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技術 高ストラクチャーカーボンブラックおよびその製造方法

出願人 東海カーボン株式会社
発明者 前田真伸
出願日 2000年10月17日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-316223
公開日 2002年4月23日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2002-121422
状態 特許登録済
技術分野 顔料、カーボンブラック、木材ステイン 電池の電極及び活物質
主要キーワード 供給バー チェッカー状 融着固化 送風孔 関係値 含酸素気体 チャンネル鋼 ふるい残分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年4月23日)のものです。
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図面 (2)

課題

N2 SAレベルに対応する24M4DBPレベルが相対的に高位にある高ストラクチャーカーボンブラックおよび製造方法を提供する。

解決手段

170 ≦N2SA≦ 400、24M4DBP ≦ 160の特性を有するカーボンブラックであって、24M4DBP とN2SAとが下記関係式を満たすことを特徴とする高ストラクチャーカーボンブラック。好ましくはGr45μが 1×10-3%以下、灰分0.05%以下である。

関係式;−(9/46)×[N2SA]+180 ≦[24M4DBP] ≦−(1/2) ×[N2SA]+310

また、その製造方法は、円筒反応炉の炉軸を中心として、その円周上に配置された複数の燃料ノズルから燃料ガス酸素ガスとの混合ガスを供給して円筒状火炎を形成し、炉軸方向から原料炭化水素を円筒状火炎の中心に供給して熱分解する。原料炭化水素はガス化して供給することが望ましい。

概要

背景

カーボンブラックは、ゴム補強材を中心とするゴム用途分野をはじめ、黒色顔料として樹脂着色剤印刷インキ塗料などの用途や導電性付与剤などの用途に広く使用されている。

カーボンブラックの種類としてはファーネスブラックチャンネルブラックサーマルブラックアセチレンブラックが古くから知られている。このうち、チャンネルブラックは天然ガス燃焼させた扇型の炎をチャンネル鋼衝突させ、析出したカーボンブラックを掻き落として製造される超微粒系の品種で、主にカラー用として用いられている。サーマルブラックは耐火レンガチェッカー状に積んだ蓄熱室式の分解炉を用い、天然ガスを用いて燃焼と熱分解周期的に繰り返し行うもので、大粒子径を有するカーボンブラックが得られる。また、アセチレンブラックはアセチレン発熱反応を利用して炭素水素に熱分解させて得られるカーボンブラックで、高い導電性と大きなストラクチャーに特徴があり、主に電池用に用いられている。

ファーネスブラックは原料不完全燃焼させて製造されるもので、原料系の違いによりガスファーネス法オイルファーネス法とに大別される。ガスファーネス法は天然ガスのようなガス状炭化水素を原料とし、その一部を燃焼して、その燃焼熱により残りの原料ガスを熱分解してカーボンブラックを製造する方法である。また、オイルファーネス法は燃料の燃焼により形成された火炎中に液状の炭化水素原料油噴霧状または蒸気状として連続供給することにより熱分解させる方法であり、広範囲に亘る粒子性状のカーボンブラックを工業的に製造することができる。

上記のカーボンブラック製造技術のうち、主流となっているのはオイルファーネス法で、現在では大部分のカーボンブラックがこの方法により工業生産されている。オイルファーネスブラックの基本的な製造技術は、耐火煉瓦内張りした円筒状の燃焼域反応域および反応停止域同軸的に連設した反応炉を用い、燃焼域で燃料を燃焼させて高温燃焼ガスを生成させ、燃焼ガス流中に原料炭化水素を導入して原料炭化水素の不完全燃焼および熱分解反応により炭化水素をカーボンブラックに転化させ、次いで反応停止域においてカーボンブラック含有ガス流急冷して反応を終結させ、最終的にカーボンブラックを捕集工程で回収するプロセスからなっている。

上記のプロセスにおいて、原料炭化水素がカーボンブラックに転化する過程は極めて複雑であって未だ詳細には解明されていないが、一般には高温燃焼ガス流中に導入された原料炭化水素が多環芳香族炭化水素あるいはアセチレンを経由して微細な液滴に凝縮し、この液滴が脱水素反応しながら衝突と合体を繰り返して核を形成したのち粒子成長し、更に粒子相互の衝突により融着固化して粒子凝集体を形成するものと考えられている。

