図面 (/)

技術 積層防水構造

出願人 エスケー化研株式会社
発明者 池内忠彦吉岡典彦
出願日 2000年10月4日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-304608
公開日 2002年4月10日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2002-106118
状態 特許登録済
技術分野 その他の屋根ふき
主要キーワード 積層防 合成繊維シート 親水性付与成分 誘発要因 繰返し試験 塗膜形成主要素 水性合成樹脂 表面移行
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年4月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

汚染物質による外観意匠性低下をきたさず、長期にわたって防水性能持続可能な積層構造を提供する。

解決手段

表面の水に対する接触角が70°以下であり、伸び率が50〜250%である仕上材層を防水シートの表面に積層する。仕上材層は、下塗材層を介して積層することもできる。仕上材層としては、(A)合成樹脂、及び(B)アルコキシシラン化合物、を含有する塗料組成物より形成されるものが好ましい。

概要

背景

概要

汚染物質による外観意匠性低下をきたさず、長期にわたって防水性能持続可能な積層構造を提供する。

表面の水に対する接触角が70°以下であり、伸び率が50〜250%である仕上材層を防水シートの表面に積層する。仕上材層は、下塗材層を介して積層することもできる。仕上材層としては、(A)合成樹脂、及び(B)アルコキシシラン化合物、を含有する塗料組成物より形成されるものが好ましい。

目的

本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、汚染物質による外観の意匠性低下をきたさず、長期にわたって防水性能を持続可能な積層構造を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

表面の水に対する接触角が70°以下であり、伸び率が50〜250%である仕上材層を防水シートの表面に積層することを特徴とする積層防水構造

請求項2

表面の水に対する接触角が70°以下であり、伸び率が50〜250%である仕上材層を、下塗材層を介して、防水シートの表面に積層することを特徴とする積層防水構造。

請求項3

仕上材層が、(A)合成樹脂、及び(B)アルコキシシラン化合物、を含有する塗料組成物より形成されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層防水構造。

請求項4

(B)成分が、炭素数が1〜3のアルコキシル基と、炭素数が4〜12のアルコキシル基を含有するアルコキシシラン縮合物であることを特徴とする請求項3に記載の積層防水構造。

請求項5

(B)成分が、繰り返し単位の炭素数が1〜4のポリオキシアルキレン基と、炭素数が1〜4のアルコキシル基を含有するアルコキシシランの縮合物であることを特徴とする請求項3に記載の積層防水構造。

請求項6

下塗材層が、(L)イソシアネート基含有重合体、及び(M)塩素含有重合体を含有する塗料組成物より形成されるものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の積層防水構造。

技術分野

0001

本発明は、建築物の屋上や屋根において、躯体内部への雨水の侵入を防止するための防水機能を、長期にわたって持続させ、なおかつその美観を維持する効果を兼ね備えた積層防水構造に関する。

0002

従来、建築物においては、降雨による躯体内部への水分の侵入を防止するために、屋上や屋根に防水シートを設けることが行われている。このような防水シートは、躯体膨張収縮建物揺れ等に伴なう変位追従できるように、比較的伸びの大きなものが使用される。また、防水シートは降雨や日照、および季節による温度の変化等にさらされることから、非常に厳しい環境変化においても防水性能を維持していくことが要求される。そこで、このような防水シートの耐候性を向上させ、さらには外観色相を付与するために、通常、仕上塗料によって表面層を形成させることが行われている。ここで用いる仕上塗料は、防水シートの伸びに追従することが必要であるため、伸長性を有する材料が使用される。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、このような伸びの大きな表面層は、大気中の塵埃等の汚染物質が付着しやすく、汚染による外観の不良が発生することが多い。さらに、表面層での汚染物質は、太陽光中赤外線吸収能が非常に高く、防水シートの著しい温度上昇を招くため、防水シートの劣化を促進し、膨れクラック誘発要因となるおそれがある。表面層として伸長性の低い材料を使用した場合には、汚れの問題は改善されるが、防水シートの伸縮に追従できず、表面層にクラックが生じやすくなる。

0004

本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、汚染物質による外観の意匠性低下をきたさず、長期にわたって防水性能を持続可能な積層構造を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0005

これらの課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行い、防水シートに対して、汚染物質が付着し難い特性を有し、なおかつ防水シートの伸縮に追従することが可能な表面層を積層することが有効であることを見出し、本発明を完成した。

