図面 (/)

技術 直流機

出願人 アスモ株式会社
発明者 田中猛原田博幸桑野雅幸伊藤靖英坂本渉錦古里秀三
出願日 2000年9月13日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 2000-278265
公開日 2002年3月29日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 2002-095230
状態 未査定
技術分野 電動機、発電機の集電 直流機 同期機の永久磁石界磁
主要キーワード 半円筒型 整流区間 回転方向逆側 断面円弧 中心線間 電磁雑音 リアクタンス電圧 有底円筒
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年3月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

整流を改善して火花の発生を抑制することができる直流機を提供する。

解決手段

ブロアモータ1は、磁石2,3、回転子4、ブラシ5a,5b等を備える。回転子4はコイル9a,9bにより巻装された複数のティース8aを有する。回転子4を内包するモータハウジング7の内側面に磁石2,3が設けられている。磁石2,3は、主磁極2a,3aと、該主磁極2a,3aの両端部から延設される端部磁極2b,2c,3b,3cとを有する。主磁極2aと主磁極3aとの極性は異なっており、各端部磁極2b,2c,3b,3cは、主磁極2a,3aに対して逆の極性となっている。整流中のコイル9a,9bにより巻装されるティース先端部8bは、整流前半には回転方向側の端部磁極2b,3bに位置し、整流後半には回転方向逆側の端部磁極3c,2cに位置する。

概要

背景

図9に示すように、直流モータ直流電動機)30は、磁石31,32、回転子33、ブラシ34等を有している。回転子33のコア36には、複数のティース36aが形成されており、そのうちの5つのティース36aの周囲にコイル37が巻き付けられている。なお、図示を省略しているが、5つのティース36a毎に他のコイルが同様に巻き付けられている。つまり、この直流モータ30の巻装方式は分布巻である。また、回転子33には、コンミテータ38が配設されている。コンミテータ38は、複数のセグメント38aを有し、そのセグメント38aに摺接するように2つのブラシ34が配設されている。

この直流モータ30において、直流電流がブラシ34及びコンミテータ38のセグメント38aを経てコイル37に流入されることで、コイル37に流れる電流の向きが変更され、回転子33が回転するようになっている。

ここで、ブラシ34からコイル37に流入される電流変化を図10を用いて説明する。先ず、図10(a)に示すようにコイル37に右から左へ電流Iが流れている状態から、回転子33が回転してコンミテータ38が図10(b)のようにブラシ34に対して右側に移動する。すると、ブラシ34によって2つのセグメント38aが短絡されて、コイル37に短絡電流iが流れる。さらに、回転子33が回転すると、図10(c)のように、コイル37には、左から右へ電流Iが流れるようになる。つまり、図10(a)→(b)→(c)の順に回転子33が回転するとき、その際にコイル37を流れる電流Iの向きが逆になる。なおこのとき、+Iから−Iまで2Iの変化をさせるための電流がブラシ34から流入される。このように、コイル37を流れる電流Iの向きが変更され、そのコイル37に巻装されたコア36内の磁界の向きが反転する。このコイル37の電磁力と、磁石31,32からの磁力とによって回転力が発生し、モータ30が回転駆動する。

上述のように、ブラシ34によって短絡されたコイル37を流れる電流Iが、その短絡期間中に反転することを、「整流」という。

概要

整流を改善して火花の発生を抑制することができる直流機を提供する。

ブロアモータ1は、磁石2,3、回転子4、ブラシ5a,5b等を備える。回転子4はコイル9a,9bにより巻装された複数のティース8aを有する。回転子4を内包するモータハウジング7の内側面に磁石2,3が設けられている。磁石2,3は、主磁極2a,3aと、該主磁極2a,3aの両端部から延設される端部磁極2b,2c,3b,3cとを有する。主磁極2aと主磁極3aとの極性は異なっており、各端部磁極2b,2c,3b,3cは、主磁極2a,3aに対して逆の極性となっている。整流中のコイル9a,9bにより巻装されるティース先端部8bは、整流前半には回転方向側の端部磁極2b,3bに位置し、整流後半には回転方向逆側の端部磁極3c,2cに位置する。

目的

本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、整流を改善して火花の発生を抑制することができる直流機を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

