図面 (/)

技術 電子写真感光体、それに用いるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物、その中間体、およびそれらの製造方法

出願人 シャープ株式会社
発明者 近藤晃弘小幡孝嗣
出願日 2000年9月20日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-285348
公開日 2002年3月27日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2002-091035
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体 フラン系化合物
主要キーワード アルミ基盤 アルカリ性溶剤 ポリアリレート層 アルマイト加工 導電性加工 電荷移動層用塗布液 ドクターブレイド 総コピー枚数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年3月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体、その電荷移動物質として用いられるベンゾ[b]フラン骨格母核とする新規ベンゾフランヒドラゾン化合物、その中間体、およびそれらの効率のよい製造方法を提供する。

解決手段

電子写真感光体において、導電性支持体1上に設けられた感光層4中に、電荷移動物質3としてベンゾフラン骨格を母核とする新規なベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有する。新規なベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、ベンゾ[b]フランアルデヒド化合物ハロゲン化合物とを反応させて製造する。そのベンゾ[b]フランアルデヒド化合物は、ベンゾ[b]フラン化合物フォルミル化して製造する。

概要

背景

電子写真技術は、即時性があり、高画質の画像が得られるので、近年では複写機の分野に留まらず、各種プリンタの分野でも使用され、その応用範囲はますます広がっている。電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称す)の分野では、その光導電性材料として古くは、セレニウムヒ素、セレニウム合金、セレニウム−テルル合金硫化カドミウムおよび酸化亜鉛などの無機系の材料が用いられていた。しかしながら、近年ではこのような無機系の材料に代わり、無公害、良好な成膜性および製造の容易さなどの利点を有する有機系の光導電性材料を主体とする有機感光体が開発されるようになった。

有機感光体の中でも電荷発生物質から構成される電荷発生層電荷移動物質から構成される電荷移動層との2層を順次積層した、いわゆる積層型感光体考案され、研究の主流となっている。すなわち積層型感光体では、所望の電荷発生層を効率よく構成し得る電荷発生物質と、所望の電荷移動層を効率よく構成し得る電荷移動物質とを組合わせることによって、
1.より高感度な感光体が得られること、
2.材料の選択範囲が広く、安全性の高い感光体が得られること、
3.塗布の生産性が高く、比較的原価面でも有利であること、
などの点から、感光体の主流となっている。またその耐刷性能総コピー枚数が20万枚以上、1分間のコピー速度も70枚以上といった、高耐刷および高速性能を有する複写機まで市販されている。

このように、これまで実用化されている有機系積層型感光体の中には優れた性能を有する感光体もあるが、大部分はその性能を追及する上で、感光体製造に関する種々の問題点を今なお抱えているのが現状である。

それらの具体的な問題点の中で、電荷移動物質に関わるものをいくつか列挙すると、
1.バインダポリマに対する相溶性が低いこと、
2.結晶析出しやすいこと、
3.繰返し使用した場合に感度変化が生じること、
4.帯電能および繰返し特性が悪いこと、
5.残留電位特性が悪いこと、
などが挙げられる。

このような電荷移動物質の中から代表的なものについて、その構造的な特徴から分類すると、まず初期において、アリレン基(その開発初期においてはほとんどが単なるフェニレン基であった)をその中心母核に有するヒドラゾン系(特開昭54−59143号公報)、スチルベンスチリル系(特開昭58−198043号公報)およびトリアリールアミン系(特公昭58−32372号公報)が精力的に研究された。その後、単環式複素環系をその中心母核に有する一連化合物群フェノチアジン系トリアゾール系、キノキサリン系、オキサジアゾール系、オキサゾール系、ピラゾリン系、ジヒドロニコチンアミド化合物インドリン化合物およびセミカルバゾン化合物などが開発されるようになった。最近では縮合多環式炭化水素系をその中心母核に有する、ピレン誘導体ナフタレン誘導体およびフェナントレン誘導体(特開平5−148209〜148211号公報)などが開発されている。

概要

高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体、その電荷移動物質として用いられるベンゾ[b]フラン骨格を母核とする新規ベンゾフランヒドラゾン化合物、その中間体、およびそれらの効率のよい製造方法を提供する。

電子写真感光体において、導電性支持体1上に設けられた感光層4中に、電荷移動物質3としてベンゾフラン骨格を母核とする新規なベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有する。新規なベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、ベンゾ[b]フランアルデヒド化合物ハロゲン化合物とを反応させて製造する。そのベンゾ[b]フランアルデヒド化合物は、ベンゾ[b]フラン化合物フォルミル化して製造する。

目的

本発明の目的は、高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体、その電荷移動物質として用いられるベンゾ[b]フラン骨格を母核とする新規なベンゾフラン−ヒドラゾン化合物、その中間体、およびそれらの効率のよい製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

導電性支持体上に設けられた感光体層中に、電荷移動物質として下記一般式(I)で示されるベンゾフランヒドラゾン化合物を含有していることを特徴とする電子写真感光体

請求項

ID=000003HE=025 WI=066 LX=0270 LY=0600(式中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基または置換基を含んでもよい2価の複素環基を示す。Ar2、Ar3およびAr4は、各々、置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基または置換基を含んでもよいアラルキル基を示す。aは置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜5の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一であってもよく、異なってもよく、互いに環を形成してもよい。)

