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技術 空気調和装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 野中正之中村啓夫舟越砂穂
出願日 2000年9月7日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2000-276610
公開日 2002年3月22日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2002-081767
状態 未査定
技術分野 不可逆サイクルによる圧縮式冷凍機械
主要キーワード 次管路 適正開度 送風ファン回転数 定格条件 圧縮機駆動用電動機 ガスインジェクション 凝縮側 インジェクション動作
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

ガスインジェクションが可能な空気調和装置において、ガスインジェクション無しの運転モード時の冷媒量あるいは過冷却度不適正による性能低下を抑える。

解決手段

外気温、室温と設定温度の差、室内外ファン回転数運転状態に対して最適な過冷却度を演算し、最適過冷却度となるように第一の電動膨張弁4あるいは第二の電動膨張弁6を制御し、余剰冷媒気液分離器5に滞留させる。これにより、運転状態に対して最適な冷媒量あるいは過冷却度となるので性能低下を抑制出来る。

概要

背景

ルームエアコンパッケージエアコン等の空気調和装置における冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器膨張弁蒸発器を順次管路によって接続して構成されている。圧縮機によって圧縮された高温高圧ガス冷媒は凝縮器によって低温高圧液冷媒となる。そして、膨張弁によって低温低圧気液が混合した二相流冷媒となり蒸発器に流入する。蒸発器によって蒸発した高温低圧のガス冷媒は再び圧縮機に戻り一巡する。この凝縮器での冷媒の凝縮不足するとガス冷媒を多く含んだ冷媒が蒸発器に流入してしまう。ガス冷媒は液冷媒よりも吸熱作用が小さく、また二相流状態で蒸発器に流入することから管路抵抗増しこの損失分圧縮機電気入力が増加していた。

この問題を解決するため、凝縮器と蒸発器とを接続する管路途中に気液分離器を接続し、この気液分離器の両側に第1第2の開度調節可能な膨張弁を設け、さらに気液分離器と圧縮機の圧縮機構部の圧縮途中作動室とを接続することで、ガス冷媒を圧縮機に戻し、液冷媒を蒸発器に送る所謂ガスインジェクション回路を備えた冷凍サイクルが知られている。このようなガスインジェクション回路は、特開平11−118263号公報(文献)に示されている。

この文献には、ガスインジェクションを行わない方がより高い効率での運転状態を維持できる場合は、気液分離器と圧縮機間インジェクション配管に設けたバルブを閉じ、ガスインジェクション無しで運転する空気調和装置が記載されている。

概要

ガスインジェクションが可能な空気調和装置において、ガスインジェクション無しの運転モード時の冷媒量あるいは過冷却度不適正による性能低下を抑える。

外気温、室温と設定温度の差、室内外ファン回転数の運転状態に対して最適な過冷却度を演算し、最適過冷却度となるように第一の電動膨張弁4あるいは第二の電動膨張弁6を制御し、余剰冷媒は気液分離器5に滞留させる。これにより、運転状態に対して最適な冷媒量あるいは過冷却度となるので性能低下を抑制出来る。

目的

本発明の第1の目的は、ガスインジェクション回路を接続した冷凍サイクルを用いた空気調和装置、若しくはガスインジェクション回路を接続しない冷凍サイクルを用いた空気調和装置において、前者においてはガスインジェクションを行わないときの性能向上を図り、後者においてはその性能向上を図った空気調和装置を提供することにある。

さらに本発明の第2の目的は、ガスインジェクションが可能な空気調和装置において気液分離器の冷媒膨張による破損の恐れを防止することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
7件
牽制数
9件

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請求項1

圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続した空気調和装置。

請求項2

請求項1において、前記受液器と前記圧縮機とを二方弁を介して管路により接続し、この二方弁が開いているとき、前記受液器は気液分離器として作用し、この気液分離器で分離された低乾き度冷媒を蒸発器に流し、高乾き度の冷媒は圧縮機の圧縮過程途中に流すようにした空気調和装置。

