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技術 シールド掘削機

出願人 清水建設株式会社
発明者 上原芳文阿曽利光後藤徹浦田修重田安彦
出願日 2000年9月12日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-276560
公開日 2002年3月27日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2002-089172
状態 特許登録済
技術分野 立坑・トンネルの掘削技術 トンネルの覆工・支保
主要キーワード 標準孔 拡幅部材 所定断面積 拡幅方向 密集配置 所定断面 地上用 非常駐車帯
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年3月27日)のものです。
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図面 (8)

課題

拡幅掘進及び掘削土砂の取り込みを容易とし、拡幅トンネル築造における工期の短縮及び工費の節減を図ることのできるシールド掘削機を提供する。

解決手段

シールド本体3の前方に回転可能に支持され所定断面積標準坑を掘進するカッタ2が備えられたシールド掘削機1Aにおいて、シールド本体3の外側部から標準坑を拡幅する拡幅方向に出没可能とされ、拡幅坑を掘進するとともに該拡幅坑の掘削土砂をシールド本体3内に取り込む拡幅カッタ4が備えられるように構成した。

概要

背景

シールド工法により築造されるシールドトンネルは、とりわけ都市部における道路鉄道等のトンネル掘進において重要性増してきており、ますます長距離掘進、大深度化が求められている。こうしたシールドトンネルでは、その途中で部分的に拡幅されたトンネルが必要となることが多い。例えば地下鉄等の鉄道トンネルの場合は500m〜1000m毎に部を設けなければならず、また道路トンネルの場合は約500m毎に非常駐車帯を設けなければならない、といった事情等によるものである。従来、トンネル内に拡幅部を築造する方法としては、開削工法所定断面をなす標準のシールドトンネルを築造後に部分的にセグメントを取り外して拡幅坑を掘削覆工する工法、あるいは拡幅坑専用のシールド掘削機を用いる工法、等が実施されていた。

概要

拡幅坑の掘進及び掘削土砂の取り込みを容易とし、拡幅トンネルの築造における工期の短縮及び工費の節減を図ることのできるシールド掘削機を提供する。

シールド本体3の前方に回転可能に支持され所定断面積の標準坑を掘進するカッタ2が備えられたシールド掘削機1Aにおいて、シールド本体3の外側部から標準坑を拡幅する拡幅方向に出没可能とされ、拡幅坑を掘進するとともに該拡幅坑の掘削土砂をシールド本体3内に取り込む拡幅カッタ4が備えられるように構成した。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、拡幅坑の掘進及び掘削土砂の取り込みを容易とし、拡幅トンネルの築造における工期の短縮及び工費の節減を図ることのできるシールド掘削機を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
11件

この技術が所属する分野

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請求項1

シールド本体の前方に支持され所定断面積標準掘進するカッタを備えたシールド掘削機において、前記シールド本体の外側部から前記標準坑を拡幅する拡幅方向に出没可能とされ、拡幅坑を掘進するとともに該拡幅坑の掘削土砂を前記シールド本体内に取り込む拡幅カッタを備えたことを特徴とするシールド掘削機。

請求項2

前記拡幅カッタは、前記拡幅坑の掘削土砂を取り込む開口部を有し前記シールド本体に回動可能に軸支される外殻部と、前記外殻部とともに回動し前記開口部前方を掘削するカッタ部と、を備え、これら外殻部及びカッタ部は、前記標準坑のみを掘進する際には、前記シールド本体内に収納され、前記拡幅坑を掘進する際には、前記シールド本体から前記拡幅方向に突出するように回動されて前記開口部が掘進方向に向くことを特徴とする請求項1に記載のシールド掘削機。

請求項3

前記シールド本体の前記拡幅カッタ後方側に、前記拡幅坑を掘進する際に前記シールド本体のうちの少なくとも一部が該拡幅坑に向けて突出し、該拡幅坑の土留を行う拡幅部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシールド掘削機。

