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技術 自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置

出願人 マツダ株式会社
発明者 津山俊明岡崎晴樹佐々木寛
出願日 2000年10月5日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-306439
公開日 2002年4月16日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2002-114061
状態 拒絶査定
技術分野 駆動装置の関連制御 ブレーキシステム(制動力調整) 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 ブレーキシステム(制動力調整) 絞り弁の制御および操作手段との関連機構等 車両用機関または特定用途機関の制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御
主要キーワード 削減制御 液面レベルスイッチ 低出力状態 加圧モータ 解消制御 リザーバタンク内 加減圧 総合制御装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

車両の旋回時にアンダーステア状態が発生したときに、エンジン出力低減制御によってアンダーステア状態を解消させる構成において、アンダーステア状態解消後の再加速性を向上させることを課題とする。

解決手段

アンダーステア状態解消のためにエンジン出力を低減させるときに、無段変速機変速比を予め設定された変速特性上の変速比からシフトダウン側に変更することにより、エンジン出力の低減に伴うエンジン回転数の低下を抑制するように構成する。

概要

背景

近年、車両には、制動時に各車輪ごとのブレーキ力を個々に制御して良好な制動性能を実現するアンチスキッドブレーキシステムや、駆動輪に伝達されるトルクが過大であることによる車輪のスリップエンジン出力やブレーキ力の制御によって解消して、良好な発進性能や加速性能を実現するトラクションコントロールシステム等が搭載されるようになっているが、さらに、これらのシステムとは別に或いはこれらのシステムの機能を利用して、旋回時における車両の挙動を安定化させる姿勢制御システムが実用化されつつある。

このシステムは、旋回時にアンダーステア状態オーバーステア状態を検出したときに、エンジン出力の低減制御や各車輪ごとのブレーキ力制御等により車両のヨーイング方向の姿勢を制御して、安定した旋回走行を実現することを目指すものであるが、このシステムを実用化する場合、このシステムによる制御と当該車両の変速制御とをどのように両立させるかという課題があり、この課題を解決するものとして、例えば特開平10−236186号公報には、旋回時の姿勢制御中は自動変速機変速動作禁止し、変速段を固定するようにした発明が提案されている。

また、これに関連するものとして、特開平11−44359号公報には、上記のアンチスキッドブレーキシステムとベルト式無段変速機とが備えられた車両において、アンチスキッドブレーキシステムの作動中、無段変速機のベルトのスリップを防止するためにライン圧増圧補正するようにした発明が開示されている。

概要

車両の旋回時にアンダーステア状態が発生したときに、エンジン出力低減制御によってアンダーステア状態を解消させる構成において、アンダーステア状態解消後の再加速性を向上させることを課題とする。

アンダーステア状態解消のためにエンジン出力を低減させるときに、無段変速機の変速比を予め設定された変速特性上の変速比からシフトダウン側に変更することにより、エンジン出力の低減に伴うエンジン回転数の低下を抑制するように構成する。

目的

そこで、本発明は、無段変速機が搭載されている車両の場合に、上記のような旋回時のアンダーステア状態解消のための姿勢制御に無段変速機の変速比制御を併用し、これにより、エンジン回転数の低下による再加速性の悪化や、ブレーキ制御の早期介入による車両挙動不安定化等の不具合を防止することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

エンジンの出力と左右の車輪ブレーキ力とを個々に制御することによって車両の旋回時のヨーイング方向の姿勢を制御する姿勢制御装置と、予め設定された変速特性に基づいて変速比を無段階に変更可能な無段変速機とを備えた自動車総合制御装置であって、旋回時に車両のアンダーステア状態を検出するアンダーステア検出手段と、エンジンの出力を低減させるエンジン出力低減手段と、無段変速機の変速比を上記変速特性上の変速比から変化させる変速比変更手段と、上記アンダーステア検出手段によりアンダーステア状態が検出されたときに、上記エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、上記変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数の低下を抑制しながら、車両駆動トルクを低減させる制御手段とが備えられていることを特徴とする自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

請求項2

制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数を制御開始時の回転数に維持しながら、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする請求項1に記載の自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

請求項3

制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数の低下を制御開始時の状態で得られる加速性能とほぼ同様の加速性能が得られる回転数までとしながら、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする請求項1に記載の自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

請求項4

制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数をストール回転数まで低下させることなく、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする請求項1に記載の自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

請求項5

制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数の低下を排気浄化用触媒装置の温度が保持される回転数までに抑制しながら、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする請求項1に記載の自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

請求項6

制御手段は、エンジン出力の低減による車両駆動トルクの低下と同期して変速比がシフトダウン側へ変化するように、エンジン出力低減手段と変速比変更手段の作動タイミングを制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかにに記載の自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

請求項7

エンジンのスロットル開度運転状態に応じて制御するスロットル開度制御装置が備えられ、エンジン出力低減手段は、このスロットル開度制御手段を作動させてエンジン出力を低減させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかにに記載の自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

