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技術 溝付き伝熱管製造用プラグ

出願人 冨士ダイス株式会社
発明者 斉藤貴広寺田修
出願日 2000年8月31日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 2000-306854
公開日 2002年3月5日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 2002-066625
状態 特許登録済
技術分野 一般的な熱交換又は熱伝達装置の細部1 特定物品の製造 金属の引抜加工 特定物品の製造 物理蒸着 CVD
主要キーワード 押圧ボール 炭化水素ガス雰囲気 中間被膜 プラズマ被覆 耐摩耗効果 中間層被膜 非晶質炭素被膜 加工応力
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この項目の情報は公開日時点(2002年3月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

熱交換器用内面溝付伝熱管製造に用いられるプラグ耐摩耗性を向上させ、長寿命化を図る。

解決手段

内面溝付き伝熱管製造用WC基超硬合金製プラグに非晶質炭素被膜被覆する。さらに好ましくは中間被膜として炭化けい素被膜を被覆する。

概要

背景

冷凍機空調機等の熱交換器に使用されている銅または銅合金製伝熱管には、伝熱性能を向上させるために、その内面に多数の溝が形成されている。この溝付き伝熱管の製造方法の一つとして、図2にその概念図を示すように、溝付きプラグ素管内部に挿入して、外部から押圧し、管内面に溝形状を転写する方法が知られている。

伝熱管製造用プラグには、従来炭化タングステン(WC)基超硬合金のうち、比較的高強度であるWC平均粒度が2〜5μm、結合相金属であるCo量が18〜22質量%である合金が多く用いられてきた。

概要

熱交換器用内面溝付き伝熱管製造に用いられるプラグの耐摩耗性を向上させ、長寿命化を図る。

内面溝付き伝熱管製造用WC基超硬合金製プラグに非晶質炭素被膜被覆する。さらに好ましくは中間被膜として炭化けい素被膜を被覆する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

銅または銅合金製の管の内面に、転写加工により溝状凹凸を形成するために用いられるプラグにおいて、該プラグの外周部に非晶質炭素被膜被覆されていることを特徴とする溝付き伝熱管製造用WC基超硬合金製プラグ。

請求項2

非晶質炭素被膜の厚さが0.5μm以上、5.0μm以下であり、かつ被膜微小ビッカース硬さが1000HV以上、3000HV以下であることを特徴とする請求項1に記載の伝熱管製造用プラグ。

請求項3

非晶質炭素被膜と基材超硬合金との間に中間層として、被膜厚さが0.2μm以上、2.0μm未満である、炭化けい素被膜を被覆したことを特徴とする請求項1または2に記載の伝熱管製造用プラグ。

請求項4

非晶質炭素被膜表面の平均面粗さ(Ra)が0.4μm以下であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の溝付き伝熱管製造用プラグ。

請求項5

非晶質炭素被膜中に1.0質量%以上、30質量%以下のフッ素を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の溝付き伝熱管製造用プラグ。

技術分野

0001

本発明は、内面に多数の溝状凹凸(以下、単に溝と略記)が形成された伝熱管を製造するために用いられる、溝付きプラグに関する。

背景技術

0002

冷凍機空調機等の熱交換器に使用されている銅または銅合金製伝熱管には、伝熱性能を向上させるために、その内面に多数の溝が形成されている。この溝付き伝熱管の製造方法の一つとして、図2にその概念図を示すように、溝付きプラグを素管内部に挿入して、外部から押圧し、管内面に溝形状を転写する方法が知られている。

0003

伝熱管製造用プラグには、従来炭化タングステン(WC)基超硬合金のうち、比較的高強度であるWC平均粒度が2〜5μm、結合相金属であるCo量が18〜22質量%である合金が多く用いられてきた。

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、上記の溝付きプラグにおいては、プラグ溝凸部の摩耗によるプラグ交換頻度が高く、製造コスト上昇の原因となるという問題点があった。本発明は、従来の溝付き伝熱管製造用プラグに比べ、耐摩耗性に優れた、溝付き伝熱管製造用プラグの提供を目的としている。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、上記の問題点を解決するために、WC基超硬合金からなるプラグ基材の表面に非晶質炭素被膜被覆したものである。非晶質炭素被膜は銅との親和性が低く、また銅や銅合金に対する摩擦係数が比較的低いことから、伝熱管製造時にプラグに被加工材凝着しにくく、かつプラグ溝凸部の摩耗を抑えることができる。

0006

非晶質炭素被膜をプラグ基材の表面に被覆するには、例えば1〜100Pa程度の低圧炭化水素ガス雰囲気中で、高周波発振器によりガスプラズマを発生させて、炭化水素ガスを分解し、一方プラグ基材に100〜2000Vのバイアス電圧を加えることにより被覆することができる。

