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技術 ディスプレイ用フィルター基板及びディスプレイ装置

出願人 日本板硝子株式会社
発明者 合田拓司神作克也葛輪定男
出願日 2000年9月18日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 2000-282083
公開日 2002年3月27日 (18年10ヶ月経過) 公開番号 2002-091326
状態 特許登録済
技術分野 光学要素の表面処理 電気信号の光信号への変換 要素組合せによる可変情報用表示装置1
主要キーワード 熱硬化性樹脂基材 破壊原因 加熱急冷 風冷強化処理 ステンレスワイヤ 可視光吸光度 落球強度 反射映像
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重要な関連分野

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課題

一定の強度を持ち、表示品位を低下させない軽量なディスプレイ用前面フィルターガラス基板と、このディスプレイ用フィルター基板を用いたディスプレイ装置を提供する。

解決手段

ガラス基板よりなり、電磁波遮蔽機能近赤外線カット機能反射防止機能のうち、一種以上の機能を有するディスプレイ用フィルター基板において、板厚が1.8〜3.2mmであり、該ガラス基板の表面圧縮応力平均値が20〜70MPaであり、該ガラス基板の反り量が1.0%以下であることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。表面圧縮応力は、風冷強化又は化学強化処理等により付与される。このディスプレイ用フィルター基板を備えたディスプレイ装置。

概要

背景

プラズマディスプレイ装置では、電磁波遮蔽機能近赤外線カット機能反射防止機能高透過率)のいずれか一種以上の機能を持つ前面フィルターが用いられている。これらの機能を充足させるための技術として、特開平11−307987号公報は、電磁波遮蔽機能として基板表面抵抗が3Ω以下、近赤外線カット機能として光波長850nmでの透過率が20%以下、反射防止機能(高透過率)として可視光波長領域での透過率が60%以上である、前面フィルター基板を開示している。

前面フィルター基板は表示パネルの前面に配置されるために、一定以上の強度と軽量化とをあわせて要求される。強度とは外力に対する破壊強度のことであり、外力に対するパネルの保護、及び人体が接触した場合の安全の観点から要求される特性である。一般的に強度と軽量化は相反する特性であり、従来はディスプレイ用前面フィルター基板として、これらの相反する特性を両立させることは困難であった。

また、ディスプレイに表示された情報はフィルターを通して視認されるため、フィルターに光学的歪みをもたらす反りやうねりなどの変形はディスプレイの本来機能である表示品位の観点から、厳しく制限されなければならない。ところが、反りなどの変形を抑制することと、上述した強度及び軽量化の課題とは、これまた相反するものであった。すなわち、軽量化のために基板を薄くすれば、剛性不足して変形しやすく、また強度を上げるための強化処理、特に加熱−冷却による強化方法では熱による変形が避け難く、基板の変形(反り)による表示品位の低下を引き起こしていた。以上のように、従来は一定の強度を保ち、表示品位を損なわない軽量なディスプレイ用前面フィルター基板を、工業的に安定して供給することができなかった。

概要

一定の強度を持ち、表示品位を低下させない軽量なディスプレイ用前面フィルターガラス基板と、このディスプレイ用フィルター基板を用いたディスプレイ装置を提供する。

ガラス基板よりなり、電磁波遮蔽機能、近赤外線カット機能、反射防止機能のうち、一種以上の機能を有するディスプレイ用フィルター基板において、板厚が1.8〜3.2mmであり、該ガラス基板の表面圧縮応力平均値が20〜70MPaであり、該ガラス基板の反り量が1.0%以下であることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。表面圧縮応力は、風冷強化又は化学強化処理等により付与される。このディスプレイ用フィルター基板を備えたディスプレイ装置。

目的

本発明は、一定の強度を保ち、表示品位に優れ(即ち、反り、歪みが小さい)、しかも軽量なディスプレイ用フィルター基板と、この基板を用いたディスプレイ装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

ガラス基板よりなり、電磁波遮蔽機能近赤外線カット機能反射防止機能のうち、一種以上の機能を有するディスプレイ用フィルター基板において、板厚が1.8〜3.2mmであり、該ガラス基板の表面圧縮応力平均値が20〜70MPaであり、該ガラス基板の反り量が1.0%以下であることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項2

請求項1において、前記ガラス基板の表面圧縮応力の平均値が40〜60MPaであることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項3