請求項3

圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続し、前記凝縮器の過冷却度を検出する過冷却度検出手段と、この検出された過冷却度が運転状態に応じた値になるように前記第一及び第二の減圧機構の減圧量を調整する手段とを備えた空気調和装置。

請求項4

請求項3において、前記受液器と前記圧縮機とを二方弁を介して管路により接続し、この二方弁が開いているとき、前記受液器は気液分離器として作用し、この気液分離器で分離された低乾き度冷媒を蒸発器に流し、高乾き度の冷媒は圧縮機の圧縮過程途中に流すようにした空気調和装置。

請求項5

圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続し、運転状態により決定される過冷却度設定値に基づいて前記第一の減圧機構及び前記第二の減圧機構の減圧量を調整する手段とを備えた空気調和装置。

請求項6

請求項5において、前記受液器と前記圧縮機とを二方弁を介して管路により接続し、この二方弁が開いているとき、前記受液器は気液分離器として作用し、この気液分離器で分離された低乾き度冷媒を蒸発器に流し、高乾き度の冷媒は圧縮機の圧縮過程途中に流すようにした空気調和装置。

請求項7

圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続し、前記受液器入口パイプに設けられた乾き度検出手段と、この乾き度検出手段により検出された乾き度を運転状態に応じて制御する手段とを備えた空気調和装置。

請求項8

請求項7において、前記受液器と前記圧縮機とを二方弁を介して管路により接続し、この二方弁が開いているとき、前記受液器は気液分離器として作用し、この気液分離器で分離された低乾き度冷媒を蒸発器に流し、高乾き度の冷媒は圧縮機の圧縮過程途中に流すようにした空気調和装置。

請求項9

圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、気液分離器、第二の減圧機構、蒸発器を順次配管接続し、この気液分離器で分離された低乾き度冷媒を蒸発器に流し、高乾き度の冷媒は圧縮機の圧縮過程途中に流すようにした空気調和装置において、前記第一の減圧機構及び第二の減圧機構の少なくとも一方を最小冷媒流量をゼロを超える流量とした空気調和装置。

技術分野

0001

本発明は、冷凍サイクルを利用した空気調和装置に関する。

背景技術

0002

ルームエアコンパッケージエアコン等の空気調和装置における冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器膨張弁蒸発器を順次管路によって接続して構成されている。圧縮機によって圧縮された高温高圧ガス冷媒は凝縮器によって低温高圧液冷媒となる。そして、膨張弁によって低温低圧気液が混合した二相流冷媒となり蒸発器に流入する。蒸発器によって蒸発した高温低圧のガス冷媒は再び圧縮機に戻り一巡する。この凝縮器での冷媒の凝縮不足するとガス冷媒を多く含んだ冷媒が蒸発器に流入してしまう。ガス冷媒は液冷媒よりも吸熱作用が小さく、また二相流状態で蒸発器に流入することから管路抵抗増しこの損失分圧縮機電気入力が増加していた。

0003

この問題を解決するため、凝縮器と蒸発器とを接続する管路途中に気液分離器を接続し、この気液分離器の両側に第1第2の開度調節可能な膨張弁を設け、さらに気液分離器と圧縮機の圧縮機構部の圧縮途中作動室とを接続することで、ガス冷媒を圧縮機に戻し、液冷媒を蒸発器に送る所謂ガスインジェクション回路を備えた冷凍サイクルが知られている。このようなガスインジェクション回路は、特開平11−118263号公報(文献)に示されている。

0004

この文献には、ガスインジェクションを行わない方がより高い効率での運転状態を維持できる場合は、気液分離器と圧縮機間インジェクション配管に設けたバルブを閉じ、ガスインジェクション無しで運転する空気調和装置が記載されている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記文献においては、インジェクションを行わない時の更なる性能向上については配慮されていない。

0006

また、気液分離器前後の減圧機構に全閉可能な電動膨張弁を使用した場合、外気温の低い季節等に気液分離器に液冷媒が溜まり込み、減圧機構が全閉のまま外気温が高い季節になると、気液分離器内冷媒温度が上昇して膨張し、圧力増加により破損する恐れがあった。