請求項4

前記拡幅部材は、前記拡幅坑を掘進する際に、該拡幅部材と前記拡幅カッタとの間に形成された隙間部の土留を行う隙間土留部材を備えたことを特徴とする請求項3に記載のシールド掘削機。

請求項5

前記拡幅カッタは、前記拡幅坑を掘削するカッタ部と、該カッタ部を収納するとともに前記拡幅坑の掘削土砂を取り込む開口部を有する外殻部と、を備え、これら外殻部及びカッタ部は、前記標準坑のみを掘進する際には前記シールド本体内に収納され、前記拡幅坑を掘進する際には、前記シールド本体から前記拡幅方向に直線的に突出することを特徴とする請求項1に記載のシールド掘削機。

請求項6

前記拡幅カッタは、軸線回りに回転されるカッタ軸を備え、該カッタ軸は、前記拡幅坑の断面内で回動可能に、かつ該断面内で径方向伸縮可能に、前記シールド本体に軸支されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシールド掘削機。

請求項7

前記拡幅カッタは、軸線回りに回転されるカッタ軸を複数備え、これらカッタ軸は、前記拡幅坑の断面を覆うように密集配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシールド掘削機。

請求項8

前記拡幅カッタは、軸線回りに回転されるカッタ軸と、該カッタ軸を回転可能に軸支するとともに前記拡幅坑の断面内で縦横に移動させるカッタ移動手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシールド掘削機。

技術分野

0001

本発明は、標準拡幅坑の双方を掘進可能なシールド掘削機に関する。

背景技術

0002

シールド工法により築造されるシールドトンネルは、とりわけ都市部における道路鉄道等のトンネル掘進において重要性増してきており、ますます長距離掘進、大深度化が求められている。こうしたシールドトンネルでは、その途中で部分的に拡幅されたトンネルが必要となることが多い。例えば地下鉄等の鉄道トンネルの場合は500m〜1000m毎に部を設けなければならず、また道路トンネルの場合は約500m毎に非常駐車帯を設けなければならない、といった事情等によるものである。従来、トンネル内に拡幅部を築造する方法としては、開削工法所定断面をなす標準坑のシールドトンネルを築造後に部分的にセグメントを取り外して拡幅坑を掘削覆工する工法、あるいは拡幅坑専用のシールド掘削機を用いる工法、等が実施されていた。

発明が解決しようとする課題

0003

開削工法においては、地上用地を長期間占有するなど、周辺環境に与える影響が大きく、工事が非常に大規模となってしまう。また、シールドトンネルを築造後に部分的にセグメントを取り外して拡幅坑を掘進・覆工する工法においては、一旦覆工したセグメントを取り外すために無駄が多いとともに、土水圧に対する地盤改良を必要とする。更に、拡幅坑専用のシールド掘削機を用いる工法においては、シールド掘削機の分解、搬送及び組立といった作業を伴わなければならない。このように従来の方法では、多大な労力、工費を要するとともに、工期の長期化を招く結果となっていた。こうしたことから最近では、回転するカッタにその外側部から出没可能なオーバカッタを設けて、標準坑及び拡幅坑を同時に掘進・覆工する工法が試みられてはいる。しかしこの工法では、オーバカッタにより掘進された拡幅坑の掘削土砂を、カッタに形成された孔部からシールド掘削機内部に取り込むようになっている。そのため、掘削土砂の取り込みが不便であり、拡幅坑の掘進速度は標準坑のそれより極端に低下してしまい、工期はさほど短縮されない。また、回転体であるカッタにオーバカッタ及び孔部の双方を設けなければならず、寸法上の制約を大きく受けるとともに、構造的にも複雑となってメンテナンスを困難にしており、そのため工費節減も充分に図られていない状況となっている。

0004

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、拡幅坑の掘進及び掘削土砂の取り込みを容易とし、拡幅トンネルの築造における工期の短縮及び工費の節減を図ることのできるシールド掘削機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