請求項8

エンジンの出力と左右の車輪のブレーキ力とを個々に制御することによって車両の旋回時のヨーイング方向の姿勢を制御する姿勢制御装置と、予め設定された変速特性に基づいて変速比を無段階に変更可能な無段変速機とを備えた自動車の総合制御装置であって、旋回時に車両のアンダーステア状態を検出するアンダーステア検出手段と、エンジンの出力を低減させるエンジン出力低減手段と、無段変速機の変速比を上記変速特性上の変速比から変化させる変速比変更手段と、上記アンダーステア検出手段によりアンダーステア状態が検出された場合において、エンジンのスロットル開度が所定値より小さいときは、上記姿勢制御装置によるブレーキ力の制御に先立ち、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御を行わせる制御手段とが備えられていることを特徴とする自動車の姿勢制御装置と無段変速機の総合制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の旋回時の姿勢、特にアンダーステア状態の解消を目的とした車両の総合制御装置に関し、車両の走行制御技術の分野に属する。

背景技術

0002

近年、車両には、制動時に各車輪ごとのブレーキ力を個々に制御して良好な制動性能を実現するアンチスキッドブレーキシステムや、駆動輪に伝達されるトルクが過大であることによる車輪のスリップエンジン出力やブレーキ力の制御によって解消して、良好な発進性能や加速性能を実現するトラクションコントロールシステム等が搭載されるようになっているが、さらに、これらのシステムとは別に或いはこれらのシステムの機能を利用して、旋回時における車両の挙動を安定化させる姿勢制御システムが実用化されつつある。

0003

このシステムは、旋回時にアンダーステア状態やオーバーステア状態を検出したときに、エンジン出力の低減制御や各車輪ごとのブレーキ力制御等により車両のヨーイング方向の姿勢を制御して、安定した旋回走行を実現することを目指すものであるが、このシステムを実用化する場合、このシステムによる制御と当該車両の変速制御とをどのように両立させるかという課題があり、この課題を解決するものとして、例えば特開平10−236186号公報には、旋回時の姿勢制御中は自動変速機変速動作禁止し、変速段を固定するようにした発明が提案されている。

0004

また、これに関連するものとして、特開平11−44359号公報には、上記のアンチスキッドブレーキシステムとベルト式無段変速機とが備えられた車両において、アンチスキッドブレーキシステムの作動中、無段変速機のベルトのスリップを防止するためにライン圧増圧補正するようにした発明が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、上記の姿勢制御システムによって旋回時のアンダーステア状態を解消する場合は、例えばエンジン燃焼気筒数削減制御点火時期リタード制御、或いはスロットル開度制御システムが備えられている場合にはこのシステムによるスロットル開度の制御により、エンジン出力ないし車両駆動トルクを抑制して車速を低下させると共に、内輪側の車輪にブレーキ力を付与することによって車両駆動トルクをさらに低減させながら車両に旋回方向のモーメントを作用させ、これにより回頭性を高めるのであるが、この場合、次のような不具合の発生が考えられる。

0006

まず、車両駆動トルクの低減のためのエンジン出力低減制御は、スロットル開度制御システムが備えられている場合には、このシステムによるスロットル開度の低減制御によって行うことが精度よくエンジン出力を低減させる上で有効であるが、このようにスロットル開度の減少によってエンジン出力を低減させた場合、エンジン回転数も低下するため、アンダーステア状態が解消された後の再加速性が著しく悪化することになるのである。

0007

また、スロットル開度が全閉もしくはこれに近い状態のエンジンの低出力状態でアンダーステア状態が発生したときには、エンジン出力の低減によって車両駆動トルクを低減させる余地は殆どないから、制御開始初期からブレーキ制御によってアンダーステア状態の解消を図ることになるが、このようなブレーキ制御の早期介入は車両の挙動を不安定化させる要因となるのである。

0008

そこで、本発明は、無段変速機が搭載されている車両の場合に、上記のような旋回時のアンダーステア状態解消のための姿勢制御に無段変速機の変速比制御を併用し、これにより、エンジン回転数の低下による再加速性の悪化や、ブレーキ制御の早期介入による車両挙動の不安定化等の不具合を防止することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するため、本発明に係る自動車の総合制御装置は次のように構成したことを特徴とする。

0010

まず、請求項1に記載の発明(以下、第1発明という)は、エンジンの出力と左右の車輪のブレーキ力とを個々に制御することによって車両の旋回時のヨーイング方向の姿勢を制御する姿勢制御装置と、予め設定された変速特性に基づいて変速比を無段階に変更可能な無段変速機とを備えた自動車において、旋回時に車両のアンダーステア状態を検出するアンダーステア検出手段と、エンジンの出力を低減させるエンジン出力低減手段と、無段変速機の変速比を上記変速特性上の変速比から変化させる変速比変更手段と、上記アンダーステア検出手段によりアンダーステア状態が検出されたときに、上記エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、上記変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数の低下を抑制しながら、車両駆動トルクを低減させる制御手段とを備えたことを特徴とする。

