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技術 パワートレインの制御装置

出願人 マツダ株式会社
発明者 吉田裕将延本秀寿
出願日 2001年5月29日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2001-160085
公開日 2002年3月22日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2002-081537
状態 未査定
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード 駆動レバ 目標ユニット 切り換えポイント 螺旋面状 潤滑ライン 特性ライン 経路切換え 全開放状態
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図面 (20)

課題

ローモード動力伝達経路ハイモードの動力伝達経路との切換動作の終了を精度よく判定し、該経路切換動作中一時中断していた変速比フィードバック制御を適正なタイミングで再開することを課題とする。

解決手段

ロークラッチ解放ハイクラッチ締結することによりローモードの経路からハイモードの経路に切り換える。変速比のフィードバック制御は、実トロイダルレシオRtrが切換レシオRtmの手前の所定レシオRtaに到達した時刻t1に中断し、ロークラッチ圧ELが所定油圧P2まで低下した時刻t4に再開する。ロークラッチが解放状態移行するのと同期して変速制御を再開するから、再開時において変速比が急変することがなく、滑らかに変化する。また、変速制御に空白時間が生じず、違和感が発生しない。

概要

背景

近年、無段変速式変速機を備えたパワートレインが実用化されつつある。このパワートレインでは、一般に、変速機は無段変速機構遊星歯車機構とを有する。無段変速機構は、例えば、一対の入出力ディスク間パワーローラ傾転可能に介設したトロイダル式のものや、縮径拡径可能な一対の入出力プーリ間にベルト張設したベルト式のもの等が採用される。

変速機には、無段変速機構と遊星歯車機構とを経由する動力伝達経路と、無段変速機構のみを経由する動力伝達経路とが形成される。前者の経路ローモードの経路であり、比較的大きな変速機の変速比(最終変速比)が得られる。したがってこの経路は後退時や発進時に用いられる。後者の経路はハイモードの経路であり、比較的小さな最終変速比が得られる。したがってこの経路は高速走行時に用いられる。

変速機の目標変速比車速エンジン負荷等の車両の走行状態に応じて設定される。そして、それが実現するように上記経路の選択と無段変速機構の変速比の制御とが行なわれる。動力伝達経路はクラッチ等の摩擦締結要素の作動によって動力伝達状態とされる。したがって、経路の切換えを伴う目標変速比が設定されたときは、ローモードの経路を達成するロークラッチとハイモードの経路を達成するハイクラッチとの掛け替えが行なわれる。

無段変速式の変速機はショックのない滑らかな変速が特徴である。したがって、このような経路の切換え時においてもいかにショックのない滑らかな変速を実現させるかが最重要課題の一つである。基本的に、ローモードとハイモードとで同じ最終変速比を実現する無段変速機構の変速比が唯一存在し、無段変速機構の変速比がこの変速比(切換変速比)にあるときに経路の切換えを行なうことが知られている。これにより、無段変速機構の変速比を連続的に変化させながら、変速機の最終変速比を急変させずに滑らかに変化させることが可能となる。

本出願人は、このような経路切換え時の制御をさらに以下のように種々改良した発明についてすでに提案を行なった(特願平10−372957号)。すなわち、経路を切り換えるために行なうクラッチの掛替えには時間を要するから、経路の切換動作中は無段変速機構の変速比を上記の切換変速比に維持するようにして、変速機の最終変速比がモードの切換え前後で変動することを抑制する。また、その際、ロークラッチとハイクラッチとを両方締結すれば無段変速機構の変速比を上記の切換変速比に固定することができるから、経路の切換動作中は両方のクラッチを締結状態として、無段変速機構の変速比の制御を中断する。さらに、ローモードとハイモードとでは無段変速機構を通過するトルクの流れが逆転し、またトルクに応じて無段変速機構に作用する応力が変化するから、経路の切換動作中にその応力の変化分の埋め合わせをして、無段変速機構の変速比ないし変速機の最終変速比がモードの切換え前後で変動することを抑制する。そして、パワーローラの傾転には慣性が作用するから、パワーローラの傾転制御を上記の切換変速比が得られる手前で停止して、パワーローラが切換変速比が得られる傾転角で停止することを図る。

概要

ローモードの動力伝達経路とハイモードの動力伝達経路との切換動作の終了を精度よく判定し、該経路切換動作中一時中断していた変速比のフィードバック制御を適正なタイミングで再開することを課題とする。

ロークラッチを解放しハイクラッチを締結することによりローモードの経路からハイモードの経路に切り換える。変速比のフィードバック制御は、実トロイダルレシオRtrが切換レシオRtmの手前の所定レシオRtaに到達した時刻t1に中断し、ロークラッチ圧ELが所定油圧P2まで低下した時刻t4に再開する。ロークラッチが解放状態移行するのと同期して変速制御を再開するから、再開時において変速比が急変することがなく、滑らかに変化する。また、変速制御に空白時間が生じず、違和感が発生しない。

目的

本発明は、無段変速式の変速機を備えたパワートレインにおける上記のような不具合対処するもので、経路の切換えの終了を精度よく判定し、もってより一層ショックのない滑らかな変速を実現させることを課題とする。併せて、そのような経路の切換え終了判定のためにセンサ機器が増加してコストアップが発生することのないように対策することも課題とする。以下、その他の課題を含め、本発明を詳しく説明する。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

無段変速機構歯車機構とを経由する経路動力伝達状態とする摩擦締結要素と、無段変速機構のみを経由する経路を動力伝達状態とする摩擦締結要素とを有する変速機を備え、車両の走行状態に応じて設定される上記変速機の目標変速比が実現するように上記経路の選択と上記無段変速機構の変速比の制御とを行なう変速制御手段が設けられたパワートレイン制御装置であって、経路の切換えを伴う目標変速比が設定されたときは、その経路の切換動作中、変速制御手段による変速比の制御を中断させる中断手段と、その経路の切換動作において解放される摩擦締結要素の状態に基いて経路の切換えの終了を判定する判定手段と、該判定手段により経路の切換えの終了が判定されたときは、変速制御手段による変速比の制御を再開させる再開手段とが設けられていることを特徴とするパワートレインの制御装置。

請求項2

判定手段は、解放される摩擦締結要素に供給される作動圧所定値よりも低くなったときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする請求項1に記載のパワートレインの制御装置。

請求項3

変速比の制御の再開後における無段変速機構の変速比の変化の状態に基いて判定用所定値を補正する補正手段が備えられていることを特徴とする請求項2に記載のパワートレインの制御装置。

請求項4

判定手段は、解放される摩擦締結要素の解放動作が開始してから、作動油の温度または圧力の少なくとも一方に応じて設定される所定時間が経過したときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする請求項1に記載のパワートレインの制御装置。

請求項5

変速比の制御の再開後における無段変速機構の変速比の変化の状態に基いて判定用所定時間を補正する補正手段が備えられていることを特徴とする請求項4に記載のパワートレインの制御装置。

請求項6

無段変速機構と歯車機構とを経由する経路を動力伝達状態とする摩擦締結要素と、無段変速機構のみを経由する経路を動力伝達状態とする摩擦締結要素とを有する変速機を備え、車両の走行状態に応じて設定される上記変速機の目標変速比が実現するように上記経路の選択と上記無段変速機構の変速比の制御とを行なう変速制御手段が設けられたパワートレインの制御装置であって、経路の切換えを伴う目標変速比が設定されたときは、その経路の切換動作中、変速制御手段による変速比の制御を中断させる中断手段と、その経路の切換動作が終了したときに変速比が上記制御の中断中の変速比からずれるように無段変速機構を操作する変速比ずらし手段と、その結果生じる変速比の挙動に基いて経路の切換えの終了を判定する判定手段と、該判定手段により経路の切換えの終了が判定されたときは、変速制御手段による変速比の制御を再開させる再開手段とが設けられていることを特徴とするパワートレインの制御装置。

請求項7

判定手段は、変速比が制御中断中の変速比からずれたときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする請求項6に記載のパワートレインの制御装置。

請求項8

判定手段は、変速比が制御中断中の変速比から所定量以上ずれたときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする請求項6に記載のパワートレインの制御装置。

請求項9

変速比ずらし手段は、トルクが小さいほど変速比が大きくずれるように無段変速機構を操作することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のパワートレインの制御装置。

技術分野

0001

本発明は車両用パワートレイン、特に、無段変速機構を有する変速機を備えたパワートレイン制御装置に関し、車両用駆動装置の技術分野に属する。

背景技術

0002

近年、無段変速式の変速機を備えたパワートレインが実用化されつつある。このパワートレインでは、一般に、変速機は無段変速機構と遊星歯車機構とを有する。無段変速機構は、例えば、一対の入出力ディスク間パワーローラ傾転可能に介設したトロイダル式のものや、縮径拡径可能な一対の入出力プーリ間にベルト張設したベルト式のもの等が採用される。

0003

変速機には、無段変速機構と遊星歯車機構とを経由する動力伝達経路と、無段変速機構のみを経由する動力伝達経路とが形成される。前者の経路ローモードの経路であり、比較的大きな変速機の変速比(最終変速比)が得られる。したがってこの経路は後退時や発進時に用いられる。後者の経路はハイモードの経路であり、比較的小さな最終変速比が得られる。したがってこの経路は高速走行時に用いられる。

0004

変速機の目標変速比車速エンジン負荷等の車両の走行状態に応じて設定される。そして、それが実現するように上記経路の選択と無段変速機構の変速比の制御とが行なわれる。動力伝達経路はクラッチ等の摩擦締結要素の作動によって動力伝達状態とされる。したがって、経路の切換えを伴う目標変速比が設定されたときは、ローモードの経路を達成するロークラッチとハイモードの経路を達成するハイクラッチとの掛け替えが行なわれる。

0005

無段変速式の変速機はショックのない滑らかな変速が特徴である。したがって、このような経路の切換え時においてもいかにショックのない滑らかな変速を実現させるかが最重要課題の一つである。基本的に、ローモードとハイモードとで同じ最終変速比を実現する無段変速機構の変速比が唯一存在し、無段変速機構の変速比がこの変速比(切換変速比)にあるときに経路の切換えを行なうことが知られている。これにより、無段変速機構の変速比を連続的に変化させながら、変速機の最終変速比を急変させずに滑らかに変化させることが可能となる。

0006

本出願人は、このような経路切換え時の制御をさらに以下のように種々改良した発明についてすでに提案を行なった(特願平10−372957号)。すなわち、経路を切り換えるために行なうクラッチの掛替えには時間を要するから、経路の切換動作中は無段変速機構の変速比を上記の切換変速比に維持するようにして、変速機の最終変速比がモードの切換え前後で変動することを抑制する。また、その際、ロークラッチとハイクラッチとを両方締結すれば無段変速機構の変速比を上記の切換変速比に固定することができるから、経路の切換動作中は両方のクラッチを締結状態として、無段変速機構の変速比の制御を中断する。さらに、ローモードとハイモードとでは無段変速機構を通過するトルクの流れが逆転し、またトルクに応じて無段変速機構に作用する応力が変化するから、経路の切換動作中にその応力の変化分の埋め合わせをして、無段変速機構の変速比ないし変速機の最終変速比がモードの切換え前後で変動することを抑制する。そして、パワーローラの傾転には慣性が作用するから、パワーローラの傾転制御を上記の切換変速比が得られる手前で停止して、パワーローラが切換変速比が得られる傾転角で停止することを図る。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしそれでもなお解決すべき課題が残存する。すなわち、上記のように、経路の切換動作中において、ロークラッチとハイクラッチとの両方を締結し、これにより無段変速機構の変速比を安定に切換変速比に維持する一方、無段変速機構の変速比の制御については、これを中断した場合には、その変速比の制御を再開するタイミングが極めて重要となる。

0008

例えば、経路が完全に切り換わる前から変速比の制御を再開すると、経路が切り換わったときに変速比が著しく変動してショックが発生することになる。つまり、経路が完全に切り換わる前はロークラッチとハイクラッチとの両方が締結状態であり、無段変速機構の変速比が切換変速比に固定されている状態であるから、この状態ではいくら無段変速機構の変速比を制御しても変速比は変化することがない。そして、その状態から、解放される側のクラッチが解放されて経路が切り換わり、変速比の制御が可能な状態となったときに、変速比が一気に急激に変化することになるのである。

0009

逆に、経路が切り換わっているのに変速比の制御が再開されないと、変速制御空白が生じ、その結果、例えば加速中エンジン回転が著しく高くなる等の違和感が発生する。

0010

本発明は、無段変速式の変速機を備えたパワートレインにおける上記のような不具合対処するもので、経路の切換えの終了を精度よく判定し、もってより一層ショックのない滑らかな変速を実現させることを課題とする。併せて、そのような経路の切換え終了判定のためにセンサ機器が増加してコストアップが発生することのないように対策することも課題とする。以下、その他の課題を含め、本発明を詳しく説明する。

課題を解決するための手段

0011

すなわち、上記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、無段変速機構と歯車機構とを経由する経路を動力伝達状態とする摩擦締結要素と、無段変速機構のみを経由する経路を動力伝達状態とする摩擦締結要素とを有する変速機を備え、車両の走行状態に応じて設定される上記変速機の目標変速比が実現するように上記経路の選択と上記無段変速機構の変速比の制御とを行なう変速制御手段が設けられたパワートレインの制御装置であって、経路の切換えを伴う目標変速比が設定されたときは、その経路の切換動作中、変速制御手段による変速比の制御を中断させる中断手段と、その経路の切換動作において解放される摩擦締結要素の状態に基いて経路の切換えの終了を判定する判定手段と、該判定手段により経路の切換えの終了が判定されたときは、変速制御手段による変速比の制御を再開させる再開手段とが設けられていることを特徴とする。

