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技術 金属イオンの分離法

出願人 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明者 小松優鶴房繁和
出願日 2000年10月13日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2000-312887
公開日 2002年4月26日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2002-121623
状態 特許登録済
技術分野 特定物質の除去 イオン交換 金属の製造または精製
主要キーワード 錯形成能 テノイルトリフルオロアセトン 平衡値 金属イオン種 金属イオン量 クリプタンド トリオクチルホスフィンオキシド 特定種
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この項目の情報は公開日時点(2002年4月26日)のものです。
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課題

特定種金属イオンを、不純物混入を防止しつつ分離し、高純度の金属イオンを得る。

解決手段

環状化合物であり、環のサイズに適したイオン半径を有する金属イオンとのみ錯体を形成する選択的捕獲剤を、複数種の金属イオンを含む水溶液中に添加し、不要な金属イオンをこの選択的捕獲剤により水溶液中に保持し、水溶液をイオン交換性固相と接触させ、所望の金属イオンのみをこの固相に移動させる。

概要

背景

金属イオン分離法には、イオン交換法溶媒抽出法がその代表的なものとして知られている。

イオン交換法は、水溶液中の金属イオンがイオン交換体中のイオン置換し、相移動する反応を利用した分離法である。反応量は、イオン交換体と水溶液の量比で決まり、分離能はイオン交換体により一定値を示す。

溶媒抽出法は、水溶液中の金属イオンが、有機溶媒に溶解した抽出剤若しくは協同抽出剤と反応し、有機相中に相移動する反応を利用した分離法である。金属イオンの抽出量は、抽出剤若しくは協同抽出剤の種類に依存し、また、分離能は、抽出剤若しくは協同抽出剤に固有の一定値を示す。

概要

特定種の金属イオンを、不純物混入を防止しつつ分離し、高純度の金属イオンを得る。

環状化合物であり、環のサイズに適したイオン半径を有する金属イオンとのみ錯体を形成する選択的捕獲剤を、複数種の金属イオンを含む水溶液中に添加し、不要な金属イオンをこの選択的捕獲剤により水溶液中に保持し、水溶液をイオン交換性固相と接触させ、所望の金属イオンのみをこの固相に移動させる。

目的

この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の金属イオンの分離法の前記欠点を解消し、特定種の金属イオンを、不純物の混入を防止しつつ分離し、高純度の金属イオンを得ることのできる金属イオンの分離法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

環状化合物であり、環のサイズに適したイオン半径を有する金属イオンとのみ錯体を形成する選択的捕獲剤を、複数種の金属イオンを含む水溶液中に添加し、不要な金属イオンをこの選択的捕獲剤により水溶液中に保持し、水溶液をイオン交換性固相と接触させ、所望の金属イオンのみをこの固相に移動させることを特徴とする金属イオンの分離法

請求項2

複数種の金属イオンは同族である請求項1記載の金属イオンの分離法。

請求項3

複数種の金属イオンはアルカリ土類金属イオンに属する2種以上である請求項2記載の金属イオンの分離法。

請求項4

選択的捕獲剤はクリプタンド又はクラウンエーテルである請求項1乃至3いずれかに記載の金属イオンの分離法。

技術分野

0001

この出願の発明は、金属イオン分離法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、特定種の金属イオンを、不純物混入を防止しつつ分離し、高純度の金属イオンを得ることのできる金属イオンの分離法に関するものである。

背景技術

0002

金属イオンの分離法には、イオン交換法溶媒抽出法がその代表的なものとして知られている。

0003

イオン交換法は、水溶液中の金属イオンがイオン交換体中のイオン置換し、相移動する反応を利用した分離法である。反応量は、イオン交換体と水溶液の量比で決まり、分離能はイオン交換体により一定値を示す。

0004

溶媒抽出法は、水溶液中の金属イオンが、有機溶媒に溶解した抽出剤若しくは協同抽出剤と反応し、有機相中に相移動する反応を利用した分離法である。金属イオンの抽出量は、抽出剤若しくは協同抽出剤の種類に依存し、また、分離能は、抽出剤若しくは協同抽出剤に固有の一定値を示す。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、これら金属イオンの分離法として代表的なイオン交換法、溶媒抽出法のいずれにおいても、不純物の混入が防げず、所望の金属イオンの完全若しくはほぼ完全な分離は難しい。

0006

具体的にアルカリ土類金属イオンの分離を例にとって説明すると、イオン交換法においては、たとえばチタニア水和物をイオン交換体とする場合、隣接するアルカリ土類金属イオンであるCa−Srの間では、16%もの不純物が混入する。

0007

また、溶媒抽出法においては、抽出剤若しくは協同抽出剤の種類により分離能が決定されるため、抽出剤若しくは協同抽出剤の種類によっては、Ca−Srの間で1%以上の不純物の混入が避けられない。

0008

この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の金属イオンの分離法の前記欠点を解消し、特定種の金属イオンを、不純物の混入を防止しつつ分離し、高純度の金属イオンを得ることのできる金属イオンの分離法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

この出願の発明は、前記の課題を解決するものとして、環状化合物であり、環のサイズに適したイオン半径を有する金属イオンとのみ錯体を形成する選択的捕獲剤を、複数種の金属イオンを含む水溶液中に添加し、不要な金属イオンをこの選択的捕獲剤により水溶液中に保持し、水溶液をイオン交換性固相と接触させ、所望の金属イオンのみをこの固相に移動させることを特徴とする金属イオンの分離法(請求項1)を提供する。

