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技術 水洗便器および便器のリム部素地を製造する方法

出願人 TOTO株式会社
発明者 宮原秀峰新川真弘米田敏文
出願日 2000年9月29日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2000-299634
公開日 2002年4月10日 (17年5ヶ月経過) 公開番号 2002-106048
状態 拒絶査定
技術分野 水洗便所用衛生器具
主要キーワード 主形状 接合壁 隆起壁 水道直結式 開閉弁機構 内面壁 水平位 空気供給孔
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年4月10日)のものです。
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図面 (19)

課題

リム部とボール部の接合近辺に設けられた洗浄水噴出口から、リム部の内側側面に沿って水平方向に洗浄水噴出するリムショット式の水洗便器において、デザインの自由度や完成度を高める。

解決手段

リム部21側面の内側に上面壁21a,側面壁21bおよび内面壁21kで囲まれた側面中空部130を、収納部12よりも手前側の側面壁21bのほぼ全周に沿って形成する。これにより、焼成前のリム部素地10aにおいて、上面壁21aと内面壁21kのなす角θ1を、上面壁21aと側面壁21bのなす角θ2とは異なる角度で成形することが可能となる。

概要

背景

近年、便器リム部裏側の内周に、多数のリム孔が形成された洗浄水通路を設ける構造(いわゆるボックスリム)を設けないタイプの水洗便器が提案されている。このタイプの水洗便器としては、リム部とボール部の接合近辺に設けられた洗浄水噴出口から、リム部の内側側面に沿って水平方向に洗浄水を噴出し、ボール面周回させて洗浄を行なう手法のものがある。このように洗浄水をボール部に吐出する方式を、以下、リムショット式という。

概要

リム部とボール部の接合部近辺に設けられた洗浄水噴出口から、リム部の内側側面に沿って水平方向に洗浄水を噴出するリムショット式の水洗便器において、デザインの自由度や完成度を高める。

リム部21側面の内側に上面壁21a,側面壁21bおよび内面壁21kで囲まれた側面中空部130を、収納部12よりも手前側の側面壁21bのほぼ全周に沿って形成する。これにより、焼成前のリム部素地10aにおいて、上面壁21aと内面壁21kのなす角θ1を、上面壁21aと側面壁21bのなす角θ2とは異なる角度で成形することが可能となる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

溜水を溜め置くボール部と、該ボール部の上縁を取り囲むリム部とを有し、前記ボール部に洗浄水吐出して便器洗浄を行う水洗便器であって、所定の開弁指示に基づいて、外部の給水源から給水された所定圧の水を直接にボール面上端部まで導き、該ボール面上端部から前記ボール部に洗浄水として吐出する吐出手段と、該吐出手段により吐出された洗浄水を前記リム部の内周壁に沿って周回させながら、前記ボール面を洗浄する洗浄手段とを備え、前記リム部は、便座が設置される設置面および該設置面と連続する側面を有しており、該設置面と該側面とが連続するコーナー部の裏側に、該リム部の側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空部を設けた水洗便器。

請求項2

前記側面中空部を、前記リム部の側面の全範囲に亘って設けた請求項1に記載の水洗便器。

請求項3

請求項1または2に記載の水洗便器であって、前記リム部は、前記ボール部の後端部よりも後方に、前記設置面と連続して形成され、該設置面よりも隆起した形状の収納部を有し、該収納部の隆起された壁が位置するリム部に、該壁の幅方向に沿って中空とされ、前記側面中空部と連通される第二中空部を設けた水洗便器。

請求項4

前記コーナー部の形状を鋭角とした請求項1ないし3のいずれかに記載の水洗便器。

請求項5

所定の開弁指示に基づいて、外部の給水源から給水された所定圧の水を直接にボール面上端部まで導いて、該ボール面上端部から洗浄水としてボール部に吐出し、該吐出された洗浄水を前記リム部の内周壁に沿って周回させながら、ボール面を洗浄する水洗便器に関し、該水洗便器の下部形状を形取ったボール部素地の上縁に接合される素地であり、便座が設置される設置面および該設置面と連続する側面を備えたリム部素地を製造する方法であって、前記リム部素地の主形状が形取られた型に泥漿流し込み、該流し込まれた泥漿の型への着肉により前記リム部素地を成形する工程であるリム部素地成形工程と、該リム部素地が成形された後に、前記型に着肉しなかった泥漿を排出する泥漿排出工程と、該泥漿が排出された後に、前記成形されたリム部素地を前記型から取り外す脱型工程とを備え、前記リム部素地成形工程では、前記設置面から隆起した形状の収納部素地を、前記リム部素地と一体として成形する工程を含み、該リム部素地成形工程は、前記リム部素地の、前記設置面と前記側面とが連続するコーナー部の裏側に、該側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空部を成形する工程を含むリム部素地の製造方法。

請求項6

前記リム部素地成形工程は、前記側面中空部を、前記側面の全範囲に亘って成形する工程である請求項5に記載のリム部素地の製造方法。

請求項7

請求項6に記載のリム部素地の製造方法であって、前記リム部素地成形工程では、前記側面中空部とともに、前記ボール部の後端部よりも前方に位置する側面中空部から該ボール部の後端部の後側に向かって分岐された中空部である第一中空部を成形し、前記成形される側面中空部が、泥漿排出用の排泥孔を有し、前記成形される第一中空部が、前記排泥孔および泥漿排出用の空気供給孔を有するリム部素地の製造方法。

請求項8

請求項6または7に記載のリム部素地の製造方法であって、前記リム部素地成形工程では、前記側面中空部を、少なくとも前記収納部素地が前記設置面から隆起する部位の近傍まで延出された形状に成形し、該側面中空部の延出終端と連通された第二中空部を、前記収納部素地の略幅方向に沿って成形するリム部素地の製造方法。