巻線により巻装された複数のティースを有する回転子円筒状のヨークに内包し、該ヨークの内側面にて、周方向に沿って異なる極性を有する複数の磁石を交互に配置した直流機において、前記磁石は、前記主磁極の両端から延設され、主磁極に対して逆極性の端部磁極を有し、整流中の巻線により巻装されるティースの回転方向側の先端部は、整流の前半には、一方の磁石における回転方向側の端部磁極に位置するようにし、整流の後半には、他方の磁石における回転方向逆側の端部磁極に位置するようにしたことを特徴とする直流機。

請求項2

巻線により巻装された複数のティースを有する回転子を円筒状のヨークに内包し、該ヨークの内側面にて、その全周に亘り磁石を配設するようにした直流機において、前記磁石には、周方向に極性が異なる複数の主磁極が交互に配設されており、該主磁極の両端には主磁極に対して逆極性の端部磁極が設けられ、整流中の巻線により巻装されるティースの回転方向側の先端部は、整流の前半には、一方の主磁極の回転方向側の端部磁極に位置するようにし、整流の後半には、他方の主磁極の回転方向逆側の端部磁極に位置するようにしたことを特徴とする直流機。

請求項3

請求項1又は2に記載の直流機において、前記主磁極の磁束は、前記端部磁極の磁束よりも大きいことを特徴とする直流機。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載の直流機において、前記回転子が正逆の両方向に回転することを特徴とする直流機。

技術分野

0001

本発明は、直流モータ等の直流機に関するものである。

背景技術

0002

図9に示すように、直流モータ(直流電動機)30は、磁石31,32、回転子33、ブラシ34等を有している。回転子33のコア36には、複数のティース36aが形成されており、そのうちの5つのティース36aの周囲にコイル37が巻き付けられている。なお、図示を省略しているが、5つのティース36a毎に他のコイルが同様に巻き付けられている。つまり、この直流モータ30の巻装方式は分布巻である。また、回転子33には、コンミテータ38が配設されている。コンミテータ38は、複数のセグメント38aを有し、そのセグメント38aに摺接するように2つのブラシ34が配設されている。

0003

この直流モータ30において、直流電流がブラシ34及びコンミテータ38のセグメント38aを経てコイル37に流入されることで、コイル37に流れる電流の向きが変更され、回転子33が回転するようになっている。

0004

ここで、ブラシ34からコイル37に流入される電流変化図10を用いて説明する。先ず、図10(a)に示すようにコイル37に右から左へ電流Iが流れている状態から、回転子33が回転してコンミテータ38が図10(b)のようにブラシ34に対して右側に移動する。すると、ブラシ34によって2つのセグメント38aが短絡されて、コイル37に短絡電流iが流れる。さらに、回転子33が回転すると、図10(c)のように、コイル37には、左から右へ電流Iが流れるようになる。つまり、図10(a)→(b)→(c)の順に回転子33が回転するとき、その際にコイル37を流れる電流Iの向きが逆になる。なおこのとき、+Iから−Iまで2Iの変化をさせるための電流がブラシ34から流入される。このように、コイル37を流れる電流Iの向きが変更され、そのコイル37に巻装されたコア36内の磁界の向きが反転する。このコイル37の電磁力と、磁石31,32からの磁力とによって回転力が発生し、モータ30が回転駆動する。

0005

上述のように、ブラシ34によって短絡されたコイル37を流れる電流Iが、その短絡期間中に反転することを、「整流」という。

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、直流モータ30において、ブラシ34とコンミテータ38の接触部分に電圧降下が発生することが知られている。これは、コンミテータ38の表面が、酸化銅皮膜酸化膜)によって覆われ、それによりブラシ34とコンミテータ38との接触面積が減少することが原因となっている。よって、電圧降下を小さくするためには、この酸化膜を部分に突き破る必要があり、従来では、ブラシ34の組成で銅の含有量を多くする対策がとられていた。

