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技術 揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法

出願人 小野田ケミコ株式会社
発明者 古賀泰之西尾経木村文彦松田朝光
出願日 2000年10月12日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 2000-311992
公開日 2002年4月23日 (19年6ヶ月経過) 公開番号 2002-119952
状態 特許登録済
技術分野 地盤の調査及び圧密・排水による地盤強化 固体廃棄物の処理
主要キーワード 半揮発性有機化合物 揮発有機化合物 土中温度 二次的効果 有限要素法解析 二次効果 有機化合物燃料 土中水
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この項目の情報は公開日時点(2002年4月23日)のものです。
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図面 (6)

課題

揮発性有機化合物汚染された土壌に、生石灰杭状打設することにより土中水を吸収し、化学的反応による発熱により、汚染土壌撹拌混合せず揮発有機化合物汚染ガスと汚染された地下水とを同時に浄化する方法である。

解決手段

汚染された土壌(1)に生石灰(5)を0.8〜2.0mの間隔で地中に打設することことで、土中水を吸収(2)(3)(4)し、化学反応による発熱により汚染土壌と生石灰を撹拌混合せず、揮発性有機化合物を揮発させることにより、汚染ガスを吸引しやすくさせ、また、浄化速度を速くさせることができ、汚染ガスを大気中に飛散させることなく浄化させ、併せて汚染された地下水位を同時に浄化させる。また、二次的効果として軟弱地盤の改良もできる。

概要

背景

近来、人工化学物質による汚染産業活動の活発化と生活水準の高度化で増加している。特に、半導体の製造やドライクリーニングなどの洗浄剤としてトリクロロエチレン、その他の揮発性有機化合物など使用されている。その揮発性有機化合物が含まれた洗浄廃水などが、何らかの原因で漏れ出てた場合、トリクロロエチレンは地盤への浸透がし易いため、広域的地下水汚染を引き起こすことになる。

また、トリクロロエチレンなどは、高揮発性物質であるため、これらの物質が地下に存在すると土中の空気に揮散し、地表面にまで拡散上昇し環境汚染問題となっている。このため、この揮発性有機化合物で汚染された土壌浄化する方法として、特許第2589002号が提案されている。この発明は無機化合物生石灰等)を揮発性有機化合物で汚染された土壌に散布混合し、土中水発熱反応させ土壌中の揮発性有機化合物の有害ガス揮発させ除去する方法である。

しかしながら、この浄化方法は土壌の処理量が増加すると土壌と生石灰などの撹拌混合を十分に行なわせることは困難であり、また、土壌全体を十分に昇温させることができない。そのため土壌中の揮発性有機化合物の揮発効率が低い問題がある。さらに、この方法では、汚染された土壌深度が浅い(地表から1〜2m程度まで)場合のみ有効であるが、汚染された深度が前記深度より深い場合処理不能となる。

また、地表で揮発性化合物で汚染された土壌を撹拌混合すると、揮発した有害ガスが空気中に飛散大気汚染のおそれがある。なお、上記の方法では、汚染地下水も同時に処理することができない問題もある。

また、上記の方法以外の揮発性有機化合物で汚染された土壌を浄化する方法には、以下の方法がある。
1) 土壌中の汚染ガス吸引する方法
2) 汚染した地下水を汲み上げて気化させる方法
現在、上記の方法が中心的であるが、これらの方法は有害ガスの浄化に時間がかかることと、完全な浄化ができるか問題がある。

次に、原位置での浄化方法には、次の方法がある。
3)ガラス固化
4)過マンガン酸カリウム等の酸化剤を注入する原位置酸化分解
5)粉体噴射撹拌工法により生石灰と汚染土壌とを撹拌混合し、吸水発熱させ浄化させる方法
上記のうち、3)、4)の浄化方法は、費用経済的でなく高価であり、また、5)の方法は生石灰を空気で土中に圧送するため汚染ガスが大気中に飛散したり、圧送空気で汚染ガスが土中に拡散するおそれがある。

概要

揮発性有機化合物で汚染された土壌に、生石灰を杭状打設することにより土中水を吸収し、化学的反応による発熱により、汚染土壌と撹拌混合せず揮発有機化合物の汚染ガスと汚染された地下水とを同時に浄化する方法である。

