図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2002年3月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

生体内酵素によってトコフェロールと3-アミノプロパンリン酸を生成するので外部環境によって損なわれた皮膚を回復し、生体膜老化を防止でき、分子内に親水基親油基とを有するので安定で、抗酸化効果に優れた新規トコフェロール誘導体並びにその製造する方法を提供する。

解決手段

(R1、R2及びR3は−H又はメチル基であって、そのうちの一つ以上はメチル基を表わし、Aは-CH2-CH(CH3)-又は-CH=C(CH3)-である。)のトコフェロール誘導体。またトコフェロールとオキシ塩化リンとを反応させ、得たトコフェロールジクロロホスフェ−トを3-アミノ-1-プロパノール及び有機塩基の存在下に有機溶媒中で反応させた後、加水分解してトコフェロール誘導体を製造する。

概要

背景

化粧料の機能は、皮膚及び毛髪を清潔にして美化し、健康にするものである。特に、この中で、皮膚細胞活性によって、皮膚に小じわが発生するのを防止しようとする研究が盛んにおこなわれており、多くの物質が開発され使用されている。このような物質としては、レチノール及びアスコルビン酸等のビタミン類、各種動植物から抽出されたタンパク質及びフラボノイドアミノ酸表皮成長因子(Epidermal growth factor)、α−ヒドロキシ酸等が知られており、現在化粧料等に応用され使用されている。しかし、このような成分はその殆どが不安定である。

特に、脂溶性ビタミン類中の一つであるトコフェロールは、人体に悪い自由基(free radical)の活性からの保護機能細胞成長及び真皮コラゲン合成促進抗アレルギー及び抗炎症効能等を有するので、化粧品原料として応用することができると報告されている。しかしながら、このトコフェロールは、安定性が劣り、かつ脂溶性であるため、水溶性媒体に対する溶解度が低くて、その使用が制限されている。

従って、トコフェロールの安定性を改善するために、多くの誘導体が開発されており、例えば、USP 4,564,686号には、トコフェロール及びアスコルビン酸をリン酸エステル化することにより、安定性を向上させた化合物が開示されている。しかし、今までに知られている化合物は、ただトコフェロールの安定性を改善するためのものであったり、又は互いに生理活性が類似した化合物をエステル化し安定化させたものであり、トコフェロールと生理活性が異なる化合物を導入し安定化させた前例はない。

概要

生体内酵素によってトコフェロールと3-アミノプロパンリン酸を生成するので外部環境によって損なわれた皮膚を回復し、生体膜老化を防止でき、分子内に親水基親油基とを有するので安定で、抗酸化効果に優れた新規トコフェロール誘導体並びにその製造する方法を提供する。

一般式

(R1、R2及びR3は−H又はメチル基であって、そのうちの一つ以上はメチル基を表わし、Aは-CH2-CH(CH3)-又は-CH=C(CH3)-である。)のトコフェロール誘導体。またトコフェロールとオキシ塩化リンとを反応させ、得たトコフェロールジクロロホスフェ−トを3-アミノ-1-プロパノール及び有機塩基の存在下に有機溶媒中で反応させた後、加水分解してトコフェロール誘導体を製造する。

目的

従って、本発明の目的は、抗酸化効果に優れた新規のトコフェロール誘導体又はその塩を提供するものである。また、本発明の他の目的は、安定性に優れた新規のトコフェロール誘導体又はその塩を提供するものである。更に、本発明の他の目的は、上記トコフェロール誘導体を製造する方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下記一般式(I)

請求項

ID=000003HE=030 WI=104 LX=0530 LY=0400(但し、式中、R1、R2及びR3はH又はメチル基であって、トコフェロールの5−、7−又は8−位置に少なくとも一つのメチル基を有し、また、Aは-CH2-CH(CH3)-又は-CH=C(CH3)-である)で表される新規トコフェロール誘導体又はその塩。

請求項2

請求項1のトコフェロール誘導体を製造する方法において、(A)トコフェロール及びオキシ塩化リンを1:1〜1.3の当量比で、有機塩基の存在下に有機溶媒中で−10〜50℃の温度で1〜3時間反応させ、トコフェロールジクロロポスフェ−トを生成する段階、(B)上記(A)段階で生成されたトコフェロールジクロロポスフェ−トを、3-アミノプロパノ-ル及び有機塩基の存在下に有機溶媒中で反応させ、2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリンP-オキサイドを生成する段階、(C)上記(B)段階の2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリン P-オキサイド溶液濾過し、得られた濾液のpHを1〜5に調節した後、5〜100℃で1〜10時間反応させて加水分解する段階、及び(D)生成されたトコフェロール誘導体を有機溶媒で抽出し、精製する段階、を含むことを特徴とするトコフェロール誘導体の製造方法。

