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図面 (12)

課題

音響性能が改善され、感度が改善され、帯域幅増し、そして焦点特性が改善された変換器素子アレー及びその製造方法を提供すること。

解決手段

各変換器素子(12)は、圧電層(22)と一つ以上の音響整合層(24,26)を含む。この圧電層(22)は、前電極(42)で覆われた凹形前面と後電極(40)で覆われた後面を有する。各変換器素子(12)の形状は、その焦点機械的にこの結像面に合せるように選ばれている。裏当て支持体(80)は、各素子(12)が機械的にこの結像面に焦点を合せるように、これらの複数の変換器素子(12)をこのアレー軸(A)に沿って所定の関係に保持する。

概要

背景

概要

音響性能が改善され、感度が改善され、帯域幅増し、そして焦点特性が改善された変換器素子アレー及びその製造方法を提供すること。

各変換器素子(12)は、圧電層(22)と一つ以上の音響整合層(24,26)を含む。この圧電層(22)は、前電極(42)で覆われた凹形前面と後電極(40)で覆われた後面を有する。各変換器素子(12)の形状は、その焦点機械的にこの結像面に合せるように選ばれている。裏当て支持体(80)は、各素子(12)が機械的にこの結像面に焦点を合せるように、これらの複数の変換器素子(12)をこのアレー軸(A)に沿って所定の関係に保持する。

目的

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請求項1

超音波変換器アレー(10)を製造する方法であって、該方法が、圧電基板(30)と、ほぼ一定の厚さの音響整合層(24)と、前キャリヤ板(64)とを有した中間組立体を用意することであって、前記圧電基板(30)は前電極(42)によって覆われた前面と後電極(40)によって覆われた後面とを有し、前記音響整合層(24)は前面と後面とを有し、圧電基板の前面と音響整合層の前面はアレー軸(A)に直角な軸(B)に沿って凹形であり、前記音響整合層は圧電基板との間に固定され、音響整合層の後面は前記圧電基板の凹形前面に装架されている中間組立体を用意することと、圧電基板の後面から、前記中間組立体の圧電基板を通って音響整合層に達する、アレー軸(A)に直角な一連のほぼ平行な切れ目(82)を切って、アレー軸(A)に沿って整合した複数の個々の変換器素子(12)を形成することと、前記中間組立体の圧電基板の後面に裏当て材料(80)を付けることと、前記前キャリヤ板(64)を除去して超音波変換器を産することとを有し、各変換器素子(12)の圧電基板(30)と音響整合層の前面の凹形は変換器素子をアレー軸(A)に直角な面に機械的に焦点合わせするように選択されている超音波変換器アレーの製造方法。

請求項2

請求項1に記載の製造方法において、前記中間組立体を用意することが、前面を有した圧電材料基板(30)を用意することと、圧電材料の基板に基板の前面から一連のほぼ平行な切れ目(48)を切ることと、圧電材料の切れ目を入れた基板をまげて凹形前面を有した圧電基板を形成することとを有している製造方法。

請求項3

請求項2に記載の製造方法において、前記中間組立体を用意することが、薄い金属電極層(52)を音響整合層(24)の下側に形成することと、音響整合層を音響整合層の電極層が圧電基板の前電極(42)に電気的に接触した状態で圧電基板に付けることとを有している製造方法。

請求項4

請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法において、前記中間組立体を用意することが、圧電基板の全面を金属被覆することと、圧電基板の後面の金属被覆層(36)を通って切断し、基板の後面上の後電極(40)と、基板の後面の一部上に延在している基板の前面上の前電極(42)とを形成することとを有している製造方法。

請求項5

請求項4に記載の製造方法において、該製造方法が、柔軟なプリント回路信号導体(16)を圧電基板上の後電極(40)に取り付けることと、柔軟な接地導体(18)を圧電基板上の前電極(42)に取り付けることとをさらに有している製造方法。

請求項6

請求項5に記載の製造方法において、前記中間組立体の圧電基板を通って音響整合層に達する一連のほぼ平行な切れ目(82)を切ることが、各変換器素子用の別々の信号導体を電気的に絶縁するように前記信号導体(16)を切断することを有している製造方法。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載の製造方法において、前記中間組立体を用意することが、平坦研磨された工具板を用意することと、前記工具板上に薄い金属電極層(52)を電気めっきすることと、一つ以上のエポキシ材料の音響整合層(24、26)を電気めっき電極層上に形成することと、電極層及び一つ以上の音響整合層を工具板から除去することと、除去された電極層及び一つ以上の音響整合層をプレスを使用して所定の形状に曲げることと、形成された電極層及び一つ以上の音響整合層を圧電基板(30)の凹形前面に永久的に接着することとを有している製造方法。