0006

すなわち本発明は、以下の積層構造を提供するものである。

0007

1.表面の水に対する接触角が70°以下であり、伸び率が50〜250%である仕上材層を防水シートの表面に積層することを特徴とする積層防水構造。
2.表面の水に対する接触角が70°以下であり、伸び率が50〜250%である仕上材層を、下塗材層を介して、防水シートの表面に積層することを特徴とする積層防水構造。
3.仕上材層が、(A)合成樹脂、及び(B)アルコキシシラン化合物、を含有する塗料組成物より形成されるものであることを特徴とする1.または2.に記載の積層防水構造。
4.(B)成分が、炭素数が1〜3のアルコキシル基と、炭素数が4〜12のアルコキシル基を含有するアルコキシシラン縮合物であることを特徴とする3.に記載の積層防水構造。
5.(B)成分が、繰り返し単位の炭素数が1〜4のポリオキシアルキレン基と、炭素数が1〜4のアルコキシル基を含有するアルコキシシランの縮合物であることを特徴とする3.に記載の積層防水構造。
6.下塗材層が、(L)イソシアネート基含有重合体、及び(M)塩素含有重合体を含有する塗料組成物より形成されるものであることを特徴とする2.〜5.のいずれかに記載の積層防水構造。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明の具体的な態様について詳細に説明する。

0009

[防水シート]防水シートとしては、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ブチルゴム、これらの混合物などからの加硫あるいは非加硫ゴムシートポリクロロプレン防水シート、クロロスルホン化ポリエチレン防水シート、エチレン−酢酸ビニル樹脂防水シート、アクリル樹脂防水シート、ポリエチレン樹脂防水シート等があげられる。また、これらの防水シートを組み合わせて積層加工した防水シート、合成繊維シートや不織布等を積層した防水シート、断熱層を積層加工した防水シート、アスファルト含浸させたアスファルト含浸防水シートなどを使用することもできる。

0010

防水シートの施工においては、施工する下地の種類や状況により、必要に応じ適切な下地調整材プライマー等の処理を行った後に、防水シートを接着する。

0011

接着剤としては、公知の接着剤が使用でき、例えば、ゴム系接着剤エポキシ系接着剤ウレタン系接着剤及び合成樹脂エマルジョン系接着剤等があげられる。

0012

なお本発明の積層構造は、既に防水層として施工され、一定期間が経過した既存防水シート上に、仕上材層を形成する場合も含まれる。

0013

[仕上材層]本発明に用いる仕上材層は、表面の水に対する接触角が70°以下であることが必要である。表面の水に対する接触角が70°以下とは、塗装された塗料乾燥硬化し、塗膜を形成した直後から、表面の水に対する接触角が70°以下となるもの、塗装された塗料が乾燥硬化し、塗膜を形成後、比較的短期間(概ね、2週間〜1ヶ月以内)に大気中の湿気結露水、雨水等により、塗膜表面の成分が反応し、表面の水に対する接触角が70°以下となるものを包含する。

0014

表面の水に対する接触角が70°以下であることにより、大気中の塵埃等の汚染物質が付着した場合においても、降雨等による水で、汚染物質を洗い流すことができる。このような塗膜を形成する塗料組成物としては、塗膜表面を親水性にするものであれば、特に限定されるものではない。例えば、水酸基カルボキシル基アミノ基、アミド基等の親水性基ポリアルキレンオキサイドポリオキサゾリンポリアミド等の親水性セグメントを有する合成樹脂を水性溶剤形塗膜形成バインダーとして使用すること、あるいは、水性、溶剤形の合成樹脂に、塗膜形成後に親水性を付与する成分を配合すること、等により得ることができる。このうち本発明では、(A)合成樹脂、及び(B)アルコキシシラン化合物、を含有する塗料組成物を用いることが好ましい。

0015

(A)合成樹脂
(A)成分である合成樹脂は、塗料の結合材として用いるものであり、公知の溶剤形合成樹脂、水性合成樹脂を使用することができる。

0016

(A)成分の樹脂の種類としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂アルキド樹脂等、あるいはアルキド変性アクリル樹脂シリコン変性アクリル樹脂ポリエステル変性アクリル樹脂等の変性樹脂等があげられ、各種樹脂の1種または2種以上が使用可能である。また、樹脂の形態としては、溶解形、分散形、あるいはこれらの混合形が使用可能である。

0017

このような(A)成分は、重量平均分子量が5000以上のものが使用できる。重量平均分子量が5000より小さい場合は、塗料として適度な粘性が得られず、各塗膜物性にも劣るので好ましくない。

