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技術 多彩模様塗膜積層体

出願人 エスケー化研株式会社
発明者 森徹也竹村尚久
出願日 2000年10月4日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-304607
公開日 2002年4月9日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2002-103553
状態 特許登録済
技術分野 壁の仕上げ 塗料、除去剤 流動性材料の適用方法、塗布方法 積層体(2)
主要キーワード 特定厚み ジエチレングリコールエーテル類 適用面 継目部分 弾性塗膜 各原料モノマー 塗膜積層体 エナメル組成物
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重要な関連分野

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課題

基材変位による割れを生じず、初期美観性を長期にわたり維持可能な多彩模様塗膜を得る。

解決手段

厚み0.3mm以上、JIS A6909(1995) 6.31「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」による伸び率が50〜800%である合成樹脂エマルション弾性塗膜層上に、エナメル粒子、及びガラス転移温度−20〜50℃の水性樹脂を含有する多彩模様塗料によって形成される多彩模様塗膜層を積層する。

概要

背景

従来、建築物の表面に対し塗装仕上げを行う材料としては各種のものがある。このうち、意匠性の高い多彩感を付与する塗料の一つとして、JIS K5667に規定されている多彩模様塗料があげられる。この多彩模様塗料は、液状またはゲル状の、2色以上の色粒が懸濁した構成となっており、一回の塗装で様々な多彩模様表出できることから、人気が高まっている。

概要

基材変位による割れを生じず、初期美観性を長期にわたり維持可能な多彩模様塗膜を得る。

厚み0.3mm以上、JIS A6909(1995) 6.31「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」による伸び率が50〜800%である合成樹脂エマルション弾性塗膜層上に、エナメル粒子、及びガラス転移温度−20〜50℃の水性樹脂を含有する多彩模様塗料によって形成される多彩模様塗膜層を積層する。

目的

本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、基材の変位による割れを生じず、初期の美観性を長期にわたり維持可能な多彩模様塗膜を得ることを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

建築物表面を被覆する積層体であって、厚み0.3mm以上、JIS A6909(1995) 6.31「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」による伸び率が50〜800%である合成樹脂エマルション弾性塗膜層上に、エナメル粒子、及びガラス転移温度−20〜50℃の水性樹脂を含有する多彩模様塗料によって形成される多彩模様塗膜層が積層されたことを特徴とする多彩模様塗膜積層体。

請求項2

前記水性樹脂が、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基を有する水性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の多彩模様塗膜積層体。

請求項3

前記水性樹脂が、第3級アミノ基及び、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基を有し、第3級アミノ基と、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基との存在比率モル比で90:10〜10:90の水性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の多彩模様塗膜積層体。

技術分野

0001

本発明は、建築物内外壁等の表面に形成される多彩模様塗膜積層体に関するものである。

背景技術

0002

従来、建築物の表面に対し塗装仕上げを行う材料としては各種のものがある。このうち、意匠性の高い多彩感を付与する塗料の一つとして、JIS K5667に規定されている多彩模様塗料があげられる。この多彩模様塗料は、液状またはゲル状の、2色以上の色粒が懸濁した構成となっており、一回の塗装で様々な多彩模様表出できることから、人気が高まっている。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、建築物の表面に用いられる基材のうち、コンクリートモルタル等のセメント基材は、基材自体収縮、基材への荷重等の影響により、経時的にひび割れを生じる場合がある。また、軽量コンクリート板、気泡コンクリート板、サイディングボード石綿コンクリート板等の建材では、建材どうしの継目部分が温度、湿度等の変化によって変位しやすい。このような基材に対して、多彩模様塗膜を形成すると、基材の変位に追従できず、多彩模様塗膜が割れを生じるおそれがある。

0004

本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、基材の変位による割れを生じず、初期美観性を長期にわたり維持可能な多彩模様塗膜を得ることを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らはこのような課題を解決するために、鋭意検討の結果、特定厚み合成樹脂エマルション弾性塗膜層上に、特定の多彩模様塗料によって形成される多彩模様塗膜層を積層した積層体が有効であることを見出し、本発明を完成した。