0007

非晶質炭素被膜の厚さは0.5〜5.0μm程度が望ましく、0.5μm未満の場合は、寿命向上の効果が低く、また5.0μmを超えると、基材との熱膨張係数差に起因する被膜中残留応力が大きくなり、使用時に被膜破壊または剥離しやすくなる。被膜硬さは被覆処理時の基材温度バイアス電圧などにより変化させることができ、硬さ値は1000〜3000HVが望ましい。1000HV未満では被膜は軟質であり、耐摩耗効果が低い。また3000HVを超えると、被膜そのものの靭性が低下し、使用時に被膜中にクラックが生じやすくなる。

0008

一方、非晶質炭素被膜と基材超硬合金との間に中間層として炭化けい素被膜を被覆することにより、基材/中間層被膜/非晶質炭素被膜間の密着力が向上し、伝熱管製造時の被膜の耐剥離性を改善することが出来る。

0009

上記炭化けい素被膜の厚さは0.2〜2.0μm程度が望ましく、0.2μm未満の場合は、密着力向上の効果が低く、また2.0μmを超えると、基材及び非晶質炭素被膜との熱膨張係数差による被膜中の残留応力が大きくなり、使用時に被膜が剥離しやすくなる。

0010

また、プラグ溝部の非晶質炭素被膜の面粗さ(Ra)を0.4μm以下とすることにより、プラグ寿命をより延長することができる。Raが0.4μmを超えると、被膜と被加工材との間の摩擦係数が大きくなり、被加工材が凝着しやすくなる。

0011

さらに、非晶質炭素被膜中に1.0質量%(以下、すべて%と略記)以上、30%以下のフッ素を含ませることにより、被膜の銅や銅合金に対する耐凝着性を向上させることができるが、1.0%未満ではフッ素添加の効果が見られず、また30%を超えると被膜の強度が低下し、被膜が剥離しやすくなる。

0012

プラグ基材はWC基超硬合金よりなるが、その結合相合金中含有量が10〜28%のFe、Co、Niのうちの1種または2種以上の鉄族金属とし、WCの平均粒度は0.4μm以上、5μm以下で、合金硬さを1000HV以上、1400HV以下とするのが望ましい。これは1000HV未満ではプラグが加工応力により塑性変形しやすくなり、また1400HVを超える場合は靭性が低下し、プラグが欠損しやすくなるためである。

0013

以下、本発明の好適な実施例を、図面を参照して説明する。
例1)WC−18%Co超硬合金(WC平均粒度2.5μm、硬さ1120HV30)を用いて、図1の概念図に示すような外径10.0mm、長さ20.0mmの溝付き伝熱管製造用プラグを作製した。このとき溝部はRaを0.2μmに仕上げ加工した。プラグの表面にはまず、反応性イオンプレーティング法により、厚さ0.5μmの炭化けい素中間被膜を被覆した。すなわち熱電子ビーム銃にて金属けい素蒸発させ、流量2ml/min、圧力1PaのCH4雰囲気中、基材温度100℃、高周波出力50W、バイアス電圧−1000V、被覆時間0.3hrにてけい素蒸気イオン化し、炭化物として、基材表面に生成させた。次いで、プラズマCVD法により流量80ml/min、圧力10PaのCH4雰囲気中で、基材温度100℃、高周波出力50W、バイアス電圧−1000Vにて被覆時間を変えることにより、種々厚さの非晶質炭素被膜を被覆した。得られた本発明品No.1〜7の非晶質炭素被膜の被膜厚さ及び硬さを表1に示した。

0014

ここで被膜硬さは被覆処理後被膜表面で、微小ビッカース硬さ計荷重、10gf)によって測定した。この場合の硬さ測定値には、基材の硬さの影響が避けられないが、被膜のみの硬さを正確に測定することは困難であるので、便宜上これをもって被膜硬さとした。

0015

上記プラグを用いて、図2の概念図に示すような伝熱管の溝転写加工を行った。すなわち被加工材は内径10.0mm、肉厚0.4mmの銅管とし、管の内面に不水溶性潤滑剤を用いて銅管1コイル(重量6トン)の溝転写加工を行った。加工後のプラグ溝凸部のRa及び加工に伴う摩耗量を測定し、その結果及びプラグの形状保持寿命を被覆処理なしのプラグ(No.8)と比較して表1に併示した。ここで形状保持寿命とは、銅管1コイルの加工時点で転写された溝形状が、コイル全長にわたって所定の公差内にある場合を100%としたときの公差内形状維持長さのことである。

0016

表1より、非晶質炭素被膜の厚さが0.5μm未満または5.0μmを超えるプラグ(No.6、7)は、被覆処理なしのプラグよりも優れるものの、いずれも被膜の消失や剥離により形状保持寿命が短くなることが分かる。非晶質炭素被膜の被膜厚さが0.5〜5.0μmの範囲内にあるプラグ(No.1〜5)は加工後のRaが1μm以下と著しく小さく、また被膜の摩耗量も少なく、さらに使用可能であった。