請求項8

請求項1から7に記載の製造方法において、中間組立体を用意することが、所定温度以上で接着力を失う熱可塑正接着剤(67)で音響整合層を前記前キャリヤ板(64)に付けることを有している製造方法。

請求項9

請求項1から8に記載の製造方法において、中間組立体の圧電基板を通って音響整合層に達する一連のほぼ平行な切れ目(82)を切ることが、圧電基板(30)と音響整合層(24)とを完全に通って前キャリア板(64)に達する切断を有している製造方法。

請求項10

請求項1から9に記載の製造方法において、前キャリヤ板(64)は柔軟であり、該方法が、基板及び音響整合層を柔軟な前キャリヤ板の降伏バイアスに抗して曲げることによって、平行に切られた中間組立体を所望の形状に形成することをさらに有している製造方法。

請求項11

請求項1から10のいずれか1項に記載の製造方法に従って作られた製品

請求項12

物体試験するための超音波変換器アレー(10)であって、該超音波変換器アレーが、アレー軸(A)に沿って整合した複数の変換器素子(12)と、該複数の変換器素子を支持する裏当て(80)とを有し、アレー中の複数の変換器素子の各々が、前電極(42)によって覆われ、アレー軸(A)に直角な軸(B)に沿って凹形である前面と、後電極(40)によって覆われた後面とを有した圧電層(30)と、アレー軸(A)に直角な軸(B)に沿って凹形である前面と、後面と、一定の厚さとを有し、後面が圧電層の凹前面に装架されている第1音響整合層(24)とを有し、アレー中の複数の変換器素子の各々は、自身の圧電層(30)と、隣接したアレー中の変換器素子から離隔した自身の音響整合層(24)の少なくとも一部を有しており、各変換器素子(12)の圧電層及び音響整合層の前面の凹形は変換器素子をアレー軸(A)に直角な面に機械的に焦点合わせするように選択されている超音波変換器アレー。

請求項13

請求項12に記載の超音波変換器アレーにおいて、柔軟なプリント回路信号導体(16)が複数の変換器素子の各々の後電極(40)に付けられ、柔軟な接地導体(18)が複数の変換器素子の各々の前電極(42)に付けられている超音波変換器アレー。

請求項14

請求項12又は13に記載の超音波変換器アレーにおいて、該アレーが、複数の変換器素子用の表面層(20)を形成する誘電材をさらに有している超音波変換器アレー。

請求項15

請求項12から14のいずれか1項に記載の超音波変換器アレーにおいて、各変換器素子のために、圧電層の前面がアレー軸(A)の方向に並んだ一連の切れ目(48)によって中断されていて、各変換器素子(12)が一連の切れ目を横切る電気的導通路を提供する手段(24、52)をさらに有している超音波変換器アレー。

請求項16

請求項15に記載の超音波変換器アレーにおいて、電気的導通路を提供する手段が各変換器素子の圧電層と音響整合層との間の電気的導通層(52)を有している超音波変換器アレー。

請求項17

請求項12から16のいずれか1項に記載の超音波変換器アレーにおいて、アレー中の複数の変換器素子(12)の各々の第1音響整合層(24)がアレー(10)中の隣接した変換器素子(12)から完全に離隔している超音波変換器アレー。

請求項18

請求項12から17のいずれか1項に記載の超音波変換器アレーにおいて、アレー軸(A)は曲線からなっている超音波変換器アレー。

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0001

(発明の属する技術分野)この発明は、一般的には超音波変換器アレー(列)に関し、更に詳しくは、直線、曲線、またはその両方である軸に沿って均一に分布された、複数の個々の、音響的に絶縁された素子をもつアレーに関する。

0002

(従来の技術及び発明が解決しようとする課題)超音波変換器アレーは、この技術分野では良く知られ、医療診断画像流体流れ検出および材料の非破壊検査を含む多くの用途がある。そのような用途は、典型的には最適分解能を得るために、高感度広帯域周波数応答を要求する。