0007

ところが、ブラシ34の組成で銅の含有量を多くし、ブラシ34とコンミテータ38との接触抵抗が減少すると、図11にて実線で示すように、整流が悪化してしまう。なお、図11では、理想的な直線整流を一点鎖線で示している。つまり、整流中のコイル37には、漏れ磁束の影響によって誘起電圧eが発生するが、ブラシ34とコンミテータ38との接触抵抗が減少すると、誘起電圧eの影響が大きくなる。ここで、誘起電圧eは、コイル37を通過する磁束Φの変化により同コイル37に誘起される逆起電力であって、e=−dΦ/dtで表される。誘起電圧eは、整流区間(整流時の回転角度)θにおいて、マイナス側からプラス側へ徐々に変化しており、誘起電圧eは、整流区間θの前半では整流を進ませる方向に発生するとともに、整流区間θの後半では整流を遅らせる方向に発生する。そのため、図11にて実線で示すように、整流の前半では、直線整流に対して電流Iが急激に反転し、整流の後半では、逆に元に戻り、整流の最後で電流Iが急激に変化することとなる。このように、整流が悪化して、ブラシ34の後端での火花放電が発生してしまう。

0008

本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、整流を改善して火花の発生を抑制することができる直流機を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、巻線により巻装された複数のティースを有する回転子を円筒状のヨークに内包し、該ヨークの内側面にて、周方向に沿って異なる極性を有する複数の磁石を交互に配置した直流機において、前記磁石は、前記主磁極の両端から延設され、主磁極に対して逆極性の端部磁極を有し、整流中の巻線により巻装されるティースの回転方向側の先端部は、整流の前半には、一方の磁石における回転方向側の端部磁極に位置するようにし、整流の後半には、他方の磁石における回転方向逆側の端部磁極に位置するようにしたことを要旨とする。

0010

請求項2に記載の発明は、巻線により巻装された複数のティースを有する回転子を円筒状のヨークに内包し、該ヨークの内側面にて、その全周に亘り磁石を配設するようにした直流機において、前記磁石には、周方向に極性が異なる複数の主磁極が交互に配設されており、該主磁極の両端には主磁極に対して逆極性の端部磁極が設けられ、整流中の巻線により巻装されるティースの回転方向側の先端部は、整流の前半には、一方の主磁極の回転方向側の端部磁極に位置するようにし、整流の後半には、他方の主磁極の回転方向逆側の端部磁極に位置するようにしたことを要旨とする。

0011

請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の直流機において、前記主磁極の磁束は、前記端部磁極の磁束よりも大きいことを要旨とする。請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の直流機において、前記回転子が正逆の両方向に回転することを要旨とする。

0012

(作用)請求項1に記載の発明によれば、整流中の巻線が巻装されるティースの回転方向側の先端部は、整流の前半には、一方の磁石における回転方向側の端部磁極に位置し、整流の後半には、他方の磁石における回転方向逆側の端部磁極に位置する。この場合、整流前半では、主磁極に対して逆極性の端部磁極により、整流中の巻線を通過する磁束が減少し、整流後半では、主磁極と同じ極性の端部磁極により、整流中の巻線を通過する磁束が増加することとなる。従って、整流前半では、整流中の巻線を通過する磁束が減少するため、その変化による誘起電圧が整流を遅らせる方向に発生される。一方、整流後半では、整流中の巻線を通過する磁束が増加するため、その変化による誘起電圧が整流を進ませる方向に発生される。これにより、整流を改善することができ、火花の発生を抑制できる。

0013

請求項2に記載の発明によれば、整流中の巻線により巻装されるティースの回転方向側の先端部は、整流の前半には、一方の主磁極の回転方向側の端部磁極に位置し、整流の後半には、他方の主磁極の回転方向逆側の端部磁極に位置する。この場合、請求項1に記載の発明と同様に、整流前半では、整流中の巻線を通過する磁束が減少するため、その変化による誘起電圧が、整流を遅らせる方向に発生される。一方、整流後半では、整流中の巻線を通過する磁束が増加するため、その変化による誘起電圧が、整流を進ませる方向に発生される。これにより、整流を改善することができ、火花の発生を抑制できる。

0014

請求項3に記載の発明によれば、主磁極の磁束は、端部磁極の磁束よりも大きいので、端部磁極からの逆向きの磁束がティースを通過することがなく、回転子の回転力を的確に得ることができる。