0012

この発明によれば、経路の切換えの終了が、経路の切換動作において解放される摩擦締結要素の状態に基いて判定されるから、経路の切換えの終了が合理的で精度よく判定される。つまり、経路の切換動作がすなわち摩擦締結要素の掛替動作であるから、解放される側の摩擦締結要素の状態がすなわち経路の切換動作の進捗状況を示す。したがって、この解放側摩擦締結要素の状態をみることによって経路の切換えの終了を精度よく判定することができる。

0013

特に、経路の切換動作中に解放側摩擦締結要素と締結側摩擦締結要素との両方を締結状態とする場合は、解放側摩擦締結要素がまだ締結状態にあるときに締結側摩擦締結要素がすでに締結状態にあるから、その後は、この解放側摩擦締結要素の状態だけをみることによって経路の切換えの終了を十分精度よく判定することができる。

0014

そして、経路の切換えの終了が判定されたときは、変速比の制御が遅滞なく再開されるから、変速比の制御が、経路の切換えの終了との関係において、早すぎたり遅すぎたりすることなく適正なタイミングで再開されることになる。その結果、変速比が一気に急変してショックが発生したり、変速制御に空白が生じて違和感が発生することが回避される。

0015

次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、判定手段は、解放される摩擦締結要素に供給される作動圧所定値よりも低くなったときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする。

0016

この発明によれば、解放側摩擦締結要素の状態がより具体化される。すなわち、解放側摩擦締結要素に供給される作動圧が所定値よりも低くなったときに経路の切換えの終了が判定される。つまり、上記のような状態は、解放側摩擦要素が締結状態になく解放状態にあり、変速比の制御が可能な状態であることを示しているから、上記のような状態に移行したときが、変速比の制御を再開する適正なタイミングとして採用可能なものである。

0017

次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、変速比の制御の再開後における無段変速機構の変速比の変化の状態に基いて判定用所定値を補正する補正手段が備えられていることを特徴とする。

0018

この発明によれば、実際の変速比の変化の状態に基いて変速比の制御を再開するタイミングが学習補正されるから、最終的に、ショックのない滑らかな変速が実現する適正なタイミングで変速比の制御が再開されることになる。

0019

次に、請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、判定手段は、解放される摩擦締結要素の解放動作が開始してから、作動油の温度または圧力の少なくとも一方に応じて設定される所定時間が経過したときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする。

0020

この発明によれば、請求項2に記載の発明と同様に、解放側摩擦締結要素の状態がより具体化される。すなわち、解放側摩擦締結要素の解放動作が開始してから所定時間が経過したときに経路の切換えの終了が判定される。ここで、所定時間は作動油の温度または圧力の少なくとも一方に応じて設定される。つまり、上記のような状態は、解放側摩擦要素が締結状態になく解放状態にあり、変速比の制御が可能な状態であることを示しているから、上記のような状態に移行したときが、変速比の制御を再開する適正なタイミングとして採用可能なものである。

0021

次に、請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、変速比の制御の再開後における無段変速機構の変速比の変化の状態に基いて判定用所定時間を補正する補正手段が備えられていることを特徴とする。

0022

この発明によれば、請求項3に記載の発明と同様に、実際の変速比の変化の状態に基いて変速比の制御を再開するタイミングが学習補正されるから、最終的に、ショックのない滑らかな変速が実現する適正なタイミングで変速比の制御が再開されることになる。

0023

一方、請求項6に記載の発明は、上記各発明と同様に、無段変速機構と歯車機構とを経由する経路を動力伝達状態とする摩擦締結要素と、無段変速機構のみを経由する経路を動力伝達状態とする摩擦締結要素とを有する変速機を備え、車両の走行状態に応じて設定される上記変速機の目標変速比が実現するように上記経路の選択と上記無段変速機構の変速比の制御とを行なう変速制御手段が設けられたパワートレインの制御装置であって、経路の切換えを伴う目標変速比が設定されたときは、その経路の切換動作中、変速制御手段による変速比の制御を中断させる中断手段と、その経路の切換動作が終了したときに変速比が上記制御の中断中の変速比からずれるように無段変速機構を操作する変速比ずらし手段と、その結果生じる変速比の挙動に基いて経路の切換えの終了を判定する判定手段と、該判定手段により経路の切換えの終了が判定されたときは、変速制御手段による変速比の制御を再開させる再開手段とが設けられていることを特徴とする。

0024

この発明によっても、経路の切換えの終了が合理的で精度よく判定される。つまり、前述したように、経路の切換動作中は、摩擦締結要素の両方を締結して変速比を切換変速比に固定すると共に、変速比の制御についてはこれを中断する。上記両摩擦締結要素を締結している間は変速比を制御しても変速比は変化せず切換変速比に固定している。そして、解放側摩擦締結要素が締結状態から解放状態に移行した時点で経路が実質的に切り換わり変速比の制御が可能となる。すなわち、変速比の制御が再開され、変速比が変速制御手段に委ねられ、固定の切換変速比から変速制御手段が指令する変速比に変化する。前述したようにこの経路の切換え時においてショックのない滑らかな変速を実現させるためには、この変速比の制御の再開時における変速比(変速制御手段の指令による変速比)と、変速比の制御の中断中における変速比(固定の切換変速比)とを一致させるのが本来である。

0025

しかし、見方を変えれば、両者が一致しなければ変速比が変化するのであるから、そのことによって経路の切換えが終了したことが検知できる。より具体的にいえば、制御中断中の変速比が固定であるから、制御再開時の変速比を制御中断中の変速比に一致させずに敢えてわざと意図的にずらせてやれば変速比が変化する。しかもその変速比の変化は、解放側摩擦要素が解放状態に移行し、経路が実質的に切り換わった時点で起こる。したがって、そのような変速比の変化・挙動をみることで、経路の切換えの終了が極めて正確に判定できる。そこで、この発明では、変速比ずらし手段によって、敢えてわざと意図的に、経路の切換動作が終了したときに変速比が制御中断中の変速比からずれるように予め無段変速機構を操作しておき、その結果生じる変速比の挙動に基いて経路の切換えの終了を判定するようにしたのである。前述したように変速比の制御の中断中は変速比は切換変速比に固定して変化しないから、この制御の中断中から前もって無段変速機を上記のように操作しておいても問題はない。そして経路が切り換わった時点で変速比が変化し、その切り換わりの瞬間が検知できる。

0026

その場合に、変速比はそもそも車両の変速制御においてセンシングする基本的状態量の一つであり、この経路の切換え終了判定のためだけに新たにセンシングするということはない。よって新たに別段のセンサや機器を備える必要がなく、コストアップを招来しない。

0027

なお、変速比の挙動をみるにあたっては、変速比の変化が大きいほど挙動がはっきりし、経路切換えの判定がし易い。しかし一方で、変速比の変化が大き過ぎると不快なショックに結びつくから、ショック有感領域に属しない範囲内で可及的に大きな変化が生じるように変速比を本来達成すべき変速比からずらすようにする(つまりずらし量を決定する)。

0028

次に、請求項7に記載の発明は、上記請求項6に記載の発明において、判定手段は、変速比が制御中断中の変速比からずれたときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする。

0029

この発明によれば、経路切換え終了判定の具体的一例が示される。この場合は、変速比がそれまで固定していた制御中断中の変速比からずれて変化したことをもって経路の切換え終了を判定する。したがって、経路の切換え終了がごく単純・容易に判定できる。

0030

次に、請求項8に記載の発明は、上記請求項6に記載の発明において、判定手段は、変速比が制御中断中の変速比から所定量以上ずれたときに、経路の切換えの終了を判定することを特徴とする。

0031

この発明の場合は、単に変速比がそれまで固定していた制御中断中の変速比からずれただけでなく、所定量以上ずれたことをもって経路の切換え終了を判定する。したがって、上記所定量をどのように設定するかによって、終了判定をされ易くしたりされ難くしたりすることができる。例えば、変速比ずらし手段によって変速比が大きくずれるように操作したとき(つまりずらし量を大きくしたとき)は、経路の切換え終了判定がされ易くなるから、上記所定量を大きくしてよい。逆に、変速比が小さくずれるように操作したとき(つまりずらし量を小さくしたとき)には、経路の切換え終了判定がされ難くなるから、上記所定量を小さくする。このように、状況に応じて適切な判定が実現するように判定基準を変化させることができる。

0032

次に、請求項9に記載の発明は、上記請求項6から8のいずれかに記載の発明において、変速比ずらし手段は、トルクが小さいほど変速比が大きくずれるように無段変速機構を操作することを特徴とする。

0033

前述したように、変速比の変化が大きいほど経路切換えの終了判定が容易となるがショックも出易くなる。ここでトルクの大小とショックの大小とは相関関係にある。よって、この発明のように、トルクが小さく、ショックが相対的に小さくて済むときには、変速比が大きくずれるように(つまりずらし量を大きく)して、判定精度を確保することができる。逆に、トルクが大きく、ショックが相対的に大きくなるときには、変速比が小さくずれるように(つまりずらし量を小さく)して、不快なショックを抑制することができる。これにより判定精度とショックとの均衡を図ることができる。

0034

また、変速比が同程度ずれるように(つまりずらし量を同じに)しても、トルクが小さいときは、変速比は実際には少ししか変化せず、トルクが大きいときには、変速比は実際には大きく変化する傾向にある。よって、この発明のように、トルクが小さいときに変速比を大きくずれるようにすることで、実際の変速比のずれ量(変化量)を判定に適切な大きさまで拡大することができる。逆に、トルクが大きいときに変速比を小さくずれるようにしても、実際の変速比のずれ量(変化量)は判定に適切な大きさに維持される。以下、発明の実施の形態を通して、本発明をさらに詳しく説明する。

発明を実施するための最良の形態

0035

[全体構成]図1および図2に示すように、本実施の形態に係るパワートレイン10は、エンジン1の出力軸2にトーショナルダンパ3を介して連結されたインプットシャフト11と、該シャフト11の外側に遊嵌合された中空プライマリシャフト12と、これらのシャフト11,12に平行に配置されたセカンダリシャフト13とを有する。これらのシャフト11〜13はいずれも車幅方向に延びる。インプットシャフト11およびプライマリシャフト12の軸線上にはトロイダル式の第1、第2無段変速機構20,30と、これらに軸方向の荷重を付与するローディングカム機構40とが配設されている。セカンダリシャフト13の軸線上には遊星歯車機構50とロークラッチ60およびハイクラッチ70とが配設されている。インプットシャフト11およびプライマリシャフト12の軸線とセカンダリシャフト13の軸線との間にはローモードギヤ列80とハイモードギヤ列90とが介設されている。

0036

第1、第2無段変速機構20,30は、対向面がトロイダル面入力ディスク21,31および出力ディスク22,32と、これらの入出力ディスク21,22;31,32間に介設されて動力を伝達するパワーローラ23,33とを有する。入力ディスク21,31はプライマリシャフト12の端部に結合されている。両力ディスク22,32は一体化されてプライマリシャフト12の中間部に回転自在に支持されている。

0037

インプットシャフト11の反エンジン側の端部にはローモードギヤ列80の第1ギヤ81が結合されている。この第1ギヤ81と第1無段変速機構20の入力ディスク21との間にローディングカム機構40が介設されている。一体化された出力ディスク22,32の外周にはハイモードギヤ列90の第1ギヤ91が設けられている。セカンダリシャフト13の反エンジン側の端部にはローモードギヤ列80の第2ギヤ82が回転自在に支持されている。この第2ギヤ82はアイドルギヤ83を介して第1ギヤ81に連結されている。セカンダリシャフト13の中間部には遊星歯車機構50が配設されている。遊星歯車機構50のピニオンキャリヤ51とローモードギヤ列80の第2ギヤ82との間にこれらを連結または切断するロークラッチ60が介設されている。

0038

遊星歯車機構50のエンジン側にはハイモードギヤ列90の第2ギヤ92が回転自在に支持されている。この第2ギヤ92は第1ギヤ91と噛み合っている。第2ギヤ92と遊星歯車機構50のサンギヤ52とが連結されている。遊星歯車機構50のインターナルギヤ53がセカンダリシャフト13に結合されている。遊星歯車機構50のエンジン側にハイモードギヤ列90の第2ギヤ92とセカンダリシャフト13とを連結または切断するハイクラッチ70が介設されている。

0039

セカンダリシャフト13のエンジン側の端部に出力ギヤ列4を介してディファレンシャル装置5が連結されている。出力ギヤ列4は第1、第2ギヤ4a,4bおよびアイドルギヤ4cでなる。ディファレンシャル装置5から左右に延びる駆動軸6a,6bが左右の駆動輪(図示せず)に連結されている。

0040

インプットシャフト11の反エンジン側の端部にはオイルポンプ100が配置されている。オイルポンプ100はインプットシャフト11によりローモードギヤ列80の第1ギヤ81を介して駆動される。

0041

[無段変速機構]
機械的構成〉無段変速機構20,30の構成について第1無段変速機構20を例にとりさらに説明する。図3に示すように、パワーローラ23はシャフト24を介してトラニオン25に支持されている。シャフト24は入出力ディスク21,22のほぼ半径方向に延びる。各パワーローラ23,23は両ディスク21,22の対向トロイダル面の円周上の180°反対側にほぼ水平姿勢で上下に平行に配置されている。パワーローラ23はその周面の180°反対側の2箇所で両ディスク21,22のトロイダル面と接触している。

0042

トラニオン25は支持部材26,26に支持されている。支持部材26,26は当該パワートレイン10のケース101に取り付けられている。トラニオン25は両ディスク21,22の接線方向であってシャフト24に直交する水平方向の軸心X回りの回動と、該軸心X方向の直線往復運動とが可能である。トラニオン25には軸心X方向に延びるロッド27が連設されている。ケース101の側面には変速制御ユニット110が取り付けられている。変速制御ユニット110は上記ロッド27およびトラニオン25を介してパワーローラ23を傾転させる。