0006

すなわち、本発明は、以下の積層体を提供するものである。
1.建築物表面を被覆する積層体であって、厚み0.3mm以上、JIS A6909(1995) 6.31「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」による伸び率が50〜800%である合成樹脂エマルション系弾性塗膜層上に、エナメル粒子、及びガラス転移温度−20〜50℃の水性樹脂を含有する多彩模様塗料によって形成される多彩模様塗膜層が積層されたことを特徴とする多彩模様塗膜積層体。
2.前記水性樹脂が、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基を有する水性樹脂であることを特徴とする1.に記載の多彩模様塗膜積層体。
3.前記水性樹脂が、第3級アミノ基及び、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基を有し、第3級アミノ基と、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基との存在比率モル比で90:10〜10:90の水性樹脂であることを特徴とする1.に記載の多彩模様塗膜積層体。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下、本発明の具体的な態様について詳細に説明する。

0008

適用面]本発明の積層体は、建築物の表面に適用するものである。このような建築物表面に用いられる基材としては、例えば、コンクリート、モルタル等のセメント基材、軽量コンクリート板、気泡コンクリート板、サイディングボード、石綿コンクリート板等の各種建材があげられる。また、これら基材に何らかの表面処理シーラーサーフェーサーフィラー等による下地処理等)を施した面に適用することもできる。

0009

[合成樹脂エマルション系弾性塗膜層]合成樹脂エマルション系弾性塗膜層(以下「弾性塗膜層」という)は、合成樹脂エマルションを必須成分として含み、さらに充填材着色材料等を含有する塗料組成物から形成されるものである。その厚みは0.3mm以上、好ましくは0.5mm〜5mmである。厚みが0.3mm以上であることにより、基材の変位を十分に緩和することができる。厚みが0.3mmより小さい場合は、基材の変位に対する追従性が不十分となり、塗膜に割れが生じやすくなる。

0010

合成樹脂エマルションの種類としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル樹脂アクリル樹脂塩化ビニル樹脂エポキシ樹脂ウレタン樹脂、等を使用することができる。合成樹脂エマルションのガラス転移温度(以下、「Tg」という)は、−50〜30℃であることが望ましい。

0012

着色材料は、弾性塗膜層が多彩模様塗膜の色相背景色となるために配合するものである。着色材料は公知のものが使用でき、例えば、酸化チタン酸化亜鉛アルミナシリカ、カオリン、カーボンブラック黒鉛鉄黒べんがらパーマネントカーミンペリレンレッドキナクリドンレッド黄色酸化鉄チタンイエローファーストイエローベンツイミダゾロンイエロー、フタロシアニングリーンフタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレットジオキサジンバイオレット等があげられる。

0013

上記成分の他、弾性塗膜層を形成する塗料組成物においては、一般的に塗料に配合する分散剤消泡剤増粘剤造膜助剤湿潤剤防黴剤防藻剤等の各種添加剤を適宜配合することができる。

0014

弾性塗膜層は、JIS A6909(1995) 6.31「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」による伸び率が50〜800%である。好ましくは50%〜500%、さらに好ましくは、75%〜350%であることが望ましい。伸び率が50%より小さい場合は、基材の変位に追従することができずに、弾性塗膜層が割れやすくなる。800%より大きい場合は、多彩模様塗膜層が割れやすくなる。

0015

弾性塗膜層は、上述の組成物を例えばリシンガン万能ガンローラー刷毛等を用いて塗装することにより得ることができる。塗装は数回に分けて行ってもよく、最終的な厚みが0.3mm以上となるようにすればよい。