0007

本発明の第1の目的は、ガスインジェクション回路を接続した冷凍サイクルを用いた空気調和装置、若しくはガスインジェクション回路を接続しない冷凍サイクルを用いた空気調和装置において、前者においてはガスインジェクションを行わないときの性能向上を図り、後者においてはその性能向上を図った空気調和装置を提供することにある。

0008

さらに本発明の第2の目的は、ガスインジェクションが可能な空気調和装置において気液分離器の冷媒膨張による破損の恐れを防止することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記第1の目的は、圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続することによって達成される。

0010

上記第1の目的は、圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続し、前記凝縮器の過冷却度を検出する過冷却度検出手段と、この検出された過冷却度が運転状態に応じた値になるように前記第一及び第二の減圧機構の減圧量を調整する手段とを備えることによって達成される。

0011

上記第1の目的は、圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続し、運転状態により決定される過冷却度設定値に基づいて前記第一の減圧機構及び前記第二の減圧機構の減圧量を調整する手段とを備えることによって達成される。

0012

上記第1の目的は、圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、蒸発器を順次配管接続した空気調和装置において、前記第一の減圧機構と蒸発器との間の管路途中に受液器及び第二の減圧機構を接続し、前記受液器入口パイプに設けられた乾き度検出手段と、この乾き度検出手段により検出された乾き度を運転状態に応じて制御する手段とを備えることによって達成される。

0013

上記第2の目的は、圧縮機、凝縮器、第一の減圧機構、気液分離器、第二の減圧機構、蒸発器を順次配管接続し、この気液分離器で分離された低乾き度冷媒を蒸発器に流し、高乾き度の冷媒は圧縮機の圧縮過程途中に流すようにした空気調和装置において、前記第一の減圧機構及び第二の減圧機構の少なくとも一方を最小冷媒流量をゼロを超える流量とすることによって達成される。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第一の実施の形態を示す構成図である。冷房暖房時等に冷媒の流れ方向を切換え四方弁2は、圧縮機1に管路によって接続されている。冷房時は凝縮器、暖房時は蒸発器として作用する室外熱交換器3は四方弁2に接続されている。この室外熱交換器3は、第一の減圧機構として動作する第一の電動膨張弁4を介して気液分離器5と接続され、この気液分離器5は、第二の減圧機構としての第二の電動膨張弁6を介して、冷房時は蒸発器、暖房時は凝縮器として作用する室内熱交換器7に接続され、室内熱交換器7は四方弁2と接続されている。

0015

さらに、気液分離器5と圧縮機1の図示しない圧縮機構部の圧縮途中の作動室とを接続するインジェクション用配管8、このインジェクション用配管8の途中に設けられたインジェクションを作用させるときは開となる二方弁9である。10は室外送風ファン、11は室内送風ファンである。冷凍サイクルを構成する要素のうち、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、第1の電動膨張弁4、気液分離器5、第2の電動膨張弁、及び二方弁9は室外機に、室内熱交換器7は室内機に配置されている。

0016

さらに、12は外気温度センサ、13は室温センサ、15は冷房時凝縮器温度センサ、16は冷房時凝縮器出口温度センサ、17は暖房時凝縮器温度センサ、18は暖房時凝縮器出口温度センサであり、制御装置19に接続されている。また、14は室温設定リモコンである。

0017

このような構成によって、ガスインジェクションサイクルを行う場合は気液分離を行うために気液分離器5に冷媒を滞留させてガス冷媒を圧縮機1に注入する。また、冷房・暖房において、圧縮機1を定格回転数以下で運転する場合、ガスインジェクションの効果が薄れてくるので、二方弁9を閉じてガスインジェクションを行わない。この場合、気液分離器内に冷媒を滞留させないため余剰冷媒が発生し凝縮器となる熱交換器の過冷却度(サブクール)が運転状態に対し不適正となり冷凍サイクル性能が低下する場合がある。特に使用者希望する室内設定温度や外気温の変化により冷暖房能力が変化する場合は、凝縮圧力蒸発圧力の変化に伴い、熱交換器内の冷媒密度が変化し、熱交換器内の冷媒量が変化するため過冷却度が適正値と異なる場合もある。