請求項2

前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が、下記一般式(II)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。

請求項

ID=000004HE=030 WI=073 LX=0235 LY=1700(式中、bは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜4の整数を示す。ただしmが2以上のとき、複数のbは同一であってもよく、異なってもよい。Arl、Ar2、Ar3、Ar4、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である。)

請求項3

前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が、下記一般式(III)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。

請求項

ID=000005HE=030 WI=077 LX=1115 LY=0300(式中、dは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、lは1〜5の整数を示す。ただしlが2以上のとき、複数のdは同一であってもよく、異なってもよい。Ar3、Ar4、a、b、nおよびmは、一般式(II)において示したものと同義である。)

請求項4

前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が、下記一般式(IV)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。

請求項

ID=000006HE=030 WI=080 LX=1100 LY=1250(式中、eは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子と示し、kは1〜5の整数を示す。ただしkが2以上のとき、複数のeは同一であってもよく、異なってもよい。Ar3、Ar4、a、b、nおよびmは、一般式(III)において示したものと同義である。)

請求項5

前記感光層が、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記電荷移動物質を含有する電荷移動層との積層構造から成ることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1記載の電子写真感光体。

請求項6

前記感光層が、電荷発生物質と前記電荷移動物質とを含有する単一層から成ることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1記載の電子写真感光体。

請求項7

下記一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物。

請求項

ID=000007HE=025 WI=066 LX=1170 LY=2550(式中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基または置換基を含んでもよい2価の複素環基を示す。Ar2、Ar3およびAr4は、各々、置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基または置換基を含んでもよいアラルキル基を示す。aは置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜5の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一であってもよく、異なってもよく、互いに環を形成してもよい。)

請求項8

下記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物

請求項

ID=000008HE=020 WI=074 LX=0230 LY=1100(式中、Arl、Ar2、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である)。

請求項9

下記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物と、下記一般式(VI)で示されヒドラジン化合物とを反応させて、下記一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を生成することを特徴とするベンゾフラン−ヒドラゾン化合物の製造方法。

請求項

ID=000009HE=025 WI=066 LX=0270 LY=1750(式中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基または置換基を含んでもよい2価の複素環基を示す。Ar2、Ar3およびAr4は、各々、置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基または置換基を含んでもよいアラルキル基を示す。aは置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜5の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一であってもよく、異なってもよく、互いに環を形成してもよい。)

請求項

ID=000010HE=020 WI=074 LX=1130 LY=0300

請求項

ID=000011HE=010 WI=046 LX=1270 LY=0550(式(V)および(VI)中、Arl、Ar2、Ar3、Ar4、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である)。

請求項10

下記一般式(VII)で示されるベンゾ[b]フラン化合物フォルミル化反応により、下記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物に変換することを特徴とするベンゾ[b]フランアルデヒド化合物の製造方法。

請求項

ID=000012HE=020 WI=074 LX=1130 LY=1100

請求項

ID=000013HE=015 WI=051 LX=1245 LY=1350(式(V)および(VII)中、Arl、Ar2、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である)。

技術分野

0001

本発明は、電子写真プロセスに使用される電子写真感光体、それに好適に用いられるベンゾフランヒドラゾン化合物、その中間体、およびそれらの製造方法に関する。

背景技術

0002

電子写真技術は、即時性があり、高画質の画像が得られるので、近年では複写機の分野に留まらず、各種プリンタの分野でも使用され、その応用範囲はますます広がっている。電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称す)の分野では、その光導電性材料として古くは、セレニウムヒ素、セレニウム合金、セレニウム−テルル合金硫化カドミウムおよび酸化亜鉛などの無機系の材料が用いられていた。しかしながら、近年ではこのような無機系の材料に代わり、無公害、良好な成膜性および製造の容易さなどの利点を有する有機系の光導電性材料を主体とする有機感光体が開発されるようになった。

0003

有機感光体の中でも電荷発生物質から構成される電荷発生層電荷移動物質から構成される電荷移動層との2層を順次積層した、いわゆる積層型感光体考案され、研究の主流となっている。すなわち積層型感光体では、所望の電荷発生層を効率よく構成し得る電荷発生物質と、所望の電荷移動層を効率よく構成し得る電荷移動物質とを組合わせることによって、
1.より高感度な感光体が得られること、
2.材料の選択範囲が広く、安全性の高い感光体が得られること、
3.塗布の生産性が高く、比較的原価面でも有利であること、
などの点から、感光体の主流となっている。またその耐刷性能総コピー枚数が20万枚以上、1分間のコピー速度も70枚以上といった、高耐刷および高速性能を有する複写機まで市販されている。

0004

このように、これまで実用化されている有機系積層型感光体の中には優れた性能を有する感光体もあるが、大部分はその性能を追及する上で、感光体製造に関する種々の問題点を今なお抱えているのが現状である。

