温度により特性が変化するので、温度センサを設けて温度を計測し、使用温度に応じて最適な条件で制御を行うようなアルゴリズムが制御装置に備えられていてもよいし、温度補償を行うアナログ的な回路が制御装置内に備えられていてもよい。

0023

次に第5の請求項の実施例について図14(a)を用いて説明する。円筒形状の弾性部材141がその両端部が固定部150、151に接するように取り付けられている。弾性部材141には、細線状の形状記憶合金142が巻き付けられている。弾性部材141、固定部149、150、151によって囲まれた空間143は流路145を除いては密閉された空間である。空間143には、気体もしくは液体が入っている。この説明では空気が入っていることにする。固定部151には、シリンダ148が取り付けられている。シリンダ148には、その内径よりも僅かに小さい外径をもつ可動部147が挿入されている。可動部147、シリンダ148、固定部151、149で囲まれた空間146がある。空間146は流路145、シリンダ148と可動部147の隙間を除いては密閉された空間である。空間143と空間146は流路145によってつながっている。

0024

可動部の動作は次の通りである。形状記憶合金142は通電などに加熱すると収縮し、弾性部材141が変形し、空間143の容積が小さくる。これにより空間143を占めていた空気の一部が流路145を通り空間146側へ押し出される。空間146に流入した空気の一部はシリンダ148と可動部147の隙間を通って外部に漏れ出るが、そのほとんどが可動部147を前方に押し出す仕事をする。図14(b)は形状記憶合金142の収縮時を示した図である。形状記憶合金142の加熱をやめると、弾性部材141の回復力により、空間143の容積が大きくなり、空気が空間146から空間143へ移動して、可動部147は空間146の容積が小さくなる方向に移動する。この実施例は、形状記憶合金の動作を空気を介して可動部に伝えることが特徴で、限られたスペースを有効に利用できる駆動手段である。弾性部材141の形状や、シリンダ147の形状を変えることにより、任意に変位拡大率(形状記憶合金の変形量と可動部の移動量の比)を設定できる。空気を介して駆動するため、形状記憶合金と可動部が離れていても良い。シリンダ148と可動部147の間の隙間による空気の漏れを防ぐために、隙間に液体を注入しておいても良い。空間に満たされた流体が液体の場合は、表面張力が漏れを防ぐこともできる。また、漏れを完全に無くすために、シリンダ148と可動部147の間に弾性部材(金属ベローズ等)を使用することもできる。

0025

この構造は、小型カメラのピント調節機構等の光学系の調節手段に応用できる。図14では可動部147の中にレンズを入れ、固定部149に撮像素子が搭載された例を示している。光学系以外にも可動部の往復の変位が必要である用途に利用できる。また、形態は図1に示したものに限らず、形状記憶合金で駆動される弾性部材で一部が囲まれた空間と可動部の動きにより容積が変化する空間があり、2つの空間が流路でつながっている構造が本質的なものである。なお、流路は小さい径の管である必要は無く、形状記憶合金の収縮により容積が変化する空間と、可動部の動きにより容積が変化する空間は一つの空間であってもよい。

0026

図14に示した実施例において、形状記憶合金を通電により加熱する場合の通電方法電圧制御もしくはPWM制御が用いられる。電圧制御の場合、形状記憶合金に印加する電圧を制御し、変位量をアナログ的に制御する。PWM制御の場合、一定振幅の電圧のパルスで通電する。デューティー比で形状記憶合金への電力を制御する。PWM制御は駆動回路が比較的簡単であるため、アクチュエータを情報機器へ応用する場合有利である。また、振幅が一定であるため、供給できる電力の上限が決まっており、電力の過剰供給による破損を防止することができる。

0027

図14について上記で説明した駆動原理においては、内容の流体が移動する際の抵抗や、可動部における流体の漏れは無視できる程小さいことが望ましい。流体抵抗や漏れが無視できない程大きい構造の場合、逆にこれを利用した駆動方法もとれる。図15図16を用いて説明する。図15は、可動部に流体の漏れがある場合の動作を説明するためのモデルである。空間153は形状記憶合金によって駆動される弾性部材151,152の動きに起因してその内圧が変化する。可動部154とシリンダ156の間には相対運動に抵抗を与える固体摩擦成分155がある。シリンダ156と可動部154は流体の漏れがない状態で相対運動すると仮定し、別途設けた流路157を通じて外部への漏れが生じているとする。流路157の断面積はシリンダに比べ十分小さく、漏れ流流速v(158)のほぼ2乗に比例した抵抗が生じる。形状記憶合金の変形速度が小さく流速vが小さい場合、流路157における抵抗は小さく、空間153の内圧Pと外部の圧力P0はほとんど等しくなる。形状記憶合金の変形速度が大きく流速vが大きい場合、流路157における抵抗は大きく、内圧Pは外部の圧力P0差は大きくなる。可動部154に加わる駆動力は内圧Pと外部の圧力P0の差であり、固体摩擦成分155の作用により、可動部154が動き出すための圧力Pはあるしきい値をもったものになる。すなわち形状記憶合金の変形速度を制御することにより、可動部154が動き出すか動き出さないかを制御することができる。この動作方法には、形状記憶合金に通電していない場合でも任意の位置に可動部を止めておくことができるという利点がある。