請求項1に記載の発明は、シールド本体の前方に支持され所定断面積の標準坑を掘進するカッタを備えたシールド掘削機において、前記シールド本体の外側部から前記標準坑を拡幅する拡幅方向に出没可能とされ、拡幅坑を掘進するとともに該拡幅坑の掘削土砂を前記シールド本体内に取り込む拡幅カッタを備えたことを特徴とする。

0006

このように、拡幅カッタをシールド本体に設けるようにしているので、寸法的な制約が緩和されて、簡易な構成で的確に拡幅カッタを出没させるとともに、拡幅坑の掘削土砂の取り込みも容易に行うことができる。

0007

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシールド掘削機であって、前記拡幅カッタは、前記拡幅坑の掘削土砂を取り込む開口部を有し前記シールド本体に回動可能に軸支される外殻部と、前記外殻部とともに回動し前記開口部前方を掘削するカッタ部と、を備え、これら外殻部及びカッタ部は、前記標準坑のみを掘進する際には、前記シールド本体内に収納され、前記拡幅坑を掘進する際には、前記シールド本体から前記拡幅方向に突出するように回動されて前記開口部が掘進方向に向くことを特徴とする。

0008

このように、拡幅カッタを回動させていわゆる扇状開閉させるため、より簡易な構成で的確に拡幅カッタを出没させることができる。また、シールド掘削機の掘進を停止させた状態でも、掘削・排土しながら拡幅カッタを開いて、拡幅方向に突出させることができる。

0009

請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のシールド掘削機であって、前記シールド本体の前記拡幅カッタ後方側に、前記拡幅坑を掘進する際に前記シールド本体のうちの少なくとも一部が該拡幅坑に向けて突出し、該拡幅坑の土留を行う拡幅部材を備えたことを特徴とする。そして、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のシールド掘削機であって、前記拡幅部材は、前記拡幅坑を掘進する際に、該拡幅部材と前記拡幅カッタとの間に形成された隙間部の土留を行う隙間土留部材を備えたことを特徴とする。

0010

このように、拡幅カッタ後方側に拡幅部材を突出させるようにしているので、拡幅坑の掘進後直ちに土留を行うことができる。また、拡幅カッタと拡幅部材との間に隙間部が形成された場合にも、この部分の拡幅坑の土留を隙間土留部材によって行うことができるので、拡幅カッタから拡幅部材までの間の拡幅坑は、隙間なく連続的に土留が行われるようになる。

0011

請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のシールド掘削機であって、前記拡幅カッタは、前記拡幅坑を掘削するカッタ部と、該カッタ部を収納するとともに前記拡幅坑の掘削土砂を取り込む開口部を有する外殻部と、を備え、これら外殻部及びカッタ部は、前記標準坑のみを掘進する際には前記シールド本体内に収納され、前記拡幅坑を掘進する際には、前記シールド本体から前記拡幅方向に直線的に突出することを特徴とする。

0012

このように、拡幅カッタを拡幅方向に直線的に突出させるため、より簡易な構成で的確に拡幅カッタを出没させることができる。また、シールド掘削機の掘進を停止させた状態でも、掘削・排土しながら拡幅カッタを拡幅方向に突出させることができる。

0013

請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のシールド掘削機であって、前記拡幅カッタは、軸線回りに回転されるカッタ軸を備え、該カッタ軸は、前記拡幅坑の断面内で回動可能に、かつ該断面内で径方向伸縮可能に、前記シールド本体に軸支されていることを特徴とする。

0014

このようにすれば、1つのカッタ軸で拡幅坑の断面すなわち拡幅坑の掘削範囲を掘削することができ、カッタ軸を回転させるために消費される電力等のエネルギーを低減させることができる。

0015

請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のシールド掘削機であって、前記拡幅カッタは、軸線回りに回転されるカッタ軸を複数備え、これらカッタ軸は、前記拡幅坑の断面を覆うように密集配置されたことを特徴とする。