0005

それらの具体的な問題点の中で、電荷移動物質に関わるものをいくつか列挙すると、
1.バインダポリマに対する相溶性が低いこと、
2.結晶析出しやすいこと、
3.繰返し使用した場合に感度変化が生じること、
4.帯電能および繰返し特性が悪いこと、
5.残留電位特性が悪いこと、
などが挙げられる。

0006

このような電荷移動物質の中から代表的なものについて、その構造的な特徴から分類すると、まず初期において、アリレン基(その開発初期においてはほとんどが単なるフェニレン基であった)をその中心母核に有するヒドラゾン系(特開昭54−59143号公報)、スチルベンスチリル系(特開昭58−198043号公報)およびトリアリールアミン系(特公昭58−32372号公報)が精力的に研究された。その後、単環式複素環系をその中心母核に有する一連化合物群フェノチアジン系トリアゾール系、キノキサリン系、オキサジアゾール系、オキサゾール系、ピラゾリン系、ジヒドロニコチンアミド化合物インドリン化合物およびセミカルバゾン化合物などが開発されるようになった。最近では縮合多環式炭化水素系をその中心母核に有する、ピレン誘導体ナフタレン誘導体およびフェナントレン誘導体(特開平5−148209〜148211号公報)などが開発されている。

発明が解決しようとする課題

0007

前述のように電荷移動物質として、数多くの有機化合物が開発されているにもかかわらず、先に挙げた問題点をすべて満足する有機化合物はなく、感光体として要求される基本的な性質、さらには機械的強度および高耐久性などを充分満足するものは、まだ充分に得られていないのが現状である。

0008

またフェナントレン誘導体の場合には、その誘導体を合成する際、
1)出発原料推定されるフェナントレン−9−カルボアルデヒドが非常に高価であること、
2)ヒドラゾン部分とスチリル部分とを順次導入するための母核の連結部分が共に同じアルデヒド基であるので、最初の側鎖を導入する際にどうしても副生成物として2つの同じ側鎖が導入された化合物が生成し、化合物精製の手間がかかり、反応収率が低下すること、などの種々の問題点が指摘される。

0009

本発明の目的は、高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体、その電荷移動物質として用いられるベンゾ[b]フラン骨格を母核とする新規なベンゾフラン−ヒドラゾン化合物、その中間体、およびそれらの効率のよい製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、導電性支持体上に設けられた感光体層中に、電荷移動物質として下記一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有していることを特徴とする電子写真感光体である。

0011

0012

(式中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基または置換基を含んでもよい2価の複素環基を示す。Ar2、Ar3およびAr4は、各々、置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基または置換基を含んでもよいアラルキル基を示す。aは置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜5の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一であってもよく、異なってもよく、互いに環を形成してもよい。)

0013

本発明に従えば、電荷移動物質として一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有することによって、高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体を提供することができる。すなわち該ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は広い共役系を有しているため、電荷移動度を高くして電子写真感光体の残留電位特性を向上させることができる。また該ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、バインダポリマとの相溶性に優れいるため、感光層中に多量に含有させて電子写真感光体の光感度を向上させることができる。さらに該ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は結晶として析出しにくいので、電子写真感光体の繰返し使用時の特性を安定させることができる。

0014

また本発明は、前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が、下記一般式(II)で示される化合物であることを特徴とする。

0015

0016

(式中、bは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜4の整数を示す。ただしmが2以上のとき、複数のbは同一であってもよく、異なってもよい。Arl、Ar2、Ar3、Ar4、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である。)

0017

本発明に従えば、電荷移動物質として一般式(I)と同様の特性を有する一般式(II)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有することによって、高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体を提供することができる。

0018

また本発明は、前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が、下記一般式(III)で示される化合物であることを特徴とする。

0019

0020

(式中、dは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、lは1〜5の整数を示す。ただしlが2以上のとき、複数のdは同一であってもよく、異なってもよい。Ar3、Ar4、a、b、nおよびmは、一般式(II)において示したものと同義である。)

0021

本発明に従えば、電荷移動物質として一般式(I)と同様の特性を有する一般式(III)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有することによって、高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体を提供することができる。

0022

また本発明は、前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が、下記一般式(IV)で示される化合物であることを特徴とする。

0023

0024

(式中、eは置換基を含んでもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子と示し、kは1〜5の整数を示す。ただしkが2以上のとき、複数のeは同一であってもよく、異なってもよい。Ar3、Ar4、a、b、nおよびmは、一般式(III)において示したものと同義である。)

0025

本発明に従えば、電荷移動物質として一般式(I)と同様の特性を有する一般式(IV)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有することによって、高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体を提供することができる。

0026

また本発明は、前記感光層が、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記電荷移動物質を含有する電荷移動層との積層構造から成ることを特徴とする。

0027

本発明に従えば、積層構造の感光層の電荷移動層に、前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を電荷移動物質として含有することによって、高感度かつ高耐久性を有する積層型の電子写真感光体を提供することができる。

0028

また本発明は、前記感光層が、電荷発生物質と前記電荷移動物質とを含有する単一層から成ることを特徴とする。

0029

本発明に従えば、単一層の感光層に、前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を電荷移動物質として含有することによって、正帯電においても優れた感度および繰返し特性を有する単層型の電子写真感光体を提供することができる。