請求項9

請求項7に記載のリム部素地の製造方法であって、前記リム部素地成形工程では、前記側面中空部および前記第一中空部を、前記収納部素地方向に延出された形状に成形するとともに、該側面中空部の延出終端と該第一中空部の延出終端とを、前記ボール部の後端部における水平位置から異なる距離の位置に成形し、該側面中空部および該第一中空部ととともに、該側面中空部および前記第一中空部のそれぞれの延出終端と連通された第三中空部を、前記収納部素地が前記設置面から隆起する部位の近傍に成形し、前記側面中空部の延出終端または前記第一中空部の延出終端のいずれかに前記排泥孔を備えるリム部素地の製造方法。

請求項10

前記リム部素地成形工程では、前記第二中空部または前記第三中空部を、略鉛直方向側への傾斜を付与して成形する請求項8または9に記載のリム部素地の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、溜水を溜め置くボール部と、該ボール部の上縁を取り囲むリム部とを有し、前記ボール部に洗浄水吐出して便器洗浄を行う水洗便器に関する。

背景技術

0002

近年、便器のリム部裏側の内周に、多数のリム孔が形成された洗浄水の通路を設ける構造(いわゆるボックスリム)を設けないタイプの水洗便器が提案されている。このタイプの水洗便器としては、リム部とボール部の接合近辺に設けられた洗浄水噴出口から、リム部の内側側面に沿って水平方向に洗浄水を噴出し、ボール面周回させて洗浄を行なう手法のものがある。このように洗浄水をボール部に吐出する方式を、以下、リムショット式という。

発明が解決しようとする課題

0003

リムショット式の水洗便器910の構成例を図17の斜視図に示す。図17に示すように、水洗便器910のボール部20の上端部には、ボール面を周回する洗浄水Rを噴出するリム噴出ノズル944が設けられている。このリム噴出ノズル944は、ボール部920後方収納部912内に収納された水道直結式給水装置と接続されている。なお、この水洗便器910の焼成素地は、ボール部920を含む下部構造を形取ったボール部素地910bと、リム部921や収納部912を含む上部構造を形取ったリム部素地910aとに分けて製造される。

0004

このような水洗便器910をはじめとして、リムショット式の水洗便器の場合には、リム部の側面壁に洗浄水通過用の通路を設ける必要がないため、リム部の側面壁は、通常は、厚めの一の壁としての構造(二重構造)で構成されていた。この二重構造について図18を参照しつつ説明する。図18(a)は、図17に示した水洗便器910のリム部素地910aが成形される様子を縦断面として示す。この縦断面は、図17に示した水洗便器910を左右の便座取付用孔935の中心を通る線分V−Vで切断したときの断面を示している。図18(a)に示すように、上型990と下型991との間に流し込まれた泥漿は、点線よりも上部が上型990に、点線よりも下部が下型991にそれぞれ着肉する。この各型への着肉部分が合わさることにより、中空部分のない上面壁921a,側面壁921bからなるリム部素地910aが成形される。このような、各型への着肉部分が合わさることにより中空部分なく成形される素地の構造を、以下、二重構造という。

0005

ところが、リムショット式の水洗便器の場合において、リム部の側面壁を二重構造とした場合には、脱型上の理由から、リム部の側面形状に制約が生じてしまうという課題があった。即ち、下型991の脱型を可能とするためには、図18(b)に示すように、リム部素地910aにおいて、上面壁921aと側面壁921bとのなす角θを90°以上としなければならず、シャープな側面形状を実現することができなかった。

0006

また、図17に示すようなリム部921と収納部912とが一体となったリム部素地910aを成形する場合には、リム部素地910aの成形後に、収納部912の自重によって上面壁921aが凹んでしまうことにより、焼成後の水洗便器910のデザインが損なわれてしまうおそれもあった。

0007

そこで、本発明は、上記の課題を解決し、リムショット式の水洗便器において、デザインの自由度や完成度を高めるべく、以下の構成を採った。

0008

本発明の水洗便器は、溜水を溜め置くボール部と、該ボール部の上縁を取り囲むリム部とを有し、前記ボール部に洗浄水を吐出して便器の洗浄を行う水洗便器であって、所定の開弁指示に基づいて、外部の給水源から給水された所定圧の水を直接にボール面上端部まで導き、該ボール面上端部から前記ボール部に洗浄水として吐出する吐出手段と、該吐出手段により吐出された洗浄水を前記リム部の内周壁に沿って周回させながら、前記ボール面を洗浄する洗浄手段とを備え、前記リム部は、便座が設置される設置面および該設置面と連続する側面を有しており、該設置面と該側面とが連続するコーナー部の裏側に、該リム部の側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空部を設けたことを要旨とする。

0009

上記構成を備えた本発明の水洗便器によれば、外部の給水源から給水された所定圧の水を、直接にボール面上端部からボール部に洗浄水として吐出し、該洗浄水をリム部の内周壁に沿って周回させながら、ボール面を洗浄する水洗便器において、便座が設置される設置面と側面とが連続するコーナー部の裏側に、リム部の側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空部を設ける。このようにリム部のコーナー部の裏側が中空とされることにより、リム部の側面形状をより自由な形状で成形することが可能となる。従って、水洗便器における側面のデザインをより向上させることができる。

0010

側面中空部を、リム部の側面の全範囲に亘って設けることも望ましい。こうすれば、リム部全体の側面形状を自由な形状で成形することが可能となる。従って、水洗便器全体としての美感をより高めることができる。また、リム部の側面の全範囲に亘って中空部を設けることで、使用者の体重に耐えられる強度をより高めることができる。