0003

超音波変換器アレーには、典型的には、直線(即ち、線形アレー)、または曲線(例えば、凹アレーまたは凸アレー)であるアレー軸に沿って均一に離間した、複数の個々の変換器素子がある。これらの変換器素子は、各々圧電層を含む。これらの変換器素子にはまた、典型的には各々厚さが四分の一波長である、一つ以上の音響整合層が重なっている。このアレーは、隣接する変換器素子間で発信タイミングを変えて電気的に駆動され、結像面集束した音ビームを生ずる。個々の変換器素子をパルサレシーバ回路と電気的に整合することにより、個々の変換器素子を試験すべき物体と音響的に整合することにより、および個々の素子を互いから音響的に絶縁することによって、変換器の性能は向上する。これらの音響整合層は、普通、圧電素子から試験すべき物体の中への音エネルギーの伝達を改善するために使う。

0004

結像面内での電子焦点合せに加えて、面外焦点合せに備えることも必要である。これは、典型的には、凹面の圧電層を使うことにより、または音響レンズに関連して平面の圧電層を使うことにより機械的になされる。

0005

機械的焦点合せを具体化した既知変換器アレーの一つは、平凹圧電基板で作られている。この凹面が作る空洞は、タングステンエポキシ混合物のような、ポリマー混合物で埋めてから、平ら研磨する。次に、エポキシ層基板または適当な四分の一波長整合層基板をこの充填層の平らな面に貼付けて、この装置からの音響エネルギーの伝達を改善する。この結果できたサンドイッチ基板ダイシングで切断して個々の変換器素子を作る。この切断工程では、個々の変換器素子が結合されたままにするために、この四分の一波長整合層基板は切らないか、部分的に切るだけである。この構成の結果、前面が平面の、機械的に焦点合せしたアレーが得られる。個々の変換器素子に電気接続をし、このアレーを所望の形状(例えば、直線、凹形、凸形)に成形してから、裏当て層を付けて変換器素子を支持し、この圧電基板から伝達された音響エネルギーを吸収または反射する。

0006

このアレーの欠点の一つは、その周波数応答帯域が狭くて、感度が低く、好ましくないことである。特に、この充填層の厚さが不均一であることが、この圧電材料から走査する物体の中へ音響エネルギーが広い周波数範囲にわたって伝達することを阻止する。更に、周波数応答帯域が狭いことが、伝達される音響波パルス長増し、それでこのアレーの軸方向解像度を制限する。もう一つの欠点は、隣接する音響整合層が、好ましくない素子間クロストークを起こすことである。

0007

変換器アレーを作るためのもう一つの普通の構成技術が、イシヤマの米国特許明細書第4,734,963号に記述されている。その技術では、圧電材料の平板使い電極リードパターンのある柔軟なプリント基板をこの平板の裏面の一部に接着する。同様に、均一な厚さの平坦な四分の一波長整合層を、この平坦な圧電板の前面に貼付ける。柔軟な裏当て板をこの圧電板の裏面に取付け、取付けた柔軟なプリント基板の一部を捕らえる。ダイシング鋸で、この圧電板と対応する平坦な音響整合層を、この柔軟な裏当て板まで切断することによって、個々の変換器素子を作る。次に、この柔軟な裏当て板を、直線、凹形、または凸形である軸に沿って成形して、裏当てベースに接着する。シリコンエラストマーレンズを、この四分の一波長整合層の前面に貼付けて、個々の素子の所望の機械的焦点合せをする。

0008

この構成の欠点の一つは、これらの変換器素子の感度に、このシリコンレンズの効率の悪さが否定的に影響することである。シリコンレンズは、周波数依存性損失を生じ、それは、結像アレーに普通使用する範囲(3.5〜10Mhz)で高い。生産性にも、このシリコンレンズをこのアレーの個々の素子に関して精密に整列する必要が否定的に影響する。

0009

デュビューの米国特許第5,042,492号に記載されている更なる構成技術は、凹形に配置した圧電素子を使い、それらの前面を連続していて、変形可能である音響転移ブレードに貼付ける。このブレードには、金属被覆層があって、圧電素子の前面を電気的に接続する。圧電素子の裏面は、個々に別々のリード線に接続されている。この構成の欠点は、ブレードの金属被覆とブレードそれ自身が、圧電素子を横切って連続していて、それがこの変換器の性能に不利に影響することである。その上、リード線を圧電素子に個々に取付けることは、時間がかかり、ことによると、この材料を損傷する。