0030

また本発明は、下記一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物である。

0031

0032

(式中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基または置換基を含んでもよい2価の複素環基を示す。Ar2、Ar3およびAr4は、各々、置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基または置換基を含んでもよいアラルキル基を示す。aは置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜5の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一であってもよく、異なってもよく、互いに環を形成してもよい。)

0033

本発明に従えば、一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、広い共役系を有し、バインダポリマとの相溶性に優れ、結晶として析出しにくいという特徴を有することによって、高感度かつ高耐久性を有する電子写真感光体用の電荷移動物質として用いることができる化合物を提供することができる。すなわち該ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を電子写真感光体の電荷移動物質として用いれば、広い共役系を有することによって、電荷移動度を高くして電子写真感光体の残留電位特性を向上させることができる。またバインダポリマとの相溶性に優れていることによって、感光層中に多量に含有させて電子写真感光体の光感度を向上させることができる。さらに結晶として析出しにくいことによって、電子写真感光体の繰返し使用時の特性を安定させることができる。

0034

また本発明は、下記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物である。

0035

0036

(式中、Arl、Ar2、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である)。

0037

本発明に従えば、一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物を用いれば、電子写真感光体の電荷移動物質として優れるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を極めて容易に高収率で製造することができる。

0038

また本発明は、下記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物と、下記一般式(VI)で示されハロゲン化合物とを反応させて、下記一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を生成することを特徴とするベンゾフラン−ヒドラゾン化合物の製造方法である。

0039

0040

(式中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基または置換基を含んでもよい2価の複素環基を示す。Ar2、Ar3およびAr4は、各々、置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基または置換基を含んでもよいアラルキル基を示す。aは置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜5の整数を示す。ただしnが2以上のとき、複数のaは同一であってもよく、異なってもよく、互いに環を形成してもよい。)

0041

0042

0043

(式中、Arl、Ar2、Ar3、Ar4、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である)。

0044

本発明に従えば、一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物と、一般式(VI)で示されるヒドラジン化合物とを反応させることによって、電子写真感光体の電荷移動物質として優れるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を極めて容易に高収率で製造することができる。

0045

また本発明は、下記一般式(VII)で示されるベンゾ[b]フラン化合物フォルミル化反応により、下記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物に変換することを特徴とするベンゾ[b]フランアルデヒド化合物の製造方法である。

0046

0047

0048

(式中、Arl、Ar2、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である)。

0049

本発明に従えば、前記ベンゾ[b]フラン化合物をフォルミル化することことによって、電子写真感光体の電荷移動物質として優れるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を、極めて容易に高収率で製造するために用いられるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物を製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0050

以下、本発明の実施の形態について説明する。

0051

本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、下記一般式(I)で示される。

0052

0053

一般式(I)中、Ar1は置換基を含んでもよいアリレン基または置換基を含んでもよい2価の複素環基を示す。

0054

Ar1の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基およびピリジレン基などが挙げられる。

0055

前記一般式(I)中、Ar2、Ar3およびAr4は置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基、置換基を含んでもよいアラルキル基、Ar2、Ar3およびAr4の具体例としては、フェニルトリルメトキシフェニルナフチルピレニルおよびビフェニルなどのアリール基、ベンゾフリルベンチアゾリルベンゾオキサゾリルおよびN−エチレンカルバゾリルなどの複素環基、メチルベンジルメトキシベンジルおよび2−チエニルメチルなどのアラルキル基が挙げられる。

0056

また前記一般式(I)中、aは置換基を含んでもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のフルオロアルキル基、置換基を含んでもよい炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示す。

0057

aの具体例としては、メチルエチル、n−プロピルおよびイソプロピルなどのアルキル基、メトキシエトキシ、n−プロポキシおよびイソプロポキシなどのアルコキシ基、ジメチルアミノジエチルアミノおよびジイソプロピルアミノなどのジアルキルアミノ基、ならびにフッ素塩素および臭素などのハロゲン原子などが挙げられる。一般的に電子供与性の置換基が好ましい。

0058

さらに前記一般式(I)中、nは1,2,3,4または5を示す。ただしnが2以上の場合、前述のaは、複数のaが同一のものであってもよく、異なるものであってもよく、互いに環を形成してもよい。

0059

特に、一般式(I)で示されるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物のうち、電子写真感光体に用いる上での電子写真特性、原価および製造などの観点から優れたものとして、Ar1はフェニレン基またはナフチレン基、Ar2がフェニル基、p−メチルフェニル基またはナフチル基、aが水素原子であるものが挙げられる。

0060

前記一般式(I)で示される本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物の具体例としては、たとえば以下の表1〜表3に示す構造を有するベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が挙げられるが、これによって本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が限定されるものではない。

0061

0062

0063

0064

本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、たとえば以下のようにして容易に製造することができる。

0065

まず下記一般式(VII)で示されるベンゾ[b]フラン化合物を用いて、フォルミル化反応を行うことによって、下記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物を製造する。