0043

変速制御ユニット110は油圧制御部111とトラニオン駆動部112とを有する。トラニオン駆動部112は増速用および減速用ピストン113,114を備える。ピストン113,114はロッド27に取り付けられている。ピストン113,114により増速用および減速用の油圧室115,116が形成されている。

0044

上方のトラニオン25では、増速用油圧室115がパワーローラ23側に、減速用油圧室116が反パワーローラ23側に配置されている。下方のトラニオン25では、増速用油圧室115が反パワーローラ23側に、減速用油圧室116がパワーローラ23側に配置されている。

0045

油圧制御部111で生成された増速用油圧PHが油路117,118を介して増速用油圧室115,115に供給される。同じく油圧制御部111で生成された減速用油圧PLが図示しない油路を介して減速用油圧室116,116に供給される。これらの油圧PH,PLの制御により無段変速機構20,30の変速比が制御される。

0046

〈概略動作〉無段変速機構20,30の動作の概略を第1無段変速機構20を例にとって説明する。まず、図3に示す油圧制御部111により、上下のトラニオン25,25の増速用油圧室115,115に供給されている増速用油圧PHが、減速用油圧室116,116に供給されている減速用油圧PLに対して所定の釣り合い状態より相対的に高くされると、上方のトラニオン25は図面上、右側に、下方のトラニオン25は左側にそれぞれ水平移動する。

0047

このとき、図示されている出力ディスク22が矢印c方向に回転しているとすると、上方のパワーローラ23は、右側への移動により、上記出力ディスク22からは下向きの力を受け、図面の手前側にあって反矢印c方向に回転している入力ディスク21からは上向きの力を受ける。また、下方のパワーローラ23は、左側への移動により、上記出力ディスク22からは上向きの力を受け、入力ディスク21からは下向きの力を受ける。その結果、上下のパワーローラ23,23とも、入力ディスク21との接触位置が半径方向の外側に、出力ディスク22との接触位置が半径方向の内側に移動するように傾転し、当該無段変速機構20の変速比が小さくなる(増速)。

0048

これとは逆に、上下のトラニオン25,25の減速用油圧室116,116に供給されている減速用油圧PLが、増速用油圧室115,115に供給されている増速用油圧PHに対して所定の釣り合い状態より相対的に高くされると、上方のトラニオン25は図面上、左側に、下方のトラニオン25は右側にそれぞれ水平移動する。そして、上方のパワーローラ23は、出力ディスク22からは上向きの力を受け、入力ディスク21からは下向きの力を受ける。また、下方のパワーローラ23は、出力ディスク22からは下向きの力を受け、入力ディスク21からは上向きの力を受ける。その結果、上下のパワーローラ23,23とも、入力ディスク21との接触位置が半径方向の内側に、出力ディスク22との接触位置が半径方向の外側に移動するように傾転し、当該無段変速機構20の変速比が大きくなる(減速)。

0049

以上のような第1無段変速機構20についての構成および作用は第2無段変速機構30についても同様である。加えて、図1図2に示すように、第1、第2無段変速機構20,30の入力ディスク21,31がプライマリシャフト12の両端部にそれぞれスプライン嵌合されて常に同一回転する。また、第1、第2無段変速機構20,30の出力ディスク22,32が一体化されて同じく同一回転する。したがって、第1、第2無段変速機構20,30の変速比が常に同じ値に制御される。

0050

油圧制御回路
〈全体構成〉次に、このパワートレイン10の油圧制御回路を説明する。油圧制御回路は、変速制御ユニット110と、ケース101の下部に取り付けられたクラッチ制御ユニット120(図3参照)とにより構成される。

0051

図4に示すように、この油圧制御回路200には、レギュレータバルブ202と、リリーフバルブ204と、マニュアルバルブ205とが備えられている。レギュレータバルブ202はオイルポンプ100から吐出される作動油の圧力を所定のライン圧に調整してメインライン201に出力する。リリーフバルブ204はメインライン201から供給されるライン圧を元圧として所定のリリーフ圧を生成し、これをリリーフ圧ライン203に出力する。マニュアルバルブ205は運転者切換え操作によってDレンジ、Rレンジ、NレンジおよびPレンジの選択を可能とする。マニュアルバルブ205はメインライン201をDレンジでは第1、第2出力ライン206,207に、Rレンジでは第1、第3出力ライン206,208に連通させ、NレンジおよびPレンジではライン圧を遮断する。

0052

油圧制御回路200には、オイルポンプ100の吐出圧を元圧として一定圧を生成するレデューシングバルブ211が備えられている。レギュレータバルブ202およびリリーフバルブ204にはライン圧制御用リニアソレノイドバルブ209およびリリーフ圧制御用リニアソレノイドバルブ210がそれぞれ備えられている。これらのリニアソレノイドバルブ209,210はレデューシングバルブ211で生成された一定圧に基づいて制御圧を生成する。制御圧がレギュレータバルブ202およびリリーフバルブ204の制御ポート202a,204aに供給されることによりライン圧およびリリーフ圧が各リニアソレノイドバルブ209,210に出力される制御信号によって調整される。

0053

レデューシングバルブ211で生成された一定圧はオンオフソレノイドバルブ213にも導かれる。オンオフソレノイドバルブ213はフェールセーフバルブ212を作動させる。オンオフソレノイドバルブ213は通常時はオンであり、一定圧をフェールセーフバルブ212の制御ポート212aに供給する。これにより該バルブ212のスプールが右側に移動する。一方、オンオフソレノイドバルブ213はフェールセーフ時等にはオフであり、一定圧を制御ポート212aからオフドレインする。これにより該バルブ212のスプールが左側に移動する。

0054

また、油圧制御回路200には、レギュレータバルブ202のドレインポートから導かれた潤滑ライン281が配設されている。この潤滑ライン281には、潤滑油圧を所定値に調整するリリーフバルブ282や、第1、第2開閉バルブ283,284等が配置されて、第1、第2無段変速機構20,30や遊星歯車機構50等のパワートレイン各部に対する潤滑油の供給を制御する。

0055

変速制御弁〉油圧制御回路200には、変速制御弁としての前進用三層弁220および後退用三層弁230が備えられている。また、これらの三層弁220,230を選択的に作動させるシフトバルブ240が備えられている。変速制御弁220,230はライン圧およびリリーフ圧に基づいて前進時および後退時のそれぞれにおいて増速用油圧PHおよび減速用油圧PLを生成する。

0056

シフトバルブ240は制御ポート240aに制御圧としてライン圧が供給されるか否かによりスプールの位置が決定する。ライン圧が供給されないときはスプールが右側に位置してメインライン201とライン圧供給ライン241とが連通する。このライン圧供給ライン241は前進用三層弁220に通じる。ライン圧が供給されたときはスプールが左側に位置してメインライン201とライン圧供給ライン242とが連通する。このライン圧供給ライン242は後退用三層弁230に通じる。

0057

シフトバルブ240の制御ポート240aにライン圧が供給されるのは、通常時においては、マニュアルバルブ205がRレンジに位置したときである。このときフェールセーフバルブ212のスプールが右側に移動し、ライン圧が第3出力ライン208を介して制御ポート240aに供給される。これに対し、通常時であってもマニュアルバルブ205がDレンジに位置したときは、シフトバルブ240の制御ポート240aにライン圧が供給されない。また、フェールセーフ時には、フェールセーフバルブ212のスプールが左側に移動し、シフトバルブ240と第3出力ライン208とが遮断されるから、マニュアルバルブ205がRレンジに位置していても、シフトバルブ240の制御ポート240aにはライン圧が供給されない。

0058

前進用および後退用の三層弁220,230はほぼ同一の構成である。両三層弁220,230ともボア221,231に軸方向に移動可能に嵌合されたスリーブ222,232と、これらのスリーブ222,232に同じく軸方向に移動可能に嵌合されたスプール223,233とを有する。両三層弁220,230は図3に示す変速制御ユニット110における油圧制御部111のバルブボディ111aに収納されている。

0059

三層弁220,230の中央部にはライン圧ポート224,234が設けられている。これらのライン圧ポート224,234にはシフトバルブ240から導かれたライン圧供給ライン241,242が接続されている。また、三層弁220,230の両端部には第1、第2リリーフ圧ポート225,226,235,236が設けられている。これらのリリーフ圧ポート225,226,235,236にはリリーフ圧ライン203が接続されている。さらに、上記ライン圧ポート224,234と第1リリーフ圧ポート225,235との間には増速圧ポート227,237が設けられている。同じく上記ライン圧ポート224,234と第2リリーフ圧ポート226,236との間には減速圧ポート228,238が設けられている。これらの増速圧ポート227,237および減速圧ポート228,238から導かれたライン243,244;245,246がシフトバルブ240に接続されている。

0060

シフトバルブ240のスプールが右側に位置すると、ライン243が増速用ライン247と接続し、ライン245が減速用ライン248と接続する。これにより、前進用三層弁220の増速圧ポート227と増速用油圧室115,115とが連通し、減速圧ポート228と減速用油圧室116,116とが連通する。

0061

シフトバルブ240のスプールが左側に位置すると、ライン244が増速用ライン247と接続し、ライン246が減速用ライン248と接続する。これにより、後退用三層弁230の増速圧ポート237と増速用油圧室115,115とが連通し、減速用ポート238と減速用油圧室116,116とが連通する。

0062

〈変速制御弁の動作〉三層弁220,230の動作を図5を用いて説明する。ただし、図5においては三層弁220,230の向きが図4とは左右反対になっている。スリーブ222とスプール223の位置関係が図示したような中立位置にある状態から、例えば前進用三層弁220のスリーブ222が相対的に図面上、左側(矢印g方向)に移動すると、ライン圧ポート224と増速圧ポート227との連通度、および第2リリーフ圧ポート226と減速圧ポート228との連通度がそれぞれ増大する。これにより、増速用油圧PHが上昇し、減速用油圧PLが低下する。

0063

逆に、スリーブ222が相対的に右側(矢印h方向)に移動すると、ライン圧ポート224と減速圧ポート228との連通度、および第1リリーフ圧ポート225と増速圧ポート227との連通度がそれぞれ増大する。これにより、減速用油圧PLが上昇し、増速用油圧PHが低下する。

0064

このような動作は後退用三層弁230についても同様である。そして、これらの三層弁220,230のスリーブ222,232を移動させるステップモータ251,252が備えられている。ステップモータ251,252はリンク部材253,254を介してスリーブ222,232と連結している。また、スリーブ222,232の移動に応じてスプール223,233をスプリング229,239のバネ力に抗して移動させるカム機構260が備えられている。

0065

このカム機構260は、図5図6に示すように、プリセスカム261と、シャフト262と、従動レバー263と、前進用および後退用の駆動レバー264,265とで構成されている。プリセスカム261は、第2無段変速機構30の上方に位置するトラニオン35のロッド37の端部に取り付けられている。プリセスカム261の一方の端面が螺旋面状カム面261aである。

0066

シャフト262は、油圧制御部111のバルブボディ111aに回動自在に支持されている。シャフト262は、前進用および後退用三層弁220,230のスプール223,233の一端側にこれらに直交する方向に配置されている。

0067

従動レバー263は、上記シャフト262の一端部に取り付けられている。従動レバー263の揺動端が上記プリセスカム261のカム面261aに当接している。

0068

駆動レバー264,265は、同じく上記シャフト262に取り付けられている。駆動レバー264,265の揺動端が三層弁220,230のスプール223,233の一端に設けられた切り込み223a,233aに係合している。

0069

第2無段変速機構30の上方のパワーローラ33が傾転すると、上方のトラニオン35およびロッド37が軸心X回りに一体的に回転する。これにより、プリセスカム261がこれらと一体的に回動し、従動レバー263が所定量揺動する。さらに、シャフト262を介して駆動レバー264,265が同じ角度だけ揺動し、その結果、その揺動角度に応じた量だけ前進用および後退用三層弁220,230のスプール223,233が軸方向に移動する。そのスプール223,233の位置は、第2無段変速機構30のパワーローラ33(および第1無段変速機構20のパワーローラ23)の傾転角、つまり無段変速機構20,30の変速比に対応する。

0070

〈変速比の制御動作トラクション力〉無段変速機構20,30の変速比(トロイダルレシオRt)の制御の具体的動作について前進時を例にとり説明する。まず、油圧制御回路200において、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブ209およびリリーフ圧制御用リニアソレノイドバルブ210により、レギュレータバルブ202およびリリーフバルブ204の制御圧が生成される。そして、その制御圧に応じたライン圧とリリーフ圧とが生成される。

0071

ライン圧は、メインライン201からシフトバルブ240およびライン241を介して三層弁220のライン圧ポート224に供給される。リリーフ圧は、ライン203を介して三層弁220の第1、第2リリーフ圧ポート225,226に供給される。ステップモータ251で三層弁220を制御することにより、これらのライン圧とリリーフ圧とに基いて差圧ΔPの制御が行われる。差圧ΔPは、変速制御ユニット110の増速用油圧室115,115に供給される増速用油圧PHと、減速用油圧室116,116に供給される減速用油圧PLとの間の差圧である(ΔP=PH−PL)。

0072

この差圧制御は、無段変速機構20,30のトラニオン25,35ないしパワーローラ23,33を図6に示すような所定の中立位置から軸心X,X方向に沿って移動させる制御である。中立位置では、ローラ23,33はディスク21,22,31,32の回転を受けることがなく、その傾転が進行しない。しかし、軸心X,X方向に沿って移動することにより、ローラ23,33はディスク21,22,31,32の回転を受けて、その傾転が進行する。つまりトロイダルレシオRtが変化する。

