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技術 社債の処理方法及びコンピュータシステムに社債の処理を実行させるためのソフトウエアプログラム

出願人 日興コーディアル証券株式会社
発明者 渡辺雅之
出願日 2000年9月28日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-296034
公開日 2002年4月12日 (18年7ヶ月経過) 公開番号 2002-109220
状態 拒絶査定
技術分野 特定用途計算機 金融・保険関連業務,支払い・決済
主要キーワード 持株会社 プレミアム情報 交換比率 繰上げ 開始期間 処理スキーム 応募フォーム ニーズ情報
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

例えば企業の完全子会社化にあたり、投資家不利益を生じさせずに、転換社債などの潜在株を処理できるコンピュータ処理方法を提供する。

解決手段

(a)第1の社債転換権の価値の、第1の企業の株式の時価に対する割合を算出する工程と、(b)第2の社債の転換権の価値の、第2の企業の株式の時価に対する割合が、前記aの工程で算出した割合と同等若しくはそれ以下となるように前記第2の社債の条件を設計する工程と、(c)前記bの工程で設計した条件で、前記第1の転換社債を有する投資家に対して第2の社債を募集する工程と、(d)前記投資家からの前記第1の社債の代用払込を前記第2の社債への払込金として受け付け、前記第2の社債の発行処理を行う工程とを有する。

概要

背景

企業統合により株式交換や株式移転等がなされ、ある企業が他の企業の完全子会社化(100パーセント子会社化)される場合がある。

この場合、子会社化される企業が発行した転換社債の処理が問題になる場合がある。すなわち、株式の移転・交換後においても、当該企業の転換社債については、これを放置しておくことも可能ではあるが、その場合、株式への転換請求に伴って当該企業が完全子会社でなくなるリスクが発生するというものである。

現行の商法における株式移転・交換制度では、転換社債・新株引受権付社債などの潜在株式については全く想定されておらず、これらをどう処理するかが株式移転・交換において一つのネックとなっている。

概要

例えば企業の完全子会社化にあたり、投資家不利益を生じさせずに、転換社債などの潜在株を処理できるコンピュータ処理方法を提供する。

(a)第1の社債の転換権の価値の、第1の企業の株式の時価に対する割合を算出する工程と、(b)第2の社債の転換権の価値の、第2の企業の株式の時価に対する割合が、前記aの工程で算出した割合と同等若しくはそれ以下となるように前記第2の社債の条件を設計する工程と、(c)前記bの工程で設計した条件で、前記第1の転換社債を有する投資家に対して第2の社債を募集する工程と、(d)前記投資家からの前記第1の社債の代用払込を前記第2の社債への払込金として受け付け、前記第2の社債の発行処理を行う工程とを有する。

目的

この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、当該企業の完全子会社化等にあたり、投資家に不利益を生じさせずに、転換社債などの潜在株を処理できるコンピュータ処理方法及びこの方法を実行するためのソフトウエアプログラムを提供することを目的とするものである。

また、この発明の更なる詳しい目的は、転換社債の転換権を別の企業の株式への転換権に継承させることができる方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

投資家の保有する、第1の企業の株式への転換権を有する第1の社債を、第2の企業の株式への転換権を有する第2の社債に継承するためのコンピュータ処理方法であって、(a)前記第1の社債の転換権の価値の、前記第1の企業の株式の時価に対する割合を算出する工程と、(b)前記第2の社債の転換権の価値の、前記第2の企業の株式の時価に対する割合が、前記aの工程で算出した割合と同等若しくはそれ以下となるように前記第2の社債の条件を設計する工程と、(c)前記bの工程で設計した条件で、前記第1の転換社債を有する投資家に対して第2の社債を募集する工程と、(d)前記投資家からの前記第1の社債の代用払込を前記第2の社債への払込金として受け付け、前記第2の社債の発行処理を行う工程とを有することを特徴とする方法。