請求項3

(A)、(B)又は(D)段階で用いられる有機溶媒が、ジクロロメタンテトラヒドロフラン酢酸エチルアセトニトリルクロロホルム又はエチルテールであることを特徴とする請求項2に記載のトコフェロール誘導体の製造方法。

請求項4

(A)又は(B)段階で用いられる有機塩基が、ピリジン又はトリエチルアミンであることを特徴とする請求項2に記載のトコフェロール誘導体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、下記一般式(I)

背景技術

0002

化粧料の機能は、皮膚及び毛髪を清潔にして美化し、健康にするものである。特に、この中で、皮膚細胞活性によって、皮膚に小じわが発生するのを防止しようとする研究が盛んにおこなわれており、多くの物質が開発され使用されている。このような物質としては、レチノール及びアスコルビン酸等のビタミン類、各種動植物から抽出されたタンパク質及びフラボノイドアミノ酸表皮成長因子(Epidermal growth factor)、α−ヒドロキシ酸等が知られており、現在化粧料等に応用され使用されている。しかし、このような成分はその殆どが不安定である。

0003

特に、脂溶性ビタミン類中の一つであるトコフェロールは、人体に悪い自由基(free radical)の活性からの保護機能細胞成長及び真皮コラゲン合成促進抗アレルギー及び抗炎症効能等を有するので、化粧品原料として応用することができると報告されている。しかしながら、このトコフェロールは、安定性が劣り、かつ脂溶性であるため、水溶性媒体に対する溶解度が低くて、その使用が制限されている。

0004

従って、トコフェロールの安定性を改善するために、多くの誘導体が開発されており、例えば、USP 4,564,686号には、トコフェロール及びアスコルビン酸をリン酸エステル化することにより、安定性を向上させた化合物が開示されている。しかし、今までに知られている化合物は、ただトコフェロールの安定性を改善するためのものであったり、又は互いに生理活性が類似した化合物をエステル化し安定化させたものであり、トコフェロールと生理活性が異なる化合物を導入し安定化させた前例はない。

発明が解決しようとする課題

0005

そこで、本発明者らは、トコフェロールとは異なる生理活性を有する物質をトコフェロールに導入し、生体内で異なる生理活性を発揮せしめることができると共に、安定性に優れたトコフェロール誘導体を製造するため研究を重ねた結果、3-アミノプロパンリン酸をトコフェロールに導入することにより、生体内で酵素により分解されて、トコフェロール及び3-アミノプロパンリン酸の両方の生理活性を共に発揮せしめることができ、一つの分子内に親水基親油基とを共に有するので、水溶性媒体内で安定し、トコフェロールが有する抗酸化効果よりも優れた抗酸化効果を示すことを発見し、本発明を完成した。

0006

従って、本発明の目的は、抗酸化効果に優れた新規のトコフェロール誘導体又はその塩を提供するものである。また、本発明の他の目的は、安定性に優れた新規のトコフェロール誘導体又はその塩を提供するものである。更に、本発明の他の目的は、上記トコフェロール誘導体を製造する方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明による新規のトコフェロール誘導体は、皮膚に塗布する際、生体酵素により分解されて、トコフェロール及び 3-アミノプロパンリン酸を放出することにより、生体膜老化を防止する効果とコラゲン生合成を促進する効果を有する物質であって、皮膚に対する刺激がないだけでなく、皮膚の弾力上昇、皮膚老化の予防及び改善に優れるという効果を有する。また、本発明によるトコフェロール誘導体は、優れた抗酸化力を有し、かつ親水基及び親油基を有しているので、水溶性成分及び油溶性成分に安定するため、化粧品等のように多様な用途に応用されることができる。

発明を実施するための最良の形態

0008

本発明による新規のトコフェロール誘導体は、下記一般式(I)