0018

過冷却度の適正値は、熱交換器の大きさ、熱交換器内の分岐配管数(パス数)等々種々の設計条件、及び圧縮機の回転数室内外気温等々種々の運転条件によって異なる。しかし、冷凍サイクル内封入する冷媒の量を運転条件によって変化させることは困難である。このため、空気調和装置を出荷するときに封入する冷媒の量は、定格条件で空気調和装置を運転させたときに最も成績係数(cop)がよい値を実験によって求めることで決めている。しかし、前述したように、圧縮機駆動用電動機インバータによって主に設定室温と実室内温度との偏差に基づいて回転数を変化させて運転されているので、実際の運転は必ずしも定格で運転されるとは限らず、過冷却度が設定した値からずれてしまい成績係数が低下してしまう。

0019

そこで、本実施の形態では、ガスインジェクションを行わない運転となったとき気液分離器5を受液器として機能させることとした。気液分離器5を受液器として機能させるため、気液分離器5の配管前後に設けられている第一の電動膨張弁4及び第二の電動膨張弁6の開度を、凝縮器となる熱交換器の過冷却度をそのときの運転状態における適正値となるように、調節するようにした。以下、この適正過冷却度(過冷却度指令)の算出の仕方を説明する。

0020

制御装置19は、二方弁8が閉(=インジェクション無し)であることを検出すると、リモコン15により送信される設定室温Tisetと、室内温度センサ11により検出される室内温度Tiと、外気温度センサ14により検出される外気温度Toから、冷房時は図2、暖房時は図4に示されるデータに基づいて適正過冷却度SCsetを演算する。

0021

そして、この演算された過冷却度SCとなるように、冷房時は第二の電動膨張弁6、暖房時は第一の電動膨張弁4を制御する。制御されない他方の電動膨張弁は適当に絞られる。なお、実際の過冷却度SCは、凝縮器となる熱交換器に設けられた温度センサにより検出される凝縮器温度Tcoutと、凝縮器出口温度センサにより検出される凝縮器出口温度Tcとの差を求めることで検出される。

0022

まず、ガスインジェクション無しの時における冷房時の動作について説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、四方弁2を通り、室外熱交換器3で室外送風ファン10から送風される空気に放熱して凝縮し、第一の電動膨張弁4で液とガスが混在する気液二相中間圧減圧され、気液分離器5に流入する。気液分離器5では二相のため下部に液冷媒が滞留する。そして二方弁9は閉となっているためインジェクション動作は行われず、第二の電動膨張弁6で低圧に減圧され、室内熱交換器7で室内送風ファン11により送風される空気から吸熱して蒸発し、四方弁2を通り再び圧縮機1へ戻る。

0023

この時、第一の演算装置19は、外気温度センサ12と室温センサ13と冷房時凝縮器温度センサ15と冷房時凝縮器出口温度センサ16の出力、及び使用者がリモコン14で設定した希望室温Tiset、室温Ti、外気温To、凝縮器中間温度Tc、及び凝縮器出口温度Tcoを検出し、図2に示す予め第一の演算装置19内のテーブルに記憶されたデータに基づいて適正過冷却度SCset(適正過冷却度指令)を演算する。

0024

さらに、凝縮器中間温度Tc及び凝縮器出口温度Tcoから(Tc−Tco)を実際の過冷却度SCとして演算する。そして、過冷却度SCが適正過冷却度SCsetとなるように、第一の電動膨張弁及び第二の電動膨張弁6の開度を調節する。過冷却度SCが適正過冷却度SCsetに満たない場合、凝縮器内の液冷媒を増加させる必要があるので、上流側の電動膨張弁を絞り下流側の電動膨張弁を適正にする。反対に過冷却度SCが適正過冷却度SCsetよりも大きい場合、気液分離器に液冷媒をストックする必要があるので、上流側電動膨張弁を適正に制御し下流側電動膨張弁を絞る制御を行う。なお、この場合において、制御量が0である場合もその電動膨張弁を制御するといえる。