請求項2

請求項1記載の方法において、(e)前記cの工程の前に、Web上で第1の社債を有する投資家の第2の社債への乗り換えニーズ調査する工程を有することを特徴とする方法。

請求項3

請求項2記載の方法において、前記dの工程は、(f)前記少なくとも募集を通知するためのアドレスを投資家から取得する工程を有し、前記eの工程は、(g)前記募集時に、前記fの工程で取得したアドレスに、募集情報送付する工程を有するものであることを特徴とする方法。

請求項4

請求項1記載の方法において、さらに、(h)前記第2の社債の募集終了後、第2の社債の募集に応じなかった投資家の前記第1の社債について、繰上償還等を実施して発行残高を0にする工程を有することを特徴とする方法。

請求項5

請求項1記載の方法において、さらに、(i)第2の企業の新株が上場された後、この新株の時価に基づいて前記第2の社債の転換権の価額を決定する工程を有することを特徴とする方法。

請求項6

請求項5記載の方法において、前記第2の社債の転換請求時期は、少なくとも前記i工程により転換権の価額が決定された後であることを特徴とする方法。

請求項7

請求項1記載の方法において、前記第2の社債は、第1の企業により発行されものであり、第2の企業の株式への転換権を有する第3の転換社債への交換権を有する交換社債であることを特徴とする方法。

請求項8

請求項1記載の方法において、前記第1の社債は、第2の企業により発行されるものであり、第2の企業の株式への転換権を有する社債であることを特徴とする方法。

請求項9

請求項1記載の方法において、前記b工程は、前記第2の社債の転換権の価値の前記第2の企業の株式の時価に対する割合として、前記aの工程で算出した割合から所定のプレミアム除算したものを設定するものであることを特徴とする方法。

請求項10

投資家の保有する第1の企業の株式への転換権を有する第1の社債を、第2の企業の株式への転換権を有する第2の社債に継承するための処理をコンピュータシステムに実行させるための指令を含むソフトウエアプログラムであって、このプログラムは、前記第1の社債の転換権の価値の、前記第1の企業の株式の時価に対する割合を算出するための指令と、前記第2の社債の転換権の価値の、前記第2の企業の株式の時価に対する割合が、前記工程で算出した割合と同等若しくはそれ以下となるように前記第2の社債の条件を設計する指令とを有するものであることを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項11

請求項10記載のソフトウエアプログラムにおいて、前記設計した第2の社債の条件をWeb上で提示して、第1の社債を有する投資家の第2の社債への乗り換えニーズを調査する指令をさらに有することを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項12

請求項11記載のソフトウエアプログラムにおいて、前記ニーズを調査する指令は、前記少なくとも募集を通知するためのアドレスを投資家から取得するための指令を含み、このプログラムはさらに、前記第2の社債の募集時に、前記で取得した投資家のアドレスに、募集情報を送付するための指令とを有するものであることを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項13

請求項10記載のソフトウエアプログラムにおいて、前記投資家からの前記第1の社債の代用払込を前記第2の社債への払込金として受け付け、前記第2の社債の発行処理を行うための指令をさらに有することを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項14

請求項10記載のソフトウエアプログラムにおいて、さらに、前記第2の社債の募集終了後、第2の社債の募集に応じなかった投資家の前記第1の社債について、繰上償還等を実施して発行残高を0にするための指令を有することを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項15

請求項1記載のソフトウエアプログラムにおいて、さらに、第2の企業の新株が上場された後、この新株の時価に基づいて前記第2の社債の転換権の価額を決定するための指令をを有することを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項16

請求項15記載のソフトウエアプログラムにおいて、前記第2の社債の転換請求時期は、少なくとも第2の社債の転換権の価額が決定された後であることを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項17

請求項10記載のソフトウエアプログラムにおいて、前記第2の社債は、第1の企業により発行されものであり、第2の企業の株式への転換権を有する第3の転換社債への交換権を有する交換社債であることを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項18

請求項10記載のソフトウエアプログラムにおいて、前記第1の社債は、第2の企業により発行されるものであり、第2の企業の株式への転換権を有する社債であることを特徴とするソフトウエアプログラム。