カーボンブラックの基本特性として重要な因子は、主に粒子径比表面積)とストラクチャーであり、粒子径(比表面積)とストラクチャーのレベルによりカーボンブラックの品種の分類が行われている。一般に、粒子径が大きく、比表面積の小さなカーボンブラックは、上記プロセスにおいて原料炭化水素を導入する燃焼ガス流の温度が相対的に低く、逆に、粒子径が小さく、比表面積の大きなカーボンブラックは、原料炭化水素を導入する燃焼ガス流の温度を相対的に高く設定する必要がある。

また、ストラクチャーは上記のプロセスにおいて、原料炭化水素が微細な液滴に凝縮して核の前駆体を形成し、これらの核が粒子に成長し、更に粒子相互の衝突により形成される粒子凝集体の大きさ、すなわちアグリゲートの大きさで評価され、ストラクチャーの増大を図るためには、核の形成速度を高めるとともに粒子相互の衝突頻度を高めることが必要である。そのためには、燃焼ガス流中への原料炭化水素の導入量を多くして、熱分解過程における原料炭化水素の存在割合(燃焼ガス流中の炭素源濃度)を上げることが必要となる。逆に、燃焼ガス流中の原料炭化水素濃度を下げれば、ストラクチャーは低くなる。

概要

N2 SAレベルに対応する24M4DBPレベルが相対的に高位にある高ストラクチャーカーボンブラックおよび製造方法を提供する。

170 ≦N2SA≦ 400、24M4DBP ≦ 160の特性を有するカーボンブラックであって、24M4DBP とN2SAとが下記関係式を満たすことを特徴とする高ストラクチャーカーボンブラック。好ましくはGr45μが 1×10-3%以下、灰分0.05%以下である。

関係式;−(9/46)×[N2SA]+180 ≦[24M4DBP] ≦−(1/2) ×[N2SA]+310

また、その製造方法は、円筒状反応炉の炉軸を中心として、その円周上に配置された複数の燃料ノズルから燃料ガス酸素ガスとの混合ガスを供給して円筒状火炎を形成し、炉軸方向から原料炭化水素を円筒状火炎の中心に供給して熱分解する。原料炭化水素はガス化して供給することが望ましい。

目的

本発明の目的は、このように従来困難とされていた高比表面積高ストラクチャーとを両立させ、従来品種のレベルを越える高比表面積と高ストラクチャーを併有するカーボンブラック、およびその製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

170≦N2 SA≦400、24M4DBP≦160の特性を有するカーボンブラックであって、24M4DBPとN2 SAとが下記関係式を満たすことを特徴とする高ストラクチャーカーボンブラック。−(9/46)×〔N2 SA〕+180≦〔24M4DBP〕≦−(1/2)×〔N2 SA〕+310但し、N2 SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、24M4DBPは圧縮DBP吸収量(cm3/100g)である。

請求項2

Gr45 μが1×10-3%以下、灰分が0.05%以下である請求項1記載の高ストラクチャーカーボンブラック。

請求項3

円筒反応炉の炉軸を中心として、その円周上に配置された複数の燃料ノズルから燃料ガス酸素ガスとの混合ガスを供給して円筒状火炎を形成し、炉軸方向から原料炭化水素を円筒状火炎の中心に供給して熱分解することを特徴とする高ストラクチャーカーボンブラックの製造方法。

請求項4

原料炭化水素を気化して供給する請求項3記載の高ストラクチャーカーボンブラックの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、高比表面積領域において高位ストラクチャーを備えた高ストラクチャーカーボンブラックおよびその製造方法に関する。

背景技術

0002

カーボンブラックは、ゴム補強材を中心とするゴム用途分野をはじめ、黒色顔料として樹脂着色剤印刷インキ塗料などの用途や導電性付与剤などの用途に広く使用されている。

0003

カーボンブラックの種類としてはファーネスブラックチャンネルブラックサーマルブラックアセチレンブラックが古くから知られている。このうち、チャンネルブラックは天然ガス燃焼させた扇型の炎をチャンネル鋼衝突させ、析出したカーボンブラックを掻き落として製造される超微粒系の品種で、主にカラー用として用いられている。サーマルブラックは耐火レンガチェッカー状に積んだ蓄熱室式の分解炉を用い、天然ガスを用いて燃焼と熱分解周期的に繰り返し行うもので、大粒子径を有するカーボンブラックが得られる。また、アセチレンブラックはアセチレン発熱反応を利用して炭素水素に熱分解させて得られるカーボンブラックで、高い導電性と大きなストラクチャーに特徴があり、主に電池用に用いられている。