0066

0067

0068

一般式(VII)および一般式(V)中、Ar1、Ar2、aおよびnは一般式(I)において示したものと同義である。

0069

このフォルミル化反応は、たとえばN,N−ジメチルフォルムアルデヒドおよび1,2−ジクロロエタンなどの溶剤中、オキシ塩化リン/N,N−ジメチルフォルムアルデヒド、オキシ塩化リン/N−メチル−N−フェニルフォルムアルデヒドまたはオキシ塩化リン/N,N−ジフェニルフォルムアルデヒドによって調整したビルスマイヤー試薬1.0当量〜1.3当量を、一般式(VII)で示されるベンゾ[b]フラン化合物1.0当量とともに、60℃〜110℃で2時間〜8時間加熱撹拌することによって行われる。

0070

前記フォルミル化反応によって得られた前記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物と、下記一般式(VI)で示されるヒドラジン化合物とを反応させることによって、本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を合成することができる。

0071

0072

一般式(VI)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、aおよびnは、一般式(I)において示したものと同義である。

0073

このヒドラジン試薬との反応は、たとえば、エタノールメタノールテトラヒドロフランエチレングリコールジメチルエーテルおよび1,4−ジオキサンなどの溶剤中において、前記一般式(V)で示されるベンゾ[b]フランアルデヒド化合物1.0当量と、前記一般式(VI)で示されるヒドラジン試薬またはその塩酸塩1.0当量〜1.2当量とを、酢酸などの有機酸、または酢酸ナトリウムおよび酢酸カリウムなどの有機塩触媒量0.001当量〜0.1当量)とともに、60℃〜110℃で2時間〜8時間加熱撹拌することによって行われる。この反応によって、本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が合成される。

0074

本発明による電子写真感光体は、感光層の電荷移動物質として、前述のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を1種類以上含有し、場合によっては他の電荷移動物質として、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物およびトリフェニルアミン化合物などを含有してもよい。スチリル化合物としては、たとえばβ−フェニル−[4−(ベンジルアミノ)]スチルベン、β−フェニル−[4−(N−エチル−N−フェニルアミノ)]スチルベンおよび1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニルブタジエンなどが挙げられる。ヒドラゾン化合物としては、たとえば4−(ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−(エチルフェニルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−ジ(p−トリルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンおよび3,3−ビス−(4’−ジエチルアミノフェニル)−アクロレイン−N,N−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。トリフェニルアミン化合物としては、たとえば4−メトキシ−4’−(4−メトキシスチリル)トリフェニルアミンおよび4−メトキシ−4’−スチリルトリフェニルアミンなどを含有させることもできる。

0075

本発明による電子写真感光体の層構成は、以下に示すような種々の態様をとることができる。

0076

図1は、電荷発生層5上に電荷移動層6を有する機能分離型感光層を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図である。導電性支持体1上に、感光層4として電荷発生物質2を主成分としてバインダポリマ中に分散させたキャリア発生層5と、電荷移動物質3を主成分としてバインダポリマ中に分散させた電荷移動層6との積層から成る機能分離型感光体である。電荷発生層5の表面に電荷移動層6が形成され、この電荷移動層6中に電荷移動物質3として、本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が含有される。

0077

図2は、電荷移動層6上に電荷発生層5を有する機能分離型感光層である。図1と同様の電荷発生層5と、電荷移動層6との積層から成る機能分離型感光体であるが、図1とは逆に電荷移動層6の表面に電荷発生層5が形成され、この電荷移動層6中に電荷移動物質3として、本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が含有される。

0078

図3は、分散型感光層を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図である。導電性支持体1上に、感光層4として電荷発生層2と電荷移動層物質3とをバインダ中に分散させた単層から成る単層形感光体の構成を示す。

0079

図4は、図3の電子写真感光体において表面保護層7を有する例を示す断面図である。導電性支持体1と図3と同様の感光層14上に表面保護層7を設け、単層から成る単層型感光体の構成を示す。

0080

図5は、図1の電子写真感光体において中間層8を有する例を示す断面図である。導電性支持体1と図1と同様の感光層4との間に中間層8を設け、積層から成る機能分離型感光体の構成を示す。

0081

前述のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を電子写真感光体に用いるには、種々の方法が考えられる。たとえば、図1のようにキャリア発生効率の高い電荷発生層5と電荷移動層とから成る積層構造の形態において、導電性支持体上に増感染料アゾ系顔料およびフタロシアニン系顔料を代表とする顔料を主体とする電荷発生層5を設ける。該電荷発生層5上に、前述のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を、必要に応じて酸化防止剤電子吸引性化合物を添加して、バインダポリマ中に溶解または分散させた電荷移動層を設けて成る積層型の機能分離型感光体とする。また前述のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物と増感染料とを、必要に応じて化学増感剤や電子吸引性化合物を添加して、バインダポリマ中に溶解または分散させた塗布液を、図3のように導電性支持体1上に塗布して成る単層型感光体とする。このように本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、これらのいずれの場合にも適用することが可能である。

0082

本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いて感光体を作製するに際しては、金属ドラム金属板導電性加工を施した紙およびプラスチックフィルムなどの支持体上へ、バインダポリマの助けを借り被膜にする。この場合、さらに感度を上げるためには、後述するような、増感剤およびバインダポリマに対する可塑性を付与する物質を加えて、均一な感光体被膜にすることが望ましい。