請求項1又は2において、前記表面圧縮応力は、ガラス基板を加熱後急冷することにより生じたものであることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項4

請求項1又は2において、前記表面応力は、ガラス基板を溶融塩中に浸漬し、前記ガラス基板中のナトリウムイオンと溶融塩中のカリウムイオンとをイオン交換反応させることにより生じたものであることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項5

請求項1ないし4のいずれか1項において、前記フィルター基板の周囲の一部又は全周に可視光線遮蔽用のマスキング層が形成されていることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項6

請求項5において、該マスキング層の厚さが35μm以下であることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項7

請求項5又は6において、前記マスキング層が顔料を含んだ低融点ガラス焼付けにより形成されており、且つ該マスキング層の、フィルター基板外縁からの幅が50mm以下であることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項8

請求項5又は6において、前記マスキング層が少なくとも熱硬化性樹脂と、顔料又は染料とを含むことを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項9

請求項5ないし8のいずれか1項において、前記マスキング層の可視光波長域での吸光度が3.0以上であることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項10

請求項5ないし9のいずれか1項において、前記マスキング層で覆われた部分のガラス基板の表面圧縮応力が、マスキングされていない部分のガラス基板の表面圧縮応力の平均値の80%以上であることを特徴とするディスプレイ用フィルター基板。

請求項11

ディスプレイ用フィルター基板を有するディスプレイ装置において、該ディスプレイ用フィルター基板が請求項1ないし10のいずれか1項のディスプレイ用フィルター基板であることを特徴とするディスプレイ装置。

技術分野

0001

本発明は、ディスプレイの前面に配置されるフィルター用ガラス基板係り、特にプラズマディスプレイ(PDP)用の前面フィルター用に好適なガラス基板に関する。また、本発明は、このディスプレイ用フィルター基板を用いたディスプレイ装置に関する。なお、本発明は、PDPに限らずフィールドエミッションディスプレイ(FED)や陰極線管(CRT)にも適用することができる。

背景技術

0002

プラズマディスプレイ装置では、電磁波遮蔽機能近赤外線カット機能反射防止機能高透過率)のいずれか一種以上の機能を持つ前面フィルターが用いられている。これらの機能を充足させるための技術として、特開平11−307987号公報は、電磁波遮蔽機能として基板の表面抵抗が3Ω以下、近赤外線カット機能として光波長850nmでの透過率が20%以下、反射防止機能(高透過率)として可視光波長領域での透過率が60%以上である、前面フィルター基板を開示している。

0003

前面フィルター基板は表示パネルの前面に配置されるために、一定以上の強度と軽量化とをあわせて要求される。強度とは外力に対する破壊強度のことであり、外力に対するパネルの保護、及び人体が接触した場合の安全の観点から要求される特性である。一般的に強度と軽量化は相反する特性であり、従来はディスプレイ用前面フィルター基板として、これらの相反する特性を両立させることは困難であった。

0004

また、ディスプレイに表示された情報はフィルターを通して視認されるため、フィルターに光学的歪みをもたらす反りやうねりなどの変形はディスプレイの本来機能である表示品位の観点から、厳しく制限されなければならない。ところが、反りなどの変形を抑制することと、上述した強度及び軽量化の課題とは、これまた相反するものであった。すなわち、軽量化のために基板を薄くすれば、剛性不足して変形しやすく、また強度を上げるための強化処理、特に加熱−冷却による強化方法では熱による変形が避け難く、基板の変形(反り)による表示品位の低下を引き起こしていた。以上のように、従来は一定の強度を保ち、表示品位を損なわない軽量なディスプレイ用前面フィルター基板を、工業的に安定して供給することができなかった。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、一定の強度を保ち、表示品位に優れ(即ち、反り、歪みが小さい)、しかも軽量なディスプレイ用フィルター基板と、この基板を用いたディスプレイ装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

請求項1のディスプレイ用フィルター基板は、ガラス基板よりなり、電磁波遮蔽機能、近赤外線カット機能、反射防止機能のうち、一種以上の機能を有するディスプレイ用フィルター基板において、板厚が1.8〜3.2mmであり、該ガラス基板の表面圧縮応力平均値が20〜70MPaであり、該ガラス基板の反り量が1.0%以下であることを特徴とするものである。かかるディスプレイ用フィルター基板は、比較的薄いガラス基板を用いているので、軽量である。また、ガラス基板に適度な表面圧縮応力を与えてあるので、破壊強度が高い。さらに、光学歪みをもたらす反り量が小さいので、表示品位に優れる。