請求項19

請求項10記載のソフトウエアプログラムにおいて、前記第2の社債の転換権の価値を決定するための指令は、前記第2の社債の転換権の価値の前記第2の企業の株式の時価に対する割合として、前記工程で算出した割合から所定のプレミアムを除算したものを設定する指令を含むものであることを特徴とするソフトウエアプログラム。

技術分野

0001

この発明は、例えば、企業統合に伴い完全子会社化される企業の社債を処理するための社債処理方法及びその方法を実施するためのソフトウエアプログラムに関するものである。

背景技術

0002

企業統合により株式交換や株式移転等がなされ、ある企業が他の企業の完全子会社化(100パーセント子会社化)される場合がある。

0003

この場合、子会社化される企業が発行した転換社債の処理が問題になる場合がある。すなわち、株式の移転・交換後においても、当該企業の転換社債については、これを放置しておくことも可能ではあるが、その場合、株式への転換請求に伴って当該企業が完全子会社でなくなるリスクが発生するというものである。

0004

現行の商法における株式移転・交換制度では、転換社債・新株引受権付社債などの潜在株式については全く想定されておらず、これらをどう処理するかが株式移転・交換において一つのネックとなっている。

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、上記事態を解消するために、株式の移転・交換の期日までに、期前償還買入消却等の処理を行うことで転換社債を処理してしまうことも可能である。しかしながらこの場合、期前償還は転換権や新株引受権を消滅させるので、市場投資家と問題を起こす場合もあるし、買入消却は処理方法としては不完全かつコスト高になる可能性がある。

0006

この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、当該企業の完全子会社化等にあたり、投資家に不利益を生じさせずに、転換社債などの潜在株を処理できるコンピュータ処理方法及びこの方法を実行するためのソフトウエアプログラムを提供することを目的とするものである。

0007

また、この発明の更なる詳しい目的は、転換社債の転換権を別の企業の株式への転換権に継承させることができる方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

この発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の主要な観点によれば、投資家の保有する、第1の企業の株式への転換権を有する第1の社債を、第2の企業の株式への転換権を有する第2の社債に継承するためのコンピュータ処理方法であって、(a)前記第1の社債の転換権の価値の、前記第1の企業の株式の時価に対する割合を算出する工程と、(b)前記第2の社債の転換権の価値の、前記第2の企業の株式の時価に対する割合が、前記aの工程で算出した割合と同等若しくはそれ以下となるように前記第2の社債の条件を設計する工程と、(c)前記bの工程で設計した条件で、前記第1の転換社債を有する投資家に対して第2の社債を募集する工程と、(d)前記投資家からの前記第1の社債の代用払込を前記第2の社債への払込金として受け付け、前記第2の社債の発行処理を行う工程とを有することを特徴とする方法が提供される。

0009

このような構成によれば、例えば、第1の企業が第2の企業の完全子会社化されるにあたり、第1の企業の転換社債等を第2の企業の転換社債等に乗り換えさせることができ、しかも、このとき投資家に不利益を生じさせることがない。

0010

この発明の1の実施形態によれば、(e)前記cの工程の前に、Web上で第1の社債を有する投資家の第2の社債への乗り換えニーズ調査する工程を有するものが提供される。

0011

このような構成によれば、第1の社債を有する投資家の動向を把握することが容易になり、第2の社債の発行条件の決定が迅速に行える他、第1の社債の繰上償還等にも的確に備えることが可能になる。

0012

別の1の実施形態によれば、前記dの工程は、(f)前記少なくとも募集を通知するためのアドレスを投資家から取得する工程を有し、前記eの工程は、(g)前記募集時に、前記fの工程で取得したアドレスに、募集情報送付する工程を有するものである。

0013

このような構成によれば、上記で取得した乗り換えニーズに含まれるアドレス情報に基づいてその後の募集手続きを迅速に行うことが可能になる。

0014

更なる別の1の実施形態によれば、この方法はさらに、(h)前記第2の社債の募集終了後、第2の社債の募集に応じなかった投資家の前記第1の社債について、繰上償還等を実施して発行残高を0にする工程を有する。