0025

図2は室温Tiと設定温度Tisetとの差(すなわち必要冷房能力)と外気温に対する適正過冷却度の関係図である。冷房能力の増加に伴い適正過冷却度も増加させるように設定されている。この条件は、予め実験によって求めたものをデータベース化して第一の制御装置19に記憶したものである。

0026

このように適正過冷却度が算出される理由を説明する。冷凍サイクル中冷媒循環量をGr、凝縮側エンタルピ差をΔhc、伝熱面積をA、熱通過率をK、空気と冷媒の温度差をΔTとすると、冷房能力QはQ=Gr・Δhc=A・K・ΔTとして与えられるため、必要冷房能力が大きくなると圧縮機回転数を増加させて冷媒循環量Grを増加させて空気との温度差ΔTを大きくする必要があるためである。

0027

すなわち、圧縮機回転数が増加すると、図3に示すようにモリエル線図破線から実線に示すように変化し、過冷却度を増加させる必要があるためである。さらに図2では外気温Toが高くなるほど適正過冷却度SCは高くなるように設定されている。これは外気温が高くなると、冷媒と空気との温度差を確保するために凝縮温度を上昇(凝縮器の圧力を上昇)させる必要があり、これに伴いやはり図3のモリエル線図に示すように過冷却度が増加するためである。

0028

これにより例えば現在の室温Tiが28℃で、使用者が希望する設定室温Tisetが27℃から24℃に変化した場合(すなわち(Ti−Tiset)が増加した場合)、圧縮機回転数を増加させて冷媒循環量Grを増して、この時、適正過冷却度SCsetは増加するので、設定室温を変更する前の過冷却度SCが適正過冷却度SCsetとなるように、第一の電動膨張弁6を絞る方向に、第二の電動膨張弁を開ける方向に(制御量0もありうる)制御する。そして余剰冷媒(この場合減少するが)は、気液二相が混在できる中間圧力の気液分離器5内に滞留する。また外気温変化についても同様に制御される。すなわち、外気温が高いときに凝縮させるためには圧力を増大させて温度偏差を大きくする必要があるからである。反対に使用者が希望する設定室温Tisetが24℃から27℃に変化した場合(すなわち(Ti−Tiset)が減少した場合)は、適正過冷却度は小さくなるので、余剰冷媒が増加することとなるので、この余剰冷媒を気液分離器にストックするため、第一の電動膨張弁の絞り量を小さくして第二の電動膨張弁の絞り量を増大させる(制御量0もありうる)。

0029

次に暖房時の動作について説明する。暖房時は圧縮機1で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、四方弁2を通り、室内熱交換器7で室内送風ファン11により送風される空気に放熱して凝縮し、第二の電動膨張弁6で液とガスが混在する気液二相である中間圧に減圧されて、気液分離器5に流入する、気液分離器5では二相のため下部に液冷媒が滞留する。そして二方弁9が閉のためインジェクションは行われず、第一の電動膨張弁4で低圧に減圧され、室外熱交換器3に流入して室外送風ファン10により送風される空気から吸熱して蒸発し、四方弁2を通り再び圧縮機1へ戻る。すなわち冷房運転と逆の冷媒流れ方向となる。

0030

この時、第一の演算装置19は、外気温度センサ12と室温センサ13と暖房時凝縮器温度センサ17と暖房時凝縮器出口温度センサ18、及び使用者がリモコン13で設定した設定温度を入力することで、希望室温Tiset、室温Ti、外気温To、凝縮器中間温度Tc、及び凝縮器出口温度Tcoを検出し、図4に示すデータに基づいて適正過冷却度SCsetを演算する。