0004

ファーネスブラックは原料不完全燃焼させて製造されるもので、原料系の違いによりガスファーネス法オイルファーネス法とに大別される。ガスファーネス法は天然ガスのようなガス状炭化水素を原料とし、その一部を燃焼して、その燃焼熱により残りの原料ガスを熱分解してカーボンブラックを製造する方法である。また、オイルファーネス法は燃料の燃焼により形成された火炎中に液状の炭化水素原料油噴霧状または蒸気状として連続供給することにより熱分解させる方法であり、広範囲に亘る粒子性状のカーボンブラックを工業的に製造することができる。

0005

上記のカーボンブラック製造技術のうち、主流となっているのはオイルファーネス法で、現在では大部分のカーボンブラックがこの方法により工業生産されている。オイルファーネスブラックの基本的な製造技術は、耐火煉瓦内張りした円筒状の燃焼域反応域および反応停止域同軸的に連設した反応炉を用い、燃焼域で燃料を燃焼させて高温燃焼ガスを生成させ、燃焼ガス流中に原料炭化水素を導入して原料炭化水素の不完全燃焼および熱分解反応により炭化水素をカーボンブラックに転化させ、次いで反応停止域においてカーボンブラック含有ガス流急冷して反応を終結させ、最終的にカーボンブラックを捕集工程で回収するプロセスからなっている。

0006

上記のプロセスにおいて、原料炭化水素がカーボンブラックに転化する過程は極めて複雑であって未だ詳細には解明されていないが、一般には高温燃焼ガス流中に導入された原料炭化水素が多環芳香族炭化水素あるいはアセチレンを経由して微細な液滴に凝縮し、この液滴が脱水素反応しながら衝突と合体を繰り返して核を形成したのち粒子成長し、更に粒子相互の衝突により融着固化して粒子凝集体を形成するものと考えられている。

0007

カーボンブラックの基本特性として重要な因子は、主に粒子径比表面積)とストラクチャーであり、粒子径(比表面積)とストラクチャーのレベルによりカーボンブラックの品種の分類が行われている。一般に、粒子径が大きく、比表面積の小さなカーボンブラックは、上記プロセスにおいて原料炭化水素を導入する燃焼ガス流の温度が相対的に低く、逆に、粒子径が小さく、比表面積の大きなカーボンブラックは、原料炭化水素を導入する燃焼ガス流の温度を相対的に高く設定する必要がある。

0008

また、ストラクチャーは上記のプロセスにおいて、原料炭化水素が微細な液滴に凝縮して核の前駆体を形成し、これらの核が粒子に成長し、更に粒子相互の衝突により形成される粒子凝集体の大きさ、すなわちアグリゲートの大きさで評価され、ストラクチャーの増大を図るためには、核の形成速度を高めるとともに粒子相互の衝突頻度を高めることが必要である。そのためには、燃焼ガス流中への原料炭化水素の導入量を多くして、熱分解過程における原料炭化水素の存在割合(燃焼ガス流中の炭素源濃度)を上げることが必要となる。逆に、燃焼ガス流中の原料炭化水素濃度を下げれば、ストラクチャーは低くなる。

発明が解決しようとする課題

0009

したがって、カーボンブラックの高比表面積化高ストラクチャー化とを図るためには、原料炭化水素を導入する燃焼ガス流の温度をより高温に設定し、かつ燃焼ガス流中における原料炭化水素濃度(炭素源濃度)をより高く設定することが必要となる。しかしながら、この熱分解条件は互いに相反する条件設定が要求される。すなわち、高比表面積化を図るために、原料炭化水素の導入量を相対的に少なくして熱分解反応温度を高温に設定することが必要となるが、一方、原料炭化水素の導入量を相対的に少なくすると熱分解反応時の炭素源濃度が小さくなり、ストラクチャーの増大を図ることが困難となる。

0010

そこで、通常、原料炭化水素には重縮合の進んだクレオソート油アントラセン油などの芳香族成分富む原料油が用いられている。しかしながら、高比表面積化と高ストラクチャー化とを両立させることには限界がある。