0015

請求項4に記載した両回転用の直流機にて上記発明を適用すれば、正逆のいずれの方向に回転子が回転する場合においても整流を改善できるので、実用上好ましいものとなる。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明を自動車用エアコンユニットブロアモータに具体化した実施の形態を図面に従って説明する。

0017

図1は、直流機としてのブロアモータ1の概略構造を示す部分断面図である。図1に示すように、ブロアモータ1は、磁石2,3、回転子4、ブラシ5a,5b及び回転軸6等を有している。

0018

詳述すると、ブロアモータ1において、ヨークとしてのモータハウジング7は、強磁性体軟鉄)により有底円筒状に形成され、回転子4を内包している。また、同モータハウジング7の湾曲した内側面には、断面円弧状の磁石(例えば、フェライト磁石)2,3が周方向に沿って配設されている。回転子4は、コア8と、そのコア8に巻装されるコイル(巻線)9a,9bと、コンミテータ(整流子)10とを有し、直流電流の供給により図1時計回り方向(X方向)又は反時計回り方向に回転駆動するようになっている。すなわち、本実施の形態のブロアモータ1は、正逆の両方向に回転する両回転用のモータである。

0019

コア8には、複数のティース8aが形成されており、そのうちの6つのティース8aの周囲にコイル9a,9bが巻き付けられている。なお、本実施形態では、ティース8aの個数は12個であり、そのティース8aが、回転子4の周方向に30°毎に形成されている。つまり、隣り合うティース8aは、その中心線のなす角が30°(=360°/12)となるように形成されている。また、図示を省略しているが、複数の他のコイルが6つのティース8a毎に同様に巻き付けられている。つまり、巻線の巻装方式は分布巻である。

0020

コンミテータ10は、回転子4の一端に配設され、複数の整流子片11を有して構成されている。図1及び図2に示すように、隣り合う整流子片11間は前記コイル9a,9bにて結線されている。また、ブラシ5a,5bがコンミテータ10に摺接するように付勢された状態で配設されており、図示しない直流電源から供給される直流電流が、ブラシ5a,5bとコンミテータ10の整流子片11を経てコイル9a,9bに流入される。

0021

そして、図1の状態から回転子4が時計回り方向(X方向)に回転すると、図2に示すように、ブラシ5aにより整流子片11間が短絡されてコイル9aには短絡電流i1が流れ、ブラシ5bにより整流子片11間が短絡されてコイル9bには短絡電流i2が流れる。ここで、ブラシ5aは直流電源のプラス端子(+)に接続され、ブラシ5bは直流電源のマイナス端子(−)に接続されている。このブラシ5a,5bによる短絡中に、コイル9a,9bに流れる電流の向きが変更されて、回転子4が時計回り方向(図1のX方向)に回転するようになっている。そして、その回転力が回転子4の中央部から延設された回転軸6を介して外部に伝達される。なお、本実施の形態では、12個の整流子片11が周方向に30°毎に設けられており、図1の状態から回転子4がブラシ5a,5bに対して30°回転するとき、コイル9a,9bの電流の向きが変更される。

0022

また、本実施の形態では、ブラシ5a,5bの組成で銅の含有量を多くしている。これにより、ブラシ5a,5bとコンミテータ10との接触抵抗が小さくなり、その接触抵抗による電圧降下を抑えるようにしている。

0023

本実施の形態の磁石2,3は、図1及び図3に示すように、主な磁束発生部である主磁極2a,3aと、該主磁極2a,3aの両端部から延設される端部磁極2b,2c,3b,3cとを有している。主磁極2aと主磁極3aは、周方向に同じ円弧幅となるよう形成され、各端部磁極2b,2c,3b,3cのそれぞれも周方向に同じ円弧幅となるよう形成されている。また、図3に示すように、主磁極2a,3aと端部磁極2b,2c,3b,3cとは、軸線方向に同じ幅を有して形成されている。

0024

磁石2において、主磁極2aはN極となるように着磁されており、端部磁極2b,2cはS極となるように着磁されている。一方、磁石3において、主磁極3aは、S極となるように着磁されており、端部磁極3b,3cは、N極となるように着磁されている。つまり、各磁石2,3にて主磁極2a,3aと端部磁極2b,2c,3b,3cとの極性は異なり、磁石2の主磁極2aと磁石3の主磁極3aとの極性も異なっている。