0016

このようにすれば、カッタ軸のみを回転させて拡幅坑のほぼ全域を掘進することができ、カッタ軸に揺動等の複雑な動きをさせる必要がないので、拡幅カッタの構成を簡易なものとできる。また、これらカッタ軸を駆動させるアクチュエータも、特定の場所に集中的に配置できるため、構造的に無理なく、構成を簡易なものとできる。

0017

請求項8に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のシールド掘削機であって、前記拡幅カッタは、軸線回りに回転されるカッタ軸と、該カッタ軸を回転可能に軸支するとともに前記拡幅坑の断面内で縦横に移動させるカッタ移動手段と、を備えたことを特徴とする。

0018

このようにすれば、部材数を減らしてシールド掘削機の軽量化を図ることができる。また、部材数を減らして構成を簡素化しているので、拡幅カッタからシールド本体への掘削土砂の流れを良くして、掘削土砂の取り込みをより容易に行うことが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明に係るシールド掘削機の実施の形態について、図面を用いて説明する。

0020

[第1の実施形態]本発明に係るシールド掘削機の第1の実施形態について、図1乃至図4を用いて説明する。このシールド掘削機1Aは、図1(a)及び(b)に示すように、カッタ2と、シールド本体3と、拡幅カッタ4と、拡幅部材5とから構成されている。

0021

カッタ2は、略円盤形状をなし、シールド本体3の前端に回転可能に設けられている。このカッタ2は、標準孔を掘進するためのもので、先端部に設けられた図示しない多数のカッタビットが回転することによって、標準坑を掘進できるようになっている。また、カッタ2の前面には、図示は省略するが、標準坑の掘削土砂をシールド本体3内に取り込むための孔が設けられている。なお、以下において「標準坑」とは、カッタ2のみで掘進される、カッタ2の外径と略同一の断面積を有する坑をいうこととする。シールド本体3は、全体が略円筒状をなしており、カッタ2を回転可能に支持するとともに、標準坑の土留を行うものである。このシールド本体3の後端側近傍には、図示しない押圧ジャッキが設けられており、シールド本体3の後方に順次覆工されていく図示しないセグメントを押圧して、その反力によってシールド掘削機1Aを掘進させるようになっている。

0022

シールド本体3の両側部には、拡幅坑を掘進する拡幅カッタ4が設けられている。この拡幅カッタ4は、シールド本体3の外側部から標準坑を拡幅する拡幅方向、すなわち掘進方向と略直交方向に突出して、拡幅坑を掘進するとともに、この拡幅坑の掘削土砂をシールド本体3内に取り込むためのもので、外殻部41と、カッタ軸(カッタ部)42とを備えて構成されている。なお、以下において「拡幅坑」とは、カッタ2では掘進できない坑、すなわち拡幅カッタ4を用いて掘進された部分の坑を言うこととする。外殻部41は、軸部31でシールド本体3に回動可能に軸支されている。この外殻部41には開口部41aが形成されており、拡幅坑の掘削土砂を取り込めるようになっている。カッタ軸42は、軸部31の中間部近傍の支点31aに回転可能に軸支されており、その軸線周りに回転することで、外周面に設けられたカッタビット42aにより土砂を掘削するものである。このカッタ軸42は、外殻部41とともに回動して開口部41a前方の土砂を掘削できるようになっている。このカッタ軸42は、支点31aの上下方向に回動可能かつ径方向に伸縮可能とされ、開口部41a内のほぼ全域にわたって移動可能となっており、拡幅坑全域の掘削が行えるようになっている。

0023

これら外殻部41及びカッタ軸42は、標準坑のみを掘進する際には、シールド本体3内に収納されて、閉じられた状態となっている。そして、拡幅坑を掘進する際には、シールド本体3から拡幅方向に突出するように回動されて開いた状態となり、開口部41aが掘進方向に向くようになる。すなわち、拡幅カッタ4は扇状に開閉されることで、シールド本体3の外側部から拡幅方向に出没可能となっている。