0011

本発明の目的は、このように従来困難とされていた高比表面積と高ストラクチャーとを両立させ、従来品種のレベルを越える高比表面積と高ストラクチャーを併有するカーボンブラック、およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記の目的を達成するための本発明による高ストラクチャーカーボンブラックは、170≦N2 SA≦400、24M4DBP≦160の特性を有するカーボンブラックであって、24M4DBPとN2 SAとが下記関係式を満たすことを構成上の特徴とする。
−(9/46)×〔N2 SA〕+180≦〔24M4DBP〕≦−(1/2)×〔N2 SA〕+310
但し、N2 SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、24M4DBPは圧縮DBP吸収量(cm3/100g)である。更に、この高ストラクチャーカーボンブラックにおいてGr45 μが1×10-3%以下、灰分が0.05%以下であることを特徴とする。

0013

また、本発明の高ストラクチャーカーボンブラックの製造方法は、円筒状反応炉の炉軸を中心として、その円周上に配置された複数の燃料ノズルから燃料ガス酸素ガスとの混合ガスを供給して円筒状火炎を形成し、炉軸方向から原料炭化水素を円筒状火炎の中心に供給して熱分解することを特徴とする。また、原料炭化水素は加熱、気化してガス状で供給することが望ましい。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明の高ストラクチャーカーボンブラックは、比表面積が大きい領域において、比表面積レベルに対応するストラクチャーレベルが相対的に高位にある点を特徴とし、170≦N2 SA≦400、24M4DBP≦160の特性範囲は、本発明の高ストラクチャーカーボンブラックの前提要件となるものである。すなわち、窒素吸着比表面積(N2SA)が170(m2/g)以上、400(m2/g)以下という高比表面積の領域にあるカーボンブラックを対象として、ストラクチャーレベルとして、カーボンブラックの粒子凝集体(アグリゲート)の大きさを評価するメジャーである圧縮DBP吸収量(24M4DBP)の値を、窒素吸着比表面積(N2SA)の値との間に特定の関係値にあることを特徴としている。

0015

そして、具体的には、
−(9/46)×〔N2 SA〕+180≦〔24M4DBP〕≦−(1/2)×〔N2 SA〕+310
の関係式値を充足することを特徴とする。なお、この場合において、24M4DBPは160(cm3/100g)以下であることを前提とする。その理由は、一般的にファーネス法によりカーボンブラックを製造する場合、24M4DBPが160(cm3/100g)を越えるカーボンブラックを得ることが困難なためである。

0016

また、本発明の高ストラクチャーカーボンブラックは、低グリットおよび低灰分という点においても特徴を有し、グリットはGr45 μが1×10-3%以下であり、灰分が0.05%以下である点も特徴としている。

0017

なお、これらの特性値のうち窒素吸着比表面積(N2 SA)、圧縮DBP吸収量(24M4DBP吸収量)は、JIS K6217−97「ゴム用カーボンブラック基本性能試験法」、ふるい残分(Gr45 μ)および灰分はJIS K6218−97「ゴム用カーボンブラックの付随的性質の試験法」により測定された値である。

0018

この高ストラクチャーカーボンブラックは、図1に例示した円筒状反応炉を用いて製造することができる。すなわち、図1は、本発明の製造方法に用いられる円筒状反応炉を模式的に示した略断面図で、円筒状反応炉1は耐火煉瓦を内張りして構築されており、その上流側前面の炉中心軸に原料炭化水素供給バーナ2が挿着され、原料炭化水素は気化予熱器3を介して原料炭化水素供給バーナ2に送入される。原料炭化水素供給バーナ2を中心として、その円周上には複数の燃料ノズル4が配置されている。5は燃焼用空気などの含酸素気体送風孔で、複数個が設置されている。なお、6は反応停止用の冷却器、7は捕集器である。

0019

この円筒状反応炉1を用いて、燃料ノズル4から燃料ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給して燃焼させ、燃焼ガスによる円筒状の火炎を形成する。燃料には液化天然ガスコークス炉ガス水性ガスメタンプロパンブタンペンタンケロシンナフサなど、常用される石炭系石油系の各種炭化水素ガスが用いられる。この場合、より高温の燃焼ガスを得るためには、燃料ガスと酸素ガスとの混合体積比率を燃料ガス1に対して酸素ガスを理論酸素量の0.3〜0.7倍程度の範囲に調節することが好ましい。また、送風孔5から送入する含酸素気体には空気のほか、酸素富化空気が好ましく用いられる。