0015

このような構成によれば、第1の社債の処理を完全に行うことができる。これにより、第1の企業の完全子会社化を阻止する要因の1つを排除することができる。

0016

更なる別の1の実施形態によれば、この方法はさらに、(i)第2の企業の新株が上場された後、この新株の時価に基づいて前記第2の社債の転換権の価額を決定する工程を有する。そして、この第2の社債の転換請求時期は、少なくとも前記i工程により転換権の価額が決定された後である。

0017

このような構成によれば、第2の企業の新株が上場された後に転換価額が決定されるが、予め算式等によって転換権の価値が設定され、これに基づいて算出されるものであるから、投資家に不利益が生じることはない。

0018

更なる別の1の実施形態によれば、前記第2の社債は、第1の企業により発行されるものであり、第2の企業の株式への転換権を有する第3の転換社債への交換権を有する交換社債である。このような構成によれば、株式移転による第1の企業の子会社化に対応することができる。

0019

更なる別の1の実施形態によれば、前記第1の社債は、第2の企業により発行されるものであり、第2の企業の株式への転換権を有する社債である。このような構成によれば、株式交換による第1の企業の完全子会社化に対応することが可能になる。

0020

更なる別の1の実施形態によれば、前記b工程は、前記第2の社債の転換権の価値の前記第2の企業の株式の時価に対する割合として、前記aの工程で算出した割合から所定のプレミアム除算したものを設定するものである。

0021

このような構成によれば、このプレミアムを調整することによって、投資家に対して、第2の社債への乗換えインセンティブを与えることが可能になり、当該乗換えが促進される。

0022

この発明の第2の主要な観点によれば、投資家の保有する第1の企業の株式への転換権を有する第1の社債を、第2の企業の株式への転換権を有する第2の社債に継承するための処理をコンピュータシステムに実行させるための指令を含むソフトウエアプログラムであって、このプログラムは、前記第1の社債の転換権の価値の、前記第1の企業の株式の時価に対する割合を算出するための指令と、前記第2の社債の転換権の価値の、前記第2の企業の株式の時価に対する割合が、前記工程で算出した割合と同等若しくはそれ以下となるように前記第2の社債の条件を設計する指令とを有するものが提供される。

0023

このような構成によれば、投資家により第1の社債から乗り換えられる第2の社債の転換価値を、投資家の不利益が生じないように演算することが容易になる。また、その他、前記この発明の第1の観点による方法の実施が容易になり、前記第1の観点と同等の効果を得ることが可能になる。

0024

なお、この発明の、更なる別の特徴及び顕著な効果は、以下の発明の実施の形態の項を添付した図面と共に参酌することでより明確に理解される。

発明を実施するための最良の形態

0025

(第1の実施形態)以下、まず、この発明の第1の実施形態を図1、2を参照して説明する。この第1の実施形態では、社債発行会社Aが、後で成立する持株会社Hに全ての株式を移転し、その後、株式未公開完全子会社になってしまう場合について説明する。

0026

図1は、この実施形態の社債処理方法によって実現されるスキーム概念を示す概略構成図である。この実施形態の処理方法を詳しく説明する前に、この図1を参照して、社債処理の概略について簡単に説明する。なお、図中T1〜T12で示すのは、処理手順を参照するための符号であり、以下の説明中の符号に一致する。

0027

この図において、1で示すのは、自社株式に転換可能な第1の社債2(転換社債)を発行した既発行転換社債発行会社(A社)である。このA社は、株式移転によって持株会社H社(図に3で示す)が成立する前に、このH社の株式に交換可能な第2の社債4(交換社債)を発行する(T1)。そして、第1の社債2の債権者(投資家)の第2の社債4への代用払込による乗り換えを促進し(T2)、乗り換えの行われなかった第1の社債2については、繰上げ償還等(T3)によりその残高を0にする。