0009

このトコフェロール(I)の製造方法は、(A)トコフェロール及びオキシ塩化リンを1:1〜1.3の当量比で、有機塩基の存在下に有機溶媒中で−10〜50℃の温度で1〜3時間反応させ、トコフェロールジクロロポスフェ−トを生成する段階、(B)上記(A)段階で生成されたトコフェロールジクロロポスフェ−トを、3-アミノプロパノ-ル及び有機塩基の存在下に有機溶媒中で反応させ、2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリンP-オキサイドを生成する段階、(C)上記(B)段階の2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリン P-オキサイド溶液濾過し、得られた濾液のpHを1〜5に調節した後、5〜100℃で1〜10時間反応させて加水分解する段階、及び(D)生成されたトコフェロール誘導体を有機溶媒で抽出し、精製する段階、を含むことを特徴とする。

0010

上記トコフェロール誘導体(I)の製造方法は、次の反応式1で図式化されることができる。

0011

0012

本発明によるトコフェロール誘導体(I)の製造方法を上記反応式1に基づいて、具体的に説明する。

0013

(A)有機塩基の存在下に有機溶媒中でトコフェロール及びオキシ塩化リンを−10〜50℃の温度で1〜3時間撹拌しつつ反応させ、上記一般式(II)で表されるトコフェロールジクロロホスフェートを生成する段階について

0014

上記(A)段階において、トコフェロール及びオキシ塩化リンは、1:1〜1.3の当量比で反応させることが好ましい。当量比が1:1未満であると、所望の生成物を得ることができなくなり、また、1:1.3を超えると、所望の生成物以外に過量の副産物が生成する。従って、上記方法でトコフェロールジクロロホスフェートを製造する場合、トコフェロール及びオキシ塩化リンが1:1で結合した中間体が97%以上生成され、トコフェロール及びオキシ塩化リンが2:1で結合したジトコフェロールクロロホスフェートが3%以下の割合で生成される。一方、生成されたジトコフェロールクロロホスフェートは、次の段階、すなわち反応式(1)の(B)、(C)段階及び精製段階で容易に除去され、塩酸トリエチルアミン塩は、反応溶液を濾過することにより、除去される。

0015

この(A)段階において、有機塩基としては、ピリジントリエチルアミン等を使用することができ、好ましくは、トリエチルアミンを使用することができる。また、(A)段階において、有機溶媒としては、ジクロロメタンテトラヒドロフラン酢酸エチルアセトニトリルクロロホルムエチルテール等のような非活性溶媒を使用することができ、これらのうち、テトラヒドロフランを使用することが好ましい。

0016

一方、反応温度は、50℃以上では、2当量以上のトコフェロールが1当量のオキシ塩化リンと反応して、副産物の生成が増加し、−10℃未満では、反応速度が遅いので、−10〜50℃が好ましく、特に0〜30℃の温度が好ましい。また、反応時間は、1時間未満の場合には、未反応物が残存することがあり、3時間以上の場合には、反応物が変色することがあるので、1〜3時間が好ましい。このようにして生成されたトコフェロールジクロロホスフェートは、反応液を濾過し、次の段階で使用する。

0017

(B)トコフェロールジクロロホスフェート(II)と3-アミノプロパノ−ルとを有機塩基の存在下に有機溶媒中で反応させる段階について

0018

上記段階(A)で濾過して得られたトコフェロールジクロロホスフェート(II)溶液及び3-アミノプロパノ−ルを1:1〜1.3の当量比で有機塩基の存在下に有機溶媒中で−10〜30℃の温度で反応させて、2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリンP-オキサイド(III)を生成する。トコフェロールジクロロホスフェート(II)溶液1molに対して3-アミノプロパノ−ルを1mol未満使用する場合は、収率が低下し、1.3mol以上使用する場合は、多くの副産物が生成される。

0019

反応は、−10℃未満の温度では、反応が遅くて、30℃以上の温度では、副産物の生成が増加するので、−10〜30℃の温度で進行させることが好ましく、特に0〜15℃の温度で進行させることが好ましい。この段階で使用された有機塩基及び有機溶媒は、上記(A)段階と同様の有機塩基及び溶媒を使用する。

0020

(C) 2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリンP-オキサイド(III)溶液を濾過し、得られた濾液のpHを1〜5に調節した後、5〜100℃の温度で1〜10時間反応させて、加水分解する段階について