0011

また、請求項2に記載の発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明において、制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数を制御開始時の回転数に維持しながら、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする。

0012

また、請求項3に記載の発明(以下、第3発明という)は、同じく第1発明において、制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数の低下を制御開始時の状態で得られる加速性能とほぼ同様の加速性能が得られる回転数までとしながら、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする。

0013

また、請求項4に記載の発明(以下、第4発明という)は、同じく第1発明において、制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数をストール回転数まで低下させることなく、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする。

0014

また、請求項5に記載の発明(以下、第5発明という)は、同じく第1発明において、制御手段は、エンジン出力低減手段によるエンジン出力の低減制御と、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御とにより、エンジン回転数の低下を排気浄化用触媒装置の温度が保持される回転数までに抑制しながら、車両駆動トルクを低減させることを特徴とする。

0015

さらに、請求項6に記載の発明(以下、第6発明という)は、上記第1発明から第5発明のいずれかにおいて、制御手段は、エンジン出力の低減による車両駆動トルクの低下と同期して変速比がシフトダウン側へ変化するように、エンジン出力低減手段と変速比変更手段の作動タイミングを制御することを特徴とする。

0016

そして、請求項7に記載の発明(以下、第7発明という)は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明において、エンジンのスロットル開度を運転状態に応じて制御するスロットル開度制御装置が備えられ、エンジン出力低減手段は、このスロットル開度制御手段を作動させてエンジン出力を低減させることを特徴とする。

0017

一方、請求項8に記載の発明(以下、第8発明という)は、エンジンの出力と左右の車輪のブレーキ力とを個々に制御することによって車両の旋回時のヨーイング方向の姿勢を制御する姿勢制御装置と、予め設定された変速特性に基づいて変速比を無段階に変更可能な無段変速機とを備えた自動車において、旋回時に車両のアンダーステア状態を検出するアンダーステア検出手段と、エンジンの出力を低減させるエンジン出力低減手段と、無段変速機の変速比を上記変速特性上の変速比から変化させる変速比変更手段と、上記アンダーステア検出手段によりアンダーステア状態が検出された場合において、エンジンのスロットル開度が所定値より小さいときは、上記姿勢制御装置によるブレーキ力の制御に先立ち、変速比変更手段による変速比のシフトダウン側への変更制御を行わせる制御手段とが備えられていることを特徴とする。

0018

上記のように構成したことにより、本願各発明は次のように作用する。

0019

まず、第1発明によれば、旋回中にアンダーステア状態が検出されたときに、エンジン出力低減手段によってエンジン出力が低減されることにより、車両駆動トルクないし車速が低下して、アンダーステア状態が解消されることになるが、このとき、変速比変更手段により無段変速機の変速比が予め設定された変速特性上の変速比からシフトダウン側へ変更されることにより、変速特性上の変速比のままで例えばスロットル開度の減少等によりエンジン出力を低減させた場合に比較して、エンジン回転数の低下が抑制されることになる。これにより、アンダーステア状態が解消された後の再加速性が向上することになる。

0020

なお、スロットル開度制御以外のエンジン出力の低下制御を行う場合も、エンジン出力の低下に伴ってエンジン回転数が低下する場合には、本発明は同様に作用する。

0021

そして、第2発明によれば、上記第1発明においてエンジン回転数の低下を抑制するに際し、該エンジン回転数がアンダーステア状態解消制御の開始時の回転数に維持されることになり、また、第3発明によれば、エンジン回転数の低下が、上記制御開始時の状態で得られる加速性能とほぼ同様の加速性能が得られる回転数までに抑制されることになる。したがって、これらの発明によれば、アンダーステア解消後の良好な再加速性が得られることになる。

0022

同様に、第4発明によれば、エンジン回転数がストール回転数まで低下することが防止され、さらに、第5発明によれば、排気浄化用触媒装置の温度が低下する回転数まで低下することが防止され、これにより、再加速性の悪化を回避しながら、エンストの発生や、温度低下による触媒装置の作動不良等の不具合が防止されることになる。

0023

また、第6発明によれば、変速比のシフトダウン側への変更によるエンジン回転数の低下抑制作用が、エンジン出力の低減による車両駆動トルクの低下と同期するので、例えばエンジン制御応答性が変速比制御の応答性よりも低いため、変速比のシフトダウン制御によりエンジン回転数が一旦上昇した後にエンジン出力の低下と共にエンジン回転数が低下したり、逆に、変速比制御が遅れて、エンジン出力の低下に伴ってエンジン回転数が一旦低下した後に再び上昇するといった、エンジンの不安定な作動が防止されることになる。

0024

そして、第7発明によれば、特にエンジンのスロットル開度を運転状態に応じて制御するスロットル開度制御装置が備えられている車両で上記の作用が実現されることにより、エンジン出力低減のためにスロットル開度を減少させたときのエンジン回転数の低下が抑制されることになる。