汚染された土壌(1)に生石灰(5)を0.8〜2.0mの間隔で地中に打設することことで、土中水を吸収(2)(3)(4)し、化学反応による発熱により汚染土壌と生石灰を撹拌混合せず、揮発性有機化合物を揮発させることにより、汚染ガスを吸引しやすくさせ、また、浄化速度を速くさせることができ、汚染ガスを大気中に飛散させることなく浄化させ、併せて汚染された地下水位を同時に浄化させる。また、二次的効果として軟弱地盤の改良もできる。

目的

効果

実績

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請求項1

揮発性有機化合物汚染された土壌に、生石灰杭状打設し、生石灰の化学反応による吸水作用で周辺中間地盤土中水を吸水し、また、生石灰の化学反応による発熱および、熱伝導によって派生する中間地盤の温度上昇により揮発された揮発性有機化合物の有害ガスと、汚染された地下水吸引し、揮発性有機化合物で汚染された土壌と地下水とを同時に浄化することを特徴とする揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法。

請求項2

揮発性有機化合物で汚染された土壌を生石灰と撹拌混合することなく生石灰の化学反応により揮発性有機化合物を揮発させ、揮発された有害ガスを飛散させることなく、該揮発性有機化合物で汚染された土壌の浄化とともに軟弱地盤を改良することを特徴とする請求項1記載の揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法。

請求項3

揮発性有機化合物で汚染された土壌中に打設した生石灰杭の反応熱で、汚染された土壌の土中温度を上昇させ、土壌ガス吸引工法と併用して浄化速度を増加させることを特徴とする揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法。

請求項4

生石灰杭の反応熱により半揮発性有機化合物で汚染された土壌の土中温度を上昇させ、半揮発性有機化合物の有害ガスを揮発させ吸収浄化することを特徴とする揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法。

技術分野

0001

この発明は人工化学物質による汚染土壌、すなわち、重油ガソリン灯油等の有機化合物燃料ダイオキシン・PCB等の合成有機塩素化合物トリクロロエチレンテトラクロロエチレン等の揮発性有機塩素化合物等による土壌汚染環境問題において、特に、トリクロロエチレンなどの揮発性有機化合物汚染された土壌を原位置で安全に浄化する方法に関する。

背景技術

0002

近来、人工化学物質による汚染は産業活動の活発化と生活水準の高度化で増加している。特に、半導体の製造やドライクリーニングなどの洗浄剤としてトリクロロエチレン、その他の揮発性有機化合物など使用されている。その揮発性有機化合物が含まれた洗浄廃水などが、何らかの原因で漏れ出てた場合、トリクロロエチレンは地盤への浸透がし易いため、広域的地下水汚染を引き起こすことになる。

0003

また、トリクロロエチレンなどは、高揮発性物質であるため、これらの物質が地下に存在すると土中の空気に揮散し、地表面にまで拡散上昇し環境汚染問題となっている。このため、この揮発性有機化合物で汚染された土壌を浄化する方法として、特許第2589002号が提案されている。この発明は無機化合物生石灰等)を揮発性有機化合物で汚染された土壌に散布混合し、土中水発熱反応させ土壌中の揮発性有機化合物の有害ガス揮発させ除去する方法である。

0004

しかしながら、この浄化方法は土壌の処理量が増加すると土壌と生石灰などの撹拌混合を十分に行なわせることは困難であり、また、土壌全体を十分に昇温させることができない。そのため土壌中の揮発性有機化合物の揮発効率が低い問題がある。さらに、この方法では、汚染された土壌深度が浅い(地表から1〜2m程度まで)場合のみ有効であるが、汚染された深度が前記深度より深い場合処理不能となる。

0005

また、地表で揮発性化合物で汚染された土壌を撹拌混合すると、揮発した有害ガスが空気中に飛散大気汚染のおそれがある。なお、上記の方法では、汚染地下水も同時に処理することができない問題もある。

0006

また、上記の方法以外の揮発性有機化合物で汚染された土壌を浄化する方法には、以下の方法がある。
1) 土壌中の汚染ガス吸引する方法
2) 汚染した地下水を汲み上げて気化させる方法
現在、上記の方法が中心的であるが、これらの方法は有害ガスの浄化に時間がかかることと、完全な浄化ができるか問題がある。