0073

いま、例えば、トルクが無段変速機構20,30を入力ディスク21,31側から出力ディスク22,32側に通過しているとする。入力ディスク21,31はa,a方向に回転することによりパワーローラ23,33をb,b方向に駆動する。したがって、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、入力ディスク21,31の回転方向a,aと同方向への引きずり力が作用する。また、パワーローラ23,33はb,b方向に回転することにより出力ディスク22,32をc,c方向に駆動する。したがって、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、出力ディスク22,32の回転方向c,cと反対方向への反力が作用する。その結果、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、トラニオン駆動部112へ近づく方向のトラクション力T1,T1が作用する。

0074

逆に、例えば、トルクが無段変速機構20,30を出力ディスク22,32側から入力ディスク21,31側に通過しているとする。出力ディスク22,32のc,c方向の回転によりパワーローラ23,33がb,b方向に駆動されるから、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、出力ディスク22,32の回転方向c,cと同方向への引きずり力が作用する。また、パワーローラ23,33のb,b方向の回転により入力ディスク21,31がa,a方向に駆動されるから、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、入力ディスク21,31の回転方向a,aと反対方向への反力が作用する。その結果、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、トラニオン駆動部112から離れる方向のトラクション力T2,T2が作用する。

0075

したがって、中立位置では差圧ΔPはゼロではなく、これらのトラクション力T1,T2と釣り合うだけの差圧ΔPが必要となる。そして、それだけの差圧ΔPが生成するように増速用油圧PHおよび減速用油圧PLが供給される。

0076

〈変速比の制御動作−スリーブとスプールの動き〉トロイダルレシオRtを小さく(増速)する場合は、ステップモータ251により前進用三層弁220のスリーブ222を図5図6において左側(g方向)に移動させる。すると、三層弁220のライン圧ポート224と増速圧ポート227との連通度、および第2リリーフ圧ポート226と減速圧ポート228との連通度が大きくなる。これにより、図4に示す増速圧ライン247から増速用油圧室115,115に供給される増速用油圧PHは増圧され、減速圧ライン248から上記減速用油圧室116,116に供給される減速用油圧PLは減圧される。

0077

その結果、差圧ΔPが大きくなり、トラニオン25,35ないしパワーローラ23,33が図6に示すd1,d1方向に移動する。この移動により、パワーローラ23,33は、入力ディスク21,31との接触位置が半径方向の外側に、出力ディスク22,32との接触位置が半径方向の内側に変位するように傾転する。そして、第1、第2無段変速機構20,30は増速し、トロイダルレシオRtが小さくなる。

0078

一方、第2無段変速機構30のパワーローラ33が上記のように傾転することにより、カム機構260におけるプリセスカム261が同方向(図5に示すe方向)に同じ角度だけ回転し、これに伴って該カム機構260の従動レバー263、シャフト262および駆動レバー264がいずれも図6に示すf方向に回動する。その結果、三層弁220のスプール223がスプリング229のバネ力によってg方向、すなわち図5図6の左方向に移動する。この方向は最初にステップモータ251によりスリーブ222を移動させた方向であるから、上記のようにいったん増大したライン圧ポート224と増速圧ポート227との連通度、および第2リリーフ圧ポート226と減速圧ポート228との連通度が当初の中立状態復帰する。

0079

これにより、差圧ΔPは再び小さくなってトロイダルレシオRtの制御動作が終了する。すなわち、トロイダルレシオRtが所定量変化したうえで、パワーローラ23,33が再び中立位置に保持される。その場合に、この制御動作は、スプール223がスリーブ222との間の位置関係において所定の中立状態となる位置まで移動した時刻で終了する。その位置はステップモータ251によりスリーブ222を移動させた位置である。また、カム機構260を介してパワーローラ23,33およびトラニオン25,35の傾転角に対応付けられた位置である。したがって、スリーブ222の位置がパワーローラ23,33およびトラニオン25,35の傾転角に対応し、ステップモーター251の制御量が第1、第2無段変速機構20,30の変速比に対応する。その結果、ステップモーター251に対するパルス制御によりトロイダルレシオRtを制御することができる。

0080

なお、以上の制御動作および作用はステップモータ251により三層弁220のスリーブ222を図5図6において反対方向の右側(h方向)に移動させた場合も同様である。その場合は、トラニオン25,35ないしパワーローラ23,33が図6に示すd2,d2方向に移動して、トロイダルレシオRtは大きくなる(減速)。

0081

〈経路切換用制御弁〉以上のような変速比制御用の構成に加えて、油圧制御回路200には、図4に示すように、ロークラッチ60およびハイクラッチ70の制御用として2個のデューティソレノイドバルブ271,272が備えられている。そして、マニュアルバルブ205から導かれた第1出力ライン206がロークラッチ用デューティソレノイドバルブ271に、第2出力ライン207がハイクラッチ用デューティソレノイドバルブ272にそれぞれ接続されている。

0082

ロークラッチ用デューティソレノイドバルブ271により、第1出力ライン206からのライン圧が調整されてロークラッチ60の締結のための作動圧(ロークラッチ圧)が生成される。このロークラッチ圧は、正常時には、フェールセーフバルブ212およびロークラッチライン274を介してロークラッチ60の油圧室に供給される。これにより、ロークラッチ圧の大きさに応じた締結力でロークラッチ60が締結される。

0083

一方、ハイクラッチ用デューティソレノイドバルブ272により、第2出力ライン207からのライン圧が調整されてハイクラッチ70の締結のための作動圧(ハイクラッチ圧)が生成される。このハイクラッチ圧は、ハイクラッチライン275を介してハイクラッチ70の油圧室に供給される。これにより、ハイクラッチ圧の大きさに応じた締結力でハイクラッチ70が締結される。

0084

これらのデューティソレノイドバルブ271,272は、その制御信号のデューティ率が0%のときは全閉となってクラッチ圧を出力せず、100%のときは全開となってライン圧をそのままクラッチ圧として出力し、その中間のデューティ率ではその値に応じたクラッチ圧を生成する。

0085

ロークラッチライン274およびハイクラッチライン275にはそれぞれアキュムレータ276,277が備えられている。アキュムレータ276,277はロークラッチ圧、ハイクラッチ圧をロークラッチ60、ハイクラッチ70に緩やかに供給させ、クラッチ60,70の締結時におけるショックの発生を抑制する。

0086

マニュアルバルブ205から導かれた第3出力ライン208は、前述したように、正常時には、フェールセーフバルブ212を介してシフトバルブ240の制御ポート240aに接続される。そして、マニュアルバルブ205がRレンジの位置に移動したときに、ライン圧がシフトバルブ240の制御ポート240aに供給されて、シフトバルブ240のスプールを左側、すなわち後退時用の位置に移動させる。

0087

フェールセーフ時等には、フェールセーフバルブ212を作動させるオンオフソレノイドバルブ213がオフとなって、フェールセーフバルブ212のスプールが左側に移動する。これにより、ロークラッチ用デューティソレノイドバルブ271とロークラッチライン274との間、および第3出力ライン208とシフトバルブ240との間がそれぞれ遮断される。ロークラッチ60の油圧室に通じるロークラッチライン274がフェールセーフバルブ212のドレインポート212bと連通し、ロークラッチ圧が該ドレインポート212bから速やかに排出される。

0088

[制御システム]本実施の形態に係るパワートレイン10は、以上のような機械的構成と油圧制御回路200とを有する他、図7に示すように、コントロールユニット300を備える。コントロールユニット300は、油圧制御回路200を用いて、第1、第2無段変速機構20,30の変速比制御と、クラッチ60,70の締結制御とを行うことにより、パワートレイン10の全体としての変速比(ユニットレシオRu)を制御する。

0089

コントロールユニット300は、当該車両の車速を検出する車速センサ301、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ302、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ303、運転者によって選択されているレンジを検出する選択レンジセンサ304、アクセルペダルの非踏み込みを検出するアイドルスイッチ305、作動油の温度を検出する油温センサ306、入力ディスク21,31および出力ディスク22,32の回転数を検出する入力回転数センサ307および出力回転数センサ308(図1参照)、メインライン201内のライン圧の値を検出するライン圧センサ309、並びにロークラッチライン274内およびハイクラッチライン275内のロークラッチ圧およびハイクラッチ圧の値を検出するロークラッチ圧センサ310およびハイクラッチ圧センサ311等からの信号を入力する。

0090

コントロールユニット300は、上記信号が示す当該車両の走行状態ないしエンジン1の運転状態に応じて、ライン圧制御用およびリリーフ圧制御用のリニアソレノイドバルブ209,210、オンオフソレノイドバルブ213、ロークラッチ60用およびハイクラッチ70用のデューティソレノイドバルブ271,272、前進用三層弁220用および後退用三層弁230用のステップモータ251,252、並びにエンジン1の点火プラグ312等に制御信号を出力する。

0091

[制御動作第1例]〈ギヤードニュートラル走行モード〉このパワートレイン10では、Nレンジが選択されているときは、ロークラッチ60およびハイクラッチ70の両方が解放状態である。したがって、インプットシャフト11側からセカンダリシャフト13側に伝達される動力は、遊星歯車機構50やセカンダリシャフト13には伝達されない。つまり、動力が差動装置5から駆動輪へ出力されることはない。

0092

このとき、遊星歯車機構50においては、ハイモードギヤ列90からの動力によりサンギヤ52が駆動される。しかし、ローモードギヤ列80からの動力はロークラッチ60の入力側の回転部材60a(図1参照)まで伝達されるだけで、ピニオンキャリヤ51へは伝達されない。また、セカンダリシャフト13に結合されたインターナルギヤ53は固定されている。したがって、ピニオンキャリヤ51はサンギヤ52の回転に連動して無負荷状態で回転している。

0093

この状態で、トロイダルレシオRtを所定値に設定して、ピニオンキャリヤ51の回転速度を制御すると、ロークラッチ60の入、出力側回転部材60a,60b(図1参照)の回転速度を等しくすることができる。つまり、トロイダルレシオRtを上記所定値に制御することにより、ロークラッチ60を接続しても、インターナルギヤ53ないしセカンダリシャフト13の回転をゼロとすることができる。これにより、いわゆるギヤードニュートラル(GN)の状態が得られる。

0094

ステップモータ251,252に出力する制御信号のパルス数NとトロイダルレシオRtとの関係は例えば図8に示すような特性を有する。パルス数Nが増加(プラス側に変化)すると、トロイダルレシオRtが小さくなる(増速側に変化する)。このとき、三層弁220,230のスリーブ222,232は、前述したように、図5図6に示した矢印g方向に移動する。このようにスリーブ222,232がパルスモータ251,252から離れる方向gをプラス(+)側とする。

0095

逆に、パルス数Nが減少(マイナス側に変化)すると、トロイダルレシオRtが大きくなる(減速側に変化する)。このとき、三層弁220,230のスリーブ222,232は、前述したように、図5図6に示した矢印h方向に移動する。このようにスリーブ222,232がパルスモータ251,252に近づく方向hをマイナス(−)側とする。

0096

ギヤードニュートラルの状態が得られるときのトロイダルレシオ(GNレシオRtn)は1より小さい。また、そのGNレシオRtnを実現させるパルス数(GNパルス数Nn)は相対的にプラス側にある。

0097

一方、ステップモータ251,252に出力する制御信号のパルス数NとユニットレシオRuとの関係は例えば図9に示すような特性を有する。パルス数NがGNパルス数Nnにあるときは、ユニットレシオRuは、符号アまたはイで示すように無限大となる。このGNパルス数Nnからパルス数が減少(マイナス側に変化)して、トロイダルレシオRtが大きくなると(減速側に変化すると)、サンギヤ52への入力回転速度が低下する。これにより、遊星歯車機構50のインターナルギヤ53が前進方向に回転し始める。すなわち、パルス数Nの減少、ないしスリーブ位置のマイナス側への移動、およびトロイダルレシオRtの増大に伴って、ユニットレシオRuが小さくなっていく(増速側に変化していく)前進ローモード特性LFが実現する。

0098

逆に、GNパルス数Nnからパルス数が増加(プラス側に変化)して、トロイダルレシオRtが小さくなると(増速側に変化すると)、サンギヤ52への入力回転速度が上昇する。これにより、遊星歯車機構50のインターナルギヤ53が後退方向に回転し始める。すなわち、パルス数Nの増加、ないしスリーブ位置のプラス側への移動、およびトロイダルレシオRtの減少に伴って、ユニットレシオRuが大きくなっていく(減速側に変化していく)Rレンジでの後退ローモード特性LRが実現する。

0099

また、前進ローモードLFで発進したのち、パルス数Nが減少していって、ユニットレシオRuが小さくなっていき、図8図9に符号ウで示すように、所定の切り換えポイント(パルス数Nm,トロイダルレシオRtm,ユニットレシオRum)に到達すると、ロークラッチ60が切断されると共にハイクラッチ70が締結される。すなわち、クラッチ60,70の掛け替えが行なわれる。これにより、インプットシャフト11からの動力が、第1、第2無段変速機構20,30、ハイモードギヤ列90およびハイクラッチ70を介してセカンダリシャフト13に伝達される。この状態では、ハイモードギヤ列90のギヤ比が1であるとすれば、ユニットレシオRuはトロイダルレシオRtに等しくなり、図8に示すトロイダルレシオRtの特性とほぼ同じとなる。すなわち、パルス数Nの増加、ないしスリーブ位置のプラス側への移動、およびトロイダルレシオRtの減少に伴って、ユニットレシオRuが小さくなっていく(増速側に変化していく)前進ハイモード特性HFが実現する。