0016

[多彩模様塗膜層]本発明の多彩模様塗膜層は、エナメル粒子、及びTg−20〜50℃の水性樹脂を含有する多彩模様塗料によって形成されるものである。水性樹脂のTgがこのような範囲内であることにより、割れ発生を防止し、初期の美観性を長期にわたり維持することが可能となる。Tgが50℃より高い場合は、多彩模様塗膜に割れが発生しやすくなる。−20℃より低い場合は、多彩模様塗膜の耐汚染性極端に低下するため、美観性を維持することができない。また、水性樹脂のTgは、弾性塗膜層の合成樹脂エマルションのTgより高いことが望ましく、これにより耐汚染性を向上させることができる。

0017

多彩模様塗料層を形成する多彩模様塗料は、例えば、合成樹脂、着色材料を含有するエナメル組成物を、分散安定剤を含む水性分散媒に分散して得たエナメル粒子分散液に、Tg−20〜50℃の水性樹脂を加えることにより製造することができる。

0018

エナメル組成物に使用する合成樹脂としては、通常の塗料に用いる水性または油性の合成樹脂が使用できる。このような合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂シリコーン樹脂フッ素樹脂等の溶剤可溶型溶剤分散型エマルション型のものがあげられる。このような合成樹脂のTgは、割れ防止性、耐汚染性の点から、−20〜50℃であることが望ましく、さらには弾性塗膜層の合成樹脂エマルションのTgより高いことが望ましい。

0019

着色材料としては、一般的に塗料に配合するものを使用することができ、例えば、弾性塗膜層と同様の着色材料があげられる。

0020

分散安定剤は、エナメル粒子の安定化を図るために配合されるものであり、例えば、ポリビニルアルコールポリアクリル酸ナトリウムポリエチレンオキサイドメチルセルロースエチルセルロースヒドロキシエチルセルロースカルボキシメチルセルロースカゼインセルロースアセテートフタレイトベントナイトポリメタクリル酸ゼラチンアルギン酸ナトリウムアラビアゴム、ゼラチン、ペクチンキサンタンガム澱粉等を用いることができる。また、分散安定剤の架橋剤を併用することもできる。

0021

水性樹脂の形態としては、エマルションコロダルディスパージョン水溶性等各種形態の樹脂使用可能である。

0022

本発明では、特に水性樹脂として、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基をする水性樹脂を使用することが望ましい。

0023

本発明では、上記官能基の一方、または両方を有する水性樹脂を水性分散媒に含有することにより、多彩模様塗膜層の割れ防止性を向上させることができる。特に、第4級アンモニウム塩基を有する場合は、このような効果が高くなり好ましい。

0024

第3級アミン塩基は一般式[化1]に示す構造を有するものである。

0025

本発明に用いる水性樹脂では、官能基として上述の第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基の他に、さらに、一般式[化3]に示す構造を有する第3級アミノ基

0026

本発明における水性樹脂がこのような効果を発揮できる作用機構については、明らかではないが、疎水性である第3級アミノ基部分同士が会合して絡み合い、その周辺親水性である第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基が延びている形態、所謂コロイダルディスパージョンの形態となり、塗膜形成後は、親水性官能基間のイオン的相互作用が適度に抑制されるとともに、疎水性部分の絡み合いによるフレキシビリティ発現されるためではないかと推察される。親水性官能基間のイオン的相互作用が強すぎる場合、即ち第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基の比率が高すぎる場合は、形成塗膜が硬くなる傾向となってしまう。

0027

水性樹脂の原料モノマーとしては、(A)アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステル、(B)第3級アミノ基含有モノマー、(C)第3級アミン塩基含有モノマー及び/または第4級アンモニウム塩基含有モノマー、が用いられる。

0028

(A)アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステル
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸プロピルアクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2ヒドロキシエチルアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシペンチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシシクロヘキシル等があげられる。メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸n−ブチルメタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルメタクリル酸ヒドロキシプロピルメタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシペンチル、メタクリル酸2ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシシクロヘキシル、メタクリル酸2エチルヘキシルなどが挙げられる。このようなモノマーは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。

0029

(B)第3級アミノ基含有モノマー
第3級アミノ基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチル,N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。