0010

上記から、各素子が、音響レンズを必要とすることなく機械的に焦点合せをし、一つ以上の均一な厚さの、同様に焦点合せをした、四分の一波長整合層に貼付けた圧電層をもつ、改良した超音波変換器素子アレーに対する要求がまだあることを理解すべきである。それぞれの圧電層と整合層を含む個々の変換器素子は、直線または曲線の経路に沿って成形可能な独立の変換器素子を作るために、互いから機械的に分離されるべきでもある。横共振モードを減少し、および圧電層の全部の音響インピーダンスを減少したアレーに対する更なる要求がある。電気接続作業中に変換器アレーに生ずる損傷を最少にすることは勿論、変換器素子に個々のリード線および/または接地線を接続するために必要な時間を減少する要求もある。この発明は、この要求を満たす。

0011

(課題を解決するための手段)この発明は、機械的に結像面に焦点を合せ、調べる媒体と音響的に整合し、およびこの結像面のアレー軸に沿って互いから音響的に絶縁した個々の変換器素子をもつ超音波変換器アレーに具体化し、その結果音響性能が改善し、感度が改善し、帯域幅が増し、そして焦点特性が改善した。この発明は、更に、上記のアレーを作り、およびリード線および接地線を個々の変換器素子に、比較的容易で損傷のない単一作業で、電気的に接続するための改良された方法に具体化する。この改良された方法も、変換器素子が特にこのアレー軸に沿って変らず、均一であるアレーを生ずる。

0012

この発明の超音波変換器アレーは、超音波装置に使うためのプローブの形をしていてもよい。このアレーには、複数の個々の変換器素子があり、各変換器素子には、凹形前面および後面を有する圧電層と、凹形前面および後面を有し、厚さが均一な音響整合層とがある。凹形という用語は、湾曲部分または直線部分またはそれらの組合せで作られた凹みを含むことを意味する。この音響整合層の後面は、圧電層の凹形前面に取付ける。この圧電層の前面並びに音響整合層の前面および後面の形状は、それぞれの変換器素子の焦点を機械的に結像面に合せるのに適している。このアレーは、更に、これらの変換器素子を離間した関係に支持し、変換器素子をこの結像面にあるアレー軸に沿って整列する裏当て支持体を含む。

0013

この発明の別の特徴で、この圧電層の前面は、このアレー軸の方向に配列された一連スロットを含んでもよい。これらのスロットは、この圧電層の横共振モードを最少にし、全部の音響インピーダンスを減少する目的に役立つ。その上、もし、機械的焦点合せのために、凹面形を望むなら、これらのスロットが、この圧電層を容易に凹面形に成形することを可能にする。

0014

この発明のもう一つの特徴は、このアレーの個々の変換器素子の電気接続である。特に、製造プロセス中に、圧電基板(後に音響整合層基板に取付けて切断し、個々の変換器素子を作る)を金属被覆して、その後面に分離切れ目を入れて、巻き付いた表面電極と分離した後表面電極を作る。この圧電基板と音響整合層基板の組合せを切断して個々の変換器素子にする前に、この分離した後表面電極に電極リードパターンのある柔軟なプリント基板をはんだ付けしてもよい。この巻き付き前表面電極に、接地箔をはんだ付けしてもよい。こうして、この圧電基板を切断すると、それぞれ自分自身の電極リードおよび接地接続をもつ各変換器素子ができる。凹形前面に上述のようにスロットを入れた場合(従って、巻き付き前電極が不連続になる)には、銅のような、適当な導電性材料の層を、この圧電基板と音響整合層基板の間に挿入して、これらのスロットを横切り接地接続への電気的に接続することを保証する。

0015

この発明のもう一つの特徴は、これら個々の変換器素子の相互接続を維持しながら、それら自身を細分してもよいことである。そのような構成は、疑似横共振モードおよび素子間クロストークを更に減ずる。

0016

上述の超音波変換器アレーを作る、改良された方法には、凹形の前面と後面とをもつ圧電基板を調製し、この圧電基板の凹形前面に、厚さがほぼ均一な一つ以上の音響整合層を付けて、中間組立体を作る工程がある。この中間組立体を柔軟な前キャリヤ板に貼付け、この中間組立体を完全に通ってこの柔軟な前キャリヤ板の中へ、一連のほぼ平行な切れ目を切る。これらの切れ目が、アレー軸に沿って整列され、各々圧電層と音響整合層をもつ一連の個々の変換器素子を形成する。次に、この結像面のアレー軸の周りに、これらの層を、この柔軟な前キャリヤ板の降伏バイアスに抗して曲げることによって、この平行に切った中間組立体を所望の形状に成形する。次に、この成形した中間組立体を、この圧電基板の後面に隣接して裏当て支持体に貼付け、この一時的前キャリヤ板を除去して、超音波変換器アレーを生ずる。