0020

このようにして円筒状反応炉1の上流部に形成した円筒状火炎の中心部に、原料炭化水素が供給される。この場合、原料炭化水素は気化予熱器3により気化して、ガス状で原料炭化水素供給バーナ2から供給することが望ましい。原料炭化水素をガス状で供給することにより、コークスグリットの発生を大幅に低減化することができるとともに不純物混入を抑止し、灰分を低位に抑制することができる。原料炭化水素には、ベンゼントルエンキシレンナフタレンアントラセンなどの芳香族炭化水素やこれらの芳香族炭化水素を含有する石炭系、石油系の炭化水素が使用可能であるが、気化導入を行うためにはベンゼン、トルエン、キシレンなどの300℃以下の低沸点炭化水素が好ましく用いられる。

0021

燃料を燃焼して形成した円筒状火炎の中心に気化導入された原料炭化水素は、拡散炎炎心のように円筒状火炎に比べて相対的に低温となる。その結果、高温側の円筒状火炎と低温側の原料炭化水素ガスとの間には温度差に基づく熱拡散力が作用して、内向きの力が作用することになる。したがって、原料炭化水素の熱分解過程で生成する核は熱泳動により炎内部に移動して、核の存在密度が高くなるとともに核相互の衝突頻度が増大し、大きな凝集体が形成されることになる。すなわち高ストラクチャーカーボンブラックを生成することが可能となる。

0022

このように本発明の製造方法によれば、高温の円筒状火炎の中心部に形成される、相対的に低温となる円筒状火炎の中心部に原料炭化水素を気化導入することにより高ストラクチャー化を図ることが可能となり、またコークスグリットの生成や不純物の混入が抑制される。更に、原料炭化水素には一環芳香族炭化水素の単体を用いることもできるので、コークスグリットおよび灰分を一層低減化することができる。

0023

本発明の高ストラクチャーカーボンブラックおよびその製造方法によれば、窒素吸着比表面積(N2 SA)の大きい領域において、N2 SAに対応するストラクチャーレベルが高く、高位のストラクチャーを備え、コークスグリットや灰分の少ない高ストラクチャーカーボンブラックが提供されるので、例えばゴム組成物とした際に補強性の向上やゴム表面平滑性の向上、薄物ゴム製品の製造、更に導電性の付与などに好適であり、顔料用としては黒みの向上や安定性の向上、更に電池用として電解質の吸液性の向上、電池寿命の向上、など広い用途分野において有用することができる。

0024

以下、本発明の実施例を比較例と対比して詳細に説明する。

0025

実施例
図1に示した円筒状反応炉により、燃料ガスに市販LPGを用いて酸素ガスと予め混合し、燃焼して円筒状火炎を形成した。原料炭化水素には一級トルエンを用い、予熱気化して円筒状火炎の中心に向けて供給した。このようにして、原料炭化水素を熱分解してカーボンブラックを生成させ、その特性を測定した。得られた結果を、製造条件とともに表1に示した。

0026

0027

これらのカーボンブラックについてN2 SAと24M4DBPのレベルを、従来のファーネスブラックのレベルと対比して図2に示した。図2から本発明の高ストラクチャーカーボンブラックは、N2 SAレベルに対応する24M4DBPのレベルが、従来のファーネスブラックに対して相対的に高位にあることが判る。

発明の効果

0028

以上のとおり、本発明によれば、N2 SAレベルに対応する24M4DBPのレベルが相対的に高位にある高ストラクチャーカーボンブラックが提供され、しかも軽質の芳香族炭化水素を原料に用いることが可能であるので、低グリット、低灰分のカーボンブラックが得ることができる。したがって、補強性や表面平滑性、更に導電性に優れたゴム組成物を得るためのゴム補強用カーボンブラックをはじめ黒みや安定性の高い顔料用カーボンブラック、電解質吸液性が高く、長寿命の電池用カーボンブラックなど広い用途分野において用いられるカーボンブラックとして極めて有用である。

図面の簡単な説明

0029

図1本発明の高ストラクチャーカーボンブラックを製造するための反応炉を例示した略断面図である。
図2本発明の高ストラクチャーカーボンブラックのN2 SAレベルに対応する24M4DBPのレベルを、従来のファーネスブラックのレベルと対比して示した図である。

--

0030

1円筒状反応炉
2原料炭化水素供給バーナ
3気化予熱器
4燃料ノズル
5送風孔
6冷却器
7捕集器

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