0030

(C)第3級アミン塩基含有モノマー及び/または第4級アンモニウム塩基含有モノマー
第3級アミン塩基含有モノマーとしては、前記(B)を酸や塩で第3級アミン塩化したものを用いることができる。第4級アンモニウム塩基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドジアリルジエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムサルフェートなどがあげられる。このようなモノマーは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。

0031

本発明に用いる水性樹脂は、このようなモノマーを使用して、以下に示す方法にて製造することができる。

0032

(A)、(C)を必須成分とする方法。
(A)、(B)を必須成分とし、(B)の第3級アミノ基の一部を第3級アミン塩化及び/または第4級アンモニウム塩化する方法。
(A)、(B)、(C)を必須成分とする方法。
(A)、(B)、(C)を必須成分とし、(B)の第3級アミノ基の一部を第3級アミン塩化及び/または第4級アンモニウム塩化する方法。

0033

第3級アミン塩化は、第3級アミノ基に酸または塩を作用させることにより行われる。この際使用される酸としては、例えば、塩酸硫酸蟻酸酢酸燐酸硝酸次亜燐酸過塩素酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸トルエンスルホン酸ベンゼンスルホン酸、プロビオン酸、乳酸クエン酸アジピン酸等があげられる。塩としては、硫酸水素ナトリウム燐酸二水素ナトリウム等があげられる。

0034

第4級アンモニウム塩化は、第3級アミノ基に4級化剤を作用させることにより行われる。4級化剤としては、例えば、ベンジルクロライド塩化メチル塩化エチル臭化メチルヨウ化メチル硫酸ジエチル硫酸ジメチルトルエンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチルメタンスルホン酸エチル等があげられる。

0035

特に好ましい態様は、〜いずれの方法にて製造しても、最終的な水性樹脂において、第3級アミノ基と、第3級アミン塩基及び/または第4級アンモニウム塩基との存在比率が、モル比で90:10〜10:90となるようにすればよい。

0036

水性樹脂における各原料モノマー構成比率は、(A)100重量部に対し、(B)及び(C)が合計で3〜20重量部の範囲内含まれるようにすることが好ましい。(B)及び(C)の添加量が3重量部より小さくなると、密着性が低下するため好ましくない。(B)及び(C)の添加量が20重量部より大きくなると、形成された塗膜の耐水性が低下するため、実用的でない。

0037

(D)その他のモノマー
上記(A)、(B)、(C)に加え、(D)その他のモノマーとして、ビニルエステル系単量体アクリロニトリル系単量体等を使用してもよい。ビニルエステル系単量体としては、たとえば、酢酸ビニルプロピオン酸ビニル酪酸ビニルバーサチック酸ビニルスチレンなどが挙げられ、アクリルニトリル系単量体としては、アクリロニトリルメタクリロニトリルなどが例示できる。その他、共重合モノマーとして、一官能性のモノマーを単独又は併用することは可能であるが、カチオン系モノマーを使用するので、重合中又は合成した樹脂に水を加えた時にゲル化を引き起こさないように選択することが必要である。このような官能性モノマーとして使用できるものは、例えば、グリシジル基三級アミンエピクロルヒドリンアダクト、アミノ基等があげられる。これらのモノマー類は、本発明の効果を阻害しない範囲で原料モノマーとして添加することができる。

0038

水性樹脂において、上記のような各モノマー類を重合する際の方法としては、溶液重合法水溶液重合法、懸濁重合法等従来公知の方法が可能である。この際の重合温度も適宜選択できるが、通常50〜90℃にして重合すると良い。このうち、特に、親水性溶媒中で溶液重合を行った後に、水希釈性化して使用する方法が好ましく用いられる。

0039

このとき用いられる親水性溶媒とは、水に易溶性有機溶媒である。水に易溶性の有機溶媒としては、たとえば、メタノールエタノールイソプロピルアルコールなどのアルコール類エチレングリコールプロピレングリコールグリセリンなどのグリコール類ジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコールエーテル類エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールエーテル類などが挙げられる。この中でも、水と適切な比率で混合した際に、溶液引火点を持たず、実用上には塗膜の乾燥性の良い、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジエチレングリコールモノブチルエーテルを単独または混合して使用することが望ましい。さらに、これらの親水性有機溶媒は、本発明の水性樹脂組成物中に15重量%以内となるように使用することが好ましい。