0025

図1及び図3に示すように、磁石2の端部磁極2bと磁石3の端部磁極3cとの間、磁石2の端部磁極2cと磁石3の端部磁極3bとの間には、各端部磁極2b,2c,3b,3cよりも短い角度幅の空隙が形成されている。この空隙は必ずしも形成する必要はなく、端部磁極2bと端部磁極3cとの間、端部磁極2cと端部磁極3bとの間が接触するように磁石2,3を形成してもよい。なお、端部磁極2b,2c,3b,3cについて、隣り合う端部磁極の中心線間の角度は、コイル9a,9bの整流時における回転角度θ(=30°)と一致するようになっている。

0026

また、ブラシ5a,5bにより短絡されてコイル9a,9bの整流が開始される回転位置にて、同コイル9a,9bにより巻装されるティース8aの回転方向側の先端部8bが回転方向側の端部磁極2b,3bの中心に位置するようにブラシ5a,5bの位置が設定されている。そして、回転子4が図1のX方向に30°回転しティース先端部8bが回転方向逆側の端部磁極3c,2cの中心に位置するときに、整流が終了するようになっている。

0027

このように構成したブロアモータ1において、磁石2,3の回転方向に対する磁束密度分布は、図4に示すようになる。図4では、磁石2から磁石3へ移行する回転位置での磁束分布を示している。図4に示すように、磁束密度は、磁石2の主磁極2aの端部付近で減少し始め、磁石2の端部磁極2bに対応する区間でマイナスとなり、端部磁極2bの中心位置にて極小値となる。そして、空隙に対応する区間で0となり、磁石3の端部磁極3cに対応する区間で増加して、端部磁極3cの中心位置にて極大値となっている。また、端部磁極2b,3cの磁束は、主磁極2a,3aよりも小さくなっている。具体的には、端部磁極2b,3cは、主磁極2a,3aの1/2程度の磁束密度となるように形成されている。なお、磁石3から磁石2へ移行する回転位置では、図4と同じ磁束密度分布(但し、極性は逆)となるので説明を省略する。

0028

従って、回転子4がX方向に回転しコイル9a,9bの整流が開始される際には、図1及び図4に示すように、ティース先端部8bが回転方向側の端部磁極2b,3bに位置するので、整流中のコイル9a,9bを通過する磁束Φは減少する。つまり、主磁極2aに対し端部磁極2bは逆極性であり、主磁極3aに対し端部磁極3bは逆極性であるため、端部磁極2b,3bにより、コイル9a,9bを通過する磁束Φが減少する。この磁束変化により、図5に示すように、整流区間の前半では、誘起電圧e(=−dΦ/dt)は、プラス側(整流を遅らせる方向)に発生する。

0029

その後、回転子4が回転して、図4にて2点鎖線で示すようにティース先端部8bが回転方向逆側の端部磁極3cに対向するようになると、端部磁極3cからの磁束により整流中のコイル9a,9bを通過する磁束Φは増大する。つまり、磁石2の主磁極2aと磁石3の端部磁極3cは同じ極性(N極)であり、磁石3の主磁極3aと磁石2の端部磁極2cについても同じ極性(S極)である。そのため、主磁極2a,3aに加えて端部磁極3c,2cの磁束がコイル9a,9bを通過することとなり磁束Φが増大する。この磁束Φの変化によって、図5に示すように、整流区間の後半では、誘起電圧e(=−dΦ/dt)は、マイナス側に発生する。マイナス側の誘起電圧eは、整流を進ませる方向(順方向)の起電力であり、コイル9a,9bのインダクタンスにより生じるリアクタンス電圧打ち消す方向に発生する。

0030

このように、本実施の形態のブロアモータ1においては、整流の前半にて、誘起電圧eが整流を遅らせる方向に発生するため、従来技術のように、接触抵抗の減少によって電流Iが急激に反転すること(図11参照)が抑えられる。また、整流の後半にて、誘起電圧eが整流を進ませる方向に発生するため、整流を遅らせる方向に生じるリアクタンス電圧が打ち消される。これにより、整流が改善されて、図5にて実線で示すように、整流時にコイル9a,9bを流れる電流Iは直線的に変化する、いわゆる直線整流となる。