0025

一方、第8発明によれば、旋回中にアンダーステア状態が検出された場合において、エンジンのスロットル開度が所定値より小さいときに、変速比変更手段によって無段変速機の変速比がシフトダウン側へ変更されるので、エンジン制御によってはアンダーステア状態の解消が困難な場合に、徒にブレーキ制御を介入させることなく、エンジンブレーキによってアンダーステア状態が解消されることになる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、本発明の実施の形態について説明する。

0027

まず、図1によりこの実施の形態の制御システムを説明すると、このシステムはコントロールユニット10を有し、このユニット10に、各車輪の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速センサ11…11、ハンドル操舵角を検出する舵角センサ12、車両に発生しているヨーレートを検出するヨーレートセンサ13、車両の横方向の加速度を検出する横加速度センサ14、運転者によるアクセルペダル踏み込み量を検出するアクセル開度センサ15、アンチスキッドブレーキシステムの制御をキャンセルするためのストップランプスイッチ16、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ17、無段変速機の前進後退等のシフト位置を検出するシフト位置センサ18、ブレーキシステムにおける液圧発生源としてのマスターシリンダ液圧を検出する液圧センサ19、同じくブレーキシステムにおけるリザーバタンク内ブレーキ液面ベルを検出する液面レベルスイッチ20からの信号が入力されるようになっている。

0028

また、このコントロールユニット10からは、アンチスキッドブレーキシステムが作動していることを示すABSランプ31、ブレーキシステムに第2液圧発生源として備えられた加圧ポンプを作動させる加圧モータ32、各車輪にそれぞれ備えられたブレーキ装置に対してブレーキ液の給排を行う加減圧手段としてのフロントソレノイドバルブ33およびリヤソレノイドバルブ34、マスターシリンダと各車輪のブレーキ装置との間を連通、遮断する加減圧手段としてのTSWソレノイドバルブ35、マスターシリンダと上記加圧ポンプとの間を連通、遮断する加減圧手段としてのASWソレノイドバルブ36、エンジン出力の制御を行なうエンジンコントローラ37、旋回時の車両姿勢制御が行なわれているときに、これを運転者に知らせる警報装置38、無段変速機のライン圧をコントロールするライン圧アクチュエータ39、同じく無段変速機の変速比をコントロールする変速アクチュエータ40に制御信号を出力するようになっている。

0029

そして、このコントロールユニット10は、上記の各センサまたはスイッチ11〜20からの信号を入力し、所定の処理を行って上記の各装置31〜40に制御信号を出力するために、次のように構成されている。

0030

すなわち、このコントロールユニット10は、アンチスキッドブレーキシステム(ABS)51と、制動時に後輪ロックしないように制動力の配分を行なう制動力配分装置52と、駆動輪に伝達される駆動力が過大であることによる該駆動輪のスリップを防止するトラクションコントロールシステム(TCS)53と、旋回時における車両のヨーイング方向の姿勢を制御する姿勢制御装置54と、無段変速機の作動によって車両の姿勢制御を行なうべく上記ライン圧アクチュエータ39および変速アクチュエータ40の動作を制御する変速機制御装置55とを備えている。

0031

そして、このコントロールユニット10においては、上記各車輪速センサ11…11からの信号に基づき、車輪速演算部61および推定車体速演算部62によって各車輪の車輪速および推定車体速が演算されると共に、これらの値が上記ABS51、制動力配分装置52、TCS53および姿勢制御装置54に入力されるようになっている。

0032

また、上記ストップランプスイッチ16からの信号は、ストップランプ判断部63を介して、上記ABS51、制動力配分装置52、TCS53および姿勢制御装置54にそれぞれ入力される。

0033

また、上記エンジン回転数センサ17、アクセル開度センサ15およびシフト位置センサ18からの各信号は、それぞれエンジン回転数演算部64、アクセル開度取込み部65およびシフト位置判断部66を介して、上記TCS53、姿勢制御装置54および変速機制御装置55に入力される。

0034

なお、図示しないが、アクセル開度センサ15からの信号はスロットル開度制御装置にも入力され、該センサ15からの信号が示すアクセルペダルの踏み込み量とその他の運転状態とに基づき、予め設定された特性に従ってエンジンのスロットルバルブ開度が制御されるようになっている。

0035

また、上記舵角センサ12、ヨーレートセンサ13、横加速度センサ14および液圧センサ19からの信号は、それぞれ舵角演算部67、ヨーレート演算部68、横加速度演算部69および液圧演算部70に入力され、これらの信号に基づいて舵角、ヨーレート、横加速度およびマスタシリンダ液圧がそれぞれ演算される。そして、これらの値が上記姿勢制御装置54、変速機制御装置55に入力される。さらに、上記液面レベルスイッチ20からの信号は、液面レベル判断部71を介して上記TCS53および姿勢制御装置54にそれぞれ入力される。