0024

シールド本体3の拡幅カッタ4よりも後方側には、外形矩形状となった拡幅部材5が設けられている。この拡幅部材5はシールド本体3の一部をなすもので、標準坑のみを掘進する際には、シールド本体3内に収納されている。このとき、シールド本体3の外側部と拡幅部材5の外側部とは、略面一となるようになっている。そして拡幅坑を掘進する際には、この拡幅部材5を拡幅方向に突出させて、拡幅坑の上下側及び側部の土留を行うようになっている。この拡幅部材5の前方側には、スライドルーフ(隙間土留部材)5aが、前後方向スライド可能に設けられている。このスライドルーフ5aは、拡幅部材5がシールド本体3内に収納されている際に、拡幅部材5内に収納されている。そして、拡幅部材5が拡幅坑に向けて突出した際に、拡幅部材6の前端側から突出するようにスライドされ、拡幅部材5と拡幅カッタ4との間に形成された隙間部の土留を行うものである。

0025

このシールド掘削機1Aを用いた、標準坑及び拡幅坑の掘進手順について説明する。まず図1(a)及び(b)に示すように、拡幅カッタ4及び拡幅部材5をシールド本体3内に収納した状態で、カッタ2を用いて標準坑のみを掘進する。このときシールド本体3の後方に、標準坑を覆工するためのセグメントを順次覆工させていき、標準トンネルを築造していく。

0026

拡幅坑の掘進を開始する際には、シールド掘削機1Aの掘進を一旦停止させる。この状態で図2(a)及び(b)に示すように、カッタ軸42を回転させて開口部41a前方の土砂を掘削しながら拡幅カッタ4を開いていき、外殻部41の開口部41aを掘進方向に向ける。このように拡幅カッタ4が開いた状態で、標準坑及び拡幅坑を掘進する。拡幅坑の掘削土砂は、開口部41aから外殻部41を経てシールド本体3内に取り込まれ、標準坑の掘削土砂とともに、図示しないスクリューコンベヤ等の搬送手段により後方へ搬送され、坑外へと排土される。

0027

この状態で、数m程度、すなわち拡幅部材5が突出可能となるだけの距離を掘進したら、図3(a)及び(b)に示すように、拡幅部材5を拡幅方向に突出させて、拡幅坑の土留を行う。このとき、拡幅カッタ4は扇状に開くことで拡幅方向に突出し、拡幅部材5は拡幅方向と略平行に移動し突出するので、両者の間には隙間部Sが形成されている。

0028

そして、図4(a)及び(b)に示すように、スライドルーフ5aを掘進方向にスライドさせて、隙間部Sを覆うことで土留を行う。こうすることで、拡幅カッタ4から拡幅部材5までの間は隙間なく土留されることとなり、この状態で標準坑及び拡幅坑を掘進していく。このときシールド本体3及び拡幅部材5の後方に、標準坑及び拡幅坑の双方を覆工するためのセグメントを順次覆工させていき、拡幅トンネルを築造していく。

0029

拡幅坑の掘進を終了する際には、上記手順を逆にして行う。すなわち、スライドルーフ5aを拡幅部材5内に収納し、拡幅部材5をシールド本体3内に収納してから、拡幅カッタ4を閉じてシールド本体3内に収納すればよい。

0030

本実施形態に係るシールド掘削機1Aにおいては、シールド本体3の外側部から標準坑を拡幅する拡幅方向に出没可能な拡幅カッタ4を備え、拡幅坑を掘進するとともに拡幅坑の掘削土砂をシールド本体3内に取り込むようにしている。このように、拡幅カッタ4をシールド本体3に設けるようにしているので、寸法的な制約が緩和されて、簡易な構成で的確に拡幅カッタを出没させるとともに、拡幅坑の掘削土砂の取り込みも容易に行うことができる。そのため、拡幅坑の掘進速度を向上させることができ、工期の短縮化が図れるとともに、メンテナンスを容易にして工費の節減が図れる。