0007

次に、原位置での浄化方法には、次の方法がある。
3)ガラス固化
4)過マンガン酸カリウム等の酸化剤を注入する原位置酸化分解
5)粉体噴射撹拌工法により生石灰と汚染土壌とを撹拌混合し、吸水発熱させ浄化させる方法
上記のうち、3)、4)の浄化方法は、費用経済的でなく高価であり、また、5)の方法は生石灰を空気で土中に圧送するため汚染ガスが大気中に飛散したり、圧送空気で汚染ガスが土中に拡散するおそれがある。

発明が解決しようとする課題

0008

このような従来の浄化技術では、主として以下のような問題点があった。
1)経済的でなく非常に高価である。
2)汚染浄化に時間がかかる。
3)汚染ガスが大気中に飛散するおそれがある。

課題を解決するための手段

0009

この発明は上述の問題を解決するために、揮発性有機化合物で汚染された土壌に、生石灰を杭状打設し、生石灰の化学反応による吸水作用で周辺中間地盤の土中水を吸水し、また、生石灰の化学反応による発熱および、熱伝導によって派生する中間地盤の上昇温度により揮発された揮発性有機化合物の有害ガスと、汚染された地下水を吸引し、揮発性有機化合物で汚染された土壌と地下水とを同時に浄化する揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法としたことである。

0010

また、揮発性有機化合物で汚染された土壌を生石灰と撹拌混合することなく生石灰の化学反応により揮発性有機化合物を揮発させ、揮発された有害ガスを飛散させることなく、該揮発性有機化合物で汚染された土壌の浄化とともに軟弱地盤を改良する揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法としたことである。

0011

さらに、揮発性有機化合物で汚染された土壌中に打設した生石灰杭の反応熱で、汚染された土壌の土中温度を上昇させ、土壌ガス吸引工法と併用して浄化速度を増加させ、揮発性有機化合物で汚染された土壌を原位置で浄化する方法としたことである。

0012

さらにまた、生石灰杭の反応熱により半揮発性有機化合物で汚染された土壌の土中温度を上昇させ、半揮発性有機化合物の有害ガスを揮発させ吸収浄化することを特徴とする汚染された土壌を原位置で浄化する方法としたことである。

0013

この発明は上記のとおりの従来技術の問題点に着目して、軟弱地盤の改良に多くの実績のある生石灰杭工法を使用し、反応熱で土中温度を上昇させ、揮発性有機化合物を揮発させることで、汚染ガスが吸引しやすくなり、浄化速度を速めることができる。また、この方法は汚染土壌を撹拌混合しないことから、汚染ガスを大気中に飛散させず安全に浄化できる。

発明を実施するための最良の形態

0014

この発明の実施の形態を、生石灰杭を打設した場合の土中における熱的挙動計算値、および実測値に基づいて述べる。地中に打設した生石灰杭は、土中水の吸水反応時点で発熱し、生石灰杭体部分で最大約400℃となり、土中温度も地盤条件によるが、50℃〜70℃が5〜10週間と継続することが判った。

0015

熱計算は、生石灰杭の分担する土塊からの透水が加熱されるが、1気圧下の沸騰温度100℃の熱水状態で生石灰杭中に保持され、やがて杭温度が低下して100℃以下となった場合、土との熱交換によって土を加熱するのに用いられるものとする条件で、生石灰杭の温度が漸次低下して、表面温度が100℃になるまで杭内部に保持された熱が、生石灰杭の中心部と外郭部との温度勾配によって土中に伝達されものとして計算し、生石灰杭温度が100℃になってからは、生石灰杭を含む土塊の保有熱が、系内で移動することによって、温度が一定値収斂するまで緩除な冷却と加熱とが平衡的に継続するという考え方熱移動推計すると、この熱移動の過程概念図を図1に示すと生石灰杭温度は理論最高温度である320℃まで上がり、土中に打設され生石灰杭および土塊温度が約70℃に収斂され平衡状態となる。

0016

次に生石灰杭を打設した場合の土中における熱的挙動を計算値、および実側値について述べる。生石灰杭を1.2mピッチ正方形配置で生石灰杭の分担する影響範囲を等値円とし求め、円柱状の土中に生石灰杭1本が存在し、該杭内が均一温度の軸対象モデルとして有限要素法解析解析した計算値と、実測値を比較したとものを図2に示すとおり、計算結果測定値図3)は非常に良く似ている。以上のことから生石灰杭を汚染土壌に打設することは、土壌加熱の熱源として土塊温度を50℃〜70℃程度に長期にわたって保持されることがわかった。