0028

図16駆動波形の一例を示す。図16(a)は可動部154が左向き(内部から外部に向かう方向)に動く場合、図16(b)は可動部154が右向き(外部から内部に向かう方向)に動く場合、をそれぞれ示している。161は形状記憶合金への印加電圧波形であり、立ち上がりが急峻な鋸波である。162は空間153内の圧力変化を示しており、P0は外部の圧力、PLは可動部が左に動くための圧力のしきい値で、PRは可動部が右に動くための圧力のしきい値である。圧力Pは電圧の立ち上がり直後にPLを超え、可動部は左に動く(163参照)。電圧の立ち下がりは緩やかで、PはPRを下回らないため、電圧印加をやめての可動部の位置は保持される。これを繰り返し、可動部は徐々に左へ動いていく。可動部を右に動かす場合は164のように立ち下がりが急峻な鋸波形の電圧を印加する。立ち上がり時は、電圧の変化が緩やかであるため、圧力PはPLを上回らない(165参照)。電圧の立ち下がりは急峻で、この直後にPはPRを下回り、可動部は右に動く(166参照)。これを繰り返し、可動部は右に動いていく。

0029

圧力波形162と165が時間軸と圧力軸対称の形にならないのは、形状記憶合金の動作速度が縮む場合と伸びる場合で等しくないからである。これは、加熱は通電により温度が上昇し、冷却は形状記憶合金の表面からの放熱によるためである。一般的に形状記憶合金を通電により加熱する方法で駆動する場合、加熱時に比して冷却時における動作の応答が問題になるが、単位体積当たりの表面積が大きい形状(例えば細線形状)を用いることで、放熱が促進され、動作の応答を早めることができる。また、形状記憶合金に空気を吹き付けるなど、強制冷却をすることで、さらに応答性を改善できる。このような動作の応答性の改善方は、本発明の全ての実施例について適用できる。

0030

図15を用いて説明した駆動方法では、可動部の位置ぎめを行うための変位センサを用いてもよい。変位センサやその他の測定手段を用いない場合、可動部を往復させる動作を何度も行うと、誤差が累積して可動部の現在位置が分からなくなる場合がある。これを解決する方法として、可動部の駆動範囲を制限する機械的なストッパをあらかじめ設けておき、電圧波形161もしくは164において、電圧の振幅を大きくした一つの波形を形状記憶合金に印加した時の可動部変位が駆動範囲にわたるように設計しておけば、現在位置によらず確実に可動部をストッパにあてた状態にすることができるので、これを可動部位置の初期化動作とすることができる。

0031

前述した駆動電圧波形は、電圧制御の場合に用いられるものである。PWM制御を行う場合は、電圧波形はデュディー比の時間変化に相当する。本発明の全ての構造及び駆動方法はPWM制御の場合でも適用可能である。

0032

PWM制御と抵抗値フィードバックを行う場合に、形状記憶合金の抵抗値を測定する方法の一例について図17を用いて説明する。形状記憶合金に印加される電圧波形174は制御信号171により生成される。制御信号171において、TはPWMの搬送周期、t/Tはデューティー比である。形状記憶合金に流れる電流は電流波形176である。電流は電圧波形175のONの時間に流れOFFの時間において電流はほとんど0である。抵抗値は電圧がONの時間の印加電圧と電流から演算して求まるが、演算のタイミングをPWMの搬送周期と合わせなければならず、システム的不都合となる場合がある。そこで、制御信号171から立ち上がりのトリガ信号を抽出し、遅延回路を用いてトリガ信号173を作る。トリガ信号173を用いてサンプルホールド回路ホールド動作を行い、ON時間の電圧、電流値ホールドする(波形175,波形177参照)。コントローラはホールドされた信号を任意のタイミングでサンプリングすることで、抵抗値、コンダクタンスを演算できる。

発明の効果

0033

本発明によれば、形状記憶合金アクチュエータの高出力化小形化、及び製造コストの低減が実現でき、小形の機械要素または光学素子の駆動手段として応用することが可能となる。

図面の簡単な説明

0034

図1本発明の第1および第2の請求項に係わる形状記憶合金アクチュエータの構成を示す斜視図。
図2本発明に係わる形状記憶合金アクチュエータの動作原理を示す概念図。
図3本発明において、コイルばね状の形状記憶合金を用いた場合の構成図。
図4本発明において、ねじりコイルばね状の形状記憶合金を用いた場合の構成図。
図5本発明の第3の請求項に係わる形状記憶合金アクチュエータの構成を示す斜視図。
図6図5の実施例の動作原理を説明するためのモデル。
図7図5の実施例の効果を説明するための図。
図8本発明の第4の請求項に係わる形状記憶合金アクチュエータの構成を示す斜視図。
図9本発明に係わる形状記憶合金アクチュエータを撮像素子に応用した実施例。
図10本発明に係わる形状記憶合金アクチュエータの制御方法の実施例。
図11本発明に係わる形状記憶合金アクチュエータの制御方法の実施例。
図12本発明に係わる形状記憶合金アクチュエータの制御方法の実施例。
図13本発明に係わる形状記憶合金アクチュエータの制御方法の実施例。
図14本発明の第5の請求項に係わる形状記憶合金アクチュエータの構成を示す概念図。
図15図14に示した実施例の駆動原理の一形態を説明するための図。
図16図14に示した実施例の駆動動作を説明するための波形図。
図17形状記憶合金の抵抗値を測定する方法を説明するための図。
図18形状記憶合金アクチュエータの従来例。
図19形状記憶合金アクチュエータの従来例。

--

0035

1…可動部
2…固定部
3…弾性部材
4…形状記憶合金
5,6,7…取付部
8…リード線
9…可動方向

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