0083

前記バインダポリマとしては、利用分野に応じて種々のものが挙げられる。すなわち複写機用またはプリンタ用感光体の分野では、ポリスチレン樹脂ポリビニルアセタール樹脂ポリスルホン樹脂ポリカーボネート樹脂ポリフェニレンオキサイド樹脂ポリエステル樹脂アルキッド樹脂およびポリアリレート樹脂などが望ましい。これらの樹脂は、単独または2種以上混合して用いてもよい。特にポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリフェニレンオキサイド樹脂などは、体積抵抗値が1013Ω以上で、また、被膜性および電位特性などにも優れている。

0084

これらのバインダポリマの添加量は、前述のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物に対して、重量比で0.2〜20倍の割合が好ましく、より好ましくは0.5〜5倍の範囲である。0.2倍未満になるとベンゾフラン−ヒドラゾン化合物が感光体表面から析出してくるという欠点が生じ、20倍を超えると著しい感度低下まねく

0085

印刷版に使用するためには、特にアルカリ性バインダポリマが必要である。アルカリ性バインダポリマとは、水もしくは水との混合系を含むアルコール性アルカリ性溶剤に可溶な酸性基を有する高分子物質である。可溶な酸性基としては、たとえば酸無水物基カルボキシル基フェノール性水酸基スルホン酸基スルホンアミド基およびスルホンイミド基などである。これらのアルカリ性バインダポリマは、通常、酸価が100以上の高い値をもっていることが好ましい。酸価の大きなバインダポリマは、アルカリ性溶剤に易溶または容易に潤滑化する。そのようなバインダポリマとしては、たとえばスチレン無水マレイン酸共重合体酢酸ビニル:無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル:クロトン酸共重合体メタクリル酸メタクリル酸エステル共重合体フェノール樹脂およびメタクリル酸:スチレン:メタクリル酸エステル共重合体などである。これらの樹脂は、光導電性有機物質に対して、複写機感光体の場合と同程度の割合で加える。

0086

前記増感染料としては、メチルバイオレットクリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどで代表されるトリフェニルメタン系染料エリスロシンローダミンBローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、その他シニアン染料、スチリル染料ピリリウム塩染料、ならびにチオピリリウム塩染料などがある。

0087

また感光層において、光吸収によって極めて高い効率でキャリアを発生させる光導電性の顔料としては、各種金属フタロシアニン無金属フタロシアニンおよびハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン酸顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、その他キナクリドン系顔料、ならびにアントラキノン系顔料などがある。特にキャリアを発生する顔料に、無金属フタロシアニン顔料チタニルフタロシアニン顔料フロレンやフロレノン環を含有するビスアゾ顔料芳香族アミンから成るビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料を用いたものは高い感度を示す優れた電子写真感光体を与える。

0088

また前記増感染料をキャリア発生物質として用いてもよい。前述の染料は、単独で使用してもよいが、顔料を共存させることによってさらに高い効率でキャリアを発生させる場合が多い。

0089

前述のような増環剤とは別に、繰返し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下および感度の低下などを防止する目的で、種々の化学部質を添加する必要が生じる場合がある。これらのための添加物質としては、1−クロルアントラキノンベンゾキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、ナフトキノン、4,4’−ジニトロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニルアクリル酸エチル、9−アントラニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−1−(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロルフェニル)エチレンおよび2,7−ジニトロフルオレノンなどの電子吸収性化合物が挙げられる。その他、感光体中への添加物として、酸化防止剤、カール防止剤およびレベリグ剤などを必要に応じて添加することができる。

0090

本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物は、前述のような感光体の形態に応じて前述の種々の添加物質とともに、適当な溶剤中に溶解または分散して塗布液を調製し、その塗布液を導電性支持体1上に塗布して乾燥することによって、感光体を製造する。塗布液の溶剤としては、ベンゼントルエンキシレンおよびモノクロベンゼンなどの芳香族炭化水素ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシメチルエーテル、ならびにジメチルホルムアミドなどの単独溶剤または2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらの溶剤には、必要に応じてアルコール類アセトニトリルおよびメチルエチルケトンなどの溶剤をさらに加えて使用することができる。

0091

導電性支持体1と感光層4または14との間に設けられる中間層(8)は、保護機能接着機能を付与し、塗工性を高め、さらには基盤から感光層への電荷注入改善を目的としたものであり、このような材料としては、カゼインポリビニルブチラールポリビニルアルコールニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマーポリアミドナイロン6ナイロン66、ナイロン610。共重合ナイロンアルコキシメチルナイロンなど)、ポリウレタンゼラチン酸化アルミニウムなどが適当である。

0092

以下、本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物の製造例および本発明による電子写真感光体について、実施例に基づいて具体的に説明する。本発明はこれにより何ら限定されるものではない。