0031

また、拡幅カッタ4を、外殻部41とカッタ軸42とから構成し、これら外殻部41及びカッタ軸42を、標準坑のみを掘進する際にシールド本体3内に収納し、拡幅坑を掘進する際にシールド本体3から拡幅方向に突出するように回動させて開口部41aが掘進方向に向くようにしている。このように、拡幅カッタ4を回動させていわゆる扇状に開閉させるため、より簡易な構成で的確に拡幅カッタ4を出没させることができ、拡幅カッタ4の信頼性・耐久性を向上させることができるとともに、拡幅坑の幅も容易に変更できる。また、シールド掘削機1Aの掘進を停止させた状態でも、掘削・排土しながら拡幅カッタ4を開いて拡幅方向に突出させることができるため、周囲の地盤に与える影響を少なくし、また周囲の地盤の硬軟による影響を受けにくくできる。

0032

更に、カッタ軸42が、拡幅坑の断面内で回動可能に、かつこの断面内で径方向に伸縮可能に軸支されているので、1つのカッタ軸42で拡幅坑の掘削範囲を掘削することができ、カッタ軸42を回転させるために消費される電力等のエネルギーを低減させることができ、より経済的に拡幅坑の掘削を行うことができる。

0033

更に、シールド本体3の拡幅カッタ4後方側には、拡幅坑を掘進する際に、シールド本体3の一部を拡幅坑に向けて突出して拡幅坑の土留を行う拡幅部材5を備えるようにしているので、拡幅坑の掘進後直ちに土留を行うことができ、拡幅坑の地盤沈下等を防止して、トンネル築造を円滑に行うようにできる。更に拡幅部材5には、拡幅坑を掘進する際に、拡幅部材5と拡幅カッタ4との間に形成された隙間部Sの土留を行うスライドルーフ5aを備えるようにしているので、拡幅カッタ4から拡幅部材5までの間の拡幅坑に、隙間なく連続的に土留を行うことができる。そのため、間隙部Sに土砂が入り込んで、地盤沈下を誘発したりシールド掘削機1Aの掘進に抵抗を生じさせることを抑制できる。

0034

[第2の実施形態]本発明に係るシールド掘削機の第2の実施形態について、図5乃至図7を用いて説明する。このシールド掘削機1Bは、上記第1の実施形態におけるシールド掘削機1Aと比較して、カッタ2がオーバカッタとしてのコピーカッタ2aを備えている点、及び拡幅カッタ4の替わりに拡幅カッタ8を備えている点が異なっている。そのため、上記第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。

0035

カッタ2には、図6に示すように、外側部から拡幅方向に出没可能とされたコピーカッタ2aが内蔵されている。このコピーカッタ2aは棒状をなしており、標準坑のみを掘進する際にはカッタ2内に没入している。そして拡幅坑を掘進する際にはカッタ2から突出し、突出方向の軸線回りに回転して、その外周面に設けられた図示しないカッタビットによって、拡幅坑を掘進する部分の地山を緩めることができるようになっている。

0036

シールド本体3の両側部には、図5に示すように、拡幅坑を掘削する拡幅カッタ8が設けられている。この拡幅カッタ8は、シールド本体3の外側部から拡幅方向にスライドして直線的に突出し、拡幅坑を掘進し、この拡幅坑の掘削土砂をシールド本体3内に取り込むものであり、外殻部81と、外殻部81と一体に出没する多数のカッタ軸82と、を備えて構成されている。この拡幅カッタ8は、その後方側に備えられ拡幅坑の土留を行うための拡幅部材5とは独立して、拡幅方向に突出できるようになっている。

0037

外殻部81は、シールド本体3の一部をなして、カッタ軸82による掘削土砂を取り込みシールド本体3内へ導入するもので、掘進方向先端側に開口部81aが形成されている。この外殻部81は、標準坑のみを掘進する際には、シールド本体3内に収納されている。また、その外側部は常時開放状態となっており、拡幅坑を掘進するために拡幅カッタ8を拡幅方向に直線的に突出させた際に、突出方向の土砂をカッタ軸82の先端部で掘削し取り込むことができるようになっている。