0011

リム部が、ボール部の後端部よりも後方に、便座の設置面と連続して形成され、該設置面よりも隆起した形状の収納部を有する場合には、該収納部の隆起された壁が位置するリム部に、該壁の幅方向に沿って中空とされ、側面中空部と連通される第二中空部を設ける構成としてもよい。この構成によれば、リム部の素地が成形された段階において、収納部の自重を、第二中空部を構成する壁によって、より強靭に支えることができる。このように、壁体のリム部上面への荷重に備えて、リム部裏側を第二中空部によって補強することにより、素地成形段階において、収納部の荷重によってリム部上面に凹みが生じるのを有効に防止することが可能となり、完成後の水洗便器を企図した通りのデザインとすることができる。

0012

また、コーナー部の形状を鋭角とすることも、シャープなデザインの水洗便器を実現可能となる点で好ましい。

0013

本発明のリム部素地の製造方法は、所定の開弁指示に基づいて、外部の給水源から給水された所定圧の水を直接にボール面上端部まで導いて、該ボール面上端部から洗浄水としてボール部に吐出し、該吐出された洗浄水を前記リム部の内周壁に沿って周回させながら、ボール面を洗浄する水洗便器に関し、該水洗便器の下部形状を形取ったボール部素地の上縁に接合される素地であり、便座が設置される設置面および該設置面と連続する側面を備えたリム部素地を製造する方法であって、前記リム部素地の主形状が形取られた型に泥漿を流し込み、該流し込まれた泥漿の型への着肉により前記リム部素地を成形する工程であるリム部素地成形工程と、該リム部素地が成形された後に、前記型に着肉しなかった泥漿を排出する泥漿排出工程と、該泥漿が排出された後に、前記成形されたリム部素地を前記型から取り外す脱型工程とを備え、前記リム部素地成形工程は、前記設置面から隆起した形状の収納部素地を、前記リム部素地と一体として成形する工程であり、該リム部素地成形工程は、前記リム部素地の、前記設置面と前記側面とが連続するコーナー部の裏側に、該側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空部を成形する工程であることを要旨とする。

0014

本発明のリム部素地の製造方法によれば、リム部素地成形工程において、便座が設置される設置面から隆起した形状の収納部素地をリム部素地と一体として成形するとともに、リム部素地の設置面と側面とが連続するコーナー部の裏側に、該側面に沿った所定の範囲に亘って中空とされた側面中空部を成形する。このような側面中空部を設けることにより、リム部素地の脱型上の制約が、側面中空部を設けない場合よりも緩和される。従って、リム部素地のコーナー部の形状をより自由な形状で成形することが可能となる。

0015

側面中空部を、側面の全範囲に亘って設けることも望ましい。こうすれば、リム部素地のコーナー部の形状を、リム部素地の全体に亘り、自由な形状で成形することが可能となる。

0016

リム部素地成形工程において、側面中空部とともに、ボール部の後端部よりも前方に位置する側面中空部から該ボール部の後端部の後側に向かって分岐された中空部である第一中空部を成形し、成形される側面中空部が泥漿排出用の排泥孔を有し、成形される第一中空部が前記排泥孔および泥漿排出用の空気供給孔を有することとしてもよい。こうすれば、泥漿排出工程において、空気供給孔からの空気の供給により、側面中空部内に残存している不要な泥漿を、第一中空部および側面中空部の排泥孔から効率良く排出することができる。

0017

リム部素地成形工程において、側面中空部を、少なくとも収納部素地が設置面から隆起する部位の近傍まで延出された形状に成形するとともに、該側面中空部の延出終端と連通された第二中空部を、収納部素地の略幅方向に沿って成形する工程とすることも好適である。こうすれば、リム部の素地が成形された段階において、設置面に掛かる収納部素地の荷重を、第二中空部を構成する壁によって支えることが可能となる。このように、第二中空部が、収納部素地の設置面への荷重に対する補強材役割を果たすことで、素地成形段階において、壁体の荷重によってリム部上面に凹みが生じることを有効に防止することができる。

0018

リム部素地成形工程において、側面中空部および第一中空部を収納部素地方向に延出された形状に成形するとともに、該側面中空部の延出終端と該第一中空部の延出終端とを、ボール部の後端部における水平位置から異なる距離の位置に成形し、該側面中空部および該第一中空部ととともに、該側面中空部および第一中空部のそれぞれの延出終端と連通された第三中空部を、収納部素地が設置面から隆起する部位の近傍に成形し、側面中空部の延出終端または前記第一中空部の延出終端のいずれかに排泥孔を備える工程とすることも可能である。こうすれば、第三中空部が、収納部素地の設置面への荷重に対する補強材の役割を果たすことで、素地成形段階において、壁体の荷重によってリム部上面に凹みが生じることを有効に防止することができる。また、第三中空部が、ボール部の後端部における水平位置から異なる距離の位置関係にある側面中空部の延出終端および第一中空部の延出終端と合流するので、側面中空部,第一中空部のうち、より長く延出された方の延出終端にだけ排泥孔を設ければ、第三中空部を経由したルートを利用して不要な泥漿を排出することができる。従って、排泥孔の数を減らすことができる。

0019

リム部素地成形工程において、第二中空部または第三中空部を、略鉛直方向側への傾斜を付与して成形することも、排泥効率を上げるとともに、排泥孔の数を減らすことができる点で好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0020