0007

請求項2のディスプレイ用フィルター基板は、請求項1のディスプレイ用フィルター基板において、ガラス基板の表面圧縮応力の平均値が40〜60MPaであることを特徴とするものである。かかるディスプレイ用フィルター基板にあっては、表面圧縮応力の下限値が高く、ガラス基板の強度が高い。また、表面圧縮応力の上限値を適度に低く抑えていることにより、応力を発生させるための加熱温度を低くすることができるので、加熱による変形を小さくでき、表示品位のよいディスプレイ用フィルター基板を得ることができる。

0008

請求項3のディスプレイ用フィルター基板は、請求項1又は2のディスプレイ用フィルター基板において、表面圧縮応力は、ガラス基板を加熱後急冷する(以下、風冷強化という)ことにより生じたものであることを特徴とする。かかるディスプレイ用フィルター基板は、安価に得ることができる。

0009

請求項4のディスプレイ用フィルター基板は、請求項1又は2のディスプレイ用フィルター基板において、表面圧縮応力は、ガラス基板を溶融塩中に浸漬し、ガラス基板中のナトリウムイオンと溶融塩中のカリウムイオンとをイオン交換反応させること(以下、化学強化ということがある。)により生じたものであることを特徴とする。かかるディスプレイ用フィルター基板は、比較的薄いガラス基板であっても適正な強度が付与されている。また、前記風冷強化の場合よりも低温で処理できるので、比較的薄い基板であっても反りなどの変形を抑えることができる。

0010

請求項5のディスプレイ用フィルター基板は、請求項1ないし4のいずれか1項のディスプレイ用フィルター基板において、フィルター基板の周囲の一部または全周に可視光線遮蔽用のマスキング層が形成されているものである。

0011

請求項6のディスプレイ用フィルター基板は、このマスキング層の厚さが35μm以下であることを特徴とする。

0012

請求項7のディスプレイ用フィルター基板は、請求項5又は6において、前記マスキング層が顔料を含んだ低融点ガラス焼付けにより形成されており、且つ該マスキング層の、フィルター基板外縁からの幅が50mm以下であることを特徴とするものである。

0013

この請求項5〜7のようにマスキング層を形成することにより、ディスプレイパネル画面のうち、情報表示に必要のない周辺部を遮光できるので、例えば、パネルの周辺部裏面側に配置された配線回路などを覆い隠し、ディスプレイパネルの美観を向上させることができる。

0014

このマスキング層の厚さが35μm以下である場合、フィルムを基板に貼ってもマスキング層とガラス基板面との段差部分に気泡が生じない。

0015

このマスキング層を顔料を含んだ低融点ガラスで形成する場合、請求項7の通りマスキング層の、フィルター基板外縁からの幅が50mm以下とすることにより、マスキング層の焼付け時に低融点ガラスがガラス基板に影響して反射映像が悪化することが防止される。なお、請求項7のディスプレイ用フィルター基板の通り、マスキング層を低融点ガラスと顔料とを含むものとした場合、マスキング剤塗布工程とガラス基板の風冷強化工程とを連続して行うことができ、加工コストを低く抑えることができると共に、マスキング層とガラス基板を強固に固着させることができる。

0016

請求項8のディスプレイ用フィルター基板は、請求項5又は6において、前記マスキング層が少なくとも熱硬化性樹脂と、顔料又は染料とを含むことを特徴とするものである。かかるディスプレイ用フィルター基板にあっては、前記マスキング剤が熱硬化性樹脂を含むものであるため、比較的低温でマスキング剤をガラス基板に固着できる。従って、風冷強化処理化学強化処理後により基板表面に付与された圧縮応力を損なうことなく、マスキングを施すことができ、加熱による変形を受けにくいため、表示品位を損なうことがない。

0017

請求項9のディスプレイ用フィルター基板は、請求項5ないし8のいずれか1項において、前記マスキング層の可視光波長域での吸光度が3.0以上であることを特徴とするものである。かかるディスプレイ用フィルター基板によれば、マスキング層によりディスプレイパネルの周辺部をきわめて十分に遮光することができる。