0017

また、土壌ガス吸引工法において、土壌加熱を併用することは非常に効果的であり、以下のその有効性については広く知られている。
1)浄化速度を早めることができる。
2)常温では比較的気化しにくい半揮発性物質をも除去させるのに有効である。
次に有効性の定量的な証明については、公知(大林組技術研究所No.60,2000)であり、試験概要は以下のとおりである。

0018

小型カラム実験装置においてカラム内に汚染土(灯油)突き固め充填し、真空ポンプで吸引を行い、カラム内を一定速度で温めた空気を通過させる実験において、土壌温度50℃、35℃.20℃の3種で行い除去速度と除去率の確認を行った。

0019

そのときの試験結果は、土壌温度50℃と20℃との浄化速度を比較すると、4倍程度速く浄化させ、除去率は100%という結果であった。また、揮発性有機化合物の代表であるトリクロロエチレンの汚染土と半揮発性の灯油の汚染土の除去速度の比較試験で土壌温度50℃で除去率100%での条件で、除去速度はトリクロロエチレンの方が100倍程度速いという結果であった。

0020

以上のことから、揮発性有機化合物で汚染された土壌を加熱させることは、浄化速度の増加、および揮発しにくい半揮発性有機化合物まで除去でき非常に有効であることがわかった。

0021

次にこの発明の一実施例を図4および図5に基づいて説明すると図4は揮発性有機化合物で汚染された土壌の浄化方法の模式図であり、図5は生石灰杭打設の平面図である。生石灰パイル工法で、揮発性有機化合物で汚染された土壌1に、生石灰杭5を0.8m〜2.0mの間隔で打設し、また、該地中に吸引井4を立て込むとともに、該吸引井4に真空ポンプ2、汚染ガスおよび地下水浄化装置3を取り付ける。

0022

揮発性有機化合物、例えばトリクロロエチレンで汚染されら土壌1中に打設した生石灰杭5は、生石灰杭5の化学反応による吸水作用で中間地盤6の土中水を吸引し、また、化学反応により生石灰杭体は最大400℃まで発熱し、その後地盤条件にもよるが、土中に打設された生石灰杭および土塊温度が約70℃に収斂され平衡状態を保ち、温度上昇により揮発性有機化合物は揮発され有害ガスを発生する。揮発された有害ガスと汚染された地下水は吸引井4によって吸引され、汚染ガスおよび汚染地下水は、浄化装置3により浄化処理されるとともに、地盤中に生石灰杭を構築するので軟弱地盤の改良も併せおこなうことができる。

発明の効果

0023

この発明は汚染ガスを大気中に飛散させることなく浄化させ、併せて汚染された地下水を同時に浄化させることができ、さらに、二次効果として軟弱地盤も改良することができる。

0024

この発明は汚染された土壌に生石灰杭を0.8m〜2.0mの間隔で地中に打設することで土中水を吸収し化学反応による発熱により汚染土壌と撹拌混合せず揮発性有機化合物を揮発させ、汚染ガスを吸引しやすくさせ、浄化速度を速めることにができ、汚染ガスを大気中に飛散させることなく浄化させ、併せて汚染された地下水を同時に浄化させる。また、二次的効果として軟弱地盤も改良することができる。

0025

また、揮発性有機化合物で汚染された土壌を加熱させる熱源としての、生石灰杭の打設であるから、経済的で非常に有効で確実であり、併せて地盤の改良もできる。

図面の簡単な説明

0026

図1生石灰杭の熱移動過程の概念図である。
図2生石灰杭の地中温度経時変化についての計算値と実測値との比較図である。
図3生石灰杭の地中温度の測定結果を示す図である。
図4揮発性有機化合物で汚染された土壌の浄化方法の模式図である、
図5生石灰杭打設の平面図である。

--

0027

1揮発性有機化合物で汚染された土壌
2真空ポンプ
3汚染ガスおよび地下水浄化装置
4吸引井
5生石灰杭
6中間地盤(揮発性有機化合物で汚染された土壌)

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