0036

そして、上記ABS51は、上記の各入力信号に基づいて制御量を演算し、その演算結果に応じて、ABSランプ31、加圧モータ32、フロントソレノイドバルブ33、リヤソレノイドバルブ34に信号を出力し、これらの作動を制御する。また、上記制動力配分装置52は、リヤソレノイドバルブ34の作動を制御する。

0037

また、上記TCS53は、加圧モータ32、フロントソレノイドバルブ33、リヤソレノイドバルブ34、TSWソレノイドバルブ35およびエンジンコントローラ37に対して信号を出力し、これらの作動を制御する。

0038

さらに、上記姿勢制御装置54は、加圧モータ32、フロントソレノイドバルブ33、リヤソレノイドバルブ34、TSWソレノイドバルブ35、ASWソレノイドバルブ36、エンジンコントローラ37および警報装置38に対して信号を出力し、これらの作動を制御する。

0039

そして、変速機制御装置55は、ライン圧アクチュエータ39および変速アクチュエータ40に対して信号を出力し、これらの作動を制御する。

0040

ここで、この変速機制御装置55によって制御される無段変速機の一例として、この実施の形態で用いられるトロイダル型無段変速機について説明すると、図2に示すように、この無段変速機80は、エンジン81の出力軸82と駆動輪83、83の駆動軸84との間に介設され、上記エンジン81の出力回転を無段階に変速して駆動輪83、83に伝達するように構成されている。

0041

すなわち、このトロイダル型無段変速機80は、エンジン81の出力軸82に連結された一対の入力側ディスク85、85と、両面がこれらの入力ディスク85、85と対向するように配置されて上記駆動軸84に連結された出力側ディスク86と、入力側ディスク85と出力側ディスク86との各対向面間にそれぞれ配置されてこれらに摩擦接触することにより、両ディスク85、86間でトルクの伝達を行なう摩擦ローラ87…87とを有し、油圧によりこれらの摩擦ローラ87の傾転角度を変更させて上記両ディスク85、86との接触点回転半径を変化させることにより、上記エンジン出力軸82から駆動軸84への動力伝達を無段階に変速させるように構成されている。

0042

そして、この無段変速機80は、図3に示すように、上記変速機制御装置55に記憶されている変速マップに従い、車速とスロットル開度(もしくはアクセル開度)に応じた目標エンジン回転数となるように変速比が制御されるようになっている。

0043

次に、上記コントロールユニット10における姿勢制御装置54および変速機制御装置55による旋回時の車両のヨーイング方向の姿勢制御について説明する。なお、この実施の形態では、オーバーステア解消の制御は姿勢制御装置54のみによって行い、アンダーステア解消の制御は、姿勢制御装置54と変速機制御装置55とで行うようになっている。

0044

まず、これらの制御の概略を説明すると、オーバーステア解消制御は、ヨーレートセンサ13によって検出される実際に車両に生じている実ヨーレートψ目標ヨーレートψ0よりも所定量以上大きいことが検出されたとき、即ち車両のヨーイング角増加速度が早すぎるときに、旋回方向外側前輪にブレーキ力を付与することによって車両に旋回方向と反対方向のモーメントを発生させることにより行われ、これによりオーバーステア状態が解消されることになる。

0045

また、アンダーステア解消制御は、実ヨーレートψが目標ヨーレートψ0よりも所定量以上小さいことが検出されたとき、即ち車両のヨーイング角の増加速度が十分でないときに、エンジン出力低下制御や無段変速機80の変速比制御を行って車両駆動トルクないし車速を低下させることにより行われ、また、必要な場合には、旋回方向内側の車輪に対してブレーキ力を付与する制御が行われる。これにより、車両に作用する遠心力に対抗するためのコーナリングフォース復元すると共に、旋回方向のモーメントが与えられることにもなって、アンダーステア状態が解消されることになる。

0046

次に、この姿勢制御の全体動作を図4に示すフローチャートに従って説明する。

0047

まず、コントロールユニット10は、ステップS1で、図2に示す各種センサおよびスイッチ11〜20からの信号を読み込むと共に、ステップS2で、舵角センサ12からの信号に基づいて舵角演算部67で算出された舵角θに応じた第1目標ヨーレートψ(θ)と、横加速度センサ14からの信号に基づいて横加速度演算部69で算出された横加速度Gに応じた第2目標ヨーレートψ(G)とをそれぞれ演算する。

0048

この第1目標ヨーレートψ(θ)は、具体的には、車輪速センサ11…11からの信号に基づいて推定車体速演算部62で算出された推定車体速Vと、上記舵角演算部67で算出された舵角θとを用い、次式(1)に従って演算する。ここで、式(1)中、Kは当該車両のスタビリティファクタであり、Lはホイールベースである。

0049

ψ(θ)=V×θ/{(1+K×V2)×L}………(1)
また、上記第2目標ヨーレートψ(G)は、上記推定車体速Vと、上記横加速度演算部69で算出された横加速度Gとを用い、次式(2)に従って演算する。