0017

上述の方法に付加する有益な工程は、ほぼこの圧電基板を通して、一連の平行な切れ目を切って、この圧電基板の凹形前面に前述のスロットを作ることである。更に他の有益な工程は、この柔軟な前キャリヤ板と音響整合層の間に熱可塑性接着剤を使うことで、この熱可塑性接着剤は、所定の温度以上でその接着力を失い、このキャリヤ板を放す。

0018

上記の方法は、このアレーの共振特性を更に改善するために、これらの切れ目およびスロットを低インピーダンスの音響的に減衰性の材料で満たすことによって、更に改良することができる。この柔軟な前キャリヤ板を除去してから、この音響整合層の露出された凹形表面エラストマー充填層を貼付け、それによって個々の変換器素子を電気的に絶縁し、音響結合を改善することによって、更なる利益が得られるかもしれない。

0019

この発明の他の特徴および利点は、この発明の原理を、例として、図解する添付の図面に関連した、以下の好ましい実施例の説明から明白となろう。

0020

(発明の実施の形態)この発明に従って作った超音波変換器アレー10を図1に示す。このアレーには、ハウジング14に入った、複数の、個々の超音波変換器素子12がある。これらの個々の素子は、柔軟なプリント基板のリード線16および、ポリマー裏当て材料80によって適当な位置に固定された接地箔18に電気的に接続されている。誘電体表面層20がこのアレーおよびハウジングの周りに作られている。

0021

各個々の超音波変換器素子12は、圧電層22、第1音響整合層24および第2音響整合層26から構成されている(図2Aも参照)。これらの個々の素子は、この圧電層および隣接する音響整合層が凹面形状をしているために、所望の結像面(x−y軸によって定義される)に機械的に焦点を合わせている。これらの個々の素子は、この結像面に位置するアレー軸A(各変換器素子の両端の間に伸びる弦の中点で定義してもよい)に沿って、互いから機械的に分離もされている。

0022

この好ましい実施例では、このアレー軸Aは、扇形走査ができるようにするために、凸形である。しかし、以下の説明から、このアレー軸が直線でも、曲線でも、更には直線部と曲線部の組合せでさえもよいことが明白となろう。

0023

この個々の超音波変換器素子のアレーは、以下の好ましい方法で作ることができる。図3を参照して、一片圧電セラミック材料を平らに研磨し、矩形に切断して、前面32および後面34のある基板30を作る。特に適した圧電セラミック材料は、モトローラセラミックプロダクツが作る3203HD型のものである。この材料は、密度および強度が高く、個々の素子を破断することなく、切断工程を容易に行うことができる。

0024

この圧電基板30を、例えば、最初に表面を5%のフルオロホウ酸溶液エッチングして、次に普通利用できる市販のめっき材料および手段を使って、無電解ニッケルめっきして、金属被覆層36を付けることによって更に調製する。クロームニッケル、金、またはその他の金属の真空蒸着のような他の方法で、この圧電基板のめっきを置き換えてもよい。このめっき材料は、この圧電基板の表面全体の周りに完全に伸びるように作る。この好ましい実施例では、次に銅層(厚さ約2ミクロン)をこの第1ニッケル層(厚さ約1ミクロン)の上に電気めっきし、更に金の薄い層(厚さ<0.1ミクロン)を電気めっきすることによって腐食に対して保護する。

0025

この圧電基板の後面34に二つの鋸切れ目38を入れることによって、金属被覆層36を分離して二つの電極を作る。この目的に、ウェーハダイシング鋸を使ってもよい。これらの二つの鋸切れ目は、後面電極40および別の前面電極42を作る。この前面電極には、この圧電基板の前面32から後面34の周りへ伸びる巻き付き端44がある。これらの巻き付き端44は、この後面の各側に沿って約1mm伸びるのが好ましい。

0026

図4を参照して、圧電基板30をひっくり返し、後面電極34を、例えば絶縁ポリエステルフィルムのような、キャリヤフィルム46に取付けることによって、切断の準備をする。この圧電基板をキャリヤフィルムに貼付けるために、熱可塑性接着剤を使ってもよい。ウェーハダイシング鋸を使って、好ましくは、鋸切れ目の内端49とこの基板の後面34の間に、基板材料を少量、例えば50ミクロンだけ切残して、この圧電基板30のほぼ端から端までに、一連の鋸切れ目48を作る。その代わりに、この基板30を通り、この後面電極の全部ではないが、それに切込んで、鋸切れ目を作ってもよい。十分な数の切れ目を、小さな間隔でこの基板に作ると、この基板は、柔軟になり、後に、望む通りに湾曲または凹面にすることができるようになる。その代わりに、この基板を平らなままにしてもよい。また、その代わりに、これら一連の鋸切れ目を、圧電基板は完全に通るが、金属被覆層は通らないように作ってもよい。