以上説明した本発明の構成及び作用を一層明らかにするために、以下本発明の水洗便器について、その実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1実施例であるサイホン式便器10の斜視形状を、その採用する洗浄水噴出の様子と共に示す説明図である。図2は、便器10におけるリム噴出ノズル144の周辺を示す説明図である。図3は、便器10を、図1におけるX−X線に沿って破断した概略縦断面を示す説明図である。図4は、便器10を、図1におけるY−Y線に沿って破断した縦断面の一部を示す説明図である。図5は、便器10を、図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を示す説明図である。このサイホン式便器10は、所定の洗浄指示に伴って、後述するボール部20の上端部からの洗浄水の噴出により、ボール部20のボール面を洗浄すると共に、トラップ31内で発生するサイホン作用を利用して、ボール部20内の汚物汚水管に排出する。以下、便器10の各部について、各図を参照しつつ説明する。

0021

これら図面に示すように、便器10は、汚物を受けるボール部20を備える。ボール部20の周壁は、便器10の非洗浄時でも溜水RWと接する覆水面23と、便器10の非洗浄時には溜水RWと接しない露出面24から構成されている。

0022

この便器10は、ボール部20に洗浄水を吐出する方式として、前述したリムショット式を採用しており、ボール部20に洗浄水を吐出するために、次のような構成を有する。図1に示すように、便器10のリム部21の上面壁21a(便座が装着される面を構成する壁)は、便器10の後方において上方に隆起している。この隆起によって、便器10の後部には、中空の収納部12が形成されている。この収納部12には蓋17が装着され、収納部12の内部には、バルブユニット115が配設されている(図5を参照)。

0023

図4および図5に示すように、バルブユニット115の給水口は、図示しない加圧給水源、例えば水道管から分岐した一次側給水管116に接続されており、水道水の給水を受ける。バルブユニット115は、管路開閉を経て下流への洗浄水の通水制御を行う開閉弁機構を内蔵する。一次側給水管116は、バルブユニット115の開閉弁機構に接続されている。

0024

また、図4に示すように、バルブユニット115の吐水口には、可撓性を有する管体であるリム給水管143の一端が接続されている。このリム給水管143は、収納部12の底部開口12a、トラップ31上方に位置するリム部21内の中空領域に配置されており、リム給水管143の他端は、リム噴出ノズル144に接続されている。このリム噴出ノズル144は、図1ないし図5に示すように、ボール部20の上端部(便器10を正面から見たときに向かって左側の上端)に形成された貫通孔20aに固定されている。

0025

蓋117に設けられた洗浄ボタン118がオン操作されると、バルブユニット115は、開閉弁機構を開弁状態切り換え、水道水が有する圧力を利用して、下流側のリム給水管143,リム噴出ノズル144に通水する。これにより、リム噴出ノズル144から洗浄水が噴出される(以下、このようにして噴出された洗浄水をリムショット洗浄水RSという)。

0026

リムショット洗浄水RSのボール部20内における挙動について、図1図2および図5を参照しつつ説明する。これらの各図に示すように、リム噴出ノズル144の前方には、ボール面回りに旋回した経路所定幅部50が形成されている。リム噴出ノズル144のノズル開口は、上記の棚部50に向けられている。一方、この棚部50の上方におけるリム部21の上面壁21aは、旋回形状の棚部50をオーバーハングするように水平方向に延出されている。このように延出された部分を、以下、オーバーハング部52という。このような構成を採ることで、リム噴出ノズル144から洗浄水が噴出されたリムショット洗浄水RSは、便器10外側に飛散することなく、棚部50に乗って旋回軌跡の下流側に流れる。このような洗浄水の挙動を、図1に白抜きの矢印で示した)。

0027

なお、図2において、オーバーハング部52が形成された上面壁21aと棚部50との間には、内面壁21kが、側面壁21bとの間に空隙を保持した状態で形成されている。この内面壁21kの詳細については、後述する。

0028

次に、便器10のリム部21の内部構造について図3図5および図6を参照しつつ説明する。図6は、便器10を、図5におけるA−A線、B−B線、C−C線の各部で破断したときのリム部21周辺の概略断面を示す説明図である。これらの図面に示すように、リム部21の上面壁21aには、便座装着用の便座取付用孔35と、ボール部20の上端に適合する形状のボール部用開口部36が形成されている。この上面壁21aの裏側には、側面中空部130,131、第一中空部133,第二中空部135という3つの中空部分が形成されている。

0029

図5および図6(a)〜(c)に示すように、側面中空部130は、便座の設置箇所となる上面壁21aと側面壁21bとが連続している部位(図1を参照以下、この部位をコーナー部21jという)の裏側に設けられた中空部であり、上面壁21a,側面壁21bおよび内面壁21kに囲まれることによって形成されている。この側面中空部130は、リム部21の先端から側面壁21bに沿って左右に分かれた後、収納部12の手前に至るまで延出されている。この結果、側面中空部130は、収納部12よりも手前側の側面壁21bのほぼ全周に沿って形成されている。

0030

図3図5および図6(b),(c)に示すように、第一中空部133は、側面中空部130から分岐して形成された中空部である。この第一中空部133は、ボール部用開口部36の後端よりも前方の側面中空部130から、ボール部用開口部36に沿って、ボール部用開口部36の後端の後側に向かう方向に分岐している。こうして分岐された第一中空部133は、ボール部用開口部36の後端の後側から、収納部12に向かって真っ直ぐに、収納部12の手前に至るまで延出されており、この延出される途中の周囲壁21cには、エア供給用の空気孔41aが形成されている。