0050

ψ(G)=G/V ………(2)
次に、コントロールユニット10は、ステップS3で、上記第1目標ヨーレートψ(θ)の絶対値が第2目標ヨーレートψ(G)の絶対値よりも小さいか否かを判定する。この判定は、第1、第2目標ヨーレートψ(θ)、ψ(G)のうちの絶対値の小さい方を、以下の車両姿勢制御のための目標ヨーレートψ0に設定するために行われるものである。

0051

つまり、ステップS3でYESと判定されたとき(|ψ(θ)|<|ψ(G)|)はステップS4を実行し、舵角θに応じた第1目標ヨーレートψ(θ)を制御目標ヨーレートψ0とし、ステップS5で、この制御目標ヨーレートψ0と、ヨーレートセンサ13からの信号に基づいてヨーレート演算部68で算出された実ヨーレートψとの偏差Δψを演算する。ここで、偏差Δψは、実ヨーレートψと制御目標ヨーレートψ0の差の絶対値として定義される(Δψ=|ψ−ψ0|)。

0052

また、上記ステップS3でNOと判定されたとき(|ψ(θ)|≧|ψ(G)|)はステップS6を実行し、横加速度Gに応じた第2目標ヨーレートψ(G)に基づいて制御目標ヨーレートψ0を設定する。このとき、該制御目標ヨーレートψ0は、次式(3)に従い、舵角成分を用いて補正される。ここで、式(3)中、kは1より小さな定数である。

0053

ψ0=ψ(G)+k×[ψ(θ)−ψ(G)] ………(3)
そして、上記ステップS5で、この補正した制御目標ヨーレートψ0と実ヨーレートψとの偏差Δψを演算する。

0054

ここで、横加速度Gに応じた第2目標ヨーレートψ(G)を制御目標ヨーレートψ0とする場合に、舵角成分を用いた補正を行うのは、運転者が意図的にアンダーステア状態を生成している場合、すなわち駆動アンダーの場合に、不必要な姿勢制御の介入を回避するためである。

0055

すなわち、アンダーステア状態には、オーバースピードのため、運転者の操舵に対して車両の旋回動作追従しきれない場合のものと、舵角を一定にして駆動力を上げるような運転者の操作によって行われるものとの2種類がある。そして、横加速度Gに基づく第2目標ヨーレートψ(G)が制御目標ヨーレートψ0となる場合、横加速度Gのみからは上記の2種類のアンダーステア状態のいずれであるかが判別できないのである。

0056

そこで、第2目標ヨーレートψ(G)を制御目標ヨーレートψ0とするときは、その目標値を大きくするように舵角成分を用いて補正ことにより、運転者がハンドルを切り込んでいるオーバースピード時には姿勢制御を積極的に行う一方、駆動アンダーの場合には姿勢制御の介入を抑制するようにしているのである。その場合に、上記定数kを路面摩擦係数等に対応する横加速度Gに応じて変化させることにより、路面の摩擦状態に応じて常に適切なタイミングで姿勢制御装置が介入されるように図られる。

0057

上記のようにして、ステップS5で、制御目標ヨーレートψ0に対する実ヨーレートψの偏差Δψが算出されると、次に、コントロールユニット10はステップS7を実行し、オーバーステア解消制御を行なうか否かのしきい値Δψos、およびアンダーステア解消制御を行なうか否かのしきい値Δψusをそれぞれ設定する。

0058

そして、コントロールユニット10は、実ヨーレートψが制御目標ヨーレートψ0より大きい場合(オーバーステア時)において、その差の絶対値である偏差Δψが上記しきい値Δψosより大きいときに、ステップS8からステップS9を実行して、オーバーステア状態を解消する制御を行い、また、実ヨーレートψが制御目標ヨーレートψ0より小さい場合(アンダーステア時)において、同じくその差の絶対値である偏差Δψが上記しきい値Δψusより大きいときに、ステップS10からステップS11実行して、アンダーステア状態を解消する制御を行う。

0059

次に、本発明の特徴部である上記ステップS11のアンダーステア解消制御について、さらに詳しく説明する。

0060

この制御は、図5に示すフローチャートに従って行われ、まず、ステップS21で、実ヨーレートψの制御目標ヨーレートψ0に対する偏差Δψが所定値Δψ0より大きいか否かを判定する。

0061

そして、偏差Δψが所定値Δψ0より大きいとき、即ち実ヨーレートψが目標ヨーレートψ0に対して小さい方向(アンダーステア側)へ大きく逸脱しているときは、ステップS22を実行して、エンジン出力低下制御を中心とするアンダーステア解消制御を行うことなく、直ちにブレーキによるアンダーステア解消制御を行う。つまり、この場合は、速やかに車速を低下させると共に、旋回方向のモーメントを車両に付与して確実にアンダーステア状態を解消させる必要があるからである。