0038

カッタ軸82は、外殻部81の掘進方向先端側の開口部81a近傍に、各々の軸線回りに回転可能に軸支されている。これらカッタ軸82は、各々の軸線が拡幅方向と略平行となるように設けられているとともに、開口部81aのほぼ全域にわたるように密集配置されている。すなわち、拡幅坑の断面を覆うように密集配置されており、これらカッタ軸82を回転させれば、拡幅坑を掘進できるようになっている。各々のカッタ軸82の外周面には、多数のカッタビット82aが設けられており、これらが回転することで拡幅坑の土砂を掘削する。これらカッタ軸82は、図示しないギヤ又はチェーン等を介して相互に連結されており、図示しないアクチュエータによって一括回転制御されるようになっている。なお、各々のカッタ軸82毎に独立したアクチュエータを連結し、独立して回転制御できるように構成しても、差し支えない。

0039

このシールド掘削機1Bを用いた、標準坑及び拡幅坑の掘進手順について説明する。まず拡幅カッタ8をシールド本体3内に収納した状態で、カッタ2を用いて標準坑のみを掘進する。このときシールド本体3の後方に、標準坑を覆工するためのセグメントを順次覆工させていき、標準トンネルを築造していく。

0040

拡幅坑の掘進を開始する際には、図6に示すように、コピーカッタ2aをカッタ2から徐々に突出させ、標準坑を掘進しながら、標準坑の左右両側の拡幅坑を掘進する部分の地山を緩めていく。こうすることで拡幅カッタ8は、地山の緩んだ拡幅方向に徐々に突出可能となる。外殻部81を徐々に突出させながらカッタ軸82を回転させて、標準坑及び拡幅坑を掘進する。拡幅坑の掘削土砂は、開口部81aから外殻部81を経てシールド本体3内に取り込まれ、標準坑の掘削土砂とともに、図示しないスクリューコンベヤ等の搬送手段により後方へ搬送され、坑外へと排土される。なお、拡幅カッタ8の突出に合わせるように拡幅部材5も突出させ、拡幅坑の土留めを行う。

0041

拡幅カッタ8が最大位置まで拡幅されたら、この状態のままで標準坑及び拡幅坑を掘進していく。拡幅カッタ8で掘進された拡幅坑は、拡幅部材5で直ちに土留されていく。このとき、シールド本体3又は拡幅部材5の後方に、標準坑用のセグメント又は拡幅坑用のセグメントを順次覆工させていき、拡幅トンネルを築造していく。

0042

拡幅坑の掘進を終了する際には、コピーカッタ2aをカッタ2内に没入させるとともに、拡幅カッタ8及び拡幅部材5をシールド本体3内に収納すればよい。

0043

本実施形態に係るシールド掘削機1Bにおいては、軸線回りに回転されるカッタ軸82を複数拡幅カッタ8に備えるとともに、これらカッタ軸82を、開口部81aのほぼ全域にわたるように密集配置しているので、カッタ軸82のみを回転させれば拡幅坑のほぼ全域を掘進することができる。そのため、カッタ軸82に揺動等の複雑な動きをさせる必要がないので、拡幅カッタ8の構成を簡易なものとできるとともに、掘進速度を向上させることができ、工期の短縮を図ることができる。また、これらカッタ軸82を駆動させるアクチュエータも、特定の場所に集中的に配置できるため、無理のない構造として構成を簡易なものとできる。そのため、シールド掘削機1Bの信頼性・耐久性を向上させるとともに、製造コスト運転コストを抑制でき、ひいては工費を節減することができる。