0018

請求項10のディスプレイ用フィルター基板は、前記マスキング層で覆われた部分のガラス基板の表面圧縮応力が、マスキングされていない部分のガラス基板の表面圧縮応力の平均値の80%以上であることを特徴とするものである。かかるディスプレイ用フィルター基板にあっては、ガラス基板の周辺においても適正範囲の圧縮応力が保持されている。一般に、ガラス基板の周辺部には破壊の原因となるキズが多いが、この周辺部にも適正範囲の圧縮応力を与えることにより、ディスプレイ用フィルター基板の強度を高いものとすることができる。

0019

本発明(請求項11)のディスプレイ装置は、ディスプレイ用フィルター基板を有するディスプレイ装置において、該ディスプレイ用フィルター基板が請求項1ないし10のいずれか1項のディスプレイ用フィルター基板であることを特徴とするものである。

0020

このディスプレイ装置は、実用上十分な強度を保ち、表示品位を損なわず、かつ軽量なディスプレイ用フィルター基板を備えたディスプレイ装置である。

発明を実施するための最良の形態

0021

本発明のディスプレイ用フィルター基板のガラス基板の材質は、ソーダライムガラスが好適である。

0022

このガラス基板は、板厚が1.8〜3.2mmと比較的薄く、軽量である。板厚が1.8mmよりも小さいと、強度が不足し、3.2mmよりも大きいとガラス基板の重量が過度に大きくなる。

0023

本発明では、ガラス基板の強度を高めるために、好ましくは風冷強化処理又は化学強化処理を施すことにより、ガラス基板の表面圧縮応力の平均値を20〜70MPaとしている。この表面圧縮応力の平均値が20MPaよりも小さいと、ガラス基板の強度が不足する。表面圧縮応力は、強度の観点からはなるべく高いほうが良いのであるが、70MPaよりも高い応力を付与しようとすれば、風冷強化においても化学強化においても基板をより高温に加熱することになり、その結果、熱による変形、即ち反りやうねりが大きくなる。このため、本発明では、表面圧縮応力は20〜70MPaとしている。

0024

なお、この表面圧縮応力を40〜60MPaとする場合、軽量で実用上の安全性を確保できる強度と、実用上許容できる表示品位を合わせ持つフィルター基板を工業的に安定して製造でき、好ましい。表面圧縮応力を与える手段としては、製造コストの点からは基板を加熱後急冷する風冷強化法が望ましく、表示品位を重視する場合には、ガラス基板を風冷強化よりも低温で処理する化学強化法が望ましい。

0025

この応力を得るための風冷強化工程の加熱温度は、520〜560℃とりわけ530〜550℃が好ましい。急冷するときの風圧はおよそ15〜30kPaとりわけ20〜25kPaが好適である。

0026

化学強化処理する場合、溶融塩の温度は400〜450℃とりわけ410〜430℃が好ましい。溶融塩中への浸漬処理時間は2〜6時間とくに約4時間程度が好ましい。ソーダライムガラス中のナトリウムイオンと交換されるカリウムイオンの供給源としては硝酸カリウムの溶融塩が好適に用いられる。

0027

上記の風冷強化処理又は化学強化処理によりガラス基板には反りやうねりが生じるが、本発明ではこの反り量を1.0%以下とすることによりガラス基板の反射映像の向上を図っている。

0028

この反り量は、JIS R3222にしたがって、図1のようにガラス基板1を垂直に立てて置き、基準線2aを設けて、反りの大きさDを測定し,ガラス幅LによりDを除した値の百分率(D/L×100%)として定義される。この反り量は0.8%以下とくに0.6%以下であることが好ましい。

0029

なお、反り量が1.0%以下であっても、うねり即ち局所的な歪みが大きいと反射映像が悪くなる。従って、本発明ではうねり量が1.0%以下とくに0.6%以下であることが好ましい。

0030

このうねり量は、図1に示される通り、うねり(局所的な歪み)の幅(ピッチ)wとそのうねりの大きさdとを測定し、dをwで除した値d/wの百分率(d/w×100%)として定義される。

0031

なお、一般にディスプレイ用フィルター基板の周縁部は、中央部に比べてガラス基板の破壊原因となるキズが多いが、この周縁部における表面圧縮応力がそれよりも中央側の部分の表面圧縮応力の平均値の80%以上とすることにより、該周縁部の強度を十分に高いものとすることができる。

0032

この周縁部には通常マスキング層が設けられ、ディスプレイ用フィルター基板の周縁部の裏側に配置された配線回路などを覆い隠すようにしているが、本発明でもこのマスキング層を設けることが好ましい。