0018

本発明では、架橋反応によって耐久性を向上できる点等から、官能基として水酸基を含有する化合物、即ちポリオール化合物が好ましく使用される。

0019

(ポリオール化合物)ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールポリエステルポリオールアクリルポリオールフッ素含有ポリオール珪素含有ポリオール、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオールポリブタジエンポリオールポリイソプレンポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、アクリロニトリルスチレン等の重合体ビニル付加ないし分散せしめたポリマーポリオールウレア分散ポリオール、カーボネートポリオール等を使用することが可能である。

0020

本発明では、このようなポリオールの1種または2種以上を使用することができる。このうち、アクリルポリオール、フッ素含有ポリオール、あるいは珪素含有ポリオールを使用した場合は、塗膜の耐候性を向上させることができ、好ましい。また、アミノ基を含有するポリオールを用いると、形成された塗膜の密着性を高めることができる。

0021

上記のようなポリオールを用いる場合、その水酸基価としては、15〜150KOHmg/gのものを使用することが望ましい。水酸基価が15KOHmg/gより小さい場合には、架橋密度が低いため、各種塗膜物性、耐汚染性が劣り、逆に、150KOHmg/gより大きい場合は、架橋密度が高くなり(B)成分の表面配向性阻害されるため好ましくない。

0022

(A’)硬化剤類
(A)成分にポリオールを含有する場合は、イソシアネート化合物(以下、「(A’−1)成分」という)、有機金属化合物(以下、「(A’−2)成分」という)等を配合して架橋硬化させて塗膜を形成する。

0023

(A’−1)成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモノマーアロファネート化ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化反応等により、誘導体化したもの、および、それらの混合物が使用可能である。特に、形成される塗膜の黄変を考慮すると、脂肪族系もしくは脂環族系ポリイソシアネート、又はこれらの混合物を使用することが望ましい。さらに、これらの(A’−1)成分は、ブロックイソシアネートの形態でも使用できる。

0024

これらの(A’−1)成分と(A)成分との混合は、NCO/OH比率で0.7〜2.0、好ましくは0.8〜1.5となるような比率で行うことが望ましい。このときNCO/OH比率が0.7より小さいと、汚染物質が除去しにくくなり、2.0よりも大きいと、初期乾燥性が低下し汚染物質が付着しやすくなる。

0025

(A’−2)成分としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレートジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレート、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、チタニウムビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムビスブトキシビス(アセチルアセトナート)などの金属キレート化合物類等があげられる。

0026

(A’−2)成分を配合する場合、その配合量は、(A)成分100重量部に対し、通常、0.02〜10重量部の範囲内が好適である。(A’−2)成分の配合量が10重量部を超えると、得られる塗膜の仕上り性が低下する傾向となる。

0027

(B)アルコキシシラン化合物
本発明では、親水性付与成分として、アルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。一般的にアルコキシシラン化合物が、塗膜を形成するバインダー中に混合されると、塗膜形成途上において塗膜の表面に局在化し、塗膜表面を親水性にすることができる。また、防水シートが可塑剤を含むことによって柔軟性を有している場合には、仕上材層として(B)成分を含む塗料組成物を用いれば、塗膜形成主要素である樹脂成分との複合効果により、可塑剤の表面移行を防止することが可能となる。これにより、防水シートの柔軟性を長期にわたり保持することができ、可塑剤の表面移行による汚染を防止することもできる。

0028

本発明では、塗膜表面への局在化のしやすさと表面親水化の早期発現の点、及び可塑剤移行防止性の点から、特に、(B)成分として、(B−1)炭素数が1〜3のアルコキシル基と、炭素数が4〜12のアルコキシル基を含有するアルコキシシランの縮合物(以下、「(B−1)成分」という。)、または、(B−2)繰り返し単位の炭素数が1〜4のポリオキシアルキレン基と、炭素数が1〜4のアルコキシル基を含有するアルコキシシランの縮合物(以下、「(B−2)成分」という。)、を使用することが望ましい。

0029

(B−1)成分においては、アルコキシル基が、炭素数1〜3と炭素数4〜12のものが混在していることにより、(A)成分との相溶性飛躍的に向上し、表面配向性に優れ、塗膜物性の優れた塗膜が形成できる。炭素数が1〜3のアルコキシル基のみの場合は、(A)成分との相溶性、表面配向性が不十分となり、炭素数が4〜12のアルコキシル基のみの場合は、耐汚染性が低下する傾向となる。(B−1)成分は、該低縮合物の全体のアルコキシル基のうち、約5〜50当量%が炭素数4〜12のアルコキシル基となるようにしたものが(A)成分との相溶性、塗膜の耐汚染性に優れるため好ましい。