0093

(製造例)まず、ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物のアルデヒド中間体である5−フォルミル−2−(4’−(ビス(p−トリル)アミノ)フェニル)ベンゾ[b]フランを製造した。無水N,N−ジメチルフォルムアルデヒド100ml中に、氷冷下で7.1g(1.2当量)のオキシ塩化リンを徐々に加えて約30分間撹拌し、ビルスマイヤー試薬を調整した。調製したビルスマイヤー試薬の中に氷冷下、2−(4’−(ビス(p−トリル)アミノ)フェニル)ベンゾ[b]フラン15.0g(1.0当量)を徐々に加えた。すべて加えた後、反応温度を80℃まで徐々に加熱し、同温で3時間加熱撹拌を続けた。薄層クロマトグラフィーTLC)にて反応の進行状況を確認し、原料が全て消失した時点で加熱を停止して放冷した。放冷した反応溶液を、冷4N−水酸化ナトリウム水溶液800ml中へ徐々に加えた。生じた沈殿濾別して充分に水洗した後、エタノール/酢酸エチルより再結晶し、黄色パウダー状の5−フォルミル−2−(4’−(ビス(p−トリル)アミノ)フェニル)ベンゾ[b]フラン13.8gを得た。収率は85.8%であった。

0094

このようにして得られた5−フォルミル−2−(4’−(ビス(p−トリル)アミノ)フェニル)ベンゾ[b]フランの構造は、1H−NMR、通常13C−NMRおよびDEPT135 13C−NMRを測定することにより確認した。

0095

図6は、重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を合成するためのアルデヒド中間体の1H−NMRスペクトルである。図7は、重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を合成するためのアルデヒド中間体の通常13C−NMRスペクトルである。図8は、重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を合成するためのアルデヒド中間体のDEPT135での13C−NMRスペクトルである。これらのNMRシグナルは、5−フォルミル−2−(4’−(ビス(p−トリル)アミノ)フェニル)ベンゾ[b]フランの構造をよく支持している。

0096

次に、5−フォルミル−2−(4’−(ビス(p−トリル)アミノ)フェニル)ベンゾ[b]フラン1.0g(1.0当量)をエタノール6mlに溶解し、N−フェニル−N−メチルヒドラジン0.35g(1.2当量)と、触媒として酢酸0.05mlとを室温にて加え、その後60〜70℃に保って5時間、加熱撹拌した。反応の終了を(TLC)により確認した後、放冷し、生じた固形物を濾別してエタノールで洗浄した。この固形物をエタノールより再結晶し、目的とするベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No1)1.15gの黄色結晶を得た。収率は92.0%であった。

0097

このようにして得れらたベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No1)の構造は、1H−NMR、通常13C−NMRおよびDEPT135 13C−NMRを測定することにより確認した。

0098

図9は、重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No.1)の1H−NHRスペクトルである。図10は、重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No.1)の通常13C−NMRスペクトルである。図11は、重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No.1)のDEPT135での13C−NMRスペクトルである。これらのNMRシグナルは、目的とするベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No1)の構造をよく支持している。

0099

(実施例1〜4、比較例)図1に示した電荷移動層6に、電荷移動物質3として、例示化合物No1、4、12および23で示したベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有する実施例1〜4、ならびに従来公知の4−(ジエチルアミノ)−ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンを含有する比較例の5種類の積層型の電子写真感光体を製造した。

0100

フェノキシ樹脂PKHH:ユニオンカーバイド社製)の1%THF(テトラヒドロフラン)溶液中に、下記構造式(VIII)で示されるビスアゾ顔料を、重量比で樹脂と同量加え、ペイントコンディショナーレッドビル社製)の中で直径1.5mmのガラスビーズとともに約2時間分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。調製した電荷発生層用塗布液を、ドクターブレイド法により、アルミ蒸着ポリエステルフィルム薄膜80μm)の支持体上に塗布して乾燥し、電荷発生層を形成した。乾燥後の電荷発生層の膜厚は0.2μmであった。

0101

0102

例示化合物No1,No4、No12もしくはNo23で示したベンゾフラン−ヒドラゾン化合物、または4−(ジエチルアミノ)−ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンを1gと、ポリアリレート樹脂(U−100:ユニチカ社製)1.2gとを、THFに溶解した15%溶液を調製し、5種類の電荷移動層用塗布液とした。各電荷移動層用塗布液を、前述のようにして形成した電荷発生層上に、スキージングドクタにより塗布して乾燥し、膜厚25μmの樹脂−ビスアミン化合物溶相である電荷移動層をそれぞれ形成し、実施例1〜4および比較例1の5種類の積層型電子写真感光体を作製した。

0103

前述のようにして作成した積層型電子写真感光体について、その電子写真特性を静電記録紙試験装置(SP−428:川口電機社製)により評価した。加電圧:−6kVおよびスタティック:No.3の測定条件で、白色光照射照射光:5ルックス)による−700Vから−100Vに減衰させるために要する露光量E100(ルックス・秒)および初期電位V0(−ボルト)を測定した。さらに前記静電記録紙試験装置を用いて、加電−除電除電光:40ルックスの白色光を1秒間照射)を1サイクルとして1万回同様に操作した後の露光量E100(ルックス・秒)および初期電位V0(−ボルト)を測定した。これらの1回目および1万回目におけるE100およびV0の測定結果を表4に示す。