0031

さらに、Tc−Tcoから実過冷却度SCを演算し、過冷却度SCが適正過冷却度SCsetとなるように、第一の電動膨張弁及び第二の電動膨張弁4を制御する。

0032

図4は室温Tiと設定温度Tisetとの差(すなわち必要暖房能力)に対する適正過冷却度の関係図で図2に示した冷房運転時と同様の考えに基づいて設定されている。ここで冷房時と異なり外気温Toに対する関係が示されていないのは、暖房時における室外熱交換器は蒸発器であり、蒸発器は凝縮器より冷媒の乾き度が大きく、滞留する冷媒量が凝縮器より小さいので、外気温Toの影響が小さいためである。

0033

これにより例えば現在の室温Tiが20℃で、ユーザの希望する設定室温Tisetが22℃から25℃に変化した場合、圧縮機回転数が増加し、適正過冷却度SCsetは増加して、過冷却度SCが適正過冷却度SCsetとなるように、第一の電動膨張弁4を開く(制御量0もありうる)方向に、第二の電動膨張弁6を絞る方向に制御するる。そして余剰冷媒は、気液二相が混在できる中間圧力の気液分離器5内に滞留する。反対にユーザの希望する設定室温Tisetが25℃から22℃に変化した場合、適正過冷却度は減少するので、余剰冷媒を気液分離器にストックするため、下流側の第1の電動膨張弁4を絞る方向に、上流側の第二の電動膨張弁を開ける(制御量0もありうる)方向に制御する。

0034

以上のようガスインジェクションサイクルが可能な空気調和装置において、ガスインジェクション無しの運転モード時にも、運転状態や外気温の変化に対して適正な過冷却度が確保され、余剰冷媒は中間圧力となっている気液分離器5に滞留するので、過冷却度不適正による性能低下を抑えることが出来る。

0035

また、一方を過冷却制御用、他方を圧縮機回転数等により決定される圧縮機吐出温度過熱度となるように制御しても良い。この場合過冷却度と過熱度をそれぞれ最適値にでき、よりサイクルの適正化が行え、より性能が確保される。

0036

次に、実過冷却度を算出せずに過冷却度を制御する第二実施の形態を図5に基づいて説明する。図5は前実施の形態とは、過冷却度検出手段が無く、運転状態を検出する室外ファン回転数センサ20、室内ファン回転数センサ21が設置されている点が異なる。これらファンの回転数をパラメータとして電動膨張弁の開度を決定するものである。

0037

22は第二の制御装置で、冷房時は図6に示すように凝縮器となる室外ファン回転数センサ20により検出される室外ファン回転数Nofanと設定過冷却度SCsetから電動膨張弁6の適正開度を演算するものである。暖房時は図7に示すように凝縮器となる室内ファン回転数センサにより検出される室内ファン回転数Nifanと適正過冷却度SCsetから電動膨張弁4の設定開度を演算する。

0038

図6では冷房時の適正過冷却度SCsetと上流側電動膨張弁開度の設定値を示し、室外ファン回転数(=凝縮器側風量)により異なる。適正過冷却度SCsetが大きいほど膨張弁を閉じる指令を出すようになっている。これは、適正過冷却度がSCset大きい場合は上流側膨張弁を絞り、凝縮圧力を上げれば過冷却度が増加するためである。また適正過冷却度が同じ場合、室外ファン回転数が小さい(=凝縮器側風量が小さい)ほど膨張弁を閉じる指令を出すようになっている。これは、室外ファン回転数低下に伴い凝縮能力が低下しようとしても、膨張弁を閉じて凝縮圧力を上げて冷媒と空気の温度差を確保することで、凝縮能力を増加させて過冷却度を確保するためである。なお、下流側の電動膨張弁は上流側の電動膨張弁と反対の動作をする。

0039

暖房時の適正過冷却度と電動膨張弁開度の設定値を示す図7も、図6と同様に凝縮器側風量に関する図で示されており、制御動作は冷房時と同様であるので説明は省略する。また、外気温と設定室温との差に対しては前実施の形態で説明した現象に基づき膨張弁6の開度が決定される。そして、適正過冷却度となり、余剰冷媒は、中間圧力となっている気液分離器5内に滞留する。