0021

本発明による製造方法で反応液を濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して、得られた残渣の加水分解は、一般的な加水分解の条件である塩酸又は硫酸等の酸触媒を使用して行うことができる。上記(B)段階の2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリンP-オキサイド(III)溶液に酸溶液を加えて、pHを1〜5、好ましくは2〜4に調節した後、5〜100℃の温度に昇温して撹拌した場合、P−N結合が加水分解されることができる。従って、2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリン P-オキサイド(III)溶液を濾過し、得られた濾液を濃縮し、得られた残渣に酸溶液を加えてpHを調節し、5〜100℃の温度、好ましくは10〜40℃の温度で1〜10時間、好ましくは約2時間反応させて加水分解させる。5℃未満の温度では反応速度が遅く、また、100℃以上の温度ではP−O結合が加水分解される。また、反応時間が1時間未満の場合には、加水分解が完結されないで、10時間以上の場合には、P−O結合の加水分解が起こることができる。

0022

(D)有機溶媒を利用してトコフェロール誘導体を抽出した後、精製する段階について

0023

上記(C)の段階で得られた溶液を有機溶媒に溶かした後、水で数回洗って不純物を除去し、無水硫酸ナトリウム硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去して、トコフェロール誘導体を生成する。ここで使用された有機溶媒は、(A)段階で使用する有機溶媒と同一である。

0024

上記製造方法によって提供されるトコフェロール誘導体は、これを中和して塩の形態で使用することもでき、例えば具体的な例としては、ナトリウムカリウム等のアルカリ金属類塩や、カルシウムマグネシウム等のアルカリ土金属類塩や、トリエタノールアミン等のアミン又はアンモニアによる塩等の形態で使用されることができる。

0025

以下の実施例に基づいて、本発明によるトコフェロール誘導体及びその製造方法をより詳しく説明する。しかし、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。

0026

実施例1(3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェートの製造)
オキシ塩化リン9.87g(6.44mmol)を丸底フラスコに入れ、テトラヒドロフラン10mlで溶解させた後、この溶液を氷浴で3℃に冷却させた。 他の容器ににおいて、α−トコフェロール21.54g(5.00mmol)及びトリエチルアミン6.10g(6.03mmol)の溶液をテトラヒドロフラン40mlで希釈した後、上で得られた溶液中に1時間かけて滴下した。滴下が終わった後、更に30分間撹拌した。撹拌が終わった後、生成した塩化トリエチルアンモニウムを濾過して除去した。

0027

次いで、上記トコフェロールジクロロホスフェート濾液を氷浴で3℃に冷却させた。他の容器において、3-アミノ-1-プロパノール3.76g(5.00mmol)及びトリエチルアミン11.11g(10.98mmol)の溶液をテトラヒドロフラン20mlで希釈した後、上記濾液中に1時間かけて滴下し、2-トコフェロールテトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサアザホスホリンP-オキサイドを生成した。滴下の後、30分間更に撹拌して、生成された塩化トリエチルアンモニウムを濾過して除去した。濾液を塩水で洗浄した後、減圧・濃縮して得られた残滓イオン水40ml及び塩酸を滴下してpHを2にした。常温で2時間撹拌した後、反応液に塩水を滴下して洗浄し、有機層を分離した。有機層に無水硫酸マグネシウム10gを添加し脱水させた。濾過の後、溶媒を完全に除去して、3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェート25g(88%)を得た。

0028

1H-NMR(CDCl3, 300MHz); 0.86(t, 12H), 1.00-1.80(m, 29H), 2.01(s, 3H), 2.11(s, 3H), 2.15(s, 3H), 2.40-2.50(m, 2H), 2.70-2.80(m, 2H), 3.90-4.00(m, 2H), 7.80(br, 3H)

0029

実施例2(3-アミノプロピル−δ−トコフェロールホスフェートの製造)
δ−トコフェロール20.13gを使用してδ−トコフェロールジクロロホスフェートを製造すること以外は、実施例1と同様の方法で実施して、3-アミノプロピル−δ−トコフェロールホスフェート23g(87%)を得た。1H-NMR(CDCl3, 300MHz); 0.86(t, 12H), 1.00-1.80(m, 29H), 2.03(s, 3H), 2.55-2.65(m, 2H), 3.10-3.20(m, 2H), 4.10-4.20(m, 2H), 7.91(br, 3H)

0030

実施例3(3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェートナトリウム塩の製造)
実施例1で製造した3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェート1gをジオキサン30mlに溶かした後、5%の炭酸ナトリウム水溶液を加えて、pHを7にした。その後、凍結乾燥させて3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェートナトリウム塩を薄い黄色の固体として得た。