0031

以上では、時計回り方向(X方向)に回転子4が回転する場合について詳述したが、反時計回り方向に回転子4が回転する場合についても、同様に整流が改善される。つまり、図1のブロアモータ1において、磁石2の主磁極2a,端部磁極2b,2cと、磁石3の主磁極3a,端部磁極3b,3cとは対称位置に配置している。そのため、反時計方向に回転する場合、整流中のコイル9a,9bにより巻装されるティース8aの回転方向の先端部が、整流の前半では、回転方向側の端部磁極2c,3cに位置するようにし、整流の後半では、回転方向逆側の端部磁極3b,2bに位置するようにしている。この場合も、整流の前半では、主磁極2a,3aに対して逆極性の端部磁極2c,3cによりコイル9a,9bを通過する磁束が減少し、整流の後半では、主磁極2a,3aと同じ極性の端部磁極3b,2bによりコイル9a,9bを通過する磁束が増加する。よって、その磁束変化による誘起電圧eは、整流の前半では整流を遅らせる方向に発生するとともに、整流の後半では整流を進ませる方向に発生して、整流が改善されることとなる。

0032

このように本実施の形態によれば、下記のような特徴を有する。
(1)整流の前半では、整流中のコイル9a,9bを通過する磁束が減少するため、その変化による誘起電圧eが、整流を遅らせる方向に発生される。また、整流の後半では、整流中のコイル9a,9bを通過する磁束が増加するため、その変化による誘起電圧eが、整流を進ませる方向に発生される。これにより、整流を改善することができ、火花の発生を抑制できる。

0033

(2)主磁極2a,3aの磁束は、端部磁極2b,2c,3b,3cの磁束よりも大きいので、端部磁極2b,2c,3b,3cからの逆向きの磁束がティース8aを通過することがなく、回転子4の回転力を的確に得ることができる。

0034

(3)整流の改善により火花が抑制されるので、モータ1の寿命を向上できる。また、ノイズ対策(音、電磁雑音等の対策)が不要となるので、モータ1の製造コストを低減できる。

0035

なお本発明は、上記以外に次の態様にて具体化できる。
○上記実施の形態におけるブロアモータ1では、端部磁極2b,2c,3b,3cについて、隣り合う端部磁極の中心線間の角度が整流区間に対応する回転角度θとするものであったがこれに限定するものではない。要は、整流中のコイル9a,9bを通過する磁束が、整流の前半で減少し、整流の後半で増大するように、端部磁極2b,2c,3b,3cを形成するものであればよい。

0036

○上記実施の形態では、2つの磁石2,3を備える2極のブロアモータ1に具体化したが、図6に示すように4極のブロアモータ15に具体化してもよい。なお、図6において、図1のブロアモータ1と同じ構成については、同一の符号を付している。図6に示すように、ブロアモータ15は、モータハウジング7の内側面にて、4つの磁石16,17,18,19が配設されている。

0037

磁石16,17,18,19のそれぞれは、主磁極16a,17a,18a,19aと、該主磁極16a,17a,18a,19aの両端部から延設される端部磁極16b,16c,17b,17c,18b,18c,19b,19cとを有している。磁石16,18の主磁極16a,18aはN極となるように着磁されており、磁石16,18の端部磁極16b,16c,18b,18cはS極となるように着磁されている。また、磁石17,19の主磁極17a,19aは、S極となるように着磁されており、磁石17,19の端部磁極17b,17c,19b,19cは、N極となるように着磁されている。このように、モータハウジング7の内側面にて、回転子4の周方向に沿って異なる極性の主磁極16a〜19aを有する磁石16〜19が交互に設けられている。また、磁石16〜19において、主磁極16a〜19aと端部磁極16b〜19b,16c〜19cとの極性は異なっている。さらに、各端部磁極16b〜19b,16c〜19cについて、隣り合う端部磁極の間には、該端部磁極よりも短い角度幅の空隙が形成されている。この空隙は必ずしも形成する必要はなく、隣り合う端部磁極の間が接触するように磁石16〜19を形成してもよい。