0033

このマスキング層は、例えば低融点ガラスと顔料とを含む調合物をガラス基板に塗布し、必要に応じ乾燥後、加熱してこの低融点ガラスと顔料との混合物をガラス基板に焼付けることにより形成することができる。

0034

この低融点ガラスとしては、軟化点が500℃以下のホウ珪酸鉛ガラス、珪酸鉛ガラス、または鉛(Pb)−珪素(Si)−ホウ素(B)系、亜鉛(Zn)系、ビスマス(Bi)系の結晶化ガラスなどを用いることができる。ホウ珪酸鉛ガラスの組成酸化鉛(PbO)50〜70質量%、酸化珪素(SiO2)30〜40質量%、酸化ホウ素(B2O3)とアルカリ又はアルカリ土類金属酸化物(RxOy)との合計0〜20質量%である。珪酸鉛ガラスの組成は酸化鉛(PbO)50〜70質量%、酸化珪素(SiO2)30〜40質量%、アルカリ又はアルカリ土類金属酸化物(RxOy)0〜20質量%である。顔料としては酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、クロム酸鉛(PbCr2O4)、硫酸鉛(PbSO4)、モリブデン酸鉛(PbMoO4)などから選ばれる1種または複数の材料を混合した無機質顔料が好適である。

0035

塗布のためにこの混合物をペースト状とするための媒体メジウム)としてはパインオイルなどの溶剤や、セルロース系、アクリル系、ロジン系、エステル系樹脂などを用いることができる。

0036

マスキング層がこの低融点ガラスと顔料とを含むものである場合、マスキング層の最大幅が基板の外縁部から50mm以下であることが望ましい。50mmを超えると、風冷強化処理時に基板外周部に熱による変形が発生しやすく、その結果表示品が低下する。これは、加熱過程で、マスキング部のガラス温度が他の部分より高くなるので、急冷時により多くの変形が発生するためであると推察される。

0037

マスキング層は、また、熱硬化性合成樹脂と、顔料及び/又は染料とを含む調合物を顔料に塗布し、必要に応じ乾燥後、加熱して顔料に焼付けることによっても形成することができる。

0038

熱硬化性樹脂は、通常は150℃程度の温度で硬化するため、表面圧縮応力を付加した基板への塗布、硬化が可能であり、熱による変形も発生しにくく、ガラス基板の表示品位が損なわれない。

0040

顔料としては上記と同様の無機質顔料が好適である。染料としてはフタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系の有機物等を用いることができる。塗布のためにこの混合物をペースト状にするための媒体としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートエチレングリコールモノブチルエーテルなどの溶剤を用いることができる。また硬化反応促進剤として変性脂肪族ポリアミン樹脂、N−ブタノールなどを混合してもよい。マスキング層が低融点ガラス及び熱硬化合成樹脂のいずれによって形成される場合においても、マスキング層における顔料や染料の配合量は、十分な遮蔽性能が得られるように選定されればよい。具体的には、マスキング層の吸光度が3.0以上となるように選定されればよい。なお、マスキング層の吸光度が3.0よりも小さいと、マスキング層の遮光性が不足する。この吸光度は4.0以上であることが特に好ましい。この吸光度は、透過率(T)の逆数(1/T)の常用対数である。

0041

マスキング層の色調は、遮光性能の点から黒色使いやすいが、ディスプレイ全体のデザイン上の観点から、赤系、青系、その他の混合色が任意に用いられる。

0042

可視光線遮蔽用マスキング剤をフィルター基板に塗布する方法としては、種々の公知の方法を用いればよいが、特にスクリーン印刷法は大量、安価な生産方法として好適である。

0043

このマスキング層の厚さは35μm以下、特に30μm以下であることが好ましい。マスキング層の厚さが35μmよりも大きいと、マスキング層表面とガラス基板表面との境界部の段差が過大となり、ディスプレイ用フィルター基板の上に電磁波遮蔽用近赤外線カット用又は反射防止用などのフィルムを張った場合にこの段差部分に気泡が残留し易くなる。

0044

本発明のディスプレイ装置は、ディスプレイ用フィルター基板としてかかる本発明のディスプレイ用フィルター基板を用いたものである。このディスプレイ装置としては、プラズマディスプレイ装置、フィールドエミッションディスプレイ装置、陰極線管などが例示される。