0040

水性樹脂の重合においては、重合触媒を用いることができる。使用できる重合触媒としては、通常のカチオン重合で使用される2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン塩酸塩や、パーオキサイド系の過酸化水素、tert−ハイドロパーオキサイドクメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどが例示できる。その中でも、2,2’−アゾビス−(2−アミノプロパン)塩酸塩が好適である。また、アスコルビン酸酒石酸亜硫酸ソーダなどの還元剤を添加しても良い。

0041

このような水性樹脂は、固形分比率多彩模様塗料組成物に対し0.1〜10重量%、さらには0.5〜5重量%の範囲で含有することが望ましい。

0042

多彩模様塗料においては、上述の成分の他に、充填材、消泡剤、増粘剤、分散剤、防黴剤、防腐剤紫外線吸収剤酸化防止剤pH調整剤等公知の添加剤を添加することもできる。

0043

多彩模様塗膜層は、上述の多彩模様塗料組成物を、例えばリシンガン、万能ガン、スプレーガン、ローラー、刷毛等を用いて塗装することにより得ることができる。多彩模様塗膜層は、概ね50〜300μmの厚みとなるように塗装する。

0044

クリヤー塗膜層]本発明では、必要に応じ、クリヤー塗膜層を積層することができる。このような層を形成するクリヤー塗料としては、公知のものが使用でき、若干着色を施したものも使用できる。樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等があげられる。耐候性を考慮すると、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等が望ましい。

0045

クリヤー塗料による塗装は、公知の塗装によればよく、例えばスプレーガン、ローラー、刷毛等を用いて塗装することができる。クリヤー塗膜層は、概ね10〜100μmの厚みとなるように塗装する。

0046

以下に実施例、比較例をあげて本発明の効果を明確にする。

0047

[合成樹脂エマルション系弾性塗料製造]表1に示す原料を使用して、合成樹脂エマルション系弾性塗料1(以下、「弾性塗料1」という)を製造した。配合比率は、樹脂45重量部、着色顔料8.0重量部、体質顔料36重量部、分散剤0.8重量部、増粘剤4.9重量部、造膜助剤5.0重量部、消泡剤0.3重量部とした。この塗料によって形成された塗膜のJIS A6909 6.31「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」による伸び率は、300%であった。

0048

0049

[多彩模様塗料製造]
(1)エナメル分散液の製造
表2に示した原料を使用して、表3に示した配合にて各エナメル分散液を製造した。製造手順としては、分散安定剤含有水溶液攪拌しながら、各エナメル組成物を分散させた後に、架橋剤を混合した。次に、製造したエナメル分散液1〜3を重量比率1:1:1にて混合してエナメル分散液Aを得た。なお表3の数値は、すべて重量部で示した。

0050

0051

0052

(2)水性樹脂の製造
表4に示したモノマー構成比率にて、以下の合成例に基づいて各水性樹脂を合成した。なお表4の原料モノマーの数値は、すべて重量部で示した。

0053

・合成例1水性樹脂1合成例
攪拌機温度計がセットされたガラス製の重合容器を、窒素置換した後、エチレングリコールモノブチルエーテルを200重量部仕込み、80℃に昇温した。その後、メチルメタクリレート65重量部、ブチルアクリレート35重量部、及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド5重量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)1.0重量部を、6時間かけて滴下し、2時間熟成させ溶液重合を行った。このようにして合成した樹脂を、水で希釈して固形分15%に調整し、水性樹脂1を得た。