0027

鋸切れ目48の他の目的は、完成した装置の横共振モードを最小にすることである。この点で、これらの鋸切れ目に、硬度が低く、損失の多いエポキシ材料を詰めてもよい。その上、これらの切れ目は、それらの間隔を規則的にし、またはその他の秩序だった方法にし、またはその代わりに、この変換器アレーの動作周波数の近くの、好ましくない共振モードを更に抑制するために、無作為にしてもよい。

0028

この好ましい実施例では、鋸切れ目の周期性は、この基板の厚さ(前面から後面まで計った)の約半分である。しかし、基板が薄くてこれができないなら、隣接する鋸切れ目の間の距離を、基板の厚さの約2倍である所定の最大値からこの厚さの約半分である所定の最小値まで、長さをばらつかせて、無作為に配置してもよい。厚さが約0.025〜0.051mmのブレードを使ってもよい。

0029

上に成形するために圧電基板を調製する特定の好ましい方法を説明したが、当業者は、機械加工熱成形または他の既知の方法によって、この基板を別な方法で凹形形状に成形してもよいことが分かるだろう。この凹形という用語は、湾曲部分または直線部分またはそれらの組合せで作られた凹みを含むことを意味する。更に、この発明に、セラミックス(例えば、亜鉛酸鉛、チタン酸バリウムメタニオブ酸鉛およびチタン酸鉛)、圧電プラスチック(例えば、PVDFポリマーおよびPVDF−TrFeコポリマー)、複合材料(例えば、1−3PZTポリマー複合物ポリマーマトリックス(0−3複合物)中に分散したPZT粉末、並びにPZTおよびPVDFまたはPVDF−TrFeの配合物)、またはリラックサ強誘電体(例えば、PMN:PT)を含む種々の圧電材料を使ってもよいことが分かるだろう。

0030

今度は、図5を参照して、音響整合層を調製する方法を説明する。特に、第1および第2音響整合層、それぞれ24、26を示す。これらの音響整合層は、各々、この圧電基板30に付着したときの各材料中の音速によって決まる四分の一波長にほぼ等しい均一な厚さのポリマーまたはポリマー複合材料で作ってもよい。これらの四分の一層の音響インピーダンスは、この圧電基板のインピーダンスと調べるべき物体または媒体のインピーダンスの中間値になるように選ぶ。例えば、この発明のこの好ましい実施例で、圧電材料の全部の音響インピーダンスは、約29MRaylsである。第1四分の一波長層24の音響インピーダンスは、約6.5MRaylsである。この音響インピーダンスは、珪酸リチウムアルミニウム充填したエポキシで得ることができる。第2四分の一波長整合層26のインピーダンスは、約2.5MRaylsで、充填しないエポキシ層で作ることができる。

0031

この好ましい実施例では、チタンで出来た平らな、磨いた工具板(図示せず)をキャリヤとして使用して、この音響整合層を加工する。第1段階として、厚さ約1ミクロンの銅またはその他の導電性材料の層52を、このチタンの工具板の平らな表面上に電気めっきする。次に、エポキシ材料製の第1音響整合層をこの銅層の上に流し込み、硬化中にそれに接着する。次に、このエポキシ層を、所望の動作周波数(この材料中の音速で計った)での約四分の一波長に等しい厚さに研磨する。第2音響整合層も同様に流し込み、厚さを約四分の一波長(この材料中の音速で計った)に研磨する。この銅層と第1音響整合層の間の接着を改善するために、この銅層の上に錫層を電気めっきしてもよい。

0032

第2音響整合層の研磨が終了してから、これらの整合層と接着した銅層とをチタン板から外して、二つの音響整合層と銅層の貼合せを得る。このようにして、少なくとも表面の一つが導電性である、音響整合層基板54を作る。

0033

この好ましい実施例では、上述のように、二つの音響整合層と銅層を使用する。しかし、三つ以上の整合層を使ってもよいこと、およびこれらの四分の一波長層を作れる手段はいくつかあることに注意すべきである。その代わりに、黒鉛、銀を充填したエポキシ、またはガラス質炭素のような、適当な音響インピーダンスをもつ導電性材料を、第1整合層として使い、銅層を省略してもよい。多重整合層の代わりに、音響インピーダンスが、例えば、4Mraylsの単一整合層を使うことも可能である。この四分の一波長材料を、この圧電基板の表面上に成形して作ることも、その代わりに、流し込みと研磨による方法によってもできる。