0100

〈モード切換時におけるパルス数の補正〉図10に示すように、前進ローモードLFにおいてエンジン1により車両を駆動している正駆動状態にあるときには循環トルクが発生する。つまり、矢印iで示すように、エンジン1からのトルクがインプットシャフト11の反エンジン側の端部からローモードギヤ列80を介してセカンダリシャフト13側へ伝達される一方で、該セカンダリシャフト13上の遊星歯車機構50で生じる反力としてのトルクが矢印jで示すようにハイモードギヤ列90を介して無段変速機構20,30の出力ディスク22,32に還流される。そして、この還流トルクが、矢印kで示すように、入力ディスク21,31、プライマリシャフト12およびローディングカム機構40等を介して上記ローモードギヤ列80側に再び伝達される。したがって、この前進ローモードLFでは、無段変速機構20,30においては、正駆動状態で、トルクは出力ディスク22,32側から入力ディスク21,31側へ伝達されることになり、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、トロイダルレシオRtを小さくしようとする、図6に示す増速方向のトラクション力T2,T2が作用することになる。

0101

一方、前進ハイモードHFにおいて正駆動状態にあるときには、インプットシャフト11に入力されたエンジン1からの回転は、ローディングカム機構40から無段変速機構20,30の入力ディスク21,31に入力され、それぞれパワーローラ23,33を介して出力ディスク22,32に伝達されると共に、さらに、ハイモードギヤ列90からハイクラッチ70を介してセカンダリシャフト13に伝達される。したがって、このハイモードHFでは、無段変速機構20,30においては、正駆動状態で、トルクは入力ディスク21,31側から出力ディスク22,32側へ伝達されることになり、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には、トロイダルレシオRtを大きくしようとする、図6に示す減速方向のトラクション力T1,T1が作用することになる。

0102

また、前進ローモードLFにおいてエンジン1が車両の走行慣性により駆動されている逆駆動状態にあるときは、正駆動状態にあるときとは逆に、トルクが入力ディスク21,31側から出力ディスク22,32側へ伝達され、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には減速方向のトラクション力T1,T1が作用する。さらに、前進ハイモードHFにおいて逆駆動状態にあるときも、正駆動状態にあるときとは逆に、トルクが出力ディスク22,32側から入力ディスク21,31側へ伝達され、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35には増速方向のトラクション力T2,T2が作用する。

0103

したがって、例えば、正、逆いずれかの同一駆動状態のままで、ロー、ハイのモードの切換えが起こったときや、ロー、ハイいずれかの同一モードのままで、正、逆の駆動状態の切換えが起こったときには、無段変速機構20,30を通過するトルクの伝達方向が反転し、それに伴って、パワーローラ23,33およびトラニオン25,35に作用するトラクション力の方向もまた反転する。

0104

このとき、前述の図6を参照して説明したように、各無段変速機構20,30のトラニオン25,35にはトラクション力T1またはT2に対抗し得るだけの差圧ΔPが供給されて中立位置に保持されているのではあるが、現実には、そのような差圧ΔPを直接受けているのはトラニオン駆動部112に配置されたピストン113,114およびその近傍部分だけであるので、それ以外の例えば入出力ディスク21,22,31,32に近い位置に配置されているロッド27,37や、トラニオン本体25,35、あるいはこれらの連設部分、ないしはローラ支持シャフト24,24、さらには該シャフト24,24とトラニオン25,35との連結部分等は、トラクション力T1またはT2によって引きずられるように撓んだり、歪んだりして物理的変形を生じ、その結果、パワーローラ23,33が中立位置から増速方向(d1方向:トラクション力T2の場合)または減速方向(d2方向:トラクション力T1の場合)に若干オフセットしているのである。

0105

それゆえ、例えば、具体的一例として、正駆動状態のままでローモードLFからハイモードHFへの切換えが起こったときには、パワーローラ23,33は、トラクション力T2,T2によって増速方向にオフセットした位置から、トラクション力T1,T1によって減速方向にオフセットした位置へ、本来の中立位置を挟んで、瞬間的に移動することになる。

0106

図11に、モード切換ポイントトロイダルレシオRtmを実現し得るパルス数ないしスリーブ位置が変速機構20,30を通過する伝達トルク入力トルク)によってどのように変化するかを調べた実験結果をグラフで示す。この図11から明らかなように、トルクがゼロのときは、ローモードLFのときも、ハイモードHFのときも、あるいは正駆動のときも、逆駆動のときも、前述した理論値としてのモード切換ポイントパルス数Nmないしモード切換ポイントスリーブ位置Smにおいて、モード切換ポイントトロイダルレシオRtmが実現する。

0107

しかし、トルクが大きくなるに従って、モード切換ポイントトロイダルレシオRtmを実現することのできるパルス数ないしスリーブ位置が、上記理論値Nm,Smから大きくずれていく。例えば、ローモードLFの正駆動状態(図中のf1の特性ライン)では、トルクの増大に伴い、パルス数ないしスリーブ位置を上記理論値Nm,Smから次第に減速方向に大きくずらしていかないと、モード切換ポイントトロイダルレシオRtmが実現しないことになる。このことは、ローモードLFの正駆動状態で、前述したように、パワーローラ23,33が増速方向にオフセットしており、かつそのオフセット量がトルクに応じて変化するものであることを示す。このような特性は、他の3種の状態(図中のf2,f3,f4の各特性ライン)においても同様である。

0108

したがって、例えば、モードの切換時に、ローモードLFの正駆動状態でのトルクがTr1で、ハイモードHFの正駆動状態でのトルクがTr2であれば、両者間でのパルス数の偏差Δn(=N2−N1)を埋め合わせしないと、モードの切換えと同時に著しいトロイダルレシオRtないしユニットレシオRuの変動が起こり、不快なショックが発生することになる。

0109

本実施の形態に係る無段変速機構20,30を搭載したパワートレイン10においては、このような不具合を解消するための対策が講じられている。

0110

なお、上記の4種の特性ラインf1〜f4は、それぞれトルクの関数として次のような近似式1〜4(数1〜数4)が与えられる。なお、Xはトルク、K11〜K14、K21〜K24、K31、K41、α、およびβはそれぞれ定数である。

0111

0112

0113

0114

0115

〈パワーローラの傾転運動図12に示すように、モード切換ポイント(ウ)は、ローモードLFおよびハイモードHFのいずれにおいても、同じトロイダルレシオRtmで同じユニットレシオRumが得られる唯一のポイントである。したがって、このポイント(ウ)でモードの切換えを行なうことにより、切換え前後でユニットレシオRuの著しい変動のない、したがって切換えショックの発生しない円滑なモードの切換えが実現する。そして、この切換ポイントトロイダルレシオRtmを実現させる切換ポイントパルス数(Nm:トルクゼロの場合)ないし切換ポイントスリーブ位置(Sm:トルクゼロの場合)といった各種の物理量が、前述の図8図9および図11に示すように、理論的にただ一点対応して定まっている。なお、上記の切換ポイントトロイダルレシオRtmを実現させる切換ポイントパルス数ないし切換ポイントスリーブ位置がトルクに応じて変化することは前述の通りである。

0116

それゆえ、理論上は、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmに到達し、したがって、パルス数ないしスリーブ位置が切換ポイントパルス数Nmないし切換ポイントスリーブ位置Smに到達したときに、そのパルス数ないしスリーブ位置の制御を停止すれば、実トロイダルレシオが上記切換ポイントトロイダルレシオRtmにおいて安定することになる。しかし、このモード切換ポイント(ウ)の近傍においては、該切換ポイントに接近するようにパワーローラ23,33が連続的に傾転しており、したがって、現実には、その連続的な傾転運動による慣性等が働く結果、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmに到達してから、パルス数ないしスリーブ位置の制御を停止したのでは、パワーローラ23,33が傾転し過ぎ、その結果、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmを越えてより減速側(ローモードLFからハイモードHF、およびハイモードHFからローモードLFのいずれのモード切換えにおいても、トロイダルレシオRtは、その切換え前は、増速側から減速側に変化している)に行き過ぎることになるのである(図12鎖線で示す領域に進入する)。

0117

そして、パワーローラ23,33の傾転運動の慣性は伝達トルクが大きくなるに従って大きくなるから、上記のパワーローラ23,33の行き過ぎ量も伝達トルクに応じて大きくなる。したがって、モードの切換え動作中に、そのようなパワーローラ23,33の行き過ぎに起因する実レシオの切換ポイントから減速側へのずれを考慮しないと、モード切換動作の進行に伴って著しいトロイダルレシオRtないしユニットレシオRuの変動が起こり、不快なショックが発生することになる。

0118

本実施の形態に係る無段変速機構20,30を搭載したパワートレイン10においては、このような不具合を解消するための対策もまた講じられている。

0119

タイムチャート〉次に、前進ローモードLFと前進ハイモードHFとの切換時の具体的制御動作の一例を詳しく説明する。この制御は、基本的に、モード切換ポイント(ウ)近傍における制御であり、各モード達成用の摩擦締結要素としてのロークラッチ60とハイクラッチ70との掛け替えが行なわれる。すなわち、ローモードLFからハイモードHFへの切換えであれば、ロークラッチ60を切断し、ハイクラッチ70を締結する。逆に、ハイモードHFからローモードLFへの切換えであれば、ハイクラッチ70を切断し、ロークラッチ60を締結する。そして、このクラッチ60,70の掛け替え動作は、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmに到達することをもって開始され、その掛け替え動作中は、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmに一定に保持されるように、前進用ステップモータ251に対するパルス数Nの制御が行われる。

0120

一方、このようなモードの切換時以外の通常時は、基本的に、図13図15に示すように、前進ローモードLF、前進ハイモードHF、および後退ローモードLRのそれぞれにおいて、車速Vやスロットル開度TVO等の車両の走行状態をパラメータとして予め設定された変速線図に基づく変速比(トロイダルレシオRtおよびユニットレシオRu)のフィードバック制御が行なわれている。

0121

この変速比制御は、特に図14に示すように、まず実車速Vと実スロットル開度TVOとを上記変速線図にあてはめて目標エンジン回転数Neoを求め、次にこの目標エンジン回転数Neoと実車速Vとから目標ユニットレシオRuoを算出して、さらにこの目標ユニットレシオRuoが得られる目標トロイダルレシオRtoを設定したのち、この目標トロイダルレシオRtoが実現するように、ステップモータ251,252に対するパルス制御(スリーブ位置制御)を介してトロイダルレシオRtをフィードバック制御するものである。

0122

なお、各変速線図には、モード切換ポイントユニットレシオRumの傾きを有するモード切換ラインMが表されている。

0123

図16のタイムチャートを参照してさらに説明する。なお、このタイムチャートは、一例として、例えばアクセルペダルが踏み込まれ続けて、車速が増加していき、その結果、正駆動状態でローモードLFからハイモードHFへの切換えが起こる場合を示している。

0124

まず時刻t1までの期間中、および時刻t4以降の期間中は、上記の走行状態および変速線図に基づく通常の変速比のフィードバック(F/B)制御が行なわれる。そして、これらの時刻t1から時刻t4までの期間中にモードの切換制御(動力伝達経路の切換制御)が実行される。

0125

まず時刻t1までの期間中はローモードLFが達成されている。すなわち、オンオフソレノイドバルブ213がON、ロークラッチ用デューティソレノイドバルブ271に対するデューティ率DLが100%(DL1)、およびハイクラッチ用デューティソレノイドバルブ272に対するデューティ率DHが0%(DH1)である。ロークラッチ60の油圧室にはロークラッチ圧ELとしてライン圧がそのまま供給され、ロークラッチ60は完全締結状態である。ハイクラッチ70の油圧室にはハイクラッチ圧EHが供給されず、ハイクラッチ70は完全解放状態である。

0126

この時刻t1までの期間中は、変速比のフィードバック制御により、目標ユニットレシオRuoが増速側に変化するように設定されていく。したがって、図中鎖線で示すように、目標トロイダルレシオRtoが減速側に変化するように設定されていって、この目標トロイダルレシオRtoが実現するようにトロイダルレシオRtがフィードバック制御される。その結果、図中実線で示すように、実トロイダルレシオRtrが目標トロイダルレシオRtoに追随するように減速側に変化していく。このとき、三層弁220についてのパルス数Nないしスリーブ位置Sは共にマイナス側に変化していく。

0127

そして、符号カで示すように、実トロイダルレシオRtrが、切換ポイントトロイダルレシオRtmより手前の増速側の所定トロイダルレシオRtaに到達した時刻t1において、変速比のフィードバック制御が停止される。また、パルス数Nないしスリーブ位置Sが、符号キで示すように、その時刻t1における所定パルス数Naおよび所定スリーブ位置Saに固定される。このパルス数N等の固定は時刻t1から所定時間Taが経過するまで続けられる。

0128

ここで、上記所定トロイダルレシオRtaは、図17に示すように、時刻t1に無段変速機構20,30を通過するトルクTr1に応じて補正される。トルクTr1がゼロでパワーローラ23,33の傾転慣性が生じないときは、所定トロイダルレシオRtaは理論値としての切換ポイントトロイダルレシオRtmとされる。しかし、トルクTr1が大きくなり、したがってパワーローラ23,33の傾転慣性が大きくなるに伴って、所定トロイダルレシオRtaはより増速側の値に設定される。これにより、パワーローラ23,33は慣性により減速側への傾転を続けたのち停止し、その結果、符号クで示すように、時刻t1よりのちの時刻txにおいて、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmに到達して、該レシオRtmで安定する。そして、少なくとも、モードの切換えが終了して再び通常の変速比のフィードバック制御が再開される時刻t4が経過するまでは、実トロイダルレシオRtrが上記切換ポイントトロイダルレシオRtmに安定に固定するように、前進用ステップモータ251へのパルス制御が行われる。これにより、著しい変速比変動および切換えショックの発生しない円滑なクラッチ60,70の掛け替えが実現する。