0040

以上のようガスインジェクションサイクルが可能な空気調和装置において、余剰冷媒が発生するガスインジェクションを行わない運転モードの時にも、適正な過冷却度が確保され、余剰冷媒は中間圧力となっている気液分離器5に滞留するので、過冷却度不適正による性能低下を抑えることが出来る。さらに使用者の設定温度、外気温、送風ファン回転数等の運転状態により決定される過冷却度設定値に基づいて電動膨張弁を制御する、すなわち、過冷却度を検出しないので、温度センサ数を低減でき、制御装置等の小型化が図れる。

0041

また本実施の形態、前実施の形態とも幅広い「室温と設定温度との差」や「外気温」に対して制御を行う場合を示したが、ある運転状態のみに実施しても良く、この場合制御装置の制御メモリ容量を低減することが出来る。

0042

本発明の第三実施の形態について図8を用いて説明する。図8において、23は第一の減圧機構4と気液分離器5間のパイプに設けた乾き度検出手段としての第一の静電容量センサ、24は第二の減圧機構6と気液分離器5間のパイプに設けた乾き度検出手段としての第二の静電容量センサ、25は第三の制御装置で、冷房時は第一の静電容量センサ23の検出した気液分離器内5への流入冷媒の乾き度と、気液分離器の内容積から気液分離器5に滞留する冷媒量を演算し、さらに運転状態から気液分離器5に滞留する冷媒量の適正値を演算し、気液分離器5に滞留する冷媒量が適正値となるように第二の電動膨張弁6を制御するように構成されている。他の部分は前実施の形態と同様のため省略する。

0043

ここで滞留冷媒量は図9に示すように設定されている。すなわち、設定温度との差が大きい、あるいは外気温が高いほど滞留冷媒量は少なくなるように設定されている。これは第一実施の形態の図2で前述した通り、設定温度との差が大きい、あるいは外気温が高いほど適正過冷却度が大きい、すなわち冷凍サイクル内に存在できる冷媒量が大きく余剰冷媒量は少ないためである。暖房時は第二の静電容量センサ24の検出した気液分離器5への流入冷媒の乾き度と、気液分離器5の内容積から気液分離器5に滞留する冷媒量を演算し、さらに運転状態から気液分離器5に滞留する冷媒の適正値を演算し気液分離器5に滞留する冷媒量が適正値となるように第一の電動膨張弁4を制御するように構成されている。他の部分は冷房運転時と同様のため省略する。ここで滞留冷媒量は図10に示すように設定されており、冷房時と同様に適正過冷却度が大きいほど滞留冷媒量は少ない。

0044

以上のように乾き度を検出できる静電容量センサにより気液分離器内の滞留冷媒量を把握し、気液分離器5内に運転状態に適した冷媒量を滞留させることが出来るので、適正な過冷却度で運転することが出来、余剰冷媒が発生するガスインジェクションを行わない運転モードでの性能低下を抑えることが出来る。なお本実施の形態ではガスインジェクション無しのモードについて示したが、ガスインジェクション有りの運転モードにおいても気液分離器内に滞留する冷媒量の検出を行っても良い、この場合気液分離器内の滞留冷媒量がある値以上になったときに圧縮機に液冷媒が戻る「液インジェクション」が防止でき、液インジェクションによる圧縮機の信頼性低下を抑えることが出来る。さらに静電容量センサをガスインジェクションパイプ7に設けて液インジェクションを検出させても良い。

0045

ところで、気液分離器前後の減圧機構に全閉可能な電動膨張弁を使用した場合、外気温の低い季節等に気液分離器に液冷媒が溜まり込み、減圧機構が全閉のまま外気温が高い季節になると、気液分離器内の冷媒温度が上昇して膨張し、圧力増加により破損する恐れがあった。この問題を解決する実施の形態を図11及び図12を用いて説明する。

0046

図11において、26は最小冷媒流量がゼロを超える流量の第一の減圧機構としての第三の電動膨張弁、27は最小冷媒流量がゼロを超える流量の第二の減圧機構としての第四の電動膨張弁である。両電動膨張弁の流量特性図12に示す。他部分の構成は前実施の形態と同様のため省略する。