0034

次に、この圧電基板30と音響整合層基板54を凹面に形成する好ましい方法を説明する。図6Aを参照すると、凹面の母型56と押え棒58をもつプレスが示されている。この母型と押え棒の間に、銅層52を母型に向けて音響整合層基板54を挿入する。次のプレス作業で圧電基板30をこの銅層に接着するので、この銅層と母型の間にプラスチックシム62を置いて、偏差補償する。

0035

この音響整合層を凹面形にプレスするのと同時に、柔軟な前キャリヤ板64を、この第2音響整合層26に一時的に取付ける。このキャリヤ板64は、第2音響整合層に向いた面66が凹面形であり、曲率は、この音響整合層基板に押し込まれた曲率と同じである。熱可塑性接着剤層67を使って、このキャリヤ板64と基板54の間の結合を維持し、例えば、120°C以下の温度で、このキャリヤ板が整合層に固定されたままであるようにしてもよい。このキャリヤ板は、ダイ10シング棒70に一時的に取付けるために、平らな面68もある。このダイシング棒は、押え棒58に取外し可能に取付けられるので、スプレー接着剤を使って、このキャリヤ板をダイシング棒に取付けてもよい。

0036

音響整合層基板を凹面に形成して、柔軟な前キャリヤ板に一時的に接着する第1プレス作業が終わってから、このプレス加工した音響整合層基板と母型56の間に圧電基板30(まだそのキャリヤフィルム46に取付けられている)を置くことによって、このプレスは、第2プレス作業の準備が出来る(図6B参照)。この母型の曲率の偏差を補償するために、薄いプラスチックシム60を、圧電基板と母型の間に置いてもよい。

0037

圧電基板を凹面に形成すると同時に、適当な接着剤71を使って、この柔軟な前キャリヤ板を備えた音響整合層基板をこの圧電基板に永久的に接着してもよい。この好ましい実施例では、両プレス作業を、例えば、このプレスをオーブン内に置くことによって、高い温度で行う。

0038

プレス加工後、その結果接着され、成形された、圧電基板および音響整合層基板をこのプレスから取出す。そこで、キャリヤフィルムを除き、縁を切って中間組立体72を作る(図7参照)。今説明したプレス作業が、機械的に焦点を合わせ、相当する音響整合層を備えた圧電基板を作る。

0039

図7および図8を参照して、この凹面にされた圧電基板30上の各分離切れ目38に隣接した、巻き付き前面電極42に、二つの銅”接地箔”ストリップ18をはんだ付けすることによって、電気接続をしてもよい。次に、各分離切れ目に隣接し、この凹面にされた圧電基板上の接地箔ストリップに対向して、柔軟なプリント板のリード線16を後面電極40にはんだ付けする。

0040

ダイシングする前に、これらのリード線と接地箔を折曲げて、柔軟な前キャリヤ板64を通って下へ伸びるようにし、ウェーハダイシング鋸をこの中間組立体72(ダイシング棒70を付けたまま)の上に取付ける。結像面と直交する一連の鋸切れ目82を作り、柔軟なプリント板のリード線16、接地箔18、圧電基板30および音響整合層基板54を通るが、柔軟な前キャリヤ板64は完全には通らずにダイシングすることによって、このアレーの個々の変換器素子12を作る。このようにして、個々のアレー素子とそれに対応するリード付属品が互いから分離される。この好ましい実施例では、圧電基板の鋸切れ目48の間の間隔(図4参照)および中間組立体72の鋸切れ目82は、均一で等しく、このアレーの複数の圧電棒90を形成する(図2A参照)。

0041

ダイシングする前に、リード線および接地箔を折下げることによって、これらのリード線および接地箔が部分的に切られるだけであり、それでこの柔軟なプリント板および接地接続の一体性が保たれることが分かるだろう(例えば、図2A参照)。図7には、二つのリード線16を示す。この場合、一つおきの変換器素子を片側のリード線に接続し、それらの間の変換器素子を他の側のリード線に接続する。この付加的な接地箔は余分である。

0042

図2Bに示す代替実施例においては、この超音波変換器アレーがいくつかの変換器素子をもち、各素子が、電気的に並列に接続された、二つの下位素子12A、12Bから成る。そのようなアレーは、鋸切れ目を、柔軟なプリント板のリード線16上の信号導体72の間にだけでなく、信号導体それ自身にも作るように、この中間組立体をダイシングすることによって構成する。これらの下位素子は、疑似横共振モードおよび素子間クロストークを減少する役に立つ。代わって、この変換器素子を三つ以上の下位素子で構成してもよい。