0129

これに対し、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmに到達するまで、符号ケで示すように、パルス数Nないしスリーブ位置Sをマイナス側にフィードバック制御し続け、そして、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmに到達してから、その制御を停止していたのでは、符号コで示すように、実トロイダルレシオRtrが切換ポイントトロイダルレシオRtmを越えてさらに減速側に行き過ぎ、その結果、変速比が切換ポイント変速比からずれて、クラッチ60,70の掛け替え時に不快なショックが発生したり、または、符号サで示すように、エンジン回転数Neが不必要に上昇したりするのである。

0130

なお、実トロイダルレシオRtrが所定トロイダルレシオRtaに到達した時刻t1における上記所定パルス数Naおよび所定スリーブ位置Saは、すなわち、上記伝達トルクTr1のもとで所定トロイダルレシオRtaを実現させることのできるパルス数Nおよびスリーブ位置Sであるということができる。しかし、さらに、前述の図11で説明したトラクション力に起因して発生する目標値からのずれ現象も加味されている。

0131

さらに、この時刻t1で、ハイモードHFに切り換わった後に時刻t4から再開される変速比のフィードバック制御で用いられるその再開始時の目標トロイダルレシオRtbが算出される。その場合にも、前述の図11で説明したトラクション力に起因して発生する目標値からのパルス数ないしスリーブ位置のずれ現象が加味される。

0132

一方、実トロイダルレシオRtrが所定トロイダルレシオRtaに到達した時刻t1で、ロークラッチ用デューティ率DLが0%(DL2)とされ、ハイクラッチ用デューティ率DHが所定デューティ率(DH2)に設定される。これにより、ロークラッチ60が開放され始める一方、ハイクラッチ70が締結され始める。すなわち、実トロイダルレシオRtrが所定トロイダルレシオRtaに到達したことをもってクラッチ60,70の掛け替え動作が開始されるのである。

0133

ここで、パルス数Nないしスリーブ位置Sが時刻t1における所定パルス数Naおよび所定スリーブ位置Saに固定され続ける上記所定時間Taは、実質的に、このクラッチ60,70の掛け替え動作の開始に伴い、ハイクラッチ圧EHが所定油圧P1にまで上昇して、ロー、ハイの両クラッチ60,70ともが、符号タで示すように、締結状態となるのに要する時間とされている。そして、ロー、ハイの両クラッチ60,70ともが締結状態となったときには、パルス数Nないしスリーブ位置Sの如何に拘らず、トロイダルレシオRTは切換えポイントトロイダルレシオRtmに堅持される。したがって、時刻t1で実トロイダルレシオRtrが所定トロイダルレシオRtaに到達さえすれば、あとはクラッチ60,70の掛け替え動作の開始によってトロイダルレシオが切換えポイントトロイダルレシオRtmに安定的に保持されるから、もはやパルス数N等のフィードバック制御は行う意味がなく、それゆえ時刻t1で変速比のフィードバック制御が停止されて、パルス数N等が上記所定パルス数Na等に固定されるのである。

0134

なお、図18に示すように、上記所定時間Taは、油温が高いほど短くなるように設定される。これは、油温が高いときは作動油ないし潤滑油の粘性が低く、締結側摩擦要素(この場合はハイクラッチ70)の締結動作応答性よく進行すると共に、また実トロイダルレシオRtrが切換えポイントトロイダルレシオRtmに速やかに到達するからである。これにより、このモード切換えに要する制御時間の短縮化が図られる。

0135

そして、上記所定時間Taが経過した時刻t2以降は、ハイクラッチ用デューティ率DHが100%のデューティ率(DH3)に向けてさらに高められる。これにより、ロー、ハイの両クラッチ60,70ともが締結状態となった状態から、ロークラッチ60の開放動作およびハイクラッチ70の締結動作がさらに進む。すなわち、ローモードからハイモードへの移行が開始される。

0136

このとき、時刻t2から時刻t3までの第2所定時間Tbが経過する間に、パルス数Nないしスリーブ位置Sのフィードフォワード(F/F)制御が実行される。すなわち、時刻t1におけるトルクTr1をモード切換え前のローモードLFでのトルクとし、時刻t2におけるトルクTr2をモード切換え後のハイモードHFでのトルクとする。そして、前述の図11を参照して説明したように、ロー、ハイの両モードLF,HFで同一値の切換ポイントトロイダルレシオRtmが保持実現するように、その切換ポイントトロイダルレシオRtm実現パルス数N1,N2の偏差Δnだけステップモータ251に対するパルス数Nを修正する。ここで、Rtm実現パルス数N1,N2の算出には、前述の特性近似式f1〜f4が用いられる。特に、この場合は、ローモードLFで正駆動状態でのRtm実現パルス数N1の算出に特性近似式f1が、またハイモードHFで正駆動状態でのRtm実現パルス数N2の算出に特性近似式f2が用いられる。

0137

これにより、符号チで示すように、パルス数Nは第2所定時間Tbの間にフィードフォワード制御によって応答性よく速やかに偏差Δnだけ増速側にプラスされる。したがって、ロー、ハイの両クラッチ60,70ともが締結状態となった状態からハイモードへの移行が開始され、その結果、パワーローラ23,33が前述のトラクション力T2,T2によって増速方向にオフセットした位置から、反対方向に作用するトラクション力T1,T1によって減速方向にオフセットした位置へ移動することになっても、符号ツで示すように、著しいトロイダルレシオないしユニットレシオの変動が起こらず、不快なショックの発生が抑制されることになる。

0138

これに対し、符号テで示すように、パルス数Nをハイモードへの移行の開始前と同じ値に固持したときには、パワーローラ23,33のオフセット方向の反転に起因する、符号トで示すようなトロイダルレシオの減速方向への変動を回避できず、その結果、変速比が切換ポイント変速比からずれて不快な切換ショックが発生したり、または、符号ナで示すように、エンジン回転数(Ne)がここでもまた不必要に上昇したりするのである。

0139

なお、このパルス数の偏差Δnは、換言すれば、現状の実トロイダルレシオである切換ポイントトロイダルレシオRtmと、ハイモードHFに切り換わった後に時刻t4から再開される変速比のフィードバック制御で用いられる目標トロイダルレシオRtbとの間の差分Δrを修正するものである。

0140

一方、時刻t2から時刻t3までの第2所定時間Tbが経過する間、エンジン1の点火時期Igが所定量ΔIgだけリタードされて、入力トルクの低減が図られる。その場合に、上記リタード量ΔIgは、図19に示すように、時刻t2における入力トルクTr2に応じて補正され、該トルクTr2が大きくなるほど、リタード量ΔIgが大きく、つまりトルクダウン量が大きくなるように設定される。これにより、ハイクラッチ70の締結ショックが抑制されるばかりでなく、その締結動作の進行に伴うトルク変動が抑制され、したがってパワーローラ23,33のオフセット反転量も低減されて、モード切換えショックがより一層確実に低減されることになる。

0141

そして、第2所定時間Tbが経過し、時刻t3に至った以降は、パルス数Nのフィードバック制御は依然として停止される一方、オンオフソレノイドバルブ213がオフとされる。これにより、フェールセーフバルブ212のスプールが左側に移動して、ロークラッチライン274が該バルブ212のドレインポート212bに連通する。それゆえ、符号ハで示すように、ロークラッチ圧ELがこのドレインポート212bから速やかに排出され、ロークラッチ60が早期に完全開放状態となって、切り換わり後のハイモードHFにおける変速比のフィードバック制御を早期に実行することが可能となる。

0142

これに対し、オンオフソレノイドバルブ213がオンのままであると、ロークラッチ圧ELがデューティソレノイドバルブ271のデューティ率により排出されることになり、符号ヒで示すように、遠心残圧等が残って、ハイモードHFが完全に実現するのに時間がかかることになる。

0143

また、時刻t3から所定時間Tdが経過した段階で、ハイクラッチ用デューティ率DHが100%とされる(DH3)。

0144

そして、時刻t3から所定時間Tcが経過した段階(時刻t4)で、ハイクラッチ70が完全締結され、ロークラッチ60が完全解放されたハイモードHFに完全に切り換わり、上記トロイダルレシオRtbを目標とする変速比のフィードバック制御が再開される。

0145

〈変速比のフィードバック制御の再開タイミング〉以上のように、時刻t1は、実トロイダルレシオRtrが所定レシオRtaに到達した時刻であり、また、ロー、ハイのモード切換制御が開始する時刻である。時刻t2は、ハイクラッチ圧EHが所定油圧P1まで上昇した時刻であり、また、ロー、ハイの両クラッチ60,70が共に締結状態となった時刻である。時刻t3は、ステップモータ251に対するパルス数Nの補正が終了した時刻であり、また、オンオフソレノイドバルブ213がオフとされることにより、解放される側の摩擦締結要素であるロークラッチ60の解放動作が開始される時刻である。時刻t4は、ロー、ハイのモード切換制御が終了する時刻であり、また、変速制御が再開される時刻である。

0146

本実施の形態においては、時刻t4は、ロークラッチ圧ELが所定油圧P2まで低下した時刻に設定される。つまり、ロークラッチ60が締結状態になく、解放状態に移行し、その結果、変速比のフィードバック制御が可能な状態に復帰したと考えられる時刻に設定される。この場合、所定時間Tcは、単に時刻t3と時刻t4との間の時間である。

0147

経路切換終了判定用の所定油圧P2は、図20に示すように、入力トルクが大きいほど高い油圧に設定される。入力トルクが大きいほどロークラッチ60が滑り易く、締結状態でなくなる傾向が大きいから、その場合は、所定油圧P2が高くてもロークラッチ60が解放状態に移行したと考えられるからである。

0148

また、これとは別に、上記所定時間Tcを直接設定するようにしてもよい。この場合、所定時間Tcは、経路切換終了判定用の所定時間である。この所定時間Tcは、図21に示すように、ライン圧が高いほど長い時間に設定される。ライン圧が高いほどロークラッチ圧ELが低下し難く、したがってロークラッチ60が解放され難く、締結状態が長く続く傾向が大きいから、その場合は、所定時間Tcを長くしてロークラッチ60が解放状態に移行するのを待つのである。

0149

また、経路切換終了判定用の所定時間Tcは、同じく図21に示すように、油温が低いほど長い時間に設定される。作動油は温度が低いほど粘性が増大して流動性が低下する。それゆえ、ロークラッチ圧ELが低下し難く、したがってロークラッチ60が解放され難く、締結状態が長く続く傾向が大きいから、その場合は、所定時間Tcを長くしてロークラッチ60が解放状態に移行するのを待つのである。

0150

フローチャート
(時刻t4をロークラッチ圧ELで決定する場合)
・時刻t1まで
以上の制御動作を実現する具体的プログラムの一例を図22図24のフローチャートを参照して説明する。まず、時刻t4を、ロークラッチ圧ELが所定油圧P2まで低下した時刻に設定する場合について説明する。

0151

テップS1〜S18までの動作は時刻t1に至るまでの制御動作である。まず、ステップS1で、図7に示す各センサやスイッチ301〜311からの信号に基づき、現時刻における各種の状態量を検出する。状態量には、車速、エンジン1のスロットル開度、選択されているレンジ、油温、実トロイダルレシオ、ライン圧、ロークラッチ圧、ハイクラッチ圧等が含まれる。

0152

次いで、ステップS2で、入力トルクTrを推定する。この入力トルクTrの推定はエンジン回転数や吸入空気量等から周知の方法により求められる。次いで、ステップS3で、エンジン点火時期タイミングIgを設定する。この点火時期タイミングIgもまたエンジン回転数や吸入空気量等から周知の方法により求められる。

0153

次いで、ステップS4で、上記入力トルクTrに応じてモード切換判定レシオ(所定トロイダルレシオ)Rtaを設定する。その場合に、モード切換判定レシオRtaは、前述の図17に示すように、入力トルクTrが大きいほど小さい値(増速側の値)に求められる。

0154

次いで、ステップS5で、実トロイダルレシオRtrが上記モード切換判定レシオRtaよりも大きいか否かを判定する。その結果、大きくないとき、つまり実トロイダルレシオRtrがモード切換判定レシオRtaより増速側であるときは、ステップS6に進んで、上記入力トルクTrの値を第1トルク値Tr1とする。

0155

次いで、ステップS7で、トロイダルレシオの目標値Rtoをモード切換理論値(切換ポイントトロイダルレシオ)Rtmとし、ステップS8,S9で、ハイクラッチデューティ率DHを第1デューティ率DH1(0%)とし、ロークラッチデューティ値DLを第1デューティ率DL1(100%)とする。さらに、ステップS10で、オンオフソレノイドバルブ213に対する指示値をオンとする。

0156

次のステップS11〜S13は、変速比のフィードバック制御のためのパルス数偏差ΔNを設定するルーティンである。まず、ステップS11で、変速線図に基いて目標ユニットレシオRuoないし目標トロイダルレシオRtoを設定したのち、該目標トロイダルレシオRtoに対する実トロイダルレシオRtrの偏差ΔRtを算出する。

0157

次いで、ステップS12で、入力トルク、変速比、走行モード、およびレンジに応じて、PID制御指数Qにおける比例項ゲイン(変速比制御におけるフィードバックゲイン)Gを設定する。この比例項ゲインGは、トルクが大きいほど、またトロイダルレシオがGNレシオRtnに近いほど小さい値に設定される。さらに、走行モードがローモードLF,LRであるときはハイモードHFであるときに比べて小さい値に設定され、またレンジが後退レンジLrであるときは前進レンジであるときに比べて小さい値に設定される。