0104

0105

表4より、本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いた実施例1〜4は、従来化合物を用いた比較例1と比較して感度だけでなく繰返し特性も良好であることがわかった。

0106

(実施例5)図1に示した電荷移動層6に、電荷移動物質3として、例示化合物No.2に示したベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有する実施例5の積層型の電子写真感光体を製造した。

0107

下記構造式(IX)で示されるx型無金属フタロシアニン(ファストゲンブル8120:大日本インキ社製)0.4gを、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂エスレックスM:積水化学社製)0.3gを溶かした酢酸エチル溶液30ml中に加え、ペイントコンディショナー中で約20分間分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。調製した電荷発生層用塗布液を、ドクターブレイド法により、アルミ蒸着のポリエステルフィルムの支持体上に塗布して乾燥し、乾燥後の電荷発生層の膜厚が0.4μmになるように電荷発生層を形成した。

0108

0109

この電荷発生層上に、例示化合物No.2のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を重量比50%で含有するポリアリレート層の電荷移動層を積層して2層からなる実施例5の積層型電子写真感光体を作製した。

0110

実施例5の感光体の780nmの光を用いて電位半減に要したエネルギ(E50)および初期電位(−V0)を求めたところ、V0=−695(ボルト)およびE50=0.21(μJ)で非常に高感度、かつ高帯電性の感光体であった。

0111

また、レーザプリンタ(WD−580P:シャープ社製)を改造し、ドラム部に実施例5の感光体を張付け、連続空コピー(Non Copy Aging)を1万回を行った後、その初期電位低下および感度低下の度合を調べた。その結果、V0=−685(ボルト)およびE50=0.22(μJ)で、第1回目と比べてほとんど値の変動がみられなかった。

0112

(実施例6〜9)図3に示した電荷移動物質3として、例示化合物No.5、8、13または24に示したベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有する単一層の感光層14を有する4種類の電子写真感光体を製造した。

0113

例示化合物No5、No8、No13またはNo24の1g、下記構造式(X)で示されるポリカーボネート樹脂1.1g、N,N−3,5−キシリル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシルイミド0.15gおよび紫外線吸収剤0.05gを、塩化メチレンに溶かした感光層用塗布液を調製した。なお該感光層用塗布液においてイミド化合物は一部分散状態であった。調製した感光層用塗布液をアプリケータによりアルミ基盤表面をアルマイト加工アルマイト層:7μm)した支持体上に塗布して乾燥し、乾燥後の感光層膜厚20μmの単層型感光体を得た。

0114

0115

前述のようにして作製した単層型電子写真感光体について、その電子写真特性を前記静電記録紙試験装置により評価した。加電圧:5.5kVおよびスタティック:No.3の測定条件で、白色光照射(照射光:5ルックス)による+700Vから+100Vに減衰させるために要する露光量E100(ルックス・秒)を測定した。また、1万回の連続空コピーを行い、感度(E100)低下の度合を調べた。これらの1回目および1万回目におけるE100の測定結果を表5に示す。

0116

0117

表5より、本発明によるベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いた実施例6〜9の感光体は、正帯電においても優れた感度および繰返し特性を有する感光体であることが判った。

発明の効果

0118

以上のように本発明によれば、ベンゾフラン骨格を有する新規なベンゾフラン−ヒドラゾン化合物、およびこれを容易に高収率で製造するためのベンゾ[b]フランアルデヒド化合物を提供することができる。

0119

また本発明によれば、前記ベンゾ[b]フランアルデヒド化合物および前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物をきわめて容易に高収率で製造することができる製造方法を提供することができる。

0120

また本発明によれば、電荷移動物質として前記ベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を含有することによって、有機系で高感度かつ高耐久性を有し、無機系に比べて無毒資源的にも問題がなく、透明性が高く軽量で成膜性にも優れ、正負の両帯電性を有して製造も容易で、繰返し使用でも光感度の低下がほとんど起こらない優れた特性を備える電子写真感光体を提供することができる。

図面の簡単な説明

0121

図1本発明のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いた電子写真感光体の層構成を模式的に示した断面図である。
図2本発明のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いた電子写真感光体の層構成を模式的に示した断面図である。
図3本発明のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いた電子写真感光体の層構成を模式的に示した断面図である。
図4本発明のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いた電子写真感光体の層構成を模式的に示した断面図である。
図5本発明のベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を用いた電子写真感光体の層構成を模式的に示した断面図である。
図6重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を合成するためのアルデヒド中間体の1H−NMRスペクトルである。
図7重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を合成するためのアルデヒド中間体の13C−NMRスペクトルである。
図8重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物を合成するためのアルデヒド中間体のDEPT135での13C−NMRスペクトルである。
図9重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No1)の1H−NMRスペクトルである。
図10重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No1)の13C−NMRスペクトルである。
図11重クロロホルム中でのベンゾフラン−ヒドラゾン化合物(例示化合物No1)のDEPT135での13C−NMRスペクトルである。

--

0122

1導電性支持体
2電荷発生物質
3電荷移動物質
4,14感光層
5電荷発生層
電荷移動
7表面保護層
8 中間層

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