0031

図5および図6(c)に示すように、第二中空部135は、収納部12の幅方向に沿って延出された中空部であり、上面壁21a,側面壁21b,幅方向に延びた2本の長壁21m,21nおよび底壁21dに囲まれることによって形成されている。この長壁21nの真上に、収納部12を構成する壁であって、上面壁21aから隆起された壁である隆起壁12bが位置する。この第二中空部135は、一方の側面中空部130の延出終端、第一中空部133の延出終端、他方の側面中空部131の延出終端と、それぞれ順次に連通されている。こうした、側面中空部130の延出終端、第一中空部133の延出終端、側面中空部131の延出終端と交わる位置における第二中空部135の底壁21dには、それぞれ、泥漿排出用の排泥孔61a、排泥孔61c、排泥孔61bが形成されている。

0032

次に、上記した便器10の製造方法について説明する。便器10は、その製造の過程で、ボール部20を含む下部構造を形取ったボール部素地10bと、リム部21や収納部12を含む上部構造を形取ったリム部素地10aとされ、これらの素地を接合・なじみ処理した後、焼成して製造される。図3におけるW−W線は、リム部素地10aとボール部素地10bとが接合される位置を示している。また、蓋17を形取った蓋部素地は、リム部素地10aやボール部素地10bとは別に、単独で焼成される。

0033

図7は、便器10の焼成前素地であるリム部素地10aの型成型に用いる型構成を便器縦断面方向で示す説明図であり、図8は、リム部素地10aが成形される型の縦断面を、図6と同じ断面位置において示す説明図である。なお、各型は多孔質吸引型であり、各型としては、石膏型樹脂型等を用いることができる。

0034

図示するように、リム部素地10aの型成型に際しては、上型90と下型91を用いる。上型90は、上面壁21a,側面壁21,オーバーハング部52,収納部12を形成するための型である。

0035

下型91は、側面中空部131を形成するための内面壁21k、第一中空部133を形成するための周囲壁21c、第二中空部135を形成するための底壁21d、オーバーハング部52、ボール部素地10bとの接合壁60を形成すると共に、リム噴出ノズル144の装着部ないし貫通孔20a(図示せず)を形成するための型である。この下型91は、第一中空部133の周囲壁21cにおける空気孔41a形成用の埋没材91aを有する。この埋没材91aは、樹脂製であり、製造に用いられる樹脂としては、テフロン登録商標)等を考えることができる。更に、下型191は、第二中空部135の底壁21dにおける3つの排泥孔61a,排泥孔61b,排泥孔61c形成用の埋没材92a,埋没材92b,埋没材92cとを有する。これらの埋没材92a,92b,92cは、樹脂製の管体で構成れている。

0036

このように、リム部素地10aは、上型90と下型91という二つの型によって成形することができる。従って、上型90を複数の型に分割したり、下型91を複数の型に分割したりする必要がなく、製造上簡便である。

0037

これらの各型を接合し、埋没材92a,92b,92c内の管路を通じて、接合された型の内部に形成された空間(以下、キャビティという)に素地の原料である泥漿を流し込む。泥漿は、陶器成分を含む原料を粉砕した後に、粉砕された原料に水等を加えて撹拌することにより形成される。

0038

このように泥漿を流し込むと、時間の経過に伴って、泥漿に含まれた陶器成分が型の表面に付着し、各型の型形状に倣って陶器成分が着肉する。この着肉された部分が素地となる。なお、本実施例では、型への着肉を効率的に実現するために、型の外側から各型を吸引する処理を行なっている。

0039

側面中空部130,131や第一中空部133,第二中空部135を構成する壁となる陶器成分が、各型に着肉する様子について説明する。図7および図8(a),(b)に示すように、側面中空部130,131を構成する三つの壁のうち、上面壁21aや側面壁21bとなる陶器成分は上型90に着肉し、内面壁21kとなる陶器成分は下型90に着肉する。こうした着肉により、上面壁21aと内面壁21kとのなす角θ1は鈍角となり、上面壁21aと側面壁21bとのなす角θ2は鋭角とされる。なお、上面壁21a,側面壁21bおよび内面壁21kが成形された後においては、これらの三つの壁の間に、型に着肉しなかった泥漿が溜まっている状態となる。

0040

図7および図8(b)に示すように、第一中空部133を構成する壁のうち、上面壁21aとなる陶器成分は上型90に着肉し、周囲壁21cとなる陶器成分は下型90に着肉する。このように上面壁21aおよび周囲壁21cが成形された後においては、この壁の間に、型に着肉しなかった泥漿が溜まっている状態となる。

0041

図7および図8(c)に示すように、第二中空部135を構成する壁のうち、上面壁21aや左右の側面壁21bとなる陶器成分は上型90に着肉し、便器10の幅方向に延びた長壁21m,長壁21n(長壁21mは図示せず)および底壁21dとなる陶器成分は下型90に着肉する。このうち、長壁21nの真上において、収納部12を構成する隆起壁12bが着肉する。(図7を参照)。このように上面壁21a,左右の側面壁21bおよび底壁21dが成形された後においては、これらの四つの壁の間に、型に着肉しなかった泥漿が溜まっている状態となる。

0042

十分な型への着肉によりリム部素地10aが成形された後、各型の間に溜まっている水分を含む泥漿を、型に付着しなかった余剰の泥漿として排出する処理を行なう。この排出処理について説明する。下型91に設けられた三つの埋没材92a,92b,92cを取り外すと、リム部素地10aの各埋没材92a,92b,92cが詰め込まれていた部分に、それぞれ排泥孔61a,61b,61cが形成される。また、下型91に設けられた埋没材91aを取り外すと、リム部素地10aの埋没材91aが詰め込まれていた部分に空気孔41aが形成される。

0043

型を傾けながら、加圧された空気を空気孔41aに送りこむことにより、型内に残存する余剰の泥漿が各排泥孔61a,61b,61cから排出される。なお、余剰の泥漿を排出する際には、泥漿が排出される前に、加圧された空気を空気孔41aに送り込んでおく。これにより、排泥の際に側面中空部131,第一中空部133,第二中空部135が真空状態になることが有効に防止される。この結果、不要な泥漿の排出を、成形された各中空部131,133,135の形状を崩すことなく、行なうことができる。