0062

なお、このブレーキ制御が行われる場合はステップS23が実行され、無段変速機の変速比は、通常の走行時と同様に、図3マップに基づき運転状態に応じて制御されるが、その変速比の変化が通常の走行時よりも緩やかになるように制御される。これは、上記のように速やかにアンダーステア状態を解消しなければならない場合には、変速比の変化を抑制してブレーキによるアンダーステア解消制御を効果的に行わせる必要があるからである。

0063

また、上記ステップ21で偏差Δψが所定値Δψ0以下と判定されたとき、即ちアンダーステア状態が比較的弱い場合は、次にステップS24を実行し、マスタシリンダの液圧を検出する液圧センサ19からの信号に基づき、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいるか否かを判定する。そして、踏み込んでいるときは上記ステップS22を実行し、偏差Δψが所定値Δψ0より大きい場合と同様に、ブレーキによるアンダーステア解消制御のみを実行する。これは、ブレーキペダルが踏み込まれているときは、車両姿勢はブレーキの状態によって支配され、エンジン制御や変速比制御が殆ど意味をもたなくなるからである。

0064

一方、上記偏差Δψが所定値Δψ0以下であり、しかも運転者がブレーキペダルを踏み込んでいないとき、換言すれば、アンダーステア状態が運転者の意図的な運転操作に基づく駆動アンダーであると判断される場合は、次にステップS25で、運転者のアクセルペダルの踏み込み量に応じて設定されるスロットル開度TVが比較的小さな所定値TV0より大きいか否かを判定する。そして、この所定値TV0より大きいときは、ステップS26以下の車両駆動トルクを低減するトルクダウン制御を行う。

0065

つまり、まず、ステップS26でヨーレートψに基づいて車両駆動トルクTの目標ダウン量ΔT0を算出する。

0066

この目標トルクダウン量ΔT0の算出は、図6図7に示すマップに基づいて次のように行われる。すなわち、図6のマップから偏差Δψの大きさに対応する第1トルクダウン量ΔT1を、図7のマップから偏差Δψの変化率に対応する第2トルクダウン量ΔT2をそれぞれ求め、これらのトルクダウン量ΔT1、ΔT2を加算することにより、目標トルクダウン量ΔT0を算出する(ΔT0=ΔT1+ΔT2)。

0067

ここで、図6に示すように、第1トルクダウン量ΔT1は、偏差Δψが所定値以上の領域で、一定限度まで該偏差Δψが大きくなるほど大きくなるように設定されている。

0068

また、図7に示すように、第2トルクダウン量ΔT2は、偏差Δψの変化率の絶対値が所定値以上の領域で、一定限度まで該偏差Δψの変化率がプラス方向(偏差Δψが増大する方向)に大きくなるほどプラス方向に大きくなるように、偏差Δψの変化率がマイナス方向(偏差Δψが減少する方向)に大きくなるほどマイナス方向に大きくなるように設定されている。

0069

そして、ステップS27で、現在の車両駆動トルクTから上記のようにして求めた目標トルクダウン量ΔT0を減算して目標駆動トルクT0を算出する。

0070

一方、ステップS28で、このアンダーステア状態解消制御の開始時の運転状態に基づき、無段変速機の変速比のシフトダウン側への変化量(目標シフトダウン量ΔR0)を設定する。この無段変速機のシフトダウンは、上記目標駆動トルクT0へのトルクダウンのためのエンジン出力低減制御に伴うエンジン回転数の低下を抑制するためのものであり、図8に示すように予め設定されたシフトダウンマップに基づいて設定される。

0071

ここで、このシフトダウンマップでは、目標シフトダウン量ΔR0は、制御開始時のアクセル開度が大きいほどが大きくなり、また、同一アクセル開度では車速が高いほど大きくなるように設定されている。これは、アクセル開度が大きい場合ほどアンダーステア状態解消後の再加速性が要求されるからであり、また高車速時ほど所要の再加速性を確保するためのシフトダウン量が大きくなるからである。

0072

そして、次にステップS29で、上記目標量ΔR0のシフトダウンを実行した状態で、車両駆動トルクを上記目標値T0まで低減するために必要とされるスロットル開度の目標低減量ΔTV0を算出し、ステップS30で、この目標スロットル開度低減量ΔTV0および目標シフトダウン量ΔR0が達成されるように、エンジンのスロットル開度制御と無段変速機の変速比制御とを行う。

0073

これにより、車両駆動トルクTが目標値T0まで低減され、これに伴って車速が低下してアンダーステア状態が解消されることになるが、その場合に、スロットル開度減少制御によるエンジン出力の低下に伴うエンジン回転数の低下が、無段変速機のシフトダウン制御により、そのシフトダウン量に応じた分だけ相殺されることになる。つまり、スロットル開度低減制御のみで目標駆動トルクT0までトルクダウンした場合よりもエンジン回転数の低下が抑制されることになり、該エンジン回転数が所定回転数に保持されることになる。