0045

<実施例1,2,3,4>ガラス厚1.8mm(実施例1)、2.5mm(実施例2)、3.2mm(実施例43)、2.5mm(実施例4)の基板を1000×600mmのサイズに切断面取りし、外周に幅30mmにわたってホウケイ酸鉛ガラス粉末56質量%部及び、酸化銅(CuO)と酸化クロム(Cr2O3)の複合酸化物よりなる黒色顔料26質量%部並びにパインオイルを主成分とする溶媒18質量%からなるマスキング剤をステンレスワイヤ製の200メッシュスクリーンを用いて塗布した後、室温で乾燥した。加熱炉で搬送速度140mm/秒で搬送しながらそれぞれ555℃(実施例1)、545℃(実施例2)、540℃(実施例3)、530℃(実施例4)に加熱し、風圧20kPaで3秒間急冷した。

0046

表面圧縮応力及び反りは、JIS3222に基づいて測定した。ばらつきは、次式から算出した。最大値−平均値>平均値−最小値の場合;(最大値−平均値)/平均値最大値−平均値<平均値−最小値の場合;(平均値−最小値)/平均値

0047

落球強度ANSI/UL1418に基づいて実施し、サンプルが破損した落球高さを記録した。反射映像は図2のように格子パターンをガラス基板に写してその歪みの程度から判定した。

0048

即ち、図2(a)のような15cmピッチ、線太さ2cmの碁盤目を持つパターンを使用し、図2(b)の位置関係にてガラスに映ったパターンを写真撮影する。そして、限度写真と比較して供試体グレードを判定する。撮影するに際して、同じ位置に135mm望遠レンズ付き35mm判写真機を置いて撮影し、これを11.3倍に引き伸ばした写真を用いる。引き伸ばした写真を標準サンプル(ガラス基板)を用いた場合の写真と対比し、反射映像が良い場合には○とし、悪い場合には×とした。

0049

これらの結果を表1に示す。

0050

<比較例1,2>ガラス厚1.1mm(比較例1)、3.5mm(比較例2)の基板をそれぞれ563℃(比較例1)、535℃(比較例2)に加熱したこと以外は、実施例1〜4と全く同一の方法でマスキング剤塗布及び風冷処理を行った。

0051

<比較例3,4>ガラス厚2.5mmの基板をそれぞれ520℃(比較例3)、560℃(比較例4)に加熱したこと以外は、実施例1〜4と全く同一の方法でマスキング剤塗布及び風冷処理を行った。

0052

<比較例5>ガラス厚2.5mmの基板を搬送速度280mm/秒で搬送しながら545℃に加熱したこと以外は、実施例1〜4と全く同一の方法でマスキング剤塗布及び風冷処理を行った。

0053

表面圧縮応力、反り、落球破壊高さ、反射映像、重量の測定の評価結果を表1に示す。表1の通り、実施例1〜4はいずれも落下破壊高さが高く、反射映像も良好であり、軽量である。

0054

これに対し、比較例1では、ガラス厚みが1.1mmと薄く、落球破壊高さが100cmで規格130cmを満たさず、且つ、反りが大きくなり反射映像も悪化する。

0055

比較例2では、ガラス厚みが3.5mmと厚いため、強度、反り、反射映像は問題ないが、重量が5kg以上となる。

0056

比較例3では、風冷強化処理時の加熱温度が520℃と低いために、表面圧縮応力が15MPaと低い。このため、ディスプレイ用フィルター基板の強度が不足する。

0057

比較例4では、風冷強化処理時の加熱温度が550℃と高いために、逆に、表面圧縮応力が80MPaと高く、強度的には問題ないが、反射映像が悪い。

0058

比較例5では、風冷強化処理時の加熱時間(炉内滞留時間)が短すぎるため、マスキング部の表面圧縮応力低下が透明部の75%と低く、落球破壊高さ125cmで規格を満たさない。

0059

なお、上記実施例1〜4により得られたディスプレイ用フィルター基板のマスキング層の厚さをマイクロメータを用いて、マスキング剤を塗布した部分と塗布していない部分の厚み差から算出したところ、いずれも25μmであった。このディスプレイ用フィルター基板に樹脂フィルムを貼ったところ、マスキング層とガラス基板表面との段差面に気泡は全く生じなかった。