0158

次いで、ステップS13で、パルス数偏差ΔNを設定する。すなわち、まず次式(数5)に比例項ゲインGを代入してPID制御指数Qを算出する。

0159

0160

ここで、Hは積分項ゲイン、およびIは微分項ゲインである。そして、予め図25に示すように設定されたマップに基いて、算出した指数Qに応じたステップモータ251,252に出力する制御信号のパルス数偏差ΔNを求める。

0161

ここで、上記マップでは、指数Qの絶対値が大きくなるほどパルス数偏差ΔNも大きくなるように設定されている。また、指数Qが正のとき(実トロイダルレシオが目標トロイダルレシオよりも大きいとき)には、パルス数偏差ΔNを正として、パルス数Nを増加させ、これにより実トロイダルレシオを小さくし、逆に、指数Qが負のとき(実トロイダルレシオが目標トロイダルレシオよりも小さいとき)には、パルス数偏差ΔNを負として、パルス数Nを減少させ、これにより実トロイダルレシオを大きくするように設定されている(図8参照)。

0162

そして、ステップS14〜S17において、ステップモータ251、デューティソレノイドバルブ271,272、オノソレノイドバルブ213、およびエンジン1の点火時期をそれぞれ制御することにより、前述したような時刻t1までの制御動作が得られる。

0163

なお、ステップS18は、時刻t4以降において変速比のフィードバック制御が再開されたときのみ実行される。

0164

・時刻t1〜時刻t2
ステップS5で実トロイダルレシオRtrがモード切換判定レシオRtaに到達したと判定されたときには、ステップS5からステップS19に進む。この場合のステップS1〜S5、S19〜S25、S14〜S18までの動作は時刻t1から時刻t2に至るまでの制御動作である。

0165

ステップS19では、実トロイダルレシオRtrがモード切換判定レシオRtaに到達した直後に限り、第1タイマーtim1をセットする。そして、ステップS20で、該タイマーtim1が第1所定期間Taを過ぎたか否かを判定する。その結果、まだ第1所定期間Taを過ぎていないとき、つまり時刻t2に至るまでは、ステップS21で、入力トルクTrの値を第2トルク値Tr2とする。

0166

また、ステップS22で、ステップモータ251に対するパルス数偏差ΔNとしてゼロを代入する。これにより、変速比のフィードバック制御が一時中断される。次いで、ステップS23,S24で、ハイクラッチ用デューティ率DHを所定の圧である第2デューティ率DH2とし、またロークラッチ用デューティ率DLを0%である第2デューティ率DL2とする。さらに、ステップS25で、オンオフソレノイドバルブ213に対する指示値をオンとする。

0167

そして、ステップS14〜S17において、ステップモータ251、デューティソレノイドバルブ271,272、オノフソレノイドバルブ213、およびエンジン1の点火時期をそれぞれ制御することにより、前述したような時刻t1から所定時間Taが経過する時刻t2までの制御動作が得られる。

0168

・時刻t2〜時刻t3ステップS20で第1タイマーtim1が第1所定期間Taを過ぎたと判定されたときには、ステップS20からS26に進む。この場合のステップS1〜S5、S19〜S20、S26〜S33、S14〜S18までの動作は時刻t2から時刻t3に至るまでの制御動作である。

0169

ステップS26では、第1所定時間Taが経過した直後に限り、上記第1、第2トルク値Tr1,Tr2をそれぞれ前述の特性近似式f1,f2に代入し、パルス数N1,N2、およびその偏差Δnを求める。次いで、ステップS27で、同じく第1所定時間Taが経過した直後に限り、第2タイマーtim2をセットする。

0170

次いで、ステップS28で、第2タイマtim2が第2所定時間Tbを過ぎたか否かを判定し、まだ過ぎていないとき、つまり時刻t2から時刻t3までの間は、ステップS29に進んで、この第2所定時間Tbの間に上記パルス数偏差Δnだけ三層弁220のスリーブ222が移動するように、ステップモータ251への出力信号のパルス数偏差ΔNを設定する。これにより、モード切換時におけるパルス数の補正が行なわれる。

0171

次いで、ステップS30で、オンオフソレノイドバルブ213に対する指示値をオンとし、またステップS31で点火時期Igを所定値ΔIgだけリタードしてトルクダウンを図る。

0172

次いで、ステップS32で、ロークラッチデューティ率DLを第2デューティ率DL2とし、また、ステップS33で、ハイクラッチデューティ率DHとして、上記第2所定時間Tbおよび所定時間Tdの間に、該ハイクラッチデューティ率DHが上記第2デューティ率DH2から第3デューティ率DH3まで変化するような値に設定する。ここで、この第3デューティ率DH3の値は100%とされている。

0173

そして、ステップS14〜S17において、ステップモータ251、デューティソレノイドバルブ271,272、オノフソレノイドバルブ213、およびエンジン1の点火時期をそれぞれ制御することにより、前述したような時刻t2から所定時間Tbが経過する時刻t3までの制御動作が得られる。

0174

・時刻t3〜所定時間Td経過時刻ステップS28で第2タイマtim2が第2所定時間Tbを過ぎたと判定されたときには、ステップS28からS34に進む。この場合のステップS1〜S5、S19〜S20、S26〜S28、S34〜S36、S32〜S33、S14〜S18までの動作は時刻t3から所定時間Tdが経過するまでの制御動作である。

0175

ステップS34では、第2タイマーtim2が上記第2所定時間Tbと所定時間Tdとの和以上に大きいか否かが判定される。そして、NOのとき、つまり時刻t3から所定時間Tdが経過するまでは、ステップS35に進み、ここで、再びパルス数偏差ΔNがゼロとされる。これにより、変速比のフィードバック制御が中断状態とされる。また、ステップS36でオンオフソレノイドバルブ213に対する指示信号としてOFFが設定される。これにより、ロークラッチ圧ELがフェールセーフバルブ212のドレインポート212bから排出されて速やかに低下し始める。

0176

そして、ステップS32およびS33を経由したうえで、ステップS14〜S17において、ステップモータ251、デューティソレノイドバルブ271,272、オノフソレノイドバルブ213、およびエンジン1の点火時期をそれぞれ制御することにより、時刻t3から所定時間Tdが経過するまでの制御動作が得られる。

0177

・所定時間Td経過時刻〜時刻t4
ステップS34で時刻t3から所定時間Tdが経過したと判定されたときには、ステップS34からS37に進む。この場合のステップS1〜S5、S19〜S20、S26〜S28、S34、S37〜S45、S14〜S18までの動作は所定時間Td経過時刻から時刻t4に至るまでの制御動作である。

0178

ステップS37では、前述の図20に示すような特性により、入力トルクTrに基いて、この経路切換制御の終了判定用閾値としての所定油圧P2を設定する。次のステップS38〜S40では、所定油圧P2を学習補正する。すなわち、前回の変速比のフィードバック制御の再開時の結果に基いて、換言すれば、前回の切換制御終了時における実トロイダルレシオRtrの変化状態に基いて、所定油圧P2を修正する。

0179

ステップS38で、前回のレシオ変化αが所定値αoより大きかったか否かを判定する。ここで、所定値αoは、例えばほぼゼロに近い小さな値である。そして、YESの場合は、ステップS39で、所定油圧P2をΔP2だけ小さくする。一方、NOの場合は、ステップS40で、所定油圧P2をΔP2だけ大きくする。

0180

つまり、経路切換終了の判定が早すぎて、変速比のフィードバック制御が、経路の切換えの終了との関係において、早く再開されたときは、図16に鎖線で示すように、ロークラッチ60が実際に解放状態となって経路が切り換わったときに、実トロイダルレシオRtrに大きな変動αが発生する。

0181

したがって、このように変速比が急変したときは、変速比のフィードバック制御の再開のタイミングが早すぎたとして、ステップS39で、所定油圧P2をより小さく補正することで、ロークラッチ60が確実に解放状態になることを担保する。逆に、このような変速比の急変がないときは、変速比のフィードバック制御をなるべく早く再開して、空白期間のない、違和感のない変速制御とするために、ステップS40で、所定油圧P2をより大きく補正することで、フィードバック制御の再開タイミングを早くする。これを繰り返すことにより、最終的に、ショックのない滑らかな変速が実現する適正なタイミングで変速比のフィードバック制御が再開されることになる。

0182

そして、ステップS41で、ロークラッチ圧ELが所定油圧P2より低くなったか否かを判定し、低くなるまでは、つまり時刻t4に至るまでは、ステップS42で、ステップモータ251に対するパルス数偏差ΔNとしてゼロを代入する。これにより、変速比のフィードバック制御が引き続き中断状態とされる。

0183

次いで、ステップS43で、ハイクラッチ用デューティ率DHを100%である第3デューティ率DH3とする。これにより、ハイクラッチ圧EHがライン圧にまで高められ、ハイクラッチ70が完全締結状態に移行する。

0184

また、ロークラッチ用デューティ率DLを0%である第2デューティ率DL2とする。次いで、ステップS45で、オンオフソレノイドバルブ213に対する指示信号としてOFFが設定される。これにより、ロークラッチ圧ELが引き続きフェールセーフバルブ212のドレインポート212bから排出されて速やかに低下する。

0185

そして、ステップS14〜S17において、ステップモータ251、デューティソレノイドバルブ271,272、オノフソレノイドバルブ213、およびエンジン1の点火時期をそれぞれ制御することにより、所定時間Td経過時刻から時刻t4までの制御動作が得られる。

0186

・時刻t4以降
ステップS41でロークラッチ圧ELが所定油圧P2より低くなったと判定されたときには、ステップS41からS46に進む。この場合のステップS1〜S5、S19〜S20、S26〜S28、S34、S37〜S41、S46〜S48、S11〜S18までの動作は時刻t4以降の制御動作である。

0187

この時刻t4以降の制御動作と、それまで行なわれていた所定時間Td経過時刻〜時刻t4の制御動作との違いは、パルス数偏差ΔNをゼロとせずに、ステップS11〜S13において、変速比のフィードバック制御のためのパルス数偏差ΔNを設定することである。つまり、変速比のフィードバック制御が再開されるのである。その他、ステップS46〜S48は、前述のステップS43〜S45と同様である。すなわち、ハイクラッチデューティ率DHが100%の第3デューティ率DH3に維持され、またロークラッチデューティ率DLが0%の第2デューティ率DL2に維持され、さらにオンオフソレノイドバルブ213に対する指示信号がOFFに維持される。

0188

そして、ステップS14〜S17において、ステップモータ251、デューティソレノイドバルブ271,272、オノフソレノイドバルブ213、およびエンジン1の点火時期をそれぞれ制御することにより、ハイクラッチ70が完全締結状態となり(EH=ライン圧)、かつロークラッチ60が完全解放状態となって(EL<P2)、モードが完全にハイモードに切り換わった時刻t4以降の制御動作が得られる。そして、変速比の通常のフィードバック制御が再開されて、走行状態に応じた変速比制御が実行されることになる。

0189

なお、このとき、ステップS18が実行される。すなわち、実トロイダルレシオRtrの変化αの状態が検出される。そして、その結果が次回の所定油圧P2の学習補正に用いられる。

0190

(時刻t4を所定時間Tcで決定する場合)次に、時刻t4を所定時間Tcで決定する場合の具体的制御プログラムの一例を説明する。ただし、上記フローチャートと相違する部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。

0191

すなわち、図26に示すように、ステップS37’で、前述の図21に示すような特性により、ライン圧や油温に基いて、この経路切換制御の終了判定用閾値としての所定時間Tcを設定する。なお、ライン圧はトルクに応じて設定されている。したがって、この所定時間Tcの設定においても、トルクが考慮されていることになる。

0192

次いで、ステップS38で、前回のレシオ変化αが所定値αoより大きかったときは、ステップS39’で、所定時間TcをΔTcだけ長くする。一方、NOの場合は、ステップS40’で、所定時間TcをΔTcだけ短くする。

0193

つまり、実トロイダルレシオRtrが急変したときは、変速比のフィードバック制御の再開のタイミングが早すぎたとして、ステップS39’で、所定時間Tcをより長く補正することで、ロークラッチ60が確実に解放状態になることを担保する。逆に、このような変速比の急変がないときは、変速比のフィードバック制御をなるべく早く再開して、空白期間のない、違和感のない変速制御とするために、ステップS40’で、所定時間Tcをより短く補正することで、フィードバック制御の再開タイミングを早くする。

0194

そして、ステップS41’で、第2タイマーtim2が第2所定時間Tbと上記所定時間Tcとの和以上に大きくなったか否かを判定し、NOの場合は、ステップS42以下に進んで、所定時間Td経過時刻〜時刻t4の制御動作を実行し、YESの場合は、ステップS46以下に進んで、時刻t4以降の制御動作を実行する。

0195

なお、この制御を行なう場合は、ロークラッチ圧センサ310やハイクラッチ圧センサ311は不要となる。

0196

また、以上においては、第1所定時間Taを油温によって補正し、かつステップS19でこれを第1タイマーtim1により計時するようにしたが、これに代えて、ローモードクラッチ60とハイモードクラッチ70の両方が締結状態になったか否かを判定するものとして、締結側の摩擦締結要素(この場合はハイクラッチ70)の油圧EHが所定値P1以上に高くなった時刻をt2としてもよい。

0197

さらに、両クラッチ60,70の入力側回転部材と出力側回転部材との間のスリップ量がともに所定値以下となったときに、三層弁220のスリーブ222をパルス数偏差Δnだけ移動させるようにしてもよい。