0074

その場合に、この所定エンジン回転数は、例えばアンダーステア状態解消制御開始時のエンジン回転数に設定され、或いは制御開始時の状態で得られる加速性能とほぼ同様の加速性能が得られる回転数に設定される。したがって、いずれの場合も、エンジン回転数の大幅な低下が抑制されて、アンダーステア解消後の良好な再加速性が得られることになり、特に後者の場合は、運転者に違和感を与えることなく、所要の再加速性が実現される。

0075

さらに、上記所定エンジン回転数は、エンジンストールを生じない回転数に設定され、或いは排気浄化用触媒装置の温度が低下しない回転数に設定される。これらの場合は、再加速性の悪化を回避しながら、エンストの発生や、温度低下による触媒装置の作動不良等の不具合が防止されることになる。

0076

また、上記ステップS30のトルクダウン制御とシフトダウン制御とは、シフトダウン制御によるエンジン回転数の低下抑制作用が、エンジン出力の低減による車両駆動トルクの低下と同期するように行われる。したがって、例えばエンジン制御の応答性が変速比制御の応答性よりも低いため、変速比のシフトダウン制御によりエンジン回転数が一旦上昇した後にエンジン出力の低下と共にエンジン回転数が低下したり、逆に、変速比制御が遅れて、エンジン出力の低下に伴ってエンジン回転数が一旦低下した後に再び上昇するといったエンジンの不安定な作動が防止されることになる。

0077

なお、シフトダウン制御により、同一エンジン出力に対して車両駆動トルクが増大することになるので、スロットル開度減少によるエンジン出力低減制御の制御量は、シフトダウン制御を行う場合よりも大きくなる。

0078

一方、上記ステップS25で、アンダーステア状態解消制御の開始時のスロットル開度TVが所定値TV0以下と判定された場合、即ちアクセルペダルが踏み込まれていない状態もしくはこれに近い状態にある場合は、スロットル開度の減少制御によってエンジン出力を低減する余地が殆どないから、この場合は、ステップS31以下で、エンジンブレーキを作動させるための無段変速機のシフトダウン制御を実行する。

0079

つまり、ステップS31で、その時点の運転状態に基づき、車両駆動トルクないし車速を目標値まで低減するために必要な目標エンジンブレーキ力B0を算出すると共に、ステップS32で、この目標エンジンブレーキ力B0を実現するための目標シフトダウン量ΔR0を算出する。そして、ステップS33で、この目標シフトダウン量ΔR0だけシフトダウンするように無段変速機の変速比を制御する。

0080

これにより、アンダーステア状態の解消のためにエンジン出力を低減する余地が殆どないスロットル開度全閉時もしくはこれに近い状態の場合にも、直ちにブレーキ制御に移行することなく、エンジンブレーキによって車速の低減ないしアンダーステア状態の解消が図られることになる。これにより、ブレーキ制御の早期介入が回避され、車両の挙動不良が防止されることになる。

発明の効果

0081

以上のように本願第1〜第7発明によれば、エンジン出力制御とブレーキ力制御とで車両の旋回時のヨーイング方向の姿勢を制御する姿勢制御装置と、変速比を予め設定された変速特性にしたがって無段階に変更可能な無段変速機とが備えられた自動車において、旋回中にアンダーステア状態が検出されたときに、エンジン出力低減手段によってエンジン出力が低減されることにより、車両駆動トルクないし車速が低下して、アンダーステア状態が解消されることになるが、このとき、変速比変更手段により無段変速機の変速比が予め設定された変速特性上の変速比からシフトダウン側へ変更されることにより、エンジン出力の低減に伴うエンジン回転数の低下が抑制されることになる。これにより、アンダーステア状態が解消された後の再加速性が向上することになる。

0082

また、第8発明によれば、旋回中にアンダーステア状態が検出された場合において、エンジンのスロットル開度が所定値より小さいため、エンジン出力低減制御の余地がないときに、無段変速機の変速比のシフトダウン側への変更によるエンジンブレーキによってアンダーステア状態が解消されることになる。これにより、ブレーキ制御の介入が抑制され、該ブレーキ制御による車両挙動の不安定化が回避されて当該姿勢制御が良好に行われることになる。

図面の簡単な説明

0083

図1本発明の実施の形態の制御システムを示すブロック図である。
図2同実施の形態で用いられる無段変速機の概略構成図である。
図3同無段変速機の変速制御マップである。
図4本発明の実施の形態の制御動作メインルーチンを示すフローチャートである。
図5同じくサブルーチンを示すフローチャートである。
図6このサブルーチンで用いられる第1トルクダウン量のマップである。
図7同じく第2トルクダウン量のマップである。
図8同じく目標シフトダウン量のマップである。

--

0084

10コントロールユニット(制御手段)
37エンジンコントローラ(エンジン出力低減手段)
54姿勢制御装置
55変速機制御装置(変速比変更手段)
80 無段変速機

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