0028

このことにより、A社の株式に転換可能な第1の社債2は、全て処理されたことになる。

0029

ついで、H社成立(T4)後、H社は、A社に対してA割当の社債5(転換社債:第3の社債)を発行し(T5)、これを、前記第2の社債4(交換社債)との交換に当てる(T6)。ここで、A社割当の社債5の株式転換価格は、H社設立後、A社が発行した前記第2の社債4(交換社債)の交換価額と同じに設定される(T7)。

0030

前記第2の社債4の交換請求開始期間(T8)は、少なくとも、H社が成立しかつ、H社の株式が上場された後、所定期間以内に開始されるように設計される。そして、この交換請求期間開始後は、投資家が交換・転換代理人6に社債の交換請求を行い(T9)、この交換・転換代理人がH社に対して株式転換請求を行う(T10)ことによって、この代理人を通じて投資家にH社の株式が渡されることになる(T11、T12)。

0031

この実施形態では、このような処理が可能な第2の社債4を発行するため、例えば、証券会社のコンピュータシステムを利用して図2に示す方法を実行する。なお、図2中S1〜S11で示すのは処理ステップを参照するための符号であり、以下の説明中のステップS1〜S11と一致する。

0032

この処理方法では、まず、ステップS1〜S4で、前記第2の社債4の設計を行う。

0033

ここで、この第2の社債4(交換社債)は、H社成立後、H社の株が証券取引所に上場されることを前提に発行され、交換権の価値が第1の社債2の転換権と同等若しくはそれ以上になるように設計され、かつ、第1の社債2の債権者(投資家)に対して優先的に募集されるものである。

0034

このような第2の社債4を設計するため、まず、所定のタイミングで、A社の株価情報を取得する(ステップS1)。ついで、A社発行の第1の社債2の情報をデータベース10から取り出し(ステップS2)、その転換価額を前記ステップS1で取得した株価で除することで、理論価格を算出する(ステップS3)。この理論価格は、前記第1の社債2の株式転換価額に対する当該株式の時価の割合であり、例えば、転換価額が1000円で、株価が800円の場合には、理論価格は80%となる。この理論価格は、理論価格格納部11に保存される。

0035

ついで、前記第2の社債4(交換社債)の交換権の価値の設計(ステップS4)を行う。ここで、この第2の社債4の交換権の価値は、前記第1の社債2の転換権の価値と同等若しくはそれ以上になるように設計される。この実施形態では、前記第2の社債4の交換権の価値は、第2の社債4の交換・転換対象である株式の株価に対する株式交換・転換価格の割合(%)若しくは以下の算式で表示される。

0036

第2の社債の交換権の価値K=100/第1の社債の理論価格(%)−プレ
アム(数%)・・・・・・・式(1)
なお、ここで、プレミアムは、投資家による乗換えを促進するために設定されるもので、例えば、個々の社債毎に数%の単位で設定され、図2に示すプレミアム情報格納部12に格納されている。

0037

上記式(1)において、例えば、第1の社債2の理論価格が80%、プレミアムが2%の場合、第2の社債4の交換権の価値Kは、
K=100/80−2/100=1.23=123%
となる。

0038

ついで、このように設計して第2の転換社債の交換権の価値Kを表示したA社発行の第2の社債4(交換社債)の発行登録仮目論見書13を用意する。そして、この仮目論見書13をもって、第1の社債2の債権者・投資家14に対して第2の社債4への乗換えを勧誘する(ステップS5)。

0039

ここで、この第1の社債2の債権者・投資家14の実情が把握できていないため、この勧誘は、広く投資家に情報を拡散できかつ、情報収集の容易なインターネット網15を利用して行われる。

0040

ここで、このシステムは、インターネット上に、当該スキームのホームページを開設し、このスキームの情報提供を投資家14に対して行う。そして、同時に、このホームページ上で、前記第1の社債2を保有する投資家14の乗り換えニーズを調査する(ステップS6)。この実施形態では、第1の社債2の投資家14に、投資家名、乗り換えニーズ(の有無)、社債権番号若しくは預託先証券会社名、仮目論見書の発送のためのアドレス、乗り換えのための使用予定証券会社名の入力を促す。