0060

0061

<実施例5>実施例2において、低融点ガラスの代わりに熱硬化合成樹脂及び顔料を主体とする塗布材料を用いてマスキング層を形成した。この塗布材料は、熱硬化性樹脂基材として、エポキシ樹脂30質量%に溶媒のエチレングリコールモノブチルエーテル4質量%を混合したもの、顔料として、クロム酸鉛22質量%、硫酸鉛7質量%、モリブデン酸鉛2質量%の混合物、硬化反応促進剤として、変性脂肪族ポリアミン樹脂22質量%とN−ブタノール3質量%の混合物、粘度調整用の溶剤としてジエチルグリコールモノブチルエーテルアセテート10質量%を配合した物である。

0062

実施例2で用いたものと同一の2.5mm厚のガラス基板を、まず加熱炉で搬送速度140mm/秒で搬送しながら545℃に加熱し、風圧20kPaで3秒間急冷を行った。その後、上記塗布材料をステンレスワイヤ製の200メッシュのスクリーンを用いてガラス基板外周に幅30mmのスクリーン印刷を行い、150℃で30分間乾燥させてマスキング層を形成した。

0063

<実施例6>スクリーン印刷幅を60mmとしたこと以外は、実施例5と同様の方法でマスキング剤塗布及び風冷処理を行ってディスプレイ用フィルター基板を製造した。

0064

<実施例7>加熱炉でガラス基板を加熱急冷する風冷強化処理の代わりに、基板を硝酸カリウム(KNO3)溶融塩中に4Hr浸漬する化学強化処理を行ったこと以外は実施例6と同様の方法でマスキング剤塗布を行ってディスプレイ用フィルター基板を製造した。

0065

<比較例6>スクリーンのメッシュを150メッシュとしたこと以外は実施例2と同様の方法でマスキング剤塗布及び風冷処理を行ってディスプレイ用フィルター基板を製造した。

0066

このスクリーンは、目が粗いのでマスキング剤の塗布量が多くなり、その結果、マスキング層の厚さは42μmと大きくなった。このため、このディスプレイ用フィルター基板にフィルムを貼ったところ、マスキング層とガラス基板表面との段差部に気泡が生じた。

0067

<比較例7>スクリーンのメッシュを325メッシュとしたこと以外は実施例2と同様の方法でマスキング剤塗布、風冷処理を行ってディスプレイ用フィルター基板を製造した。

0068

このスクリーンは目が細かいので、マスキング剤の塗布量が少なくなり、その結果、マスキング層の厚さは13μmと薄くなった。そして、この結果、マスキング層の可視光吸光度は2.5とかなり低い値となった。

0069

<比較例8>印刷幅を60mmとしたこと以外は実施例2と同様の方法でマスキング剤塗布及び風冷処理を行ってディスプレイ用フィルター基板を製造した。

0070

このマスキング層は幅が50mmよりも大きく、広すぎる。この結果、低融点ガラスがガラス基板に影響し、反射映像の悪化が認められた。

0071

上記実施例2、5〜7及び比較例6〜8のディスプレイ用フィルター基板の特性測定結果を表2にまとめて示す。

0072

表2の通り、実施例2、5〜7はいずれも可視光吸光度が高く、マスキング効果が十分である。また、反射映像が良好であり、フィルムを貼った際の気泡発生もない。

0073

これに対し、前述の通り、比較例6ではマスキング層が厚すぎるためにフィルムを貼ったときに気泡が発生し、比較例7ではマスキング層が薄すぎるためにマスキング効果が不十分であり、比較例8ではマスキング層の幅が大きすぎるために反射映像が悪い。

0074

実施例6,7では、マスキング層の幅が60mmと大きいが、マスキング層は熱硬化性合成樹脂を用いて形成されたものであるため、反射映像は良好である。とくに、実施例7は化学強化処理により表面圧縮応力を付与したものであるため、ガラス基板の反りやうねりが小さくなることに起因して、反射映像がきわめて良好なものとなる。

0075

発明の効果

0076

本発明によれば、一定の強度を持ち、表示品位を低下させない軽量なディスプレイ用前面フィルターガラス基板と、このディスプレイ用フィルター基板を用いたディスプレイ装置が提供される。

図面の簡単な説明

0077

図1ガラス基板の反り及びうねりの測定方法の説明図である。
図2反射映像の測定法の説明図である。

--

0078

1ガラス基板
2a,2b 基準線

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