0054

・合成例2水性樹脂2合成例
攪拌機と温度計がセットされたガラス製の重合容器を、窒素置換した後、エチレングリコールモノブチルエーテルを200重量部仕込み、80℃に昇温した。その後、メチルメタクリレート65重量部、ブチルアクリレート35重量部、及びジエチルアミノエチルメタクリレート10重量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)1.0重量部を、6時間かけて滴下し、2時間熟成させ溶液重合を行った。このようにして合成した樹脂に対し、第3級アミノ基と第4級アンモニウム塩基とのモル比率が30:70となるように硫酸ジメチルを加え、その後水で希釈して固形分15%に調整し、水性樹脂2を得た。

0055

・合成例3水性樹脂3合成例
第3級アミノ基と第4級アンモニウム塩基とのモル比率が70:30となるように硫酸ジメチルを加えた以外は、合成例2と同様にして水性樹脂3を得た。

0056

・合成例4水性樹脂4合成例
攪拌機と温度計がセットされたガラス製の重合容器を、窒素置換した後、エチレングリコールモノブチルエーテルを200重量部仕込み、80℃に昇温した。その後、メチルメタクリレート84重量部、ブチルアクリレート16重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート9重量部、及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド6重量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)1.0重量部を、6時間かけて滴下し、2時間熟成させ溶液重合を行った。その後水で希釈して固形分15%に調整し、水性樹脂4を得た。

0057

0058

(3)多彩模様塗料の製造
エナメル分散液1〜3を混合したエナメル分散液Aに対し、表4に示した各水性樹脂を表5の組み合わせにて混合し、多彩模様塗料を製造した。このとき、多彩模様塗料中の水性樹脂は、固形分比率で1.0重量%になるように混合した。

0059

0060

試験方法
(1)割れ防止性試験
70×35×12mmのALC板2枚を長辺が隣接するように並べ、これらの間隔を10mmとり、その間隙一液湿気硬化型ウレタン樹脂シーリング材充填し、温度20℃、相対湿度65%下(以下、「標準状態」という)で7日間養生した。このようなALC板の表面にシーリング材を跨ぎ、各ALC板の表面の約半分まで塗装を行った。塗装においては、合成樹脂エマルション系弾性塗料を万能ガンにて塗付し、標準状態で4時間養生後、多彩模様塗料をリシンガンにて塗付した。標準状態で7日間養生後、試験片を20℃下で、チャック間距離40mm、引張スピード1mm/minにて引張り試験を行い、塗膜に割れが生じた時点の伸びを読み取った。評価は以下の通り。
○:5mm以上
△:3mm以上5mm未満
×:3mm未満

0061

(2)耐久性試験
スレート板(縦60mm×横50mm×厚み4mm)の表面に、一液湿気硬化型ウレタン樹脂シーリング材を6mm厚にて塗付し、標準状態で7日間養生後、湿気硬化形ウレタン樹脂プライマーを、所要量0.15kg/m2にて刷毛で塗付したものに対し、塗装を行ったものを試験体とした。塗装においては、合成樹脂エマルション系弾性塗料を万能ガンにて塗付し、標準状態で4時間養生後、多彩模様塗料をリシンガンにて塗付し、標準状態で14日間養生した。作製した試験体を、促進耐候性試験スーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用い、光照射6時間、結露2時間(合計8時間)を1サイクルとして100サイクル暴露し、塗膜の劣化状態を確認した。評価は以下の通り。
○:異常なし
×:割れもしくは剥がれが発生

0062

0063

[試験結果]塗装における合成樹脂エマルション系弾性塗料、多彩模様塗料の組合せ、及びその試験結果を表6に示す。本発明の塗膜積層体である実施例1〜3では、いずれの試験においても優れた結果となった。合成樹脂エマルション系弾性塗料を塗付しなかった比較例1、合成樹脂エマルション系弾性塗膜層の厚みが小さい比較例2、多彩模様塗料の水性樹脂のTgが高い比較例3では、いずれも十分な結果を得ることができなかった。

発明の効果

0064

本発明によれば、基材の変位によって割れを生じず、初期の美観性を長期にわたり維持可能な多彩模様塗膜を得ることができる。

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