0041

このように取得された情報は、乗り換えニーズ情報格納部16に、当該第1の社債2及び第2の社債4に関連付けて格納される。

0042

また、前記で取得した発送先アドレスに仮目論見書13を発送する(ステップS7)。この仮目論見書の発送は電子化文書によって配達確認付きで送るようにすることが好ましい。

0043

ついで、このシステムは、前記調査によって得たニーズ情報(16)に基づいて、この第2の社債4の発行額・発行条件(利率交換比率等)を決定し、発行決議を得た後、発行登録追補目論見書18をもって第2の社債4の募集を開始する(ステップS8)。なお、ここで、第2の社債4の交換請求期間は、H社設立後所定の期間後となるように設定する(図1のT8参照)。

0044

そして、この募集の申込は、インターネット網15を通じて行うようにすることが好ましく、この場合、前記発行登録追補目論見書18は、このサイトからダウンロードできるようにすることが好ましい。また、前記調査に応じた投資家14の場合、投資家名等、投資家を特定する情報を入力することで、前記調査で取得した情報が前記ニーズ情報格納部16から取り出されて自動的に応募フォームを埋めるようになっている。この場合、例えば、投資家14は、追加の情報を入力した後、確認/応募タンを押すだけで応募が完了する。

0045

そして、第2の社債4に応募した第1の社債2の債権者に対しては、第1の社債2の代用払込みをもってこの第2の社債4の払込金とし、第2の社債4を発行する(ステップS9)。一方、第2の社債4に応募しなかった第1の社債2の債権者に対しては、繰上げ償還などを行い、発行残高を0にする処理を行う(ステップS10)。

0046

ついで、H社設立後、その株式が上場され、株価が付いた後の所定のタイミングで、前記交換社債の株式交換価額を決定する(ステップS11、図1のT13参照)。この場合、前記H社の株価を取得し、この株価に前記ステップS4で決定した第2の社債4の転換権の価値K(%)を乗算することで、株式交換価額を決定する。上記の例において、H社の株価が800円であったとすると、転換価額は、800×123(%)=984円ということになる。

0047

したがって、このシステムは、前記A社割当の非上場の社債5の転換価額を、この交換価額と同じく、例えば984円に設定する(図1のT7)。

0048

このような構成によれば、以下の効果を得ることが可能になる。

0049

第1に、上記方法によれば、完全子会社化される株式への転換権を有する第1の社債2を親会社の株式への交換社債・転換社債に乗換えさせることができ、かつ、これを促進できる。そして、この乗換えと繰上償還等をセットで用いることによって当該第1の社債2の発行残高をゼロにすることが可能になる。

0050

すなわち、上記方法では、ある所定のタイミングで、A社の株価を取得し、これに応じてH社の株価に対する第2の社債4の交換権の価値の割合だけを決定し、H社の株式が上場された後で転換価額を確定するようにした。これにより、第1の社債2の保有者に不利益が生じるのを防止することができると共に、証券取引所における流動性を確保することができる。

0051

また、このとき、前記交換権の価値の割合にプレミアムを乗せることで、投資家に対して一定の利益を供与することができ、これにより第2の社債4への乗換えを促進することができる。

0052

以上により、従来、株式移転・交換のネックになっていた潜在株式の処理が移転・交換期日以前に処理できる効果がある。このことにより、完全子会社化を阻害する要因を取除くことができる。

0053

第2に、上記方法によれば、第2の社債4へのニーズの調査を、インターネット上で行うようにした。このことにより、予め、乗り換え予定者を把握することができるから、第2の社債4の発行額等の決定が容易になるだけでなく、後の募集手続処理及び代用払込処理、発行処理が容易に行える効果がある。また、繰上げ償還ニーズも把握することができるから、それに備えることが容易になる。