0030

(B−1)成分の平均縮合度は4〜20であることが望ましい。平均縮合度が20より大きいものは、粘度上昇等により取り扱いが不便となり、平均縮合度が4より小さいのものは、揮発性が高くなりやはり取り扱いが不便となる。

0031

このような(B−1)成分は、公知の方法により製造することができるが、例えば、炭素数1〜3のアルコキシル基を有するテトラアルコキシシラン縮合物を、炭素数4〜12のアルコールエステル交換反応により変性する方法があげられる。

0032

(B−2)成分は、特に(A)成分が水性合成樹脂である場合に好適に用いることができる。このような(B−2)成分は、水性合成樹脂との相溶性が良好で、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。(B−2)成分のアルコキシル基の炭素数は1〜4である。炭素数が4を超えると、耐汚染性が低下する傾向となる。ポリオキシアルキレン基の平均分子量は、150〜2000であることが望ましい。平均分子量が150未満の場合は、(A)成分との相溶性が低下し、2000を超えると塗膜の耐水性、強度等が低下する傾向となる。また、(B−2)の平均縮合度は1〜20であることが望ましい。平均縮合度が20を超えると、取り扱いが不便になる。

0033

(B−2)成分は、公知の方法により製造することが可能であるが、例えば、アルコキシシラン縮合物の1種または2種以上の混合物を、ポリオキシアルキレン基含有化合物1種または2種以上でエステル交換反応させる方法、カップリング剤を用いて付加反応させる方法等があげられる。

0034

このような(B)成分は、(A)成分の樹脂固形分100重量部に対して、SiO2換算で1.0〜50.0重量部、好適には2.0〜30.0重量部配合することが望ましい。1.0重量部未満では塗膜の親水性が十分でないため耐汚染性に劣り、50.0重量部を越えると、硬化塗膜の外観が悪化したり、クラックが生じるといった問題が発生しやすくなる。

0035

ここでSiO2換算とは、アルコキシシランやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO2)となって残る重量分にて表したものである。一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO2)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)2O)nR+(n+1)H2O→nSiO2+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)という反応式で表されるが、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。

0036

仕上材層用の塗料では、上述の(A)、(B)成分の他、アミン化合物を添加することにより、形成された塗膜の密着性をさらに高めることもできる。また、通常塗料に使用する着色顔料体質顔料、可塑剤、防腐剤防黴剤防藻剤消泡剤レベリング剤顔料分散剤沈降防止剤、たれ防止剤艶消し剤紫外線吸収剤等を使用することもできる。

0037

本発明における仕上材層の伸び率は、50〜250%である。これは、JISK6301「加硫ゴム物理試験方法」3.「引張試験」に規定する方法によって、測定するものである。伸び率が50%より小さい場合は、仕上材層が防水シートの伸縮に追従できず割れを生じやすくなる。一方、伸び率が250%より大きい場合は、経時的に塗膜表面が汚染されて、太陽光蓄熱の程度が大きくなるため、防水シートの劣化が促進されてしまうこととなる。

0038

仕上材層の形成においては、上述の塗料を公知のスプレーローラー刷毛等を用いて塗装を行い、乾燥膜厚が概ね20μm〜100μmとなるようにする。

0039

[下塗材層]本発明においては、防水シートと仕上材層の間に、下塗材層を積層することが望ましい。このような下塗材層を介すことにより、仕上材層の密着性を高めることができる。

0040

下塗材層を形成する塗料組成物は、合成樹脂を結合材とするものであり、公知の合成樹脂を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂ウレタン樹脂塩素化ポリオレフィン樹脂等があげられる。

0041

本発明では、下塗材層を形成する塗料組成物として、(L)イソシアネート含有重合体、及び(M)塩素含有重合体を含む湿気硬化型の塗料組成物を使用することが望ましい。このような塗料組成物を用いると、仕上材層の密着性をより高めることができる。さらに、防水シートが可塑剤を含む場合には、可塑剤の表面移行防止性を高め、防水シートの柔軟性を長期にわたり保持することができ、可塑剤の表面移行による汚染を防止することもできる。

0042

(L)イソシアネート含有重合体
(L)成分は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する重合体である。このような重合体は、ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等があげられる。イソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモノマー、及びこれらの混合物が使用可能である。(L)成分におけるイソシアネート化合物の比率は、3〜50重量%であることが望ましい。