0017

0018

例2)基材超硬合金及び中間被膜を例1と同様にし、その後被膜厚さ約2.0μmの非晶質炭素被膜を被覆したプラグを作製した。この時、基材温度および/またはバイアス電圧を変化させて非晶質炭素被膜の硬さを種々変化させた。得られた非晶質炭素被膜の硬さ、及び例1と同様に銅管1コイルの転写加工を行った後のプラグ溝凸部のRa、摩耗量及びプラグの形状保持寿命を表2に示した。被膜硬さが1000〜3000HVの範囲内にあるプラグ(No.9〜12)は加工後のRaが1μm以下と小さく、なお使用可能であったが、被膜硬さが低いプラグ(No.13)ではRaの劣化が速く、摩耗量も多くなり、また被膜硬さが高いプラグ(No.14)では被膜の一部が剥離し、溝部への銅の付着が起こり、いずれも形状保持寿命が短くなった。

0019

0020

例3)例1と同様の超硬合金を基材として、中間被膜の被覆時間を変化させ、その他の被覆条件は例1と同様にして、種々厚さの炭化けい素中間被膜及び被膜厚さ約2.0μmの非晶質炭素被膜を被覆したプラグを作製した。得られた中間被膜の厚さ及び例1と同様に銅管1コイルの転写加工を行った後のプラグ溝凸部のRa、摩耗量及びプラグの形状保持寿命を表3に示した。

0021

中間被膜厚さが0.2μm以上、2.0μm未満の範囲内にあるプラグ(No.15〜17)は、加工後のRaが1μm以下と著しく小さく、また被膜の摩耗量も少なくさらに使用可能であった。一方、中間被膜無しのプラグ(No.18)及び中間被膜厚さが2.0μm以上のプラグ(No.19)は、いずれも銅管1コイルに達する前に被膜が剥離し、寿命に達した。

0022

0023

例4)例1と同様の超硬合金を基材として用い、基材の仕上げ面粗さ(Ra)を種々変化させ、被膜面粗さ(Ra)の異なるプラグを作製した。被覆条件は例1と同様とし、炭化けい素中間被膜の厚さは0.5μm、非晶質炭素被膜の厚さはすべて2.0μmとした。得られた被膜のRaとこれらを用いて例1と同様に銅管1コイルの転写加工を行った後の溝凸部のRa、摩耗量及び形状保持寿命を表4に示した。非晶質炭素被膜のRaが0.4μm以下であるプラグ(No.20〜22)は、使用後のRaが0.5μm以下と著しく小さく、なお使用可能であった。被膜Raが大きい場合(No.23〜25)は、いずれもプラグ溝への被加工材の付着が起こり、溝凸部の摩耗量も多くなり、形状保持寿命も比較的短かった。

0024

0025

例5)例1と同様の超硬合金を基材として、例1と同様に被膜厚さ0.5μmの炭化けい素中間被膜を被覆した。その後続けて、CH4及びCF4ガスを用いて例1と同様の条件で、被膜中にフッ素を含む被膜厚さ2.0μmの非晶質炭素被膜を被覆した。この時、CH4/CF4比を種々変化させ、得られた非晶質炭素被膜の被膜中フッ素量被膜硬さ及び例1と同様に銅管1コイルの転写加工を行った後のプラグ溝凸部のRa、摩耗量及びプラグの形状保持寿命を表5に示した。被膜中フッ素量が1.0%以上、30%以下であるプラグ(No.27〜30)は、Raが0.3μmと、フッ素を含まない例1で示した本発明品3に比べ、加工後のRa及び摩耗量が小さく、なお使用可能であった。被膜中フッ素量が1.0%未満であるプラグ(No.26)では、Ra及び摩耗量は本発明品3と同程度であった。また被膜中フッ素量が30%を超える場合(No.31)は、転写加工中に被膜の剥離が発生した。このことから、非晶質炭素被膜中に1.0%以上、30%以下のフッ素を含ませることにより、上記プラグの耐摩耗性がさらに向上することが分かる。

0026

発明の効果

0027

以上説明したように、超硬合金基材に非晶質炭素被膜をプラズマ被覆した本発明の伝熱管製造用溝付きプラグは、優れた溝形状転写性を示すとともに、高耐摩耗性を有することにより、被加工材の品質が向上するとともに、プラグの寿命が長くなり、工業上極めて有益である。

図面の簡単な説明

0028

図1本発明に係わる伝熱管製造用の溝付きプラグの概念図である。
図2本発明に係わる伝熱管の内面溝転写加工の概念図である。

--

0029

1プラグ外周部
2 プラグ溝部
3溝付きプラグ
4銅管
押圧ボール
ダイス
7 フローティングプラグ

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