0044

また、拡幅カッタ8を、外殻部81とカッタ軸82とから構成し、これら外殻部81及びカッタ軸82を、標準坑のみを掘進する際にはシールド本体3内に収納し、拡幅坑を掘進する際にシールド本体3から拡幅方向に直線的に突出するようにしている。このように拡幅カッタ8を直線的に突出させるため、拡幅カッタ8の移動機構をより簡易な構成とでき、的確に拡幅カッタ8を出没させることができ、拡幅カッタ8の信頼性・耐久性を向上させることができる。また、外殻部81の外側部を常時開放状態としているので、シールド掘削機1Bの掘進を停止させた状態でも、掘削・排土しながら拡幅カッタ8を拡幅方向に突出させることができるため、周囲の地盤に与える影響を少なくし、また周囲の地盤の硬軟による影響を受けにくくできる。

0045

なお、カッタ部として、多数のカッタ軸82の替わりに、図7に示すような、カッタ軸85とカッタ移動手段86と、を備えるようにしてもよい。カッタ軸85は、その軸線回りに回転可能にカッタ移動手段86に軸支されている。このカッタ軸85の外周面には、多数のカッタビット85aが設けられており、これらが回転することで拡幅坑の土砂を掘削する。カッタ移動手段86は、カッタ軸85を上下方向に移動させる上下方向移動部85aと、左右方向に移動させる左右方向移動部86bとから構成されている。これら上下方向移動部86a及び左右方向移動部86bは、図示しない油圧モータ等のアクチュエータによって駆動され、カッタ軸85を外殻部81の断面内で縦横に移動させる。すなわちカッタ85は、拡幅坑の断面内で縦横に移動されて、拡幅坑を掘進できるようになっている。

0046

このような構成とすれば、カッタ軸の本数が少ない分だけシールド掘削機1Bを軽量化できるとともに、部材数が少ないために修理等のメンテナンスが容易に行える、という利点がある。また、部材数を減らして構成を簡素化しているので、拡幅カッタ8からシールド本体3への掘削土砂の流れを良くして、掘削土砂の取り込みをより容易に行うことができ、土砂の搬送効率を高めることが出来る、という利点もある。

0047

なお、上記各実施形態にいては、カッタ部として、第1の実施形態では、回動可能且つ伸縮可能とされたカッタ軸42を、第2の実施形態では、密集配置された多数のカッタ軸82、又はカッタ軸85とカッタ移動手段86とを、各々用いることとして説明したが、これらは相互に転用が可能である。すなわち、シールド掘削機1Aに、カッタ軸82やカッタ軸85とカッタ移動手段86とを適用させることもできるし、シールド掘削機1Bに、カッタ軸42を適用させることもできる。

発明の効果

0048

以上説明したように、本発明に係るシールド掘削機によれば、拡幅坑の掘進及び掘削土砂の取り込みを容易とし、拡幅トンネルの築造における工期の短縮及び工費の節減を図ることのできるシールド掘削機を提供することできる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明に係るシールド掘削機の第1の実施形態を示す部分断面図であって、(a)は掘進方向からみた部分断面図、(b)は上方からみた部分断面図である。
図2同シールド掘削機の部分断面図であって、(a)は掘進方向からみた部分断面図、(b)は上方からみた部分断面図である。
図3同シールド掘削機部分断面図であって、(a)は上方からみた部分断面図、(b)は側方からみた部分断面図である。
図4同シールド掘削機部分断面図であって、(a)は上方からみた部分断面図、(b)は側方からみた部分断面図である。
図5本発明に係るシールド掘削機の第2の実施形態を示す、掘進方向からみた部分断面図である。
図6図5に示したシールド掘削機を上方からみた部分断面図である。
図7図5に示したシールド掘削機の変形例を示す、掘進方向からみた部分断面図である。

--

0050

1A、1Bシールド掘削機
2カッタ
2aコピーカッタ
3シールド本体
4拡幅カッタ
41外殻部
41a 開口部
42カッタ軸(カッタ部)
5拡幅部材
5aスライドルーフ(隙間土留部材)
8 拡幅カッタ
81 外殻部
81a 開口部
82、85 カッタ軸(カッタ部)
86 カッタ移動手段(カッタ部)

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