0043

(M)塩素含有重合体
(M)成分としては、塩素化ポリエチレン塩素化ポリプロピレン、あるいは、塩化ビニル塩化ビニリデン等を共重合した樹脂を用いることができる。塩素含有率は、40〜70重量%であることが望ましい。塩素含有量がこの範囲を外れる場合は、密着性が低下する傾向となる。

0044

(L)成分と(M)成分の配合比率は、固形分換算で(L)成分100重量部に対し、(M)成分1〜30重量部であることが望ましい。配合比率がこの範囲を外れる場合は、密着性が低下する傾向となる。

0045

下塗材層の形成においては、公知のスプレー、ローラー、刷毛等を用いて塗装を行い、乾燥膜厚が概ね5〜30μmとなるようにする。

0046

以下に実施例、比較例をあげて本発明の効果を明確にする。

0047

表1に示す原料を使用して、表2に示す各配合によって仕上材層用塗料組成物(配合例1〜6)を製造した。下塗材層用塗料組成物としては、表1に示すイソシアネート基含有重合体1、イソシアネート基含有重合体2、及び塩素含有重合体を、固形分比率80:10:10にて混合したもの(配合例7)を製造した。

0048

0049

0050

EPDM防水シート(トーヨーシートエキストラ、東洋ゴム工業(株)社製)の上に、表3に示す組合わせにて塗装を行い、積層体を作製した。なお、仕上材層の塗装においてはローラーを使用し、乾燥膜厚が約40μmとなるようにした。下塗材層の塗装においてはローラーを使用し、乾燥膜厚が約20μmとなるようにした。

0051

接触角測定)仕上材層用塗料組成物を、150mm×75mm×0.8mmのアルミニウム板に、乾燥膜厚が約40μmとなるようにスプレーしたものを、標準状態で7日間乾燥・養生した。これを脱イオン水中に3時間浸漬した後に、18時間乾燥し、協和界面科学(株)社製CA−A型接触角測定装置にて接触角を測定した。

0052

(1)密着性試験
作製した積層体について、水浸漬18時間→−20℃3時間→80℃3時間の温冷繰返し試験を10サイクル行った。その後、JIS K5400 8.5.2碁盤テープ法に準じ、密着性を評価した。評価は以下の通り。
◎:欠損部面積が5%未満
○:欠損部面積が5%以上35%未満
△:欠損部面積が35%以上65%未満
×:欠損部面積が65%以上

0053

(2)蓄熱性試験
作製した積層体を、裏面に50mm厚の発泡ポリスチレンを積層した300×150×1mmのアルミニウム板表面に貼り付けたものを試験体とし、初期状態の試験体裏面温度を測定した。つぎに赤外線ランプ(1R110V250W)を20cmの距離から照射し、温度上昇が平衡に達した時の試験体裏面温度を測定した。つぎに、その試験体を、大阪府木市で面向き45度傾斜にて4ヶ月間屋外暴露した後、前述と同様に赤外線照射を行い裏面温度測定を行った。試験結果を表3に示す。

0054

0055

(実施例1)本発明の積層防水構造であり、汚染物質の付着が少なく、防水シートの温度上昇が抑制される結果となった。また、暴露後の積層体は十分な柔軟性を保持していた。このように、実施例1は防水性能を持続可能な積層体であることがわかった。
(実施例2、3)本発明の積層防水構造であり、汚染物質の付着が少なく、防水シートの温度上昇が抑制される結果となった。また、暴露後の積層体は十分な柔軟性を保持していた。さらに、密着性においても優れる結果となった。このように、実施例2、3は防水性能を持続可能な積層体であることがわかった。

0056

(比較例1、2)仕上材層の接触角が規定範囲外であり、4ヶ月暴露後では汚染物質が多く付着し、防水シートが熱によって劣化しやすい積層体であることがわかった。

0057

(比較例3)塗膜の伸びが規定範囲外であり、4ヶ月暴露後の仕上材層が割れを生じていた。また、密着性にも劣る結果となった。

0058

(比較例4)塗膜の伸びが規定範囲を超えて大きいため、汚染物質の付着が多く、防水シートが熱によって劣化しやすい積層体であることがわかった。

発明の効果

0059

本発明によれば、汚染物質による外観の意匠性低下をきたさず、長期にわたって防水性能を持続可能な積層構造を得ることができる。さらに、防水シートと仕上材層の間に、下塗材層を積層することにより、仕上材層の密着性を高めることができる。防水シートが可塑剤を含む場合には、可塑剤の表面移行防止性を高め、防水シートの柔軟性を長期にわたり保持することができ、可塑剤の表面移行による汚染を防止することもできる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