0038

また、ブラシ5a,5bにより短絡されてコイル9a,9bの整流が開始される回転位置にて、そのコイル9a,9bにより巻装されるティース先端部8bが回転方向側(X方向側)の端部磁極16b〜19bに位置するようにブラシ5a,5bの位置が設定されている。また、整流の後半では、ティース先端部8bが回転方向逆側の端部磁極16c〜19cに対向するようになっている。

0039

このようにブロアモータ15を構成すれば、上記第1の実施の形態と同様に、整流中のコイル9a,9bを通過する磁束は、整流の前半にて減少し、整流後半にて増加する。この場合、磁束変化による誘起電圧eが、整流の前半では整流を遅らせる方向に発生され、整流の後半では整流を進ませる方向に発生される。これにより、整流が改善されて火花の発生を抑制できる。

0040

○上記実施の形態のブロアモータ1,15では、それぞれ1つの主磁極2a,3a,16a〜19aを有する磁石2,3,16〜19を適用するものであったが、これに限定するものではない。具体的には、例えば、図6のブロアモータの各磁石16〜19に代えて、図7に示す1つの磁石21、或いは図8に示す2つの磁石23,24を用いてブロアモータ15を構成してもよい。

0041

ここで、図7に示す磁石21は、円筒型の磁石であって、周方向に極性が異なる4つの主磁極21Aa(N極),21Ba(S極),21Ca(N極),21Da(S極)が交互に配置されている。また、各主磁極21Aa(N極),21Ba(S極),21Ca(N極),21Da(S極)の両端には該主磁極に対して逆極性の端部磁極21Ab(S極),21Ac(S極),21Bb(N極),21Bc(N極),21Cb(S極),21Cc(S極),21Db(N極),21Dc(N極)が設けられている。

0042

一方、図8に示す磁石23,24は、それぞれ半円筒型の磁石であって、磁石23には2つの主磁極23Aa(N極),23Ba(S極)が、また、磁石24には2つの主磁極24Aa(N極),24Ba(S極)が設けられている。つまり、周方向に極性が異なる主磁極23Aa(N極),23Ba(S極),24Aa(N極),24Ba(S極)が交互に配置されている。また、各主磁極23Aa(N極),23Ba(S極),24Aa(N極),24Ba(S極)の両端には、該主磁極に対して逆極性の端部磁極23Ab(S極),23Ac(S極),23Bb(N極),23Bc(N極),24Ab(S極),24Ac(S極),24Bb(N極),24Bc(N極)が設けられている。

0043

なお、図7図8のモータ15においては、端部磁極間に空隙が形成されておらず、モータハウジング7の内側面にて、その全周に亘り磁石21又は磁石23,24が配設されている。このようにしても、上記実施の形態と同様な効果を得ることができる。

0044

○上記実施の形態では、2極のモータ1及び4極のモータ15に適用するものであったが、これ以外の多極直流モータに適用してもよい。また、適用するモータは、両回転用に限定するものではなく、一方向のみに回転するモータに上記構成を適用してもよい。

0045

○上記実施の形態では、直流機としてブロアモータ1に具体化したが、他のモータに具体化してもよい。また、直流発電機に具体化してもよい。この場合、発電機において、整流が良好に実施されて火花の発生を防止できる。

0046

さらに、上記実施形態により把握される請求項以外の技術的思想について、以下にそれらの効果と共に記載する。
(イ)請求項1に記載の直流機において、隣り合う端部磁極間の中心線間の角度は、整流区間に対応する角度を有していることを特徴とする直流機。このようにすれば、整流中の巻線により巻装されるティースの回転方向側の先端部が、整流の前半には、一方の磁石における回転方向側の端部磁極に位置するとともに、整流の後半には、他方の磁石における回転方向逆側の端部磁極に位置するように構成できる。よって、整流を改善することができ、火花の発生を抑制できる。

0047

(ロ)技術的思想(イ)に記載の直流機において、前記巻線の整流が開始される回転位置にて、その巻線により巻装されるティース先端部が、回転方向側の端部磁極の中心に位置するようにしたことを特徴とする直流機。このようにすれば、誘起電圧が的確に発生されて整流を改善でき、火花の発生を抑制できる。