0198

[制御動作第2例]上記制御動作第1例では、モード切換制御の終了時刻t4を解放側クラッチ圧ELまたは所定時間Tcで決定した。そのうち解放側クラッチ圧ELで決定するときは、モード切換動作(クラッチ60,70の掛替動作)の進捗状況を直接検出することになるから判定精度に優れる。しかし該クラッチ圧ELの検出手段(ロークラッチ圧センサ310)が必要となる。これに対し、所定時間Tcで決定するときには、そのような油圧検出手段は必要ないが、上記クラッチ圧ELのようなモード切換動作に直接関連する物理量を検出しないから判定精度にやや劣る傾向がある。そこで、この制御動作第2例では、ロークラッチ圧センサ310等の別段の機器類を新たに必要とせず、モードの切換動作に直接関連する物理量、特に変速比をみて、安価に、精度よく、モードの切換終了を判定しようとするものである。

0199

〈動作概要図27のタイムチャートに示すように、この制御動作第2例では、クラッチ60,70の掛替動作中に行なうパルス数Nの制御が第1例と異なる。つまり、モードの切換終了時刻t4においてショックのない滑らかな変速を実現させるためには、該時刻t4に再開する変速比のフィードバック制御で達成される変速比Rtrを、それまでの時刻t1〜時刻t4における変速比のフィードバック制御の停止中に達成される変速比Rtmに一致させるのが本来である。そして、そのために、上記第1例では、図11及び数1〜数4から求めたパルス数N1,N2の偏差Δn(補正量)だけステップモータ251を制御した(時刻t2〜時刻t3)。

0200

これに対し、この第2例では、上記の最適偏差(本来偏差)Δnよりも所定のずらし量nzだけ小さい偏差(ずらし偏差)Δnj(=Δn−nz)だけステップモータ251を補正する(時刻t2〜時刻t3′)。すなわち、モード切換動作(クラッチ60,70の掛替動作)の終了時刻t4において、変速比(実トロイダルレシオ)Rtrが制御停止中の変速比(切換ポイントトロイダルレシオ)Rtmからずれるように、無段変速機構20,30を操作するのである。

0201

これにより、符号マで示すように、ロークラッチ60が実質的に解放状態に移行し、モードが実質的に切り換わり、変速比のフィードバック制御が再び可能な状態となる時刻t4において、変速比Rtrに減速側へのずれ・変化が生じる。つまり変速比Rtrはモードの切換動作に直接関連する物理量である。よってそのような変速比Rtrの挙動を入出力回転数センサ307,308を介して検出することで、モードの切換終了時刻t4を極めて精度よく正確に判定することができる。その結果、実質的な変速比のフィードバック制御を早すぎたり遅すぎたりせず適正なタイミングで円滑に再開することが可能となる。

0202

その場合に、変速比(実トロイダルレシオ)Rtrはそもそも変速比のフィードバック制御においてセンシングする基本的状態量の一つであって(図22のステップS1参照)、上記時刻t4の決定のためだけに新たにセンシングするようなものではない。よってロークラッチ圧センサ310等の別段の機器類を新たに備える必要がなく、コストアップを招来しない。

0203

〈判定の具体的手法〉モードの切換終了判定(時刻t4の決定)は、単に、変速比Rtrがそれまで固定していた切換ポイントトロイダルレシオRtmからずれた(変化した)ということだけで行なってもよい。変速比Rtrが減速側・増速側のどちらの方向に変化したかは問題とならず、最も単純・容易な判定手法の一つである。

0204

あるいは、変速比Rtrがそれまで固定していた切換ポイントトロイダルレシオRtmから所定量以上ずれた(変化した)ときに、モードの切換終了判定(時刻t4の決定)を行なうこともできる。例えば図27に示した例のように、変速比Rtrが減速側に変化する場合は、切換ポイントトロイダルレシオRtmから減速側に所定量だけシフトした所定変速比Rtfを設定し、実変速比Rtrがこの所定変速比Rtfよりも減速側に変化したときにモードの切換終了を判定するのである。これに準じて、変速比Rtrが増速側に変化する場合は、所定変速比Rtfを切換ポイントトロイダルレシオRtmより増速側に設定する。変速比Rtrの増速側への変化は、上記とは逆に、最適偏差(本来偏差)Δnよりも所定のずらし量nzだけ大きい偏差(ずらし偏差)Δnj(=Δn+nz)だけステップモータ251を制御することにより実現する。

0205

この手法においては、上記判定用レシオRtfを切換レシオRtmから大きくシフトさせたときには終了判定がされ難くなり、逆に、上記判定用レシオRtfを切換レシオRtmから小さくシフトさせたときには終了判定がされ易くなる。一方、ずらし量nzを小さくしたときにも終了判定がされ難くなり、逆に、ずらし量nzを大きくしたときには終了判定がされ易くなる。さらに、トルクが小さいときにも変速比Rtrの実際の変化量が小さくなって終了判定がされ難くなり、逆に、トルクが大きいときには変速比Rtrの実際の変化量が大きくなって終了判定がされ易くなる。

0206

このように、種々の要因によって終了判定がされ易くなったりされ難くなったりするから、この手法においては、状況に応じて上記判定用レシオRtfを変更することにより、適正な判定基準を設けることが可能となる。例えば、トルクが小さいときや、ずらし量nzが小さいときには、判定用レシオRtfのシフト量を小さくして、終了判定が確実に行なわれるようにする。

0207

〈ずらし量とショックとの関係〉時刻t4に変速比Rtrにずれ・変化が生じると、それに伴いショックが発生する。図28は、クラッチ60,70の掛替動作中に行なうパルス数Nの補正量と加速度G(ショック)との関係を示す特性図である。補正量が本来偏差Δnのときは、加速度Gはほとんど生じない。変速比Rtrが実際にほとんど変化しないからである。一方、本来偏差Δnからのずらし量nzが、正の方向(増速側)にも、または負の方向(減速側)にも大きくなるに従って加速度Gが大きくなる。変速比Rtrが実際に大きく変化するからである。また、同じずらし量nzであっても、トルク(スロットル開度や吸入空気量で代表される)が大きくなるに従ってやはり加速度Gが大きくなる。無段変速機構20,30に作用する応力が大きくなって変速比Rtrのずれ・変化が大きくなるからである。

0208

ここで、所定の加速度Go以上において乗員はショックを感じる。すなわち有感領域である(G≧Go)。したがって、このショック有感領域に属しない範囲内(G<Go)で、できるだけ大きく変速比Rtrが変化するように、ずらし量nzを正の場合も負の場合も大きく設定することが好ましい。ショックの回避と判定精度の向上との両立が図られる。例えば、トルクが小さいときほど、変速比Rtrが判定に十分な程度に実際にずれるように、ずらし量nzを大きくする。逆に、トルクが大きいときほど、ショックGが有感領域に入らないように、ずらし量nzを小さくする。

0209

〈フローチャート〉以上の制御動作第2例を実現する具体的プログラムの一例を図29図30のフローチャートを参照して説明する。ただし、第1例と相違する部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。

0210

すなわち、ステップS20で第1タイマーtim1が第1所定時間Taを過ぎたと判定されたときは、ステップS26aにおいて、本来偏差Δnとずらし量nzとからずらし偏差Δnjを求める(Δnj=Δn−nz)。これにより、時刻t2〜時刻t3′において、ステップモータ251が本来偏差Δnでなくずらし偏差Δnjだけ補正される。つまり、終了時刻t4において変速比Rtrが切換変速比Rtmからずれるように無段変速機構20,30を操作する。

0211

なお、このとき、ずらし量nzは、図28に示したように、ショック有感領域に入らない範囲内で(G<Go)、トルク(第2入力トルクTr2)に応じて、可及的に大きな量に設定する。

0212

そして、ステップS34で時刻t3から所定時間Tdが経過したと判定されたときには、ステップS37aで、入力トルク(第2入力トルクTr2)に基いて、上記判定用レシオRtfを設定する。そして、ステップS41aで、実レシオRtrがこの判定用レシオRtf以上に大きくなるまで減速側に変化したか否かを判定し、YESのときに時刻t4を検出して変速比のフィードバック制御を再開する。

0213

なお、このとき、判定用レシオRtfは、図31に示したように、トルクが小さいときほど小さな変速比(増速側の変速比、あるいは切換レシオRtmからのシフト量の少ない変速比)に設定する。これにより、前述したように、終了判定がされ難い状況下でも終了判定が確実に行なわれることになる。

0214

[他の変速形態
〈有段マニュアルシフト−その1〉本実施の形態に係るパワートレイン10を用いて他の変速形態を実現することができる。運転者の希望により変速モードを上記のような本来の自動無段変速と他の変速形態との間で適宜切り換えることのできる汎用性に富むパワートレインが得られる。

0215

例えば、図32に示すように、本実施の形態に係るパワートレイン10を手動有段変速(図例では前進7段)に用いることができる。このとき、モード切換ラインMの変速比(モード切換ポイントユニットレシオRum)を所定の一つのギヤ段(図例では第3段)の変速比とする。こうすることにより、ロー、ハイの切換えに時間が要することが不具合として顕在化しない。

0216

つまり、例えば、鎖線で示すように、2速と3速とをモード切換ラインMを挟んで設定した場合は、2−3変速および3−2変速がモード(動力伝達経路)の切換えを伴うことになって応答性に劣る。これに対し、モード切換ラインMを一つの変速段位とした場合は、モードの切換動作が隠蔽されて、特に応答性を重視するマニュアル変速にとって好ましい結果が得られる。

0217

〈有段マニュアルシフト−その2〉図33は、モード切換ラインMを第1速とし、これを境として、ハイモードでは手動の有段変速(図例では前進5段)を行い、ローモードでは自動の無段変速を行なう場合を示す。マニュアル変速領域においてモード切換ラインMを跨ぐことがなく、これによっても応答性が確保される。

0218

また、自動変速領域においては滑らかなクリープ力が得られ、トルクコンバータを搭載したパワートレインのごときドライブフィーリングが得られる。

0219

〈自動有段変速〉図34は、本実施の形態に係るパワートレイン10を自動の有段変速(図例では前進5段)に用いた場合を例示する。上記と同じく、モード切換ラインMを一つの変速段位としている(図例では2速)。また、1速以下の変速域を自動無段変速域としている。

0220

運転領域において、トルクコンバータを搭載した自動有段変速機のごときドライブフィーリングが得られる。

発明の効果

0221

以上のように、本発明によれば、モードの切換動作の終了を精度よく判定することができるから、いったん中断した変速制御を良好なタイミングで再開することができる。したがって、変速制御の再開時に変速比が急変してショックが発生したり、空白時間が生じて違和感が発生することがなくなり、ショックのない滑らかな変速という無段変速式の変速機を搭載したパワートレインの特徴を損なうことがない。また、本発明によれば、その場合に、別段の新たな機器を用いず、既存の一般的な機器を使って、モードの切換動作に直接関連する物理量(変速比)に基いてモードの切換え終了判定をするから、コストアップを招かず、安価に、精度よく判定できる。本発明は、トロイダル式やベルト式等の無段変速機を備えたパワートレイン一般に広く好ましく適用可能である。

図面の簡単な説明

0222

図1本発明の実施の形態に係るトロイダル式無段変速機を備えたパワートレインの機械的構成を示す骨子図である。
図2上記変速機の要部の具体的構造を展開状態で示す平面図である。
図3図2のA−A線に沿う断面図である。
図4上記変速機の油圧制御の回路図である。
図5図3のB方向からみた変速制御用三層弁の周辺の部分断面図である。
図6図3のC方向からみた変速制御機構周辺の部分断面図である。
図7上記パワートレイン全体の制御システムを示すブロック図である。
図8ステップモータのパルス数とトロイダルレシオとの関係を示す特性図である。
図9ステップモーターのパルス数とユニットレシオとの関係を示す特性図である。
図10循環トルクの説明図である。
図11ステップモータのパルス数とトルクとの関係を示す特性図である。
図12ユニットレシオとトロイダルレシオとの関係を示す特性図である。
図13前進ローモードで用いられる変速線図である。
図14前進ハイモードで用いられる変速線図である。
図15後退ローモードで用いられる変速線図である。
図16正駆動状態でローモードからハイモードへの切換制御動作のタイムチャートである。
図17同制御で用いられるトルクとモード切換開始判定用トロイダルレシオとの関係を示すマップである。
図18同制御で用いられる油温と第1所定時間との関係を示すマップである。
図19同制御で用いられるトルクとリタード量との関係を示すマップである。
図20同制御で用いられるトルクとモード切換終了判定用ロークラッチ圧との関係を示すマップである。
図21同じくライン圧および油温とモード切換終了判定用経過時間との関係を示すマップである。
図22同制御の具体的動作の一例を示すフローチャートである。
図23同じくフローチャートである。
図24同じくフローチャートである。
図25同制御動作で用いられる指数と、ステップモータへ出力する制御信号のパルス数との関係を示すマップである。
図26同制御の具体的動作の別の例を示すフローチャートである。
図27同制御の具体的動作のさらに別の例を示すタイムチャートである。
図28同制御で用いられるパルス数の補正量と加速度(ショック)との関係を示す特性図である。
図29同制御の具体的動作の一例を示すフローチャートである。
図30同じくフローチャートである。
図31同制御で用いられる入力トルクと終了判定用レシオとの関係を示すマップである。
図32上記パワートレインを用いて有段マニュアルシフトを実現する場合の変速線図である。
図33別の形態の有段マニュアルシフトを実現する場合の変速線図である。
図34自動有段変速を実現する場合の変速線図である。

--

0223

1エンジン
10パワートレイン
20,30無段変速機構
50遊星歯車機構(歯車機構)
60ロークラッチ(摩擦締結要素)
70ハイクラッチ(摩擦締結要素)
200油圧制御回路
220,230変速制御用三層弁
251,252ステップモータ
271 ロークラッチ用デューティソレノイドバルブ
272 ハイクラッチ用デューティソレノイドバルブ
300 コントロールユニット

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