0010

またこの出願の発明は、複数種の金属イオンは同族であること(請求項2)、複数種の金属イオンはアルカリ土類金属イオンに属する2種以上であること(請求項3)、選択的捕獲剤はクリプタンド又はクラウンエーテルであること(請求項4)をそれぞれ一態様として提供する。

0011

以下、実施例を示しつつ、この出願の発明の金属イオンの分離法についてさらに詳しく説明する。

発明を実施するための最良の形態

0012

この出願の発明の金属イオンの分離法では、特定種の金属イオンを選択的に捕獲する選択的捕獲剤を使用する。この選択的捕獲剤は、環状化合物であり、環のサイズに適したイオン半径を有する金属イオンとのみ錯体を形成するものである。

0013

そしてこの出願の発明の金属イオンの分離法では、上記選択的捕獲剤を複数種の金属イオンを含む水溶液中に添加するとともに、水溶液をイオン交換性の固相と接触させる。

0014

選択的捕獲剤は、水溶液中の特定の金属イオンとのみ金属錯体を形成する。この反応は、理論的平衡値にしたがって起こるが、金属錯体を形成した金属イオンは、反応後にも水溶液中に保持される。したがって、水溶液中には、選択的捕獲剤と金属錯体を形成した金属イオン種と、金属錯体を形成しない金属イオン種が存在することとなり、両者の間にはイオン半径に大きな差が生ずる。水溶液中に保持可能な金属イオンは、選択的捕獲剤の種類と金属イオンのサイズにより決まり、その保持量は、選択的捕獲剤及び金属イオンの種類により固有の値を示す。

0015

このような状態にある水溶液をイオン交換性の固相と接触させると、金属錯体を形成しない金属イオン種のみが固相に移動する。金属錯体を形成したイオン半径の大きな金属イオン種は移動しない。この原理に基づき、この出願の発明の金属イオンの分離法では、不要な金属イオンを選択的捕獲剤により水溶液中に保持し、所望の金属イオンのみを固相に移動させる。このため、固相中に不純物として取り込まれる金属イオンは激減する。したがって、この出願の発明の金属イオンの分離法により、特定種の金属イオンを、不純物の混入を防止しつつ分離することができ、この分離は完全若しくはほぼ完全とすることができ、高純度の金属イオンが得られる。金属イオンの分離効率が向上する。

0016

なお、この出願の発明の金属イオンの分離法では、同族の金属イオンの分離も可能である。同族金属イオン群は、イオン交換反応においていずれも同じ反応機構をとるため、イオン交換性の固相に移動しやすいが、選択的捕獲剤により目的外の金属イオンは水溶液中に保持されるため、固相中への不純物の混入が阻止される。

0017

選択的捕獲剤は、保持しようとする金属イオンのイオン半径に応じて適宜に決めることができる。たとえば、クリプタンド、クラウンエーテルなどが例示される。この選択的捕獲剤の錯形成能を向上させるために、この出願の発明の金属イオンの分離法では、たとえばプロパノールなどの水溶性の有機溶媒を水溶液中に添加することができる。

0018

アルカリ土類金属であるCa、Srの両イオンを含む水溶液に選択的捕獲剤としてクリプタンド2.2.2を添加し、溶解させ、この水溶液をイオン交換樹脂であるアンバーライト200CTに接触させた。平衡状態に達した後、液相、固相中の金属イオン量を測定した。その結果を、クリプタンド2.2.2を添加せずにCa及びSrイオンを含む水溶液をアンバーライト200CTに接触させた場合と比較した。また、従来のイオン交換法及び溶媒抽出法によるCa−Sr間の分離とも比較した。イオン交換法ではチタニア水和物をイオン交換体に用い、溶媒抽出法では、抽出剤にTTA(テノイルトリフルオロアセトン)、協同抽出剤にTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)を用いた。

0019

以下の表1及び表2は、その結果を示している。

0020

0021

0022

表1に示したように、イオン半径の大きいSrイオンはクリプタンド2.2.2と錯形成反応を起こし、水溶液中に保持される。一方、イオン半径の小さいCaイオンはクリプタンド2.2.2と反応せず、固相のイオン交換樹脂中に移動する。クリプタンド2.2.2は、水溶液のpHが4〜9の間でSr捕獲能を有しており、特にpH6.3〜7.8の領域ではSrを100%捕獲することができる。したがって、水溶液が中性若しくはその付近においてCa−Srの分離は、完全若しくはほぼ完全に行うことができる。

0023

クリプタンド2.2.2を添加しない場合には、Caイオン、Srイオンとも固相中に移動し、水溶液のpHが2〜12の間ではこれら金属イオンはともに100%固相中に移動する。Ca−Srの分離は不可能である。

0024

また、表2に示したように、従来のイオン交換法及び溶媒抽出法では不純物の混入が避けられないが、この出願の発明の金属イオンの分離法では不純物の混入のない、高純度の金属イオンを得ることができる。

0025

勿論、この出願の発明は、以上の実施形態及び実施例によって限定されるものではない。金属イオン、選択的捕獲剤の種類、反応条件等の細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。

発明の効果

0026

以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、特定種の金属イオンを、不純物の混入を防止しつつ分離し、高純度の金属イオンを得ることができる。

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