0044

なお、本実施例では、空気孔41aの直径を約10mm、排泥孔61a,61b,61cの直径を約16mmの大きさで、リム部素地10aに形成している。

0045

このような排出処理を行なうことにより、図8(a),(b)に示す上面壁21a,側面壁21bおよび内面壁21kの間に溜まっていた泥漿、図8(b)に示す上面壁21aおよび周囲壁の間に溜まっていた泥漿および図8(c)に示す上面壁21a,左右の側面壁21bおよび底壁21dの間に溜まっていた泥漿が、三つの排泥孔61a,61b,61cから下型91の外側に排出される。

0046

余剰の泥漿が排出される経路につき、図9を用いて説明する。図9は、脱型後のリム部素地10aの上面を、図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を示す説明図である。図9に示すように、側面中空部130に溜まっている余剰の泥漿は、型の傾きに倣って矢印P方向に流動し、排泥孔61aを通じて排出される。また、第一中空部133に溜まっている余剰の泥漿は、型の傾きに倣って矢印Q方向に流動し、排泥孔61cを通じて排出される。側面中空部131に溜まっている余剰の泥漿は、型の傾きに倣って矢印R方向に流動し、排泥孔61bを通じて排出されるとともに、一部の泥漿は第一中空部133に分岐し、排泥孔61cを通じて排出される。更に、第二中空部135に溜まっている余剰の泥漿は、空気孔41aから供給された空気圧によって、近傍の排泥孔61a,61b,61cから排出される。

0047

なお、本実施例では、排泥孔61a,61b,61cは、孔が開いたままの状態とされる。排泥孔61a,61b,61cが形成された第二中空部135および第二中空部135と連通された側面中空部130や第一中空部133は、リムショット洗浄水RSの流路ではないので、排泥孔61a,61b,61cからの洗浄水漏れを考慮する必要がないからである。

0048

こうして余剰の泥漿が排出された後、各型を脱型する。脱型は、上型90を上方向に抜き取り、下型90を下方向に抜き取ることによって行なわれる。図8に示したように、上面壁21aと内面壁21kとのなす角θ1は鈍角であるので、下型90を下方向に抜き取ることができる。こうした脱型により、図8に示したような、鋭角θ2のコーナー部21jを有するリム部素地10aが形成される。

0049

つまり、上記の上面壁21aおよび側面壁21bを内面壁21kで囲んで側面中空部130を形成したことにより、リム部素地10aにおいて、上面壁21aと内面壁21kのなす角θ1を、上面壁21aと側面壁21bのなす角θ2とは異なる角度で成形することが可能となる。従って、上記のように、脱型を考慮して角θ1を鈍角としつつ、美観を考慮して角θ2を鋭角とすることができるのである。

0050

この後、上記のリム部素地10aに加えて、ボール部素地10bを成型して準備し、各素地を端面同士で接合する。次に、接合された素地を乾燥炉に入れ、素地を乾燥させる。十分な乾燥の後、乾燥後の素地に釉薬を施し、釉薬が施された素地をに入れて素地を焼成する。この焼成時において、リム部素地10aに形成された排泥孔61a,61b,61cおよび空気孔41aは、素地の爆裂を防止する役割を果たしている。こうした素地の焼成の完了により、図1にないし図6に示した鋭角のコーナー部21jを有する便器10が完成する。

0051

以上説明した本実施例の便器10によれば、ボール面を洗浄する洗浄水の通路となる中空部を設ける必要のないリムショット式の便器10において、リム部21の側面壁21bの内側に、側面壁21b,上面壁21a,内面壁21kで囲まれた側面中空部130,131を、側面壁21bに沿って設ける。この側面中空部が設けられることにより、コーナー部21jを自由な形状で成形することが可能となる。従って、リムショット式の便器10における側面のデザインをより向上させることができる。

0052

また、本実施例の便器10は、側面中空部130,131を、リム部21の側面壁21bのほぼ全範囲に亘って設けるので、リム部21全体の側面形状を自由な形状で成形することが可能となる。従って、側面全体の形状を統一されたデザインとして、水洗便器全体としての美感をより高めることができる。また、リム部21の側面壁21bのほぼ全範囲に亘って側面中空部130,131を設けることで、使用者の体重に耐えられる強度をより高めることができる。

0053

更に、本実施例の便器10は、リム部21の上面壁21aから隆起された収納部12の幅方向に沿って第二中空部135を設ける。このため、従って、リム部素地10aにかかる収納部12の自重を、第二中空部135を構成する長壁21m,長壁21nによる補強によって、より強靭に支えることができる。これにより、素地成形段階において、収納部12の荷重によってリム部21の上面壁21aに凹みが生じることを有効に防止することが可能となり、完成後の便器10を企図した通りのデザインとすることができる。

0054

本実施例において説明したリム部素地10aの製造方法によれば、リム部素地10aを成形するにあたり、上面壁21aから隆起した形状の収納部12をリム部21と一体として成形するとともに、コーナー部21jの裏側の側面壁21bに沿った範囲に側面中空部130,131を成形する。このような側面中空部130を設けることにより、リム部素地10aの脱型上の制約が、側面中空部を設けない場合よりも緩和される。例えば、コーナー部21jが鋭角に着肉された場合であっても下型91を脱型することができる。従って、リム部素地10aのコーナー部21jの形状をより自由な形状で成形することが可能となる。