0047

以上のように構成することで外気温の低い季節等に、気液分離器5に液冷媒が溜まり込んだ状態のまま、外気温が高い季節になって気液分離器5内の冷媒温度が上昇し、これに伴い容積が増加しても、気液分離器前後の電動膨張弁は冷媒最小流量がゼロを超える、すなわち全閉状態ではないので冷媒が気液分離器5から室外熱交換器2あるいは室内熱交換器7に流出するので、気液分離器5が内部圧力増加により破壊する恐れがなくなる。

0048

なお、本実施の形態は気液分離器前後の膨張弁について冷媒最小流量がゼロを超える膨張弁採用の例を示したが、上流側と下流側の少なくともどちらか一方の膨張弁に採用すればそこから冷媒は凝縮器あるいは蒸発器に流出するので同様の効果が得られる。

0049

ところで、以上説明した実施の形態は、ガスインジェクション回路が搭載された冷凍サイクルについて述べたが、これに限らずガスインジェクション回路がついていない冷暖房冷凍サイクル、冷房専用冷凍サイクルにおいても、凝縮器と蒸発器を接続する配管途中に、第一の電動膨張弁、気液分離器、第二の電動膨張弁、その他必要なセンサを設けることにより同様の過冷却度制御を行うことができる。

0050

以上本実施の形態によれば、ガスインジェクションが可能な空気調和装置において、余剰冷媒が発生するガスインジェクション無しの運転モードでも、過冷却度が運転状態に対応して最適に制御されるので、ガスインジェクション無し時に起こりうる性能低下を抑えられるという効果がある。

0051

また、気液分離器前後の電動膨張弁の冷媒最小流量がゼロを超える、すなわち全閉状態ではないので気液分離器内の冷媒が膨張しても室外熱交換器や室内熱交換器に流出するので気液分離器が破壊する恐れがない。

発明の効果

0052

以上本発明によれば、ガスインジェクション回路を接続した冷凍サイクルを用いた空気調和装置、若しくはガスインジェクション回路を接続しない冷凍サイクルを用いた空気調和装置において、前者においてはガスインジェクションを行わないときの性能向上を図り、後者においてはその性能向上を図った空気調和装置を提供することができる。

0053

さらに本発明によれば、ガスインジェクションが可能な空気調和装置において気液分離器の冷媒膨張による破損の恐れを防止することにある。

図面の簡単な説明

0054

図1本発明の第一実施の形態の空気調和装置の構成図
図2冷房時の運転条件と過冷却度の関係図
図3過冷却度を説明するモリエル線図
図4冷房時の運転条件と過冷却度の関係図
図5本発明の第二実施の形態の空気調和装置の構成図
図6冷房時の適正過冷却度と電動膨張弁開度の関係図
図7暖房時の適正過冷却度と電動膨張弁開度の関係図
図8本発明の第三実施の形態の空気調和装置の構成図
図9冷房時の運転条件と滞留冷媒の関係図
図10暖房時の運転条件と滞留冷媒の関係図
図11本発明の第四実施の形態の空気調和装置の構成図
図12電動膨張弁開度と流量の関係図

--

0055

1…圧縮機、2…四方弁、3…室外熱交換器、4…第一の電動膨張弁、5…気液分離器、6…第二の電動膨張弁、7…室内熱交換器、8…インジェクション用配管、9…二方弁、10…室外送風ファン、11…室内送風ファン、12…外気温度センサ、13…室温センサ、14…室温設定用リモコン、15…冷房時凝縮温度センサ、16…冷房時凝縮器出口温度センサ、17…暖房時凝縮温度センサ、18…暖房時凝縮器出口温度センサ、19…制御装置、20…室外ファン回転数センサ、21…室内ファン回転数センサ、22…第二の制御装置、23…第一の静電容量センサ、24…第二の静電容量センサ、25…第三の制御装置、26…第三の電動膨張弁、27…第四の電動膨張弁。

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