0043

ダイシング作業の後に、ダイシング棒を除去し、柔軟な前キャリヤ板64に結合した個々の変換器素子12を曲げて、このキャリヤ板を凸面、凹面、または平面形の工具76に一時的に貼付けることによって、所望のアレー軸に沿って成形することができる(図8参照)。次に、何か適当な材料(例えば、アルミ)で作ったハウジング14を上記前キャリヤ板とそれに対応するアレー素子の周りに取付ける。この好ましい実施例では、鋸切れ目82を、例えば硬度の低いポリウレタンのような、低インピーダンスの音響的に減衰性の材料(図示せず)で埋めて、応答特性を改善する。

0044

図1および図9を参照して、このハウジング14と前キャリヤ板64が作る空洞の中へ、ポリマー裏当て材料80を流込んで、変換器素子とそれらに対応する電気的リード付属品を封入する。そのような裏当て材料は、理想的には音響インピーダンスが低く、例えば<2MRaylsで、その音響インピーダンスを下げるためにプラスチックまたはガラス微小中空球を充填したポリマーで構成してもよい。その代わりに、音響インピーダンスの高い配合物を使い、感度をいくらか犠牲にして、これらの変換器素子の周波数帯域幅を改善することができる。

0045

完成品に到達するためには、この変換器アレーを120°Cを超える温度に加熱し、柔軟な前キャリヤ板を剥がすことによって、このキャリヤ板を取り除き、第2整合層の凹表面を露出する。変換器素子は、このポリマー裏当て材料80によって、このハウジングに固定されたままである。次に、このアレーを金型に入れ、その中にポリウレタンポリマーを注いで、誘電体表面層20を作り、それが、この第2整合層26の凹面を埋めて封止し、試験すべき物体との音響的結合を改善するために選んだ外面形状(例えば、平面または凸面)を作る。この表面層の中の音速は、焦点ぼけの影響を最小にするために、この音が伝搬する媒体または試験すべき媒体の中の音速に近く選ぶ。1.6MRaylsの音響インピーダンスで、この四分の一波長層と、水または人体組織のような媒体との間の整合が良くなる。

0046

上記の説明から、この発明は、音響レンズを必要とすることなく、凹面の圧電素子と、隣接する、同様に凹面で、均一な厚さの音響整合層を使うことによって、機械的に焦点を合せた、個々の変換器素子をもつ、超音波変換器アレーを提供することを理解すべきである。これら個々の変換器素子は、このアレー軸に沿って、互いから音響的に絶縁され、独立の素子を作るためにこの圧電基板と整合層をほぼ貫通して切断することにより互いから分離されている。

0047

勿論、この現在好ましい実施例の変更が当業者には明白であることは理解されよう。従って、この発明の範囲は、上に議論した特定の実施例によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲とその均等物によってのみ定義されるべきである。

図面の簡単な説明

0048

図1この発明に従って作った超音波変換器アレーの好ましい実施例の、部分断面透視図である。説明のために、このアレーの一部を残りの部分から引き出してある。
図2図1のアレーの引き出した部分の拡大部分図で、変換器素子を詳細に示す。
図2図2Aのアレーの部分の修正形で、変換器の下位素子を示す。
図3この発明の圧電基板の断面側面図である。
図4一連の鋸切れ目のある、図3の圧電基板の断面側面図である。
図5この発明の音響整合層基板の断面側面図である。
図6A この発明のプレス作業を示す側面図である。
図6B この発明のプレス作業を示す側面図である。
図7この発明に従って、柔軟な前キャリヤ板に取付けた圧電基板と音響整合層基板の断面側面図である。
図8この発明に従って凸形成形型に取付けた、前キャリヤ板と、対応する柔軟なプリント回路リード付の変換器素子の断面正面図である。
図9この発明に従って、誘電体表面層によって封入された変換器素子と対応するリード附属品および裏当て材料の断面正面図である。

--

0049

10超音波変換器アレー
12変換器素子
16プリント回路信号導体
18接地導体
20表面層
24音響整合層
26 音響整合層
30圧電基板
36金属被覆層
40 後電極
42 前電極
48切れ目
52金属電極層
64 前キャリヤ板
67熱可塑正接着剤
80裏当て材料
82 切れ目
Aアレー軸

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