0055

また、本実施例によれば、リム部素地10aに、側面中空部131から分岐して形成された第一中空部133を形成する。従って、側面中空部130における不要な泥漿の流域が広くなるので、排泥効率をより良好なものにすることができる。また、側面中空部130,側面中空部131,第一中空部133の延出終端に、それぞれ、排泥孔61a,排泥孔61b,排泥孔61cを設けるので、不要な泥漿の型外への排出効率を高めることができる。

0056

以上説明した実施例については、以下のような変形例を考えることができる。第一の変形例は、側面中空部130,131や第一中空部133に、排泥孔61a,排泥孔61b,排泥孔61cに向かう下向きの傾斜を設ける構成である。この構成を図10に示す。図10(a),(b)は、リム部素地210aが成形される上型290および下型290を、それぞれ、図9に示したB−B線、C−C線の各部で破断したときの縦断面を示す説明図である。図10(a),(b)に示すように、接合壁60から第二中空部135の底壁21dまでの高さh4は、接合壁60から側面中空部130,131の底部(側面壁21bと内面壁21kとの間の内底部)までの高さh1,h2や、接合壁60から第一中空部133の周囲壁21cの底部までの高さh3よりも、低くなっている。このような構成によれば、側面中空部130,131や第一中空部133内に残存した不要な泥漿は、排泥孔61a,61b,61c方向への傾斜に従い、各排泥孔61a,61b,61cに向かって流れる。従って、不要な泥漿の排出効率をより向上することができる。なお、側面中空部130,131や第一中空部133において傾斜を設ける範囲は、任意に定めることが可能である。例えば、側面中空部130,131や第一中空部133の全体に傾斜を設ければ、型を傾けることなく不要な泥漿を排出することができる。

0057

第二の変形例は、第二中空部135に、排泥孔61a,排泥孔61b,排泥孔61cに向かう傾斜を設ける構成である。この構成を図11に示す。図11は、リム部素地310aが成形される上型390および下型390を、図9に示したC−C線で破断したときの縦断面を示す説明図である。図11に示すように、第二中空部135内における底壁21dの高さは、排泥孔61a,61b,61cが形成された部分に近いほど低くなっている。このような構成によれば、側面中空部130,131や第一中空部133から第二中空部135に流れ込んだ不要な泥漿は、排泥孔61a,61b,61c方向への傾斜に従い、各排泥孔61a,61b,61cに向かって流れる。従って、第二中空部135内における泥漿の排出効率をより向上することができる。

0058

第三の変形例は、第二中空部135に排泥孔に向かう傾斜を設け、排泥孔の数を減少する構成である。この構成を図12に示す。図12は、リム部素地410aが成形される上型490および下型490を、図9に示したC−C線で破断したときの縦断面を示す説明図である。図12に示すように、第二中空部135の底壁21dには、側面中空部130,131の延出終端と交わる位置に排泥孔61a,61bが形成されている。また、第二中空部135内における底壁21dの高さは、排泥孔61a,61bが形成された部分に近いほど低くなっている。このような構成によれば、側面中空部130,131や第一中空部133から第二中空部135に流れ込んだ不要な泥漿は、排泥孔61a,61b方向への傾斜に従い、各排泥孔61a,61bに向かって流れる。従って、排泥孔の数を減らしながら、第二中空部135内における泥漿の良好な排出状態を維持することが可能となり、素地の成形や成形後の工程管理が簡便となる。

0059

第四,第五の変形例は、第二中空部135に排泥孔に向かう傾斜を設け、排泥孔の数を一つとする構成である。この構成を図13に示す。図13(a)は、リム部素地510aが成形される上型590および下型590を、図13(b)は、リム部素地610aが成形される上型690および下型690を、それぞれ、図9に示したC−C線で破断したときの縦断面を示す説明図である。図13(a)に示すように、第二中空部135の底壁21dには、第一中空部133の延出終端と交わる位置に排泥孔61cが形成されている。第二中空部135内における底壁21dの高さは、排泥孔61cが形成された部分に近くなるにつれて徐々に低くなっている。これらの構成によれば、側面中空部130,131や第一中空部133から第二中空部135に流れ込んだ不要な泥漿は、排泥孔61c方向への傾斜に従い、一個の排泥孔61cに向かって流れる。

0060

また、図13(b)に示すように、第二中空部135の底壁21dには、側面中空部131の延出終端と交わる位置に排泥孔61bが形成されている。第二中空部135内における底壁21dの高さは、排泥孔61bが形成された部分に近くなるにつれて徐々に低くなっている。これらの構成によれば、側面中空部130,131や第一中空部133から第二中空部135に流れ込んだ不要な泥漿は、排泥孔61b方向への傾斜に従い、一個の排泥孔61bに向かって流れる。以上の構成によれば、一個の排泥孔を設けるだけで、第二中空部135内における泥漿の良好な排出状態を維持することが可能となり、素地の成形や成形後の工程管理がより一層簡便となる。

0061

第六の変形例は、第二中空部135に替えて、第一中空部133から分岐した形状の第三中空部137を設ける構成である。この構成を図14に示す。図14は、脱型後のリム部素地710aの上面を、図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を示す説明図である。図12に示すように、側面中空部130,131は、収納部12の隆起壁12bを越えて、収納部12の後壁の近傍の位置まで延出されており、この延出終端には、二個の排泥孔61a,61bが形成されている。

0062

また、第一中空部133は、ボール部用開口部36の後端と収納部12の隆起壁12bとの中間位置まで延出されており、その延出終端には空気孔41aが設けられている。第一中空部133の延出終端は、側面中空部130,131に向かって左右に分岐された第三中空部137とされており、この第三中空部137は、隆起壁12bの近傍で側面中空部130,131と合流している。つまり、図14に示すように、第三中空部137は、隆起壁12bの略幅方向に沿って設けられている。