0031

実施例4(3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェートカルシウム塩の製造)
実施例1で得た3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェート1gをジオキサン30mlに溶かした後、水酸化カルシウムを加えて、pHを7にした。その後、凍結乾燥させて3-アミノプロピル−α−トコフェロールホスフェートカルシウム塩を薄い黄色の固体として得た。

0032

試験例1:トコフェロール誘導体の安全性
トコフェロール誘導体を化粧料等の原料に使用するためには、人体に対する安全性が最も重要である。従って、本発明のトコフェロール誘導体の人体に対する毒性及び刺激性の有無を測定した。安全性の実験は、実施例1をスクアランに溶解させた10%濃度の溶液を用いて行った。

0033

(1-1)急性経口毒性試験(Acute oral toxicity test in mice)
試料1ml/Kgを雌雄各々5匹ずつ10匹のマウス投与した結果、死亡動物は観察されず、投与前後の体重変化も著しい差異は観察されなかった。

0034

(1-2)急性経皮毒性試験(Acute dermal toxicity test in mice and rabbits)
試料0.2ml/Kgを雌雄各々5匹ずつ10匹のマウスに、一回経皮投与し、2週間一般症状、体重変化を観察した結果、全体投与群において異常症状が観察されなかった。同じ方法でウサギに実施した結果、異常が観察されなかった。

0035

(1-3) 皮膚1次刺激試験(Primary skin irritation test)
試験物質の適用24時間前に、ウサギ12匹の背中部位の毛を除外し、2.5×2.5cmの広さに0.1mlずつ、24時間塗布して観察した。観察した結果、刺激がないことを確認した。

0036

(1-4)眼粘膜刺激試験(Eye irritation test)
試料を2%濃度で塩水に希釈して、動物1匹当たり0.1mlずつウサギ9匹の目に投与した。試験結果、角膜紅彩結膜において特別な眼粘膜刺激反応を観察されなかった。

0037

(1-5)皮膚感作成試験(Skin sensitization test)
ニア雌雄各々3匹ずつ6匹について、MagnussonとKligmanの試験方法によって実施した結果、紅斑浮腫痂皮形成等の皮膚異常症状は観察されなかった。

0038

(1-6)人体パッチ試験(Human patch test
20〜28の健康な女性30名を対象として、CTFAガイドライン(T heCosmetic Toiletry and Fragrance Association, INC, Washington, D. C. 20036, 1991)に従って実施した結果、皮膚1次刺激反応が現れなかった。

0039

(1-7) 累積刺激性試験(Repeat Insult Human Patch Test)
人体パッチ試験の対象者に、CTFAガイドラインに従って実施した。その結果、累積刺激反応及び感作反応が現れなかった。以上の毒性及び皮膚に対する安全性実験から、本発明によるトコフェロール誘導体が、皮膚に適用可能な安全な物質であることが確認できた。

0040

試験例2:安定性試験
安定性試験は、実施例1の化合物とトコフェロールを各々3gずつ量して、セチルエチル−ヘキサエイト(cetylethyl-hexanoate)100mlに溶かした。60℃恒温槽保管した後、6ヶ月間経時変化を観察した。残存率は、HPLCを利用して分析した。実施例1のHPLC分析条件は、フェニルカラム(phenylcolumn)溶離液:10mmol SDS及び50mmol H3PO4を含むTHF70%水溶液流速:1ml/min、検出条件:286nmである。

0041

対照群であるトコフェロールのHPLC分析条件は、ODSカラム(column)溶離液:MeOH,流速:1ml/min、検出条件:290nmである。 その結果を表1に示した。着色は、初期状態を対照群にして、目視により観察し、その結果を表2に示した。

0042

0043

0044

上記表1及び表2から、実施例1のトコフェロール誘導体は、着色現象を現さなかったが、対照物質であるトコフェロールの場合、4ヶ月目から着色現象が示され、着色が次第に増加することを観察することができた。また、NMRによる定量分析から実施例1の化合物が安定することが分かる。