0048

(ハ)請求項1〜3のいずれかに記載の直流機において、前記ブラシの組成で銅の含有量を多くして、該ブラシとコンミテータとの接触抵抗を抑えるようにした直流機。このように、ブラシとコンミテータとの接触抵抗を抑えるようにした直流機に本発明を適用すると、より好ましいものとなる。

0049

(ニ)巻線により巻装された複数のティースを有する回転子と、円筒状に形成され、前記回転子を内包するヨークと、断面円弧状に形成され前記ヨークの内側面に配設される複数の磁石と、コンミテータの整流子片を介して前記巻線に直流電流を供給するブラシとを備えた直流機において、前記磁石は、主磁極と、該主磁極の両端部から延設され主磁極に対して逆極性の端部磁極とを有し、異なる極性の主磁極を有する磁石を、前記ヨーク内側面の周方向に沿って交互に配置するとともに、隣り合う前記端部磁極の中心線間の角度が整流区間に対応する角度となるようにし、前記ブラシにより短絡されて前記巻線の整流が開始される回転位置にて、その整流を開始する巻線により巻装されるティースの回転方向側の先端部が、回転方向側の端部磁極に位置するように前記ブラシを配置したことを特徴とする直流機。このようにすれば、整流の前半では、主磁極に対して逆極性の端部磁極により巻線を通過する磁束が減少し、整流後半では、主磁極と同じ極性の端部磁極により巻線を通過する磁束が増加することとなる。この場合、磁束変化に伴い発生する誘起電圧を、整流の前半では整流を遅らせる方向に発生させ、整流の後半では整流を進ませる方向に発生させることができる。これにより、整流を改善でき、火花の発生を抑制できる。

発明の効果

0050

以上詳述したように、本発明によれば、磁束変化による誘起電圧が、整流の前半では整流を遅らせる方向に発生され、整流の後半では整流を進ませる方向に発生されるので、整流が改善されて火花の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0051

図1本実施の形態における直流モータの概略構成図。
図2コイルの整流を説明するための図。
図3本実施の形態における磁石の斜視図。
図4磁石による磁束密度分布と、整流時のコイルにより巻装されるティースとの位置関係を示す図。
図5整流時における電流変化と誘起電圧とを示す図。
図6別の直流モータの概略構成図。
図7別の直流モータの概略構成図。
図8別の直流モータの概略構成図。
図9従来の直流モータの概略構成図。
図10整流を説明するための図。
図11整流時における電流変化と誘起電圧を示す図。

--

0052

1…直流機としてのブロアモータ、2,3…磁石、2a,3a…主磁極、2b,2c ,3b,3c …端部磁極、4…回転子、7…ヨークとしてのモータハウジング、8a…ティース、8b…先端部、9a,9b…巻線としてのコイル、15…直流機としてのブロアモータ、16,17,18,19…磁石、16a,17a,18a,19a…主磁極、16b,16c,17b,17c,18b,18c,19b,19c…端部磁極、21…磁石、21Aa,21Ba,21Ca,21Da…主磁極、21Ab,21Ac,21Bb,21Bc,21Cb,21Cc,21Db,21Dc…端部磁極、23,24…磁石、23Aa,23Ba,24Aa,24Ba…主磁極、23Ab,23Ac,23Bb,23Bc,24Ab,24Ac,24Bb,24Bc…端部磁極。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ミツバの「 モータ、及びワイパモータ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】性能バランスの優れた高性能なモータ、及びワイパモータを提供する。【解決手段】ロータコア32は、1極当たりに径方向内側に向かって凸形状となるように湾曲形成され、かつ1極当たりに3層以上形成されて... 詳細

  • 本田技研工業株式会社の「 ロータ及び表面磁石型回転電機」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】フィラメントワインディング層の脱落を抑制するとともに永久磁石を確実に保持できるロータ及びこのロータを用いた表面磁石型回転電機を提供する。【解決手段】軸線C回りに回転可能なロータコア5と、ロータ... 詳細

  • 東芝産業機器システム株式会社の「 SPM形回転電機の回転子」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】回転子鉄心の外周に永久磁石を露出するように設けたものにあって、永久磁石の固定を安定して行うことができ、信頼性を高める。【解決手段】実施形態に係るSPM形回転電機の回転子は、回転子鉄心の外周部に... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