0054

また、第1の社債2保有者の動向は必ずしも明確でなく、特に、個人投資家は数が多い。このような投資家から情報を収集するにあたり、通常の方法を採らず、ネット上で情報収集を行うことで、有効な結果を得ることができると共に経費を削減することも可能になる。

0055

第3に、上記の方法によれば、第2の社債4への払込手続きを、第1の社債2との関連で、第1の社債2の代用払込という方法で処理することができるから、投資家の手続き上の負担が軽くなる効果があり、また、証券会社側の手続きも簡略化される。

0056

(第2の実施形態)次に、この発明の第2の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略する。

0057

上記第1の実施形態では、株式移転の場合について説明したが、この第2の実施形態では、社債発行会社Bが、「株式交換」により、会社H2(持株会社)の未公開完全子会社になってしまう場合について説明する。

0058

図3は、この実施形態の社債処理方法によって実現されるスキームの概念を示す概略構成図である。

0059

この図において、20で示すのは、自社株式に転換可能な第1の社債2(転換社債)を発行した既発行転換社債発行会社(B社)である。この例では、B社ではなく、H2社が、所定の期日に実行される株式交換によって持ち株会社となる前に、このH2社の株式に転換可能な第2の社債4’(この実施形態では転換社債)を発行する(T14)。

0060

そして、第1の社債2の債権者(投資家)の第2の社債4’への代用払込による乗り換えを促進し(T15)、乗り換えの行われなかった第1の社債2については、繰上げ償還等(T16)によりその残高を0にする。

0061

この場合でも、上記第1の実施形態と同様に、H2社の発行する第2の社債4’(転換社債)は、転換権の価値がB社の第1の社債2の転換権と等しいか、プレミアムをつけてそれ以上にする。また、この転換権の価値は、算式若しくは割合を持って表示する。

0062

ついで、H2社は、乗り換え分の第1の社債2をもってB社に対して償還を要求し(T17)、現金を受け取る(T18)。

0063

このことにより、B社の株式に転換可能な第1の社債2は、全て処理されたことになる。

0064

この実施形態でも、前記第2の社債4’の実際の転換価額は、少なくとも、株式交換が実施され(T19)、H2社の株式が上場された後、所定期間以内に前記で決定した第2の社債の価値(数式)を用いることで最終的に決定される(T20)。また、転換請求期間(T21)は、この転換価額が決定した後に開始するように設定される。

0065

そして、この転換請求期間開始後は、投資家は、いつでも、当該第2の社債4’をH2社の株式に転換することが可能になる(T22,T23)。

0066

このような構成によっても、H2社との株式交換前に、B社発行の第1の社債2を全て処理することが可能になる他、前記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。

0067

なお、この発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。

0068

例えば、上記一実施形態では、株式移転もしく株式交換に伴う社債の処理について説明したが、これに限るものではない。一般的に、第1の社債の償還期限到来に伴い、それよりも年限の長い別の社債(第2の社債)へ乗り換える場合についても、上記発明にかかるスキームは適用可能である。

0069

これによって、社債の発行会社は、旧社債の償還資金を安く調達でき、投資家は希望すれば、転換権を承継することが可能になる。

発明の効果

0070

以上説明した構成によれば、例えば企業の完全子会社化にあたり、投資家に不利益を生じさせずに、転換社債などの潜在株を処理できるコンピュータ処理方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0071

図1この発明の第1の実施形態に係る社債処理スキームを示す概念図。
図2同じく第1の実施形態に係る処理方法を示す工程図。
図3この発明の第2の実施形態に係る社債処理スキームを示す概念図。

--

0072

A…社債発行会社(第1の企業)
H…持株会社(第2の企業)
B…社債発行会社(第1の企業)
H2…持株会社(第2の企業)
2…第1の社債(転換社債)
4…第2の社債(交換社債)
5…A社割当の社債(第3の社債)
6…交換・転換代理人
10…社債情報データベース
11…理論価格格納部
12…プレミアム情報格納部
13…仮目論見書
14…債権者・投資家
15…インターネット網
16…ニーズ情報格納部
18…発行登録追補目論見書

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