0063

このような構成によれば、型を傾けたとき、第一中空部133に流れ込んだ不要な泥漿は、図14において矢印Sで示すように、左右に分岐された第三中空部137を通ってスムーズに隆起壁12b方向に向かい、側面中空部130,131を通じて排泥孔61a,61bに向かう。従って、排泥孔の数を減らしながら泥漿の良好な排出状態を維持することが可能となることに加え、リム部素地710aにかかる収納部12の自重を、第三中空部137を構成する壁によって支えることができる。

0064

第七の変形例は、側面中空部130,131、第一中空部133および第二中空部135のうち、第二中空部135を設けない構成である。この構成例を、脱型後のリム部素地810aの上面を図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を表わした図15に示す。

0065

第八の変形例は、側面中空部130,131、第一中空部133および第二中空部135のうち、側面中空部130,131のみを設ける構成である。この構成例を、脱型後のリム部素地1010aの上面を図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を表わした図16に示す。これらの第七,第八の変形例の構成によっても、リム部21の側面壁21bの内側に、側面壁21b,上面壁21a,内面壁21kで囲まれた側面中空部130,131が、側面壁21bに沿って設けられるので、コーナー部21jを自由な成形することが可能となる。

0066

以上、本発明が実施される形態を説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。

0067

例えば、上記実施例では、洗浄水タンクとして、便器に連結されるロータンクタンクを用いたが、ロータンク型タンク以外のタンク、例えば、便器と洗浄管を介して接続されてトイレの壁等に設置される隅付き型や平付き型のタンクを用いてもよい。この場合に、洗浄水タンクを高い位置に設置してハイタンクとすることも可能である。また、便器10,110,210への給水装置として、洗浄水タンク以外の他の給水装置を用いても差し支えない。例えば、所定量の洗浄水を供給可能なフラッシュバルブを洗浄水給水孔40,140,240に接続する構成や、フラッシュバルブと同等の水道直結式の給水装置を便器10,110,210に内蔵する構成などを考えることができる。

0068

また、本発明は、サイホンゼット式便器10,110,210のみならず、これ以外の便器、例えば、ゼット噴出口を備えないサイホン式便器や洗い落とし便器等にも適用することができる。また、これらの便器と他の装置や部材との組み合わせを発明として把握することもできる。例えば、局部洗浄暖房等の諸機能を実現する機能便座と組み合わせた衛生洗浄装置収納用キャビネット手洗装置と組み合わせたトイレキット装置、トイレ室内構造体としての壁材床材および天井材等を組み合わせたシステムトイレ装置等に適用することもできる。

図面の簡単な説明

0069

図1本発明の第1実施例であるサイホン式便器10の斜視形状を、その採用する洗浄水噴出の様子と共に示す説明図である。
図2便器10におけるリム噴出ノズル144の周辺を示す説明図である。
図3便器10を、図1におけるX−X線に沿って破断した概略縦断面を示す説明図である。
図4便器10を、図1におけるY−Y線に沿って破断した縦断面の一部を示す説明図である。
図5便器10を、図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を示す説明図である。
図6便器10を、図5におけるA−A線、B−B線、C−C線の各部で破断したときののリム部21周辺の概略断面を示す説明図である。
図7便器10の焼成前素地であるリム部素地10aの型成型に用いる型構成を便器縦断面方向で示す説明図である。
図8リム部素地10aが成形される型の縦断面を、図6と同じ断面位置において示す説明図である。
図9脱型後のリム部素地10aの上面を、図3におけるZ−Z線に沿って破断した概略横断面を示す説明図である。
図10第一の変形例としてのリム部素地210aの構成を示す説明図である。
図11第二の変形例としてのリム部素地310aの構成を示す説明図である。
図12第三の変形例としてのリム部素地410aの構成を示す説明図である。
図13第四,第五の変形例としてのリム部素地510a,610aの構成を示す説明図である。
図14第六の変形例としてのリム部素地710aの構成を示す説明図である。
図15第七の変形例としてのリム部素地810aの構成を示す説明図である。
図16第八の変形例としてのリム部素地1010aの構成を示す説明図である。
図17リムショット式の水洗便器910の構成例を斜視図にて示す説明図である。
図18リム部の側面壁が二重構造で成形されたリム部素地910aを示す説明図である。

--

0070

10…便器
10a…リム部素地
10b…ボール部素地
10c…給水路遮蔽素地
12…収納部
12a…底部開口
12b…隆起壁
17…蓋
20…ボール部
20a…貫通孔
21…リム部
21a…上面壁
21b…側面壁
21c…周囲壁
21d…底壁
21j…コーナー部
21k…内面壁
21m,21n…長壁
23…覆水面
24…露出面
25…吸引口
26…凹部
31…トラップ
35…便座取付用孔
36…ボール部用開口部
41a…空気孔
50…棚部
52…オーバーハング部
60…接合壁
61a,61b,61c,61d…排泥孔
69…載置部上壁
70…洗浄水タンク
80…連通孔
90…上型
91…下型
91a…埋没材
92a,92b,92c…埋没材
115…バルブユニット
116…一次側給水管
117…蓋
118…洗浄ボタン
130…側面中空部
131…側面中空部
133…第一中空部
135…第二中空部
137…第二中空部
143…リム給水管
144…リム噴出ノズル
155…中空部
910…水洗便器
910a…リム部素地
910b…ボール部素地
912…収納部
920…ボール部
921…リム部
921a…上面壁
921b…側面壁
935…便座取付用孔
944…リム噴出ノズル
990…上型
991…下型
RW…溜水
RS…リムショット洗浄水

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