0045

試験例3:コラゲン生合成促進効果
皮膚に対する効果を調べるため、試験管測定方法でコラゲン生合成促進効果を3-アミノプロパンリン酸と比較検討した。試験方法は、新生児繊維芽細胞を24ウェル(well)にウェル当たり105個ずつ接種し、90%程度まで発展するまで培養した。これをPBSで一回洗った後、実施例1の化合物及び対照群として3-アミノプロパンリン酸を下記の表3に記載された濃度で処理し、24時間CO2培養器で培養した。これらの上澄液を汲み出して、プロコラーゲン型(I)エリザキット(procollagen type (I)ELISAkit)を利用して、プロコラーゲンの増減可否を測定し、その結果を表3に示した。測定結果は、試料を処理しない群を100にして対比したものである。

0046

ID=000009HE=020 WI=107 LX=0515 LY=0700
上記表3から、本発明によるトコフェロール誘導体は、皮膚内でのコラゲン生成能に優れることが分かるので、トコフェロール誘導体を皮膚に塗布すると、生体膜の老化を防止することができる。

0047

試験例4:生体酵素による分解
皮膚吸収後、本発明のトコフェロール誘導体が生体内に存在する酵素によって、トコフェロールと3-アミノプロパンリン酸に分解されるかを調べた。生体酵素は、ホスホジエステラーゼ(Phosphodiesterase)であって、試料は、実施例1の化合物とTween 20とを1:9の比で使用し、1%の水溶液に作ったものである。上記酵素と水溶液を緩衝溶液中で37℃の温度で24時間撹拌した後、HPLC(C18 column,MeOH:THF=9:1,r.t.=13.695min,トコフェロール)を利用して、加水分解された程度を分析した。

0048

試験の結果、実施例1の化合物は、生体酵素により40%が加水分解されることが分かった。しかし、この試験において、実施例1の化合物の水に対する難溶性を改善するために、乳化剤を過量使用したので、生体酵素の非活性化が大きく増加することができる。従って、実際に生体酵素によるトコフェロール誘導体の加水分解は、この試験結果より一層多く進行されると判断される。

0049

試験例5:ラード油(Lard oil)を用いた抗酸化力測定
ペトリ皿に純粋なラードを2.0g入れて、ここにトコフェロール、実施例1の化合物及び酢酸トコフェロールを各々40molずつ混合した後、この混合物を60℃温度の暗室で保管した。ラードの酸化程度を測定するため、毎日重量増加分を測定し、その結果を図1に示した。試料の重量増加は、ラードの酸化から由来するので、重量変化がないほど、抗酸化力が大きいと言える。

0050

一方、重量変化が観察されない時、NMRスペクトロメータを用いて、ラード油の酸化程度を確認した結果、トコフェロールと酢酸トコフェロール及び非処理群は、約90%のラード油が酸化されたことが確認できた。 また、本発明で合成した実施例1の化合物は、同じ期間にただ5%だけが酸化されたことを確認した。

0051

試験例6:リノール酸を用いた抗酸化力の測定
ペトリ皿に純粋なリノール酸を2.0g入れて、ここにトコフェロールと実施例1の化合物及び酢酸トコフェロールを各々40molずつ混合した後、この混合物を60℃温度の暗室で保管した。リノール酸の酸化程度を測定するため、毎日重量増加分を測定し、その結果を図2に示した。試料の重量増加は、リノール酸の酸化から由来するので、重量変化がないほど、抗酸化力が大きいと言える。

0052

一方、重量変化が観察されない時、NMRスぺクトメータを用いて、リノール酸の酸化程度を確認した結果、トコフェロールと酢酸トコフェロール及び非処理群は、約83%のリノール酸が酸化されたことが確認できた。また、本発明で合成した実施例1の化合物は同じ期間にただ3%だけが酸化されたことを確認した。

0053

上記試験例5及び6から、本発明によるトコフェロール誘導体は、トコフェロール及び他のトコフェロール誘導体と比較して、抗酸化効果が非常に優れることが分かった。

発明の効果

0054

以上説明したように、本発明により提供される一般式(I)のトコフェロール誘導体は、非常に安全であり、安定し、皮膚に塗布する際、次第にトコフェロール及び3-アミノプロパンリン酸を放出し、トコフェロール及び3-アミノプロパンリン酸の生理活性を両方とも発揮することができ、化粧料等の各種の用途に使用することができる。更に、本発明による化合物は、非常に優れた抗酸化力を有するので、これを利用した他の分野への応用が可能である。

図面の簡単な説明

0055

図1図1は、本発明による化合物の抗酸化効果をラード油を用いて測定した結果を示すグラフ図である。
図2図2は、本発明による化合物の抗酸化効果をリノール酸を利用いて測定した結果を示すグラフ図である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